必修新演習 夏期テキスト 中3数学 正負の数・式の計算 · 2016-06-30 ·...
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はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
1
例題 1 正負の数の計算 1▷ (- 3)2 × 22 = 9× 4 = 36▷ 8+ 42 ÷(- 7)× 2 = 8+(- 6)× 2 = 8+(- 12) =- 4 �ここでは,減法から加法に,除法から乗法になおして計算することや,累乗の計算,四則混合計算の順序を確認する。
例題 2 1次式の計算 2▷ 3b - 8 -(2b + 1) = 3b - 8 - 2b - 1 = 3b - 2b - 8 - 1 = b- 9▷ - 4x × 3 =- 4× x × 3 =- 4× 3× x =- 12x
例題 3 いろいろな1次式の計算 理解 3▷ 3(2x + 4)= 3× 2x + 3 × 4
= 6x + 12 ▷ 3(4x - 1)- 6(x - 1) = 3× 4x + 3 ×(- 1)+(- 6)× x+(- 6)×(- 1) = 12x - 3 - 6x + 6 = 12x - 6x - 3 + 6� = 6x + 3
例題 4 多項式の計算 理解 4▷ 6a - 3b + 4a + b = 6a + 4a - 3b + b 加法の交換法則 =(6a + 4a)+(- 3b + b) =(6+ 4)a+(- 3+ 1)b
同じ文字の項どうし計算 = 10a - 2b
例題 5 いろいろな多項式の計算 理解 5▷ 2(x + y)+ 3(2x - y) かっこをはずし,項を並べかえて,同類項をまとめる = 2x + 2y + 6x - 3y = 8x - y
例題 6 単項式の乗法・除法 理解 6▷ 3x ×(- 2y) = 3×(- 2)× x× y =- 6xy▷ 9xy ÷ 3x
= 分数の形にして約分する = 3y
累乗から先に計算
わり算を先に計算
かけ算を先に計算
ひく数の符号を変えてかっこをはずす
9xy3x
〈導入〉 この課では,1,2年で学習した正負の数の計算を扱う。このあたりでつまずいてしまう生徒は 3年の範囲に入ったときに苦しくなるので,1,2年の対応する課に戻って念入りに復習する必要がある。 特に例題 1については,基礎中の基礎になるので,できない生徒がいないように徹底して指導したい。 生徒の習熟度によっては,単なる計算の復習なので,難なくこなしてしまうことが予想されるので,その場合は,演習問題に重点をおいて学習するとよい。
〈要点〉例題 1・乗除の計算結果の符号 負の数が偶数個→「+」 負の数が奇数個→「-」・四則混合計算の順序 累乗→かっこの中→乗除→加減
例題 2・1次式の加法 かっこをはずし,文字の部分が同じ項どうし,数の項どうしの和を求める。・1次式の減法 ひく式の各項の符号を変えて,加法になおし,計算する。・1次式と数の除法 a÷ b=
a÷ = a× (b≠ 0,c ≠ 0)
例題 3・分配法則 m(a+ b)=ma+mb (a+b)×m=am+bm・加法の交換法則 a+ b= b+ a・乗法の交換法則 ab=ba
例題 4,例題 5・同類項は分配法則を使って,1つの項にまとめる。 ma+ na =(m+ n)a・多項式と数の乗法・除法は分配法則を使う。 m(a+ b)=ma+mb
例題 6・単項式の乗法 係数の積に文字の積をかける。・単項式の除法 乗法の形になおして計算するか,分数の形にして約分する。
ab
cb
bc
【指導のねらい】★正負の数の計算ができるようにする。★ 1次式の計算ができるようにする。★多項式の計算の仕方を理解する。
◆指導ページ P.2 ~ 7 ◆
正負の数・式の計算
文字の部分が同じ項どうし,数の項どうしの和を求める
積の交換法則
数どうし計算する
分配法則m(a+ b)=ma+mbを用いる
かっこをはずして,文字の部分が同じ項をまとめる
係数の積に文字の積をかける
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
2 1 次方程式【指導のねらい】★1次方程式を正確に解くことができる。★比例式の取り扱いができるようにする。★文章題を1次方程式を利用することにより解決できるようにする。
例題 1 1次方程式の解き方 1▷ x+ 8= 3 x+ 8- 8= 3- 8 x=- 5▷ x- 4= 10 x= 10 + 4 x= 14
例題 2 かっこをふくむ1次方程式 理解 2▷ 2(x - 1)= 5 2x - 2 = 5 2x = 5 + 2
� x =
例題 3 係数に分数や小数をふくむ1次方程式 3▷ ����������0.5x - 1 = 0.2x - 1.6 (0.5x - 1)× 10 =(0.2x - 1.6)× 10 ����������� 5x - 10 = 2x - 16 ����������� 5x - 2x =- 16 + 10 ������������������� 3x =- 6 �������������������� x =- 2
例題 4 比例式 理解 4▷ x:6= 3:2 ��� 2x = 18 ����� x = 9
例題 5 1次方程式と解 理解 5▷ 方程式�4x + a = 11 + 2x�の解が 3であるとき,aの値を求めよ。 方程式を整理すると,a= 11 - 2x これに x= 3を代入して, ����a = 11 - 2 × 3 a= 5
例題 6 1次方程式の利用① 理解 6▷ 1000 円で,ノート 3冊と 250 円のしおりを 1枚買うと,おつりが 405 円だった。 ノート 1冊の値段はいくらか求めよ。 ノート 1冊の値段を x円とすると, 1000 -(3x + 250)= 405 ←おつり �支払った�����買った お金�������� 代金
1000 - 3x - 250 = 405 - 3x =- 345 x = 115 ノート 1冊の値段を 115 円とすると,1000 -(115 × 3 + 250)= 405(円)だから,x= 115�は問題に適している。よって,115 円
例題 7 1次方程式の利用② 理解 7▷� 弟は家を出発して学校に向かった。その 5分後に,姉は家を出発して同じ道を歩いて弟を追いかけた。弟の歩く速さを毎分 50m,姉の歩く速さを毎分 75mとすると,姉は家を出発してから何分後に弟に追いつくか求めよ。 姉が家を出発してから x分後に弟に追いつくとすると,弟の進んだ道のりは,50(5+ x)(m) 姉の進んだ道のりは,75x(m) したがって,75x = 50(5 + x)が成り立つ。これを解くと, 75x = 250 + 50x 25x = 250 x = 10 この解は問題に適している。よって,10 分後
72
〈導入〉 この課では,方程式の基本である1次方程式を取り扱う。等式の性質を利用して x=●の形にするのだが,等式の性質①,②が“移項”という手法と同じ操作であることを理解し,自在に式変形できるように指導したい。
〈要点〉例題 1・1次方程式の解き方 xをふくむ項を左辺に,定数項を右辺に移項して,ax = b の形に整理する。・等式の性質 A= Bならば ① A+ C= B+ C ② A- C= B- C ③ AC= BC
④ = (C≠ 0)
③ B=A
例題 2・かっこをはずして,例題 1のように,ax = b の形に整理する。
例題 3・係数を整数になおしてから解く。 係数が分数の場合,分母の最小公倍数を両辺にかける。 係数が小数の場合,10,100,…をを両辺にかける。
. 例題 4・比例式の性質 内項の積と外項の積は等しい。 a:b= c:dならば ad = bc
例題 5・方程式の解が pであるとき,その方程式の xに pを代入したとき,成り立つ。
例題 6・数量の関係から未知数量に関する等式をつくる。 ����方程式 この方程式を解き,方程式の解が問題にあっているかどうかを調べて答えを書く。
例題 7・数量の関係からここでは道のりに関する等式をつくる。 ���� ��方程式
ACBC
◆指導ページ P.8 ~ 13 ◆
等式の性質②
左辺の- 4を右辺に移項する
分配法則
左辺の- 2を右辺に移項する
両辺に 10 をかける分配法則
xをふくむ項を左辺に,定数項を右辺に移項する
比例式の性質
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必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
3 連立方程式【指導のねらい】★代入法・加減法のどちらで解けばより計算が楽であるかを判断し,着実に解くことができるようにする。★文章題から,未知数量を x,yとおき,2つの等しい数量関係を立式できるようにする。
例題 1 代入法による連立方程式の解き方 1▷ 連立方程式
�y =- 3x - 1 ……① を代入法で解け。 �4x + 3y = 7 ��……②
①を②に代入して,4x + 3(- 3x - 1)= 7 yを消去 4x - 9x - 3 = 7 - 5x = 10 x=- 2 ……③ ③を②に代入して,y=- 3×(- 2)- 1= 6- 1= 5 よって,x=- 2,y= 5
例題 2 加減法による連立方程式の解き方 2▷ 連立方程式
�x + 2y = 9 ���……① を加減法で解け。 �3x - y =- 1 ……②
…③ ③を②に代入して,3- y=- 1 - y=- 4 y= 4 よって,x= 1,y= 4 �①× 3-②でも求められる。
例題 3 かっこをふくむ連立方程式 理解 3▷ 連立方程式
2(x - 5)+ 3(y+ 2)= 1 ……① を解け。
x- 2y =- 8 �� ����……②
①を整理して,2x - 10 + 3y + 6 = 1 2x + 3y = 5 ……①' ax + by = c の形 ②より,x= 2y - 8 ……②' ②' を①' に代入して, 2(2y - 8)+ 3y = 5 4y - 16 + 3y = 5 y= 3 ……③ ③を②' に代入して,x= 6- 8=- 2 よって,x=- 2,y= 3
例題 4 係数に分数や小数をふくむ連立方程式 理解 4▷ 連立方程式
0.5x + 0.4y = 0.6 ……① を解け。
0.1x - 0.3y = 0.5 ……②
①× 10 5x + 4y = 6 ……①' ②× 10 x- 3y = 5 ……②' ①' -②' × 5 19y =- 19 y=- 1 ……③ ③を②' に代入して,x+ 3= 5 x= 2 よって,x= 2,y=- 1
例題 5 A= B= Cの形の連立方程式 理解 5▷ 連立方程式�5x + 2y = 8x + 4y = 4�を解け。
5x + 2y = 4 ……①
8x + 4y = 4 ……②
①-②÷ 2 x= 2 ……③ ③を①に代入して,10 + 2y = 4 y=- 3 よって,x= 2,y=- 3
例題 6 連立方程式と解 理解 6▷ 連立方程式
ax + by = 9 ……① の解が x= 3,y= 1であるとき,a,bの値を求めよ。
ax - by = 3 ……②
①,②に�x = 3,y = 1�を代入すると,
3a + b = 9 ……①'
3a - b = 3 ……②'
①',②' を連立方程式として解くと,a= 2,b= 3 よって,a= 2,b= 3
例題 7 連立方程式の利用 理解 7▷ 1個 80 円のみかんと,1個 150 円のりんごを合わせて 10 個買い,1080 円支払った。 みかんとりんごをそれぞれ何個買ったか求めよ。 個数についての式と,代金についての式をつくり,それらを連立方程式として解く。 みかんを x個,りんごを y個買ったとすると, 個数の関係から, x+ y= 10 ……① 代金の関係から, 80x + 150y = 1080 ……② ①,②を連立方程式として解くと,x= 6,y= 4 よって,みかん 6個,りんご 4個
〈導入〉 この課では,2年に学習した連立方程式の復習をする。代入法・加減法の,どちらの解き方で解けばより簡単であるかを見極め,ミスのないように解けるように確実に指導したい。
〈要点〉例題 1 一方の式をもう一方の式に代入することにより,文字を消去する。代入するときにはかっこを忘れないように注意する。
例題 2 1つの文字の係数の絶対値をそろえ,2つの式の両辺をたしたり,ひいたりして 1つの文字を消去することによって解く。
例題 3・ax + by = c の形に整理してから連立方程式を解く。
例題 4 係数がすべて整数になるような数を両辺にかけてから連立方程式を解く。
例題 5 A=B=Cの形の連立方程式
�, �,
のいずれかの組み合わせで解く。
例題 6 x= p,y= qが連立方程式の解であるとき,x= p,y= qをその連立方程式に代入すると,成り立っていることを用いる。
例題 7 等しい数量の関係を 2つみつけ,立式し,その連立方程式を解く。
A=B A=C
A=B B=C
A=C B=C
◆指導ページ P.14 ~ 19 ◆
① � ②× 2
x + 2y = 9+ 6x - 2y =- 27x = 7x = 1
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
4 1 次関数【指導のねらい】★比例,反比例,1次関数の式が扱えるようにする。★直線のグラフが扱えるようにする。★ 2直線の交点の座標の求め方を理解する。
例題 1 比例と反比例 1▷ yは x に比例し,x= 2のとき,y=- 6である。yを x の式で表せ。 y= ax に x = 2,y =- 6を代入して,2a =- 6 a=- 3 よって,y=- 3x▷ yは x に反比例し,x=- 3のとき,y= 4である。yを x の式で表せ。
y= に x=- 3, y= 4を代入して,4= a=- 12 よって,y=-
�反比例で比例定数 aを求める場合は,反比例の式 y= を変形した a= xy を用いてもよい。
例題 2 1次関数の変化の割合 理解 2▷ 1次関数�y = 2x + 5�で,x の値が 0から 3まで増加したときの変化の割合を求めよ。 x= 0のとき,y= 5,x = 3 のとき,y= 11 xの増加量は,3- 0= 3,yの増加量は,11 - 5 = 6
したがって,変化の割合= = 2
例題 3 1次関数のグラフ 3
▷� 1 次関数�y = �x + 4 グラフの傾きと切片をいえ。また,
右の図のア~エのうちのどの直線か,記号で答えよ。
グラフの傾きが ,切片が 4であることから,グラフはウ。
例題 4 1次関数の式 理解 4▷ 傾きが 2で,点(3,7)を通る直線の式を求めよ。 傾きが 2なので,求める直線の式は y= 2x + b とおける。x= 3,y= 7を代入して, 7= 2× 3+ b b= 1 よって,求める直線の式は,y= 2x + 1 �「平行」という言葉が出てきたら,「その 2直線の傾きは等しい」ということである。ま
た,「y軸との交点の y座標」という言葉が出てきたら,これは切片のことを指すので,あわせて注意しておきたい。
例題 5 方程式とグラフ 5▷ 方程式 2x- y- 2= 0を yについて解き,そのグラフをかけ。 この方程式を yについて解くと, 2x - y - 2 = 0 - y=- 2x + 2 y= 2x - 2 直線は以下の①,②を踏まえてかく。 ①切片が- 2なので,点(0, - 2)を通る。
②傾きが 2= なので,xが 1増加すると,yは 2増加する。
例題 6 2直線の交点 理解 6▷� 右の図で,2直線ℓ,mの交点 Pの座標を求めよ。
直線ℓは,傾き =- 2,切片 4であるから,
y=- 2x + 4 ……①
直線mは,傾き = 1,切片- 1であるから,
y= x - 1 ……②
①,②を連立方程式として解くと,x= ,y=
よって,P( , )
ax
a- 3
12x
ax
63
32
32
-5
-5
5
5
Ox
y
21
- 21
11
53
23
5323
〈導入〉 この課では,1次関数を取り扱う。ただし,反比例は 2年で学習した 1次関数とは式もグラフの形も違うため,忘れていることが多いので,注意して指導する必要がある。 グラフについては,今後学習する 2次関数では放物線を扱うことになるので,直線のグラフを学習するのは最後になる。どうすればグラフがかけるのか,x軸や y軸,2直線の交点の座標はどのように求めるかなど,徹底して指導したい。
〈要点〉例題 1・比例の式… y= ax
・反比例の式… y=
このとき aを比例定数という。
例題 2・xの増加量に対する yの増加量の割合を変化の割合という。
(変化の割合)=
・1次関数 y= ax + b では,変化の割合は一定で,傾き ax に等しい。
例題 3・y= ax + b のグラフ 傾きは a,切片は b
例題 4・1次関数の式… y= ax + b このときの aを傾き,bを切片という。・(傾き)=(変化の割合)
=
例題 5・方程式のグラフのかき方…以下の 2つのかき方がある。 ①傾きと切片を求めてからかく。 ②通る 2点を求めてかく。 例題 6・2直線の交点と連立方程式の解 2直線の交点の座標は,その 2直線を表す 2つの式を連立方程式とみて解いた解と一致する。
ax
(y の増加量)(xの増加量)
(yの増加量)(xの増加量)
◆指導ページ P.20 ~ 25 ◆
ア
イ
ウ エ
x
y
O 5-5
5
-5
P
ℓm
x
y
O 5-5
5
-5
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
5 平面図形・空間図形【指導のねらい】★基本の作図の性質を理解し,作図できるようにする。★おうぎ形の弧の長さと面積を求められる。★角柱(錐)・円柱(錐)・球の表面積と体積の公式を用いて求められる。回転体のの表面積と体積を求められる。
例題 1 基本の作図 1▷ 右の図で,Pを通り,直線ℓに垂直な直線を作図せよ。 � ℓ上の 2点A,Bを,PA= PBとなるようにとると,△ PABは二等辺三角形。さらに,CA= CBとなる点をとると,△CABは二等三角形。線分 PCとABは直交する。 ①�点 Pを中心としてℓに交わる円をかき,ℓとの交点を�A,Bとする。
②A,Bを中心として等しい半径の円をかき,その交点をCとする。 ③直線 PCをひく。
例題 2 おうぎ形 暗記 2▷� 右の図のおうぎ形の弧の長さと面積を求めよ。ただし,円周率はπとする。 弧の長さは,2π× 10 ×� = 3π(cm)
面積は,π× 102×� = 15π(cm3)
例題 3 角柱・円柱の表面積と体積 暗記 3▷ 右の図の円柱の表面積と体積を求めよ。 表面積は,(π× 42)× 2+(2×π× 4× 10) 底面積 側面積 = 32π+ 80π = 112π(cm2) 体積は,π× 42× 10 = 160π(cm3)
例題 4 角錐・円錐の表面積と体積 暗記 4▷ 右の図の正四角錐の体積を求めよ。
体積は, ×(5× 5)× 3= 25(cm3) ��� �底面積 �高さ
例題 5 球の表面積と体積 理解 5▷ 右の球の表面積と体積を求めよ。 表面積は,4π× 62= 144π(cm2)
体積は, π× 63= 288π(cm3)
例題 6 回転体 理解 6▷� 右の図で,長方形ABCDを,直線ℓを軸として 1回転させてできる立体の表面積と体積を求めよ。 � 1 回転してできる立体は,右の図のような円柱である。 表面積は,2π× 3× 4+π× 32× 2 = 24π+ 18π = 42π(cm2) 体積は,π× 32× 4 = 36π(cm3)
54360
54360
13
43
〈導入〉 この課では作図や平面図形,空間図形についての(表)面積や体積など,1,2年で学習してきた図形を広く取り扱う。 作図については,入試に出る場合が多いので,基本的な作図は必ずおさえておく必要がある。 おうぎの弧の長さと面積,角柱(錐),円柱(錐),球,回転体の表面積と体積は,入試問題で頻出であるので,その基本をおさえておく必要がある。 図形問題は,苦手とする生徒が多いので,丁寧に指導したい。
〈要点〉例題 1・垂線・角の二等分線の描き方を理解する。
例題 2・おうぎ形の弧の長さと面積 半径が r,中心角が�a°のおうぎ形の弧の長さをℓ,面積を Sとすると, ℓ= 2πr× S=πr2×
例題 3・角柱・円柱の表面積と体積 (表面積)=(側面積)+(底面積)× 2 (体積)=(底面積)×(高さ)
例題 4・角錐・円錐の表面積と体積 (表面積)=(側面積)+(底面積)
(体積)= ×(底面積)×(高さ)
例題 5・球の表面積と体積 球の半径を r,表面積を S,体積をVとすると,
S= 4πr2 V= πr3
a360
a360
13
43
◆指導ページ P.26 ~ 31 ◆
ℓ
P
ℓ BA
C
①③
②
P
10cm
54°
4cm
10cm
3cm
5cm5cm
6cm
ℓ
4cm
3cm
DA
B C
4cm
3cmD
C
A
B
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
6 三角形と四角形【指導のねらい】★平行線や多角形の角の計算の仕方を理解する。★三角形の合同の証明の仕方を理解する。★二等辺三角形や平行四辺形の性質や証明の仕方を理解する。
例題 1 平行線と角 1▷ 右の図で,∠ xの大きさを求めよ。 ただし,ℓ//mとする。 平行線の同位角は等しいので, 65°+∠ a= 180° ∠ a= 115° よって,∠ x= 115°
例題 2 三角形の角,多角形の角 2▷ 右の図で,∠ xのの大きさを求めよ。 � n角形の内角の和は,180°×(n- 2)であるから,四角形の内角の和は,180°×(4- 2)= 360° したがって,130°+ 70°+ 67°+∠ x= 360° よって,∠ x= 93°
例題 3 三角形の合同 理解 3▷� 右の図で,OA=OB,OC= ODであるとき,合同な三角形を記号≡を使って表せ。また,そのときに使った合同条件をいえ。 △AODと△ BOCにおいて, OA=OB(仮定より) ……① OD=OC(仮定より) ……② ∠AOD=∠ BOC(共通) ……③ ①,②,③より,2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから, △AOD≡△ BOC 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。
例題 4 二等辺三角形 理解 4 右の図で,AB=ACであるとき,∠ xの大きさを求めよ。▷ 二等辺三角形の底角は等しいから, ∠ACB=∠ x 64°+ 2∠ x = 180° よって,∠ x= 58°
▷ ∠ABC= 180°- 110°= 70° 二等辺三角形の底角は等しいから, ∠ x+ 70°× 2= 180° よって,∠ x= 40°
例題 5 平行四辺形 理解 5 右の平行四辺形ABCDで,x,yの値を求めよ。▷ 平行四辺形では,2組の対角はそれぞれ等しいので, ∠B=∠Dより,∠ x= 70° ∠C=∠Aより,∠ y= 110° よって,x= 70,y = 110
▷ 平行四辺形の 2つの対角線はそれぞれの中点で交わるので, x+ x = 10(cm)より,x= 5(cm) 平行四辺形では,2組の対辺はそれぞれ等しいから, AB= DCより,y= 7(cm) よって,x= 5,y= 7
〈導入〉 角の計算については,平行線に関する問題は比較的簡単なものが多いが,多角形の内角の和や外角の和を忘れている生徒が多いので,注意して指導したい。 二等辺三角形や平行四辺形になるための条件をおさえ,さらに,それらの図形の性質を理解する。 三角形や平行四辺形を用いた証明では,証明の流れを徹底して指導する。問題量が不足しがちなので,その場合は 2年の対応する課に戻って復習するとよい。
〈要点〉例題 1・平行線の同位角は等しい。・平行線の錯角は等しい。
例題 2・三角形の 1つの外角は,それととなり合わない 2つの内角の和に等しい。・n角形の内角の和… 180°×(n- 2)・n角形の外角の和… 360°
例題 3・三角形の合同条件 ① 3組の辺がそれぞれ等しい。 ② �2 組の辺とその間の角がそれぞれ等しい。
③ �1 組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい。
例題 4・二等辺三角形の性質 ①二等辺三角形の底角は等しい。 ②�二等辺三角形の頂角の二等分線は,底辺を垂直に 2等分する。
例題 5・平行四辺形の定義… 2組の対辺がそれぞれ平行な四角形・平行四辺形の性質 ① 2組の対辺はそれぞれ等しい。 ② 2組の対角はそれぞれ等しい。 ③対角線はそれぞれの中点で交わる。
◆指導ページ P.32 ~ 37 ◆
65°ℓ
mx同位角
65°ℓ
mx
a
130°
70° 67°
x
A
B
C
DO
64°
xB C
A
110°x
C
BA
CB
A D110° 70°
y°x°
CB
A D
7cm
10cm
xcm
ycm
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
7 資料の活用・確率【指導のねらい】★度数分布表やヒストグラム,代表値など,資料を整理し,活用できるようにする。★樹形図や表を利用して場合の数を数えられるようにする。★確率の計算の仕方を理解する。
例題 1 度数分布表 1▷� 右の度数分布表は,あるクラスの 20 名の通学時間をまとめたものである。次の問いに答えよ。 ① 階級の幅を求めよ。 10 - 5 = 5(分) ②� 通学時間が 20 分以上 25 分未満の階級の相対度数を求めよ。
= 0.25 ③� この度数分布表を,ヒストグラムに表せ。
例題 2 代表値 2▷� 右の度数分布表は,25 人の生徒のある日のテレビ視聴時間をまとめたものである。次の問いに答えよ。 ①� 右の表から,階級値を用いて平均値を求めよ。
平均値= より,
= 2.14(時間)
② 中央値はどの階級に入っているか。 � 25 人中の中央の値は 13 人目の値なので,中央値は 1時間以上 2時間未満の階級に入っている。
③ 最頻値を求めよ。 度数のもっとも多い階級の階級値は 1.5 時間。
例題 3 場合の数 3▷� 袋の中に,1から 5までの番号のついた玉が,それぞれ 1個ずつ合計 5個入っている。この袋の中から同時に 2個取り出すとき,次の問いに答えよ。 ① 取り出し方は,全部で何通りあるか。 5個の玉を,①,②,③,④,⑤として樹形図をかくと, 以下のように全部で 10 通り。
② 取り出した2個の玉の数の差が2となるときは何通りあるか。 右の表より,2個の玉の数の差が 2となるのは,3通り。 �重なりのないように数え上げる場合は,①―②,②―①などの重なりがないように,樹形図をかくときに十分に注意する。
例題 4 確率 4▷ A,B,C 3 種類の硬貨を同時に投げるとき,次の確率を求めよ。 ① すべて表が出る確率
� 表を○,裏を×として樹形図をかく。樹形
図より,①のみ。よって,求める確率は,
② 2枚以上裏が出る確率
2枚が裏になるのは,④,⑥,⑦,3枚が裏になるのは,⑧となるので,求める確率は,
=
520
(階級値×度数)の総和度数の合計
53.525
① ② ③ ④ ⑤
① 1 2 3 4
② 1 2 3
③ 1 2
④ 1
⑤
①
②③④⑤
②③④⑤
③④⑤
④ ⑤
○
×
○…①×…②○…③×…④
○
CBA
○
×
○…⑤×…⑥○…⑦×…⑧
×
CBA
18
4812
〈導入〉 この課では資料の活用や確率を扱う。年度の最後に学習しているので,問題量をこなした経験が少なく,記憶に残りにくい課である。 資料の整理については,扱う用語が多いので,覚えづらい。用語の確認から指導していくとよい。 確率については,基本的に樹形図や表を利用して数え上げのみで計算していくので,樹形図や表のかき方,数え方を重点的に指導したい。
〈要点〉例題 1・階級の幅…分けられた区間の幅
・相対度数…
例題 2・階級値…階級のまん中の値・代表値…資料の傾向や特徴を表す 1つの値。以下の 3つがある。
①�平均値…
②�中央値(メジアン)…資料の値を大きさの順に並べたときの中央の値
③�最頻値(モード)…資料の中でもっとも多く出てくる値。度数分布表では,度数のもっとも多い階級の階級値のこと。
例題 3・場合の数の数え方…樹形図や,表を利用する。もれなく,重複なく数え上げることが大切である。
例題 4
・Aの起こる確率=
その階級の度数度数の合計
資料の値の総和度数の合計
Aの起こる場合の数すべての場合の数
◆指導ページ P.38 ~ 43 ◆
階級(分) 度数(人) 以上 未満
5 ~ 10 210 ~ 15 415 ~ 20 820 ~ 25 525 ~ 30 1計 20
通学時間
5
108642
10 15 20 25 30O (分)
(人)
階級(時間) 階級値(時間) 度数(人) 階級値×度数 以上 未満0 ~ 1 0.5 1 0.51 ~ 2 1.5 13 19.52 ~ 3 2.5 7 17.53 ~ 4 3.5 2 74 ~ 5 4.5 2 9計 25 53.5
はじめに 学習内容・補足事項
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8 多項式の計算【指導のねらい】★多項式の展開の仕方を理解する。★乗法公式を覚えて使えるようにする。★おきかえを利用した展開の仕方を理解する。
例題 1 多項式と単項式の乗除,式の展開 1▷ 2a(2b - 3c) = 4ab - 6ac▷ (x+ 3)(y+ 5) � = xy + 5x + 3y + 15
例題 2 乗法公式① 暗記 2▷ (x- 2)(x+ 5) � = x2 +(- 2+ 5)x +(- 2)× 5 = x2 + 3x - 10▷ (a- 3)(a- 4) = a2 + {(- 3)+(- 4)}a +(- 3)×(- 4) = a2 - 7a + 12 �乗法公式①は,以下で学習する乗法公式②,③を使う式でも使うことができる。ただし,
計算するスピードが遅くなるので,②,③が使えない場合に限って使うとよい。
例題 3 乗法公式② 暗記 3▷ (x+ 5)2 = x2 + 2 × x × 5 + 52 = x2 + 10x + 25▷ (a- 3b)2 = a2 - 2 × a × 3b +(3b)2 = a2 - 6ab + 9b2
�乗法公式②は 2つあるが,次のように,ⅱの式の bを符号までふくめて(- b)と考えると,ⅰの計算になる。このように,符号まで含めて考えれば乗法公式②はⅰの式の 1つだけになる。
(a- b)2 = {a +(- b)}2 = a2 + 2 × a ×(- b)+(- b)2 = a2 - 2ab + b2
例題 4 乗法公式③ 暗記 4▷ (x+ 4)(x- 4) = x2 - 42
= x2 - 16▷ (2a + 3b)(2a - 3b) =(2a)2 -(3b)2
= 4a2 - 9b2
例題 5 おきかえを利用した展開 理解 5▷ (a+ b+ 3)2 =(X+ 3)2 =X2 + 6X+ 9 =(a+ b)2 + 6(a + b)+ 9 = a2 + 2ab + b2 + 6a + 6b + 9
例題 6 加法・減法を組み合わせた式の展開 理解 6▷ (x- 1)2 +(x+ 2)(x+ 3) =(x2 - 2x + 1)+(x2 + 5x + 6) = x2 - 2x + 1 + x2 + 5x + 6 = 2x2 + 3x + 7
分配法則
xを yと 5に,3を yと 5にかける
乗法公式①
乗法公式①
乗法公式②ⅰ
乗法公式②ⅱ
乗法公式③
乗法公式③
a+ b= Xとおく
Xを a+ bに戻す
〈導入〉 この課では公式を使った展開を主に取り扱う。分配法則の計算が基礎となるので,苦手な生徒は 2年の数×多項式の計算に戻って復習するとよい。 公式を使わない展開の計算は,公式を使う計算でも公式を忘れてしまったときにとても役に立つので,徹底して指導する。 乗法公式は,今後の展開の計算に役に立ち,覚えて使えるのとそうでないのとでは計算スピードが段違いなので,必ず覚えさせる必要がある。また,因数分解する際には必須といえる。覚える際には公式を書かせたり,声に出して読ませると良い。 おきかえを利用した展開は,主に扱うのは高校に入ってからになるが,できるのとできないのとでは計算スピードも計算量もかなり違ってくるので,是非とも覚えさせたい。
〈要点〉例題 1・式を展開する…かっこをはずして単項式の和の形に表すこと
(a+ b)(c+ d)=ac+ ad+bc+bd
例題 2・乗法公式① (x+ a)(x+ b)= x2+(a+ b)x+ ab
例題 3・乗法公式② ⅰ (a+ b)2 = a2 + 2ab + b2
ⅱ (a- b)2 = a2 - 2ab + b2
例題 4・乗法公式③ (a+ b)(a- b)= a2 - b2
例題 5・おきかえを利用した展開…多項式を1つの文字におきかえて,乗法公式にあてはめて展開する。その後,おきかえた文字を多項式に戻す。
例題 6・乗法公式①~③を用いて,いろいろな式の展開ができるようにしておく。
◆指導ページ P.44 ~ 49 ◆
乗法公式②と①を使って,式を展開する
はじめに 学習内容・補足事項
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9 因数分解【指導のねらい】★素因数分解の仕方を理解する。★乗法公式を利用した因数分解の仕方を理解する。★因数分解を利用した証明ができるようにする。
例題 1 共通因数をくくり出す 1▷ 24 を素因数分解し,累乗の指数を使って表せ。 24 = 2 × 2 × 2 × 3 = 23 × 3 右のように計算するとよい。▷ 次の式を因数分解せよ。 ① xy - yz = y× x - y × z = y(x - z) ② 2x2 - 4xy + 6x = 2x × x - 2x × 2y + 2x × 3 = 2x(x - 2y + 3)
例題 2 乗法公式を利用した因数分解① 2▷ x2 - 3x - 10 を因数分解せよ。 x2 - 3x - 10 � = x2 + {2 +(- 5)}x + 2 ×(- 5) =(x+ 2)(x- 5)
例題 3 乗法公式を利用した因数分解② 理解 3▷ x2 + 6x + 9 を因数分解せよ。 x2 + 6x + 9 = x2 + 2 × 3 × x + 32
=(x+ 3)2
例題 4 乗法公式を利用した因数分解③ 理解 4▷ x2 - 9 を因数分解せよ。 x2 - 9 = x2 - 32
=(x+ 3)(x- 3)
例題 5 いろいろな式の因数分解 理解 5▷ 次の式を因数分解せよ。 ① a(x + y)- 3(x + y) = aX- 3X =X(a- 3) =(x+ y)(a- 3) ② (a+ b)2 + 6(a + b)+ 8 =X2 + 6X+ 8 =(X+ 2)(X+ 4) � =(a+ b+ 2)(a+ b+ 4)
例題 6 式の計算の利用 理解 6▷ 192 - 112 を,くふうして計算せよ。 192 - 112
=(19 + 11)(�19 - 11) = 30 × 8 = 240▷ x = 8,y= 3のとき,x2 - 2xy + y2 の値を求めよ。 x2 - 2xy + y2
=(x- y)2
=(8- 3)2
= 52 = 25
2 �242 �122 � 63
小さい素数からわっていき,わられる数が素数になるまで続けると,もとの数は左端といちばん下の数の積で表される。
yが共通因数なので,yでくくる
2x が共通因数なので,2x でくくる
積が- 10,和が- 3となるような 2数は 2と- 5
①'
x + y = Xとおく
Xを x+ yに戻す
a+ b= Xとおく
Xを a+ bに戻す
〈導入〉 この課では因数分解を扱う。因数分解は,前の課で学習した展開の逆計算であり,計算する上で乗法公式が密接に関わってくるので,乗法公式を確実に覚えさせてから本課の授業を進めていきたい。 因数分解を利用した証明では,全体の証明の流れをつかむことが重要である。証明の書き方に不安がある生徒は,2年の文字式の利用のところに戻って証明の復習をするとよい。
〈要点〉例題 1・素数… 1より大きい整数で,1とその数以外に約数をもたない数・素因数…約数のうち素数である数・素因数分解する…整数を素因数の積の形に表すこと・共通因数でくくり出す。 ma+mb=m(a+ b)
例題 2,例題 3,例題 4・乗法公式を利用した因数分解…乗法公式を利用して,展開の逆操作を行う。 ①' x2 +(a+ b)x + ab� =(x + a)(x+ b) ②' a2 + 2ab + b2 =(a+ b)2
� a2 - 2ab + b2 =(a- b)2
③' a2 - b2 =(a+ b)(a- b)
例題 5・共通因数がある場合,初めにくくり出してから,さらに因数分解ができれば因数分解す。 ma+mb=m(a+ b)・おきかえを利用した因数分解…多項式を 1つの文字におきかえて,乗法公式にあてはめて因数分解をする。その後,おきかえた文字を多項式に戻す。
例題 6・因数分解や展開を利用してくふうして式の計算ができないか考える。
◆指導ページ P.50 ~ 55 ◆
③'
a2 - b2 =(a+ b)(a- b)を利用
はじめに 学習内容・補足事項
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10 平方根【指導のねらい】★平方根の言葉の意味を理解する。★分母の有理化の仕方を理解する。★平方根の計算の仕方を理解する。
例題 1 平方根 1▷ 次の数の平方根を求めよ。
① 4 ② 10 ③
正の数の平方根は,正の数と負の数の 2つある。よって,①± 2 ②± �10 ③±
▷ 次の数を根号を使わないで表せ。 ① �25 ② �64 ③ ( �5 )2
①~③は全て根号の中が 0より大きい数なので,① 5 ② 8 ③ 5 2つの問題を混同して, �25 =± 5と間違えてしまう場合があるので注意する。
例題 2 根号の変形 2▷ �12 を変形して, �� � の中をできるだけ簡単な数にせよ。 根号の中の数を素因数分解して変形する。 �12 = �4 × 3 = �22 × �3 = 2 �3 �根号の変形では,25 や 49 といった平方数をよく使うので,平方数を頭に入れておくと,
変形のスピードは速くなる。
例題 3 平方根の大小 3▷ 2,� �5 の数の大小を,不等号を使って表せ。 2=� �4 で,4< 5だから,� �4 <� �5 すなわち�2 <� �5
例題 4 根号をふくむ式の乗法・除法 4▷ � �5 ×� �2 = �5 × 2 = �10 �12 ×� �3 = �12 × 3 = �36 = 6
例題 5 分母の有理化 5
▷ の分母を有理化せよ。
分母にある根号のついた数を分母と分子にかける。
= = =
例題 6 根号をふくむ式の加法・減法 理解 6▷ 3 �2 + 4 �2 =(3+ 4) �2 = 7 �2
▷ �12 - �27 = 2 �3�- 3 �3� =- �3
例題 7 根号をふくむ式のいろいろな計算 理解 7▷ �3�(2 + �3�) = �3�× 2 + �3�× �3� = 2 �3�+ 3
▷ ( �2 + 2)( �5 - 3) = �2 × �5 + �2 ×(- 3)+ 2× �5 + 2 ×(- 3) = �10 - 3 �2 + 2 �5 - 6
536
�56
3 �6
3 �6
3 × �6 �6 × �6
3 �66
�62
〈導入〉 この課では平方根を学習する。平方根は 2乗の逆であるが,理解のしづらいところなので,平方根の言葉の意味を具体例でよく実感させて指導していきたい。 根号の変形については,平方根の様々な計算をする上で必ず必要になってくるので,根号の変形が確実にできるように指導してから先に進むとよい。 分母の有理化は,分母を無理数のない形に直す作業であるが,中学の範囲では根号を含む場合しか扱わないので,分母に根号がない形を分母の有理化としても構わない。 平方根の計算については,今までの四則演算と少しルールが違うように見えることがあるので,じっくりと指導する必要がある。
〈要点〉例題 1 a> 0のとき・aの平方根… 2乗すると aになる数で, �a,- �a の 2 つある。
�a,- �a をまとめて,± �a と表す。・平方根の性質 ( �a )2 = a �a2 = a例題 2・根号のついた数の変形…根号の中の数を素因数分解して,2乗になる数があれば,根号の外に出すことができる。
�a2b = �a2 �b = a �b�(a>0,b>0)
例題 3・平方根の大小 ◦ a,bが正の数で,a< b�ならば, �a < �b�
◦�負の数は 0より小さく,絶対値が大きいほど小さい。
例題 4 a> 0,b> 0のとき �a × �b = �ab
�a ÷ �b = �
例題 5・分母の有理化…分母に根号がある場合に分母に根号がない形に変形すること。分母と分子に同じ数をかける。
= =
例題 6・平方根の計算 m �a ± n �a =(m± n) �a
ab
b �a
b × �a �a × �a
b �aa
◆指導ページ P.56 ~ 61 ◆
素因数分解して,2乗になる数を根号の外に出す
分配法則
式を展開
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
11 2 次方程式⑴【指導のねらい】★平方根を利用した 2次方程式の解き方を理解する。★解の公式を覚える。★因数分解を利用した 2次方程式の解き方を理解する。
例題 1 平方根を利用した解き方 理解 1▷� 3x2 = 24 �� x2 = 8 � � x =± �8 � x =± 2 �2
▷� (x + 2)2 = 7 � � x + 2 =± �7 � x =- 2± �7 �x2 + px + q = 0 の解き方は慣れないうちは非常に難しいので,慣れるまでたくさんの問
題を演習させるとよい。
例題 2 解の公式 暗記 2▷ 2x2 - 5x + 1 = 0 を解の公式を使って解け。 � 2x2 - 5x + 1 = 0 �
� x =
� x =
� x =
�解の公式を使うと,2次方程式ならば必ず解を求めることができる。しかし,解の公式は他の 2次方程式の解き方より時間がかかるので,解の公式でないと解けないもののみに使用するとよい。
例題 3 因数分解を利用した解き方① 理解 3 次の方程式を解け。▷ x2 + 6x = 0 � x(x + 6)= 0 x= 0または x+ 6= 0 よって,x= 0,- 6▷ (x+ 2)(x- 1)= 0 x+ 2= 0または x- 1= 0 よって,x=- 2,1
例題 4 因数分解を利用した解き方② 理解 4▷ x2 - 5x - 6 = 0 を解け。 x2 - 5x - 6 = 0 (x- 6)(x+ 1)= 0 x- 6= 0または x+ 1= 0 よって,x= 6,- 1
例題 5 いろいろな 2次方程式 理解 5▷ x(x + 8)=- 7を解け。 x(x + 8)=- 7 x2 + 8x + 7 = 0 (x+ 1)(x+ 7)= 0 x+ 1= 0または x+ 7= 0 よって,x=- 1,- 7
x2 = の形にするba
▷� x2 + 8x + 6 = 0� x2 + 8x =- 6 � � x2 + 8x + 42 =- 6+ 42 � (x + 4)2 = 10� x + 4 =± �10� x =- 4± �10
8 の半分である 4の 2乗を両辺に加える
x=± � の形にするba
x + a =± �bの形にする
解の公式-(- 5)± �(- 5)2 - 4 × 2 × 12 × 2
5 ± �25 - 84
5 ± �174
左辺を因数分解
〈導入〉 この課では,2次方程式を扱う。2次方程式は 3年になってから学習した展開,因数分解,平方根のすべてを利用して計算することになるので,計算に不安のある生徒がいる場合は,該当する課に戻って復習してからこの課に進むとよい。 2次方程式の解き方は式によっていくつかパターンがあるので,どの形の式のときにどういう解き方をするべきかに注意して指導する必要がある。 解の公式については,高校に入ってからも多用することになるので,公式を何回も書かせたり,問題量をこなすなどして,必ず身につけておきたい。
〈要点〉例題 1・ax2 = b の解き方
x2 = として,x=± �
・(x+ a)2 = b の解き方 x+ a=± �b として,aを移項する。 x=- a± �b・x2 + px + q = 0 の解き方 xの係数の半分の 2乗を両辺に加えて,(x+ a)2 = b の形を導く。
例題 2・解の公式… ax2 + bx + c= 0の解は,
x=
例題 3,例題 4・因数分解を利用した解き方は, (AB= 0ならばA= 0またはB=0)であることを利用する。・分配法則や,①',②',③' を使って,因数分解する。
例題 5・必ず,ax2 + bx + c = 0 の形にして,左辺が因数分解できないかを考える。因数分解できなければ解の公式を用いて解く。
ba
ba
- b ± �b2 - 4ac2a
◆指導ページ P.62 ~ 67 ◆
左辺を因数分解
かっこをはずして,- 7を移項
左辺を因数分解
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中3数学 指導のポイント
12 2 次方程式⑵【指導のねらい】★ 2次方程式 ax2 + bx + c = 0 の解の 1つが pであるとは,ap2 + bp + c = 0 が成り立つことを知る。★ 2次方程式を利用してさまざまな文章題を解けるようにする。
例題 1 2次方程式と解 理解 1▷� 2 次方程式 x2 + ax + 6 = 0 の解の 1つが 3であるとき,aの値を求めよ。また,もう 1つの解を求めよ。 x2 + ax + 6 = 0 に x = 3 を代入して, 9+ 3a + 6 = 0 a=- 5 したがって,与えられた 2次方程式は, x2 - 5x + 6 = 0 (x- 2)(x- 3)= 0 x= 2,3 よって,もう 1つの解は 2
例題 2 数に関する問題 暗記 2▷ 大小 2つの整数があり,その差は 5で,積は 14 である。2つの整数を求めよ。 小さいほうの整数を xとすると,大きいほうの整数は x+ 5と表される。 2つの整数の積が 14 であるから, x(x + 5)= 14 x2 + 5x - 14 = 0 (x- 2)(x+ 7)= 0 x= 2,- 7 x= 2のとき,大きいほうの数は,2+ 5= 7 x=- 7のとき,大きいほうの数は,- 7+ 5=- 2 これらは問題に適している。
例題 3 図形に関する問題 理解 3▷� 正方形の厚紙の 4隅から,1辺が 3cmの正方形を切り取り,残りを折り曲げて,ふたのない直方体の容器を作ったら,容積が108cm3 になった。はじめの正方形の 1辺の長さを求めよ。 � はじめの正方形の厚紙の 1辺の長さを xcmとすると,直方体の底面の 1辺の長さは,x- 6(cm)と表される。 3×(x- 6)2 = 108 x2 - 12x = 0 x(x - 12)= 0 x= 0,12 x- 6> 0であるから,x> 6 よって,x= 0は問題に適さず,x= 12�は適している。
例題 4 動点に関する問題 理解 4▷� AB= 12cm,BC= 24cmの長方形ABCDがある。点 Pは辺AB上を毎秒 1cmの速さでAから Bまで動き,点Qは辺 BC上を毎秒 2cmの速さでBから Cまで動く。P,Qが同時に出発するとき,△ PBQの面積が 32cm2 になるのは,出発してから何秒後か求めよ。 x秒後に△ PBQの面積が 32cm2 になるとすると, BP= 12 - x(cm),BQ= 2xcmだから,
× 2x ×(12 - x)= 32
x(12 - x)= 32 x2 - 12x + 32 = 0 (x- 4)(x- 8)= 0 x- 4= 0または x- 8= 0 よって,x= 4,8 ここで,0≦ x ≦ 12,0 ≦ 2x ≦ 24 であるから,0≦ x ≦ 12 したがって,x= 4,8はともに問題に適している。よって,4秒後と 8秒後
12
〈導入〉 前課に続いて,2次方程式を学習する。ここでは,2次方程式の解の 1つを 2次方程式に代入すると成り立つことから,未定係数の値を求める問題と,文章題から,2次方程式を立式し,その解を求める問題を扱う。2次方程式は入試で頻出であるので,さまざまな問題をこなしておく必要がある。
〈要点〉例題 1・2次方程式の解・もう 1つの解 2次方程式の 1つの解を,その 2次方程式に代入して,aの値を求める。次に,aの値を代入して,2次方程式を解く。
例題 2,例題 3,例題 4・2次方程式の解の確認 2次方程式を利用して問題を解くとき,解が問題に適するか確認する。たとえば,xが自然数のとき,負の数や分数の解などはあてはまらない。 また,xのおき方は,何通りも考えられるが,一番計算が楽になるようにおくとよい。
◆指導ページ P.68 ~ 73 ◆
3cm
3cm
3cm
(x-6)cm
(x-6)cm
A
B
D
C
P
Q
12cm
24cm