点状出血斑をきたしたヒトパルボウイルスb19感...

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976 点状 出血斑 を きた した ヒ トパ ル ボ ウイル スB19感 染 症 の1例 川崎医科大学小児科,1)現 井原市立井原市民病院小児科 嶋田 由 奈1)八 康裕 平賀 由美子 河野 祥二 寺田 喜平 片岡 直樹 (平成8年3月1日 受 付) (平成8年6月7日 受 理) Key words: petechiae, human parvovirus B19, thrombocytopenia ヒ トパ ルボ ウイル スB19(以 下B19)は1983年 Andersonら1)に よ って 伝 染 性 紅 斑 の 原 因 ウ イ ル ス で あ る こ とが 明 らか に な った.ま た最 近,B19の レセプターが赤芽球系細胞,巨 核 球,血 管内皮細 胞 に 多 く存 在 す る赤 血 球 のP抗 原 で あ る2)こ とが 判 明 し,遺 伝 性 球 状 赤 血 球 症 患 者 に お け るaplas- tic crisisの 病 態 や,胎 内感染時の胎児水腫の病態 を説 明 す る こ とが 可 能 に な っ た. 今 回私 共 は,血 小 板 数 が13.3×104/μlと 軽度の 減 少 に もか か わ らず 点状 出 血 を認 め,し か も下 肢 に点 状 出血 が 少 な い とい う患 児 を経 験 し た.骨 検 査 で 赤 芽 球 系 の 著 明 な低 形 成 を伴 って お り, PCR法 や 抗 体 検 査 か らB19感 染 症 と診 断 した . B19感 染 症 の病 態 を理 解 す る上 で 興 味 深 い症 例 と 思 わ れ る た め,若 干 の文 献 的 考 察 を加 えて 報 告 す る. 症 例:10歳,女 児. 主 訴:体 幹 を 中心 とす る点 状 出血. 既往歴:特 記 す べ き こ とな し. 家族歴:特 記 す べ き こ とな し. 現病歴:平 成7年3月10日 よ り38℃ 台 の発 熱, 鼻 汁,咳 嗽 を認 め て い た.3月13日 にな り体幹 を 中 心 に点 状 出血 が 出現 した た め,近 医 を受 診,ITP を疑 わ れ,検 査 を受 けた と ころ,血 小 板 数 が13.3× 104/μlと 軽 度 減 少 を認 め て い た.翌3月14日,点 状 出血 が 拡 大 し,血 小 板 数 が10.9×104/μlと さら に減少 して いたため,当 科 に紹 介 入 院 とな った . 入 院 時 現 症:身 長126.0cm,体 重23.2kg,体 37.7℃,血 圧114/60,脈 拍120/分.体 幹, 多 数 の点 状 出 血 を認 め た が,下 肢 に は点 状 出 血 を ほ とん ど認 め なか った.紫 斑 は認 め なか っ た.顔 面 の 両 頬 部 に紅 斑 を認 め た.咽 頭 は発 赤 を認 め た が,口 腔 粘 膜 に は点 状 出血 は認 め な か った.ま 眼 瞼 結 膜 に貧 血 は な く,眼 球結膜に黄疸はなかっ た.心 肺 に異 常 な く,腹 部 は圧 痛 や 肝 脾 腫 は認 め な か った. 入 院 時 検 査 所 見(Table 1):白 血球数 は3,50 μlと軽 度 減 少 を示 し,分 画 で は単 核 球,異 型 リン Table 1 Laboratory data on admission 別 刷 請求 先:(〒715)岡 山 県井 原 市井 原 町1186 井原市民病院小児科 嶋田 由奈 感染症学雑誌 第70巻 第9号

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Page 1: 点状出血斑をきたしたヒトパルボウイルスB19感 染症の1例journal.kansensho.or.jp/kansensho/backnumber/fulltext/70/...Key words: petechiae, human parvovirus B19,

976

臨 床

点状 出血斑 をきた した ヒ トパル ボウイルスB19感 染症 の1例

川崎医科大学小児科,1)現 井原市立井原市民病院小児科

嶋田 由奈1)八 木 康裕 平賀 由美子

河野 祥二 寺 田 喜平 片岡 直樹

(平成8年3月1日 受付)

(平成8年6月7日 受理)

Key words: petechiae, human parvovirus B19, thrombocytopenia

序 文

ヒ トパルボウイルスB19(以 下B19)は1983年

Andersonら1)に よって伝染性紅斑 の原因 ウイル

スであることが明 らかになった.ま た最近,B19の

レセプターが赤芽球系細胞,巨 核球,血 管内皮細

胞に多 く存在する赤血球のP抗 原である2)ことが

判明し,遺 伝性球状赤血球症患者におけるaplas-

tic crisisの病態や,胎 内感染時の胎児水腫の病態

を説明することが可能になった.

今回私共は,血 小板数が13.3×104/μlと 軽度の

減少にもかかわ らず点状出血を認 め,し かも下肢

に点状出血が少ないという患児を経験 した.骨 髄

検査で赤芽球系の著明 な低形成 を伴 ってお り,

PCR法 や抗体検査か らB19感 染症 と診断 した.

B19感 染症の病態 を理解する上で興味深い症例 と

思われるため,若 干の文献的考察を加 えて報告す

る.

症 例

症例:10歳,女 児.

主訴:体 幹を中心 とする点状出血.

既往歴:特 記すべきことなし.

家族歴:特 記すべきことなし.

現病歴:平 成7年3月10日 より38℃台の発熱,

鼻汁,咳 嗽 を認めていた.3月13日 になり体幹 を

中心に点状出血が出現 したため,近 医を受診,ITP

を疑われ,検 査を受 けた ところ,血小板数が13.3×

104/μlと軽度減少 を認めていた.翌3月14日,点

状出血が拡大 し,血 小板数が10.9×104/μlと さら

に減少 していたため,当 科に紹介入院 となった.

入院時現症:身 長126.0cm,体 重23.2kg,体 温

37.7℃,血 圧114/60,脈 拍120/分.体 幹,上 肢に

多数の点状出血を認めたが,下 肢 には点状出血を

ほとんど認めなかった.紫 斑は認めなかった.顔

面の両頬部 に紅斑を認めた.咽 頭 は発赤を認めた

が,口 腔粘膜 には点状出血 は認めなかった.ま た

眼瞼結膜に貧血 はなく,眼 球結膜に黄疸はなかっ

た.心 肺に異常な く,腹 部 は圧痛や肝脾腫は認め

なかった.

入院時検査所見(Table 1):白 血球数 は3,500/

μlと軽度減少 を示し,分 画では単核球,異 型 リン

Table 1 Laboratory data on admission

別刷請求先:(〒715)岡 山県井原市井原町1186

井原市民病院小児科

嶋田 由奈

感染症学雑誌 第70巻 第9号

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ヒ トパ ル ボ ウイ ル スB19感 染 症 977

Fig. 1 Smears of bone marrow on admission. The numbers of erythroblasts were

extremely reduced (Fig. la) and a few giant proerythroblast like cells (arrow)

were seen (Fig. 1b).

a b

パ 球 の 軽 度 増 加 を認 め た.血 小 板 数 は12.2×104/

μlと 軽 度 減 少 を 認 め た.ま たCRP 1.2mg/dl,

ESR 13mm/hrと 軽 度 炎 症 所 見 を認 め た.ASOや

ASKの 上 昇 は な く,出 血 傾 向 も正 常 で あ っ た.

PAIgGは76.1ng/107 cellsと 軽 度 上 昇 を 示 して い

た.骨 髄 検 査 で は有 核 細 胞 数 は正 常 で あ った が,

赤 芽 球 系 の 著 明 な 低 形 成 と,giant proerythrob-

Iast like cell(Fig.1a,b)の 出現 を認 めた.巨

核 球 数 の 増 加 や,maturation arrestは 認 め なか っ

た.顔 面 の 紅 斑 と骨 髄 検 査 所 見 よ りB19感 染 症 を

疑 い,PCR法 で 咽 頭 ぬ ぐい 液 と血 清 よ りB19の

DNAを 検 出 し 得 た.同 時 に 行 っ た 抗 体 検 査

(ELISA法)で もIgM抗 体,IgG抗 体 と も に陽 性

で あ っ た.

入 院 後 経 過(Fig.2):止 血 剤 の 投 与 に て 経 過 観

察 を行 った と こ ろ,入 院2日 目 に 白血 球 数2,900/

μl,血 小 板 数11.4×104/μlと 減 少 を認 め た が,翌

日 よ り増 加 傾 向 とな った.入 院8日 目 に は 皮疹 が

消 失 した.ヘ モ グ ロ ビ ン は入 院5日 目 よ り徐 々 に

減 少 した が,10.9mg/dlま で に と ど ま り,入 院15

日 目 よ り増 加 傾 向 とな っ た.網 状 赤 血 球 は 入 院7

日 目 で は0.2%と 低 下 して い た が,入 院9日 目 に は

1.5%,入 院11日 目 に は3.5%と 増 加 を認 め た.入

院17日 目 に再 度 施 行 した 骨 髄 検 査 で は,赤 芽 球 系

の正 常 な 出 現 を認 め た.患 児 は全 身状 態 良 好 な た

め,入 院18日 目 に退 院 とな っ た.

考 察

ヒ トパ ル ボ ウ イル スB19(以 下Bl9)は1975年

にCossartら3)に よ り発 見 され,そ の 後,1983年 に

Andersonら1)に よ っ て 伝 染 性 紅 斑 の 原 因 ウ イ ル

スで あ る こ とが 明 らか に な っ た.さ ら に1985年 に

な り,Mortimerら4)がB19感 染 症 の5歳 女 児 に お

い て,骨 髄 巨核 球 の 増 加 を伴 う典 型 的ITPの 合 併

を初 め て 報 告 し て以 来,血 小 板 の 減 少 を伴 うITP

合 併 例 の 報 告4)~8)が見 ら れ る よ う に な った.Le-

frereら`)は 抗 体 検 査 に よ りITP患 児 の5%に

B19感 染 の 関 与 が あ った こ と を報 告 し て い る.さ

ら に近 年 に な り,Murrayら7)はITP患 児 の49%

にPCR法 に よ っ てB19のDNAを 証 明 して い る

が,B19のIgM抗 体 は17%,IgG抗 体 は23%し か

認 め られ て い な い.ま た,従 来 のITPに 合 致 しな

い,血 小 板 の 減 少 を伴 わ な い 紫 斑 病 は,1985年 の

Lefrereら9)の 報 告 を初 め と して,血 管 性 紫 斑 病 合

併 例9)~13)として報 告 され て い るが,腹 痛,下 血,関

平成8年9月20日

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978 嶋田 由奈 他

Fig. 2 The clinical course of this case. WBC, White blood cells; Plt, Platelets;

Hb, Hemogulobin; Retic, Reticulocytes

The day afteradmission

節痛 を伴う典型的な血管性紫斑病例9)10)は少ない.

その一方で,腹 痛や関節炎 を伴わず血小板の軽度

低 下 を伴 っ た,本 例 の よ う な紫 斑 病 例8)9)14)~18)が数

例 報 告 さ れ て い る(Table 2).さ ら に,こ れ らの

Table 2 Case reports of petechiae due to human parvovirus B19 in the literature

EB, Erythroblasts; MK, Megakaryocytes

感染症学雑誌 第70巻 第9号

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ヒ トパル ボウイル スB19感 染症 979

報告の中には,Table 2に 示すように骨髄検査所

見で赤芽球系の著明な低形成や巨核球数の低下を

示 し16)~18),本例 と類似 した臨床経過をとった例 も

あった.こ れ らの病 因については不明な点が多

かったが,1993年 になりB19の レセプターが赤血

球のP抗 原である2)ことが判明 した.P抗 原は赤

血球表面だけでな く赤芽球系細胞,巨 核球,血 管

内皮細胞,ま た胎児の肝細胞や心筋細胞に多 く存

在 している19)20).また,P抗 原 を持たない者 は,ウ

イルスのレセプターを持たないため,生 涯B19に

感染しない19)ことが報告されている.一方,1994年

Schwarzら21)が,伝 染性紅斑患児の皮膚よりモノ

ク ローナル抗 体 を用 いて上 皮細 胞 内 にB19の

capsid蛋 白と核 内にB19のDNAの 存在 を証 明

してお り,現 在ではB19の 多彩な臨床症状のメカ

ニズムはウイルスの標的細胞への直接的な障害 に

よるもの と考 えられている.私 共が探 し得た限 り

では,B19感 染 に伴 う点状出血の病理組織学的検

討 を行った報告はなかったが,本 例では血小板 は

軽度低下にとどまってお り,点状出血はITPや 血

管性紫斑病 では通常見 られない体幹や上肢 に多

かった.以 上 より本例での点状出血 は,血 小板減

少 よりも主 としてウイルスによる血管内皮細胞の

障害 によることが示唆 された.私 共は過去に当科

でITPと 診断された51例 について も検索 を行っ

たが,本 例のように骨髄検査で赤芽球系の著明な

低形成を伴った例 は認めず,本 例は稀な症例であ

ると思われた.

文 献

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6) Lefrêre JJ, Courouce AM, Kaplan C:

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pura. Lancet 1989; i: 279.

7) Murray JC, Kelley PK, Hogrefc WR, McClain

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1988; 92: 642.

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10) Lefrere JJ, Courouce AM, Soulier JP et al.:

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平成8年9月20日

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980 嶋田 由奈 他

20) 布 上 董: ヒ トパ ル ボ ウ イル スB19感 染症. 小 児

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A Case with Petechiae due to Human Parvovirus B19

Yoshina SHIMADA1), Yasuhiro YAGI, Yumiko HIRAGA, Shoji KAWANO,

Kihei TERADA & Naoki KATAOKADepartment of Pediatrics, Kawasaki Medical School"Department of Pediatrics , Ibara Municipal Hospital

We reported a case of 10-year-old girl with petechiae mainly on the truncus, although who

had more than 10•~104/,ul of platelets. Smears of her bone marrow demonstrated extreme

reduction of erythroblasts with giant proerythroblast like cells, which does not consist with

idiopathic thrombocytopenic purpura. Human parvovirus B19 (B19) DNA was detected in her

serum and throat swab using PCR and significant alterations of B19 specific IgM and IgG

antibody titers were demonstrated. The petechiae subsided on the 8th day after her admission .

She had not shown anemia less than Hb 10g/dl, but her reticulocytes counts had increased up

to 3.5% on the 11th day after her admission. Smears of her bone marrow on the 17th day became

normal with moderate erythroblasts.

It is demonstrated that the cellular receptor of this virus is an antigen of the blood group P

recently. P antigen is presented not only on erythrocytes and on erythroblasts but also on

megakaryocytes and endotherial cells. Therefore, it is suggested that direct injury by B19 to

endothelial cells could cause petechiae in this case.

感染症学雑誌 第70巻 第9号