火山ガス等のリアルタイムモニタリング技術の開発 - jstraspberry pi b+ ( 0£...

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火山ガス等のリアルタイムモニタリング技術の開発 東京大学・(研)防災科学技術研究所・(研)産業技術総合研究所 【実施概要】 ・火山ガス組成と放出率のモニタリング技術及び火山灰の情報収集・分析技術と情 報基盤を開発して、「リアルタイム被害推定・災害情報収集・分析・利活用システム 開発」の利活用システムを高度化する。 桜島 項目1:火山ガスモニタリング技術開発 分光計受光部 Raspberry Pi B+ 分光計USB2000+ GPS受信機 モバイルバッテリ WIFI アダプタ 無人機を用いた火山ガスの測定技術 火山ガスモニタリングシステム 運用試験を実施し、 情報基盤に入力 項目2:火山灰モニタリング技術開発 野外に おける運 用試験 火山灰自動採取・可搬型分析システム 項目3:火山ガス等のモニタリング情報 による利活用システムの高度化 情報基盤 SIP④情報共有システム SIP⑤利活用システム 火山ガス・火山灰モニタリング 等の観測情報を含め、1時間 以内に統合的把握を可能とす 地方自治体 火山防災協 議会等 気象庁や火山噴火予 知連絡会への情報共 有・提供 ・火山活動評価の 高度化 ・気象庁の 噴火 警戒レベルの判 全体計画 項目1: 火山ガスモニタリング技術開発 二酸化硫黄観測装置および無人機搭載火山ガス放出量測定装置のプ ロトタイプを設計・作成するとともに、観測システム全体の運用プランを 設計した。 火山ガスの多成分組成の自動計測・データ伝送装置および無人機設 置型火山ガス多成分組成モニタリング機器の試作実験を行い、プロト タイプを作成した。 項目2: 火山灰モニタリング技術開発 火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプを作成し、評価した。 エネルギー分散型エックス線分析装置を導入し、火山灰粒子の解析を 開始した。 項目3:火山ガス等のモニタリング情報による利活用システムの高度化 火山ガス・火山灰モニタリングなどの観測情報を統合的把握を可能と する情報基盤及び、降灰等の発生状況を迅速に情報収集するための 火山災害調査支援機能を開発した。 H28年度の実施内容(成果の概要) 火山ガスの多成分組成の自動計測・ データ伝送装置および無人機設置型 火山ガス多成分組成モニタリング機 器のプロトタイプの運用試験を実施し、 運用手法の改善を行う。 火山ガスの多成分組成の自動計 測・データ伝送装置および無人機 設置型火山ガス多成分組成モニタ リング機器の試作実験を行い、プロ トタイプを作成した。 H28年度成果 H2930年度計画 項目2「火山ガスモニタリング技術開発」 高機能型の火山ガスの多成分組成の自動計 測・データ伝送装置(左)および無人機設置用 の簡易型装置(右) (研)産業技術総合研究所 開発ポイント 共通項目 データ計測・制御用の専用ボードを開発し、多 機能測定、即時データ送信を実現 高機能型 様々な状況下での高精度の測定 測定成分:CO 2 , SO 2 , H 2 S, H 2 O, H 2 低濃度環境での測定可能な高精度CO 2 濃度計 外部センサーによる火山ガス濃度検知機動型 簡易型 機能を限定することにより、軽量・低消費電力・ 低価格化し多数の観測装置の展開や無人機で の設置の実現を可能とする。 測定成分:CO 2 , SO 2 , H 2 S 火口近傍の高濃度環境での測定用 二酸化硫黄観測装置のプロトタイプおよび無人機搭載火山ガス放出量測定装置の プロトタイプの運用試験を進め、運用手法を検討し改善および確立を行う。 H2930年度計画 項目2「火山ガスモニタリング技術開発」 高機能型火山ガスの多成分組成計測装置の内部 桜島山麓に設置し、火山ガス組 成連続観測を実施し、各種セン サーの野外での安定性の評価を 行うとともに、データの即時送 信・解析の運用試験を実施する。 (研)産業技術総合研究所 運用試験器を設置予定の桜島 南山麓持木川上流砂防堰堤 赤外 CO 2 -H 2 OSO 2 -H 2 S化学センサー 半導体H 2 センサー 外部センサー検知器 計測制御ボード wifi, 3G通信機能付き) 二酸化硫黄観測装置および無人機搭載火山ガス放出量測定装置のプロトタイ プを設計・作成するとともに、観測システム全体の運用プランを設計した。 H28年度成果 項目2「火山ガスモニタリング技術開発」 上空二酸化硫黄量測定装置(右側のボッ クス):ボックス内に紫外分光計、制御・通 信用IoTタイプPC、電源管理タイマー 開発ポイント ・紫外分光計を用いた上空二酸化硫黄量測定装置の開発 低消費電力・測定スペクトルデータの自動アップロード 桜島南東部に22地点設置(5地点稼動中、順次稼働予定) ・全天カメラ噴煙監視システムの開発 桜島の南部、東部および桜島の南東方向に3点設置 現在稼働中 上空二酸化硫黄量 測定装置の設置例 外:ソーラーパネル タイプ(左上)、ポー ル取付タイプ(上) 分光計 -20 0 20 40 60 80 9 11 13 15 17 二酸化硫黄量(ppmm) 時刻 43日の上空二酸化硫黄量測定例。上空に噴 煙が流れていた東側測点(橙色)。噴煙が流れ ていなかった南側測点(青色)(40秒平均) PC タイマー 項目2「火山ガスモニタリング技術開発」 桜島の南東側(海潟漁 港)に設置した全天カメ ラシステム 4310:133台の全天カメラの画像。10時過ぎの 小噴火の噴煙(西に流れた)が見えている 無人機搭載火山ガス放 出量測定装置のプロト タイプの1例: 超小型紫外分光計、 制御用小型PCGPS及び光 学系を組み込み、重量を 200g程度まで抑えた 114 mm 集光部 GPS 火山ガスの多成分組成の自動計測・データ伝送装置および無人機設置型火山ガス 多成分組成モニタリング機器のプロトタイプの運用試験を実施し、運用手法の改善を 行う。 H2930年度計画 ・桜島の南東に展開する装置群により二酸化硫 黄放出率のリアルタイムモニタリングの運用試 験を実施する。 ・屋外での装置の安定性の評価および二酸化硫 黄定量方法の高度化を進める。 南測点 東測点 南東測点 桜島 桜島 桜島 マグマ活動推移を反映する火山灰 粒子の形状・化学組成等の特徴を 把握し、モニタリングに必要なパラ メータの抽出を行う。 火山灰自動採取・可搬型分析装置 の運用試験によって採取された試 料のクロスチェックを行い、データ の妥当性の検証を行う。 エネルギー分散型エックス線分析 装置を導入し、火山灰粒子の解析 を開始した。 H28年度成果 H2930年度計画 項目2「火山灰モニタリング技術開発」 走査型電子顕微鏡に装荷されたエネ ルギー分散型エックス線分析装置 導入したエネルギー分散型エック ス線分析装置により取得した新燃 2011年火山灰粒子の化学組成 分布図(左)とそれから識別したマ グマ粒子の組成スペクトル(上) 検出器 制御系 電子顕微鏡 (研)産業技術総合研究所 火山灰粒子に含まれる様々な種類の粒子の中から、噴火活動に直接関係するマグ マ粒子を識別するための客観的な判断基準を確立する。 粒子間の化学組成の均一性 同一集団であることの保証 表面・内部組織の特徴性 高温粒子の冷却の証拠 エネルギー分散型エックス線解析装置を用いた、微細組織および化学組成分析に よる識別基準の作成 H2930年度計画 項目2「火山灰モニタリング技術開発」 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 60.0 65.0 70.0 75.0 80.0 L1 L2 L3 L4 L5 L6 L7 L8 Kami L4 Kami L3 Kami L2 Kami L1 A B C 光学(左上)電顕(左下)及び内部組織から識別できた、 マグマ物質と考えられる火山灰粒子. 口永良部島火山2014年噴出物 (研)産業技術総合研究所 火山灰粒子分析結果例.化学組成から3つの集団が 識別でき、組織等から2つのマグマグループ(A,B)と岩 Cに分けられる.縦軸K2O,横軸SiO2 火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプを作成し、評価した。 H28年度成果 項目2「火山灰モニタリング技術開発」 )火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプ,右上)装置によって洗浄・乾燥・分級された火 山灰,右下)装置によって得られた火山灰画像 任意の時間間隔で火山灰試料を洗浄,乾燥,分級させ,顕微鏡画 像を撮影,指定のサーバーへ伝送する. 阿蘇の最近の火山灰試料を用いて評価を行った. 洗浄,乾燥,撮影は問題なく実施できたが,分級部においてター ゲットとなる粒径よりも小さな粒子が混入する課題が残った. 処理後の火山灰試料 取り込み部 洗浄部 乾燥部 分級部 (研)防災科学技術研究所 火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプを用いた運用試験を実施 し、屋外での観測機能の強化を進める。 H2930年度計画 項目2「火山灰モニタリング技術開発」 さらなる室内実験により分級部の問題を改善させる. 今秋または冬から桜島火山において運用試験を実施し,野外観測での機能強化を進める. 運用試験は京大桜島観測所の協力のもと行う. )運用試験における装置 設置候補地の例を赤△で 示す. (研)防災科学技術研究所 火山ガス・火山灰モニタリングなどの観測情報を統合的把握を可能とする情報基盤及び、 降灰等の発生状況を迅速に情報収集するための火山災害調査支援機能を開発した。 H28年度成果 項目3「火山ガス等のモニタリング情報による利活用システムの高度化」 情報基盤 SIP⑤利活用システム の高度化 火山ガス・火山灰の状 況の迅速な統合的把 握及び処理と利活用シ ステムに表示を可能と する情報基盤を開発 火山災害調査支援機能 を利活用システムに追 加して高度化 (研)防災科学技術研究所 利活用システム 火山災害調査支援機能 火山ガス・火山灰モニタリング等の観測情報を含め、1 時間以内に統合的把握を可能と する情報基盤を開発し、火山災害調査支援機能を追加した災害対応支援のための利 活用システム等を通じて、火山噴火予知連絡会等に情報提供し、有用性を検証する。 H2930年度計画 項目3「火山ガス等のモニタリング情報による利活用システムの高度化」 情報基盤 SIP⑤利活用システム の高度化 火山ガス・火山灰の状 況の迅速な統合的把 握及び処理と利活用シ ステムに表示を可能と する情報基盤を開発 火山災害調査支援機能 を利活用システムに追 加して高度化 利活用システム 火山災害調査支援 機能 火山ガス・火山灰モニタ リング等の観測情報 火山噴火予 知連絡会等 (研)防災科学技術研究所

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  • 火山ガス等のリアルタイムモニタリング技術の開発東京大学・(研)防災科学技術研究所・(研)産業技術総合研究所

    【実施概要】・火山ガス組成と放出率のモニタリング技術及び火山灰の情報収集・分析技術と情報基盤を開発して、「リアルタイム被害推定・災害情報収集・分析・利活用システム開発」の利活用システムを高度化する。

    桜島

    項目1:火山ガスモニタリング技術開発

    分光計受光部

    Raspberry Pi B+

    分光計USB2000+

    GPS受信機

    モバイルバッテリ WIFIアダプタ

    無人機を用いた火山ガスの測定技術

    火山ガスモニタリングシステム

    運用試験を実施し、情報基盤に入力

    項目2:火山灰モニタリング技術開発

    野外における運用試験

    火山灰自動採取・可搬型分析システム

    項目3:火山ガス等のモニタリング情報による利活用システムの高度化

    情報基盤

    SIP④情報共有システム

    SIP⑤利活用システム

    火山ガス・火山灰モニタリング等の観測情報を含め、1時間

    以内に統合的把握を可能とする

    地方自治体

    火山防災協議会等

    気象庁や火山噴火予知連絡会への情報共有・提供

    ・火山活動評価の高度化・気象庁の 噴火警戒レベルの判断

    全体計画

    項目1:火山ガスモニタリング技術開発• 二酸化硫黄観測装置および無人機搭載火山ガス放出量測定装置のプロトタイプを設計・作成するとともに、観測システム全体の運用プランを設計した。

    • 火山ガスの多成分組成の自動計測・データ伝送装置および無人機設置型火山ガス多成分組成モニタリング機器の試作実験を行い、プロトタイプを作成した。

    項目2:火山灰モニタリング技術開発• 火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプを作成し、評価した。

    • エネルギー分散型エックス線分析装置を導入し、火山灰粒子の解析を開始した。

    項目3:火山ガス等のモニタリング情報による利活用システムの高度化• 火山ガス・火山灰モニタリングなどの観測情報を統合的把握を可能とする情報基盤及び、降灰等の発生状況を迅速に情報収集するための火山災害調査支援機能を開発した。

    H28年度の実施内容(成果の概要)

    火山ガスの多成分組成の自動計測・データ伝送装置および無人機設置型火山ガス多成分組成モニタリング機器のプロトタイプの運用試験を実施し、運用手法の改善を行う。

    火山ガスの多成分組成の自動計測・データ伝送装置および無人機設置型火山ガス多成分組成モニタリング機器の試作実験を行い、プロトタイプを作成した。

    H28年度成果 H29~30年度計画

    項目2「火山ガスモニタリング技術開発」

    高機能型の火山ガスの多成分組成の自動計測・データ伝送装置(左)および無人機設置用の簡易型装置(右)

    (研)産業技術総合研究所

    開発ポイント共通項目

    データ計測・制御用の専用ボードを開発し、多機能測定、即時データ送信を実現高機能型様々な状況下での高精度の測定測定成分:CO2, SO2, H2S, H2O, H2低濃度環境での測定可能な高精度CO2濃度計外部センサーによる火山ガス濃度検知機動型簡易型

    機能を限定することにより、軽量・低消費電力・低価格化し多数の観測装置の展開や無人機での設置の実現を可能とする。測定成分:CO2, SO2, H2S火口近傍の高濃度環境での測定用

    二酸化硫黄観測装置のプロトタイプおよび無人機搭載火山ガス放出量測定装置のプロトタイプの運用試験を進め、運用手法を検討し改善および確立を行う。

    H29~30年度計画

    項目2「火山ガスモニタリング技術開発」

    高機能型火山ガスの多成分組成計測装置の内部

    桜島山麓に設置し、火山ガス組成連続観測を実施し、各種センサーの野外での安定性の評価を行うとともに、データの即時送信・解析の運用試験を実施する。

    (研)産業技術総合研究所

    運用試験器を設置予定の桜島南山麓持木川上流砂防堰堤

    赤外 CO2-H2O計

    SO2-H2S化学センサー

    半導体H2センサー

    外部センサー検知器

    計測制御ボード(wifi, 3G通信機能付き)

    • 二酸化硫黄観測装置および無人機搭載火山ガス放出量測定装置のプロトタイプを設計・作成するとともに、観測システム全体の運用プランを設計した。

    H28年度成果

    項目2「火山ガスモニタリング技術開発」

    上空二酸化硫黄量測定装置(右側のボックス):ボックス内に紫外分光計、制御・通信用IoTタイプPC、電源管理タイマー

    開発ポイント・紫外分光計を用いた上空二酸化硫黄量測定装置の開発低消費電力・測定スペクトルデータの自動アップロード桜島南東部に22地点設置(5地点稼動中、順次稼働予定)

    ・全天カメラ噴煙監視システムの開発桜島の南部、東部および桜島の南東方向に3点設置現在稼働中

    上空二酸化硫黄量測定装置の設置例外:ソーラーパネルタイプ(左上)、ポール取付タイプ(上)

    分光計-20

    0

    20

    40

    60

    80

    9 11 13 15 17

    二酸化硫黄量(ppmm)

    時刻

    4月3日の上空二酸化硫黄量測定例。上空に噴

    煙が流れていた東側測点(橙色)。噴煙が流れていなかった南側測点(青色)(40秒平均)

    PC

    タイマー

    項目2「火山ガスモニタリング技術開発」

    桜島の南東側(海潟漁

    港)に設置した全天カメラシステム

    4月3日10:13の3台の全天カメラの画像。10時過ぎの小噴火の噴煙(西に流れた)が見えている

    無人機搭載火山ガス放出量測定装置のプロトタイプの1例:超小型紫外分光計、制御用小型PC、GPS及び光

    学系を組み込み、重量を200g程度まで抑えた

    114 mm

    集光部

    GPS

    火山ガスの多成分組成の自動計測・データ伝送装置および無人機設置型火山ガス多成分組成モニタリング機器のプロトタイプの運用試験を実施し、運用手法の改善を行う。

    H29~30年度計画

    ・桜島の南東に展開する装置群により二酸化硫黄放出率のリアルタイムモニタリングの運用試験を実施する。

    ・屋外での装置の安定性の評価および二酸化硫黄定量方法の高度化を進める。

    南測点

    東測点

    南東測点

    桜島

    桜島桜島

    マグマ活動推移を反映する火山灰粒子の形状・化学組成等の特徴を把握し、モニタリングに必要なパラメータの抽出を行う。

    火山灰自動採取・可搬型分析装置の運用試験によって採取された試料のクロスチェックを行い、データの妥当性の検証を行う。

    エネルギー分散型エックス線分析装置を導入し、火山灰粒子の解析を開始した。

    H28年度成果 H29~30年度計画

    項目2「火山灰モニタリング技術開発」

    走査型電子顕微鏡に装荷されたエネルギー分散型エックス線分析装置

    導入したエネルギー分散型エックス線分析装置により取得した新燃岳2011年火山灰粒子の化学組成

    分布図(左)とそれから識別したマグマ粒子の組成スペクトル(上)

    検出器 制御系

    電子顕微鏡

    (研)産業技術総合研究所

    火山灰粒子に含まれる様々な種類の粒子の中から、噴火活動に直接関係するマグマ粒子を識別するための客観的な判断基準を確立する。✔ 粒子間の化学組成の均一性 → 同一集団であることの保証✔ 表面・内部組織の特徴性 → 高温粒子の冷却の証拠

    エネルギー分散型エックス線解析装置を用いた、微細組織および化学組成分析による識別基準の作成

    H29~30年度計画

    項目2「火山灰モニタリング技術開発」

    0.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5

    60.0 65.0 70.0 75.0 80.0

    L1

    L2

    L3

    L4

    L5

    L6

    L7

    L8

    Kami L4

    Kami L3

    Kami L2

    Kami L1

    A B C

    光学(左上)電顕(左下)及び内部組織から識別できた、マグマ物質と考えられる火山灰粒子.口永良部島火山2014年噴出物

    (研)産業技術総合研究所

    火山灰粒子分析結果例.化学組成から3つの集団が識別でき、組織等から2つのマグマグループ(A,B)と岩片Cに分けられる.縦軸K2O,横軸SiO2

    火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプを作成し、評価した。

    H28年度成果

    項目2「火山灰モニタリング技術開発」

    左)火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプ,右上)装置によって洗浄・乾燥・分級された火山灰,右下)装置によって得られた火山灰画像

    • 任意の時間間隔で火山灰試料を洗浄,乾燥,分級させ,顕微鏡画像を撮影,指定のサーバーへ伝送する.

    • 阿蘇の最近の火山灰試料を用いて評価を行った.

    • 洗浄,乾燥,撮影は問題なく実施できたが,分級部においてターゲットとなる粒径よりも小さな粒子が混入する課題が残った.

    処理後の火山灰試料

    取り込み部

    洗浄部

    乾燥部

    分級部

    (研)防災科学技術研究所

    火山灰自動採取・可搬型分析装置のプロトタイプを用いた運用試験を実施し、屋外での観測機能の強化を進める。

    H29~30年度計画

    項目2「火山灰モニタリング技術開発」

    • さらなる室内実験により分級部の問題を改善させる.• 今秋または冬から桜島火山において運用試験を実施し,野外観測での機能強化を進める.• 運用試験は京大桜島観測所の協力のもと行う.

    右)運用試験における装置

    設置候補地の例を赤△で示す.

    (研)防災科学技術研究所

    火山ガス・火山灰モニタリングなどの観測情報を統合的把握を可能とする情報基盤及び、降灰等の発生状況を迅速に情報収集するための火山災害調査支援機能を開発した。

    H28年度成果

    項目3「火山ガス等のモニタリング情報による利活用システムの高度化」

    情報基盤

    SIP⑤利活用システムの高度化

    火山ガス・火山灰の状況の迅速な統合的把握及び処理と利活用システムに表示を可能とする情報基盤を開発

    火山災害調査支援機能を利活用システムに追加して高度化

    (研)防災科学技術研究所

    利活用システム

    火山災害調査支援機能

    火山ガス・火山灰モニタリング等の観測情報を含め、1 時間以内に統合的把握を可能と

    する情報基盤を開発し、火山災害調査支援機能を追加した災害対応支援のための利活用システム等を通じて、火山噴火予知連絡会等に情報提供し、有用性を検証する。

    H29~30年度計画

    項目3「火山ガス等のモニタリング情報による利活用システムの高度化」

    情報基盤

    SIP⑤利活用システムの高度化

    火山ガス・火山灰の状況の迅速な統合的把握及び処理と利活用システムに表示を可能とする情報基盤を開発

    火山災害調査支援機能を利活用システムに追加して高度化

    利活用システム

    火山災害調査支援機能

    火山ガス・火山灰モニタリング等の観測情報

    火山噴火予知連絡会等

    (研)防災科学技術研究所