危機管理マニュアル作成ガイドライン...

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危機管理マニュアル作成ガイドライン -給食編- 2007年3月 山口県

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Page 1: 危機管理マニュアル作成ガイドライン -給食編-...危機管理マニュアル作成ガイドライン-給食編- 第1章 目的の設定 1 第2章 事故発生時の対応

危機管理マニュアル作成ガイドライン

-給食編-

2007年3月

山口県

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危機管理マニュアル作成ガイドライン-給食編-

第1章 目的の設定 1

第2章 事故発生時の対応

1 事故発生時の初動体制 2

2 連絡体制の整備 4

3 危機管理体制(対策委員会)の整備 5

4 事故発生状況等の把握及び記録 7

5 原因究明への対応 11

6 二次汚染防止 12

第3章 代替食等の確保

1 第一食の確保 16

2 飲用水の確保 17

3 代替食の確保 18

4 代替食の配送手段の確保 21

5 代替食の搬入口及び盛り付け場所の確保 22

6 代替食の検収 23

7 食器(ワンウェイ食器)の確保 24

8 代行調理従事者の確保 25

第4章 給食業務委託先との関係 26

第5章 教育訓練(職員の研修) 27

第6章 自己点検(模擬訓練等)の実施 28

第7章 マニュアルの管理

1 マニュアルの配備 29

2 マニュアルの改訂 30

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第1章 目的の設定

どのような時にマニュアルを使用するのか、その目的を明確にするこ

と。

【記載例】

1 目的

このマニュアルは、施設内で食中毒・感染症等の感染事例が発生した場合にお

ける給食部門の対応について規定するものである。

2 定義

「食中毒・感染症等」とは、細菌性食中毒、自然毒食中毒、化学物質食中毒、ノロ

ウイルス等によるウイルス性食中毒及びウイルスによる人-人感染を示す。

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第2章 事故発生時の対応

1 事故発生時の初動体制

事故発生時(疑いを含む)の連絡・報告体制を規定すること。

【記載例】

1 事故発生時の初動体制

食中毒・感染症等の発生(疑いを含む)を探知した職員は、別紙フローチャートに

従い速やかに施設長に報告する。

施設長は、食中毒・感染症等の発生(疑いを含む)と判断した場合は、発症者数

に関係なく、速やかに関係機関に報告(届出)する。

○ 報告のフローチャートを作成すること。

○ 探知した職員及び探知者から報告を受けた職員が、勝手に判断することの

ないように周知徹底すること。

平成 17 年 2 月 22 日付け老発第 0222001 号厚生労働省老健局計画課長通知「社

会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」により下記の場合は、

迅速に市町等の主管部局に報告するとともに保健所に対応を相談することとな

っています。

1 同一の感染症や食中毒による又はそれによると疑われる死亡者又は

重篤患者が 1週間内に 2名以上発生した場合

2 同一の感染症若しくは食中毒の患者又はそれらが疑われるものが 10

名以上又は全利用者の半数以上発生した場合

3 通常の発生動向を上回る感染症等の発生が疑われ、特に施設長が報

告を必要と認めた場合

ただし、食中毒の発生が疑われる場合は、通知に示された人数に関係なく、少

人数でも速やかに保健所に報告することが必要です。早期通報により二次汚染等

による被害の拡大防止が可能となります。

ポイント!

注意!!

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○○健康福祉センター平日:083×-××-××××休日・夜間:083×-××-××××(警備会社名)

吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱等を訴える入所者・利用者・職員の発生

吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱等を訴える入所者・利用者・職員の発生

単独か?複数か?

(施設全体の状況把握)

単独 複数

医療機関

受診

施設長

嘱託医

家族等

報告

施設長

受診

消防署 ××-××××警察署 ××-××××

対策委員会

報告

連絡

医療機関

嘱託医

家族等

連絡

施設長

施設長連絡

報告

経過観察

他の発症者の発生他の発症者の発生

連絡

報告

報告

通報

市(町)高齢福祉部局平日:××-××××休日・夜間:××-××××

県長寿社会課(障害者支援課)平日:083-933-2793休日・夜間:083-933-2793

報告

(必要に応じて)報告

招集

食中毒・感染症発生時の対応フローチャート 別紙

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2 連絡体制の整備

施設内の連絡体制及び関係機関等への連絡体制を規定すること。

【記載例】

2 連絡体制

・ 既存の緊急連絡網の転記

・ 関係機関連絡先一覧表の作成

【関係機関連絡先一覧表(例)】

関係機関 連 絡 先

嘱託医 病院:××-××××

自宅:○○-○○○○

○○健康福祉センター

平 日:TEL ○○○○-○○-○○○○

FAX ××××-××-××××

祝日・夜間:TEL △△△△-△△-△△△△(警備会社名)

(警備会社から担当者に連絡される)

市町高齢福祉担当課 平 日:△△-○○○○

休日・夜間:△△-△△△△

県長寿社会課

(県障害者支援課)

平 日:083-△△△-○○○○

休日・夜間:083-△△△-△△△△(代表)

消防署 △△-○○○○

警察署 △△-○○○○

市町水道局 △△-○○○○

○ 緊急連絡先は、既存の緊急連絡網を引用しても差し支えありません。

○ 各部門の責任者は、自宅だけでなく携帯電話の連絡先も連絡網に記入する

こと。(連絡網に記入できない場合は、別途、作成しても構いません。)

○ 年末年始やGWなどの長期休暇時の連絡手段(携帯電話・宿泊先等)も確保

すること。(必要に応じて長期休暇時用の連絡網を作成してください。)

ポイント!

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3 危機管理体制(対策委員会)の整備

事故発生時には、危機管理対策委員会を設置し、速やかに対応を協議決

定するように規定すること。

なお、危機管理対策委員会の構成員及び役割分担を明確にすること。

【記載例】

3 危機管理体制(対策委員会)

食中毒・感染症等が発生した場合には、施設長は速やかに対策委員会を招集す

る。対策委員会は必要な対策を協議・決定し、施設長は職員にその内容を指示す

る。

なお、施設長が不在の場合は、事務長が対策委員会を収集し、対策委員会で決

定した内容を施設長に報告するとともに職員に指示する。

○ 対策委員会の組織図を作成すること。(施設内の全職員が対策委員会の構成

を理解しやすくなります。)

○ 役割分担と各部門の責任者を規定すること。(特定の職員に事務が集中しな

いように注意してください。)

○ 施設長不在時の対応についても規定すること。

【対策委員会の組織図(例)】

施 設 長

( 統 括 責 任 者 )

事 務 長 ( 副 責 任 者 )

事 務 長

( 連 絡 調 整 班 長 )

( 運 送 班 長 )

看 護 主 任

( 情 報 収 集 班 長 )

( 原 因 究 明 班 長 )

栄 養 士 ( 給 食 班 長 ) ( 原 因 究 明 班 長 )

介 護 主 任

( 介 護 班 長 )

ポイント!

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【対策委員会の役割分担(例)】

班名 責任者 構成員 役 割

統括

責任者

施設長 対策委員会の招集

対応策の指揮命令

連絡

調整班

事務長 総務担当職員 総括責任者の補佐

情報の一元管理

各班の対応状況の把握と調整

行政等への報告・対応

マスコミの問い合せに対する対応

代替食の発注及び機材の調達

代替食の搬入場所・盛付場所の確保

代替食の運送車輌の手配

水道事業者への給水車の派遣要請

情報

収集班

看護主任 看護職員 食中毒患者・入院患者の健康状況の把握及

び集計

患者の病状記録及び報告

患者、家族への説明及び指導

吐物・検便の確保

二次汚染防止対策の実施

給食班 栄養士 調理員 備蓄食品・備蓄飲用水の払出

保存食の廃棄中止

調理関係記録※の整理

調理場の現状保存

代替従事者の確保

介護班 介護主任 介護職員 患者の介護

吐物・検便の確保

二次汚染防止対策の実施

運送班 事務長 総務担当職員 代替食の運搬

原因

究明班

看護主任

栄養士

看護職員

介護職員

調理員

発症状況の把握及び記録

喫食状況調査の実施

職員の吐物・検便の確保

行事実施状況調査

保健所の聞き取り調査への協力

※:原材料の仕入れ先、原材料の検収状況、冷蔵(凍)庫の庫内温度、調理使用水

の塩素濃度、加熱食品の中心温度、調理場の温湿度等

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ポイント!

4 事故発生状況等の把握及び記録

施設内で下痢、嘔吐の症状がある者が散発している場合は、集団発生を

疑って発症状況等を正確に把握し、記録すること。

【記載例】

4 事故発生状況等の把握及び記録

(1) 発症状況の把握

入所・入院者、職員等における有症者数や症状(吐き気、嘔吐、下痢、発熱

等)を把握する。

医師に受診している場合は、受診状況と診断名及び検査の有無と治療内容

を把握し、記録する。

(2) 喫食内容の把握

食中毒が疑われる場合は、有症、無症に係わらず発症前1~2週間の献立

や喫食状況を把握する。

○ 利用者と職員について、「いつ」、「どこで」、「だれが」、「どれくらいの人数」、「ど

のような症状で」発生しているかを確認し、階、部屋ごとに整理すること。

○ 整理した情報は、施設の図面を用いて発症状況を確認できるようにすること。

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3 二次感染の防止

(1) 職員への周知

施設管理者が発生状況を関係職員に

周知し、対応の徹底を図ります。

(2) 検体(検食・吐物・排泄物の)確保

検食の廃棄を中止します。あわせて、患

者の排泄物・吐物は検査用に確保します。

(3) 調理場の現状維持

保健所の指示があるまで調理場内の消

毒・殺菌は行ってはいけません。

(4) 感染拡大防止策

① 手洗い、吐物・排泄物の処理方法を

徹底して実行します。

② 消毒の頻度を増やすなど、発生時に

対応した施設内消毒を実施します。

(5) 患者の管理

① 患者(発症者)の隔離

可能であれば、入所施設では患者の

部屋は別にし、通所施設の場合は自宅

療養として、他の利用者への二次感染を

防止します。

② 患者(発症者)への対応

患者の健康観察をして、症状に合わせ

た対応を行います。

2 関係機関等への連絡

(1) 施設管理医への連絡

施設長は、嘱託医へ発生状況

を報告し、指示を受けます。

(2) 利用者家族への連絡

発生状況を説明し、健康調査

や二次感染予防について協力を依

頼します。

(3) 保健所及び市町の社会福祉施

設等主管部局への報告

保健所及び市町の所管部局に

連絡し、対応について指示を受け

ます。

1 発生状況の把握

(1) 症状の確認

下痢、嘔吐、発熱、その他の症状について確認します。

(2) 施設全体の状況の把握

① 日時別、棟・フロア・部屋別の発症状況(担当職員も含む)を把握します。

② 受診状況、診断名、検査結果及び治療内容を確認します。

③ 普段の有症者数(下痢、嘔吐等の胃腸炎症状、発熱等)と比較します。

【食中毒・感染症等の発生が疑われる場合の対応のフローチャート】

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保健所・市町等の社会福祉施設主管部局への報告用紙(入所施設)

連絡者氏名 連絡日 年 月 日 時 分

施設名 電話

FAX

施設住所

発生日時 年 月 日 時

主な症状 □嘔吐 □嘔気 □下痢 □腹痛 □発熱 □その他( )

発症状況

定員・定数 新規発症者数 現在有症者数

重症者数 入院者数 入所者

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

棟 階 号室

通所者 職 員

直 接 処 遇 職 員

調 理 従 事 者

事 務 員 等

合 計

受診状況

受診人数 人 医療機関名

担当医師 電 話

検査結果

治療状況

喫食状況

□給食

行動状況

□誕生会 年 月 日

→□施設内調理 □施設外・関連施設 □運動会 年 月 日

□ 残食有 □入 浴 年 月 日

□ 検食有 □その他 年 月 日

【概 要】(施設の対応状況等)

報告様式1

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10

発症状況・喫食状況 調査票

施設名

No. 氏 名 性別

部屋 日付(上段:発症状況 下段:喫食状況) 受

診日

入院日

備考

/ / / / / / / / / / / / / /

1

/ /

2

/ /

3

/ /

4

/ /

5

/ /

6

/ /

7

/ /

8

/ /

9

/ /

10

/ /

発症状況 : ●初発下痢 ○下痢 ▲初発嘔吐 △嘔吐 ■初発発熱 □発熱 ◆初発腹痛 ◇腹痛

時刻が分かれば時刻を記入する。

喫食状況 : ○喫食 ×喫食せず 不明の場合は記入しない。

報告様式2

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11

5 原因究明への対応

食中毒あるいは感染症等が疑われる場合、保健所は原因究明の検査等を

実施するので、これに対する協力体制を規定しておくこと。

【記載例】

5 原因究明への対応

食中毒あるいは感染症等が疑われる場合、保健所が行う検体の確保及び聞き取

り調査に協力する。

(1) 検体(検食、吐物、排泄物)の確保

検食は、廃棄を中止し、いつのものかが分かるように確認をしておく。

患者の吐物、排泄物は廃棄せず、検査用に確保しておく。(滅菌された容器に

確保するよう努める。)

(2) 保健所の調査への協力

原因究明班は、保健所の聞き取り調査が円滑に実施できるよう患者、職員、

調理従事者の調整を行う。

また、保健所が求めることが予想される書類等については、迅速に提出でき

るよう準備する。

また、食中毒が疑われる場合、原因追及のため食材や調理場の検査を行う

ので、保健所の指示があるまで調理場内の消毒・殺菌や食材の廃棄を行わな

い。

○ 提出が求められることが予想される書類等

・ 入所者の人数・年齢・施設の情報

・ 約2週間前からの入所者の状態、給食の献立表

・ 施設の図面、衛生状況(給排水の状況)

・ 食材ごとの納入業者名等

○ 職員、調理従事者については、健康者でも検便の提出を求められることがある

ので確保に努めること。

○ 保健所の調査への協力については、対策委員会の役割分担として明確にしておくこと。

(6ページ参照)

ポイント!

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12

6 二次汚染防止

患者に下痢や嘔吐がある場合は、これらを介した二次汚染(感染)を防止する必

要があります。このため、吐物や排泄物の処理は、迅速かつ的確に行えるよう手順

を規定すること。

【記載例】

6 二次感染防止

二次感染防止の為に、手洗い、吐物・排泄物の処理、施設や身の回りの物の消

毒は、マニュアルを遵守し適切に行う。

嘔吐が頻繁にある者については、嘔吐物が飛散して部屋が汚染されることにより

同室者への感染が考えられるので、可能なかぎり別の部屋に移すように努める。

○ 手洗い、吐物・排泄物の処理、施設や身の回りの物の消毒のマニュアルは、そ

れぞれの行う時期、方法、場所を明確にし、施設の部屋毎に設置することが望ま

しい。

○ 施設長は、発生状況を関係職員に周知し、二次汚染防止のため対応の徹底を図る

こと。

ポイント!

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13

(参考)

_手洗い、施設や身の回りの物の洗浄・消毒、吐物・排泄物の処理等のマニュアル_

1 手洗い

感染機会があるたびに適切な手順による手洗いを行う。手洗いの手順は、ノロウ

イルス等感染力の強いウイルスを想定して規定すること。

なお、想定される主な感染機会は下記のとおり。

① トイレで排泄をした時 ② 嘔吐物の処理をした時

③ おむつを交換した時 ④ 入浴介助をした後

⑤ 食事をする前又は食事介助をする前 ⑥ 出社・退社時

流水で手首まで洗う。

石けんを十分に泡立てて、30秒以上もみ洗いする。

流水で十分に石けんを洗い流す。

消毒用アルコールを噴

霧し、すり込む。

乾燥又はペーパータオ

ルで水分を拭き取る。

乾燥又はペーパータオルで水分を拭き取る。

逆 性 石 け ん を す り 込

み、流水ですすぐ。

※洗う前の手が触れた水栓も同時に洗いましょう!

ウイルスはアルコールや逆性石

けんの効果は期待できません。

十分に時間をかけて丁寧に洗

い流しましょう!

東京都の調査では、手洗いの

物理的効果によりウイルス量が 1%

程度に減少するということが確認

されています。

※ 時計や指輪は外しましょう!

※ 汚れが残りやすいところがありますので注意しましょう!

指先や爪の間 ・ 指の間 ・ 親指の周り ・ 手首 ・ 手のしわ

チェックポイント

O157 などの細菌性食中毒の予

防のため、消毒は必要です!

チェックポイント

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14

2 施設や身の回りの物の洗浄・消毒

ドアノブ・手すり等の手指の触れる場所は、0.02%次亜塩素酸ナトリウムで拭く。手

の触れるドアノブや手すりは、消毒後 10 分程度時間をおいて水拭きする。

【参考情報】

次亜塩素酸ナトリウムを含む商品名と濃度は下記のとおりです使用する消毒薬の

次亜塩素酸濃度を把握することが必要です。

なお、保存期間中にも塩素濃度が減少するので、定期的に濃度の確認が必要で

す。

塩素濃

度 商 品 名 (例)

1% ミルトン、ミルクポン、ピュリファン

5~6% ジアノック、ハイター、ブリーチ

6% ピューラックス、次亜塩6%「吉田」、アサヒラック、テキサント

10% ピューラックス-10、ハイポライト 10、アサヒラック、アルボースキレー

12% ジアエース、アサヒラック、バイヤラックス

【消毒液の作り方】

○ハイター(6%)を消毒薬として使用する場合

・ 0.02%次亜塩素酸ナトリウム希釈液の作り方

・ 0.1%次亜塩素酸ナトリウム希釈液の作り方

消 毒

0.02%次亜塩素酸ナトリウムに浸した布で拭く。

10分後に水拭きする。 ※ 消毒の対象場所をあらかじめピックアップしておきましょう。

※ あわせて消毒の記録用紙も作成しましょう。

※ 次亜塩素酸ナトリウムは、保存期間中にも塩素濃度が減少していき

ます。定期的に塩素濃度を確認して、十分な消毒能力を保つ必要が

あります。

水 3 リットルに入れる 原液 10mL

水 3 リットルに入れる 原液 50mL

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15

3 吐物・排泄物の処理

感染しないように適切な手順により処理を行う。(詳細は下記のとおり)

糞便や嘔吐物で汚れた場所は、その都度、0.1%に希釈した次亜塩素酸ナトリウ

ムで拭くこと。

使い捨ての手袋とマスク、ガウンあるいはエプロンを着用する。

吐物や排泄物で汚染された便座や床は、使い捨ての布やペーパータオル

を用いて 0.1%次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭く。

量が多い場合は、使い捨ての布やペーパータオルで拭き取り、その後、

0.1%次亜塩素酸ナトリウムを染みこませた布やペーパータオル等で浸して

拭く。

使用した使い捨ての布等は、すぐにビニール袋に入れて処分する。(この

際、ビニール袋に 0.1%次亜塩素酸ナトリウムを染みこむ程度に入れ、消毒

することが望ましい。)

その後、手袋を外して(外側を内にする)、同じように処分する。

終了後、手洗いをする。

※ 次亜塩素酸ナトリウムの使用に当たっては、「使用上の注意」を確認してく

ださい。

※ 吐物・排泄物を処理した後、48時間は感染の有無に留意してください。

※ 吐物・排泄物を処理時とその後は、大きく窓を開けるなどして換気し、換気

設備がある場合には必ず動かしてください。

※ 次亜塩素酸ナトリウムは、保存期間中にも塩素濃度が減少していきます。

定期的に塩素濃度を確認して、十分な消毒能力を保つ必要があります。

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16

第3章 代替食等の確保

1 第一食の確保

事故発生直後の第一食の提供手段を規定すること。

【記載例】

1 第一食の確保

事故発生直後の第一食は、備蓄の食品を使用する。

なお、朝食が第一食となる場合は、パン業者、弁当業者等からの提供について

も検討する。

○ 通常、事故発生直後の第一食は、時間的余裕がないことから、調理せずに

提供できる食品とすること。(施設内に非常食として備蓄しておくことが望ま

しい。)

○ 非常食として備蓄する場合は、在庫の一覧表を作成し定期的に更新するこ

と。

ポイント!

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17

ポイント!

2 飲用水の確保

飲用水による食中毒が疑われる場合等は、水が使用できなくなるので、

その際の対応策を規定すること。

【記載例】

2 飲用水の確保

食中毒・感染症等により飲用水が使用できない場合は、まず備蓄の飲用水を使

用し、必要に応じて水道事業者への給水車派遣を要請する。

○ 数日分のミネラルウォーターを備蓄すること。なお、賞味期限に応じて定

期的に更新すること。

○ 日常の管理

・ 井戸水を使用したり、貯水槽を設置している施設は、使用水中の残留

塩素濃度を 0.1ppm 以上に維持できるよう保守管理を徹底すること。

・ 水道水を直結で使用する施設で、残留塩素濃度が 0.1ppm 未満になる場

合は、速やかに水道事業者に連絡すること。

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18

3 代替食の確保

代替食の提供元(提供事業者(所))を確保すること。

代替食のメニューを概ね6日間分事前に決定し、提供元の了承を得てお

くこと。

また、レトルト食品等保存食で対応する場合は、概ね6日間分食数を確保し

ておくこと。

【記載例】

3 代替食の確保

第二食以降の通常食は、「○○パン」、「△△弁当」又は「××屋」から提供を受

ける。

特別食は、軟菜食、潰瘍及び術後食、肝臓食、脂肪制限食とし下記の施設から

提供を受け、粥については保存してあるレトルトで対応する。

代替食のメニューは下記に示すとおりとする。

なお、レトルトの加温は○○室で、盛りつけは○○室で行う。

1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目

通常食 パン・牛乳

パン・オレン

ジジュース

ご飯※1・

インスタント

みそ汁 パン・牛乳

パ ン ・ 野 菜

ジュース

ご飯※1・

インスタント

みそ汁

特別食 パン・牛乳 パン・牛乳

食 通常食 備蓄食品 弁当 弁当 弁当 弁当 弁当

軟菜食 A 施設(支障がある場合は B 施設)

潰瘍及び術後食 B 施設(支障がある場合は C 施設)

肝臓食 C 施設(支障がある場合は A 施設)

脂肪制限食 A 施設(支障がある場合は C 施設)

粥 レトルト レトルト レトルト レトルト レトルト レトルト

通常食 弁当※2 レトルト食品 弁当 弁当 レトルト食品 弁当

軟菜食 A 施設(支障がある場合は B 施設)

潰瘍及び術後食 B 施設(支障がある場合は C 施設)

肝臓食 C 施設(支障がある場合は A 施設)

脂肪制限食 A 施設(支障がある場合は C 施設)

粥 レトルト レトルト レトルト レトルト レトルト レトルト

※1:ご飯はレトルト食品を利用すること。

※2:弁当は事前に示したメニューに基づくこと。

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19

ポイント!

○ 提供元として、弁当業者・仕出し業者・他の老人福祉施設・給食受託業者

の本部(他施設)があります。

○ 提供元の規模、食種(特別食、常食、主食など)に応じて複数の業者を確

保すること。

・ 事前に食数、メニュー及び予算等を協議しておく必要があります。

・ 特別食の提供元については、同業者となることが考えられるので、提

供元の規模に応じて複数の業者を確保する必要があります。また、近接

した施設(同業者)間で協定を結ぶことの検討も必要です。

○ 提供元を一覧表にまとめておくこと。

Page 22: 危機管理マニュアル作成ガイドライン -給食編-...危機管理マニュアル作成ガイドライン-給食編- 第1章 目的の設定 1 第2章 事故発生時の対応

20

【関係業者連絡先一覧表(例)】

関係業者 連絡先 備 考

○○弁当 ××-××××

△△パン 営業所:××-××××

本 社:083-××-×××× 営業所だけで対応できない場合

は、本社や支店に連絡すること

××牛乳 営 業 所:××-××××

山口支店:083-××-××××

◇◇屋 店 舗:××-××××

担当者:090-×××××-××××

中止可能時刻

昼食 09:00 まで

夕食 14:00 まで

□□商店 店 舗:××-××××

担当者:080-×××××-××××

中止可能時刻

昼食 08:00 まで

夕食 13:30 まで

◎◎苑 ××-××××

事務長:××-××××(自宅)

○ 連絡先に変更がないかどうか定期的に確認すること。

○ 取引先の在庫で対応できない場合があるので、本社や支店等の連絡先も把握

しておくこと。

○ 連絡先の一覧表は、事務室だけでなく調理場等の各部門の職員がすぐに見る

ことができるよう掲示しておくこと。

ポイント!

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21

4 代替食の配送手段の確保

代替食を配送する車輌を確保すること。(自施設の車輌又は提供元の車輌

を確保すること。)

代替食の配送時間は、調理から喫食までが2時間以内となるよう考慮す

ること。

【記載例】

4 代替食の配送手段

代替食の配送は、「山口 500 あ○○○○」を専用車輌として使用する。

なお、車輌は配送前後にアルコールまたは次亜塩素酸ナトリウム等により消毒

する。

配送経路等については、調理から喫食までが 2 時間以内となるように代替食の

提供元と協議して決定する。

○ 配送車輌は、温度管理(冷房)が可能な車輌を専用化して使用すること。

○ 配送に当たっては、アルコールまたは次亜塩素酸ナトリウム等で十分に消毒

するよう消毒の手順を規定すること。

○ 配送時間は、十分に余裕をもって設定すること。(朝夕は、道路状況により

昼間よりも時間を要することがあります。)

○ 食数が多い施設においては、搬入後の専用の台車を準備すること。

ポイント!

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5 代替食の搬入口及び盛り付け場所の確保

食中毒・感染症等により調理場が使用できない場合は、代替食の搬入口

や盛り付け場所を確保すること。

なお、搬入口を利用者又は職員等の出入り口と共用する場合は、代替食

が汚染されないよう留意すること。

盛り付け場所は、搬入口から衛生的に搬入することが可能な場所とし、

専用化すること。また、必要な器具機材を整備すること。

【記載例】

5 代替食の搬入口及び盛り付け場所の確保

食中毒・感染症等により調理場の搬入口が使用できない場合、代替食は(北側)

非常口から搬入する。

また、代替食の盛り付け作業を行う場合、第○会議室を専用の盛り付け場所とし

て使用する。

なお、使用に当たっては、事前にアルコールスプレーまたは次亜塩素酸ナトリウ

ムによる消毒を行い、必要な機材を整備する。

① 手指・器具の洗浄設備・消毒設備

② 消毒薬(消毒用アルコール・逆性石けん・次亜塩素酸ナトリウム等)

③ 冷蔵設備

④ 加熱設備(ガスコンロ・電機調理器)

⑤ 専用のエプロン・マスク・衛生手袋・ペーパータオル

⑥ 検食用のビニール袋(保管容器)

⑦ 専用の履き物

⑧ ワンウェイ容器

⑨ 調理器具(割り箸等)

⑩ 廃棄物容器(残渣用も含む)

⑪ トレー

⑫ 運搬用の台車

○ 盛り付け作業は、直接手に触れないように衛生手袋の着用及び菜箸等の使

用を徹底すること。

○ 事前に盛り付け場所のレイアウトを作成すること。(汚染区域・非汚染区域

の区画やヒトと物(代替食・残渣)の動線を考慮したレイアウトにしましょ

う。)

ポイント!

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6 代替食の検収

代替食を搬入するに当たっては、検収を実施し、その結果を記録するこ

と。

【記載例】

6 代替食の検収

代替食の受入時には、食数、外観、品温等の検収を行い、その結果を記録する

とともに、速やかに栄養士に報告する。

【代替食の検収記録簿(例)】

受 入 月 日 ・ 時 刻 月 日 時 分 検収者

提 供 元

運 搬 者

出 発 時 刻 時 分 (運送時間 分間)

食 数

検 収

外 観 □良 □否( )

賞味期限等 □良 □否

賞味(消費)期限( )

品 温 □良( ℃) □否( ℃)

運搬中の特記事項

○ 代替食の検収時にも放射温度計等を用いて品温を測定すること。

ポイント!

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7 食器(ワンウェイ食器等)の確保

給食施設が使用できない場合、十分な洗浄作業が行えないことによる二

次汚染等の被害拡大を防止するため、ワンウェイ食器(若しくは予備の食

器)を確保すること。

【記載例】

7 食器(ワンウェイ食器)の確保

食中毒等により食器が使用できない場合は、備蓄の使い捨て食器(若しくは予備

の食器)を使用する。予備の食器を使用する場合、調理場が利用可能となるまでの

間、食器を洗浄して再利用することはしない。

なお、使い捨て食器(若しくは予備の食器)は、○○倉庫内のスチール棚に保管

する。

また、汚染防止のため、食器は個別にビニール袋で包装し、スチール棚は食器

専用とする。

○ 最低限必要な食器(ご飯茶碗、丼、汁碗、副食容器、割り箸等)を確保する

こと。

ポイント!

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8 代行調理従事者の確保

食中毒・感染症等により調理従事者が代替食に係る作業に従事できない

場合、代行調理従事者を確保し、作業に従事させること。

【記載例】

8 代行調理従事者

食中毒・感染症等により調理従事者が代替食に係る業務が行えない場合は、代

行の調理従事者にその業務を行わせる。(必要に応じて着衣、マスク、帽子、調理

器具などを持参させる。)

なお、代行の調理従事者は、施設内の職員の中から体調が正常で発症者に接

触していない者とする。また、施設内で十分な代行の調理従事者を確保できない場

合は、他施設(△△苑)に派遣要請を行う。

確保している代行の調理従事者については、事故発生時に速やかに対応できる

よう日頃からの定期的な健康チェック(検便等)を行っておく。

○ 食中毒・感染症等の場合は、原因が究明できるまでの間、調理従事者は調

理業務に従事できないので、代行従事者を確保しておくこと。(ノロウイルス

の場合、調理場以外の施設の従事者が感染している可能性があるので、施設

外の代行従事者を確保することも必要です。)

ポイント!

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第4章 給食業務委託先との関係

施設と給食業務受託業者は、相互の危機管理マニュアルの内容を十分

に検討し、事故発生時の役割分担を明確に規定しておくこと。

施設と給食業務受託者の危機管理マニュアルは、相互に提出を受け、

職員が利用可能な場所に保管するか、若しくは、必要に応じてマニュア

ルの写しを関係部署に配布し、職員が利用しやすいように管理すること。

なお、マニュアルの改訂を行った場合は、相手機関に対して速やかに

改訂版を提出し、その内容の確認を受けること。

【記載例】 第4章 給食業務委託先との関係

△△苑と××株式会社は、相互の危機管理マニュアルを提出し、その内容の

確認を受ける。

事故発生時の△△苑と××株式会社の役割分担は、別表のとおりとするが、

必要に応じて相互に協力する。

なお、△△苑がマニュアルの改訂を行った場合は××株式会社に、××株式

会社がマニュアルの改訂を行った場合は△△苑に、速やかに改訂版を提出し、

その内容の確認を受ける。

【△△苑と××株式会社の役割分担(例)】

役 割 担 当

備 考 △△苑 ××株式会社

代替食の提供元の確保 ○

代替食の提供元への連絡 ○

配送車輌の確保 ○

代替食の検収 ○ ○

代替食の搬入口の確保 ○

代替食の盛り付け場所の確保 ○

代替従事者の確保 ○ ○

発症状況調査 ○

原因究明(喫食調査等) ○ ○

調理関係記録の確認 ○

調理従事者の健康状況調査 ○

検食の確保 ○

吐物・検便の確保 ○

行事等の実施状況調査 ○

保健所の対応 ○ ○

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第5章 教育訓練(職員の研修)

マニュアルに記載されている内容を十分に理解し、事故発生時に速

やかに対応できるよう施設内の職員に対して定期的な研修を実施す

ること。

【記載例】 第5章 教育訓練(職員の研修)

危機管理に対する研修は下記のとおり実施する。

新任研修:施設に採用された新規職員に対してマニュアルの内容の研修

を行う。

転任研修:人事異動により転入した職員に対してマニュアルの内容の研

修を行う。

定期研修:マニュアルの改正等が行われた場合や職員が外部講習会を

受講した際に他の職員に対して研修を行う。

特別研修:施設長が特に必要と認めた場合に研修を行う。

なお、業務上の都合により研修を受講できない職員に対しては、研修資料を

回覧して受講漏れのないようにする。

研修(外部講習会の伝達講習を除く)の講師は、対策委員会の各班の責任者

とし、講師は研修の結果を速やかに施設長に報告する。

○ 研修は受講漏れのないように注意すること。

○ 職員が外部講習を受講した場合は、他の職員に対して研修を行うこと。

なお、簡易な内容については、書面による回覧でも構いません。

ポイント!

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第6章 自己点検(模擬訓練等)の実施

定期的に自己点検(模擬訓練等)を行うことでマニュアルの実効性

を確保し、各職員の意識高揚に努めること。

【記載例】 第6章 シミュレーションの実施

マニュアルに関する自己点検(模擬訓練等)を1年に1回の頻度で実施する。

自己点検の責任者は事務長とし、事務長は各班の責任者に自己点検の実

施を指示する。

自己点検の責任者は、実施した結果を速やかに施設長に報告する。

○ 自己点検(模擬訓練等)を行うことによりマニュアルの内容を確認し、不

備があれば速やかに改善すること。(連絡先の変更等が適切に改正されてい

るか確認すること。)

○ 自己点検(模擬訓練等)の実施方法は、チェックリスト等による書面で

の確認方法や実際に代替食の発注を行う実務による確認方法等を検討する

こと。

ポイント!

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第7章 マニュアルの管理

1 マニュアルの配備

マニュアルの保管管理責任者を選任し、事故発生時には職員がすぐに

利用できる場所に保管管理しておくこと。

必要に応じて各部署に写しを配布する場合、どこに配布するかを明確

に規定すること。

なお、緊急連絡網及び対応フローチャート等については、必要に応じ

て職員全員に配布するようにすること。

【記載例】

1 マニュアルの配備

事務長をマニュアルの保管管理責任者とし、マニュアル(給食業務委託先のマ

ニュアルも含む)は事務室のキャビネットに保管する。

マニュアルの写しを給食班、情報収集班及び介護班に1部ずつ配布し、各班

の責任者をその保管管理責任者とする。(保管場所は○○○○)

なお、緊急連絡網及び対応フローチャートは、全職員に配布する。

○ マニュアルの保管管理責任者及び保管場所を明確にし、その内容を職員

に周知すること。

○ マニュアルの写しの配布先を明記するとともに、できるだけ写しの保管

場所も明記すること。

○ 緊急連絡網は、全職員に配布するとともに家庭に持ち帰り、家族にもそ

の内容を周知するよう努めること。

ポイント!

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2 マニュアルの改訂

関係機関の連絡先の変更、自己点検の結果及び国(県)の通知等により

マニュアルの内容を改訂する必要が生じた場合に速やかに改訂を行うよ

う規定すること。

併せて、定期的に内容の見直しを行うことも規定すること。

改訂後は、速やかにマニュアルの差換えを行うこと。写しを配布して

いる場合は、写しが確実に差換えられるよう配布の方法を規定すること。

【記載例】

2 マニュアルの改訂

本マニュアルは、1年ごとに記載内容の見直しを行う。

なお、関係機関の連絡先の変更、自己点検の結果及び国(県)の通知等により

マニュアルの内容を改訂する必要が生じた場合、事務長は速やかに改訂を行う

か、若しくは、各班の責任者に対して改訂を指示する。

マニュアルの改訂に当たっては、必ず対策委員会の承認を受けなければなら

ない。(ただし、誤植等の軽微な改訂は除く)

保管管理責任者は、改訂後のマニュアルの差換えを速やかに行うとともに、写

しの配布先の責任者に対して改訂前のマニュアルと引き替えに改訂後のマニュ

アルを配布する。

○ 改訂後のマニュアルの差換えについては、写しを含めて確実に差換えが

行われるように施設ごとに手順を規定すること。

① マニュアルを提出させて差換えしてから再配布する。

② 差換え該当部分を提出させて、それと引き替えに改訂版を交付する。

○ 緊急連絡網、フローチャート及び関係機関の連絡先は、最新版であるこ

とが分かるような表現「○○年○○月○○日現在」を盛込むこと。

ポイント!