燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画本市には北陸自動車道の三条燕インターチェンジ及び上越新幹線燕三条駅があり、首...

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燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画 平成27年6月 燕市

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燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画

平成27年6月

燕市

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< 目 次 >

1.計画策定の背景と目的................................................................................................. 1(1)背景.......................................................................................................................1(2)現状認識................................................................................................................1(3)目的.......................................................................................................................1(4)対象エリア............................................................................................................3(5)検討フロー............................................................................................................4

2.現状分析.......................................................................................................................5(1)本市の地域資源.....................................................................................................5(2)本市及び周辺地域の観光の現状............................................................................7(3)対象エリアの現状................................................................................................. 9(4)市民の意見..........................................................................................................12(5)現状のまとめ...................................................................................................... 15(6)整備コンセプトに活かすべき方向性.................................................................. 17

3.整備コンセプト..........................................................................................................18(1)整備コンセプトの検討経緯.................................................................................18(2)整備コンセプト...................................................................................................18

4.本事業の目標..............................................................................................................20(1)集客・交流によるにぎわいづくり......................................................................20(2)「楽しめる」燕ブランドづくり........................................................................... 20(3)つくり手と利用者のきずなづくり......................................................................20

5.導入する機能・サービス及びゾーニング.................................................................. 22(1)導入する機能とサービス.................................................................................... 22(2)ゾーニングの考え方............................................................................................24(3)集客機能を補完する新たな集客拠点の必要性....................................................25(4)各施設において想定するサービス......................................................................26(5)「道の駅」の登録の想定...................................................................................... 26(6)既存施設の機能の有効活用.................................................................................28(7)段階的な整備...................................................................................................... 29

6.施設配置計画..............................................................................................................30(1)施設配置の基本的な方針.................................................................................... 30(2)新たな集客拠点の整備計画.................................................................................32

7.事業手法.....................................................................................................................39(1)民活の導入範囲...................................................................................................39(2)想定される事業手法............................................................................................39(3)事業手法検討に関する今後の方向性.................................................................. 41

8.今後のスケジュール...................................................................................................43【参考】施設別の事業内容(案)の一覧..........................................................................44

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【附属資料】

燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画策定懇談会 設置要綱....................................... 45燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画策定懇談会 委員名簿....................................... 47

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1.計画策定の背景と目的

(1)背景

全国的に人口減少、高齢化が進む中、本市でも地域活力の低下が懸念されている。また、

本市は新潟市と長岡市という 2大拠点都市に挟まれた立地であり、本年春の北陸新幹線の

開通後は、上越新幹線の枝線化、求心力低下の恐れもある。一方で、国においては「地方

創生」に注目が集まっており、本市としても将来に渡る地域の活力向上に資する取り組み

が必要となっている。また、2020 年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催を

控え、世界に日本をアピールし、東京以外の各都市にも外国人観光客を呼び込むチャンス

が訪れている。本市の金属加工製品は各国に輸出されており世界的にも知名度が高いこと

から、オリンピック・パラリンピック東京大会をきっかけに本市への来訪を促進できる可

能性が高い。

この機会に、本市の最大の魅力である産業を始め、豊かな自然や質の高い農産物、ご当

地グルメなど、観光客を魅了できる地域資源を最大限に活用し、地域の活力向上につなげ

る拠点を整備することは、合併から約 10 年が経過し、“新・燕市”としての土台づくりが

終了した本市にとって、重要な意味を持つ。

(2)現状認識

後述する本計画の対象エリアには、本市の産業振興の歴史を継承・保存してきた産業史

料館が存在する。同館は貴重な資料を展示し体験機能なども付属しているが、当初の目標

に比して、集客力は必ずしも十分とは言えない。産業史料館は、本市の産業振興のシンボ

ルとして、対外的な情報発信機能や集客機能を担うことが求められていることを考慮する

と、さらなる集客力の向上は必須の課題である。加えて、対象エリア内に存在する複数の

公共施設、とりわけ産業史料館の近くに立地する大曲河川公園についても、産業史料館と

の相乗効果による集客力の向上は課題である。

また、近年の市の財政状況の厳しさからも、本計画の実施にあたっては、民間のノウハ

ウを最大限に活用する必要がある。

(3)目的

上記の背景を受けて本事業では、産業史料館等の公共施設も含め、本市の地域資源を最

大限に活用し、地域内外の交流を促すことにより、地域経済を活性化することを目的とす

る。地域内においては地域住民の活動や消費の活性化を図るとともに、地域外からの交流

人口や応援人口(※)を増大させることを目指す。そして、本市の歴史や文化の保存・継承・顕彰を行うとともに、市民の誇りにつながる

地域ブランドの確立を図る。

以上を実現するため、本計画では、地域内外から人を集める集客機能を核とする交流・

集客拠点としてのあり方を検討するとともに、周辺施設の有機的な連携などを図るための

基本計画を策定する。

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なお、本計画の実施にあたっては、施設の魅力向上と市の財政負担抑制の観点から、民

間のノウハウを最大限に活用することとし、官民が適切に役割を分担することができる事

業手法の導入を検討する。

※応援人口とは

燕の魅力や活力に惹かれ、訪れたい・応援したいと思う人のこと。現市長による発案。

人口減少問題への対策を考えるとき、その解決を市内だけで求めるのではなく、観光の振

興を図り、本市に訪れる交流人口を増やすことで地域経済を活性化させるとともに、様々

な分野での連携交流やネットワークづくりを進めながら、本市の魅力を全国に発信し、イ

メージアップを図ることにより、本市のファンや応援団となってくれる人を増やすという

考え方。(平成 26 年 6月定例会所信表明より)

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(4)対象エリア

本基本計画は、燕市県央大橋西詰周辺地域のエリア全体(下図「対象エリア 約 31ha」)

を対象として整備計画を検討するものである。本エリアには、産業史料館、大曲河川公園、

交通公園、児童研修館こどもの森、体育センター、老人集会センターなど多様な公共施設

が立地しているほか、未利用河川敷や農地も含まれる。

本事業においては、これらの地域資源を有効に活用することにより、集客力の向上を図

るとともに、地域の活性化につなげていく必要がある。また、産業史料館に隣接する民有

地は現在、一部で畑作が行われているほかは未利用となっていることから、本事業におけ

る当該用地の有効活用方策も視野に入れて検討を行うこととする。

本計画において検討の対象とするエリアの全体像

民有地

大曲河川公園

交通公園

体育センター

産業史料館

農地

総合文化センター

児童研修館こどもの森

対象エリア約31ha

老人集会センター

未利用河川敷

登録有形文化財水道の塔

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(5)検討フロー

本基本計画では、以下の検討フローに従って検討を行う。「2.現状分析」において本

市の地域資源、本市及び周辺地域の観光の現状、対象エリアの現状、市民の意見などを整

理したうえで、「3.整備コンセプト」及び「4.本事業の目標」を設定するとともに、

それらを実現するための「5.導入する機能・サービス及びゾーニング」を定義する。

その上で、計画の実現に向け、「6.施設配置計画」を策定し、事業手法と今後のスケ

ジュールを取りまとめる。

1.背景と目的

2.現状分析

3.整備コンセプト

4.本事業の目標

5.導入する機能・サービス及びゾーニング

6.施設配置計画

(1)本市の地域資源

(2)本市及び周辺地域の観光の現状

(3)対象エリアの現状

(4)市民の意見

7.事業手法 8.今後のスケジュール

(5)現状のまとめ

(6)整備コンセプトに活かすべき方向性

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2.現状分析

(1)本市の地域資源

①アクセス良好な立地

本市には北陸自動車道の三条燕インターチェンジ及び上越新幹線燕三条駅があり、首

都圏及び周辺都市からのアクセスは非常に良好である。

②恵まれた自然景観

本市は信濃川、大河津分水路、中ノ口川、大通川、西川など多くの河川に恵まれた立

地であり、美しい田園風景が広がっている。また、西部には豊かな自然を残す国上山が

あり、風情ある里山の景観、当地に滞在した名僧良寛ゆかりの史跡等、恵まれた自然の

中で歴史散策ができる観光名所となっている。

③多様な産業

本市は金属洋食器をはじめ、研磨の技術など、金属加工業では世界的な知名度を誇る。

たとえば、近年ではノーベル賞授賞式の晩餐会で使用されるカトラリーは本市で製造さ

れたものである。また、携帯電話、パソコン等の表面処理加工の技術は高い注目を集め

ている。こうした本市の実績は業界においても知名度が高く、視察や商談等で多くの業

界関係者が本市を訪れている。

さらに、豊かな自然環境を背景に、質の高い米や野菜が生産されているほか、全国ブ

ランドとなった燕ラーメンなど、食の魅力にも富んでいる。

観光面では、分水おいらん道中や道の駅・国上、産業史料館等への来訪が中心である。

これに加え、彌彦神社や弥彦温泉、寺泊の魚の市場通りなど、高い集客力を誇る全国ブ

ランドの観光地とも隣接しており、多くの観光客が通行する地域でもある。

一方で、こうした条件を生かして集客力を高めるためには、サービス業としての機能

を向上する必要がある。流通における直販機能の向上により、消費者は自ら情報を集め、

より品質の高いものを求める傾向にある。本市は従来、生産地として工業製品や農産物

を卸す業態が主であったが、今後は消費者に直接訴えかける手段、機会を拡充していく

ことによって集客・交流拠点としての可能性を高めることにつながると考えられる。

以上の地域資源は、「集客、観光に有利な立地」「高い集客力を持つ可能性のある産業」

「長い歴史と実績にもとづいたブランド力」などの面において、集客・交流拠点としての

強みとして活かしていくことができる可能性を十分に有している。

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アクセス良好• 北陸自動車道の三条燕インターチェンジ• 上越新幹線燕三条駅

恵まれた自然景観

• 信濃川、大河津分水路、中ノ口川、大通川、西川など多くの河川に恵まれる

• 豊かな自然を残す国上山• 特色ある景観である美しい田園風景• 西部の国上山周辺は、風情ある里山の景観、当地に滞在した名僧良寛ゆかりの史跡、恵まれた自然とともに散策することができる観光名所

多様な産業

• 金属洋食器をはじめ、研磨の技術など、金属加工業は全国ブランド、業界でのシェアも高い

• 米、野菜、燕ラーメンなど、食材が豊富• 観光資源としては、分水おいらん道中や道の駅・国上、産業史料館等への来訪が中心

• 彌彦神社、弥彦温泉、寺泊の魚の市場通りなど、全国ブランドの観光地も隣接

集客、観光に有利な立地

高い集客力を持つ可能性のある産業

長い歴史と実績にもとづいたブランド力

地域資源 交流・集客拠点としての強み

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(2)本市及び周辺地域の観光の現状

①観光周遊の圏域内の主な観光施設

本市の周辺には、1日で周遊できる観光ルートの圏域内に、長岡市寺泊の鮮魚センタ

ー(年間入込客数約 177 万人)、弥彦村の彌彦神社(年間入込客数約 132 万人)など、

大規模な集客力を有する施設が立地している。

(出所)新潟県観光入込客統計(平成 25 年)

寺泊水族博物館(118,540人)

鮮魚センター(市場通り)( 1,771,000人)

きんぱちの湯( 146,410人)

道の駅良寛の里わしま( 245,730人)

寺泊岬温泉( 86,711人)

彌彦神社( 1,322,680人)

弥彦山ロープウェイ( 383,500人)

弥彦山登山(137,080人)

弥彦温泉( 126,860人)

対象エリア

100万人以上

20万人以上

10万人以上

10万人未満

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②周辺の観光施設の観光入込客数

寺泊の鮮魚センターは入込客数の増加が続いており、他の観光施設の利用者は横ばい

または減少傾向である。

(出所)新潟県観光動態の概要(~平成 21年度)

新潟県観光入込客統計(平成 22 年度~)※平成 23年以降は暦年で集計

③市内主要施設の観光入込客数

本市の観光入込客数は、年間数万人~10万人超の規模であり、寺泊や彌彦神社等の周

辺の観光施設と比較すると集客力は低い。本市の観光は、滞在型の要素が少なく、立寄

型・日帰型が中心となっている。今後の集客力向上のためには、地域外からの来訪者に

半日程度の滞留で提供できるサービスを想定することが妥当と考えられる。

(出所)地点別・年度別観光入込客数(燕市資料)

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

1,200,000

1,400,000

1,600,000

1,800,000

2,000,000

16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年 24年 25年

(人)

弥彦温泉 彌彦神社 鮮魚センター(市場通り)(寺泊) 良寛の里わしま/もてなし家(長岡)

4,860 6,450 5,910 5,909 5,34012,411 12,560 12,673 12,932 12,270

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度

(人)

てまりの湯 国上寺・五合庵 ふれあいパーク久賀美 燕市産業史料館

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(3)対象エリアの現状

①交通の要衝

対象エリアは、主要地方道である県道 68 号燕分水線と県道 18 号燕地蔵堂線が交差す

る交通の要衝である。国道 289 号にも近接しており、エリア周辺で日に延べ 21,000 台

以上の車両が通行する。

(出所)道路交通センサス(平成 22 年)

②産業史料館

産業史料館は本市の金属加工業の歴史や技術を展示する市の直営施設であり、金属洋

食器を始め、鎚起銅器や煙管(キセル)等の貴重な収蔵物を展示している。従来からの

本館に加え、平成 20 年には新館が増築された。新館にはスプーンの疑似制作や様々な

金属素材を使った楽器に触れることができるなど、体験機能も導入されたが、年間の入

館者数は約 1万 2千人に留まっており、十分に魅力を発揮できているとは言い難い。老

朽化が進む本館も含め、展示の工夫や体験機能の見直し、新たな機能の付加等を検討し

ていく必要がある。また、敷地内の用地の一部は未利用となっており、さらなる集客力

の向上において今後の活用が課題となっている。

③公共施設の集積

対象エリアには交通公園、児童研修館こどもの森、大曲河川公園、体育センターとい

った公共施設が集積している。交通公園は年に約 6万人、こどもの森は年に約 4万人の

利用者があり、多くは親子連れである。大曲河川公園は年に約 2万人、冬季を除き月間

2,000~3,000 人の利用者がある。体育センターは、市民のスポーツ・レクリエーショ

ンの拠点として機能しており、年間約 9万 1千人が利用し、大会等のイベント時には多

県道18号燕地蔵堂線(大曲)6,399台/24h

県道68号燕分水線(野本)6,229台/24h

県道18号燕地蔵堂線(横田)8,352台/24h

県道44号新潟燕線(中央通5)

9,701台/24h

県道68号燕分水線(牧ケ花)1,641台/24h

国道289号線(桜町)13,369台/24h

国道289号線(井土巻)8,832台/24h

国道116号線(吉田西太田)17,145台/24h

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くの利用者が訪れる。

また、対象エリアに近接している総合文化センターは、市民の芸術文化活動の拠点と

して機能しており、年間約 10 万人が利用している。

④農地

対象エリア内の農地は約 10ha であり、うち 0.4ha は農業振興地域内農用地となって

いる。これらの農地はエリア内に点在しているため、農地全体として農地以外への転用

は困難である。地権者は 70 人程度となっているが、一部ではすでに農作物の栽培が行

われておらず、耕作放棄地となっている。

(出所)燕市土地利用計画図

産業史料館・燕の伝統産業発展の歴史を伝える史料館。・H20年に新館がオープン。珍しいスプーン、キセルのコレクション展示もある。

・市の直営施設。入館は有料。駐車場27台。・市の観光協会が事務所を置く。

大曲河川公園・面積6haの地区公園。駐車場25台。・市民がテレビ番組の企画でつくったエコクロックがある。

・ボランティア団体「大曲河川公園ファンクラブ」が活動中。

燕市体育センター・指定管理者が管理運営。

・燕市民体育館(アリーナ、ミーティングルーム、卓球場など)、燕市民武道場(柔道場、弓道場、トレーニングルーム、剣道場など)、燕市民研修館(アリーナ、研修室など。宿泊可)

児童研修館こどもの森・児童福祉施設児童研修館。こどもが専門の指導員のもと、色々な体験学習ができる。子育て中の大人向け講座も。読書、パソコンができるほか、室内遊具、研修室がある。

燕市交通公園・指定管理者が管理運営。

・ゴーカート場、サイクルモノレール、遊具、広場、管理棟(休憩可)。一部は有料、冬季休業。駐車場150台。

農振農用地

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⑤民有地

産業史料館の対面に周囲を2本の県道と市道で囲まれた面積約 0.6ha の民有地があ

る。複数の地権者が所有しているが、低未利用地でもあり、将来的に市が購入し、本事

業において有効活用を図ることも視野に入れる必要がある。

⑥未利用河川敷

大曲河川公園の北側から総合文化センターに続く中ノ口川左岸の河川敷は、未整備で

あるが対象エリアと総合文化センターを結ぶ歩行者の動線として機能する可能性があ

ることから、本事業の進展にあわせて当該用地の有効利用も検討することとする。

⑦老人集会センター

産業史料館に隣接する老人集会センターに事務所を置く社会福祉協議会が平成 27 年

度に移転することから、老人集会センターの有効活用を検討する。

産業史料館

民有地

複数の公共施設が隣接

農地

• 燕市の金属加工業の歴史、技術を展示。• 市の直営で運営。入館者数は1万2,000人/年程度(半分以上は無料の入館者)

• 少なくとも6万人/年以上の利用があり、親子連れでにぎわう。交通公園

大曲河川公園

• おおむね2万人/年の利用があり、冬季以外は2,000~3,000人/月の利用者。

児童研修館こどもの森

• おおむね4万人/年の利用者(うち8割以上が親子(幼児)連れ)。

• 約10ha、うち0.4haは農業振興地域内農用地のため、農地以外への活用は不可。• 地権者は70人程度。一部は耕作放棄地になっている。

• 産業史料館の対面に立地。面積約6,500㎡。• 現在、一部で畑作が行われているほかは未利用となっている。

体育センター

• おおむね9万1,000人/年の利用があり、市民のスポーツ・レクリエーションの拠点として機能。大会等のイベント時に大量の集客。

交通• 主要地方道である県道68号燕分水線と県道18号燕地蔵堂線が交差する交通の要衝、国道289号にも近接。

• 周辺で延べ2万1,000台以上/日の交通量

総合文化センター

• おおむね10万人/年の利用があり、市民の芸術文化活動の拠点として機能。

未利用河川敷

老人集会センター

• 対象エリアと総合文化センターを結ぶ動線としての利用可能性。• 本事業の進展に併せて有効活用を検討する。

• 事務所を置く社会福祉協議会が平成27年度に移転することから、有効活用を検討する。

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(4)市民の意見

①交通公園・児童研修館こどもの森の利用者に対するアンケート調査

交通公園、児童研修館こどもの森の利用者を対象に、平成 26 年 10 月中旬の土曜日に、

アンケート調査を実施した。(サンプル数 214 人)

(ア)回答者の属性

・ 小さな子どもを連れた子育て世代が主な利用者。3世代での利用もある。

・ 燕市民は 3割強。近隣市町村からの来訪も多い。ほとんどが自家用車で来ている。

・ 交通公園、こどもの森を訪れる頻度は月に 1回程度の人が多い。また、滞在時間は 2

時間未満と短時間の人が多い。

・ 交通公園とこどもの森の相互利用を除くと、エリア内の他の公共施設に立ち寄る人は

少ない。

(イ)産業史料館と大曲河川公園について

・ 産業史料館は、全回答者の 8割、燕市民回答者の 7割が「行ったことがない」と回答。

・ 行ったことがある人は「また行きたい」人が 6割だが、行ったことがない人のうち 4

割が「施設があることを知らない」と回答。燕市民回答者は「施設があることを知ら

ない」は 1割だが、半数が「行く機会がない」と回答。

・ 大曲河川公園は、全回答者の 8割、燕市民回答者の 5割が「行ったことがない」と回

答。

・ 行ったことがある人は「また行きたい」人が 6割だが、行ったことがない人のうち半

数、燕市民回答者の 2割弱が「公園があることを知らない」と回答。また、燕市民回

答者の約 4割が「行く機会がない」と回答。

(ウ)近隣にあったら良いと思う機能

・ 飲食や物販の店舗を希望する声が多数。

・ 産業振興や情報発信に係る機能については、あまり関心が高くない。

(エ)まとめ

・ エリア内の回遊性は低い。まずは産業史料館や大曲河川公園を「知ってもらう」こと

が必要。

・ 既存施設への市外からの来訪が多く、これらの来訪者を周辺施設にも呼び込める可能

性は高い。

・ 飲食や物販の機能を備えることで、エリア内での来訪者の滞在時間を増やせる可能性

がある。

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②広報等による意見募集

市の広報・ホームページを通じて市民アイデアを募集したところ、10 人(30~70 歳

代の男性 9人、女性 1人)から意見が提出された。主な意見は以下のとおりである。

(ア)全体テーマについて

・ あくまで市民を主体に、広く燕市民が気軽に集える場にする。

・ 燕市の総合案内所としての「道の駅」が必要。

(イ)産業史料館及びその周辺について

・ 「産業史料館」という名称は何があるか分かりづらい。「カトラリーミュージアム」な

どの言葉を添えると良い。

・ 史料館の隣に金属加工を扱う店舗をつくり、加工技術の見学や体験ができるようにす

る。

・ 金属や農産物をはじめとする地場産品の業者に店舗を出してもらう。

・ フリーギャラリー、多目的室、飲食店舗等を整備する。

(ウ)大曲河川公園について

・ 水上スポーツ、レクリエーションの場にする。(バスケットボール、スケートボード、

グラウンドゴルフなども)

・ 長時間のんびり過ごせる、居心地のよい場所として整備する。

(エ)その他の意見

・ 対象エリアへのアクセス強化。駐車場も整備する。

・ エリア内の散歩道、休憩場所等を整備する。

・ 災害時の避難場所として簡易トイレを設置する。

③関係団体ヒアリング

本計画の策定に当たり、産業史料館運営委員会やつばめ若者会議のほか市内業界団体

や農業関係者など 10の団体・個人に対し、対象エリアの交流拠点としての可能性や本

市の産業について意見・要望を聴取した。

(ア)対象エリアの評価

・ 概ね立地が良いという評価。一方で地元の人にとって買い物をする場所にはならない

という意見もあった。

・ 既存施設については、施設間のアクセスや集客力についての課題が指摘された。

(イ)整備コンセプトについて

・ 「燕の魅力を知ってもらう拠点」

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・ 具体的には、来訪者が飲食・休憩をしたり土産物を買ったりするような道の駅が望ま

しいという意見が複数あった。

・ また、地元の人が地場産品(金属製品、農産物)を買ったり食事をしたりする場所、

活動する場所が必要という声もあった。

・ 一方で、ハードではなくソフトの充実による活性化を図るべきとの意見が聞かれた。

(ウ)事業内容について

・ 各既存施設について、活用の方向性に関する意見が出された。(産業史料館=本館を使

ったお茶会、河川公園=スケートボード場、イベントの実施、スポーツ利用の推進、

農地=収穫体験等)

・ 新規機能としては、燕の洋食器と農産物を活用した飲食店、金属製品や農産物等を販

売する直売所、金属製品を試すことのできるキッチン施設といった意見が出された。

・ その他、料理教室や良寛に関するセミナー等のソフト事業の実施、施設間のアクセス

向上のための事業等が提案されている。

(エ)その他の意見

・ 事業は早期に進めるべき。目に見える成果をちょっとずつでも早く出した方が地域の

士気も上がる。

・ 運営管理者は地域外から経営能力を有する人材を誘致する必要がある。

・ 事業をしたい意欲のある人に活躍の場を与えることができるとよい。

・ 「儲かる仕組み」を作ることが重要。民間ノウハウをうまく活用してほしい。

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(5)現状のまとめ

前節までの分析を踏まえ、本市が活かすべき強み・機会、克服すべき課題を整理する。

①強み、機会

(ア)市内の現況

■市全体

本市は、集客・観光に有利な立地と恵まれた自然環境、長い歴史と実績に基づ

いたブランド力の高い産業を有する。

■対象エリア

交通公園、児童研修館こどもの森等、集客力のある公共施設が集積しており、

まとまった農地、低未利用の民有地・市有地がある。飲食・物販施設を求める市

民意見がある。

(イ)国内の現況

「地方創生」による地域活性化の機運が全国的に高まっているほか、オリンピ

ック・パラリンピック東京大会開催に向けてビジネスチャンスが拡大している。

②課題

(ア)市内の現況

■市全体

国上山やてまりの湯などの市内の観光拠点の集客力を向上させるとともに、合

併 10 年目をきっかけとしたまちづくりの象徴となる拠点が必要である。また、

継続的な産業振興、小売販売に対応するノウハウの蓄積が必要である。

■対象エリア

立地に恵まれている一方で、寺泊・弥彦に行き来する観光客は通過するだけに

なっている。

産業史料館については、歴史的にも価値のある多数の収蔵品があり、かつ体験

機能を追加した新館が整備されたにも関わらず、利用者数は伸び悩んでいる。ま

た、農地については、農地法の制約や国の補助により近年農道を整備した経緯が

あることから、農地以外への転用は困難である。以上のことから、当該エリアの

集客力をさらに向上するためには、エリア内の回遊性を高めること、産業史料館

及び大曲河川公園の知名度や魅力を高めること、エリア内の施設へのアクセス性

を高めること等が課題である。

(イ)国内の現況

全国的な少子高齢化、人口減少に直面している。また、北陸新幹線開通に伴い

上越新幹線沿線の活力の低下が懸念される。

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強み、機会 課題

市内の現況

市全体

n 集客・観光に有利な立地

・新幹線駅・高速道路 IC がある

・寺泊・弥彦の観光地に近接して

いる

n 恵まれた自然景観

・多くの河川に恵まれた美しい田

園風景が広がる

・風情ある里山の景観があるなど

n 長い歴史と実績に基づいたブ

ランド力の高い産業

・世界的な知名度を誇る金属加工

業がある

・質の高い農産物とご当地グルメ

がある

・視察や商談に訪れる業界関係者

が多い

n 市内の観光拠点の集客力向上

・国上山やてまりの湯などの市内

観光拠点は、周辺市町村の観光

拠点と比較して集客力が低い

n まちづくりの象徴となる拠点が

必要

n 継続的な産業振興が必要

・本市の主要産業である金属加工

業、農業が将来的に継続的に発

展するために、ブランド力向上

等の取り組みが必要である

n 小売販売に対応するノウハウが

必要

・流通における直販機能の向上に

伴い、直接的に消費者に訴求す

る取り組みが必要となっている

対象エリア

n 集客力のある公共施設の集積

・交通公園、児童研修館こどもの

森等が集中して立地

n まとまった農地の存在

n 低未利用の民有地・市有地の存

・産業史料館の対面にある約

0.6ha の民有地がある

・産業史料館の敷地の一部も未利

用となっている

n 飲食・物販施設を求める市民意

見がある

n 観光客に通過されている

n 農地の開発が困難

・国の補助により農道を整備した

経緯があることから、農地以外

への転用は難しい

n エリア内の回遊性が低い

n 産業史料館、大曲河川公園の知

名度・魅力度が低い

n アクセス性が低い

・分かりやすい標識や道路の整備

が必要

国内の現況

n 「地方創生」による地域活性化

の機運の高まり

n 東京オリンピック・パラリンピ

ック開催に向けたビジネスチ

ャンス

n 全国的な少子高齢化、人口減少

n 北陸新幹線開通に伴う活力低下

の懸念

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(6)整備コンセプトに活かすべき方向性

(5)を踏まえ、本市の強み・機会を活かし、課題を克服するための方向性を整理し、

整備コンセプトに反映する。

①アクセスの良さを活かした「市の玄関口」としての観光拠点

2020 年のオリンピック・パラリンピック東京大会開催を契機に海外からの観光客の

増加が見込まれる中、県外からのアクセスが良いことは本市の強みと言える。特に対象

エリアは集客力の高い観光地である寺泊・弥彦への通過点にあたり、「市の玄関口」と

言える立地である。この強みを活かし、多くの人に立ち寄ってもらえる観光拠点として

対象エリアを位置づける。

対象エリアが本市の観光の拠点となることで、さらに市内の各観光拠点に利用者を誘

導し、本市全体の集客力が向上することが期待される。

②産業を強みとした交流・産業振興拠点

本市の金属加工業は世界的に知名度が高く、大きな強みとなっている。また、豊かな

自然を背景に質の高い農産物も生産されており、今後もブランド力の向上等によってこ

れらの産業を継続的に振興していくことは、本市の持続的な発展のために欠かせない取

り組みである。

また、近年の流通による直販機能の向上から、本市の産業においても消費者に直接訴

求する場、手段が必要となっており、対象エリアが産業を軸として生産者と消費者が交

流する拠点となることが望ましいと考えられる。

③エリア全体を活用したにぎわい拠点

対象エリア内には多くの公共施設が立地し、日々多くの市民に利用されている。目的

性の高い施設が多いことや施設間のアクセス性の低さから、現状はほとんどエリア内の

回遊性がないが、不足している機能の導入やアクセス性の向上により、既存の公共施設

を巻き込んだにぎわいの創出が期待される。

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3.整備コンセプト

(1)整備コンセプトの検討経緯

整備コンセプトの検討にあたっては、前述した「整備コンセプトに活かすべき方向性」

に照らし、「燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画策定懇談会」において検討を行った。

その中で、他エリアとの差別化を図り、“燕らしさを追求”するため、本市の「ものづく

り」の特性を反映させることとした。また、集客・交流拠点としてのキーワードとして、

「連携・交流系」、「楽しませる系」、「集客・賑わい系」に整理した。また、対象エリア内

には多様な施設が立地しており、かつ、色々なサービスを提供する拠点としての特色を「複

合系」の要素として加えた。

懇談会で抽出されたキーワード

(2)整備コンセプト

上記のキーワードをもとに、分かりやすく、誰もが理解できること、覚えやすいこと、

燕や対象エリアの特徴が出ていることを念頭に、整備コンセプトを策定した。

“いーろ、燕”つくり手のおもてなし ~ここが世界とのかけ橋に~

地域の言葉を用いた「いーろ、燕」は、本市の独自性を強く打ち出すことを象徴すると

ともに、「つくり手のおもてなし」という表現において、本市の基幹産業の担い手である

金属加工業をはじめとする事業者及び農家が“つくり手”として利用者と向かい合う姿勢、

そして地域及び国内外から「お客様」を迎え入れる姿勢を表現している。

また、「ここが世界とのかけ橋に」という副題によって、つくり手と国内外からの利用

者とのかけ橋となり、交流によってにぎわいを生み出すことができるよう、ハード、ソフ

トの両面で効果的な取り組みを進めていくという本事業のねらいを、対象エリアに隣接す

る県央大橋にかけて示唆している。

≪燕の地域特性(ものづくり)系≫“つくる” “つくり手” “職人” “農家”

“つどう”“もてなす”

“つながる”

“つくり手”(地域特性=ものづくり)

“いろいろ”“まるごと”“何でもある”

≪連携・交流系≫“つながる” “かけ橋” “橋渡し” “未来へ世界へ” “交流”

≪楽しませる系≫“おもてなし” “ワクワク感” “楽しむ” “魅力発信拠点”

≪集客・賑わい系≫“つどう” “賑わい” “人が集まる場所” “来いてば”“来いやね”

≪複合系≫“いろいろ” “いーろ” “何でもある” “まるごと” “燕ランド”“燕市場”

他エリアとの差別化“燕らしさを追及”

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「おもてなし」の対象は、対象エリアに立地する既存施設の利用者はもちろんのこと、

地域住民の支持を確実に集めることによって、近隣の大規模な集客力を有する観光地から

の誘客を促進し、新たな集客・交流拠点として、「おもてなし」の対象を徐々に拡大させ

ていくことを目指す。

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4.本事業の目標

前述の整備コンセプトの実現に向けて達成すべき本事業の目標として、以下の3つを掲

げる。

(1)集客・交流によるにぎわいづくり

対象エリアには既存の公共施設が多数立地しているが、いずれも特定の目的を持った特

定の対象者が利用する施設であり、広く集客を図る要素には乏しい。現状では、寺泊・弥

彦に行き来する観光客も対象エリアを通過するだけとなっている。

当該エリアを地域経済の活性化に資する集客・交流拠点とするためには、既存の公共施

設を有効に活用することが必要である。なかでも産業史料館は、市内外から比較的幅広く

集客できる可能性を有した施設である。このため、当該施設を核として、その周辺におい

て集客力の向上を図ることを目指す。また、多様な利用者のニーズに応えるため、飲食や

物販等のサービスを付加することにより、他の公共施設を訪れた利用者が、集客・交流拠

点に立ち寄る可能性を高める。

さらに、交通公園は親子連れを中心に大勢の利用客があることから、対象エリアを自転

車や徒歩で回遊しやすくすることにより、既存の公共施設間の相互利用を促して滞留性を

高め、燕市の玄関口としてふさわしい「にぎわい」の創出を図る。

(2)「楽しめる」燕ブランドづくり

着実に集客を図るためには、利用者にとっての固有の来訪目的をつくることが必須であ

る。周辺地域にも数多くの類似施設が立地するなかで、「そこに行くからこそできること」

を打ち出す必要がある。核となる施設である産業史料館の目的の一つは「歴史と文化の保

存・継承」であるが、ここに「楽しさ」や「わくわく感」が加わることで、「そこに行け

ば何か新しいものに出会える」という期待感を創出し、これを着実な集客につなげていく

ことを目指す。

また、一過性の流行ではなく「燕ブランド」を持続的に支持してもらい、さらに世界に

通じるブランドとして成長させていくためには、「燕の独自性」に裏打ちされた取り組み

が必要である。一般の流通では人々が感じることのできない価値を提供することによって、

飽きずに「楽しめる」燕ブランドの構築を図る。

(3)つくり手と利用者のきずなづくり

これまで本市では、どちらかといえば生産者、すなわち「つくり手」として技術や品質

の向上を高めることに重点が置かれ、販売ルートも流通に卸すスタイルが主流だった。こ

のため、一般の利用者や消費者に直接接してサービスを提供する機会は少なかった。しか

し、現在は情報通信や物流が発達し、利用者や消費者はいつでもどこでも情報を入手する

ことが可能となったことから、つくり手は利用者や消費者と直接つながり、「サービス業」

としての機能を担うことも求められるようになった。

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モノが大量に流通している時代において、利用者は「信頼」や「親しみ」といった特別

な感覚を持つことができる商品を選ぶ傾向が強い。このため、利用者とつくり手との間に

は、「きずな」ともいえる強いつながりを構築していく必要がある。

以上のことから、インターネットや各種媒体等を通じた迅速な情報発信、及び国内外か

らの利用者や消費者とのきめ細かな対話の仕組みを構築することにより、従来の「生産地」

としての魅力にとどまらず、「おもてなし」の魅力を高め、地域経済の活性化に大きく貢

献することを目指す。

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5.導入する機能・サービス及びゾーニング

(1)導入する機能とサービス

以上に述べた「3.整備コンセプト」と「4.本事業の目標」を実現するため、本事業

においては、以下の機能及びサービスを想定することとする。ただし、これらはあくまで

現時点での想定であり、今後実際に運営する主体が決定した後、更に検討を重ねた上で決

定するものである。

集客・交流によるにぎわいづくり

「楽しめる」燕ブランドづくり

つくり手と利用者のきずなづくり

集客機能

回遊機能

学習機能

対話機能

産業振興機能

体験機能

にぎわいをつくる

エリア内の回遊性を向上させる

燕ブランドを学ぶ場をつくる

燕ブランドを体験する場をつくる

新たな燕ブランドを育成する

つくり手と利用者が対話する

導入機能 方向性 想定するサービス

(ア)集客機能

にぎわいを創出するた

め、多くの人が来訪目的

を持つことができる独自

性のある事業によって集

客する。

・ 飲食Ø 燕ラーメン、農家レストラン、カフェ等

・ 物販Ø 野菜の直売、産業史料館と連携したミュージアムショップ(免税店も検討)

・ 集客イベントØ 飲食、物販関連のイベントØ 季節の花畑、フラワーアート

・ 大曲河川公園での集客Ø ファンクラブ等によるイベントや利用者が主体となった企画、運営

Ø キャンプ、バーベキューØ 船着場(ボート乗り場)Ø 景観整備(東屋、公園施設、花壇、植栽等)

・ 温浴施設・ 道の駅的機能(24時間利用可能トイレ等)Ø 子ども用トイレ、児童スペースなど、親子連れが快適に過ごせる設備

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導入機能 方向性 想定するサービス

(イ)回遊機能

対象エリアに立地する既

存の公共施設の利用者を

増大させるとともに、集

客・交流の拠点に誘客す

る。

・ 歩道、自転車道の整備(道路の拡幅)

・ サイクルステーション、休憩所の設置

・ 駐車場の増設・ サインの充実・ スタンプラリーなど、回遊性を促進する仕組み

(ウ)学習機能

本市の産業の歴史に裏打

ちされた製造品や農産品

を支えている技術や想い

を利用者に伝える。

・ 燕の金属産業に関する史料展示

(エ)体験機能

使う、食べる、つくる、

などの体験を通じて、よ

り親しみを持ってもら

い、燕ブランドの認知度

を高め定着させる。

・ 金属加工品に関する技術的な体験・ キッチン用品等の商品の実用体験・ 農業体験

(オ)産業振興機能

つくり手が自ら学習、活

動できる機会を提供する

ことにより、将来の燕ブ

ランドを担う産業を育成

する。

・ インキュベーション機能・ 商品開発支援・ ブランド維持・向上支援

(カ)対話機能

様々な媒体を通じてつく

り手が日常的に情報発信

するとともに、利用者か

らの意見等をきめ細かく

把握し、サービスの改善

に活かす。

また、人々が安心して利

用することができるよ

う、品質を確保するため

の仕組みを構築するとと

もに、さらなる品質の向

上を図る。

・ つくり手からの情報発信・ 利用者からの意見収集・ つくり手と利用者の交流・ 観光情報センター

(上記、いずれも製造業、農業を含む)

(ク)全体に係る機

・ 展示やサイン等の外国語表記・ 海外からの観光客への対応

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(2)ゾーニングの考え方

対象エリアの特性を踏まえ、整備コンセプト及び目標を実現するため、以下の通りゾー

ニングを設定する。

対象エリアにおけるゾーニング

ゾーニング 内容

1.学びとにぎわいゾ

ーン

対象エリアの集客力の向上を飛躍的に図るゾーン。県道からのアクセスの良さと産業史料館及び周辺の土地を有効に活用し、集客力の向上を図る。

2.親水空間ゾーン

憩いの場を提供し、対象エリア内の集客機能を補完するゾーン。大曲河川公園の老朽化した設備の更新、景観形成のほか、親水空間を利用した常設設備の設置、イベント開催などを通じて、利用者数の増大を図る。

3.スポーツ・レクリ

エーションゾーン

スポーツやレクリエーションの楽しさを提供し、対象エリア内の集客機能を補完するゾーン。既存の交通公園、児童研修館こどもの森、体育センターと、他のゾーンとの回遊性を向上し、対象エリア内における集客力を確保する。

4.農地保全・活用ゾ

ーン

「燕の食の魅力」の創造と憩の場を提供するゾーン。直販・飲食等の地産地消につながる農産物づくりを推進して、優良農地の保全と活用を図る。

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(3)集客機能を補完する新たな集客拠点の必要性

上記の通り、「1.学びとにぎわいゾーン」においては、対象エリアにおける集客力を

飛躍的に向上させるとともに、産業史料館の集客にも相乗効果を発揮する新たな機能が求

められる。具体的には、上記(1)「(ア)集客機能」にある「飲食(燕ラーメン、農家レ

ストラン、カフェ等)」「物販(野菜の直売、産業史料館と連携したミュージアムショップ

等)」などである。

しかしこの機能は、産業史料館をはじめとする既存の公共施設では十分満たすことがで

きない。このため、同ゾーンにおける民有地を活用して新たな集客拠点を整備し、集客機

能を補完することが必要である。新たな集客拠点では、上記(1)で述べた想定するサー

ビスのうち次を想定する。

新たな集客拠点の機能とサービス

導入機能 想定するサービス(再掲、抜粋)

(ア)集客機能

・ 飲食Ø 燕ラーメン、農家レストラン、カフェ等

・ 物販Ø 野菜の直売、産業史料館と連携したミュージアムショップ(免税店も検討)

・ 集客イベントØ 飲食、物販関連のイベント

・ 道の駅的機能(24 時間利用可能トイレ等)Ø 子ども用トイレ、児童スペースなど、親子連れが快適に過ごせる設備

(イ)回遊機能

・ サイクルステーション、休憩所の設置・ 駐車場の増設・ サインの充実・ スタンプラリーなど、回遊性を促進する仕組み

(ウ)学習機能 ―

(エ)体験機能・ 金属加工品に関する技術的な体験・ キッチン用品等の商品の実用体験

(オ)産業振興機能・ 商品開発支援・ ブランド維持・向上支援

(カ)対話機能

・ つくり手からの情報発信・ 利用者からの意見収集・ つくり手と利用者の交流・ 観光情報センター

(ク)全体に係る機能・ 展示やサイン等の外国語表記・ 海外からの観光客への対応

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(4)各施設において想定するサービス

以上の内容を、各施設ごとに整理すると以下の通りである。

(5)「道の駅」の登録の想定

前述の新たな集客拠点の整備に際しては、道路利用者などの集客が見込める「道の駅」

の登録についても検討する必要がある。対象エリアにおいて新たな交流機能が「道の駅」

としての登録を受ける場合には、以下のような要件を満たす必要がある。現段階で当該施

設が「道の駅」として登録を受けるかどうかについては未確定であるが、導入機能の検討

にあたっては「道の駅」の要件を考慮することとする。

施設 想定するサービス

産業史料館・ 燕の金属産業に関する史料展示・ 金属加工品に関する技術的な体験

新たな集客拠点

(産業史料館では

満たせない集客機

能を補完)

・ 上記「(3)集客機能を補完する新たな集客拠点の必要性」に

記載

大曲河川公園

・ ファンクラブ等によるイベントや利用者が主体となった企画、運営

・ キャンプ、バーベキュー・ 船着場(ボート乗り場)・ 景観整備(東屋、公園施設、花壇、植栽等)

老人集会・福祉セン

ター

・ インキュベーション機能・ 温浴施設(の再整備)※既存の温浴施設の活用を前提

未利用河川敷 ・ 今後検討

農地

・ 集客イベント

Ø 季節の花畑、フラワーアート

・ 農業体験

エリア全体

・ 歩道、自転車道の整備(道路の拡幅)・ サイクルステーション、休憩所の設置・ 駐車場の増設・ サインの充実・ スタンプラリーなど、回遊性を促進する仕組み・ 展示やサイン等の外国語表記・ 海外からの観光客への対応

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①「道の駅」制度の背景、目的(国土交通省HPより)

長距離ドライブが増え、女性や高齢者のドライバーが増加するなかで、道路交通の円

滑な「ながれ」を支えるため、一般道路にも安心して自由に立ち寄れ、利用できる快適

な休憩のための「たまり」空間が求められている。

また、人々の価値観の多様化により、個性的でおもしろい空間が望まれており、これ

ら休憩施設では、沿道地域の文化、歴史、名所、特産物などの情報を活用し多様で個性

豊かなサービスを提供することかできる。

さらに、これらの休憩施設が個性豊かなにぎわいのある空間となることにより、地域

の核が形成され、活力ある地域づくりや道を介した地域連携が促進されるなどの効果も

期待される。

こうしたことを背景として、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の

方々のための「情報発信機能」、そして「道の駅」をきっかけに町と町とが手を結び活

力ある地域づくりを共に行うための「地域の連携機能」、の 3つの機能を併せ持つ休憩施設「道の駅」が誕生した。

②「道の駅」の登録要件

(ア)施設位置

休憩施設としての利用のしやすさ、「道の駅」相互の機能分担の観点から、適切な

位置に設置する。

(イ)提供サービス

n 駐車場、トイレ、電話は 24 時間利用可能

n 案内人を配置し、情報提供を実施

(ウ)施設構成

n 休憩目的の利用者が無料で利用できる十分な容量の駐車場

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n 清潔なトイレ

n 道路や地域の情報を提供する施設

n 様々なサービス施設

n 主要な歩行経路はバリアフリー化

(エ)地域側施設の設置者

市町村または市町村に代わり得る公的な団体

(オ)配慮事項

n 年少者、高齢者、障害者等、様々な人の使いやすさに配慮

n 景観に十分配慮し、地域の優れた景観を損なうことのない施設計画

(6)既存施設の機能の有効活用

本事業の推進にあたっては、対象エリアに立地する既存の公共施設の集客状況等の現状

を踏まえ、これらの施設の機能を最大限に活用することが重要である。

①産業史料館「本館」の有効活用

産業史料館は、従前から整備されている本館及び平成 20 年にオープンした新館から

構成され、文化的な価値のある金属加工製品等の展示・保存を主な機能としている。し

かし、本事業においては、交流人口の増加を図り、地域経済の活性化を目指すことが目

的であることから、対象エリアに立地する集客施設として「にぎわい」や「交流機能」

を新たに付加していくことが必要である。

しかし、新館はオープンしてからの年数も浅いため、現段階での大規模な改修は想定

していない。このため、産業史料館については、本館の独特の歴史ある外観はもちろん

のこと、所有する貴重なコレクションを有効活用することが必要である。

②親水空間ゾーンとの連携(大曲河川公園の有効活用)

現在、大曲河川公園は、遊歩道や休憩施設などが設置され、美しい河川空間を活用し

た憩いの場所となっており、バーベキューができる設備も備えられている。しかし、利

用人数は年間約 2 万人(冬季は閉鎖しているため、開園している月平均では 2,000~

3,000 人の利用)であり、さらに利用者を増やす余地はあることから、大曲河川公園の

さらなる有効活用に向けて整備を推進していく必要がある。また、大曲河川公園の利用

者が増加することによって、学びとにぎわいゾーンやスポーツ・レクリエーションゾー

ンへの波及効果や相乗効果を創出することにもつながる。

③各ゾーンと連携した回遊性の向上

スポーツ・レクリエーションゾーンにある交通公園、児童研修館こどもの森、体育セ

ンター等の既存施設については、それぞれ定められた目的と機能がある。そのため、産

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業史料館も含め、各施設が機能面で直接連携することは考えにくい。しかし、交通公園、

児童研修館こどもの森を訪れる親子連れは、親水空間ゾーン(大曲河川公園)の主要な

利用者ともなり得る。また、体育センターについては、スポーツをした後の飲食や買い

物などの学びとにぎわいゾーンに対するニーズもあると想定される。このように、各ゾ

ーンが効果的に連携することによって、利用者の回遊性の向上を図る工夫が求められる。

(7)段階的な整備

対象エリア内における未利用河川敷、産業史料館に隣接する老人集会センターの建物の

整備・活用に関しては、関係する機関や団体等との調整・協議に期間を要すると見込まれ

る。

さらに、対象エリア内の農地は、農業振興地域内農用地の指定を受けた農地が含まれて

おり、転用による活用は難しい。農地としての活用についても、地権者が多く、短期間で

の合意形成は難しい状況にある。

以上のことから、本事業は以下の通り段階的な整備を行う。

第一段階は、比較的短期での取り組みが可能な産業史料館(周辺未利用地含む)及び民

有地、大曲河川公園を活用した事業を実施する。また、エリア内及び周辺の道路や自転車

道、歩道なども合わせて整備する。

第二段階は、諸条件が整った時点で整備を検討することを前提に、未利用河川敷、産業

史料館に隣接する老人集会センターの建物の整備・活用を想定する。

なお、対象エリア内の農地については、前述のとおり現状では開発が困難であるため、

将来的に農業分野での更なる活用や可能性を検討する。また、交通公園、児童研修館こど

もの森、体育センターに関しては既に整備済みであることから、更なる面的整備や施設整

備は予定していない。

以上をふまえ、本計画では第一段階を対象とし、第二段階以降の計画は含まないことと

する。

※諸条件が整った時点で整備を検討

段階 整備対象

第一段階 産業史料館(周辺未利用地含む)、民有地、大曲河川公園、エリア

内及び周辺の道路、自転車道、歩道など

第二段階※ 未利用河川敷、老人集会センター

将来的に検討 農地の活用

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6.施設配置計画

(1)施設配置の基本的な方針

施設配置にあたっては、集客・交流拠点として不特定多数の利用者が来訪することを前

提として、安全性や利便性、景観等を十分に確保することができるよう、以下を考慮して

検討する。

来訪者のアクセス 効率性、利便性を考慮して、歩行者と車の動線、駐車

場の考え方、サービス動線を設定する。

既存公共施設への行き方を示した分かりやすい標示

の設置など、アクセスの向上を図る。

ただし、エリア内は高低差が大きいことから、円滑な

移動を実現するための対策が必要である。

気候・風土などの自然の条件 雪(除雪)、風向、大曲河川公園に隣接する眺望に配

慮して、施設配置を行う。

外部空間、外構計画 集客イベントにも対応できるよう、一定のイベントス

ペースを確保する。

新たな集客拠点の認知しやす

新たな集客拠点は、集客・交流拠点の核として、道路

からの目視しやすさに考慮して、施設配置を行う。

道路ネットワーク 対象エリア内における回遊性の向上を実現するため

歩道・自転車道を整備するとともに、サイクルステー

ション・休憩施設等を適切に配置するなどし、徒歩の

ほか自転車(レンタルサイクル)等で対象エリア内を

周遊しやすい工夫を講じる。

歩道・自転車道については、安全性や利便性を考慮し、

十分な幅員を確保する。

美観への配慮 快適な空間とするため、緑地を確保するなど美観への

配慮を行う。

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対象エリアにおける施設配置の全体像

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(2)新たな集客拠点の整備計画

「学びとにぎわいゾーン」での新たな集客拠点の整備にあたっては、建設用地の特性等

をふまえ、次のとおり配置を検討する。

なお、対象エリアは都市計画区域内であるが、用途地域の指定はされていない(交通公

園と児童研修館こどもの森のみ都市計画公園に用途指定されている)。そのため、民有地

や産業史料館敷地内の未利用地に施設を整備する場合、建ぺい率 70%以内、容積率 200%

以内の制限がかかる。また、対象エリアで 3,000 ㎡以上の開発行為(主に建築物の建築等

の目的で土地の区画形質の変更を行うこと)を行う場合、開発許可の手続きが必要となる

ことに留意が必要である。

①新たな集客拠点の建設用地の整理

新たな集客拠点の建設用地として、産業史料館の対面にある民有地(一部市有地)と、

産業史料館の敷地内の未利用地を対象に、計画の検討を行う。

計画敷地の特徴としては、主に以下の3点が挙げられる。

n 両敷地とも、その形状が整形でなく、面積も類似施設の一般的な広さに比べて必ずし

も十分ではない。

n 市道八王寺大曲川原線が民有地と産業史料館の間を通り抜けており、両者を分断して

いる。ただし、土日等のイベント開催時には、車両を通行止めにして、歩行者の安全

確保やイベントスペースとしての活用を図ることも想定して敷地利用を検討するこ

とが必要である。

n 県道 68 号線を使った新幹線駅や高速道路方面からのアプローチに対して、敷地に右

折進入となる。

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建設用地の概況

②敷地概要

計画敷地(民有地)の概要は以下の通りである。なお、本敷地の現況の地目は畑・宅

地・用水路・公衆用道路であるため、「6.計画の実現に向けての留意事項」で整理し

た通り、地目変更による開発行為の申請が必要となる。

所在地(地名地番) 新潟県燕市大曲字川原 4356-1他

敷地面積 約 6,450 ㎡(民有地約 4,800 ㎡+市有地等約 1,650 ㎡)

都市計画区域 区域内

用途地域 指定なし

防火地域 指定なし

前面道路 南側(県道 68 号 燕分水線)/約 24.0m

北側(県道 18 号 燕地蔵堂線)/約 12.5m

東側(市道 八王寺大曲川原線)/約 12.0m

指定建蔽率 80%(70%+角地 10%=80%)

指定容積率 200%

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③敷地利用の比較

敷地内における施設の配置について、3パターンを提示し、パターンごとに特徴を整

理する。なお、駐車場台数は概ね大型 5台、小型 200 台程度(産業史料館の既存駐車場

を含む)を想定している。

■配置パターン A

民有地の南側を駐車場とし、北側に産業史料館に対して直行軸で新たな集客拠点を配

置する案。産業史料館敷地内の未利用地は駐車場として利用する。

【特徴】

n 新たな集客拠点正面が南向きとなるため明るく、県道 68 号線からも施設全体が認識し

やすい。

n 産業史料館と新たな集客拠点の軸線を揃えることで、施設の連携や一体感を出せる。

n 施設の北側に搬入等のバックヤード(搬入出空間)を設け、利用者の動線との分離を

図ることが可能。

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■配置パターン B

民有地の西側角、県道 18 号線と 68 号線の交差点に新たな集客拠点を配置する案。産

業史料館敷地内の未利用地は駐車場として利用する。

【特徴】

n 新たな集客拠点が県道が交わる交差点に近く、両県道から認識しやすい。

n 産業史料館と新たな集客拠点との距離が離れており、施設の連携や一体感に欠ける。

n 中央の駐車場からは両施設が逆方向となり歩行者の動線が長くなる。

n バックヤードを、利用者と分離して確保しにくい。

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■配置パターン C

産業史料館敷地内の未利用地に新たな集客拠点を配置し、民有地に駐車場をまとめる

案。

【特徴】

n 高さがある県央大橋のたもとに位置し、新たな集客拠点が県道から認識しにくい。ま

た、産業史料館が新たな集客拠点に隠れる配置となる。

n 産業史料館と近接し、連携は良い。

n 新たな駐車場と産業史料館、新たな集客拠点の間が市道で分断され、歩行者の安全対

策が必要である。

n 施設敷地に余裕がなく、外部スペースへの拡張性に欠ける。

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④新たな集客拠点の構成

新たな集客拠点の構成は、駐車場・産業史料館やバックヤードなどとの関係を考慮す

る。

賑わいのある施設計画とするために、物販スペースを入口付近にロビー空間と一体と

して配置し、休憩・情報発信スペースとの連携を図る。交流・イベントスペースは、多

様な用途に用いることができる空間として、施設内の機能や他施設とのネットワーク等

を考慮した位置・形状を考慮する。

新たな集客拠点の構成

産業史料館

学習・体験機能

・本館等の改修・未利用地の活用・機能の拡充

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⑤新たな集客拠点の用途、機能、及び想定する面積

新たな集客拠点の規模については、必要となる機能、及び県内の類似施設等を参考に

して想定する。民有地の面積の制約上、イベント空間を十分に確保することが困難なこ

とから、外部空間や屋根下空間などを有効活用する。

各用途の想定面積(案)

用途 機能 面積

ロビー 情報発信機能 60㎡

イベント・交流スペース 情報発信・体験・交流機能 150 ㎡

物品販売(野菜) 物販機能 150 ㎡

物品販売(金属加工品) 物販機能 150 ㎡

(商品のストックスペース等) 70㎡

飲食店(60 席程度) 飲食機能 250 ㎡

(厨房・食品庫・更衣・休憩スペース含む) -

事務所 - 50㎡

トイレ - 120 ㎡

合計 1,000 ㎡

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7.事業手法

(1)民活の導入範囲

第一段階で整備・改修を行う施設は、産業史料館、大曲河川公園、新たな集客拠点及び

エリア内外の道路である。このうち、産業史料館、大曲河川公園、新たな集客拠点につい

ては、施設の近接性・親和性が高く、民活による一体的な整備、運営を行うことで、各施

設の集客力向上に向けた相乗効果が期待されることから、3施設を一体とした民活の導入

可能性について検討する。一方、道路、自転車道、歩道の整備やサインの充実については、

事業性や効率性等の観点から、市が整備・維持管理することが妥当と考えられる。また、

対象エリア内の他の施設(交通公園等)については、運営面(ソフト面)において、運営

者間の連携を図っていくものとする。

(2)想定される事業手法

民活を導入する施設(産業史料館、大曲河川公園、新たな集客拠点)については、民間

のノウハウが十分に発揮される事業手法を採用する必要がある。

国内の類似施設においては、民活を導入する事業手法として、「指定管理者方式」や「PFI

方式(サービス購入型/混合型)」が導入されているほか、「PFI 的手法」とよばれる「DBO

方式」が導入されているケースも存在する(PFI 方式や DBO 方式の場合も、指定管理者制

度が併用されているケースが多い)。PFI 方式の一般的なメリットは、施設整備と運営維

持を一体的に実施することによる効率性や、比較的長期の運営期間を設定できることで、

民間事業者の投資意欲を喚起できることなどであるが、本事業においては、そのメリット

がどの程度見出されるかが、事業手法を決定する要素となる。

なお、いずれの方式の場合であっても、事業者による付帯事業を積極的に促すことによ

り、民間の創意工夫をさらに引き出すことが可能である。

以上をふまえ、今後、民間事業者の意向や市の財政負担の可能性等を総合的に勘案し、

事業手法を決定していくこととする。

産業史料館

大曲河川公園

新規施設

エリア内外の道路、自転車道、歩道

エリア内の他施設

民間ノウハウを活用した一体的な改修・整備・運営・維持管理

市が整備

運営者間でソフト面の連携を強化

改修・整備

(ハード面改修なし)

市が維持管理

運営・維持管理

施設の集客力向上・相乗効果

民活の導入範囲

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直営 土地貸付 民間事業

●公共が、資金調達、整備・運営維持管理を全て実施●公共が施設所有●公共が土地取得

●公共が資金調達、整備、施設所有●運営維持管理を行う民間事業者を指定(3~5年)●民間事業者の自主事業が実施可能●公共が土地取得

適合する事業の種類

事業の内容・役割分担

●収益性の低い事業

●民間ノウハウの活用が困難な事業●特殊な公共性の高い事業

●民間単独での整備費・運営費の回収は困難な事業

●民間事業者のノウハウによって、運営コストの削減が可能な事業●短期的な運営における民活事業

●民間が資金調達、整備、運営維持管理を一体的に実施

●公共は民間に「サービス対価を支払う」(独立採算型を除く)●施設の所有形態は事業類型によって異なる(BTO,BOT,BOO)●民間事業者の付帯事業の実施が可能●公共が土地取得

●整備~管理運営を一体化することで、事業の効率化が期待できる事業●民間事業者による長期的な運営が望ましい事業●民間事業者のノウハウによって、コスト削減が可能な事業。●(DBOの一部、混合型・独立採算型PFIの場合)利用者からの利用料金による事業費の(一部又は全部)回収が可能な事業

●民間が資金調達、整備、運営維持管理、施設所有●公共が土地取得、民間は公共に地代を支払う

●行政目的である一方で収益性が高く、民間の独立経営が可能な事業

●民間が資金調達、施設整備、運営維持管理、施設を所有

●民間が土地取得

●本来、民間が実施すべき収益性の高い事業●公共性の低い事業

収益性が低い 収益性が高い

分類

公共の役割が大きい 民間の役割が大きい

指定管理

PFI方式サービス購入型

独立採算型

混合型

DBO方式

●民間が整備・運営維持管理を一体的に実施

●公共は資金調達・施設所有●民間事業者の付帯事業の実施が可能

●公共が土地取得

参考:

①指定管理者制度とは

・平成 15 年の地方自治法の一部改正によって新たに導入された地方公共団体の「公の施

設」の運営維持管理に関する制度。一般的な委託契約と異なり、「公の施設」の運営維

持管理に係る包括的な管理に関する権限が委譲される。

・指定期間は、地方自治法上の定めはないものの、一般的には3~5年程度。PFI手法

と併用した場合など合理的な理由がある場合は、より長期間の指定が可能となる。

②PFI 方式とは

・ 平成 11 年に制定された「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関す

る法律(いわゆる PFI 法)」によって導入された制度。民間事業者の資金調達のもと、

公共施設の整備及び長期間にわたる運営維持管理について、民間事業者に実施させる

ことが可能となる。

・ PFI の事業類型としては、公共の関与(費用の回収方法)の度合いによって、以下の

類型に分類される。

Ø サービス購入型:すべて公共からのサービス対価支払いにより費用を回収する。

Ø 混合型:公共からのサービス対価及び利用者からの利用料金により費用を回収す

る。

Ø 独立採算型:すべて利用者からの利用料金支払いにより費用を回収する(公共は

事業許可を与える等の関与にとどまる)。

・ また、施設の所有権に関して、3つの分類が存在する。

Ø BTO 方式:完工時に施設所有権を民間から公共に引き渡す

Ø BOT 方式:事業期間中は民間が施設を所有し、事業終了時に公共に引き渡す

Ø BOO 方式:事業期間中は民間が施設を所有し、事業終了時に民間が施設を解体す

る(公共は施設を所有しない)

③DBO 方式(D=設計、B=施工、O=運営)とは

・ PFI 方式に類似しているものの、厳密には PFI 法に定められていないことから、「PFI

的手法」と呼ばれる。民間が設計、施工、運営維持管理を一体で行う一方で、資金調

達及び施設所有は公共が行う。

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(3)事業手法検討に関する今後の方向性

①民間事業者の意欲を高めるための方策

民間事業者に対してヒアリング調査を行ったところ、民活の手法として実施すべき方

策としては、①設計・施工・運営の一体化、及び②通常よりも長い事業期間の設定、の

2点であった。

①については、設計段階から、運営事業者が関与することにより、運営を想定した効

率的で魅力的な施設を作ることが可能となるメリットがある。民活を導入する3施設は、

運営面での工夫が非常に重要となる施設であることから、運営事業者の意向を最大限設

計に反映することによって、高い集客力を維持することにつながる。

②については、当該施設の特性上、集客力を向上するために民間が自己資金を投資し

て付帯事業も想定されることから、投資資金の回収にも配慮した事業期間の設定が求め

られる。しかし、指定管理制度における指定期間は最長で 5年間とすることが一般的で

ある。こうした制度面の制約等も勘案して、民間事業者の意欲をより高めるための工夫

を講じることが求められる。

民活の手法として

実施すべき方策理由

①設計・施工・運営の

一体性確保

・ 設計者・施工者と運営事業者を別々に選定されると、実

際の設計段階で、運営事業者の意見が反映されにくい。

・ 設計段階から、運営事業者が関与することにより、運営

を想定した効率的で魅力的な施設を作ることが可能。

②通常よりも長い期

間(10年程度)の設定

・ 民間の自己資金を投資して付帯事業を実施する場合、通

常の指定期間(5年程度)では投資回収は困難。

・ 燕ブランドの育成、収益事業の安定化を図るためには、

一定の時間を要する。

・ 人材育成、及び安定した雇用の観点からも、運営期間は

長期の方が望ましい。

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②検討の方向性

上記を踏まえると、以下の2つの事業手法が有効と考えられる(いずれも上記で述べ

た 2つの条件は満たす)。

今後は、上記 2つの事業手法について、関連する諸条件をさらに固めたうえで、技術

面・法務面等の専門的な見地から詳細な検証を行う。ただし、次に述べる通り、事業ス

ケジュールを勘案すると、平成 27年度の中旬までに事業手法を決定する必要がある。

③事業費の想定

事業費については、約 11~13 億円を想定し、上記 2つの事業手法について従来手法

と比較した場合の事業効果(コスト面及びサービス面)を検証する(VFM:バリューフ

ォーマネーの検証)。

※事業費は市が公共工事として発注した場合の費用を想定

事業手法 内容

①PFI 方式

(BTO・サービス購入

型)

・ 民間による資金調達のもと、設計、施工、運営維持管理

を一体で行う。

・ 施設の所有権は、施設完成時に民間から公共に移転す

る。

・ 公共は、運営開始後、民間からサービスを購入する対価

として「サービス対価」を支払う(整備費は割賦払いと

なる)。

②DBO 方式

・ 公共による資金調達のもと、民間が設計、施工、運営維

持管理を一体で行う。

・ 施設は公共が所有。

・ 公共が資金調達を行うため、民間による資金調達よりも

金利コストが削減できる。

総額 11~13 億円

産業史料館、大曲河川公園、新たな集客拠点に

関連する整備・改修費用

8~9億円

エリア内外の道路整備等に関する整備費用 3~4億円

財 源 の

想定

交付金 4.4~5.2 億円

起債 6~7億円

一般財源(特別交付税) 0.6~0.8 億円

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8.今後のスケジュール

本事業の事業開始は、平成 31 年(2019 年)を目標とする。東京オリンピック(平成 32

年)における燕市の情報発信機会を活かして、当該施設への誘客を目指す。

平成 27 年度において事業手法を決定するとともに、事業者の公募、及び選定を行うこ

ととする。

平成26年度(2014)

平成27年度(2015)

平成28年度(2016)

平成29年度(2017)

平成30年度(2018)

平成31年度(2019)

基本計画(案)

基本計画(成案)事業手法の決定

設計・施工 事業開始事業者の公募・選定

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【参考】施設別の事業内容(案)の一覧

導入機能 ゾーン 施設 想定するサービス 第一段階 第二段階 事業手法

学びとにぎわい

ゾーン

対象エリアの集客

力の向上を飛躍的

に図るゾーン

産業史料館・ 燕の金属産業に関する史料展示

・ 金属加工品に関する技術的な体験○

民間活力の活用

(指定管理者を

導入し、

PFIあるいはDBOを

想定)

新たな集客

拠点

・ 飲食(燕ラーメン、農家レストラン、カ

フェ等)

・ 物販(野菜の直売、産業史料館と連携し

たミュージアムショップ[免税店も検

討])

・ 集客イベント(飲食、物販関連のイベン

ト)

・ 道の駅的機能(24 時間利用可能トイレ等)

・ キッチン用品等の商品の実用体験

・ 商品開発支援

・ ブランド維持・向上支援

・ つくり手からの情報発信

・ 利用者からの意見収集

・ 作り手と利用者の交流

・ 観光情報センター

(エリア全体のサービスは除く)

老人集会・福

祉センター

・ インキュベーション機能

・ 温浴施設(の再整備)

※既存の温浴施設の活用を前提

親水空間ゾーン

憩いの場を提供

し、対象エリア内

の集客機能を補完

するゾーン

大曲河川

公園

・ ファンクラブ等によるイベントや利用者

が主体となった企画、運営

・ キャンプ、バーベキュー

・ 船着場(ボート乗り場)

・ 景観整備(東屋、公園施設、花壇、植栽

等)

・ キャンプ、バーベキュー

未利用河川

敷・ 今後検討 ○ 今後検討

農地保全・活用

ゾーン

「燕の食の魅力」

の創造と憩の場を

提供するゾーン

農地・ 集客イベント(季節の花畑、フラワーア

ート)

・ 農業体験

― ― 今後検討

スポーツ・レクリ

エーションゾーン

スポーツやレクリ

エーションの楽し

さを提供し、対象

エリア内の集客機

能を補完するゾー

交通公園、児

童研修館こど

もの森、体育

センター

・ 下記「エリア全体」のサービスと連携 ○ 従来通り

エリア全体

・ 歩道、自転車道の整備(道路の拡幅)

・ サイクルステーション、休憩所の設置

・ 駐車場の増設

・ サインの充実

・ スタンプラリーなど、回遊性を促進する

仕組み

・ 展示やサイン等の外国語表記

・ 海外からの観光客への対応

ハード整備は

市にて実施

ソフト事業は

民間活力を活用

産業史料館では満たせない

集客機能を補完

集客機能

回遊機能

学習機能

体験機能

産業振興

機能

対話

機能

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附属資料

燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画策定懇談会設置要綱

(設置)

第 1条 (仮称)県央大橋西詰周辺地域整備基本計画(以下「基本計画」という。)を策定す

るに当たり、関係者の意見を幅広く反映させるため、燕市県央大橋西詰周辺地域整備基

本計画策定懇談会(以下「懇談会」という。)を設置する。

(所掌事務)

第 2条 懇談会は、次の事項について検討する。

(1) 基本計画の策定に関すること。

(2) 前号に掲げるもののほか、市長が必要と認めること。

2 懇談会は、前項に掲げる事項の検討の結果を市長に報告しなければならない。

(組織)

第 3条 懇談会は、委員 15 人以内で組織し、次に掲げる者のうちから市長が選任する。

(1) 識見を有する者

(2) 関係団体の代表者等

(3) その他市長が必要と認める者

(任期)

第 4条 懇談会の委員の任期は、選任された日から第 2条第 2項に規定する市長への報告

が完了する日までとする。

(会長及び副会長)

第 5条 懇談会に、会長及び副会長を置き、委員の互選により選任する。

2 会長は、会務を総理し、懇談会を代表する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。

(会議)

第 6条 懇談会は、会長が招集し、会長がその議長となる。

2 会長は、必要があると認めるときは、委員以外の者を会議に出席させ、その意見を聴

き、又は資料の提出を求めることができる。

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(庶務)

第 7条 懇談会の庶務は、企画財政部企画財政課において処理する。

(その他)

第 8条 この告示に定めるもののほか、懇談会の運営に関し必要な事項は、会長が懇談会

に諮って定める。

附 則

(施行期日)

1 この告示は、告示の日から施行する。

(この告示の失効)

2 この告示は、第 2条第 2項の規定による市長への報告を行った日の翌日に、その効力

を失う。

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燕市県央大橋西詰周辺地域整備基本計画策定懇談会 委員名簿

(五十音順、敬称略)

No. 氏名 所属等 備考

1 片 岡 新 呉か た お か し ん ご

越後中央農業協同組合 燕地区経営管理委員

2 小 出 良 之こ い で よ し ゆ き

大曲農家組合長

3 杉 山 興す ぎ や ま こう

新潟県三条地域振興局企画振興部長

4 高 橋 真 由 美た か は し ま ゆ み

吉田商工会 女性部幹事

5 田 中 公 一た な か こ う い ち

燕市観光協会 副会長 副会長

6 玉 川 基 行た ま が わ も と ゆ き

燕市産業史料館運営委員会 委員長

7 土 田 陽 子つ ち だ よ う こ ハート❤美人メンバー

【つばめママフェス主催団体】

8 樋 口 秀ひ ぐ ち しゅう 長岡技術科学大学 環境・建設系 准教授

博士(工学)・一級建築士・測量士会長

9 本 間 尚 貴ほ ん ま な お き

燕商工会議所 青年部会長

10 三 富 亜 紀 子み と み あ き こ

弥彦温泉おかみ会メンバー

11 山 田 直 子や ま だ な お こ

分水商工会 女性部副部長

12 吉 川 武 已よ し か わ た け み

大曲自治会長

13

堀 孝 一ほ り こ う い ち

燕市商工観光部長

(前任:赤坂一夫)あかさかか ず お

14 五 十 嵐 一 夫い か ら し か ず お

燕市都市整備部長

15 三 富 仁み と み ひとし

燕市農林部長