婦人科腫瘍における リンパ節郭清と 術後腸閉塞予...
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婦人科腫瘍におけるリンパ節郭清と術後腸閉塞予防に対する考え方
東海大学医学部専門診療学系 産婦人科学
教授 三上 幹男 先生
資料請求先 : 〒113 -8650 東京都文京区本駒込2丁目28-8 科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室
〒163-1488
発売元
東京都文京区本駒込2丁目28-8SAJP.SEP.15.11.3297
【禁忌・禁止】1. 再使用禁止
本材は滅菌済み製品であり、1回限りの使用であるので、再使用しないこと。[適用対象]1. 貼付部位に感染が認められる患者に使用しないこと。[膿瘍、腹膜炎等が発現するおそれがある。]2. 本材の成分に対し過敏症の既往歴のある患者に使用しないこと。3. 本材の腸吻合部縫合線上へのラッピングは行わないこと。[本材を吻合部にラッピングした患者
群で吻合部縫合不全、膿瘍、瘻孔、腹膜炎、敗血症の発生率が高かったとの報告がある。]2014年6月改訂(第12版)
高度管理医療機器 保 険 適 用承認番号 20900BZY00790000
再審査結果公表年月:2015年3月
ヒアルロン酸ナトリウム/カルボキシメチルセルロース癒着防止吸収性バリア「禁忌・禁止を含む使用上の注意」等は添付文書をご参照ください。
婦人科腫瘍に対して手術を行う際、リンパ節郭清の治療的意義については国内外で意見が分かれることが多い。骨盤リンパ節(PLN)郭清、傍大動脈リンパ節(PAN)郭清の徹底的な実施は術後生存率に大きく影響するという報告もある。我々は頸癌根治術にPAN郭清を追加する適応について、①実際に術中迅速にて診断したPLN転移例にPAN郭清を追加しての検討、②術後に初回PAN転移をきたした例についての検討と、2つの側面からの分析を行っている。その結果より 「マクロで1cm以上の転移が疑われるPLN」がある例には、計3個以上の転移PLNがある確率が高く、迅速診断にて転移を確認後に、PAN郭清を追加すべきで、さらに肉眼で体部進展がみられる例に対してもPAN郭清を追加すべきであると考えられる。 徹底的にリンパ節郭清を実施する際には視野の確保や血管の露出によって後腹膜欠損部も広くできる。そこに小腸が癒着することで腸閉塞をきたす可能性が高いため、我々はセプラフィルムによる癒着防止を実施している。
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① 左後腹膜の処理腸腰筋と外腸骨動静脈の間から膀胱側腔にドレーンを挿入し、ドレナージができる程度に開放部分を残して左後腹膜を閉鎖する。
後腹膜の処理とセプラフィルム貼付の実際
② 腟断端の処理腟断端を閉鎖した後、縫合糸を変えずに腟断端前後の腹膜を縫合する。ここで腟断端に腹膜を集束させることで、腟断端の血腫や膿瘍の予防となる。また、後腹膜にドレナージができる程度の開放部分を残す。
③ 右後腹膜の処理右側も同様にドレーンを挿入する。右後腹膜は、ドレーンの先が固定できるように膀胱側から少し縫合するが、ほぼ開放させたままとする。
開放
婦人科腫瘍に対する外科手術の際には、リンパ節郭清や視野確保のための結腸脱転を行うため、骨盤腔の左右に広範囲の後腹膜欠損部が生じる。また子宮全摘術の場合、子宮の存在していた部分に小腸が落ち込むことがある。後腹膜欠損部や腟断端上の腹膜縫合部と小腸の癒着が生じると、腸閉塞が引き起こされるため、我々は、腹膜欠損部を覆うようにセプラフィルムを貼付している。
術後腸閉塞予防に対する考え方
リンパ節郭清終了後
尾側
頭側
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④ 後腹膜欠損部へのセプラフィルムの貼付腸管の位置を整えた後、再度圧排し、小腸が落ち込んで腸閉塞を起こしやすい左右の腹膜欠損部と腟断端腹膜縫合部にセプラフィルムを貼付する。セプラフィルムはレギュラーサイズを1/4の大きさにカットして準備。貼付部位の水分をガーゼで除去し、乾いた鑷子でセプラフィルムを直接把持して、貼付。乾いたガーゼで押さえて、密着させる。
◎後腹膜処理終了時◎
左後腹膜開放部への貼付 腟断端腹膜縫合部への貼付
右後腹膜開放部への貼付 腸骨動静脈上への貼付
セプラフィルム貼付後(イメージ)
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使用目的、効能又は効果:術後の癒着の軽減
[腹部又は骨盤腔の手術患者に対して、腹部切開創下、腹膜損傷部位、または子宮及び付属器損傷部位に貼付し、術後癒着の頻度、範囲、程度を軽減する。]
保険適用:合成吸収性癒着防止材を、女子性器手術後の卵管及び卵管采の通過・開存性の維持以外の目的で使用した場合には、373.38cm2を限度として算定できる。
セプラフィルムは特定保険医療材料として認められています
ヒアルロン酸ナトリウム/カルボキシメチルセルロース癒着防止吸収性バリア 承認番号 20900BZY00790000再審査結果公表年月:2015年3月
高度管理医療機器 保険適用
レギュラー サイズ1パック レギュラーサイズ 1枚入り1枚あたりのフィルム寸法: 12.7cm×14.7cm 面積186.69cm2
CS プロシージャ パック1パック ハーフサイズ 2枚入り1枚あたりのフィルム寸法: 12.7cm×7.35cm 面積93.35cm2
2枚合計のフィルム寸法: 12.7cm×14.7cm 面積186.69cm2
ONC プロシージャ パック1パック ハーフサイズ 4枚入り1枚あたりのフィルム寸法: 12.7cm×7.35cm 面積93.35cm2
4枚合計のフィルム寸法: 25.4cm×14.7cm 面積373.38cm2
クォーターパック1パック クォーターサイズ 4枚入り1枚あたりのフィルム寸法: 7.35cm×6.35cm 面積46.67cm2
4枚合計のフィルム寸法: 14.7cm×12.7cm 面積186.69cm2
2015年12月作成FSP202-15L-02-CO1
⑤ 腸管を戻すセプラフィルムを貼付した部位に回盲部とS状結腸、直腸を配置し、小腸が入り込まないよう注意しながら、腸管を戻す。
⑥ 切開創下へのセプラフィルムの貼付大きく開いた切開創下を覆うようにセプラフィルム レギュラーサイズ1枚(1/2にカット)を貼付し、閉腹する。