固体熱連成の熱伝達問題の ベストプラクティス -...
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固体熱連成の熱伝達問題の
ベストプラクティス
概要
本発表ではSTAR-CCM+は固体熱連成(以後”CHT”と称す)問題のベストプラクティス(ノウハウ)をご紹介するとともに,CADのインポートから始める一般的なCHT解析のデモンストレーション,またCHT解析関連の新機能紹介も合わせて行います.
本発表では特に以下のトピックにスポットを当てます.
• CHTのインプリント,メッシング,インターフェース
• 壁面および壁面近傍の取り扱い
• 発熱の定義
• 接触熱抵抗
• S2S 熱輻射
• 熱境界条件
• 熱伝達係数
CHTデモ(新規シミュレーション)
STAR-CCM+を起動します
ファイル>新規シミュレーション>OK
CHTデモ(CADのインポート)
ジオメトリ> 3D-CAD モデル>新規作成
3D-CAD Model 1 >インポート>CAD モデル
ファイル読み込みCooled_Board.x_t
CHTデモ(CADモデルの検証)
右図のような形状をインポートしました.ボードの上に乗ったいくつかの部品で構成されており,中央を冷却水が流れます.
冷却管を削除し,周囲空間を作成します.
CHTデモ(冷却管の削除)
• 冷却管の部品を削除します.
• 次にボード周囲の流体部を抽出します.
CHTデモ(スケッチを作成する)
• Create Sketchボード上の平面を選択して右クリックし,”スケッチを作成”を選択します
• 平面の対角線上のコーナーについて以下のように指定します
• 左下(-0.07, -0.07)
• 右上(0.25, 0.07)
CHTデモ(押出し形状の作成)
• Sketch 1 >押出しを作成を選択します.In the
Extrude window, set the
Distance and Body
Interaction as shown,
then click OK
• 押出し”距離”を指定します.
また押し出された形状はブーリアン演算などの対象にならないため”ボディの相互作用”に”なし”を選択します.
• 部品の名称を”Body 9” とします.
CHTデモ(外部空間の抽出と元の部品の消去)
• 周流体領域を抽出するため,ボディ > Body 9 > “外部ボリュームを抽出”を選択します.
• 新たに周囲流体のみ抽出されたBody 10が作成され,
元のBody 9が必要なくなるため消去します.
• 新たに作成されたBodyの名称をAirに変更します.
ベストプラクティス: 形状およびメッシング
• CHTのベストプラクティスはインターフェースがコンフォーマルメッシュ(1対1
対応メッシュ)となります.
• コンフォーマルメッシュはインターフェース部のフェースが1対1で対応しているものを指します.
• インターフェース間の熱移動の高精度となります.
• ジオメトリの段階で,サーフェス間でインプリントされている必要があります.
• コンフォーマルメッシュはポリヘドラルメッシュでのみ生成可能です.
• もう一つのアプローチ:非コンフォーマルメッシュ
• 曲面ではない”平面”上でインターフェースを設ければ,熱移動の精度は高いものになります.
• 曲面上のインターフェースでメッシュ解像度に差があると,マッチングされない可能性が高くなります.
• インターフェースのマッチングはインターフェースの交差トレランスを大きくすることで改善されることがあります.但しトレランス値が大きすぎる場合,不必要なフェース間のマッチングを発生させ,メッシュクオリティに問題が生じる場合があります.
• トリムメッシュは非コンフォーマルメッシュとなります.
ベストプラクティス: コンフォーマル vs. 非コンフォーマル
コンフォーマル
非コンフォーマル
間接マップドインターフェースについて
• STAR-CCM+ v7.02より搭載された新機能となる,非コンフォーマルメッシュ間のインターフェースに”間接マップドインターフェースになります.
• マッチングの漏れの防止に大きな効果があります.
• 流体-固体間,固体-固体間のインターフェースのみ対応しています.
• 通常の内部インターフェースマッチングによる温度分布
• 間接マップドインターフェースマッチングによる温度分布
Best Practicesベストプラクティス: 薄い固体領域の面内方向熱伝導
• 面内熱伝導が無視できる場合,流体-固体間もしくは固体-固体間の接触インターフェース,流体-流体間のバッフルインターフェースが使用できます.
• 従来では,面内熱伝導が重要な場合,新メッシャーか埋め込みシンメッシャーで実際に薄い領域に対して3次元メッシュを作成する必要がありました.
• 上述のシンメッシャーはともにプリズムメッシュであり,主に薄い領域に生成されます.
• シンメッシャーは非コンフォーマルマッチとなります.
• 埋め込みシンメッシャーはある領域の内側に,埋め込みシンメッシャー対象領域が入るとコンフォーマルマッチとなります.
• 新しいアプローチ:シェルモデリング機能
• 面内方向の熱伝導が重要な場合,薄い固体領域の解析に利用できます.
• 境界を選択し,右クリック>”シェル領域を作成”を選択することで自動的に作成されます.
• 現在は等方性熱伝導のみとなります.
シェルモデリングについて
• STAR-CCM+ v7の新しいアプローチ:シェルモデリング
• 面内方向の熱伝導が重要な薄い固体領域のシミュレーションに利用可能です.
• 薄い固体層の付加を想定した面内方向熱伝導考慮ケース(シェルモデリング機能使用)
• 面内方向熱伝導を考慮していないケース
CHTデモ(部品間をインプリント)
• コンフォーマルメッシュ作成のため,部品間のインプリントを実施します.
• 部品のツリーをすべて選択し,右クリック ブーリアン > インプリントを選択します.
• “厳密タイプ”を選択しOKボタンを押します.
CHTデモ(サーフェスの名称を変更)
• 3D-CADの段階で
• 流入部の名称を”Inlet”逆側の流出部を”Outlet”と名称を変更します.
• 3D-CADを閉じます.
CHTデモ(ジオメトリパーツの生成)
• ジオメトリにコンバートします.3D-CAD Models
> 3D-CAD Model 1 を選択し,新しいジオメトリパーツを選択します.
• “パーツを作成オプション”パネル>OKを選択します.
• パーツ>各部品間の接触情報を確認します.
CHTデモ(サーフェス修正)
• シフトキーを押しながらすべての部品を選択し,右クリック>Repair
Surface…を選択します.
• サーフェスの準備オプション>OKを選択します.
CHTデモ(サーフェス修正)
• サーフェス修正ツール>”
診断を開始”を選択します.
• 診断オプションパネル>OKボタンを押します.
• 診断の結果,”低品質のフェイス”と”近すぎるフェイス”の2つのみが抽出されました.
• これらの問題はサーフェスリメッシャーで修正できますので,このサーフェス修正ツールでのサーフェス修正は不要です.
CHTデモ(パーツからの領域作成)
• メッシュ生成のためにジオメトリパーツから領域を作成します
• すべてのパーツを選択し,右クリック>”パーツを領域に割り当て” を選択する
• 各モードを” ***毎に1つ ”に変更し,”領域を作成する”
ボタンを押します.
• 複数の領域,境界,インターフェースが作成されます.
CHTデモ(メッシュ連続体の定義)
• メッシュ作成のためメッシュ連続体を作成します.
• 連続体を右クリック>新規作成>
メッシュ連続体を選択します.
• 連続体>Mesh 1を右クリック>
メッシュ作成モデルを選択します.
• サーフェスリメッシャー,ポリヘドラルメッシャー,プリズムレイヤーメッシャーを選択します.
ベストプラクティス: 壁面近傍の取り扱い
• “壁面近傍の取り扱い”モデルはRANSとペアで使用されます.
• STAR-CCM+では,”壁面近傍の取り扱い”について3つのオプションがあります.
– High-y+壁面近傍の取り扱い:従来から多く用いられている壁関数によるアプローチになります.壁面第1層セル重心が対数則領域(30 ≤ y+ ≤ 100)に入ることが推奨されます.
– Low-y+壁面近傍の取り扱い:低レイノルズ型乱流モデルと等価なモデルとなります.粘性底層を解像出来る程度の細かいメッシュが要求され(特に壁面第1層セルがy+ ≤ 1),さらに境界層を10-20セル程度で構成することが推奨されます.
– All-y+ 壁面近傍の取り扱い: 上記2つのアプローチのハイブリッド型のモデルとなります.壁面第1層セルが粘性底層内,対数則領域内,バッファ層(1<y+<30)内に存在してもより精度の高い取り扱いができるようモデル化されています.
First grid point, 30 <
y+ < 100
Viscous
sublayer
First grid point y+ ~ 1
ベストプラクティス: プリズムレイヤーメッシュ
• プリズムレイヤーメッシュは多くの場合,境界層に対して用いられるため,流入,流出境界などのオープン境界には必要ありません.
• STAR-CCM+ではメッシュ生成の前にオープン境界について設定しておけば,その境界にレイヤーメッシュを作成しません.
• プリズムレイヤーは上記のような背景から,一般的に固体領域にも必要ありません.
• プリズムレイヤーは流体-固体間のインターフェースには適用されます.
• インターフェースの固体領域側についてはプリズムレイヤーメッシュを作成しない定義も可能です.
• “All-y+ 壁面近傍の取り扱い”は様々なメッシュ解像度に対して柔軟性があり,一般的に推奨される”壁面近傍の取り扱い”モデルとなります.
• 各”壁面近傍の取り扱い”モデル毎のy+に関するガイドラインに沿うことが推奨されます.
– 例えば,適切な壁面第1層セル高さを評価するために粗めに”テスト”メッシュを作成し,計算する
– 例えば,解析対象に応じて,おおよそのy+の値を予め概算しておく(これについては次ページ以降に述べます)
ベストプラクティス: y+の算出
• 解析する上で,壁面第1層セルのy+の値を適正値に収めることがターゲットになります.Y+の定義は以下になります:
• 壁面せん断応力wと摩擦係数Cfには次のような関係式があります:
• 摩擦係数は流れの様式と以下のような相関があります:
– 平板流れ:
– 管内流れ:
yuy
*
wu *
2/2UC w
f
5/1Re
036.0
2 L
fC
5/1Re
039.0
2 D
fC
電子筐体内冷却問題に対しておおよその値として,代表速度 15 m/s. 代表長さ 5 cm で物性は空気を扱うとすると:
内部流との摩擦係数との相関式を用いると:
摩擦係数の定義式から壁面せん断応力を算出すると:
壁面せん断応力からu*を算出すると:
壁面第1層のy+のターゲット値を80としたときの,セル高さを算出すると:
3
5/11006.9
Re
039.0
2
f
D
fC
C
2
2/192.1
2/mN
UC w
wf
smu w /009.1*
mmyyu
y 25.1*
410743.4Re D
ベストプラクティス: y+の算出
CHTデモ(メッシュ基準サイズ)
• 連続体 > Mesh 1 > 基準サイズを右クリック>編集
• 基準サイズの値は5mmに設定しました.プリズムレイヤーの層数としてはデフォルトの2層を使用,トータルの厚みが2.5mmとなります.伸張係数が1に近いため,1層の厚み≒1.25mmとなります.
CHTデモ(境界タイプの変更)
• Inlet境界やoutlet境界にプリズムレイヤーメッシュ作成を避けるため,メッシュ生成前に境界タイプを変更します.
• 領域 > Air > 境界 > Inlet
> プロパティから”速度入口”に変更
• 領域 > Air > 境界 >
Outlet > プロパティから”
圧力出口”に変更
CHTデモ(インターフェースのプリズムレイヤー)
• インターフェース部にプリズムレイヤーメッシュを生成します.
• 全てのインターフェースをShiftキーを押しながら選択し,右クリック > 編集を選択します.
• メッシュ条件 > インターフェースのプリズムレイヤー > インターフェースからプリズムを伸張に☑を入れます.
CHTデモ(固体領域のプリズムレイヤーキャンセル)
• 固体領域となる全ての領域を選択して右クリック > 編集
• メッシュ条件 > プリズムメッシュのカスタマイズ> プリズムメッシュのカスタマイズを”
無効”に変更する.
CHTデモ(メッシュ生成)
• リサーフェスメッシュとボリュームメッシュを”ボリュームメッシュを生成”ボタンを押して作成します.
• メッシュクオリティをチェックするため,メッシュ > 診断を選択します.クオリティについてFace Validity
が1.00となっているため,とても良好だと判断できます.
CHTデモ(生成されたメッシュの検証)
• 内部空間のメッシュを見ると,比較的粗いですが,デモ用としてはこれで充分ですのでこのメッシュを使用します.
• ボリュームメッシュ:108,000 cells
CHTデモ(物理連続体の指定)
• 連続体 > Physics 1 を Airに名称を変更します.
• 連続体 > Air を右クリック >
“モデルを選択”を選択します.
• 選択するモデルは右のようになります.
CHTデモ(Copper の物理連続体)
• 連続体を右クリック > 新規作成 > 物理連続体を選択します.
• 新たに作成した物理連続体の名称を”Copper”とします.
• 物理モデルは以下の通りです.
• 連続体 > Copper > モデル > 固体 > Al を右クリック > 物質を置換…を選択します.
• 物質データベース > Standard > Solids > Cu
(Copper) のラジオボタンにチェックを入れます.
CHTデモ(Silicon の物理連続体)
• Siliconの固体物理連続体を作成します.設定方法は先の”Copper”全く同様となり,違いとしては物質データベース > Standard > Solids >
Si(Silicon)を選択する箇所になります.
CHTデモ(領域の物理連続体の変更)
• 領域 > Air と Sink以外については物理連続体をSiliconに,SinkについてはCopperを指定します.
ベストプラクティス: 系内の熱発生
• 解析系内の熱発生様式については以下の2通りがあります.
• 体積熱ソース
• インターフェース熱ソース
• 体積熱ソースは領域内で適用します
• 領域 > 物理条件 > エネルギーソースオプション をOnにします.
• 定義方法は一定値, テーブル, フィールド関数, ユーザーコードがあります.
• 単位体積あたりの熱量[W/m3]で与える方法と,領域に対し合計の熱量[W]を与える方法の2通りがあります.
• インターフェース熱ソースは流体-固体,固体-固体の接触インターフェースのみに適用されます.
• インターフェース > 物理条件 > エネルギーソースオプション をOnにします.
• 定義方法は一定値, テーブル, フィールド関数, ユーザーコードがあります.
• 熱流束[W/m2]で与えます.
ベストプラクティス: 接触熱抵抗
• 接触熱抵抗は完全に接触していない面でしばしば重要になります.
• たとえば面の粗さ,平面性,清潔さの他に接触圧,介在する物質などの要因に依存します.
• インターフェースにて結果的に温度は不連続になります.
• STAR-CCM+ではユーザーが指定した接触抵抗を与えることが可能です.
• ‘Contact’ resistance can also be specified at a fluid-solid interface (e.g. to
model a thin coating or fouling layer)接触抵抗は流体-固体間のインターフェースで定義可能です.
• 接触抵抗は接触インターフェースで適用します.
• 熱伝導は1次元になります(面内方向の熱伝導は考慮されません)
• 定義方法は一定値, テーブル, フィールド関数, ユーザーコードがあります.
• 単位は[m^2-K/W ]にて与えます.
CHTデモ(Box への熱ソース)
• 領域 > Box > 物理条件 > エネルギーソースオプションを選択します.
• プロパティから熱ソース合計を選択します
• 物理条件の値 を右クリック > 編集 >
熱ソース > 一定値を選択し,プロパティに70[W]を指定します.
CHTデモ(Board-Chip 間の熱発生)
• 熱発生を与えるインターフェースを接触インターフェースに変更します.
• Board/Chip インターフェースを右クリック > 編集を選択します.
• 物理条件の値 > 熱流束, > 一定値を選択し,50000 [W/m^2]を指定します.
• インターフェースから各領域へ放熱しますが,その放熱の割合については各領域の熱抵抗値により決定されます.
CHTデモ(Box-Board 間の接触熱抵抗)
• Board and Box間の接触熱抵抗値を定義します.
• インターフェース > Board/Box >
Physics Values物理条件の値 >
接触抵抗 > 一定値を選択します.
• プロパティから1.e-4 [m^2-K/W]を指定します.
ベストプラクティス: S2S 熱輻射
• サーフェス間の灰色体拡散熱輻射(波長依存性がない)を扱うモデルになります
• サーフェス間の媒質におけるガス輻射は考慮されません.
• 固体領域が非透過性(輻射フラックスが透過しない)の場合,熱輻射は流体領域のみに設定する.
• 輻射パッチの作成とパッチ間の形態係数を定義しておく必要があります.
– 一つの輻射パッチを複数の境界で形成することが可能です.
– 形態係数Fijはパッチiからパッチjへの熱輻射の比率を指します. ji
A Aij
ji
i
ij dAdARA
Fi j
2
coscos1
ベストプラクティス: S2S 輻射パッチ
• 各セル面は何らかの一つのパッチに属している.
• 大きなモデルでは1セル面に1パッチなどの扱いになるとパッチ数が莫大となります.
• パッチの数はパッチ/面 比率を用いて調整できます.
• Tパッチ/フェイス 比率は1セルのフェイスが1パッチに占める割合を指定します.
• 例えば,パッチ/フェイスの割合が25.0のとき各パッチは4セルのフェイスで形成される.
• パッチの分割を色で示します.パッチが複数のセルフェイスに形成されていることがわかります.
ベストプラクティス: S2S 輻射物性値
• 熱輻射物性値は以下になります:
– 放射率
– 吸収率
– 反射率
– 透過率
• 右の関係式が成り立ちます, + + = 1
• キルヒホッフの法則から右の式が成り立ちます, =
– キルヒホッフの法則は温度Tのサーフェスの放射率と,同じ温度Tの黒体の表面からの輻射による吸収率が等しいことから導かれたものです.
– キルヒホッフの法則は上記のような背景から,一般的に温度差が存在する表面間で全く真とは言えませんが,妥当性があるとされています.
• 不透過性の表面( = 0)の場合, キルヒホッフの法則は妥当性がありエネルギーも保存される.ただし放射率() を指定する必要がある.
CHTデモ(パッチ/フェイスの割合の指定)
• パッチ数を調整するためには”パッチ/フェイスの割合”を指定します.
• 領域 > Air > 物理条件の値 > パッチ/フェイスの割合 を25.0[%]に指定します.
• 4面のセルフェイスで1パッチを形成します.
CHTデモ(表面放射率の指定)
• 表面放射率を指定します.
• 固体は全て非透過性であるため,流体領域でのみ輻射物性を設定します.
• Siliconの表面輻射率はデフォルトの0.8,Copperは0.1とします.Copperは”Sink”のみの物性であるため,領域 > Air > 境界 > Default
(Air/Sink) > 物理条件の値 > 表面放射率 > 一定値 を選択し,プロパティから0.1を指定します.
CHTデモ(Inlet & Outlet 境界条件)
• 領域 > Air > 境界 > Inlet 右クリックして編集を選択する.
• 温度と輻射温度を300[K]に設定する
• 速度値を15.0 [m/s]に指定
1/
h
ベストプラクティス: 熱境界条件
壁面境界では以下の熱境界オプションが選択できます:
– 断熱(熱フラックス無し)
– 熱フラックス固定
– 温度固定
– 対流: イメージを右図に掲載
S2S 熱輻射は, inlet,outlet境界などのオープン境界に対してもパッチを作成し,”輻射温度”という雰囲気温度を設定する必要があります.
• 輻射温度は流入温度と同じ値である必要はありません.
• 輻射温度はオープン境界と系内壁面境界間で輻射計算を実施する上で用いる温度になります.
CHTデモ(Board 熱境界条件)
• Right-click on Regions領域
> Board > 境界 を右クリックし編集を選択します.
• Under Physics Conditions
物理条件 > 熱条件の設定を対流に指定します.,
• 環境温度 300 [K] , 熱伝達係数を100 [W/m^2-K]に指定します.
最大ステップ数の設定& 計算実行
• Click on Stopping Criteria >
Maximum Steps and set the
Maximum Steps to 300
• Run the analysis:
• After the analysis is complete, make
some plots of the results
• For examples, see the slides that
follow
残差履歴
壁面の y+
• high-y+ 壁面近傍の取り扱い(壁関数)においてy+が適正値
に入っているかを評価します.しかしながら,実際の計算値はターゲットのy+値より低い分布がよく見受けられます。
• y+の低い領域の大半は壁
面衝突流か流れの剥離領域である.
・壁関数は発達した(理想的な)境界層流れをモデル化し
たもので、上述の流れはその範囲から外れるため、y+
を適正値に入れる必要性が乏しいと言えます.
ベストプラクティス: 熱伝達係数
• 対流熱伝達係数(以後HTCと略す)は以下のように定義されます.:
• 明示されていない変数は”流体温度”となります.
• 流体温度の選択によりHTCは変わります.
fluidwall
wall
TT
qh
ベストプラクティス: STAR-CCM+の熱伝達係数
• Heat Transfer Coefficient:
• 壁面温度,熱フラックスは計算により算出された値を用い, 流体温度はユーザーが指定します.
• ユーザーが指定する値は一定値であるため,流体温度の分布特性が考慮されません.
• Local Heat Transfer Coefficient:
• 壁面近傍の取り扱いから計算された熱伝達係数を用います.
• 流体温度は壁面第1層の流体温度になります.
• 上記のような背景からメッシュサイズに依存した値となります.
• Specified y+ Heat Transfer Coefficient:
• 流体温度は指定されたy+の位置の値を用います.
• 流体温度の分布特性が考慮されます.
• 壁面第1層セル高さの影響を排除します.
• ベストプラクティスとして推奨 - “Heat Transfer Coefficient” と “Local Heat
Transfer Coefficient”の長所を 融合したものとなっています.
Heat Transfer Coefficient
熱伝達係数が負の値となる可能性がある
Local HTC
Specified y+ Heat Transfer Coefficient (y+ = 100)
Good
まとめ
• 以下のトピックに沿ったベストプラクティスをデモンストレーションを交えながらご紹介しました:
• CHTのインプリント,メッシング,インターフェース
• 熱解析の新機能
• 壁面および壁面近傍の取り扱い
• 発熱の定義
• 接触熱抵抗
• 熱輻射
• 熱境界条件
• 熱伝達係数
まとめ
• 本発表がお客様の一助になれば幸いでございます.ご清聴誠にありがとうございました.