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皮膚灌流圧測定(SPP)が、行われ るまでの歴史 1

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皮膚灌流圧測定(SPP)が、行われるまでの歴史

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足趾血圧等の様に各分節部分(足関節・足趾・手指・下腿・大腿末梢側・大腿中枢側・上腕・陰茎等)での血圧測定を行う為の測定方法。

直接カフ内の圧力で測定するオシロメトリック法。

再灌流時の血管音を聞く聴診法。

使用される血圧計の構造図

2血管無侵襲診断の実際 足趾血圧測定 松尾 汎 著

巻かれたカフの部位で『血圧』の測定を行う。

足関節(足背)動脈血圧測定例:

再灌流される時の血流音を超音波血流計で確認し、その時の収縮期血圧を記録する。

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1976年にLassen等によってPPGやRIを用いて測定できることを確認。20mmHg以下の場合は、潰瘍の治癒が期待できないとの報告。(末梢血管の無侵襲診断法四肢動脈閉塞症・血圧測定の実際:塩野谷恵彦著より。)

1985年にCastronuvo等によってLD法を用いて測定できることを報告。

6-1 SPP or SRPP(Skin Perfusion Pressure Test:皮膚灌流圧試験)

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とを報告。

1992年にCastronuvo等によってRI法とLD法(TSI社製)は、N=13の被験者でr=0.991の強い相関が有る事を報告し、エビデンスとなった。

1997年にCastronuvo等は、虚血性安静時疼痛を主訴とする場合は、30mmHg 未満と報告。(Casteronuovo JJ Jr,Adera HM,Smiell JM,et al : Skin perfusion pressur measurement is valuablein the diagnosis of critical limb ischemia. J Vasc Surg 26 : 629_637,1997.)

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RI法での皮膚灌流圧測定例:

RI を用いた皮膚再灌流圧は、装置が大きく、RI が半減していくまでの時間が30分と時間が掛かり、患者負担が掛

かる事から実用的でないとの報告されている。

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J.Castronuvo et al:The correlation between three method of skinperfusion pressure measurement: Radionuclidewashout, laser Doppler flow, andphotoplethysmography (J VASCSURG 1992;15:823-30より。

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6-1 SPP(Skin PerfusionPressure Test):皮膚灌流圧試験

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表皮

手のひら、足底、手足の指の複面は1mm以上。他は0.1mm~0.2mmと薄い

真皮2mm~3mm程度

皮下組織

表皮

真皮

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一説には細胞の物質交換には拍動性の血流が必要とされています。

この事から、壊疽の回避と治癒を目指す事を考えると拍動性のある細動脈を見る必要があるのではないかと考えられる。

皮下組織

病気の地図より抜粋、表皮と真皮(皮膚組織の構造) 山口和克監修

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皮膚組織は、毛細血管と細動脈から構成されている。

毛細血管での血圧は、20~40mmHgの範囲で

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20~40mmHgの範囲で拍動性を持たない。

細動脈での血圧は、40~90mmHgで拍動性を持つ。

生理学 改訂第18 版 真 島 英 信 著 より7

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BASIC HUMANPHYSIOOGY:Nomal Fucutionand Mechanismof DiseaseARHTUR C.GUYTON,M.D

濾過力

膠質浸透圧:水分移動 血漿浸透圧:電解質移動

動脈側の細動脈並びメタ細動脈等では、前毛細血管括約筋が存在し、O2供給過多の場合には血管の収縮が行われる。

一方CO2が、増加されると弛緩が行われる。

又、ホルモン等や液性因子や体温調節により、前毛細血管括約筋が、収縮・弛緩を起こす。 これ等の複合的な働きが、血管運動(Vasomotion)又は、血流量変化(flowmotion)と成って現れる。

尚、これ等の一連の働きは、抹消に於ける血管抵抗となり、全循環器系の調節因子と成る。

吸収力

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内向きの圧

外向きの圧

BASIC HUMANPHYSIOOGY:NomalFucution andMechanism ofDiseaseARHTUR C.GUYTON,M.D

膠質浸透圧:水分移動

血漿浸透圧:電解質移動

内向きの圧は、血管外から加わる血管外の体液の圧力で、の膠質浸透圧と

呼ばれ、正常な人では、≒25~28mmHgとされている。

毛細血管から、間質に移動させようとする圧力、毛細血管内圧は膠質浸透圧

と負の間質液圧が加わった外向きの圧となり、 30~36.3 mmHgとなる。

従って、膠質浸透圧を差し引き外向きと内向きの差を求めると5~8.3 mmHg

が、正味の圧力となる。

正味の圧力が0mmHgとなる毛細血管内圧は、15~16.7mmHgとなり、膠漆浸透圧が、高くなることで、血管外より物質の吸収がされる。

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皮膚灌流圧測定システムの構成と臨床結果

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ElectronicSphygmomanometer

CP-101

Software Nahri MV monitor PLUS

Doppler Flowmeter NL-101

CP-101

Laser Doppler probes

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電子血圧計

PC 皮膚灌流圧測定 専用ソフト

レーザ血流計

測定部位にレーザ血流計のプローブを貼り付け、 プローブを覆うようにカフを巻

きつけ駆血し、再灌流する時の変曲点の圧(皮膚再灌流圧)を測定。

血流計を2台使用する事で足背・足底の同時測定も可能である。

両下肢の測定に有する時間が15分

カフ

血流計プローブ

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下肢のアンギオソム図を参にし、測定部位の選定を行う。

・内側足底動脈領域

・前脛骨動脈領域

測定方法:

・前脛骨動脈領域

・腓骨動脈領域

・外側足底動脈領域 ・腓骨動脈踵骨枝領域・後脛骨動脈踵骨枝領域

・後脛骨動脈領域

Attinger CE et al.Plast Reconstr Surg.2006 Jun;117(7 Suppl):261S-293S.を参考に作成

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● 第1趾、と第2趾の間に貼り付けます。足趾の近くでは、骨の頂上となりますので、比較的骨が突出していない部分を選択する。

● 又、プローブのケーブル側が押さえつけられる事でプローブ本体が測定部位から浮かない様に、プローブの向きは、足背側にケーブルが、出るようにする。

● パッドの粘着力が弱い場合は、パッドの周囲にサージカルテープ等で固定を補強してやる。

● カフを巻きつける際は、プローブがカフの中央部になるように巻きつける。

●前脛骨動脈領域から足底動脈のSPP値を評価する場合。

● カフとプローブの隙間がない事を認する。

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●後脛骨動脈領域から足底動脈のSPP値を評価する場合。

● 中足骨裏の中央部に貼り付ける。● 中足骨裏部では、胼胝(タコ)が形成されやすいのでタコを避けて選択する。

● 又、内側足底動脈と外側足底動脈が交差する領域となりますので、足部のアンギオソムを考慮し中央部の選択を行う。

● パッドの粘着力が弱い場合は、パッドの周囲にサージカルテープ等で固定を補強する。

● カフを巻きつける際は、プローブがカフの中央部になるように巻きつける。

測定中、痙攣などの体動により、加圧実測値測定中、痙攣などの体動により、加圧実測値や血流実測値が変動する場合が起きる。その場合は、電子血圧計を速やかに停止し、患者状態が安定した時点で再度測定を行う。

尚、条件が整えば、解析結果が表示される。

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SPPの健常人での正常値は、79±14mmHg(本システムでは、 75.6±23mmH)

SPPは、ABIに比して正診率が高い。

SPP 50mmHg をカットオフ値とすると

感度84.9%,特異度76.9%

ABI 0.9未満をカットオフ値とするとABI 0.9未満をカットオフ値とすると

感度29%,特異度100%

更に、TBIやtcPO2よりも感度が高い。

TBIは、0.6をカットオフ値とすると

感度45.2%,特異度100%

tcPO2は、50mmHgをカットオフ値とすると

感度61%,特異度70%岡本 好司 透析患者における下肢閉塞性動脈硬化症─無侵襲診断法について─. 脈管学 Vol. 46, 2006より

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Foutaine分類、Rutherford分類に従い臨床評価を行なう。

中枢の血圧に測定結果が依存する為、仰臥位における上腕の

血圧を測定し循環動態を確認する。

環境の温度により、下肢が冷える事で末梢の血管が収縮してし

まい、灌流圧が低下してしまう為、室温の温度を24℃前後に

保つ。又、下肢が冷えている場合は、連続測定で2度測定し、保つ。又、下肢が冷えている場合は、連続測定で2度測定し、

高い値を評価値とする。

SPP値を示す変曲点に体動のアーチファクトが発生した場合、連続

測定を行ない再度SPP値の解析を行なう。

アーチファクトが、全体的に発生している場合は、自動解析を行なう

以外にも駆血状態を確認し、手動で解析を行なう。

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治療効果を示す場合は、50mmHgを示す。 健常成人に於いても50mmHg以下を示す場合が有る。

PAD3000 V.S. SRPP System for SPP value

mmHg)

本System(

mmHg

PAD3000(mmHg)

健常成人

足外来受診者rs = 0.679 p < 0.01

擬陽性、観測範囲

第12回日本フットケア学会発表資料より18

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評価事例(住吉クリニック病院JSTD59発表)

性別

透析歴 所 見上 腕 ABP TBP SPP(足背)

SBP DBP R L R L R L

M 浮腫・動脈石灰化 110 60 49 68 44 35 17 19

M 33.5両母趾陥入爪

動脈石灰化154 85 65 75

Nodetection

Nodetection

38 26

M 19.5下肢動脈閉塞(足趾アンプタ)

135 75 60 35No

detectionNo

detection14 16

M 11.4両下肢冷感

120 65 85 75No No

24 32M 11.4動脈石灰化

120 65 85 75No

detectionNo

detection24 32

M 10.4

左第4.5趾間潰瘍、第5趾潰瘍

(左膝下アンプタ)93 55 163 ―

Nodetection

― 26 ―

M 10.5 動脈石灰化 173 84 147 145 65 82 63 50

F 8.05足背動脈共作

動脈石灰化148 79 88 76

Nodetection

Nodetection

40 32

F 7.1 動脈石灰化 120 54 ― ―No

detectionNo

detection79 48

F 8.5左下肢冷感

左足趾1創傷115 56 109 111 58 47 31 2719

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PPIの症例では、足背・足底の皮膚血流(Perfusion)の測定とSPPの測定は、有効な判定方法として可能。

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