科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 宇宙開発利用部 …...2014/08/13...
TRANSCRIPT
資料16-2科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会
宇宙開発利用部会(第16回)H26.7.23
1
本資料の位置付け
◆ 宇宙開発利用部会におけるプロジェクト事前評価
⇒ 基本的な考え方
JAXA は、プロジェクトの企画立案と実施に責任を有する立
場から、JAXA 自らが評価実施主体となって評価を行うこと
を基本する。
これを踏まえ、宇宙開発利用部会では、JAXA が実施した
評価の結果について、調査審議を行う。
「宇宙開発利用部会における研究開発課題等の評価の進め方について
(H25.4.4宇宙開発利用部会決定)」
◆ 本資料の位置づけ
⇒ JAXAが実施したGOSAT-2のプロジェクト移行審査の結果に
ついて報告するもの
2
JAXAが実施する宇宙に関する研究開発プロジェクトのフェーズとJAXAプロジェクトマネジメント規程に基づいて実施した審査会の受審実績との関係を以下に示す。
1回目 平成20年4月2回目 平成23年9月3回目 平成25年6月
経営審査
技術審査
平成25年6月
平成25年12月
平成24年5月 平成26年3月
開発 運用研究 開発研究
企画立案フェーズ 実施フェーズ
今回の宇宙開発利用部会事前評価(平成26年7月)
JAXAプロジェクトマネジメント規程に基づくフェーズと審査の関係(JAXA内審査)
【補足】 利用部会事前評価とJAXA内審査との関係
プロジェクト移行審査
プロジェクト準備審査
プリプロジェクト プロジェクト
3
プロジェクト移行審査における主たる審査項目
1. GOSAT-2のプロジェクトの目標が適切且つ明確に設定されているか
* 1号機の成果の整理* 2号機の目的・成功基準の適切な設定* 社会的意義・価値との整合性
2. 実施体制、人員計画、資金計画、スケジュールの妥当性
3. リスク識別とその対策の妥当性
4. 国立環境研究所が担当するシステムの開発・利用計画との整合性
4
プロジェクト移行審査の審査委員構成
【審査委員長】
・経営企画担当理事 山浦 雄一
【審査委員】
・理事 加藤 善一
・理事 山本 静夫
・理事 長谷川 義幸
・理事 中橋 和博
・技術参与(統括チーフエンジニア)本間 正修
【監事(オブザーバ)】
・監事 高橋 光政
【外部審査委員】(敬称略)<第三者委員>・東京大学 安岡 善文
(第一利用本部 システム定義審査 外部審査委員)(元SAC地球観測特別部会 特別委員)(宇宙開発利用部会 臨時委員)
・東京大学 大気海洋研究所 中島 映至(第一利用本部 システム定義審査 外部審査委員)
・海洋研究開発機構 松野 太郎(元SAC推進部会GOSAT評価小委員会 特別委員)
・東北大学 早坂 忠裕(元SAC推進部会GOSAT評価小委員会 専門委員)
<関係府省/共同開発機関>・文部科学省 研究開発局 宇宙開発利用課 企画官
竹内 英・内閣府 宇宙戦略室 参事官
前原 正臣・総務省 情報通信国際戦略局 宇宙通信政策課
作田 吉弘・環境省 地球環境局 総務課 研究調査室 室長補佐
野崎 佳宏・国立環境研究所 地球環境研究センター
松永 恒雄
5
1. 審査経緯
2. GOSAT-2のミッション要求と
ミッション目的
3. GOSAT-2の目標
4. 衛星システム仕様
5. 開発計画
6. 実施体制
7. 開発資金
8. リスク識別
9. 国環研が担当するシステム
の開発・利用計画
10. プロジェクト移行審査の結果
11. 前回の宇宙開発利用部会の
アクションアイテムに対する回答
報告内容
プロジェクト移行審査審査項目#1:
目標設定の妥当性
審査項目#2:体制、資金、スケジュールの妥当性
審査項目#3:リスク識別
審査項目#4:国環研との連携
6
1. 審査経緯~プロジェクト移行に係るこれまでの経営審査経緯~
プロジェクト準備審査【社内審査】(平成24年5月16日)
社内審査委員によりプロジェクト準備結果を確認し、プリプロジェクトへの移行は妥当と判断した。
プロジェクト移行審査【社内審査】(平成26年3月5日)
社内審査委員によりプロジェクト移行条件を確認し、プロジェクト移行審査【本審査】の受審は妥当と判断した。
プロジェクト移行審査【本審査】(平成26年3月11日)
JAXA外の有識者・関係者を審査員委員に加えた体制でプロジェクト移行条件を確認し、プロジェクトへの移行は妥当と判断した。
JAXA理事会議での報告(平成26年3月18日)
プロジェクト移行審査結果を承認した。
宇宙開発利用部会での報告
気候変動とその悪影響及び種々の対応戦略による社会上及び経済上の結果に関連する不確実性を軽減するため、組織的観測の維持及び開発を促進すること。(京都議定書)
地上、海洋、航空機及び宇宙からの観測ネットワークの持続的な運用は、情報に基づく意思決定にとって重要。(第4回地球観測サミット)
世界最先端の温室効果ガス測定の新衛星(GOSAT後継機)の2017年度打ち上げを目指す。アジアを中心に国別、さらには大都市単位での温室効果ガス排出量をモニタリングし、対策効果を検証し、削減対策を提案していく。(攻めの地球温暖化外交戦略:H25.11.15)
2-1. GOSAT-2のミッション要求とミッション目的~社会的意義・価値/社会的要請~
様々な国際的な枠組みや国内政策の中で、宇宙からの観測により、気候変動に関する政策への貢献を求められている。(例えば以下の通り)
7
ミッション要求 ミッション目的(大項目) ミッション目的(小項目)
気候変動に関する政策への貢献
(A)排出量削減目標に関する政策への貢献
(1-1)将来予測の不確実性の低減
(1-2)全球炭素循環のより精緻な理解
①濃度分布測定高精度化
②吸収排出量推定の高精度化
③人為排出量推定
④自然排出量推定の高精度化
(B)排出量削減努力・気候変動適応に関する政策への貢献( 排出抑制努力,森林保全,泥炭火災消火/防止活動,REDD+の効果把握等)
(2)温室効果ガス排出量の監視
⑤発展途上国のうち森林率の高い国の森林域のフラックス把握( 森林・泥炭火災の際のフラックス把握を含む)
(3)亜大陸規模での地球システム変化の警報・検出
(4)温暖化防止に関する国際的な取り組み(*)への貢献 ⑥大規模排出源モニタ
(5)大規模排出源モニタ
(C)大気汚染監視に関する政策への貢献
(6)微小粒子状物質(PM2.5)およびブラックカーボンのモニタ
⑦エアロソル光学的厚さ測定(PM2.5、ブラックカーボンの濃度推定)
2-2. GOSAT-2のミッション要求とミッション目的
* 一例として,開発途上国における森林の破壊や劣化の回避,植林などを通じて二酸化炭素の排出を削減する活動がある。
(REDD+ (Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation))8
9
3. GOSAT-2の目標~サクセスクライテリア(1/2)~
サクセスレベル
評価項目ミニマムサクセス フルサクセス エクストラサクセス
(1) 濃度分布測定精度向上
CO2気柱平均濃度を1,000kmメッシュ,1カ月平均相対精度4ppm以下で算出できる。また,CH4気柱平均濃度を, 1,000kmメッシ ュ/1ヶ月平均/相対精度34ppb以下で算出できる。
【判断時期:打上げ1年半後】
雲・エアロゾルの影響のほとんど無い条件で,陸域500km, 海域2,000kmメッシュ,,1カ月平均でCO2及びCH4気柱平均濃度をそれぞれ相対精度0.5ppm及び5ppb以下で算出できる。
【判断時期:打ち上げ後3年】
下記の何れかの成果が得られる。
(1)雲・エアロゾルの影響を補正し,SWIRでCO2気柱平均濃度を,陸域500kmメッシュ,1ヶ月平均で相対精度0.5ppm以下で測定できる。
(2)雲・エアロゾルの影響を補正し,SWIRで CH4気柱平均濃度を陸域500kmメッシュ,1カ月平均で相対精度5ppb以下で算出できる。
(3)TIRでCO2濃度の高度分布を精度1%程度で算出できる。
(4)TIRでCH4,H2O,気温,長波長放射,O3等の物理量が測定できる。
【判断時期:ミッション期間終了時(打上げ後5年)】
(2) ネット吸収排出量精度向上
陸域において,約1,000kmメッシュでのCO2ネット吸収排出量の年当たりの推定ができる。海域において,約4,000kmメッシュでのCO2ネット吸収排出量の年当たりの推定ができる。
【判断時期:打上げ2年後】
(1)陸域において,約1,000kmメッシュの領域でのCO2月別ネット吸収排出量が±0.2GtC/領域/年以上の領域において±100%の精度で推定できる。
(2)海域において,約4,000kmメッシュの領域でのCO2月別ネット吸収排出量が±0.2GtC/領域/年以上の領域において±100%の精度で推定できる。
(3)大都市域*のCO2, CH4の流出入状況の把握ができる。
*東京、名古屋または大阪、及び同規模のアジアの大都市域1か所
【判断時期:打ち上げ後3年】
下記の何れかの成果が得られる。
(1)500kmメッシュでCO2のネット吸収排出量の月別推定ができる。
(2)フルサクセス(2)以上の精度でCO2のネット吸収排出量の月別推定ができる。
(3)世界の大都市域**のCO2、CH4の流出入状況の把握ができる。
(4) REDD+の効果を定量的にGOSAT-2から導出したフラックスにより把握する。
**東南アジアの大都市(目安:人口100万人以上)
【判断時期:ミッション期間終了時(打上げ後5年)】
10
サクセスレベル
評価項目ミニマムサクセス フルサクセス エクストラサクセス
(3) 観測対象物質の
拡大
温室効果ガスとの相関があるCOの物理量が測定できる。
【判断時期:打上げ1年半後】
(1)主要国のCO/ CO2比及びCO/ CH4比の特徴を明らかにする。
(2)都市域,工場等並びに森林/泥炭火災などの大規模排出源からの排出量モニタについて,他方式との比較などにより,衛星観測の有効性を定量的に評価する。
(3)有効地表面反射率7%以下の領域で550nm, 1600nmにおけるエアロソルの光学的厚さおよびオングストローム指数をそれぞれ、精度0.1, 0.3で測定し、微小粒子状物質および黒色炭素量をそれぞれ20μg/m3、10%の精度で算出する。
【判断時期:打ち上げ後3年】
下記の何れかの成果が得られる。
(1)有効地表面反射率14%以下の領域で550nm,1600nmにおけるエアロソルの光学的厚さおよびオングストローム指数をそれぞれ、精度0.1,0.3で測定し、微小粒子状物質および黒色炭素量をそれぞれ20μg/m3、10%の精度で算出する。
(2)都市域,工場等並びに森林/泥炭火災などの大規模排出源の排出量の測定を実施し,排出量抑制などに資する。
(3)人為排出量把握について定量的に評価する。
【判断時期:ミッション期間終了時(打上げ後5年)】
(4) 陸域生態系モデルの高度化
陸域生態系モデルの高度化にGOSAT-2データが利用される。【判断時期:ミッション期間終了時(打上げ後5年)】
(5) 技術開発基 準 輝 度 観 測 時 、 SWIR の1.6μm, 2.0μm帯で, S/N300以上で観測できる。
【判断時期:打上げ後1年半】
打上げ後5年間ミッション運用を継続し、観測データの取得・伝送を行う。
また、4年目以降も評価項目の(1)~(3)のフルサクセスに示す精度にてデータを提供する。
【判断時期:打ち上げ後5年】
GOSAT(NIES L2 v01.xx)に比べハードウェアおよびアルゴリズム併せて10倍以上の有効観測データ数が得られる。
【判断時期:打ち上げ後5年】
3. GOSAT-2の目標~サクセスクライテリア(2/2)~
ミッション目的(P8)とサクセスクライテリア評価項目の対応は下記の通り。
ミッション目的① : 評価項目(1)(5)ミッション目的② : 評価項目(2)(5)ミッション目的③ : 評価項目(3)(5)ミッション目的④ : 評価項目(3)(4)(5)
ミッション目的⑤ : 評価項目(3)(5)ミッション目的⑥ : 評価項目(3)(5)ミッション目的⑦ : 評価項目(3)(5)
11
4. 衛星システム仕様(概要)
雲・エアロソルセンサ2型(TANSO-CAI-2)
温室効果ガス観測センサ2型(TANSO-FTS-2)
進行方向(X)
Y
地球方向(Z)
項目 仕様
ミッション機器
温室効果ガス観測センサ2型(TANSO-FTS-2)
雲・エアロソルセンサ2型(TANSO-CAI-2)
衛星
寸法(パドル展開時)
5.3m(X) x2.0m(Y) x2.8m(Z)(16.5m(Y))
質量 2,000kg以下
発生電力(EOL) 5,000W
設計寿命 5年
運用軌道
軌道種別 太陽同期準回帰軌道
軌道高度 613km
降交点通過地方太陽時
13時00分±15分
回帰日数 6日
打上げ時期 平成29年度
ロケット H-IIAロケットGOSAT-2軌道上概念図
衛星バスは「だいち2号」(ALOS-2)をベースに開発
観測センサの仕様については付録6~8(P38~40)に示す。
12
5. 開発計画~スケジュール~
FY25(2013) FY26 (2014) FY27 (2015) FY28 (2016) FY29 (2017) FY30(2018)~4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1
マイルストン
衛星システムバス系
観測センサ
地上システム衛星管制
ミッション運用系
▲プロジェクト移行審査
▲SDR▲SRR 衛星システムPDR
▲衛星システムCDR
衛星システム▲PQR
▲
▲センサPDR ▲センサCDR
計画決定 ※ 詳細設計 維持設計
部分開発試験
システム・コンポーネントPFM製作・試験
運用
計画決定 基本設計 詳細設計
センサPFM製作・試験
▲センサPQR
*:一次噛合わせ試験(センサ電気モデル・バスFM/PFM)
**:射場作業**
部分開発試験
長納期部品調達
長納期部品調達
維持設計
計画決定
計画決定
要求仕様作成
詳細設計基本設計
システム試験・試験支援
要求仕様作成
システム試験・試験支援
維持設計、製造・試験
詳細設計基本設計
維持設計,製造・試験
衛星システムインテグレーション ▲
打上
▲
*
現在
※:基本設計
実施体制に関する方針
・GOSATにおける役割分担を基本的に継続
・サイエンスチームは、「助言」からアルゴリズム開発に主体的に関与する体制に変更。
・GOSATにおいて協力関係にあるOCO-2チームとは引き続き連携を図る。(OCO-2のデータによる評価をGOSAT-2アルゴリズムにフィードバックする仕組みを構築。)
《JAXAの役割》• 衛星・センサ/地上系開発/打上げ• 軌道上運用/データ取得• アルゴリズム開発/データ処理(L1)• 校正/利用研究• データ配布
サイエンスチーム
《国立環境研の役割》• アルゴリズム開発/
データ処理(L2以上)• 利用研究• 検証• データ配布 •校正検証協力
•データ配布
• 校正検証協力• アルゴリズム開発/評価• データ利用
OCO-2サイエンス
チーム
RA PI
•校正検証協力• アルゴリズム開発・提供
《環境省の役割》• 行政利用(衛星開発、運用等
の資金を分担)
環境省
国立環境
研究所ESA
CNES•校正検証協力•データ配布
13
6-1. 全体の実施体制(GOSAT-2関係機関全体)(1/2)
*1: スペクトル*2: 濃度*3: 研究公募により選定された研究者
*3
*1
*2
衛星/地上システム開発
衛星運用、データ取得
校正・スペクトル算出(L1)
濃度算出(L2)
エアロソル光学的厚さ算出(L2)
吸収排出量推定
行政利用
打上げ
アルゴリズム開発(L1)
JAXA担当範囲
行政利用に向けて、下図の役割分担・フローにて、環境省/国立環境研究所/JAXAの三者が協力して推進し、この中でJAXA担当範囲は下図赤枠内のとおり(GOSATと同様)。
国環研担当範囲
環境省担当範囲
サイエンスチーム担当範囲
アルゴリズム開発(L2~)
検証
アルゴリズム開発(L2~)
検証・評価
評価
配布
配布
配布
14
JAXAの担当範囲
フィードバック*検証結果などから、
スペクトルデータの再評価を行う。
6-1. 全体の実施体制(GOSAT-2関係機関全体)(2/2)
評価
サイエンスチームは独自のアルゴリズム開発とその検証結果を行い、その結果をもって国環研開発のアルゴリズムと相互評価を行う。
【凡例】
15
6-2. JAXA担当分の実施体制
JAXAが担当する業務に係る開発体制は下記の通り。
衛星メーカ
JAXA
・衛星システム(バス、センサ)・地上システム(衛星管制系,
ミッション運用系)・運用
JAXA(EORC*) 高緯度局
・地上システム(利用研究系)
*EORC:Earth Observation Research Center(地球観測研究センター)
・観測データ受信
打上げサービス会社
・打上げサービスの提供
16
7. JAXA担当分の開発資金
JAXAが実施するGOSAT-2プロジェクトの総資金は下記の通り。
上記の資金は、環境省およびJAXAで概ね折半する。
国立環境研究所の担当分は含んでいない。
404億円(うち、衛星開発分は215億円)
17
8. リスク識別~リスク識別レベルの定義~
レベル 技術 スケジュール コスト
小 軽微 軽微 軽微
中許容可能、次善の策あり
1 ヵ月以下の遅延 数千万円
大 許容不可能 6 ヶ月以上の遅延 1 億円以上
レベル 定義
小発生の可能性は低く、このリスクは避けられる
中発生の可能性があり、リスクを避けるための処置が必要である。
大発生の可能性が高く、代替手段が無い可能性がある。
発生の可能性 発生の影響度
発生の可能性
発生の影響度
大 中 小
大 大 大 中
中 大 中 小
小 中 小 小
リスク識別レベルを下記の通り定義した。
18
8. リスク識別(抜粋)
No. リスク項目 リスクの内容 分類発生の可能性
発生の影響度
リスクレベル
処置方針・処置状況
1
GOSATからの観測機器の構成変更、製造メーカの変更と機能・性能の向上に伴うスケジュール遅延
GOSATに搭載された観測機器から構成変更や機能・性能の向上など設計変更を実施することから、開発スケジュールが想定よりも長くなるリスクがある。
センサ 中
大 大
・センサのクリティカル要素を識別し、先行試作項目を決定した。設定された試作スケジュールを維持するよう進捗状況や課題の早期把握に努める。
・システム側で試験の順序を入れ替えることによるマージンの確保
小~中 小~中
2
長 納 期 部 品 の調達遅延
長納期部品の発注が遅れ、開発スケジュールが遅延する。 部品 小
大 中・GOSAT-2で使用する長納期部品をもれなく識別し、発注時期を明確にし、遅延無く発注を行う
小 小
3
データリリースの遅延
アルゴリズム開発の遅れ等により、予定時期にデータをユーザに提供できない。 衛星
地上
中
中
中・アルゴリズム開発に早期着手した上で、アルゴリズム開発に必要となるハードウェアの特性データを早期に明確化し、部品の特性データ取得計画に反映させる。
・1号機のアルゴリズムを用いた場合の達成精度予測を行い、アルゴリズム開発遅延に備える。
小 小
プロジェクトを遂行する上でのリスクの識別及び対策案の抜粋を下表に示す。(発生の可能性、影響度、リスクレベル欄の上段は処置前、下段は処置後を示す)。
19JAXA GOSAT-2プロジェクト移行審査(2014年3月)
宇宙航空研究開発機構温室効果ガス観測技術衛星2号
(GOSAT-2)プロジェクト移行審査資料
2014年2月
国立環境研究所地球環境研究センター
GOSAT-2プロジェクトチーム
9. 国環研が担当するシステムの開発・利用計画
20JAXA GOSAT-2プロジェクト移行審査(2014年3月)
9. 国環研が担当するシステムの開発・利用計画~国立環境研究所GOSAT-2プロジェクト(2013/4/1設置)について~
主要業務GOSAT-2 データの処理方法及び検証に関する研究
GOSAT-2 データの処理/保存/提供を行う地上システム(DHF-2)の検討・開発と運用
GOSAT-2 データの検証計画の策定とその実施
炭素循環科学及び行政分野におけるGOSAT 及びGOSAT-2 データの利用に関する研究
GOSAT-2 に関する広報活動
GOSAT-2 データの処理/保存/提供及び関連する研究に必要な計算機等の調達と維持管理
体制(2014年2月末時点)地球環境研究センターに設置。
正規職員4名、特別研究員5名、高度技能専門員3名、秘書2名
21JAXA GOSAT-2プロジェクト移行審査(2014年3月)
9. 国環研が担当するシステムの開発・利用計画~NIES GOSAT-2 データ処理運用施設(1/2) (仮称 DHF-2)~
DHF-2 機能一覧 (案)
・観測要求受付
・データ受信 (L1 プロダクト、各種参照データ、検証データ)
・高次処理 (定常処理、再処理、緊急処理、ブラウズ画像作成)
・解析結果確認・検証支援 (統計処理、作図等)
・データ配信 (プロダクト、読込ツール、関連文書、ブラウズ画像等)
・システム管理
※ ユーザ向け機能 (サービス)の強化を検討中
JAXA-NIES 間のインタフェース:
GOSAT-2 地上処理系インタフェース調整会議 (GIM-2) を 2014/01 から開催。
ミッション運用インタフェース仕様書 (MOIS) にて規定する。
インタフェースの詳細は 2014/07 以降に調整を開始する予定。
22JAXA GOSAT-2プロジェクト移行審査(2014年3月)
9. 国環研が担当するシステムの開発・利用計画~NIES GOSAT-2 データ処理運用施設(2/2) (仮称 DHF-2)~
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 20254 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10 4 10
打上予定▲
業務定義 基本設計 詳細設計 製造 試験
開発機器導入
運用機器導入
開発・運用機器更新
運用
開発・運用機器更新
組込・試験
▲L2 一般提供開始予定
▲L4 一般提供開始予定
バージョンアップ (適宜)
※ 上記は 2014/02 末時点での想定スケジュールである。また実際の開発はJAXA側の開発計画と整合を取って進める予定である。
アルゴリズム開発
FTS: SWIR L2, TIR L2CAI: L1B, L2 雲フラグ, (L2 エアロゾル特性)
システム設計
計算機設備
高次処理
組込・試験 バージョンアップ (適宜)アルゴリズム開発
FTS: L4
23JAXA GOSAT-2プロジェクト移行審査(2014年3月)
9. 国環研が担当するシステムの開発・利用計画~GOSAT-2プロダクトの検証(1/2)(2014年2月時点の想定)~
目的L2標準プロダクトのデータ質(バイアス及びばらつき)を明らかにする。
L2標準プロダクトの誤差要因を明らかにして、解析アルゴリズムにフィードバックする。
データ利用に必要な場合、L2標準プロダクトの経験的補正を行う。
検証の対象となるプロダクト標準プロダクトのみを検証の対象とする。
GOSAT-2のプロダクトの詳細は現時点では未定義。
プロダクト 検証の実施担当 検証の監督
FTS SWIR 気柱平均濃度(CO2, CH4, CO, H2O), 他
NIES NIES
FTS TIR プロファイル(CO2, CH4, H2O?, O3?、気温), 他
アルゴリズム開発主体+NIESの協力
NIES
エアロゾル光学的厚さ、オングストローム指数、SPM、BC等
アルゴリズム開発主体+NIESの協力
NIES
24JAXA GOSAT-2プロジェクト移行審査(2014年3月)
検証データ気柱平均濃度: TCCON、TCCON light、NDACC IRWG、OSA等
プロファイル:CONTRAIL等航空機データ、気象ゾンデ、各種lidar等地上データ:tall tower (NOAA、NIES等)、地上観測データ
比較(シミュレーション、アシミレーション、再解析データ等)
比較(OCO-2、GOSAT-1、TanSat等の他衛星データ)
エアロゾル及びSPM、BC: Aeronet、Skynet、lidar、他衛星データ等
検証解析相関解析、誤差要因の解明、経験的補正
検証観測における日本(GOSAT-2)の貢献新規TCCON FTSの開発と海外のTCCON空白地域への設置
日本国内外のTCCON FTS、エアロゾルlidar、放射計の維持・運用
TCCON FTSの検定のための航空機観測
9. 国環研が担当するシステムの開発・利用計画~GOSAT-2プロダクトの検証(2/2)(2014年2月時点の想定)~
25
10. プロジェクト移行審査の結果~社内審査結果~
平成26年3月5日の社内審査では社内審査委員によりプロジェクト移行条件を確認し、【本審査】の受審は妥当と判断した。社内審査の審査項目と審査結果を下記に示す。
26
10. プロジェクト移行審査の結果~本審査判定文~
平成26年3月11日の本審査では審査委員によりプロジェクト移行条件を確認し、プロジェクトの移行は妥当と判断した。本審査の判定結果を下記に示す。
27
11. 前回の宇宙開発利用部会のアクションアイテムに対する回答
No. アクションアイテム 回答
1 (前回提示したP28の図に関して)GOSAT-2のミッション要求がミッション目的である「排出量削減目標に関する政策への貢献」、「排出量削減努力・気候変動適応に関する政策への貢献」、最終的には「気候変動に関する政策への貢献」というところにつながるまでの科学技術的なフローとインターフェースを可視化すること。
P29に示す。
2 社会から見ると、環境省の「行政利用」という社会的な価値につながっていくものだと思うが、プロジェクトを進めていくそれぞれの立場の誰が何を受け持っていて、どこからどういう情報をもらってどこにつないで最終的に「行政利用」につなげていくかを可視化すること。
P14 「 全 体 の 実 施 体 制(GOSAT-2関係機関全体)」に示す。
平成25年5月13日の第10回宇宙開発利用部会にて温室効果ガス観測技術衛星2号(GOSAT-2)の状況報告を実施した際のアクションアイテムへの回答を示す。
ミッション目的 ミッション要求
気候変動に関する政策への貢献
(A)排出量削減目標に関する政策への貢献
(1-1)将来予測の不確実性の低減
(1-2)全球炭素循環のより精緻な理解
①濃度分布測定高精度化
②吸収排出量推定の高精度化
③人為排出量推定
④自然排出量推定の高精度化
(B)排出量削減努力・気候変動適応に関する政策への貢献( 排出抑制努力,森林保全,泥炭火災消火/防止活動,REDD+の効果把握等)
(2)温室効果ガス排出量の監視
⑤発展途上国のうち森林率の高い国の森林域のフラックス把握( 森林・泥炭火災の際のフラックス把握を含む)
(3)亜大陸規模での地球システム変化の警報・検出
(4)温暖化防止に関する国際的な取り組み(*)への貢献 ⑥大規模排出源モニタ
(5)大規模排出源モニタ
GOSAT-2のミッション目的からミッション要求へのつながり
(平成25年5月の宇宙開発利用部会にて提示)
* 一例として,開発途上国における森林の破壊や劣化の回避,植林などを通じて二酸化炭素の排出を削減する活動がある。
(REDD+ (Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation)) 28
ミッション目的に至るステップ
濃度推定の高精度化
(S/N向上、観測バンドの最適化、アルゴリズムの改良等)
濃度データ数の増加(雲を回避する撮像の採用等)
気体種の追加(CO観測追加)
①濃度分布測定の高精度化
(A)排出量削減目標に関する政策への科学的貢献
(1-1)将来予測の不確実性の低減↑
(1-2)全球炭素循環のより精緻な理解
(B)排出量削減努力・気候変動適応に関する政策への貢献
(3)亜大陸規模での炭素循環変動警報・検出
GOSAT-2開発フェーズへの要求
JAXAによるセンサ高性能化/NIESによるアルゴリズム改良
JAXAによるセンサ高性能化
JAXAによるセンサ高性能
化/サイエンスチームによるアルゴリズム改良
各種モデルの改良
環境省事業による観測体制強化
NIES・サイエンスチームの研究活動
環境省事業として実施
NIES地球環境研究センターを中心とした研究活動
NIES・サイエンスチームの研究活動
サイエンスチームによる研究活動
NIESによるデータ処理の高度化
③④人為/自然排出量推定
衛星以外の観測(航空機、船舶、地上局)の強化
エアロゾル/大気汚染
監視能力の強化(観測波長の追加等)
各種モデルの改良 ⑤森林域のフラックス把握
29
相互校正・検証
各種モデルの改良
NIESの研究活動
OCO-2サイエンスチームの研究活動
(4)
(4)
(4)
気候と炭素循環の相互作用把握/自然起源排出量推定の高度化
図中の番号はP28及びP8の表中に記載されている番号を示す
(2)温室効果ガス排出量の監視⑥(5)特定地域/大規模排出源からの温室効果ガス排出量や人為起源分の監視⑦PM2.5、ブラック
カーボンの濃度推定
(C)大気汚染監視に関する政策への貢献
各種モデルの作成・改良
サイエンスチームの研究活動
(6)
②吸収排出量推定誤差低減
30
以上
31
国の政策:
地球温暖化対策推進本部(本部長:総理大臣)
「攻めの地球温暖化外交戦略」を策定(第27回会合)
⇒我が国として、温室効果ガスの排出量を2050年までに世界全体で半減する目標を掲げ、イノベーション(技術革新)、アプリケーション(技術展開)、パートナーシップ(国際的連携)の三本柱をもって、技術で世界に貢献する攻めの地球温暖化外交を推進する
⇒『世界最先端の温室効果ガス測定の新衛星(GOSAT後継機)の2017年度打ち上げを目指す。アジアを中心に国別、さらには大都市単位での温室効果ガス排出量をモニタリングし、対策効果を検証し、削減対策を提案していく。』
付録1. 背景及び位置付け~攻めの地球温暖化外交戦略(ACE)における位置づけ~
32
付録2. 審査経緯~JAXAにおける審査経緯詳細(1/2)~
審査名称 実施時期 審査委員 審査事項/審査結果
ミッション定義審査(MDR)
平成20年4月 委員長:本部長委員:JAXA内有識者、環境省、国立環境研究所、サイエンティスト等
• ミッション要求(ミッションの意義、達成基準等)及び資金規模を含めた、ミッション定義の妥当性を、本部として審査。
• 審査結果:利用機関の要望がまとまっていないこと、ユーザ側に定量的な検討をお願いすべき事項(GOSAT運用成果の反映を含む)があることなどから、ミッション要求を引き続き精査していくことが必要であると判断。研究については検討チーム体制を維持し、関係省庁やユーザとの調整を更に進めるとともに、その実現性を明確にしていくことを決定。また、政策的な要求が明確となり、かつユーザとの調整の結果、要求がまとまった時点でΔMDRを開催することを決定。
デルタミッション定義審査(ΔMDR)
平成23年9月 委員長:本部長委員:JAXA内有識者、環境省、国立環境研究所、サイエンティスト等
• ミッション要求(ミッションの意義、達成基準等)及び資金規模を含めた、ミッション定義の妥当性を、本部として審査。
• 審査結果:環境省から温室効果ガス観測に関するミッション要求が設定されたこと、ミッション要求に基いて設定されたミッション目的に対するハードウェア仕様の実現性の目処を得たと考えられること等から、GOSAT-2のミッション定義が適切に設定されたと判断。
プロジェクト準備審査【経営審査】
平成24年5月(個別審査)平成24年6月(総括審査)
委員長:経営企画担当理事委員:理事、技術参与等
• 機構としてミッション定義の妥当性を審査し、プロジェクト準備(プリプロジェクト)への移行可否を意思決定する。
• 審査結果:ユーザ官庁・機関である環境省、国立環境研究所からの要求に対応するため、新規プリプロジェクトとすることを決定。
デルタミッション定義審査2(ΔMDR2)
平成25年6月 委員長:本部長委員:JAXA内有識者、環境省、国立環境研究所、サイエンティスト等
• PM2.5などによる大気汚染への関心の高まりを受け、環境省からPM2.5、ブラックカーボンの大気中動態解明に対する寄与が求められたため、対応するミッション目標追加後のミッション定義の妥当性を本部として審査。
• 審査結果:変更後のミッション定義が適切に設定されたと判断。
33
付録2. 審査経緯~JAXAにおける審査経緯詳細(2/2)~
審査名称 実施時期 審査委員 審査事項/審査結果
システム要求審査(SRR)
平成25年6月 委員長:本部長委員:JAXA内有識者、環境省、国立環境研究所、サイエンティスト等
• システム要求の妥当性、システム要求に対する検証方針の妥当性、計画決定フェーズに向けた技術的準備が完了していることを、計画決定フェーズに向けた体制・計画等の一連の準備がなされていることを本部レベルで判断する。
• 審査結果:各システム要求は妥当であり、計画決定フェーズに移行し、提案要請書(RFP)発出の準備をすすめてよいと判断。
システム定義審査(SDR)
平成25年12月 委員長:本部長委員:JAXA内有識者、環境省、国立環境研究所、サイエンティスト等
• システムの基本構成及び仕様の妥当性、システム仕様(ソフトウェアを含む)に対する検証計画の妥当性、基本設計フェーズに向けた技術的準備が完了していること、プロジェクト移行に向けた体制・計画等の一連の準備がなされていることを本部レベルで判断する。
• 審査結果:システム仕様は妥当であり、プロジェクト移行審査に必要な条件を満たし、プロジェクト移行審査の実施は可能であると判断。
プロジェクト移行審査【経営審査】
平成26年3月(社内審査)
委員長:経営企画担当理事委員:理事、技術参与等
• 機構としてのプロジェクト移行及び基本設計フェーズへの移行の妥当性を判断する。
• 審査結果:ユーザ官庁・機関である環境省、国立環境研究所からの要求に対応するため、新規プロジェクトとすること、基本設計フェーズへ移行することを決定。
平成26年3月(本審査)
委員長:経営企画担当理事委員:JAXA理事/技術参与、環境省、国立環境研究所、第三者委員、関係府省等
34
付録3. GOSATの成果
アウトプット
京都議定書第一約束期間における二酸化炭素濃度データの提供の目標を達成。
晴天域での1000kmメッシュ、3ヶ月平均で1%(4ppm)のばらつきでの濃度分布測定目標に対して、1データのばらつき0.5%(2ppm),バイアスについても0.5%(2ppm)程度を達成。 (当該領域並びに期間に有効データ数を40個あるとすると,0.08%(0.3ppm)となる。)
世界で初めて衛星データを取り込んだ月別のCO2ネット吸収排出量を算出。またその推定誤差を、従来の推定値に対して亜大陸レベルで最大50%以上低減した。 (但し、「従来の推定値」はGOSAT計画立案時の誤差を基準とする)
オゾンの全球濃度分布観測を行い,南極域におけるオゾン濃度の低下を捉えた。
アウトカム
温室効果ガスの排出削減・吸収を把握等環境省の行政利用に向けて進みだした。⇒「攻めの地球温暖化外交戦略」に発展
GOSATデータが炭素収支の検証に有効であり,炭素の吸収と排出に関する知見を向上させる,と結論付られた。(GEO文書)
IPCC AR5にてGOSATによる温暖化ガス収支に対する評価に引用。
インパクト
世界で初めて衛星からクロロフィル蛍光の全球分布観測を実施,植物からの蛍光の全球分布、季節分布を明らかにした。植物の光合成・ストレスに起因するクロロフィル蛍光を利用した観測は,植生の色から二酸化炭素吸収を評価していた従来法に比べ,植生およびその状態を反映するため,植生把握の観点より注目されており,光合成量の直接測定の可能性,さらには光合成に伴うCO2吸収との相関が高いことが示された。これらにより宇宙からの植生二酸化炭素吸収の定量的な評価,REDD+における検証及び測定の分野への適用が期待できる。
GOSATでは所定の成果を上げ,衛星データの精度をより向上させることで環境行政に資することが可能であることを示すことが出来,環境省からより測定精度を向上させた2号機の開発要望が示された。
*REDD+ (Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation): 開発途上国における森林の破壊や劣化の回避,植林などを通じて二酸化炭素の排出を削減する活動。
付録4. 1号機の達成状況及びGOSAT-2での目標の比較(1/2)
ミッション目的 GOSATでの目標 GOSATでの達成性能 GOSAT-2での目標
・将来予測の不確実性の低減
大気中温室効果ガス濃度の将来予測の不確実性を低減させ、温室効果ガス排出量削減目標の科学的根拠を提供する。
陸域1,000kmメッシュ,3カ月平均で4ppmの精度で濃度を算出する。
1データで2ppm*GOSAT実績では当該期間・面積での有効データ数は100程度であることから,目標に対する精度は0.2ppm程度となる。GOSAT-2での期間・面積では有効データ数は8程度となるため,精度は0.7ppm程度となる。
陸域500km,海域2,000kmメッシュ,1カ月平均で0.5ppmの精度で濃度を算出する。
亜大陸レベルでのネット吸収排出量の算出誤差を地上観測データのみの場合と比較して半減する。
低減率アジア中緯度域:59%南アフリカ:61%
陸 域 1,000km , 海 域 4,000km メ ッ シ ュ で ,±100%の精度でネット吸収排出量を算出する。
陸域生態系モデルの高度化による自然排出量推定精度向上
・温室効果ガス排出量の監視
国際的な排出削減努力の全
球的、亜大陸規模、主要排出
国規模でのモニタリングデータ
を国際社会に提供する。
・相関物質(CO)による人為排出量算出の可能性について検討を行う。
・陸域生態系モデルの高度化による自然排出量推定精度向上
・亜大陸規模での地球システム変化の警報・検出
北方寒帯林、アマゾン熱帯林、永久凍土地帯におけるシステム変化を早期警報又は検出するためのデータを提供する。
北方寒帯林、アマゾン熱帯林、永久凍土地帯におけるCO2濃度及びCH4濃度の月間、季節間、年間変動の精度向上の制約要因の同定及びその他の精度向上の検討・評価
北方寒帯林,永久凍土地帯ではSN不足によるデータ欠損,アマゾン熱帯林では雲によるデータ欠損が課題。
・北方寒帯林(ユーラシア、アラスカ、カナダ)、アマゾン熱帯林、永久凍土地帯(シベリア・アラスカ)において500kmメッシュ、1ヶ月平均で2.5ppm の精度でCO2 濃度を、25ppbの精度でCH4濃度を算出する。
・地上観測、航空機観測による検証・データ同化、陸域生態系モデルでの推定により、1000kmメッシュで±100%の精度でネット吸収排出量を算出する。
35
36
ミッション目的 GOSATでの目標 GOSATでの達成性能 GOSAT-2での目標
・国際的な取り組みへの貢献
REDD+の効果をストックではなく、フラックスにより把握できるようにするためのデータを国際社会に提供する。
データの評価を行い、フラックス把握において貢献を行う。
フラックスを算出。従来より誤差を改善したデータを提供。
REDD+の効果を定量的にフラックスにより把握する。
・大規模排出源モニタ
都市域,工場等並びに森林/泥炭火災などの大規模排出源の排出量モニタを実施し,排出量抑制などに資する。
大規模排出源からの排出検出に必要なハードウェア仕様について検討を行う。
ポインティングミラーによる大都市近辺の集中観測を実施。
衛星からの大規模排出源からの排出量モニタについて,他方式との比較などにより,有効性検討を行う。
・微小粒子状物質(PM2.5)およびブラックカーボンのモニタ
衛星観測によるエアロソルの光学的特性をもとに、大気中超微粒子(PM2.5)および黒色炭素(ブラックカーボン)と相関がある代替量を用い、大気中濃度の推定を行う。本目的のために有効地表面反射率が7%以下の条件下で、550nm, 1600nmにおけるエアロソルの光学的厚さをそれぞれ精度0.1で、オグストローム指数を精度0.3で測定する。
付録4. 1号機の達成状況及びGOSAT-2での目標の比較(2/2)
37
付録5. プロジェクトの遂行方針
① 1号機の開発並びに軌道上運用の成果の活用や後続機の開発、運用を考慮して、GOSAT-2総合システム開発を行う。開発に当たっては信頼性の確保・向上とコストとリスクの低減,開発スケジュールの短縮を図る。
② センサについてはその機能性能の改善を図るとともに,次の世代につながる技術開発を行う。
③ 開発初期に十分な検討を実施し,開発後期における問題発生するリスクを低減する。
④ 衛星試験と運用をシームレスに繋げるため,衛星バス並びに衛星管制システムと一体にした設計を行う。同様にミッション機器とミッション運用系システム一体の設計を行う。
⑤ 国立環境研究所と緊密に連携し,レベル1及びレベル2各プロダクト間の相互のフィードバックを密にし,早期に校正検証されたデータを提供するシステムを開発する。
⑥ 1号機においてデータを提供している機関へ引き続き提供を行うとともに利用機関の拡大を図る。
⑦ 研究公募等により研究者を広く集め温室効果ガスに関する研究コミュニティを組織し,共同研究等を通じて早期のデータ精度保証並びに成果の充実を図る。
38
付録6. 観測システムの仕様概要
TANSO-FTS-2 TANSO-CAI-2
基本となるセンサ
CrIS /SuomiNPP(NOAA)(水蒸気、気温計測) 2011年打上、運用中
AVNIR-2(分光・検出器部)/ALOS(JAXA)(0.43-0.89um帯イメージャ) 2006年打上
設計コンセプト CO観測機能の追加O2A及びTIR帯における性能向上
前方視・後方視を一本の望遠鏡で同時観測(計5本の望遠鏡・構体は一つ)
検出器冷却方式 パッシブクーラー方式(放射冷却、無振動) 電子冷却(1.6μm帯のみ)
校正 空洞型黒体0.76、1.64μmレーザ光源太陽光拡散板(3枚)
月指向時に、衛星構体をCT方向にスイープさせることによる全画素校正
雲回避 50km x 30kmの範囲から観測候補を選択 -
39
付録7. TANSO-FTS-2の仕様
項目 GOSAT-2 GOSAT
測定対象 CO2,CH4,O2, O3,H2O,CO CO2,CH4,O2, O3,H2O
視野 10.5 kmφ 10.5 kmφ
観測範囲衛星進行直交方向: +/- 35 deg.
衛星進行方向:+/- 40 deg衛星進行直交方向: +/- 35 deg.
衛星進行方向:+/- 20 deg
観測波長(mm)(cm-1) band 1 : 0.75-0.77 (12,950-13,250)
band 2: 1.56-1.69 (5,900-6,400)
band 3: 1.92-2.33 (4,200-5,200)
band 4: 5.5-8.4 (1,188-1,800)
band 5: 8.4-14.3 (700-1,188)
band 1: 0.75-0.77 (12,900-13,200)
band 2: 1.56-1.72 (5,800-6,400)
band 3: 1.92-2.08 (4,800-5,200)
band 4: 5.5-14.3 (700-1,800)
SNR(仕様/設計予測値*)
*GOSATは実測値
band 1: >400/528
band 2: >300/617
band 3: >300/454(CO2)
>300/489(CO)
band 4: >300/1519
band 5: .300/306
band 1: >300/345
band 2: >300/322
band 3: >300/412
band 4: >300/304
観測点間隔 160km (CT方向に5点観測時) 160km (CT方向に5点観測時)
走査時間(データ取得時間) 4 秒 4, 2, 1.1 秒
波数サンプリング間隔 0.2cm-1 0.2cm-1
開口径 (有効開口径) Φ77mm (Φ73mm) Φ 68mm (Φ64mm)
増幅率段階数 16 2
40
付録8. TANSO-CAI-2の仕様
項目 GOSAT-2 GOSAT
観測波長(nm) 前方視
band 1 : 333-353
band 2 : 433-453
band 3 : 664-684
band 4 : 859-879
band 5 : 1585-1675
後方視
band 6 : 370-390
band 7 : 540-560
band 8 : 664-684
band 9 : 859-879
band 10 : 1585-1675
直下視
band 1 : 370-390
band 2 : 664-684
band 3 : 860-880
band 4 : 1555-1645
空間分解能/
観測幅
500m/1,000km (band 5 及び 10を除く)
1km/1,000km (band 5 及び 10)
Band 1-3: 500m/1,000km
Band 4: 1,500m/750km
東西
赤道
TANSO-CAI-2(観測幅:1000km)
北
南
TANSO-FTS-2
付録9. 観測概念
160km
41
42
付録10. 地上システム概要
Sバンド(TLM)
GN局、勝浦S/X局 勝浦S/X局
利用研究系システム* 校正検証,データを用いた
研究などを行う。
ミッション運用系システム* 観測データを処理し,スペクト
ルを生成する。
衛星管制システム* 衛星運用のためのコマンド生
成,テレメトリ処理等を行う 校正係数L1アルゴリズム
高緯度局海外X局トロール局
Sバンド(TLM, CMD,RNG) Xバンド
(観測/HKデータ)
追跡ネットワークシステム(ENP、INITS、INPS、TSG、MINITS等)
CMDTLMRNGデータ
受信計画軌道情報
受信計画軌道情報
TLM 受信計画軌道情報
観測要求
CMDTLM 受信計画
HKデータ
軌道情報受信計画運用計画
統合型軌道力学系システム
RNGデータ 軌道情報
軌道情報
プロダクト
国立環境研究所
プロダクト
海外宇宙機関
高緯度局
CMDTLM
RNGデータ観測データHKデータ
観測データHKデータ
プロダクト
Sバンド(TLM, CMD,RNG)
Xバンド(観測/HKデータ)
Xバンド(観測/HKデータ)
衛星管制情報システム
TLM
受信計画軌道情報
観測データ。HKデータ
※高緯度局に長期的な障害が発生した場合に使用の検討を行う局。
※
赤枠(太枠)で囲ったシステムがJAXA/GOSAT-2プロジェクトにおける開発システム
TLM:テレメトリCMD:コマンド
RNG:レンジングHK:ハウスキーピング
43
付録11. GOSAT等からの知見・教訓の反映(抜粋)
項番 事象 GOSATでの状況 GOSAT-2への反映内容
1 ハウスキーピング(HK)データ記録装置
【衛星】
GOSATでは、専用のHKデータの記録装置を持たず、ミッションデータ記録用の装置内に専用の領域を確保する設計としていた。このためミッションデータ記録装置に何らかの異常が発生した場合、HKデータの記録/再生が不可能となり衛星状態の確認ができなくなってしまう。
ミッションデータ記録装置内での記録に加えて,専用のHKデータ記録装置を実装し,両方にHKデータを記録する。
2 センサ運用評価
【センサ】
センサの運用健全性評価を行うにあたり、ミッションデータを使用する場合がある。従来、衛星管制系システムでミッションデータを処理することは無く、別途専用の評価装置を準備し、運用健全性評価を実施した。
衛星管制系システム内にミッションデータ内のテレメトリデータを取り込み、処理可能なシステムとする。
3 エラーケースの洗い出し
【地上運用系システム】
「予め取り決めた通りのデータが決められたタイミングで受信する」という前提で設計され、エラー発生時の検討が不十分であった。運用開始後、想定外の事象が発生した際に、処理が途中で異常終了し、システム全体の整合が取れず、サービス停止となることがあった。
GOSATで想定外に発生した下記エラーケースを考慮し,処理に影響の出ないシステムを構築する。・フォーマット異常のデータが送られてくる・他機関とのネットワーク回線が遅い時がある
・性能値以上の大量のデータを送受信する・受信設備からデータが自動送信されない時がある
参考資料
(平成25年5月報告時資料の抜粋)
44
ミッション目的 ミッション要求
気候変動に関する政策への貢献
排出量削減目標に関する政策への貢献
将来予測の不確実性の低減
全球炭素循環のより精緻な理解
濃度分布測定高精度化
吸収排出量推定の高精度化
人為排出量推定
自然排出量推定の高精度化
排出量削減努力・気候変動適応に関する政策への貢献( 排出抑制努力,森林保全,泥炭火災消火/防止活動,REDD+の効果把握等)
温室効果ガス排出量の監視
発展途上国のうち森林率の高い国の森林域のフラックス把握( 森林・泥炭火災の際のフラックス把握を含む)
亜大陸規模での地球システム変化の警報・検出
温暖化防止に関する国際的な取り組み(*)への貢献 大規模排出源モニタ
大規模排出源モニタ
1.1 ミッション目的からミッション要求へのつながり
参考 1. ミッション定義(平成25年5月報告時の資料)
* 一例として,開発途上国における森林の破壊や劣化の回避,植林などを通じて二酸化炭素の排出を削減する活動がある。
(REDD+ (Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation)) 45
2.1 ミッション要求達成へのアプローチ
ミッション達成に向けたハードウェアにおける対応策は下記の通り。
①②濃度分布測定精度の向上/ネット吸収排出量推定誤差低減
⇒各データの精度向上:エアロソル推定精度の向上(観測チャンネルの追加)
⇒有効データ数の増加
-SN比(信号雑音比)の向上 : 高緯度地域におけるデータ取得
・信号レベルの増加 開口径の拡大(評価中)
・雑音レベルの減少 プリアンプ配置の見直し
オーバサンプリング
バンド幅の短縮
-海域における観測領域拡大:海域高緯度地域におけるデータ取得
-雲を避けた観測:雲の混入割合の減少による有効データ数増加
46
③人為排出量推定⇒相関物質の観測追加
-一酸化炭素(CO)の観測 : 二酸化炭素(CO2)の人為排出(化石燃料の燃焼等)と自然排出の識別
④自然排出量推定精度の向上⇒植生活性度の評価
-蛍光観測強化(近赤外域のSN比の向上) : 光合成に伴い発せられるクロロフィル蛍光の測定による植生の活性度の評価
⑤大規模排出源モニタ⇒局域集中観測
参考 2. ミッション要求達成へのアプローチ(平成25年5月報告時の資料)
項目 GOSAT-2 (参考)GOSAT
観測対象 CO2,CH4,O3,H2O,CO CO2,CH4,O3,H2O
測定装置 ①フーリエ変換分光計(FTS)②雲・エアロソルイメージャ(CAI)
①FTS②CAI
降交点地方時 13:00 +/- 0:15 13:00 +/- 0:15
軌道高度 666km(TBD) 666km
回帰日数 3 日(TBD) 3 日
FTS 観測範囲 Cross Track(衛星進行直交方向): +/- 35 deg.Along Track(衛星進行方向):+/- 40 deg.
Cross Track: +/- 35 deg.Along Track:+/- 20 deg.
サンプリング 約160 km 間隔 (5 points in the CT) 約 160 km 間隔
IFOV(*) 10.5 kmf 10.5 kmf
観測波長域(cm-1)
①12,900-13,200 (P/S) (760nm) (O2A)②6,000-6,300 (P/S) (1.6mm) (CO2,CH4)③4,800-4,900 (P/S) (2.0mm) (CO2)④4,200-4,300 (2.3mm) (CO)⑤700-1,800 (5.5-14.3mm) (CO2,CH4,H2O,O3)
①12,900-13,200 (O2A)②5,800-6,400 (CO2,CH4)③4,800-5,200 (CO2)④700-1,800 (CO2,CH4,H2O,O3)
データ取得時間 4 sec 4 sec
付加機能 インテリジェントポインティング
波数分解能 0.2 cm-1 0.2 cm-1
SN比 >400 (Band 1)>300 (Band 2 to 5)@太陽天頂角=30deg., アルベド=0.3)
>300
2.2 衛星仕様案(1/2)
47* IFOV (Instantaneous Field of View):瞬時視野角 ( 1つの画素が見る角度,もしくは地表面上の寸法。こ
こでは地表面上の寸法を表示)
参考 2. ミッション要求達成へのアプローチ(平成25年5月報告時の資料)
2.2 衛星仕様案(2/2)
項目 GOSAT-2 (参考)GOSAT
CAI 分光 バンドパスフィルタ バンドパスフィルタ
観測幅 1,000km(TBD) Band 1-3: 500m/1,000kmBand 4: 1500m/750km
IFOV(*) 500m(TBD) Band 1-3: 500mBand 4: 1500m
観測波長域(nm) ① 370-390② 664-684③ 860-880④1555-1645*波長については変更の可能性あり
① 370-390② 664-684③ 860-880④1555-1645
48* IFOV (Instantaneous Field of View):瞬時視野角 ( 1つの画素が見る角度,もしくは地表面上の寸法。こ
こでは地表面上の寸法を表示)
参考 2. ミッション要求達成へのアプローチ(平成25年5月報告時の資料)
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
OCO2(米国)
TanSat(中国)
GOSAT2
Carbonsat(欧州)
OCO3(米国)(ISS搭載)
GOSAT
MicroCarb(仏)
観測方式 地表分解能(km)
観測幅(km)
波数分解能(@1.6mm)
観測対象 測定相対精度
GOSAT-2 フーリエ干渉分光計
10.5 f 640(両端観測点間)
0.051nm CO2, CH4, CO, NO2, H2O, O2, O3
0.5 ppm(500km四方。1カ月平均)
OCO-2 回折格子 1.3×2.25 10.6 0.077nm CO2, O2 1 ppm
MicroCarb 回折格子 3×3 9 0.051nm CO2, O2 不明
CarbonSat 回折格子 2×2 500 0.15nm CO2, CH4, O2 1 ppm(500km四方。1カ月平均)
TanSat 回折格子 2×1 20 0.081nm CO2, CH4, O2 不明
*OCO-3搭載センサ仕様は原則OCO-2と同じだが,搭載プラットフォームにより幾何学的な性能は変わる。
2.3 諸外国の温室効果ガス観測衛星計画と協力(計画)・OCO-2,GOSAT-2が打ち上げられることにより,全球データの提供が切れ目なく継続される。(データの継続性)・同時期に複数の衛星が存在することにより校正・検証協力が可能となり,データ質の向上が可能(データの信頼性)
MERLIN(独・仏)(CH4DIAL)
49
参考 2. ミッション要求達成へのアプローチ(平成25年5月報告時の資料)
SCIAMACHY*回折格子分光計
OCO-2,(-3)*回折格子分光計
CO2, O2CO2,CH4,O2他
・大気化学研究
GOSAT*フーリエ干渉分光計*雲・エアロソルセンサ
CO2 , CH4 CO2, CH4, O2, COGOSAT-2*フーリエ干渉分光計*雲・エアロソルセンサ
高空間分解能全球連続観測
全球均質観測 全球高精度離散観測
* 1分子に対して1分光器が必要で,観測対象の追加が厳しい。(大がかりになる。)回折格子による測定のため,波長ごとに装置関数が異なり,補正が難しい。測定精度には難あり。
但し,全球を完全に網羅することが可能であり,全球分布の概観に向く。
* 検出器を追加するのみで,観測対象の追加が可能。(容易)フーリエ干渉分光計による測定のため,高SN化に向き,ま
た波長間で装置関数が同一であるため補正は容易で,高精度な測定が可能。
但し,観測点は離散的となるため,未知のホットスポット検出には向かない。
* 両者の利点を生かした相互補完
* 相互校正によるデータ質の向上
2.3 諸外国の温室効果ガス観測衛星計画と協力(温室効果ガス観測の連携)・GOSAT-2が打ち上げられる時点で既にOCO-2が観測を行っているが,分光方式の差による長所,短所を互いに補完することで,ミッション達成にむけてより有効なデータセットを構築することが可能となる。
・打上げ前相互校正,軌道上相互校正・検証等により,互いに校正検証のスピードアップや精度向上が可能。
50
参考 2. ミッション要求達成へのアプローチ(平成25年5月報告時の資料)