簡易診断ツールと心理テストを組み合わせた 新し...
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2011 年度
卒業論文
指導教員花川典子教授
簡易診断ツールと心理テストを組み合わせた
新しい診断ツールの提案
阪南大学 経営情報学部 経営情報学科
5107251 増田 大輝
5107204 西井 裕亮
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目次
第 1章 はじめに ................................................................................................................... 3
第 2章 関連研究 ................................................................................................................... 5
2-1 心理テストの導入について ................................................................................... 5
2-2 従来の診断ツールとの比較 ................................................................................... 5
第 3章 Web アプリケーションと Java について ................................................................... 7
3-1 Java について ....................................................................................................... 7
3-2 Web アプリケーションについて ............................................................................ 8
3-3 HTML とは? ............................................................................................................. 9
3-4 サーバーサイド技術の説明 ................................................................................. 10
3-5 サーブレット、JSP とは? ................................................................................... 11
3-6 Apache-Tomcat とは何か ..................................................................................... 12
第 4章 心理テストとは ...................................................................................................... 14
4-1 心理テストについて .......................................................................................... 14
4-2 テストの作成について ........................................................................................ 14
4-3 テストの実施と効用 ........................................................................................... 15
4-4 今回使用した心理テストについて ...................................................................... 16
第 5章 制作物の詳細 .......................................................................................................... 17
5-1 制作物の内部構造 ............................................................................................... 17
5-2 今回のソフトの使い方について.......................................................................... 17
5-4 get リクエストの説明 ......................................................................................... 18
5-5 ②Param3.Java の説明 ......................................................................................... 18
5-6 心理テストを変更の際のプログラミング修正 .................................................... 22
第 6章 考察 ........................................................................................................................ 25
6-1 アンケート結果................................................................................................... 25
6-2 心理テスト付き診断ツールにおける問題点 ...................................................... 25
6-3 今後の展望と展開 ............................................................................................... 25
第 7章 まとめ .................................................................................................................... 27
参考文献 ............................................................................................................................. 27
謝辞 .................................................................................................................................... 27
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第 1 章 はじめに
現在 Web アプリケーションは様々な種類があり、占い・診断サイト、各種オン
ラインゲームや脳内メーカーなどが登場し、様々な遊び方が増えてきている。携
帯電話などの低スペックの機械でも、Web に接続するとダウンロードなしで楽しむ
ことができ、電車の中や暇な時間などに使用することができる。携帯電話をイン
ターネットにつなげて遊ぶ人は多く、これからもインターネットを使って、娯楽
としての役割は多くなるであろう。
特に、2009 年に脳内メーカーはネットを中心に話題になり、様々なメディアに
取り上げられ、人気になった。当たっているようであたっていない診断結果が世
間に受け入れたのではないのかと考える。さらに Twitter の登場によりさらに人
気が沸騰している。その理由は名前を入れるだけで手軽に結果が出る診断ツール
と、その結果を手軽に書き込み(ツイート)できる Twitter が相性よくマッチし
たためである。ソフトバンクヒューマンキャピタル株式会社では診断ツールに関
してのマーケティング結果を公表している。このマーケティングでは同会社が運
営するインターネットに強い転職サイト「イーキャリア」が 2007 年 10 月 25 日~
26 日の 2 日間、全国のインターネット関連で働く 20 代~30 代の男女 400 名を対
象に Web 診断サイトに関する「サービス成功のポイント」に関して以下のような
調査したものが掲載されている[1]。
(1)Web 診断サイトで「脳内メーカー」が圧倒的な人気な理由
2009 年頃から爆発的に人気が出た診断ツールでは、「脳内メーカー」が 82.3 パ
ーセントと、2 位の「体内メーカー」35.3 パーセント・3 位の「相関図ジェネレー
ター」25.5 パーセントを大きく引き離して認知度が 1 位という結果になった。脳
内メーカーが診断ツール全体の人気を牽引してきたのは明らかである。
(2)Web サービス成功の一番のポイント
Web 診断ツールが流行した理由についてのアンケート結果では、「1 位:簡単な
質問で結果がわかる、簡易性」、「2 位:結果の表現方法のユニークさ」、「3 位:自
分だけの結果が得られる、独自性」であり(図 1 参照)、さらに 82.5 パーセント
もの人が「今後もこのような Web 診断サイトは増えると思いますか。」という質問
に対し、「はい」と答えている(図 2 参照)。つまり診断ツールにおいて簡易性は
特に重要であり、これからさらに増えていく診断ツールにおいて今まで以上にユ
ニークさと独自性が必要となってくるのである[2]。
しかし、診断ツールと言っても簡易性が追求され、当然ながら名前を入れるだけなので
結果は不正確である。そこで、本論文では、今ある手軽さと「診断」ツールとしての高い
信ぴょう性を合わせ独自の診断ツールを開発することを提案する。私たちは既存の脳内
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メーカーをもとにした新しいアイデアを提案し、質問を増やさずに当たっている
診断ツールを作ることを本論文では目指す。
第 2 章では過去の診断ツールや心理テストの導入など関連研究を述べ、第 3章では Web
アプリケーションと Java について述べる。第 4章では心理テストについて述べ、第 5章で
は制作物の詳細、第 6章では考察、そして第 7章では今回の論文のまとめを述べる。
図 1.診断ツールが流行した理由について
出所)Softbank Human Capital より
http://www.softbankhc.co.jp/press/release/fy2007/20071031/100000.HT
図 2.今後このような Web 診断サイトが増えるかについて
出所) Softbank Human Capital より
http://www.softbankhc.co.jp/press/release/fy2007/20071031/100000.HTML
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第 2章 関連研究
本章では、本研究に使用された技術とシステムについての説明を行う。第 1節では心理
テストの導入について記述する。第 2節では従来の診断ツールとの比較について記述する。
2-1 心理テストの導入について
診断ツールにおいて手軽であること・簡易であることが人気の大きな要素であ
り、逆に名前を入れるだけでは信ぴょう性や説得力に欠けることになる。そうい
った事から私達はここから新しい機能として、 (1)名前を入力するだけで結果が
表示される簡易性を追求した診断ツール、(2)沢山の質問を回答させることによる
診断結果に重点を置いた診断ツール、という従来の 2 つの診断ツールのシステム
を組み合わせて以下のことを提案した。
①� まず心理学を元にした A~D までの 4 択の選択肢を選ばせる。
② 更に通常の簡易診断ツール同様自分の名前を文字ボックスに入力させる。
③ 上記(1)で基本的な診断結果を出し、そこから上記(2)により「○○度パーセン
ト」などと追記する。これにより(1)よりも信ぴょう性がありなおかつ(2)よりも
手軽な診断を行う事が可能なのである。
2-2 従来の診断ツールとの比較
現在使用されている主な診断ツールの特徴を大きく分けて以下の 2つがあげられる。
(1)「ツイッター診断メーカー」(http://shindanmaker.com/) (2011 年 1 月 10 日アクセス)
ボックスに名前を入れただけで診断結果がでる簡易でジョーク中心の診断ツールである。
図 3 あなたが外人だったら
こんな名前ったー
出所)ツイッター診断メーカーより
図 4 あなたが外人だったらこんな
名前ったー 結果表示
出所)ツイッター診断メーカーより
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「ツイッター診断メーカー」では名前をボックスに記入するだけで診断結果が表示され
入力する時間しかかからない分、信ぴょう性はない。しかし今一番人気の診断ツールのシ
ステムである(図 3,4 参照) [3]。
(2)「適職診断テスト」(http://www.sinritest.com/occhome.htm) (2011 年 1 月 10 日アク
セス)
細かい選択肢を回答する事により本格的な診断結果が得られる診断テスト。 所要時間は数
分~十数分程度である。
「適職診断テスト」では事細かく質問に回答しなければならない為、結果を出すまでに
はそれなりの根気が必要なのである。しかしその分実用的で信ぴょう性があるシステムで
ある(2011 年 1 月 10 日検証結果所要時間約 7分)(図 5,6 参照)[4]。
今回提案した心理テスト付き診断ツールでは両方のシステムの良いところを取り入れて
いる。簡易な心理テストを設けるので一定の信頼と信ぴょう性を確保する。そして名前入
力により結果を細分化する事で手軽に結果に幅を持たせ、診断者に自分唯一の結果感を感
じてもらう。4択の心理テストでは結果が限られる、名前入力だけでは本当に診断は出来な
い、という従来では問題だったお互いの欠点を補うことができるシステムなのである。実
は(1)のような簡易で曖昧な診断結果のツールと、(2)のようなしっかりとした診
断テストのツールは今まで組み合わされた例がほとんどないのである。こうした
観点から、私たちは上記を元に心理テスト付き診断ツールを提案し制作する。
図 5 適職診断テスト 能力診断編 回答欄
出所) 適職診断テストより 図 6 適職診断テスト 能力診断編 結果
出所) 適職診断テストより
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第 3 章 Web アプリケーションと Java について
3-1 Java について
Java Sun Microsystem(ジャバ サン マイクロシステム)が開発し、オブジェクト指向技
術を備えるプログラミング言語である。ネットワークを使った環境で使用されることを目
的とされているため、ネットワークの機能が標準で搭載されている。Java で開発されてい
るソフトは、windows の OS が搭載されているパソコンでしか使えない、CPU が Intel や AMD
でなければならないなどの環境制限がなく、基本的にはどんな環境でも動作する。歴史は
1996 年頃に JDK 1.0 が登場し、現在では Java SE6 がリリースされている(図 7参照)[6]。
JDK 1.0 1996 年
JDK 1.1 1997 年
J2SE 1.2 1998 年
J2SE 1.3 2000 年
J2SE 1.4 2002 年
J2SE 5s.0 2004 年
Java SE6 2006 年
3-1-1 コマンドプロンプトの実行方法
コマンドプロンプトを実行すると C:\Users\daiki\などディレクトリ名が表示される。こ
のディレクトリにコンパイルしたい Java ファイルがない場合、上記で説明したコマンド cd
を使い、コンパイルしたい Java ファイルがあるディレクトリに設定する。また、ディレク
トリ名を忘れてしまった場合 tab キーを押す事で、現在のディレクトリ名にある。フォル
ダー名を表示することができる。
ディレクトリ名を設定したら、上記で説明したコマンド javac を使い、コンパイルする。
javac ファイル名.Java と入力し、コンパイルを行う(図 8参照)。コンパイルを行った後に
上記で説明したコマンド java を使い、java ファイル名(.Java は記述しない)と入力する
と、Java ファイルが実行される(図 9参照)。
図 8 コマンドプロンプトのコンパイル時
図 7 Java のバージョン
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また、コンパイル時や実行時にエラーが起きるコードが記述されている場合エラーメッ
セージが表示される。上記で説明した catch などの例外を処理するコマンドを記述してお
くと、エラーの位置が推測できる。
3-2 Web アプリケーションについて
Web アプリケーションとは、Web 上の技術を使い設計されたアプリケーションのことであ
り、Web サーバー上でクライアントの要求により処理し結果を返すアプリケーション全般の
ことである。Web アプリケーションの処理の流れとしては、まず利用者は Web ブラウザを利
用しアクセスし、サーバーは利用者の要求に合ったアプリケーションを Web コンテナから
探しだす。結果見つけたアプリケーションの処理結果を利用者が使用しているブラウザに
表示させるのである。アプリケーションはサーバー上に設置されているので、クライアン
トは Web ブラウザさえあれば使用できるという利点がある。さらにサーバーに情報が集め
られ、まとめて管理されているのでメンテナンスの労力や費用を抑えることができる。Web
アプリケーションの例としては Yahoo!、Infoseek、goo、Excite などの検索エンジンや、
mixi、GREE、モバゲータウンなどの SNS(Social Networking Service)、楽天市場や YAHOO!
ショッピングのようなショッピングサイトなどがあげられる。
3-2-1 Web アプリケーションのメリット
コンピューターにアプリケーションをダウンロードしておく必要がないこと、バンドル
された Web ブラウザがあれば大丈夫なことや、更新が容易でバージョンアップした際もコ
ンピューターには特に何もする必要が無いことがあげられる。このことから管理者の管理
コストが大幅に削減することが可能である。
図 9 コマンドプロンプトの実行
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3-2-2 Web アプリケーションのデメリット
利用者がどの Web ブラウザを使うかで見た目や動作に差異が生じ、状況によっては正常
に作動しない場合もある。さらに、通信環境が整っていない状態では利用不可能になる。
Web ブラウザさえあればいいので予想を上回る多数のユーザーが使用する場合があるので
性能設計はしっかりしておく必要がある。internet にデータが流れるのでセキュリティ面
の不安が発生する可能性がある。
3-3 HTML とは?
HTML とは、HyperText Markup Language の略であり、Web ページを記述するためのマーク
アップ言語である。マークアップ言語は、文章の一部分を「タグ」で囲うことで、文章の
内容の文字の大きさ、文字にリンクを付けてハイパーリンクにするや、画像を貼り付ける
などを、文章の間に書きこむ言語である。また、W3C と呼ばれる、World Wide Web の標準
化団体に認定されている。初期の HTML1.0 公開前 は、あるサーバー上で開発が行われてい
た。そのため HTML のオリジナルのプロコトルの事は、HTML 0 と呼ばれており一般には公
開されていない。一般に公開されたのは HTML1.0 であり 1993 年公開、その後世界中でよく
使われる言語になった。HTML のバージョンは図 10 に示す[5]。
HTML 0 不明
HTML 1.0 1993 年
HTML 2.0 1998 年
HTML 3.0 1995 年
HTML 3.2 1997 年
HTML 4.0 1998 年
HTML 4.01 1999 年
3-3-1 HTML の特徴
HTML はマークアップ言語であるため、マークアップ言語を使用して書かれた文書はテキ
ストファイルになる。テキストソフトでも閲覧可能で、編集にも専用ソフトが不要である。
また、文字の編集、FLASH の埋め込み、ハイパーリンクなど様々なデータを組み込むことが
可能である。
3-3-2 HTML の構造
HTML の基本的にはタグ、ヘッダー、ボディの 3つから構成されている。図 10 では、HTML
の構造の例を載せている。
図 10 .HTML のバージョン
10
<HTML>から</HTML>部分の中身は、すべて HTML の文章になり、HTML を記述していると言
う表記になる。<head>~</head>で囲われた部分は題名などを指すことが多い、<title>~
</title>部分は、ツールチップなどを使う時記述できる。<body> は、<HTML>~</HTML> の
間に一度だけ記述することが基本であり、背景、線、文字の色、を設定する時に使う(図 11
参照)。
3-4 サーバーサイド技術の説明
サーバーサイド技術を行えるプログラミング言語は、いくつかの種類がある。その一部の
例では ASP.NET、PHP、そして今回使用する Java(サーブレット)もその 1つである。扱う人
によって ASP.NET も PHP も使用に向いている現場やプログラミング方法も違いがあるよう
に見える技術だが、根本ではあまり変わらないものである。
サーバーサイド技術を説明する前に静的なページ、動的なページを説明する。Web サイト
は大きく分類すると静的なページ、動的なページが存在する。静的なページは、HTML を普
通に返すページのことである。また、何度もアクセスして同じ命令をしても同じ結果を返
すことを静的なページと言うのである。一方の動的ページとは、データベースなどにアク
セスし、そのデータを使い処理を返すや与えられたデータを元に処理を行い、返すページ
などすることを動的なページと言い、今回のシステムも動的なページである。その動的な
ページにも 2種類存在する。1つ目は、クライアントサイド技術とサーバーサイド技術と呼
ばれる。まず、クライアントサイド技術から説明する。ユーザーが使用しているコンピュ
ーターで処理し、返すことがクライアントサイド技術である。例で言うと Java のアプレッ
トや FALSH となる(図 12 参照)。
<HTML > ←タグ、HTML であることを宣言。
<head> ←ヘッダー
<title>タイトル</title> ←タイトル部分
</head> ←ヘッダー
<body>本文</body> ←ボディ部
</HTML> ←HTML の終わりを設定
図 11 .HTML の構造
クライアントのコンピューター サーバー
サーバーにアクセス
クライアントで動くデータを送信
クライアント側で処理を行う
図 12 クライアントサーバー技術
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クライアントサイド技術には、2 つのデメリットがある。1 つは、ユーザーのコンピュー
ターを使用して処理を返すため、使用者の環境の依存が高くなりやすい。そのため、対応
OS 違いや一部のソフトウェアが入っていない、機械の性能などで使用者が限られることが
多い。2つは、ユーザーのコンピューターで動くため、その動作に必要なソフトをインター
ネットから送るため、大きいデータを送信することになる。そして今回のソフトでも使用
している。サーバーサイド技術ではアクセスしているサーバー側で処理されるため、クラ
イアントサーバーのように使用者の環境依存が低く、多くユーザーが利用しやすく、ネッ
トワークから送信するデータに関しても処理結果だけを返すので、ネットワークから送信
するデータ量は少なくなる。そんなクライアントサーバーの欠点を 1 つあげると、処理す
るサーバーをユーザー同士で使うため、ユーザーが行った操作では別のユーザーに影響を
与える可能性がある。そのため、定期的にメンテナンスが必要である(図 13 参照)。
3-5 サーブレット、JSP とは?
JSP・サーブレットとは、Sun Microsystems 社から無料でダウンロードでき、Web 上で動
く Java のプログラムである。
3-5-1 サーブレットの特徴
サーブレット(サーバーサイド Java)は、Java 言語のためオブェクト思考の概念を持っ
ている。最初から多くのクラスライブラリを用意されており、JavaBeans などを使うことで、
後からクラスライブラリを追加できる拡張性も持ち合わせている。そのため他の言語より
も運用保守を簡単にできるや他の言語よりも様々なクラスライブラリを備えている。
また、その他にもメモリーに常駐している。そのため、他のサーバーサイドの言語
(ASP.NET、PHP など)より処理が早いのも特徴である。そして、サーバーで動かす際には Java
ファイルをコンパイルした class ファイルを呼び出し動作させる。サーブレットは、Web ブ
ラウザの中で、リクエストとレスポンスを処理する機能がある。そのため、HTML を表示(レ
スポンスを返す)ことができる。そして、Web ブラウザから送られた情報を(リクエストを
受け取る)ことができる。そのためサイドプログラミングの真ん中を補うコーポネントの
ことであり、Web アプリケーションを制御する役割もある。また、サーブレットは単独で実
クライアントのコンピューター サーバー
サーバーにアクセス
データベース 処理したデータを送る
必要であればデータにアクセス
要求されたデータを送る
サーバーで処理を行う
図 13 サーバーサイド技術
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行することができず、サーバーのみでしか動きません。そのリクエストを受け取ることで、
テキストデータの作成や検索などをし、その結果を返すことで HTML を更新し、表示させる
ことがサーブレットの役割でもある。
3-5-2 JSP の特徴
Java 言語を利用し、Web サーバーで動的に Web ページを生成し、クライアント側に送信
する技術。HTML ファイルの中に Java プログラムを埋め込み、クライアントの要求に応じて
プログラムを実行する。JSP は様々な Web サーバー用の実行環境が用意され、Java 以外の
特殊なスクリプト言語を覚えなくても、Java 言語をそのまま使える利点がある。また、JSP
は「Java Server Pages」と呼ばれるよう、その名の通りサーバー上で動作する。
JSP のコードを使って説明してする。JSP は HTML のソースをベースとして、<%~%>で Java
の断片的なコードを埋め込むことができることができる技術である。(図 14 参照)JSP はコ
ンパイルをせず、実行することができそのまま Web サーバーに配置することで動作するこ
とができる。
3-6 Apache-Tomcat とは何か
Apache-Tomcat とは、Apache をサーバーソフトウェアである。Tomcat は、JSP.サーブレッ
トを処理するために必要なアプリケーションサーバーのソフトウェアである。また、サー
ブレットコンテナとも呼ばれることもある。JSP.サーブレットが動く Web アプリケーショ
ンを作る場合、Apache と Tomcat を使いサーバーを立てている開発者も多い。
Tomcat は Apache のような他の HTTP サーバーと手軽に連携することができるが、また、今
回のソフトウェアで使用しているのは、Apache-Tomcat である。
3-6-1 Apache-Tomcat のメリットとデメリット
Tomcat のメリットを述べる。1つ目は、Apache が静的なファイル(HTML ファイルや画像
ファイル)の処理速度が早くなり、Tomcat は、動的なファイル(サーブレット、JSP)なペー
ジを処理することが早いため、2つのソフトの長所を組み合わせ静的なファイルと動的なフ
ァイルの動作が早くなることである。静的・動的なコンテンツ(サーバーサイドなど)を
多く利用している場合はとても効果的で、静的・動的なコンテンツを得意とするため、サ
<HTML>
<head>
<title>Hello. World!!</title>
</head>
<body>
<% out.println("<p>Hello.World!!</p>"); %>
</body>
</HTML>
<%~%>の Java のコ
ードが書かれてい
る。
図 14.JSP の役割(コード)
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ーブレットを使う場合では Apache と組み合わせることはとても利点である。また、Tomcat
単体で動かすことで、サーブレットなどの動的な処理はさらに早くなる。2つ目に起動、停
止が高速である。再起動を早く行う必要のある場合、再起動を行うことが多いソフトウェ
アについて効果的である。3つ目に 1台の Web サーバーに対して複数の Tomcat のインスタ
ンスを割り当てることで、負荷分散をできる。サーバーに負担を少なくすることができる。
4つ目に商業利用以上のことがメリットになる。オープンソフトウェア(SSO)無償で利用
や改変できるので、コストが掛からないこと改変からも商業利用も多いのも特徴である。
デメリットは、オープンソフトウェア(SSO)のため、問題が発生した際ソフトウェアの開
発者が責任を取らないことである。新しいバージョンに不具合があった場合開発者は責任
を取とれないのである。
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第 4 章 心理テストとは
4-1 心理テストについて
心理テストとは人間の心理的部分での検査であり、精神発達、精神テスト、人格テスト、
創造性テスト、職業適性テスト、学習法・行動・社会性テスト、運動能力テスト、道徳性
人間関係テスト、興味テスト、知能テストなど多くの種類がある。心理テストの中でも知
能テストは約1世紀の歴史があり、当初は知的障害者を判別するものであった。その後1912
年には集団的知的検査が開発され、そこから様々な研究が重ねられ、幅広い用途に広がっ
ていった。1947年には日本で高等学校により知能テストが導入され、「適切な検査」に認
定されるなど現在は人々の生活に深く浸透している[8]。
本論文で取り上げている簡易型の診断ツールでは主に人格テストが使われることが多い。
有名な日本人では矢田部達郎(1893~1958)という心理学者がいる。彼はY-G(矢田部ギルフ
ォード)性格テストの生成や、意志・思考に関する理論史、研究史の研究で貢献し、特に彼
のギルフォードの性格検査の日本版の作成は有名である。さらに「Y-G性格検査」は現在使
用されている性格テストの主流となっている。著書も多く「動物の思考」「思考心理学」
「児童の言語」「心理学史」「ウェルナーによる精神の発達」「生産的思考」「感情心理
学史」など、多数ある。
4-2 テストの作成について
心理テストの制作について、まず「あなたがいちばん孤独感を感じるのはどういうと
き?」という次の心理テストを例にあげて説明する[7]。
(1) 一人でいるとき
(2) みんなといるとき
(3) 自分が人に心を開けないとき
(4) 人間は一人では生きていけないんだなと感じたとき
このテストでは、心理学の分野で孤独感の4種類の特徴を参考に作られている。この孤独
感の4種類は、(1)の答えと同じように一人でいるときに孤独感を感じる人は「人間同士理
解でき、人間の個別性に気づいていない」(2)の答えのようにみんなでいるときに孤独感を
感じる人は「人間同士は理解できないと思い、個別性に気づいていない」(3)のように自分
自身が心を開けてないときに孤独感を感じる人は「人間同士は理解できないと思い、かつ
個別性に気づいている」(4)の選択肢であるように人間は一人では生きていけないんだなと
感じる人は「人間同士は理解できると思い、個別性に気づいている」のである。これらは
心理学の分野で孤独感と考えられている。しかしこれら複雑な感情を用い心理テストを作
成するには、ある程度の心理学に対しての知識と経験が必要となる。
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心理テストを制作・利用する際には、信頼できる良いテストであることが望ましく、そ
の信頼できる条件として次のようなことがあげられる。
① 妥当性:どの程度正しく測定できているものか。
② 信頼性:同じ検査者が同じ被検査者に同一のテストを複数行った場合テストの結果の
間に相関度が高いものか。
③ 客観性:検査を採点する者の個人的判断が結果に影響してはいないか。
④ 実施の容易さ:非常に複雑であったり、手続きが面倒であると専門家でないと手がつ
けられない。
⑤ 採点の容易さ:単純で速やかに間違いなく採点ができるのか。
⑥ 経済性:利用の際、高価ではないか。
これらのことが守られていない心理テストは良いテストとはいえない。さらに、心理テ
スト自体の価値を高めるためには、他の心理テストとの相互関係を図ることはとても重要
な要素であり、現在では学力・知能・性格・学習適応など異なる分野での心理テスト組み
合わせるようになっている。そうした中で個人の性格を診断するための心理テストの作成
は、テストを十分理解し妥当性や信頼性の検討を行い、標準化しているので、個人の基本
的な行動傾向を客観的に診断できるのである。
4-3 テストの実施と効用
テストを行う際、正しく実施しないと結果が大幅に変動してしまう可能性があるので全
く無意味になってしまう。その際検査者が注意するポイントが次のようにある。
(1) 被検査者に安心感を与える。
(2) 手引きを十分に理解しておくこと。
(3) 正規のテスト方法によること。
(4) 長時間かかる際は休憩を入れる。
(5) 気分の悪い時は実施しないこと。
(6) 援助を与えすぎない。
さらに、心理テストは事前の練習効果が入り込む可能性があり、テストの意味や目的・
結果の伝え方は慎重にされるべきである。さらにテストの結果は場合により十分注意しな
がら、伝えないほうがよい場合もある。
心理テストが信頼性・妥当性・実用性の高いものであれば、それらに対応した目的に応
じた被検査者の行動傾向や特性を客観的・科学的に診断できる。心理テストを利用するこ
とにより比較的短時間で様々な部分を診断することができる。1~2時間の個人面接で質
問するより、同じだけの時間を心理テストに費やした方が、多方面にわたり診断できる。
さらに面接では言えないことも、心理テストによって正直に回答しやすくなりやすくなる
のである。
心理テストの中でも、投影法テストをおこなうことによって、無意識世界の深層心理を
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診断することができる。親や兄弟に対しての愛情や敵意、憎しみ、欲求、攻撃など直接質
問しては応答できないような心の奥底にあるものが診断できるようになる。クレぺリン精
神作業検査の場合、被検査者に性格診断をしているということを気付かせないで、単純な
加算作業をさせるだけで診断ができるというメリットがある。
テストの種類によっては、心理テストを実施するだけで被検査者の葛藤や悩みを解決さ
せたりすることもある。心理テストは用い方により、短時間多方面からの診断が可能であ
り、今後の相談・指導に役立つ。
しかし心理テストには限界がある。心理テストはあくまで心理査定のための道具であっ
て治療するものではない。中にはそのような効果のあるテストも存在するが、あくまで教
育相談のための補助的道具である。さらに非検査者の気分に左右されるなどテストの信頼
性に欠ける場合がある。その場合しっかりと確認をし、正直にまともに応答させるよう努
力が必要になる。
4-4 今回使用した心理テストについて
今回のソフトウェアで使った心理テストは参考にした「もっと素敵になるため
の自分に出会う44の心理テスト 著者さくら美月」の努力度チェックを参考にし、
書いている[6]。問題内容は“親しい人とご飯に行くのはどこか“と質問するよう
になっており、選択肢が以下である。
(1) メニュー表のみが飾ってあるお店。
(2) 作りもののメニューの模型が飾ってあるお店。
(3) 本物のメニュー料理が飾ってあるお店。
(4) ショーウィンドウ越しに料理を実演しているお店。
この 4 つの選択肢の中から 1 つ選ぶと恋に努力できるかどうかがわかる。(1)の
結果は、努力を怠らないタイプで 4 位。(2)の結果は、結果を追い求め、成功する
まで努力するタイプで 3 位。(3)の結果は、結果も努力も大事で 2 位。(4)の結果
は、努力することに異議があるタイプで 1 位。努力することに意義があるタイプ
から 1 位となっているのは、今回恋愛ニート度チェックなので、この結果から順
位が低いほうが HTML で出力される際のパーセンテージの数字が大きくなる。
① 4位の(1)を選んだ場合76%~100%
② 3位の(2)を選んだ場合51%~75%
③ 2位の(3)を選んだ場合26%~50%
④ 1位の(4)を選んだ場合0%~25%
というように表示するようにした。4位のほうが大きくした理由は、おもしろさ、
ニートは仕事に就く努力もしない象徴とされており、恋愛に努力しない人として、
恋愛ニート度%の数を大きくしたのである。
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第 5 章 制作物の詳細
5-1 制作物の内部構造
このプログラムは、Prarm.HTML でテキストボックスと選択肢を GET リクエストし、名前
とテキストボックスを使って処理を行う。そして、サーブレットが HTML で返し表示させる
ものである。この章では、ユーザーの操作(使い方)とディレクトリの場所、get リクエス
ト、HTML でのプログラムの説明、を説明し、どのように表示されているプログラムの流れ
を説明する。
5-2 今回のソフトの使い方について
ニート××度チェックと表示する。今回は、ニート××度というように診断内容を隠す
ことで面白さを出した。診断したい名前をテキストボックスに入力し、テスト親しい人と
食事をするなら?テストの↓に書かれているセレクトボックスを読み、Aから Dの選択肢か
ら 1つ選び、セレクトボックスから選択する。上記を完了できたら問題作成をクリックす
ると結果が表示される。(図 15 参照)
5-3 ディレクトリ内のファイルの場所の説明
Tomcat 内のファイルは(図 16 を参照)サーバーで使うフォルダーmyApp から設定してい
る。HTMLs のフォルダーには、Param3.HTML や JSP ファイルを保存している。INF-classes
には Java ファイルをコンパイルした class ファイルを保存している(図 16 参照)。
図 15 本ソフトの使い方。
診断前 診断結果
18
5-4 get リクエストの説明
通常 Web ブラウザからは、2種類の HTTP リクエストが発行される。その内の1つが GET
リクエストと呼ばれる最も一般的な HTTP リクエストである。このリクエストは、URL 情報
に付帯情報を付けて、サーバー側に情報を要求する。クラス図は、図 17 である。これから、
②Prarm3.Java の詳細について詳しく説明する(図 17 参照)。
5-5 ②Param3.Java の説明
②Prarm3.Java のファイルは、doget()メソッドで、受け取りを行い、受け取ったデータ
に基づいて処理を行うファイルである。
図 19 の (1)を 5-5-1、(2)を 5-5-2、(3)を 5-5-3、(4)を 5-5-4、(5)を 5-5-5、で説明を
行う(図 19 参照)。
(1) 6~18 行目 doget メソッドで UserName01,UserName02 を取得
(2) 20~37 行目 UserName02 で取得したデータを 76,51,26,0 のいずれかのデータで取得
(3) 50~68 行目 UserName01 を 10 進数に変換し、下 2桁を取得
(4) 69~89 行目 (3)で処理した nu の値を 0~24 までの値に変更し、(2)で処理した String
変数の sen と nu を足し算したデータと評価を取得する
(5) 103~130 行目 HTML を出力する。
HTTP レスポンス
Get リクエスト
図 17 クラス図
サーブレット
②Prarm3.java
HTML
①Prarm3.HTML
Tomcat Webapps myApp HTMLs
images
INF-classes
Prarm3.HTML
Prarm3.class
Tomcat 内のディレクトリ図である。
図 16 Tomcat 内のディレクトリ図
図 19 Prarm3.java の行ごとの説明
19
5-5-1 doget メソッドで UserName01,UserName02 を取得
HttpServlet 継承し、UserName01, UserName02 のパラメータ情報を取得し、それぞれ String
変数に代入する。UserName01 は、String 型の str に代入されている。また、UserName02 は、
String 型の sen に代入されている (図 20 参照)。
5-5-2 UserName02 で取得したデータを調べ 76,51,26,0 のいずれかのデータで取得
UserName02 から取得してきた、String 変数 sen の値を int 変数の Bに値を代入し、1~4
のどの数字が入っているか調べる。その結果により String 変数 sen に 0,26,51,76 のいず
れかの数字を代入する(図 21 参照)。
20 int B = Integer.parseInt(sen);
21
22 if(B==1){
23 System.out.println("1:"+sen);
24 sen ="76";
25 }
26 else if(B==2){
27 System.out.println("2:"+sen);
28 sen ="51";
29 }
30 else if(B==3){
31 System.out.println("3:"+sen);
32 sen ="26";
33 }
34 else if(B==4){
35 System.out.println("4:"+sen);
36 sen ="1";
37 }
図 21 Prarm3.java のコードの 20~37 行目
6 public class Param3 extends HttpServlet {
7 public void doGet(HttpServletRequest hreq,
8 HttpServletResponse hres)
9 throws ServletException, IOException {
10
11 hres.setContentType("text/html;charset=iso-2022-jp");
12 // 出力用 PrintWriter の参照を取得する
13 PrintWriter out = hres.getWriter();
14
15 // パラメータ情報を収集する
16
17 String str = hreq.getParameter("UserName01");
18 String sen = hreq.getParameter("UserName02");
図 20 Prarm3.java のコードの 6~18 行目
20
5-5-3 UserName01 を 10 進数に変換し下二桁を取得
UserName01 を 10 進数に変換し下二桁を取得した理由は、入力された名前の文字列を、診
断する内容の適合率のパーセンテージの値を求めるために、数値データ(10 進数)に変換す
る。つまり、nu を 0~99 までの値にする。処理を実現するプログラムを説明すると
UserName01 から取得してきた String 変数 sen の値を 10 進数に変換し、int 変数の ii9 に
代入される。その int 変数 ii9 の値を String 変数 s2 に代入し、10 進数から下二桁を取得
する(図 22 参照)。
5-5-4 (3)で処理した nu の値を 0~24 までの値に変更し(2)で処理した String 変数の sen
データを足し算したデータと評価を取得
(3)で処理が行われた int 変数 nu を 0~24 までの数値にする。(2)で処理を行った String
変数の sen を int 変数 nu と足し算するために、String 変数の sen の値を int 変数 sen2 に
値を代入し、足し算を行う。足し算されたデータは、int 変数 nu に代入され、これで HTML
で出力される際のパーセンテージの部分が完成する。そして、完成した HTML で出力される
際のパーセンテージの値が入っている int 変数 nu の数字を調べ、その結果により A~F 判
定の文字データを nu=3 に代入する。90 より大きい数字を“A 判定”、76 より大きい数字を
“B 判定”51 より大きい数を“C 判定”26 より大きい数を“D 判定”、それ以外の数を“F
判定”とし、判定を String 変数 nu3 に代入する。また、int 変数 nu は、String 変数 nu2
に値が代入されている。 (図 23 参照)また、int 変数 nu と int 変数 sen2 を足し算し、HTML
で出力される際のパーセンテージを作った理由は、5-5-6 に記述する。
50 char chr ;
51 int i,ii9 = 0;//ii9 は、名前の 10 進数を格納した。
52 int i9[] = new int[100];//
53 for (i = 0; i <str.length(); i++) {//string を 10 進に変化
54
55 chr = str.charAt(i) ;
56
57 i9[i] =(int) chr;
58 System.out.println("'" + chr + "' --> " + Integer.toHexString((int )chr));
59 System.out.println(i9[i]);
60 ii9 = i9[i]+ii9;
61 }
62 //ii9 = 99;
63 System.out.println("名前の BIT 数: "+ii9);
64 s1=String.valueOf(ii9);//string に変換
65 i2=s1.length();//何桁か調べる
66 s2 = s1.substring(i2-2,i2); //後ろ2桁を取り出す。
67 System.out.println("取り出した 2桁:"+s2);
68 nu= Integer.parseInt(s2);
図 22 Prarm3.java のコードの 50~68 行目
21
5-5-5 HTML を出力
103行~115行までHTMLテキストを出力している。その中で、110行と111行はgetkanji()
メソッドを呼び出している。その getkanji()メソッドは、121 行から 130 行にある。
getkanji()メソッドがあり、このメソッドで渡された引数は、シフト-JIS にて変換され処
理を返している(図 24 参照)。
69 nu = nu+1;//最大 100 0~24 までにしたい
70 nu = nu/4;//最大 25
71 nu = nu-1;//最大 24
72 System.out.println("実際の 2 桁:"+nu);//50 以下の数字ができる。
73 sen2 = Integer.parseInt(sen);//選択したのを int に変換。
74 nu=sen2+nu;//選択肢と名前を足し算し、%を表示させる部分ができた。
75 System.out.println("◯◯度"+nu+"%");//一様表示する。
76 String nu2 = String.valueOf(nu);
77 System.out.println("◯◯度"+nu2+"%");//一様表示する。
78 String nu3 ="";
79 if (nu>= 90) {
80 nu3="A 判定";
81 } else if (nu >= 76) {
82 nu3="B 判定";
83 } else if (nu >= 51) {
84 nu3="C 判定";
85 } else if (nu >= 26) {
86 nu3="D 判定";
87 }else {
88 nu3="F 判定";
89 }
図 23 Prarm3.java のコードの 69~89 行目
103 out.println("<html>"
104 + "<img src=\""
105 + getServletContext().getRealPath("images\\1.gif")
106 + "\" width=\"394\" height=\"325\" align=\"right\">"
107 + "<head><title>診断結果</title></head><body>"
108 + "<center><h1><font size=6 color=\"#660000\">
109 +診断結果は・・</font></h1><br>・<br>・<br>・<br>・<br>" "<br>"
110 + " " + getKanji(str) + " さんの診断結果<br>"
111 + "あなたの恋愛ニート度は " + getKanji(nu2) + " %です!<br>"
112 + "診断結果: " + nu3 + "<br>"
113 + "</font></h2></body>"
114 + "</html>");
115 }
116
117 // ラテン文字列をシフト JIS に変換するメソッド
118 String a = null;
119 String adai,a1,a2,a3,a4 = null;
120 int txt1 = 0;
121 private String getKanji(String str) {
122 // パラメータから取得する漢字文字列の特別な措置
123 String temp = null;
124 try {
125 // パラメータから取得した文字列をシフト JIS に変換する
126 temp = new String(str.getBytes("ISO-8859-1"), "Shift_JIS");
127 a = temp;
128 } catch (Exception e) {}
129 return temp;
130 }
図 24 Prarm3.java のコードの 103~130 行目
22
5-5-6 int 変数 nu と int 変数 sen2 を足し算し HTML で出力される際のパーセンテージ
を作った理由
int 変数 nu を 0~24 の範囲の数値にし、int 変数 sen2 の値を 1,26,51,76 のいずれかの
値にし、足し算を行った理由を説明する。本プログラムは、選択肢によって表示される HTML
で出力される際のパーセンテージの範囲が変わってくる。A の選択肢を選んだ際には 76~
100%の結果がでるようになり、Bの選択肢を選んだ際には 51~75%の結果がでるようになり、
Cの選択肢を選んだ際には 26~50%の結果のようになり、Dの選択肢を選んだ際には 1~25%
の結果になる。この結果になるようにした理由は、普通の心理テストでは、選択肢を選ぶ
だけでは、Aを選ぶと 100%、B を入れると 75%、C を入れると 51%、D を入れると 25%と結果
が表示される。これでは、100,75,51,25%の 4 種類の表示しかされない。複数人数(友達同
士など)で 1人 1人診断を行う際に、先に使用したユーザーの選んだ選択肢と答えを知って
しまうことで、選択肢によってどんな結果が表示されるのか決まっているため、どの選択
肢を選択することで何が表示されるかわかってしまう。また、複数人数で自分だけの答え
でないため面白さがない。今回のような Aを選ぶと 76~100%、B を選ぶと 51~75%結果がで
るようにし、選択肢だけではなく同じ選択肢を選らんだユーザーにもさまざまな結果が表
示されるようにした。この方法にすることにより、複数人数で行う際に使用でき、名前を
変えて選択肢を選ぶことで違った結果が表示される。また、この数字によってユーザー同
士で、「私の結果のほうが、数値が高い」など話す話題にもつながるためこのような HTML
で出力される際のパーセンテージにした。
5-6 心理テストを変更の際のプログラミング修正
本節では、心理テストの内容を変更する場合にどのようにプログラムを書き換えるのか
を説明する。
心理テストの内容変更前に注意点が 2つある。1つ目に問題の選択肢が 4つであること、2
つ目に選択した答えに順位がある・もしくは順位を決めることが条件である。たとえば、
選択肢(1)を選ぶと努力度 100%で 1 番いい結果である、選択肢(2)なら、努力度 50%なので、
3番目にいい結果がある問題に限る。
5-6-1 問題文の書き換えについて(Prarm3.HTML を書き換え)
用意していた心理テストの問題文(もしくは質問文)の書き換えを行う。今回作成してい
る。Prarm3.HTML の 8 行目“親しい人と食事をするなら?”の部分を書き換える。また、
問題文が長くなった場合などは<br>(段落)を記入し、見やすくする。(図 25 参照)
8 <br><br>テスト<br>親しい人と食事をするなら?<br>
図 25 Prarm3.html のコードの 8行目
23
5-6-2 選択肢の書き換え(Prarm3.HTML 書き換え)
Prarm3.HTML に用意していた心理テストの 4つの選択肢を書き換える(図 26 参照)。
5-6-3 セレクトボックスの中身の選択肢を書き換え(Prarm3.HTML 書き換え)
用意していた心理テストの 4つの選択肢をセレクトボックスに記述する。今回作成した
Prarm3.HTML のプログラムのソースで説明する。12 行目の“A.メニュー料理のみが飾っ
てあるお店”、13 行目の“B.作りもののメニューの模型が飾ってあるお店”、14 行目の“C.
本物のメニュー料理が飾ってあるお店”、15 行目の“D.ショーウィンドウ越しに料理を実
演しているお店の部分“を用意した選択肢に書き換える。また、選んだ選択し 1番上、2番
目、3番目、4番目までどんな選択肢を入れたかメモしておく(図 27 参照)。
5-6-4 選んだ選択肢の値を変更(Prarm3.Java 書き換え)
今回、書き換えるのは、選択肢によって値が変わる部分を書き換える。一番上にある。
選択肢を選んだ場合 sen に 76 と言う値を代入するように記述されている。この 76 の部分
を書き換える。一番結果の悪い 1位の選択肢が、((3)で、Prarm.HTML の選択肢を書き換え
た際に)その選択肢を上から 2番目に記述した場合 28 列目の“sen = ”51“;のプログラ
ミングを 51 の値を 76 に書き換える。これを悪い結果順に悪い結果の 1位 76、2 位 52、3
位 26、4 位 1と、なるように値を書き換える(図 28 参照)。その後、sen と nu は、足し算さ
れ、その値は string 変数 nu2 に代入する。nu2 の値によって string 変数の nu3 の値が決ま
る。また、nu は変えなくても 0~24 の数字のどれかを生成するため nu,nu2,nu3 の値は書き
変えなくてよい(図 23 参照)。
9 <br>A.メニュー料理のみが飾ってあるお店 <br>B.作りもののメニューの模型が飾ってあるお店 <br>
10 C.本物のメニュー料理が飾ってあるお店 <br>D.ショーウィンドウ越しに料理を実演しているお店 <br>
図 26 Prarm3.html のコードの 9行目
12<select name="UserName02"><option value="0">-</option>
13<option value="1">A.メニュー料理のみが飾ってあるお店</option>
14<option value="2">B.作りもののメニューの模型が飾ってあるお店</option>
15<option value="3">C.本物のメニュー料理が飾ってあるお店</option>
16<option value="4">D.ショーウィンドウ越しに料理を実演しているお店</option>
図 27 Prarm3.html のコードの 12~16 行目
24
5-6-5 HTML に XX ニート度の XX を変更(Prarm3.Java 書き換え)
心理テストによって、恋愛の努力度(恋愛ニート度)や仕事で努力できる度(仕事ニー
ト度)など何を診断するかは変わる。今回は、その◯◯を書き換える。
今回作成した Prarm3.Java のプログラムで説明すると 111 列の“恋愛ニート度"の文字
を今回用意したテストの診断結果に書き換える(図 29 参照)。また、5-6-4 で説明したよう
に nu2,nu3 は書き変えなくてよい。
110 + " " + getKAnji(str) + " さんの診断結果<Br>"
111 + "あなたの恋愛ニート度は " + getKAnji(nu2) + " %!<Br>"
112 + "診断結果: " + nu3 + "<Br>"
図 29 Prarm3.java のコードの 110~112 行目
20 int B = Integer.parseInt(sen);
21
22 if(B==1){//選択肢 Aもしくは上から 1 つ目の選択肢
23 System.out.println("1:"+sen);
24 sen ="76";
25 }
26 else if(B==2){ //選択肢 Aもしくは上から 2つ目の選択肢
27 System.out.println("2:"+sen);
28 sen ="51";
29 }
30 else if(B==3){ //選択肢 Aもしくは上から 3つ目の選択肢
31 System.out.println("3:"+sen);
32 sen ="26";
33 }
34 else if(B==4){ //選択肢 Aもしくは上から 4つ目の選択肢
35 System.out.println("4:"+sen);
36 sen ="1";
37 }
図 28 Prarm3.html のコードの 20~36 行目
25
第 6 章 考察
6-1 アンケート結果
今回の論文について阪南大学内で被験者 5 名に実際にソフトの使用、及び論文を読んで
頂き自由記述でアンケートを集計した。以下はその結果である。
(1) 心理テスト付き診断ツールを利用してみたいか-3件
(2) 発想がいい、新しい-3件
(3) 心理テストを利用する機会が増えそう-1件
(4) 今まで診断ツールに対しての不満があった-2件
今回のアンケートを集計した結果、ソフト制作の着眼点に一定の評価をいただくことが
できた。例えば「自分は今まで、脳内ツールにもう少し正確さがあればいいと思っていた。
この論文ではそこに対してしっかり書かれていたのでよかった。」という意見があったよう
に、しっかりとマーケティングをした上での制作だったことが大きいと考えられる。さら
にこういった Web アプリケーション、特に診断ツールに対して関心を持っている人が多く、
利用者が多いことが実証された。
しかしソフトの完成度から見てもまだまだ企画段階に近いものなので今後さらに実用化
に向けて取り組んでいきたい。さらにこの心理テスト付き診断ツールというものは、どれ
だけ面白い心理テストを取り入れられるかによっても、大きく面白さが変わってくるのだ
ろうと感じた。
6-2 心理テスト付き診断ツールにおける問題点
信ぴょう性が増すといってもあくまで簡単なテストしか設けていない為、遊び的要素に
比重が高く設定されており信ぴょう性自体は特別高いものではない。さらに制作面で簡単
な心理テストを用意しなければいけないため、名前や生年月日を入力するだけで表示され
るものより面倒なため、これらのように普及するか不安面がある。
そして診断ツールの一番の魅力のポイントはあくまでその「手軽さ」なので「名前を入
力するだけの手軽さ」に魅力を使用者が感じてしまうならこの心理テスト付きという付加
機能は意味をなさない。
6-3 今後の展望と展開
現在の診断ツールの大半は個人のデベロッパー達により独立して自由にアップロードさ
れていっている。しかし今後は「mixi」や「ニコニコ動画」などが様々な Web アプリケー
ションを吸収しながら 1 つの巨大な SNS と化していっているように、こういった Web アプ
リケーション群が 1 つの媒体にまとめられログが保存されたり過去の診断結果を学習して
いくようになれば、診断ツールとしての手軽さや信ぴょう性も更に向上していくのではな
26
いかと考えられる。さらに今回のシステムのように従来のシステムを組み合わせることで
さらに新しいアイデアが生まれるのではないかと考えられる。
27
第 7 章 まとめ
われわれは、より手軽で信ぴょう性の高い診断ツールの実現のため、今回の心理テスト
付き診断ツールを完成させた。その結果、Web アプリケーションは手軽さやわかりやすさが
ユーザーに求められているということがわかった。さらに、心理テストといっても、内容・
信ぴょう性共に様々なものがあり、どういったものが受け入れられるか研究が必要なこと
がわかった。その上で、Java サーブレットなどを使い Web アプリケーションを作成した。
苦労したことは従来の 2つの診断ツールをシステムの中でどのようなバランスで組み込み、
1つのシステムとして完成させるかであった。
今後の課題として、ユーザーインタフェースをさらに使いやすくし、他診断ツールとの
拡張性を高め、今まで以上に使いやすい診断ツールを作りたいと考えている。さらに制作
サイド側にも作りやすくするため、テンプレートサイトなどの制作も検討している。
参考文献
[1] http://www.softbankhc.co.jp/press/release/fy2007/20071031/100000.HTML
[2] http://www.softbankhc.co.jp/press/release/fy2007/20071031/100000.HTML
[3] http://shindanmaker.com/
[4] http://www.sinritest.com/occhome.htm
[5] http://msugai.fc2web.com/java/app/history.html
[6] さくら美月「自分に出会う 44 の心理テスト - もっと素敵になるための」発行所:成美
堂,2001
[7] 津田秀樹「本物の心理テスト」発行所:洋泉社出版,2005
[8] 松原達哉「心理テスト法入門」発行所:日本科学文化社,2002
謝辞
授業でプログラミングを教えて頂いた市川隆男先生に感謝します。本論文の査
読及びアドバイスして頂いた尾花 将輝氏に感謝いたします。卒論のアドバイス、
相談を頂いた花川ゼミ生 室屋貴則氏、西川裕平氏、福本昌生氏、筒井亮氏、山岡
大介氏に感謝の意を表します。卒業論文を作製するにあたり資料の貸出をおこな
って頂き、図書室の教職員の方々には感謝の言葉を申し上げます。卒業論文を制
作していくにあたりアンケートに協力して頂いた作成阪南大学経営情報学部経営
情報学科 藤直也氏、小林知和氏、門脇崇一郎氏、杉田拓也氏、源川浩之氏に感謝
いたします。そして、最後に卒業論文を制作していくにあたり、忙しい中丁寧か
28
つ、熱心なご指導、そしてさまざまなご指摘を下さいました花川典子先生に深く
感謝します。