理論化学正誤問題 解答 - 勉強ちゃんねる(16)18 族の原子は,...

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勉強ちゃんねる 理論化学 正誤問題 (解答) 1 物質の構成 1)原子核に陽子を含まない原子もある。 × 陽子数=原子番号で, 陽子は必ず含む 2)原子は, 原子核と電子からできている。 原子は, 陽子と中性子からなる原子核と電子からできている。 3)原子の大きさは, 原子核の大きさにほぼ等しい。 × 原子の直径は約 10 10 [m], 原子核の直径は約 10 15 10 14 [m] 4)原子の質量は, 原子核の質量にほぼ等しい。 電子 1 個の質量は, 陽子, 中性子 1 個の質量の 1/1840 5)水素原子の大きさは, 10 10 [m] である 。 6)水素原子 1 H , 電子を失うと陽子になる 。 1 H は陽子 1 個と電子 1 個で構成されているので, 電子を失うと陽子になる 7)水素原子の大きさは, 陽子の大きさとほぼ等しい。 × 水素原子の大きさは電子も含むので, 陽子の大きさよりはるかに大きい 1

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理論化学 正誤問題 (解答)

1 物質の構成(1)原子核に陽子を含まない原子もある。

× 陽子数=原子番号で,陽子は必ず含む

(2)原子は,原子核と電子からできている。

○ 原子は,陽子と中性子からなる原子核と電子からできている。

(3)原子の大きさは,原子核の大きさにほぼ等しい。

× 原子の直径は約 10-10 [m],原子核の直径は約 10-15〜10-14 [m]

(4)原子の質量は,原子核の質量にほぼ等しい。

○ 電子 1個の質量は,陽子,中性子 1個の質量の 1/1840

(5)水素原子の大きさは,約 10-10 [m]である 。

○ 

(6)水素原子 1Hは,電子を失うと陽子になる 。

○  1Hは陽子 1個と電子 1個で構成されているので,電子を失うと陽子になる

(7)水素原子の大きさは,陽子の大きさとほぼ等しい。

× 水素原子の大きさは電子も含むので,陽子の大きさよりはるかに大きい

1

(8)自然界に存在するすべての原子の原子核は,陽子と中性子からできている。

×  1Hには中性子は存在しない

(9)元素の原子番号は,陽子数と中性子数の和である。

× 質量数が陽子数と中性子数の和

(10)原子量が整数にならないのは,同素体が存在するからである。

× 同位体が存在するからなどの理由により,原子量は整数にならない

(11)中性子の数が等しく,陽子数の異なる原子を,互いに同位体という。

× 同位体は陽子数が等しく,中性子数の異なる原子

(12)ヘリウムの原子核の質量は,ヘリウム原子の質量の約半分である。

× 原子核の質量は,原子の質量の大半を占める

(13)ヘリウム原子の電子はM殻に入っている。

× ヘリウム原子の電子は K殻にのみ存在

(14)現在の周期表では,原子は原子量の順に並べられている。

× 現在の周期表は原子番号順

(15)相対質量とは,質量数 1の水素原子を基準とした,相対的な質量である。

×  12C を基準とする相対的な質量が相対質量

2

(16)18族の原子は,価電子を持たない。

○  18族 (希ガス)は価電子は 0個,最外殻電子は Heは 2個,他は 8個

(17)12C と 13C の原子は,同じ電子配置をもつ。

○  Cは K殻 2個, L殻 4個の電子配置

(18)1H原子 と 12C の質量の比は,厳密に 1:12である。

× 陽子と中性子の質量差や質量欠損などの影響により,厳密に 1:12ではない

(19)炭素の原子量は 12と定義されている。

×  12C =12が定義  13C, 14Cも存在するので,原子量は 12より大きい

(20)同位体が存在しない元素では,原子量は原子の相対質量と一致する。

○ 原子量=相対質量 ×存在比の和 なので同位体が存在しない元素では存在比が 1となり,

原子量は原子の相対質量と一致する

(21)地球上の物質には,放射性同位体を含むものがある。

○  14Cなどは放射性同位体

(22)塩酸は化合物である。

× 塩化水素は化合物であるが,塩酸は塩化水素と水の混合物

(23)ドライアイスは純物質である。

○ ドライアイスは純物質の中の化合物である

3

(24)互いに同素体である酸素とオゾンからなる気体は純物質である。

×  O2 と O3 は異なる純物質なので混合物

(25)ろ紙を用いて海水をろ過すると,純水が得られる。

× イオンはろ紙を通るので,海水はそのままろ紙を通過する

(26)ヨウ素と塩化ナトリウムの混合物から,昇華を利用して,ヨウ素を取り出すことができる。

○ ヨウ素,ナフタレンなどは昇華法により分離できる

(27)液体空気を分留して,酸素と窒素をそれぞれ取り出すことができる。

○ 窒素の沸点は −196◦C,酸素の沸点は −183◦C で,沸点の違いにより分留で分離できる

(28)インクに含まれる複数の色素を,クロマトグラフィーによりそれぞれ分離することができる。

○ クロマトグラフィーは毛細管現象でろ紙片を上昇するのに伴い,色素などを分離する

方法

(29)大豆中の油脂を,ヘキサンなどの有機溶媒で抽出して取り出すことができる。

○ 油脂は極性が小さく,有機溶媒に溶けるので,抽出できる

(30)水素と重水素は,互いに同素体である。

× 水素 1H,重水素 2H,三重水素 3H は同位体の関係にある

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2 化学結合(1)ダイヤモンドの融点にくらべて,塩化ナトリウムの融点の方が高い。

× 融点:共有結合結晶 >イオン結晶 >分子結晶

(2)極性分子の結晶は,電気をよく導く。

× 分子結晶は基本的に電気を通さない

電気を通す結晶は,金属結晶と黒鉛

(3)二酸化ケイ素の結晶は,分子として存在し,融点は低い。

× 二酸化ケイ素の結晶は共有結合結晶で,融点は非常に高い

(4)二酸化ケイ素の結晶では,それぞれのケイ素原子が, 2個の酸素原子と共有結合している。

× 二酸化ケイ素の結晶は正四面体形で,ケイ素原子は 4個の酸素原子と結合

(5)イオン結晶の固体は,一般に電気をよく通す。

× イオン結晶の固体は電気をよく通さず,水溶液にするか融解すると電気を通す

(6)原子から電子を取り去って, 1価の陽イオンにするのに必要なエネルギーを, (第一)イオン化エネ

ルギーという。

○  (第一)イオン化エネルギーの定義

(7)原子が電子を受け取って, 1価の陰イオンになるときに放出されるエネルギーを電子親和力という。

○ 電子親和力の定義

5

(8)(第一)イオン化エネルギーの小さい原子ほど,陽イオンになりやすい。

○ イオン化エネルギーの小さい原子ほど,陽イオンになりやすい

(9)電子親和力の小さい原子ほど,陰イオンになりやすい。

× 電子親和力の大きい原子ほど,陰イオンになりやすい

(10)マグネシウムイオンの大きさは,ナトリウムイオンに比べて小さい。

○ 同じ電子配置を持つイオンは,原子番号が大きく陽子数が多いほど,電子を強く引きつける

ので,イオン半径は小さい

(11)共有結合からなる分子では,電気陰性度の小さい原子は,電子をより強く引きつける。

× 電気陰性度の大きい原子が,電子をより強く引きつける

(12)同種の原子からなる二原子分子は,極性をもつ。

× 同種の原子からなる二原子分子 (H2)などは無極性分子

異種の原子からなる二原子分子は極性分子

(13)二酸化炭素分子が無極性分子であるのは, C=O結合に極性がないからである。

×  C=O結合に極性はあるが,直線形で極性が打ち消されるため無極性分子である

(14)硫化水素の分子は,極性をもたない。

×  16族の水素化合物は折れ線形で極性分子

(15)塩化水素の分子は,イオン結合でできている。

× 非金属同士は共有結合

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(16)オキソニウムイオンは,水分子と水素イオンが配位結合しているため,非共有電子対をもたない。

× オキソニウムイオンは水の 2個の非共有電子対のうち 1個に H+ が配位結合するので,

1個の非共有電子対をもつ

(17)無極性分子であるフッ素の沸点は,極性分子であるフッ化水素の沸点より低い。

○ 極性分子の方が無極性分子より分子間力が強く,沸点融点が高い

(18)C-H, N-H, O-H, および F-H 結合のなかで,極性の一番大きな結合は O-H結合である。

×  Fは電気陰性度が最大なので, F-H 結合の極性が一番大きい

(19)メタン分子は,炭素原子のまわりに水素原子が正方形に結合している。

× メタン分子は正四面体形

(20)アンモニウムイオンの 4つの N-H結合の性質は,互いに区別できない。

○ アンモニアに水素イオンが配位結合するが,ただちに区別できなくなる

(21)ダイヤモンドでは,炭素原子が共有結合でつながっている。

○ ダイヤモンドは非金属で炭素原子が共有結合

(22)金属ナトリウムでは,ナトリウム原子の価電子は,金属全体を自由に動くことができない。

× 自由電子は金属全体を自由に動くことができる

(23)1個の水分子は,隣接する水分子 4個と水素結合をつくることができる。

○ 水分子の酸素原子が他の水分子 2個の水素原子と,水素原子が他の水分子 1個の酸素原子と

水素結合をつくる

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(24)メタン分子の間の分子間力は,水分子の間の水素結合の強さよりも強い。

× 一般に,水素結合はファンデルワールス力より強い

(25)直鎖飽和炭化水素の炭素鎖が長くなると,分子間力が強くなる。

○ 炭素鎖が長くなると,分子量が大きくなり,分子間力が強くなる

(26)黒鉛の結晶では,ファンデルワールス力による結合は存在しない。

× 黒鉛の層と層の間はファンデルワールス力で結合

(27)黒鉛では,炭素原子がまわりの 4個の炭素原子と共有結合している。

× 黒鉛は正六角形の層状で, 3個の炭素原子と共有結合

(28)イオン結晶は,陽イオンと陰イオンからなるが,水に溶けにくいものもある。

○  AgClなど水に溶けにくいものもある

(29)イオン結晶に含まれる陽イオンの数と陰イオンの数は,必ず等しい。

× イオンの価数により,等しいとは限らない

例えば, CaCl2 では Ca2+ と Cl- の個数は 1:2

(30)ナフタレンは分子結晶であり,ナフタレン分子が互いに共有結合で結びついている。

× 分子と分子の間は分子間力で結びついている

(31)金属が展性 ·延性を示すのは,原子どうしが自由電子によって結合しているからである。

○ 展性 ·延性を示すのは自由電子のはたらきによる

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(32)面心立方格子では,一つの粒子に最も接近している他の粒子が 6個ある。

× 面心立方格子と六方最密構造の配位数は 12

(33)面心立方格子の単位格子内には, 4個分の粒子が含まれる。

○ 単位格子内の粒子数は,面心立方格子が 4個,

体心立方格子と六方最密構造は 2個

(34)面心立方格子と体心立方格子は,ともに単位格子の中心に隙間がない。

× 面心立方格子の単位格子の中心には隙間がある

(35)面心立方格子は,同じ大きさの球を最も密に詰め込んだ構造である。

○ 面心立方格子と六方最密構造は最密充填構造

(36)塩化ナトリウムの結晶では,それぞれのナトリウムイオンに隣接して 8個の塩化物イオンが配列し

ている。

×  NaCl型のイオン結晶の格子は Na+ に 6個の Cl- が隣接していて,

CsCl型のイオン結晶の格子は Cs+ に 8個の Cl- が隣接している

(37)プルーストは「2種の元素 Aと Bが化合して複数の化合物をつくるとき,一定量の Aと化合する

Bの質量には,簡単な整数比が成り立つ」という,定比例の法則を発見した。

× 「2種の元素 Aと Bが化合して複数の化合物をつくるとき,一定量の Aと化合する Bの質量

には,簡単な整数比が成り立つ」 のはドルトンが発見した倍数比例の法則

(38)ドルトンは倍数比例の法則を発見するとともに,原子説も発表した。

○ 原子説はドルトン,分子説はアボガドロは発表した

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3 熱化学(1)燃焼熱は必ず正の値となる。

○ 燃焼熱と中和熱は必ず正

(2)生成熱は必ず正の値となる。

× アルケンやアルキンなどの生成熱は負

(3)溶解熱は必ず正の値となる。

× 固体の塩の溶解熱は負のものが多い

(4)一定量の固体が融解して液体となるときに発生する熱量を,融解熱と呼ぶ。

× 融解熱は固体が液体となるときに吸収する熱量

(5)蒸発は発熱反応である。

× 蒸発,融解は吸熱反応

(6)反応物のもつエネルギーの総和が, 生成物のもつエネルギーの総和より大きい反応は, 発熱反応で

ある。

○ 

(7)CO2 の生成熱を X [kJ/mol], COの生成熱を Y [kJ/mol]としたときの, COの燃焼熱は, X- Y

[kJ/mol]である。

○  C(黒鉛) + O2(気) = CO2(気) + X , C(黒鉛) + 12O2(気) = CO(気) + Y

より, CO(気) + 12O2(気) = CO2(気) + X- Y

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(8)25◦CのH2O(液)が 25◦CのH2O(気)になるときの蒸発熱は, 0◦CのH2O(固)が 0◦CのH2O(液)

になるときの融解熱より,その熱量は小さい。

× 一般に,蒸発熱は融解熱よりも大きい

(9)ジエチルエーテルの蒸発熱は 27 [kJ/mol]である。したがって, 1 [mol]のジエチルエーテルの気体

が凝縮するとき, 27 [kJ]の熱が放出される。

○ 気体が凝縮するときは熱が放出される

(10)気体の水の生成熱の値は,液体の水の生成熱の値より大きい。

× 気体の水の生成熱の値は,液体の水の生成熱の値より蒸発熱の分だけ小さい

(11)NaOH(固) + aq = NaOHaq + 48 [kJ] より, NaOHの融解熱は 48 [kJ/mol]である。

× 大量の水 (aq)に溶解するとき出入りする熱量は溶解熱

(12)希硫酸と水酸化ナトリウム水溶液の中和熱は, 57 [kJ/mol]であるので,硫酸 1 [mol]を含む希硫酸

に十分な量の水酸化ナトリウム水溶液を加えると, 57 [kJ]の熱が発生する。

× 中和熱は水 1 [mol]が生成するときに発生する熱量なので, 2価の酸である硫酸 1 [mol]では

114 [kJ]の熱が発生する

(13)Al の燃焼熱の値は 840 [kJ/mol] である。したがって, Al2O3 の生成熱の値は, 840 [kJ/mol] で

ある。

×  Al + 34O2 = 1

2Al2O3 + 840 [kJ] より, Al2O3 の生成熱の値は 1680 [kJ]

(14)エタンの生成熱の値は正,エチレンの生成熱の値は負である。したがってエチレンに, H2 が付加し

てエタンが生成する反応は,発熱反応である。

○  Q1, Q2 >0 とすると, 2C(黒鉛) + 3H2 = C2H6 + Q1

2C(黒鉛) + 2H2 = C2H4− Q2 より C2H4 + H2 = C2H6 + Q1 + Q2

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4 酸塩基(1)ブレンステッドの定義では,水は酸にも塩基にもなりうる。

○ 相手が塩基なら水は酸,相手が酸なら水は塩基となる

(2)ブレンステッドの定義によれば,酸塩基反応では電子の授受が行われる。

× ブレンステッドの定義は,水素イオンの授受で,水素イオンを与えるものが酸,

受け取るものが塩基

(3)ある反応において, アレニウスの定義では酸となる物質が, ブレンステッドの定義では塩基となる

こともある。

× アレニウスの定義では定義されず,ブレンステッドの定義では定義されることはあるが,

酸と塩基が逆転することはない。

(4)炭酸水素イオンは, 2価の陰イオンである。

× 炭酸水素イオン HCO3- は 1価の陰イオン

(5)塩化水素を水に溶かすと,オキソニウムイオンが生成する。

○ 水溶液中の水素イオンは,ただちに水と配位結合し,オキソニウムイオンが生成する

HCl + H2O → H3O+ + Cl-

(6)濃いアンモニア水の中では,アンモニアの大部分がアンモニウムイオンとなっている。

×  NH3 + H2O ⇀↽ NH4+ + OH- の平衡が左にかたよるので,大部分がアンモニア分子と

なっている

(7)塩の希薄水溶液が酸性でも,温度が一定ならば水のイオン積は,常に一定である。

○  25◦Cでは Kw = 1.0×10-14 [(mol/L)2]で一定

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(8)臭化水素酸 (臭化水素の水溶液)は強酸である。

○ ハロゲン化水素はフッ化水素酸以外は強酸

(9)次亜塩素酸は,塩素のオキソ酸の中で最も強い酸である。

× 酸素が多いほど酸性が強くなるので,塩素のオキソ酸の中では過塩素酸 HClO4 が最も強い酸

(10)希硫酸の電離度は希塩酸の電離度の 2倍である。

× 強酸の電離度は約 1なので,希硫酸の電離度と希塩酸の電離度はほぼ等しい

(11)0.010 [mol/L]の硫酸中の水素イオン濃度は, 0.010 [mol/L]である。

× 硫酸は 2価の強酸なので,水素イオン濃度は 0.020 [mol/L]

(12)0.1 [mol/L]の酢酸水溶液は,同じ濃度の塩酸より電気を通しやすい。

× 酢酸は弱酸なので強酸より電気を通しにくい

(13)1.0×10-4 [mol/L]の塩酸を水で 104 倍に薄めると, pHは 8になる。

×  pHは 7に近づく

(14)pH11の水酸化ナトリウム水溶液を,水で 10倍にうすめた水溶液の pHは 12である。

×  pHは 10になる

(15)0.010 [mol/L]の硫酸の pHは,同じ濃度の硝酸の pHより大きい。

×  2価の強酸である硫酸の方が水素イオン濃度は大きく, pHは小さくなる

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(16)純水の温度を高くすると,純水中の水素イオン濃度が増加して,純水は酸性を示すようになる。

×  pHは 7より小さくなるが,純水は [H+]=[OH-]なので中性

(17)pH2の塩酸と, pH4の塩酸を同体積ずつ混合すると,その溶液の pHは 3となる。

× この混合液では, [H+]= 0.010+0.000102 = 5.05×10-3 となるので pHは 3ではない

(18)同じ pHの酢酸水溶液と塩酸を比べたとき,塩酸の方がモル濃度が大きい。

× 酢酸は弱酸なので強酸の塩酸と同じ pHになるには,酢酸の方を濃くする必要がある

(19)pHが負の水溶液も存在する。

○  [H+]が 1.0 [mol/L]より大きい水溶液では, pHは負となる

(20)水溶液中での,酢酸の電離度は,その濃度が小さくなるにつれて,小さくなる。

× α =√

Ka

C より濃度が小さいと電離度は大きくなる

(21)同じモル濃度の酸において,価数が大きいほど酸性も強くなる。

× 酸の強弱と価数は無関係

(22)酸の陰イオンと塩基の陽イオンからなる化合物は塩である。

○ 塩の定義

(23)水溶液が塩基性の塩を,塩基性塩という。

× 化学式に塩基の OHが残った塩が塩基性塩

CH3COONaの水溶液は塩基性であるが,塩の種類は正塩

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(24)塩を構成する陽イオンは,すべて金属元素からなる。

× アンモニウムイオン (NH4+) など非金属元素からなる陽イオンも塩を構成する

(25)炭酸水素ナトリウムは,酸性塩であるので,その水溶液は,酸性を示す。

× 酸性塩だが,水溶液は弱酸と強塩基の塩なので塩基性を示す

(26)硫酸水素ナトリウムは,強酸と強塩基でできた塩であるので,その水溶液は,中性を示す。

× 強酸と強塩基からなる酸性塩の水溶液は酸性を示す

(27)強酸と強塩基から生じた塩は,必ず加水分解する。

× 加水分解するのは弱酸の陰イオンと弱塩基の陽イオン

(28)強酸と弱塩基からなる正塩は,水中で加水分解しない。

× 弱塩基の陽イオンを含むので水中で加水分解する

(29)水酸化バリウム水溶液に希硫酸を加えていくと沈殿が生じ,中和点では水に溶けているイオンの濃

度が最小になる。

○ 硫酸バリウムは水に溶けないので,中和点ではイオンの濃度が最小になる

(30)2価の酸で 1価の塩基を中和してできる塩の水溶液の pHは,必ず 7より小さい。

× 酸,塩基の強弱により, 2価の弱酸で 1価の強塩基を中和してできる塩の水溶液の pHは 7より

大きい

(31)塩化アンモニウムは酸性塩である。

× 塩化アンモニウムは水溶液は酸性を示すが,塩の種類は正塩

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(32)ホールピペットは,純水で洗ってそのまま使用する。

× ホールピペットは,濃度を変えたくないので共洗いしてから使用

(33)メスフラスコは,純水で洗ってそのまま使用する。

○ メスフラスコは,物質量を変えたくないので純水で洗ってそのまま使用

(34)ビュレットは,純水で洗ってそのまま使用する。

× ビュレットは,濃度を変えたくないので共洗いしてから使用

(35)コニカルビーカーは,物質量を変えたくないので純水で洗ってそのまま使用する。

○ 物質量を変えたくないので純水で洗ってそのまま使用

(36)正確な濃度の酸の水溶液を調整するには,メスシリンダーを用いる。

× 濃度調整にはメスフラスコを用いる

(37)酢酸を水酸化ナトリウム水溶液で滴定する場合, その指示薬は, メチルオレンジでもフェノールフ

タレインでもよい。

× 弱酸,強塩基の滴定では,指示薬はフェノールフタレイン

(38)1価の強酸を, 1価の弱塩基で中和するとき,必要な弱塩基の物質量は強酸の物質量より多い。

×  1価の酸を, 1価の塩基で中和するとき,必要な塩基の物質量は酸,塩基の強弱にかかわらず

等しい

(39)酢酸水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えると,溶液中の酢酸イオンの濃度が減少する。

× 酢酸は弱酸で電離度が小さいが, NaOHを加えて生じた酢酸ナトリウムはほぼ完全に電離

するので,酢酸イオンの濃度は増加する

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(40)中和反応の終点の pHは, 7でない場合がある。

○ 弱酸,強塩基の中和では pHは 7より大きく,強酸,弱塩基では 7より小さい

(41)希硫酸にアンモニアを吸収させ, 残った希硫酸を水酸化ナトリウム水溶液で滴定するときには, 指

示薬はフェノールフタレインを用いる。

× 滴定終了時に,硫酸アンモニウム (酸性)と硫酸ナトリウム (中性)の混合物になっているので,

メチルオレンジ (メチルレッド)を用いる

(42)炭酸ナトリウム水溶液を希塩酸で滴定するとき,指示薬にメチルオレンジを用いたときの滴定量は,

指示薬にフェノールフタレインを用いたときの滴定量の約 2倍である。

○ フェノールフタレインでは Na2CO3 + HCl → NaHCO3 + NaCl

メチルオレンジではさらに NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2

の反応が起こる

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5 酸化還元(1)ある原子や分子が,電子を受け取ったとき,その物質は酸化されたという。

× 電子を受け取ると還元

(2)二酸化硫黄と硫化水素とが反応して, 硫黄を生じる反応において, 二酸化硫黄は還元剤として働い

ている。

×  SO2 + 2H2S → 3S + 2H2O の反応で SO2 は酸化剤

(3)塩素酸カリウムに酸化マンガン (IV)を加え,加熱して酸素を発生させる反応では,反応の前後でマ

ンガンの酸化数は変化しない。

○  2KClO3 → 2KCl + 3O2 の反応において,酸化マンガン (IV)は触媒としてはたらき,酸化数

は変化しない

(4)酸性の強い物質は,酸化力が強いとは限らない。

○ 酸の強さと,酸化力の強さは無関係

(5)ナトリウムと水の反応では,ナトリウムが酸化される。

○  2Na + 2H2O → 2NaOH + H2 の反応により,ナトリウムが酸化される

(6)銅 (II)イオンを含む水溶液に,銀を浸すと,銅が析出する。

× イオン化傾向が Agより Cuの方が大きいので,反応しない

(7)フッ素は酸化数 +Iの化合物も存在する。

× フッ素は電気陰性度が最大なので,化合物の酸化数は −1のみ

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(8)過酸化水素は, 反応する相手の物質によって, 酸化剤として働くことも, 還元剤として働くことも

ある。

○ 過酸化水素と二酸化硫黄は,相手によって酸化剤にも還元剤にもなりうる

(9)硫酸酸性の過酸化水素水にヨウ化ナトリウム水溶液を加え反応させたとき,反応後の pHの値は反

応前より大きくなる。

○  2I- → I2 + 2e-

H2O2 + 2H+ + 2e- → 2H2O の反応により,

H+ が消費されるので pHは大きくなる

(10)亜鉛が希塩酸と反応して水素を発生するのは,水素のイオン化傾向が亜鉛より大きいからである。

× 水素のイオン化傾向が亜鉛より小さいから反応する

(11)銀と濃塩酸を反応させると,水素が発生する。

× 銀は塩酸には溶けない

(12)銅に濃硫酸を加え加熱すると,水素が発生する。

× 二酸化硫黄が発生する

(13)スズめっきした鉄板 (ブリキ)では,表面のスズの一部がはがれても,内部の鉄板はさびにくい。

× 亜鉛めっきした鉄板 (トタン)では鉄はさびにくくなるが,ブリキではさびやすい

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6 電池電気分解(1)電池の正極では,放電時に酸化反応が起こる。

× 正極の放電時は還元反応

(2)希硫酸に浸した銅板と亜鉛板を導線でつなぐと,電子は銅板から導線を通って亜鉛板へ移動する。

× 電子は亜鉛板から銅板へ移動する

(3)ダニエル電池を放電すると,電解液中では,素焼き板を通して,正極側から負極側へ,硫酸イオンが

移動する。

○ 負極側から正極側へは亜鉛イオンが移動

(4)ダニエル電池の正極では,銅 (II)イオンが還元される。

○  Cu2+ + 2e- → Cu

(5)ダニエル電池を放電したとき,正極と負極の質量の和は常に一定である。

× 物質量の和は一定だが原子量が異なるので,質量の和は一定でない

(6)ダニエル電池の起電力を大きくするには, 正極側の硫酸銅水溶液の濃度を小さく, 負極側の硫酸亜

鉛水溶液の濃度を大きくすればよい。

× 硫酸銅水溶液の濃度を大きく,硫酸亜鉛水溶液の濃度を小さくする

(7)マンガン乾電池では,正極に酸化マンガン (IV)が,負極に炭素が用いられる。

× 正極は酸化マンガン (IV)だが,負極は亜鉛

炭素は正極端子に用いられる

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(8)マンガン乾電池で放電が起こると,負極の亜鉛は酸化される。

○  Zn → Zn2+ + 2e-  の反応により,酸化される

(9)鉛蓄電池もマンガン乾電池も,放電,充電を繰り返し使用できる。

× マンガン乾電池は一次電池で充電できない

(10)鉛蓄電池を放電すると,負極の質量は減少し,正極の質量は増加する。

× 両極とも硫酸鉛 (II)が生成し,質量は増加する

(11)鉛蓄電池を充電すると,電解液中の硫酸の濃度が増加する。

○ 鉛蓄電池を放電すると,硫酸の濃度が減少し,充電すると濃度は増加する

(12)鉛蓄電池を充電するには,鉛蓄電池の正極を,外部電源の負極に接続する。

× 充電するときは,鉛蓄電池の正極は外部電源の正極に接続する

(13)水素は,還元剤として働く性質を持ち,燃料電池の正極で用いられる。

× 燃料電池は水素が負極活物質,酸素が正極活物質

(14)電解液としてリン酸水溶液を用いた燃料電池では,正極に水が生成する。

○  O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O の反応により,水が生成する

(15)リチウム電池の電解液の溶媒には,水を用いる。

× リチウムは水と激しく反応するので,電解液には有機溶媒を用いる

21

(16)太陽電池は,熱エネルギーを電気エネルギーに変換して,起電力を生じる。

× 太陽電池は,光エネルギーを電気エネルギーに変換する

(17)電気分解では,陽極で酸化反応が起こる。

○ 電気分解では,陽極で電子を放出し,酸化反応が起こる

(18)白金電極を用いて,硝酸銀水溶液を電気分解すると,陽極では二酸化窒素が発生する。

×  2H2O → O2 + 4H+ + 4e- の反応により,酸素が発生

(19)白金電極を用いて, 水酸化ナトリウム水溶液を電気分解すると, 水溶液中の水酸化ナトリウムの物

質量は減少する。

×  (陰極) 2H2O + 2e- → H2 + 2OH-

(陽極) 4OH- → O2 + 2H2O + 4e-

まとめると, 2H2O → 2H2 + O2 となり, NaOHの物質量は変化しない

(20)食塩水を電気分解すると,塩化ナトリウムを取り出すことができる。

× 食塩水を電気分解すると,水酸化ナトリウム水溶液が生じる

(21)白金電極を用いて,ヨウ化カリウム水溶液を電気分解すると,陰極の周辺の溶液が褐色になる。

× 陽極で,  2I- → I2 + 2e- の反応が起こり,周辺の溶液が褐色になる

(22)銅電極を用いて,硫酸銅 (II)水溶液を電気分解すると,陽極では酸素が発生する。

× 銅電極を用いると,陽極では銅電極が溶け出す  Cu → Cu2+ + 2e-

22

(23)白金電極を用いて,塩化銅 (II)水溶液を電気分解すると,陽極から刺激臭をもつ気体が発生する。

○  2Cl- → Cl2 + 2e- の反応により,刺激臭をもつ塩素が発生する

(24)融解した塩化ナトリウムを電気分解すると,陽極に金属ナトリウムが生じる。

× 陰極に金属ナトリウムが生じる  Na+ + e- → Na

(25)炭素電極を用いて,酸化アルミニウムを融解塩電解すると,陽極の炭素が消費される。

○  C + O2- → CO + 2e-

C + 2O2- → CO2 + 4e- の 2通りの反応により,炭素が消費される

23

7 物質の三態(1)蒸気圧が一定の密閉容器内では,液体の表面から飛び出した分子は再び液体中に戻らない。

× 密閉容器内では,液体は絶えず,蒸発,凝縮を繰り返している (気液平衡)

(2)水の沸点は,外圧が変化しても一定である。

× 外圧が高くなると,沸点は高くなる

(3)水の飽和蒸気圧は,空気が共存しても変化しない。

○ 飽和蒸気圧は温度にのみ依存するので,空気が共存しても変化しない

(4)0◦Cにおいて液体の水に 1.0×105 [Pa]以上の圧力を加えると,水は凝固する。

× 液体のままで凝固しない

(5)固体が融解すると,密度は必ず小さくなる。

× 水など,固体よりも液体のほうが密度が大きい物質も存在する

(6)密閉容器内で,水蒸気が飽和している気体を温度一定で圧縮すると,水蒸気の凝縮が起こる。

○ 圧縮すると圧力が大きくなるので,飽和水蒸気圧を超えた分が凝縮する

(7)物質を加熱して固体から液体, 気体へと変化させるとき, 一般に融点において吸収される熱エネル

ギーは沸点において吸収される熱エネルギーよりも大きい。

× 一般に,蒸発熱は融解熱よりも大きい

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(8)同じ温度では,分子間力が大きい物質ほど,蒸気圧が高い。

× 分子間力が大きい物質ほど蒸気圧が低く,沸点は高い

(9)沸点における飽和蒸気圧は大気圧と等しい。

○ 飽和蒸気圧が大気圧と等しくなる温度が沸点

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8 気体(1)0 [◦C], 3.0×105 [Pa]で体積が 6 [L]を占める理想気体を, 273 [◦C], 6.0×105 [Pa]にすると,体積

は 3 [L]になる。

× 3.0× 105 · 6

273=

6.0× 105 · x273 + 273

より x=6L

(2)0 [◦C], 3.0×105 [Pa]で体積が 6 [L]を占める理想気体を,圧力を 3.0×105 [Pa]に保って,温度を t

[◦C]に上げると,体積ははじめより6

273t [L]増加する。

○ 3.0× 105 · 6

273=

3.0× 105 · xt+ 273

より x= 6 +6

273t

(3)理想気体の分子には,大きさはないが質量はある。

○ 理想気体は分子の大きさと分子間力を 0とした気体で,質量は 0ではない

(4)実在気体は高温,低圧では理想気体に近づく。

○ 高温にすると分子の熱運動が激しくなり,分子間力の影響が無視でき,低圧にすると

気体の体積が大きくなり分子の体積が無視できるため理想気体に近づく

(5)実在気体を低圧にするほど理想気体に近づくのは,分子間の引力の影響が大きくなるからである。

× 低圧にすると,分子間の引力の影響が小さくなるから,理想気体に近づく

(6)一般に,極性が大きい気体ほど,理想気体からのずれは大きい。

○ 極性が大きいと分子間力が強くはたらき,理想気体からのずれは大きくなる

(7)一般に,分子量が小さい気体ほど,理想気体からのずれは大きい。

× 分子量が小さい気体ほど分子間力が小さく,理想気体からのずれは小さい

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9 溶液(1)固体の溶解度は,温度が高くなるほど,大きくなることが多い。

○  Ca(OH)2 や Na2SO4 などの例外はあるが,一般に温度が高いほど,固体の溶解度は大きく

なる

(2)気体の溶解度は,温度が低くなるほど,小さくなることが多い。

× 温度が高くなるほど気体の熱運動が激しくなり,気体の溶解度は必ず小さくなる

(3)水和したナトリウムイオンでは, 水分子を構成する酸素原子が, ナトリウムイオンと結びついて

いる。

○ 陽イオンには水分子の電気陰性度の大きい酸素原子が,陰イオンには水素原子が水和する

(4)イオン結晶は,無極性の溶媒には溶けにくい。

○ イオン結晶は極性物質なので,無極性の溶媒には溶けにくい

(5)ある温度で一定量の液体に溶ける気体の体積は,圧力に比例する。

× 体積は圧力によらず一定,物質量 (質量)は圧力に比例

(6)同じモル濃度の塩化ナトリウム希薄水溶液と,グルコース希薄水溶液の浸透圧は等しい。

× 塩化ナトリウムは電解質なので,浸透圧は約 2倍になる

(7)希薄なナフタレンのベンゼン溶液をゆっくり冷却した場合, 溶媒が凝固し始めると, 溶液の温度は

一定になる。

× 溶媒だけが凝固し,溶液の濃度が大きくなるため温度は徐々に下がる

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(8)スクロース水溶液の沸点は,水の沸点よりも低い。

× 沸点上昇により,溶液の沸点は純溶媒の沸点よりも高い

(9)海水は純水よりも沸点が高いので,海水の方が同温の純水よりも蒸気圧が高い。

× 海水では蒸気圧降下が起こり,蒸気圧は低くなる

(10)純水と薄いタンパク質水溶液を半透膜で仕切り, 液面の高さをそろえると, タンパク質側に水が移

動する。

○ 濃度の小さい方から大きい方に溶媒分子が浸透する

(11)薄いデンプン水溶液の浸透圧は,デンプン濃度に比例する。

○  Π=CRT より,浸透圧は溶液のモル濃度に比例する

(12)薄いデンプン水溶液の浸透圧は,溶液の温度によらない。

×  Π=CRT より,浸透圧は絶対温度に比例する

(13)海水に圧力をかけて半透膜を通すことにより,海水を淡水化できる。

○ 溶媒だけを通す半透膜により,淡水化できる

(14)赤血球を純水に入れると,細胞膜が半透膜としてはたらき,水分を失って縮む。

× 赤血球を純水に入れると,水を取り込んで膨らみ,破裂 (溶血)する

(15)塩化ナトリウム水溶液のほうが,同じ質量モル濃度の尿素水溶液より凝固点が高い。

× 塩化ナトリウムは電解質なので,粒子の質量モル濃度が約 2倍になるため,凝固点降下度が

大きくなり,凝固点は低くなる

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(16)浸透圧は,高分子化合物の分子量の測定に利用される。

○ 沸点上昇や凝固点降下は,高分子化合物の分子量の測定には誤差が大きくなり利用されない

(17)流動性を示す液体状のコロイド溶液をゾル,流動性を失って固体状となったものをゲルという。

○ 

(18)コロイド溶液を限外顕微鏡で観察すると,静止しているコロイド粒子がみえる。

× ブラウン運動しているコロイド粒子がみえる

(19)水酸化鉄 (III)のコロイド溶液に,電極を入れて直流電圧をかけると,コロイド粒子は陰極側に移動

する。

○ 水酸化鉄 (III)溶液は正コロイドなので,電気泳動すると陰極側に移動する

(20)タンパク質の一つであるアルブミンを,水に溶かした溶液は,疎水コロイド溶液である。

× 一般に,有機化合物のコロイド溶液は親水コロイドである

(21)コロイド粒子に光を当てると,コロイド粒子が分解して白く光る。

× コロイド粒子が光を乱反射して光り,分解はしない

(22)コロイド粒子より小さい分子やイオンは,透析によって除くことができる。

○ コロイド粒子はセロハン膜を通らないので,透析によって除くことができる

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(23)泥水がミョウバンによって浄化されるのは,主として凝析現象による。

○ 泥水は疎水コロイドなので電解質を加えると凝析する

(24)硫黄のコロイド粒子は負の電荷を帯びているので,これを凝析させるには, 同じ物質量の硫酸ナト

リウムより塩化アルミニウムを加えるほうが有効である。

○ 負コロイドは,加える電解質の陽イオンの価数が大きいほど,凝析しやすい

(25)疎水コロイド溶液に親水コロイド溶液を加えると, コロイド粒子どうしが結合して, 凝析しやすく

なる。

× 疎水コロイドに加えた親水コロイドは保護コロイドとなり,凝析しにくくなる

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10 反応速度,化学平衡(1)触媒は反応の速さを大きくすることができる。

○ 触媒を用いると,反応の活性化エネルギーの小さい経路を通り,反応の速さを大きくすること

ができる

(2)触媒は反応熱を下げることができる。

× 触媒を用いても,反応熱は変化しない

(3)温度を上げると,正反応の速さは大きくなるが,逆反応の速さは小さくなる。

× 温度を上げると,正反応の速さも逆反応の速さも大きくなる

(4)反応物が気体のときは,圧力を大きくすると,反応の速さも大きくなる。

○ 圧力を大きくすると体積が小さくなり,衝突回数が増加するため,反応の速さも大きくなる

(5)反応物の濃度を 2倍にすると,反応の速さも常に 2倍になる。

×  v= k[A]x より,反応の速さは 2x 倍になる

(6)温度を高くすると,活性化エネルギーが小さくなるため,反応の速さは大きくなる。

× 温度を高くすると,活性化エネルギーを超える分子の割合が増加するため,反応の速さは大き

くなる

(7)発熱反応では,正反応の活性化エネルギーより,逆反応の活性化エネルギーが小さい。

× 発熱反応では,正反応より逆反応の活性化エネルギーの方が大きい。

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(8)触媒の作用により正反応の速さは増すが,逆反応の速さは変わらない。

× 触媒を用いると,正反応,逆反応ともに速さは増す

(9)触媒の作用をもつものはすべて固体である。

× 水溶液の触媒も存在し,光や紫外線なども触媒になりうる

(10)固体の粉末状触媒を均一触媒という。

× 固体の触媒は不均一触媒で,均一触媒は溶液の触媒が多い

(11)反応物の粒子が衝突しても,必ず反応が起こるとは限らない。

○ 反応物の粒子が衝突し,活性化エネルギーを超えると反応が起こる

(12)反応が平衡に達すると,正反応と逆反応の速さは等しくなる。

○ 正反応と逆反応の速さが等しくなった状態が平衡状態

(13)気体どうしの反応において,圧力を高くすると反応速度が変化するので,濃度平衡定数も変化する。

× 圧力を変えても,濃度平衡定数は変化しない

(14)塩化ナトリウムの飽和水溶液に塩化水素を吹き込むと,塩化ナトリウムの結晶が析出する。

○ 共通イオン効果により, NaCl(固) ⇀↽ Na+ + Cl- の平衡が左に移動し,結晶が析出する

(15)触媒を用いると, 平衡に達するまでの時間を短くすることができるが, 平衡時の生成物の濃度を高

めることはできない。

○ 触媒を加えても平衡は移動しないので,生成物の濃度は変化しない

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(16)N2 + 3H2 ⇀↽ 2NH3 の反応が平衡状態にあるとき, N2, H2, NH3 の分子数の比は 1:3:2となっ

ている。

× 反応する分子数の比が 1:3:2 であり,平衡時に 1:3:2 となっているわけではない

(17)水のイオン積の値は,温度を変えても一定である。

× 温度を高くすると,水のイオン積の値は大きくなる

(18)純水の電離度は,室温で 1 ×10-7 である。

× 純水の電離度は 1.8 ×10-9

(19)pH3の酢酸水溶液を純水で 10倍に薄めると, pHは 4となる。

× 濃度は 110 倍になるが,電離度は

√10倍になるので, pHは 3.5となる

(20)1 [L]中に酢酸と酢酸ナトリウムがそれぞれ 0.1 [mol]ずつ含まれる水溶液を,純水で 10倍に希釈

しても pHは変化しない。

○ 緩衝液を希釈しても,弱酸とその塩の濃度の比は変化しないため, pHは変化しない

(21)二価の弱酸における第 1段と第 2段の電離度はほぼ等しい。

× 第 1段に比べ,第 2段の電離度はかなり小さい

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