大学生のコンピテンシー育成と 高大接続の課題 · 大学学習法1...

35
大学入試センター・シンポジウム2018 2018.9.3 @一橋講堂 大学生のコンピテンシー育成と 高大接続の課題 松下 佳代 京都大学・高等教育研究開発推進センター [email protected]

Upload: others

Post on 08-Jun-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

大学入試センター・シンポジウム2018

2018.9.3 @一橋講堂

大学生のコンピテンシー育成と

高大接続の課題

松下 佳代京都大学・高等教育研究開発推進センター

[email protected]

本報告の目的

シンポジウムのテーマ

「学力の3要素」をどのように評価し、大学での教育にどうつないでいくか

本報告の目的

初等中等教育とは異なる大学教育での「学力」「能力」の位置づけ

能力(コンピテンシー)を育成する大学での取組

大学教育改革との関連からみた高大接続の課題

を明らかにする2

3

OUTLINE

コンピテンシーと「学力の3要素」

大学教育におけるコンピテンシーの育成

高大接続の課題

まとめ

4

コンピテンシーと「学力の3要素」

日本の教育政策

「学力の3要素」とそのバリエーション

5

学力の3要素(学校教育法, 2007)

①基礎的な知識及び技能

②これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力

③主体的に学習に取り組む態度

学力の3要素(v2)(高大接続答申, 2014)

(i) 主体性・多様性・協働性

(ii) 知識・技能を活用して、自ら課題を発見しその解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力

(iii) 知識・技能

資質・能力の3つの柱(中教審答申, 2016)

①知識・技能

②思考力・判断力・表現力等

③学びに向かう力・人間性

(高・大)(小~高) (小~高)

大学教育における学力とコンピテンシー

大学教育における「学力の3要素」

3ポリシー

AP(アドミッション・ポリシー)と入試 「学力の3要素」v2 CP(カリキュラム・ポリシー)

DP(ディプロマ・ポリシー)

6

大学教育における学力とコンピテンシー

大学教育における「学力の3要素」

3ポリシー

AP(アドミッション・ポリシー)と入試 「学力の3要素」v2 CP(カリキュラム・ポリシー)

DP(ディプロマ・ポリシー)

9

「学力」は、大学教育の前提条件を語る言葉であり、目標や内容を語る言葉としてはあまり使われない

目標・内容では、「学力」より広い能力の総称として、「コンピテンシー(コンピテンス)」が使われることが多い*〈何を知り、できるようになるか〉という学習成果を

明確にする

コンピテンシーへの批判

コンピテンシー批判 (吉見, 2016) 「今日、「コンピテンス」の概念で焦点化されるのは、知の中身よりも活用・処

理の技能・・・・・・その分、核となるべき「教養」の内実が空洞化している」

「実践力やプレゼンテーション能力、コミュニケーション力、課題解決力など、実に様々な「力」に関心が向けられていますが、そうしたなかで近現代を通じて大学が育んできた知識そのものへの関心は減退している」(p.95)

二項対立的な図式 知識 vs. 能力

コンテンツ・ベース vs. コンピテンシー・ベース

両者は二項対立的なものなのか?

11

「能力」の入れ子構造

「能力」という言葉の使われ方

知識 vs. 能力(活用・処理の技能)

=能力1 資質 vs. 能力 =能力2 「資質・能力」全体 =能力3

コンピテンシーの定義 「認知的スキルとメタ認知的スキル、知識と理解、対人的・知的・実践的

スキル、倫理的価値観のダイナミックな結合」(OECD, 2009) 「ある特定の文脈における複雑な要求・課題に対し、内的リソース[=知識、

スキル、態度、感情、価値観・倫理、動機づけなど]の結集を通じて、うまく対応する能力」(cf. Rychen & Salganik, 2003)

=能力3 12

knowing-doing-being 今日求められる知は、単に何かを知っているだけでなく、必要

なときにそれを使って何かを行えるような知

つまり、知識(knowing)が「不活性な知識」ではなく、スキル(doing)と結びついて生きて働く知識になっていること

さらに、何かができるというだけでなく、それに価値をおき、いつでも行おうとする状態になっていること(being)。ここには、価値観、態度などが含まれる

13

OECD-DeSeCo (Rychen & Salganik, 2003) コンピテンスのホリスティック・モデルを提示

キー・コンピテンシー(①道具を相互作用的に用いる、②異質な集団で相互に関わ

りあう、③自律的に行動する、の3カテゴリーからなる)を提案

14

コンピテンシーのモデル

(p. 44)

内的構造をそなえ、文脈依存性をもった、コンピテンスへの機能的アプローチコンピテンスのホリスティック・モデル

   (*著作権保護のため削除)

(cf. OECD, 2016, p. 2)

(思考力・判断力・表現力など)

*コンピテンシー(松下, 印刷中)

学習プロセスへの省察(リフレクション)を伴いつつ、知識、スキル、態度・価値観などを結集して、対象世界や他者と関わり行為する能力

「思考力・判断力・表現力」もコンピテンシーの例

15

コンピテンシー(広義)

OECD Education 2030 Framework

16

大学教育におけるコンピテンシーの育成

大学教育におけるコンピテンシー

ヨーロッパ(Tuning): 一般的・分野別コンピテンス(generic & subject-specific competences)

世界各国・地域

アメリカ(AAC&U): 本質的学習成果(Essential Learning Outcomes)

日本: 学士力(文科省)/分野別参照基準(日本学術会議)

など

17

名称はさまざまだが、〈何を知り、できるようになるか〉という学習成果を明確にしようとする点では共通

本質的学習成果(AAC&U, 2007) 学士力(文科省, 2008)人類の文化や自然界についての知識 知識・理解

・科学、数学、社会科学、人文学、歴史、言語、芸術などの学習を通じて

・多文化・異文化に関する知識の理解・人類の文化、社会と自然に関する知識の理解

知的・実践的スキル 汎用的技能

・探究と分析・批判的思考・創造的思考・文章コミュニケーション・口頭コミュニケーション・量的リテラシー・情報リテラシー・チームワークと問題解決

・コミュニケーション・スキル・数量的スキル・情報リテラシー・論理的思考力・問題解決力

個人的・社会的責任 態度・志向性

・市民としての知識と関与(ローカル、グローバルに)

・異文化の知識と能力・倫理的な推論と行為・生涯学習のための基礎とスキル

・自己管理力・チームワーク・リーダーシップ・倫理観・市民としての社会的責任・生涯学習力

統合的学習 統合的な学習経験と創造的思考力

・一般教育・専門教育での統合とより高度な達成 19

K (Knowledge)

S (Skills)

A (Attitudes)

日本学術会議: 分野別質保証のための参照基準

1.当該学問分野の定義と固有の特性

2.当該学問分野で学生が身に付けるべき基本的な素養(1) 基本的な知識と理解

(2) 基本的な能力:分野に固有の能力 と ジェネリックスキル

3.学習方法と学習成果の評価方法に関する基本的な考え方

4.市民性の涵養をめぐる専門教育と教養教育との関わり

(日本学術会議「回答 大学教育の分野別質保証の在り方について」2010.7)

20

ポイント① 知識と能力(スキル)の関係ポイント② 能力の分野固有性と“汎用性”

コンピテンシーをどう育成するか

コンピテンシーの概念(再) 学習プロセスへの省察(リフレクション)を伴いつつ、知識、スキル、

態度・価値観などを結集して、対象世界や他者と関わり行為する能力

能力育成の課題 統合的な能力(狭義のコンピテンシー) ≒全体練習

それを支える心的リソース(知識、スキル、態度・価値観など) ≒部分練習

21

特に、〈知識 vs. 能力〉、〈分野固有性 vs. 汎用性〉の問題をどう乗り越えるかが課題

【例1】 Problem-Based Learning(新潟大学歯学部PBLテュートリアル)

PBLのサイクル(1週間)

22

「須藤夫妻の苦悩と喜び」(新潟大学歯学部)

(小野・松下, 2015)

事例 – シナリオ

カリキュラム(週単位)

23

第1限

第2限

第3限

第4限

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

発展英語

歯科衛生学

問題仮説

学習課題↓

問題解決

歯科衛生学実習I

栄養学

衛生学・公衆

衛生学

歯科衛生学実習I

歯科衛生学

セミナー・

自習

歯科診療補助I

第2学年後期(前半)の週単位のカリキュラム

PBLテュートリアル 講義 実習 演習

・統合的な能力を育成する「PBLテュートリアル」と平行して、知識・スキルを習得させるための「講義」「実習」を配置

PBLのためのパフォーマンス評価

24

1. 事実を抽出し問題を見いだす

2. 解決策(仮説)を立てる

3. 学習課題を設定する

4. 教室外で追加情報を集める

6. 仮説を検証する5. 新しく得た知識と既有の知識を統合する

ステップ 2

ワークシートの質問に回答(教室内)

事例 – シナリオステップ 1

ステップ 3学生と教員の

ロールプレイとフィードバック(教室内)

自己学習+ワークシートの質問に回答(教室外)

カリキュラム(プログラム全体)

251年

2年

6年

5年

4年

3年

第1期主体的な学習への転換と教養の涵養

第2期基礎歯学の学習と歯科医師としての自覚

第3期臨床歯学の学習と知識・技能の統合

第4期歯科医療の実践と自己省察

教養 語学 学習法研究法

知識・技能の統合 医療人 国際人臨床歯学基礎歯学

①㉓ ⑱

2年次編入学

大学学習法1⑭⑮⑯⑱⑲

教室配属研究(選択)⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳㉑

PBL1⑭⑮⑯⑱⑲⑳㉓

早期臨床実習1⑧⑨⑱㉓

早期臨床実習2⑧⑨⑱㉓

大学学習法2⑭⑮⑯⑱⑲

地域歯科保健⑤⑦

臨床予備実習⑧⑨⑩⑪⑬⑱

診療参加型臨床実習

(ポートフォリオ)⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑱⑳㉑㉒㉓㉔

国際歯科保健①⑤⑦

短期海外派遣(選択)

①⑤⑦⑱⑳㉑㉓

分野単位の講義③④

分野単位の講義④⑤

模型・シミュレーション実習1⑫⑭⑮⑯⑱

PBL入門⑭⑮⑯⑱⑲⑳㉓

歯学研究法④⑭⑮⑯⑱⑲

科目群

全国共用試験(CBT・OSCE)

専門基礎②⑰

社会と歯学⑤⑥⑦⑰

医療倫理⑥㉒㉔

パフォーマンス評価

模型・シミュレーション実習2⑫⑭⑮⑯⑱

PBL2⑭⑮⑯⑱⑲⑳㉓

パフォーマンス評価

パフォーマンス評価

パフォーマンス評価

パフォーマンス評価

パフォーマンス評価

パフォーマンス評価

重要科目

パフォーマンス評価

第1期

第2期

第3期第4期

・カリキュラムの体系化と分節化

・各期の重要科目でパフォーマンス評価を実施(統合的な能力を評価)それ以外の科目では、個別の知識や

スキル等を評価

評価(プログラム全体)

知識から行為への高次化・統合化のプロセス(医療系では、Miller’s Pyramidがよく使われる)

26

Knows(Knowledge)

Knows How(Competence)

Shows How(Performance)

Does(Action)

知識

知識・スキル

知識・スキル・態度

知識・スキル・態度・習慣

現実場面での行動

シミュレーション場面での実演

論述試験 (知識の活用)

客観テスト (知識の有無)

相手なし

ペーパー・ペイシェント

模擬患者・模型

本物の患者

(Miller, 1990)

PBL (ステップ1・2)

診療参加型臨床実習

PBL (ステップ3)

総合模型実習

(新潟大の場合)

【例2】 Project-Based Learning(立教大学経営学部Business Leadership Program)

27(http://cob.rikkyo.ac.jp/blp/about.html)

・リーダーシップや、他の汎用的スキルの育成

・専門領域の知識の習得

の両立をはかる

高度化

その他の取組の例

科目レベルの取組

反転学習

準正課・正課外活動

(河井, 2015)

(http://flit.iii.u-tokyo.ac.jp/about/)

28

29

高大接続の課題

コンピテンシーを育てる活動としての論証

論証(argumentation) 知識とスキルを結びつけて、思考・判断・表現を行う活動と

して適している (cf. NCSS, 2013)

ヨコの広がり: 各教科/教科横断的

タテのつながり: 高校・大学・社会・・・

30

高校 「社会的事象について資料に基づき考察する」

「主張と論拠の関係や推論の仕方など、情報を的確に理解し効果的に表現する」 など

中学校 「社会について資料に基づき考える」

「観察・実験を通じて科学的に根拠をもって思考する」

「意見と根拠、具体と抽象を押さえて考える」

「実験レポートの作成、立場や根拠を明確にして議論すること」 など

【参考】学習指導要領改訂のポイント

問題

対立意見

反駁

事実・データ

論拠

主張

結論

三角ロジック

31「トゥールミン・モデル」(Toulmin, 1958)、「論理のしくみ図」「十字モデル」(牧野, 2008)をもとに作成(松下, 2017a)

【習得・活用】問題は教師が与える

【探究】問題は生徒が考える

論証モデル

中1:国語(「玄関扉」『現代の国語1』三省堂)

32

こうした、「主張」と「事実」と「理由づけ」の三つを区

別し、この三点を意識して考える方法を「三角ロジッ

ク」といいます。

・・・・・・・・・

主張の正しさを確かめるためには、事実と理由づけ

が正しいかを確かめることが必要です。

三省堂教科書における「三角ロジック」の説明    (*著作権保護のため削除)

論証は、さまざまな教科で必要

33

事実・データ(data) 論拠(warrant) 主張(claim)

根拠、証拠(evidence) 理由、理由づけ(reasoning) 解釈(読み)、主張

国語文中の記述 既有の知識や経験など 作品の解釈(多様な解

釈が許される)

歴史

史料(文書資料、図像など)から得られるデータ(真偽が問題になる)

歴史的文脈についての背景知識など

史料の解釈(より信頼性の高い解釈が追求される)

理科

観察・実験によって得られるデータ(真偽が問題になる)

科学的な概念や原理など(素朴概念であることも)

主張(真理性が追求される)

 *各要素の名称は、上段にToulmin(1958)、下段に各教科での呼称を挙げた。

入試:現代社会(H29プレテスト)

【問題のねらい】社会的事象等をとらえる概念や理論を活用し,原因と結果の関連性について考察することができる。

34(http://www.dnc.ac.jp/sp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h29_01.html)

対立意見

反駁 論拠事実・データ

問題

結論

主張

35

大学:教養教育(京大全学共通科目「学力・学校・社会」、

新潟大歯学部「大学学習法Ⅰ・Ⅱ」)

■論証モデルを使って苅谷剛彦氏の議論を分析する

36

「学力」は大学教育の前提条件を語る言葉ではあるが、目標や内容を語る言葉ではない。目標・内容では、「学力」より広い能力の総称として、「コンピテンシー(コンピテンス)」が使われることが多い。

〈知識(コンテンツ) vs. 能力(コンピテンシー)〉の二項対立図式に立って、後者が批判されることがある。しかし、コンピテンシーは、「学習プロセスへの省察を伴いつつ、知識、スキル、態度・価値観などを結集して、対象世界や他者と関わり行為する能力」であって、知識を抜きにしたコンピテンシーは、本来成り立たない。

コンピテンシーを育成するには、知識、スキル等を個別に獲得させるだけではなく、それらを結集させることが求められるような課題に出会わせることが必要。そのためには、授業レベルだけでなく、プログラムレベルの取組、さらには正課教育だけでなく、準正課・正課外活動も重要になる。

コンピテンシーを育てる活動に「論証」がある。論証は、各教科・教科横断的という〈ヨコの広がり〉と、高校・大学・社会という〈タテのつながり〉をもつ活動である。

37

ま と め

39

文 献

Association of American Colleges & Universities. (2007). College learning for the new global century: A report from the National Leadership Council for Liberal Education & America's Promise. Washington, DC: AAC&U.

González, J. & Wagenaar, R. (Eds.). (2008). Tuning educational structures in Europe, Universities' contribution to the Bologna Process: An introduction. (2nd ed.). ゴンサレス, J.・ワーヘナール, R. (2012). 『欧州教育制度のチューニング―ボローニャ・プロセスへの大学の貢献― 』(深堀聰子・竹中亨訳)明石書店.

河井亨 (2015).「正課外教育における学生の学びと成長」『大学時報』2015年9月号, 34-43.牧野由香里 (2008). 『「議論」のデザイン』ひつじ書房.松下佳代 (2010). 「〈新しい能力〉概念と教育―その背景と系譜―」松下佳代編『〈新しい能力〉は教育を変えるか―学力・リテラシー・コンピテンシー』ミネルヴァ書房.

松下佳代 (2017a). 「科学教育におけるディープ・アクティブラーニング―概念変化の実践と研究に焦点をあてて―」『科学教育研究』40巻2号, 77-84.

松下佳代 (2017b). 「深い学びにおける知識とスキル―教科固有性と汎用性に焦点をあてて―」『教育目標・評価学会紀要』第27号, 1-10.

松下佳代・京都大学高等教育研究開発推進センター編 (2015). 『ディープ・アクティブラーニング―大学授業を深化させるために―』勁草書房.

松下佳代 (印刷中). 「資質・能力とアクティブラーニング―なぜ、「深さ」を求めるのか―」グループ・ディダクティカ編『「深い学び」を作り直す―教科と子どもの視点から―』勁草書房.

40

OECD (2009). A Tuning-AHELO conceptual framework of expected/desired learningoutcomes in engineering. Tuning Association.

小野和宏・松下佳代 (2015). 「教室と現場をつなぐPBL―学習としての評価を中心に―」松下他編『ディープ・アクティブラーニング』勁草書房, 215-240.

Rychen, D. S., & Salganik, L. H. (Eds.) (2003). Key competencies for a successful life and a well-functioning society. Cambridge, MA: Hogrefe & Huber. ライチェン, D. S.・サルガニク, L. H.(2006).『キー・コンピテンシー―国際標準の学力をめざして―』(立田慶裕 監訳)明石書店.

Toulmin, S. E. (1958). The uses of argument. Cambridge, UK: Cambridge University Press. トゥールミン, S. (2011).『議論の技法―トゥールミンモデルの原点―』(戸田山和久・福澤一吉訳)東京図書.

吉見俊哉 (2016).『「文系学部廃止」の衝撃』集英社.