ＮＯ 5

部門 新築 建物種別 建築物（非住宅・一般部門）

建物名称 長野県新県立大学（仮称） 所在地 長野県長野市

用途 延床面積 23,989 ㎡

設計者 株式会社石本建築事務所 施工者 未定

事業期間 平成27年度～平成29年度

参考図

概評

冷涼な気候で地下水が豊富であるといった地域の特性を活かし、自然換気や地中熱利用の空調システムなどに取り組むほか、基本的な省エネ対策をバランス良く実施しており、地方都市における取り組みとして、今後の波及、普及につながるものと評価した。また、県産材をルーバー、サッシ等に積極的に活用する点も評価できる。

長野県新県立大学施設整備事業 長野県

提案概要

長野市に立地する新設大学の校舎棟、教育寮・地域連携施設棟の新築計画。校舎棟では、講義室等をつなぐ共用空間を日常的な学びの場や環境制御機能を持つ空間とし、地中熱・太陽熱の活用、自然採光・通風、県産材の積極的な活用等で、信州の気候・風土を活かしたサステナブルキャンパスを目指す。また、２つのキャンパスをIT活用で一体管理し、見える化・見せる化で街の低炭素化を先導する。

事業概要

学校　集会所　その他(寄宿舎)

27 2

2016 2 2217 2

長野県新県立大学プロジェクト概要

街全体をキャンパスと捉え、地域と連携する大学

通学路（約2.2km）も含めた学生の積極的な社会参加の場を創出

廃校跡地に教育寮を計画し、地域連携と中心市街地活性化を図る

新県立大学は、現県短期大学敷地の「三輪キャンパス」【校舎棟】と、中心市街地にあって統廃合された小学校跡地の「後町キャンパス」【教育寮・地域連携施設】により構成される。２つの敷地にキャンパスを一体的に計画することで、通学路も含めた学生の積極的な社会参加の場を創出し、低炭素のまちづくりに向けた契機とする。

長野県長野市

三輪キャンパス【校舎】・延べ面積：17,392㎡・地上４階、地下１階

後町キャンパス【教育寮】・延べ面積：6,792㎡・地上４階

学びの場の記憶を継承し、県内の人材育成や地域振興の拠点とする

信州の気候･風土にふさわしい「サステナブルキャンパス」気候特性を活かし環境統合技術を効果的に組み合わせた、地域のエコ・モデルプロジェクト

三輪キャンパス【校舎】

教育効果が高く、自然を取込むミチ・イエからなるキャンパス教室･研究室等からなる「専有部ユニット」を分散配置し、それらをつなぐ「キャンパスコモン」で構成し、キャンパスコモンは気候に応じた環境制御機能をもつ共用空間とする

専有部ユニット（イエ）

キャンパスコモン（ミチ）

既存建物の活用

キャンパスコモン

イエユニット イエユニット イエユニット

コモン空間を中心に、運用時エネルギー消費の最小化を目指す「キャンパスコモン」は季節に応じた環境制御ができ、自然採光や自然通風、太陽熱・地中熱利用の床輻射冷暖房を組合わせた、自然エネルギーを積極的に活用する快適な空間とする

意匠・構造・環境計画を融合した「ハイブリッド・スキン」

イエユニット構成イメージ

フレキシブルな平面

外殻構造＋市松耐震壁

適度な開口率と形状 外断熱と躯体超寿命化

イエユニット平面

分散配置されたイエユニット

ＲＣ外殻構造・外断熱の専有部ユニット（イエ）は、意匠･環境･構造計画を最適に組み合わせたスキンとし、建設･運用時の省CO2や躯体長寿命化、フレキシビリティ向上に寄与する

適材適所の木材活用により、県産材アピールと産業振興に寄与

「リビング・ラボラトリー」キャンパス自体が実践教育の場

長野県の「知の拠点」として、環境教育の実践により産学官・地域をつなぎ、協働の取り組みを起していく核とする。

↓

県民・学生・地域住民等へ積極的に啓蒙を行い環境意識を高めていく。

↓

地域課題解決型授業の一環とした教育を行ない、グローバルな視野をもって環境問題などの地域

課題に取組むリーダーを育成

開学までの２年間＝新県立大や県の環境PR・ブランディング醸成期間

・施工中のエコ見学会の開催・webや広報での工事状況の発信

キャンパスを生きた教材とする環境教育・内外装への県産建材の使用・気候、風土を活かした環境建築、地産地消ｴﾈﾙｷﾞｰ・学生が施設のエネルギー利用状況を閲覧・ｷｬﾝﾊﾟｽｺﾓﾝの省エネ効果を実測・ﾌｨｰﾄﾞﾊﾞｯｸ

住まいながら、学び考える「教育寮・地域連携施設」

Low e +

後町キャンパス【教育寮・地域連携施設】

初学年全員が一年間入寮する学生寮は、居住施設にふさわしい建築・設備計画とし、学生が身近にエコを実感し考える場となる

地域と連携し、環境情報の発信と生涯教育を実践する教育寮長野駅近くの市街地で、観光資源である善光寺の参道に近接する立地を活かし、寮生のみならず、地域連携施設を訪れる地域住民や県内外の来訪者に対して、省CO2活動や将来展望などの取り組みを広くアピールする

“環境先進県”長野のノウハウを自然エネルギー普及へ活用郊外の大学（三輪キャンパス）と市街地の教育寮（後町キャンパス）をIT活用により一体管理して省CO2化を図る。見える化・見せる化でまちの低炭素化を先導する。