経済プロジェクション...

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経済プロジェクション

第１回環境・エネルギーと経済成長

研究理事村上清明

2013年３月１９日

プラチナ社会研究会分科会


本日のＴＯＰＩＣ１

1. プラチナ構想のコンセプト2. ウォーミングアップ

エコ製品は経済成長にプラス？

3. スウェーデンの成功から学ぶなぜ、経済成長とGHG（Greenhouse Gas）削減が両立できたのか？

割高な再生可能エネルギーを利用しながら経済成長を達成できるのはなぜか？

割高なエネルギーコストの大部分を家計が負担することに国民が同意するのはなぜか？

4. 国民経済面でＧＨＧを削減するも有利な方法は何だろうか？

5. 製造業のＧＨＧ削減について考える世界でもエネルギー生産効率の高い日本が、排出権を購入すること

は、世界のＧＨＧの削減に反するのではないか？

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プラチナ構想のコンセプト

経済成長

（産業と雇用）

GHG排出量（温室効果ガス)

低炭素社会

寝たきりや要介護

高齢者一人当たり医療費

活力ある超高齢社会

経済成長

（産業と雇用）

物質的に豊かになった工業国が直面する社会的課題である「環境負荷」「高齢社会」の解決を産業化することで、国内「雇用」を創出する

地球温暖化の問題の解決を産業化し国内雇用を創出する


日本の経常収支の推移

資料：財務省国際収支状況国際収支総括表より三菱総研作成


地球環境問題≒石油消費量≒経済成長

国内総生産(ＧＤＰ)＝個人消費＋民間投資＋政府支出＋純輸出(輸出－輸入)


本日のＴＯＰＩＣ２

1. プラチナ構想のコンセプト2. ウォーミングアップ










【状況設定】世界がＡ国とＢ国の２カ国Ａ国の企業Ｘがエコ製品Ｅを開発。価格が１００Ｅを使うことで、電気代が年４０から２０に削減できる。購入者は、５年で元がとれる。電気代の内６０％は燃料費で、Ｂ国から輸入している。

【問い】エコ製品Ｅは、消費者には経済的メリットがあるが、マクロ経済の縮小をまねくのではないか？Ａ国の経済にはプラスでも世界経済にはマイナスになるのではないか？


GDPの変化

世界

家計石油企業

機器購入(支出)

電気料金（支出）

機器製造輸出電力供給石油輸入機器購入機器販売輸入輸出

0 -40 40 -24 16 24 24 40

1 -100 -20 100 20 -12 108 12 12 120

2 -20 20 -12 8 12 12 20

3 -20 20 -12 8 12 12 20

4 -20 20 -12 8 12 12 20

5 -20 20 -12 8 12 12 20

6 -20 20 -12 8 12 12 20

7 -20 100 20 -12 108 -150 150 -100 12 62 170

年GDPGDP GDP

電力会社家計

A国

企業（製造業）企業

B国

（支出）GDP=家計支出＋企業投資+政府支出+輸出-輸入


本日のＴＯＰＩＣ３

1. プラチナ構想のコンセプト2. 導入クイズ「エコ製品は経済成長に結びつくのか？」








主要国のCO2排出量と経済成長


１０トン７トン一人当たりGHG排出量

（２００８年）

１,７７２時間

（＋1ヶ月分）１,６２５時間

年間労働時間

（２００８年）

３９,７００ドル

（100）

５３,０００ドル

（134）

一人当たり所得

（２００８年）

△２６％増△４７％増1990～2007年

GDP

△８％▼９％1990～2007年

温暖化ガス排出量

日本

１０トン７トン一人当たりGHG排出量

（２００８年）

１,７７２時間

（＋1ヶ月分）１,６２５時間

年間労働時間

（２００８年）

３９,７００ドル

（100）

５３,０００ドル

（134）

一人当たり所得

（２００８年）

△２６％増△４７％増1990～2007年

GDP

△８％▼９％1990～2007年

温暖化ガス排出量

日本

35%増

スウェーデンモデルＧＨＧ削減と経済成長のディカップリング


スウェーデンの国際ランキング

Sustainale Society index2012 総合2位（1位スイス） Sustainable Society Foundation | webdesign: Krekdesign, The Netherlands

Sustainability Rating for Countries Comparison of the OECD Countries Focus August 2009 総合1位（２位スイス） Zurcher Kantonalbank

ＩＭＤ国際競争力ランキング２０１２年５位（１位香港）日本27位「グローバル企業への活動支援において、ビジネス環境がどれくらい整備されているか」

International Institute for Management and Development

WEF国際競争力ランキング 2012年４位(１位スイス) 日本10位「国の生産力レベルを決定する制度や政策、諸要因の組み合わせ」

World Economic Forum


スウェーデン成功の理由

13

戦略

出るを制して、入りを図る

脱石油と再生可能エネルギー

ホリスティックアプローチ

街づくりにおける包括的取り組み

街づくりと税制と産業政策

制度設計グリーンタックスシフト

石油にエネルギー税、炭素税、付加価値税を課税、脱石油を誘導

企業の競争力の維持：法人税26%、炭素税の上限（売り上げの0.8%）

産業政策

20世紀型製造業からは撤退

21世紀型産業の育成（助成）

積極的労働政策

成長産業への労働力のシフト

職業訓練・教育（国）

水力と原子力

地域暖房

石油


2004年オリンピック（アテネ開催）の選手村として再開発。招致に失敗。環境負荷半減のモデル地区として開発

90年に企画、92年着工、2016年完成

250ヘクタール。人口２万5000人（100人/ha）

就業人口5,000人

総投資額：30～40億ユーロ（4000億円）行政の投資：5億ユーロ（600億円）

DIMKSに人気の街：Double Income Many Kids

世界先進の環境共生都市 SymbioCity

汚染された工場跡地 15年後


雇用30,000人

236ha

完成2030年

入居開始2012年

バイオガスバス、トラム、地下鉄、水上バス

建築の省エネ目標55KWh/ｍ2・年

CO2 1.5トン/人年（2020年）、脱化石燃料（2030年）

10,000世帯 (約100人＋/ha）

2050年目標を達成した街 ROYAL SEAPORT

商業地区60ha

中心市街地まで自転車で8分


ホリスティック・アプローチ

地域暖房会社

下水処理施設

バス

省エネビル，住宅

糞尿

有機

ゴミ

バイオ

ガス

熱

有機ゴミ

バイオ燃料

バイオ燃料

汚泥

バイオガス製造プラント

カーシェア

GHG削減

民間事業

制度：①汚泥の民間払い下げ②バイオガスをバス・カーシェアで利用③車乗り入れ禁止 ④税制（グリーンタックスシフト）

雇用

経済成長

土地利用の最適化

コンパクトシティ・最適機能配置

石油輸入削減

促進


本日のＴＯＰＩＣ４









主体別の主要な評価項目世界 CO2排出量 ⇒世界のCO2排出量：2050年に対1990年で半減経済 ⇒世界GDP合計

国 CO2排出量 ⇒国内CO2排出量，エネルギー収支経済 ⇒GDP・雇用⇒石油輸入額削減、石油代替技術の国産比率コスト ⇒（機会費用）国民経済から見た合理性

企業コスト ⇒（財務会計）事業収益性 CO2排出量 ⇒自社の排出量支援制度 ⇒事業収益性リソース賦存量 ⇒事業継続性

国民・家計安全性 ⇒安定供給、事故・災害コスト ⇒（市場価格）生活費の削減 CO2排出量 ⇒環境意識就業機会 ⇒直接（エネルギー事業）、間接（企業の存続）税負担 ⇒社会保障費（失業率、生活保護世帯数、・・・）


創エネ省エネ・ゼロエミッション

ＧＨＧ削減対策（民生・交通）

土地利用

ネットワークインフラ

資源

機器・技術

ライフスタイルソーシャルキャピタル

歩いて暮らせる街(Walkable Town)土地利用・機能配置の適化

移動小、地域冷暖房損失小、適集積度

送電技術（直流送電、超電導送電線）原発

水力・太陽光・風力・地熱・地中熱・潮力バイオマス(有機ゴミ、間伐材)熱・電

集住

【建築】省エネ住宅 150kwh/m2/年超省エネ住宅 40kwh/m2/年

地域冷暖房

交通ヒエラルキーの逆転徒歩>自転車>公共交通>カーシェア>マイカー

【車】HV・PHV・EV・燃料電池車・非接触給電・バイオ燃料・水素燃料

環境教育

LOHASLifestyles Of Health And Sustainability

省エネ家電衣服

新化石燃料シェールガス・オイル、

メタンハイドレート


超省エネ建築パッシブハウス

ドイツの例


↓ 地熱利用のパッシブソーラー＆エコロジーハウスと庭づくり：SUR都市建築事務所

http://homepage3.nifty.com/surarch/tech/PassiveSolar.htm

http://imagawa-k.jp/2009/04/75.html ↑

パッシブハウスの構成要素

1. ドイツが提案している建築標準2. 冬季・夏季ともに快適な室温環境3. 高断熱・高気密性4. 高効率熱交換器を備えた機械的換気システム5. 技術、デザイン、素材の総合システム


一般住宅

日本の住宅の省エネ性能


日本のゼロ・エネルギー・ビル（研究段階）

資料：ZEB（ネット・ゼロ・エネルギービル）の実現と展開について経済産業省HP：http://www.meti.go.jp/report/data/g91124dj.html

－パッシブ建築：高断熱、日射遮蔽－自然エネルギー利用：外気冷房、ナイトパージ、室内CO2 濃度による外気取入量制御－高効率熱源：現状より2 割程度高効率な熱源の開発（現状のターボ冷凍機COP6.4 を8.0 程度に）－低消費搬送：インバータの全面的活用、高効率モータ、高効率ポンプ、高効率ファン、低摩擦損失配管サイズ、ダクトサイズ－高効率照明：現状の消費電力量の1/3 となる高効率照明器具の開発と照度設定、調光や点滅制御の全面的採用－低消費OA 機器：現状の消費電力量の1/2 となるサーバー、1/12 となるPC など－その他の電力消費：現状の消費電力量の1/3 となる防犯用・防災用機器、待機電力機器－太陽光発電：屋上面積の2/3 に、現状より２倍の変換効率のパネルを設置以上で試算すると、完全にＺＥＢとなるのは３階建て以下の低層ビルであるが、10 階建て程度でも現状の一次エネルギー消費量の２割程度となる。


本日のＴＯＰＩＣ５






5. 製造業のＧＨＧ削減について考える世界でもエネルギー生産効率の高い日本の製造業に生産制約やペナ

ルティを課すのは、世界のＧＨＧの削減に反するのではないか？


部門別エネルギー消費

資料出所：エネルギー白書2012http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2012energyhtml/2-1-2.html

2050年の削減目標（2トン／人年）を実現するには、産業部門も半減する必要がある


製造業業種別エネルギー消費

資料出所：エネルギー白書2012http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2012energyhtml/index.html


需要別粗鋼生産量の推移

資料出所：http://www.env.go.jp/council/06earth/y060-102/ref05_2-2.pdf


世界の鉄鋼業のエネルギー効率（転炉鋼）

2000年、2005年及び2010年の転炉鋼エネルギー効率（単位：GJ/t粗鋼）

資料：国際環境経済研究所 http://ieei.or.jp/2012/10/expl121025/3/


化学・石油産業のエネルギー効率国際比較


か性ソーダのエネルギー効率各国比較

資料出所：国内における化学製品のライフサイクル評価http://www.nikkakyo.org/upload/3110_4537_price.pdf

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