中城湾港泡瀬地区環境監視委員会 第1回 委員会資料...令和元年度...
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令和元年度
中城湾港泡瀬地区環境監視委員会
第 1 回 委員会資料
(前回委員会における意見等とその対応)
令和元年 7 月 9 日
内閣府沖縄総合事務局開発建設部
沖 縄 県 土 木 建 築 部
一般財団法人みなと総合研究財団
資料-1
- 1 -
【砂州について】
意 見 等 対 応
1)広域の砂の移動については説明の通りだと承
知した。砂州の重心位置や土量について大きな
変化がみられる年度については、海象等の関係
を確認していただきたい。 (津嘉山委員)
・昨年度に実施した砂州地形の測量調査結果
に基づく検討結果を別紙に整理しました。
・今後も砂州の変化に関する検討を進めてい
く中で、ご指摘の点についても対応してい
きます。
別紙-1
通信施設前の砂州(東側砂州)の変化に関する調査検討結果
1.平成
30年度の砂州地形の変化状況
(1) 測量実施時期と台風接近状況
・平成
30年度は台風期前の
5月と、台風期後の平成
31年
2月の計
2回測量を実施した(表
1)。
表1 平成
30年度の測量実施時期と台風接近時期
項 目
平成
30年
平成
31年
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
台風接近時期(最接近日)
6号(16日) 7号(1日)、8号(10日)、10号(21日) 14号(11日)、18号(15日) 24号(29日)
25号(4日)
測量実施時期
●
●
(2) 砂州の地形変化
【平成
29年
10月から平成
30年
5月の変化(図
1)】
・平
面図
にお
ける
等深
線の
形状
は、
C.D.L.+0.5mの
範囲
の変
化は
小さ
い
もの
の、
+1.2mの
等深
線の
範囲
は全
体的
にや
や岸
側に
移動
して
おり
、
投影図においても
C.D.L.+1.2m以上の変化が大きくなっている。
・地形(地盤高)変化の平面分布をみると、砂州の中央より岸側で
0.3~
0.6mの堆積域が形成され、その周辺と沖側では
0.2~0.4mの侵食域が
形成されている。
図1 砂州地形の変化状況
(平成
29年
10月から平成
30年
5月の変化)
上段:平面図(等深線の重ね合わせ図)
中段:岸沖断面の投影図
下段:地形(地盤高)変化の平面分布
注)平成
29年
10月の測量結果は、昨年度の
台風後に実施した測量結果である。
(m)
300
200
100 00
100
200
300
400
500
600
700 800 900 1000 1100 1200(m)
平面図
0.5
1.2
別 紙
平成
29年
10月 平成
30年
5月
投影図
0 200 400 600 800 1000 1200(m)
(m) 3 2 1 0
地盤高(C.D.L.:m)
沖側
岸側
(m)
(m)
300
200
100 00
100
200
300
400
500
600
700 800 900 1000 1100 1200(m)
地形
(地
盤高
)変
化の
平面
分布
H.W.L
M.W.L
別紙-2
【平成
30年
5月から平成
31年
2月の変化(図
2)】
・平面図における等深線の形状は、C.D.L.+0.5mの範囲が岸側に接合し、
これ
に伴
いC.D.L.+1.2m
の範
囲も
広が
って
おり
、投
影図
をみ
ると
C.D.L.+1.2m(M.W.L)以上での変化が大きい。
・地
形(
地盤
高)
変化
の平
面分
布を
みる
と、
砂州
の稜
線に
沿っ
て岸
側で
0.2~0.6mの堆積域が形成され、これより沖側では
0.2~0.3mの侵食
域が形成されている。
図2 砂州地形の変化状況(平成
30年
5月から平成
31年
2月の変化)
上段:平面図、中段:岸沖断面の投影図、下段:地形(地盤高)変化の平面分布
(m) 3 2 1 00 200 400 600 800 1000 1200(m)
(m)
300
200
100 0
1.2
0.5
0
100
200
300
400
500
600
700 800 900 1000 1100 1200(m)
平面図
平成
30年
5月 平成
31年
2月
投影図
地盤高(C.D.L.:m)
(m)
沖側
(m)
300
200
100 0 岸
側
0
100
200
300
400
500
600
700 800 900 1000 1100 1200(m)
地形
(地
盤高
)変
化の
平面
分布
M.W.L
H.W.L
別紙-3
2.砂州の変形特性<平成
30年
5月、平成
31年
2月の結果を追加>
(1) 砂州の重心位置(C.D.L.+0.5m以上の領域)の移動状況(図
3)
・岸沖方向については、平成
29年度までの測量結果では、岸側に緩やかに移動す
る傾向がみられている。平成
30年度は
5月に岸側へわずかに移動し、5月から
2月にかけての移動はほとんどみられなかった。
・東西方向については、平成
29年度までは西側に緩やかに移動する傾向がみられ
ている。平成
30年度は
5月に西側へわずかに移動し、5月から
2月にかけて東
側への移動がみられた。
(2) 砂州の土量の変化(図
4)
・砂州の土量は、平成
30年度の
5月に平成
29年度の結果を上回り、2月にはさ
らに増加して約
45,000m3となっている。C.D.L.+0.5m以上の領域では、一部で
侵食
域が
みら
れた
もの
の、
岸側
を中
心に
堆積域が広がったことで、砂州土量が
増加したものと考えられる。
注)平成
30年度の地形測量は航空測量により行った。
図4 砂州地形(C.D.L.+0.5m以上の領域)の土量の変化
注)平成
30年度の地形測量は航空測量により行った。
図3 砂州の重心位置(C.D.L.+0.5m以上の領域の重心)の移動状況
H17年 H19年 H21年 H23年 H25年 H27年 H29年 H31(R1)年
(沖側)
(岸側)
(西側)
H17年 H19年 H21年 H23年 H25年 H27年 H29年 H31(R1)
(東側)
別紙-4
3.外力と砂州地形との関係
(1) 台風来襲に伴う高波浪による影響(図
5)
・平成
30年度に接近した台風のうち、6m以上の有義波高が観測された
2つの台風(台風
8号、台風
24号)の来襲時における波高と潮位をみ
ると、有義波高が
6m以上となった時間帯には、潮位が
C.D.L.+2.1m以
下の砂州頂部が水没していなかった時間帯が多かったと考えられる。
・昨
年度
の委
員会
でも
示し
たと
おり
、こ
のよ
うな
条件
下で
は、
砂州
頂部
は侵
食さ
れず
、砂
州に
向か
って
波が
収れ
んし
て周
辺か
ら土
砂が
集め
ら
れ、土砂が堆積すると考えられる。
図5(1) 平成
30年台風
8号来襲時の有義波高(津堅島)、潮位(中城湾港)の経時変化
図5(2) 平成
30年台風
24号来襲時の有義波高(津堅島)、潮位(中城湾港)の経時変化
注)1.台風
24号来襲時の
9月
29日における有義波高は欠測のため不明である。
2.図中の「基準値内」とは、津堅島での有義波高が
6m以上かつ中城湾での潮位が
C.D.L.+2.1m以上となった時間帯を示す。
≪参考図 砂州の形成・維持機構の概念図≫
別紙-5
(2) 冬季風浪による影響(図
6)
・調
査地
点で
ある
東側
砂州
に最
寄り
の中
城湾
観測
所に
おけ
る風
デー
タを
用いて、2014~2017(
平成
26~29)年度の夏季(4~10月)と冬季(11
月~3月)について、日平均風速を
4~6m/s、6~8m/s、8~10m/sの
3
段階
に分
けて
風向
別に
発生
頻度
(日
数)
を整
理し
た結
果、
各年
度と
も
に冬
季は
北寄
りの
風が
多く
、風
速は
夏季
に比
べて
概ね
小さ
いこ
とが
示
された。
・こ
のこ
とか
ら、
冬季
の季
節風
は北
寄り
の風
を主
体と
して
おり
、岸
から
砂州
まで
の吹
送距
離が
短い
こと
から
、南
寄り
の風
を主
体と
する
夏季
に
比べ
て波
浪が
発達
しに
くく
、砂
州地
形へ
の影
響も
低い
可能
性が
ある
と
考えられる。
≪中城湾観測所の位置≫
図6 2014~2017年度(平成
26~29年度)の夏季(4~10月)と
冬季(11月~3月)における日平均風速の風向別発生頻度