新潟県ホームページ トップページ - カミフル団 おかみさんの会 ... · 2019....

全国的にも地域商業の衰退が叫ばれる中、 新潟県内にも楽しく意欲的に活動する商業者グループがある。 精力的で個性的な取組は、結果として商店街に活気をもたらす。 そんな、がんばるグループの取組事例をチェックしてみよう。

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Page 1: 新潟県ホームページ トップページ - カミフル団 おかみさんの会 ... · 2019. 8. 20. · は、もともとんだ「カミフル団」。代表の迫一成さん成事業」を活用して商店街振興に取り組

全国的にも地域商業の衰退が叫ばれる中、新潟県内にも楽しく意欲的に活動する商業者グループがある。

精力的で個性的な取組は、 結果として商店街に活気をもたらす。そんな、 がんばるグループの取組事例をチェックしてみよう。

カミフル団

代表

迫さこかずなり

一成さん

インバウンドで

本町を盛り上げる

おかみさんの会

会長 熊く

田和子さん

Page 2: 新潟県ホームページ トップページ - カミフル団 おかみさんの会 ... · 2019. 8. 20. · は、もともとんだ「カミフル団」。代表の迫一成さん成事業」を活用して商店街振興に取り組

カミフル団メンバー。左から代表の迫さん、ハ ーブティー 専 門 店

「ハナキク」店主の菊池さん、ゲストハウス

「 人 参 」を 営 む 高 井さん。

カミフル団

新潟市中央区古町通

代表 » 迫さ こ か ず な り

一成さん

地域の特性を活かしたイメージPR

 

過去2年「がんばる商業者グループ育

成事業」を活用して商店街振興に取り組

んだ「カミフル団」。代表の迫一成さん

は、もともと12年ほど前から上古町街商

店街振興組合の一員として空き店舗減少

に向けた施策を打つなど、街の活性化

に力を注いできた。「空き店舗の割合も

35%から3%になるなど、当初は成果が

上がったのですが、近年は街の動きが停

滞しているように感じていました」。そ

こで迫さんは、商店街としての継続的な

活動や、それらを発信することの重要性

活動&発信の積み重ねが、街ににぎわいを生む

街に「門前町」のイメージを持たせるため、いくつかの店が商品を鳥居や、鳥居を連想させる赤であしらったり、「門前○○」という名称の商品を開発したりと、さまざまなメニューやサービスを展開した。

問題意識を話し合える仲間を見つけることが大切です

を認識した。しかし、やりたいことのア

イデアはあっても、それを形にするきっ

かけがなく資金的な問題にも直面。そん

な時に、同事業をうまく活用できないか

と考えたという。内輪だけで盛り上がる

独りよがりなものでは意味がないという

考えから、28年度は公募型で商店街マッ

プを作成。続けて29年度は「門前化キャ

ンペーン」と題し、門前町をイメージし

た商品開発やイベント「カミフル門前市」

と連携。「白山神社をはじめ、寺社が点

在する地域の環境を生かして、門前町と

して街をPRしようと思いました」。さ

らに、それらの活動や街の日常をアッ

プするウエブサイトも展開。「私たち

自身の活動も重要ですが、それを多く

の人に知ってもらうことが大切。常に

魅力や情報を発信し続ける〝動きのある

街〟でありたいですね。その積み重ねが、

街ににぎわいを生むのだと思います」。

街の活性化は一朝一夕ではできない。

継続した取組こそが大切なのだ。活気

ある商店街を目指して、迫さんたちの

活動は着実に前進している。

「カミフル門前市2017」では銭湯を会場にしたコンサートなどユニークなイベントが開催され、話題を呼んだ。

がんばるグループへQuestion

商店街のどんなところに課題を感じましたか?

「カミフルマチ」のイメージが人によって違っていて、街としての方向性が定まっていなかった点です。

課題解決に向けてどんな取組を行いましたか?

「門前町」としてのイメージ確立のために商品開発やイベントと連携し、街に気配がにじみ出るように取り組みました。

仲間集めのポイントは何だと思いますか?

普段から商店街の人と意見交換をするなど、問題意識を共有するような環境を作ることです。

今後の展望はありますか?

「 人 参 」や ほかのゲストハウスを絡 めて、 街 の 周 遊を楽しむ企 画や 仕 組 みを作れたらおもしろいと思います。

セレクト・オリジナ ル の 雑 貨 を 扱うショップ「hickory03trave lers」の代表。 上古町街商店街振興組合では副理事長を務め、日々商店街の活性化に尽力する。

いろいろなアイデアを形にすることで、自然と商店街に活気が生まれました!

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インバウンドで本町を盛り上げる

上越市本町

会長 » 熊く ま た か ず こ

田和子さん

女性の目線を大切に、楽しみながら活動を続ける

おかみさんの会インバウンド推進のきっかけは〝金髪イケメン〟!?

「インバウンドで本町を盛り上げるお

かみさんの会」を構成するのは、高田本

町商店街のさまざまな店舗の女性経営

者。近年盛り上がりを見せるインバウ

ンド需要に目を付け、外国人観光客の

取り込みに力を入れている。「数年前か

ら、冬になると外国人の方がお店を訪

れるようになったのですが、上手に対

応できず困っていたんです」。そう振り

返るのは、会長の熊田和子さん。商店

街が開催する「城下町高田

花ロード」の

運営にも携わるコーディネーターの宮

崎朋子さんに調べてもらうと、そうし

た外国人の多くは妙高市にスキー観光

で滞在するオーストラリア人であるこ

とが判明。その当時は、接客どころか

外国人客が来たら店の奥に隠れる人ま

でいたというが、宮崎さんの提案で状

況は一変。「〝金髪のイケメン〟から英語

を学んで、外国人をお客さんとしてお

店に呼び込んだらどうかと提案してく

れたんです。および腰だったメンバー

たちも、それで一気に盛り上がりまし

た。まあ、実際はちょっと違ったんで

すけどネ(笑)」。その後は、女性陣のア

イデアとチームワークを生かして、外

国人客に向けた街歩きツアーや体験型

イベントなどを実施。インバウンド推

進事業として3年かけて一歩ずつ歩み

を進めていった。「取組の結果、外国人

のお客さんが増えたことはもちろんう

れしかったのですが、何より仲間と一

緒に試行錯誤したプロセスが楽しかっ

た。皆イキイキと活動していました」。

外国人への興味や関心が、街に新しい

風を吹き込んだようだ。

がんばるグループへQuestion

商店街のどんなところに課題を感じましたか?

外国人が来店してもどう接客していいのか分からず、商売のチャンスを逃していたところです。

課題解決に向けてどんな取組を行いましたか?

来店した外国人に買い物してもらうために、 英 語を 学 び 積 極 的 にコミュニケーションを取るようにしました。

仲間集めのポイントは何だと思いますか?

世の中の時流やブームを、まずは自分たちで楽しむことだと思います。

今後の展望はありますか?

取組で得た集客や接客のノウハウを、花 見 の 時 季などに訪れる外 国 人 客 へのアプローチにも生かしたいです。

専門家として同事業へ協力したコーディネーターの宮崎さん。マーケティングや方針の策定などを行い、取組をサポートした。

高田本町商店街にあり、100年以上の歴史を誇る「春陽館書店」の常務取締役。また、「城下町高田花ロード」の実行委員長を務めるなど精力的に活動。

商店街にはエネルギッシュな女性が多いんですよ

最初は日本らしい催しを行ったという熊田さん。しかし実際に外国人に話を聞くと、本当に興味があるのは型にはまった日本らしさではなく

“ありのままの日本の姿”であることが分かったという。

英 会 話 のレッスンの 様 子。 回数を重 ねるごとに、 当 初 抱 いていた異国文化への抵抗感も薄れていったという。

何事もまずは前向きに行動に移してみることが大切なんだと思います!

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What's がんばる商業者グループ育成事業

県内の実施地域&グループ

新潟県

新潟県産業労働観光部 商業・地場産業振興課〒950-8570 新潟市中央区新光町4番地1☎ 025-280-5237 e-mail [email protected]

お問い合せ先

目的

意欲的な商業者グループを新潟県がサポートするやる気を持った商業者グループによる、独自性の

ある取組を支援する新潟県の事業。商店街の活性

化や地域商業発展を目的にした取組を通じて、経

営者や商店主、また団体などのスキルアップを狙

う。最終的に、この事業をきっかけに商業者の自

発的で継続的な活動が生まれることが目的。

内容

実践的な取組を通して未来を担うリーダーを育てる3名以上で構成される中小商業者グループを作り、

地域の課題を解決するなど、商業的な発展に寄与

する企画を県に提案。採択後は計画に沿った活動

を行う。課題の認識から解決法の策定・実践、さ

らに成果測定などのプロセスを経験することで、地

域商業の未来を担う意欲的なリーダーを育てる。

≪課題発見≫事業計画の起点になる重要な部分。

「地域の資源を上手に活用できていない」「商店街の人通りが減っている」など、地域の商業者が実際に感じる問題や課題を的確に捉える。

≪仲間を集める≫同じ問題意識を共有する仲間を集める。捉えた課題を解決するためには何をすればいいのかを話し合い、有効性と実現性を備えた事業計画を立て、県に提案する。

≪解決策の実践≫提案が採択された後は、事業を実践に移す。 事業効果を高めるために、必要に応じて外部の専門家などに協力を仰ぎながら、計画に沿った取組を進めていく。

≪継続≫事業終了後は効果測定を行い、成果や反省点をしっかりと洗い出す。事業で得られたノウハウや関係性を生かしながら、継続的に取組を続けて、地域商業の発展を狙う。

平成27~29年度に「がんばる商業者グループ育成事業」を活用し、特色ある取組を行った新潟県内の10グループを紹介。

カミフル団(新潟市中央区古町通1~3番町)

イベントの実施や外部メディアの活用。門前町としてのイメージ確立に向けた取組。

1

加茂グルメブランド研究会(加茂市本町)

地域の「食」のブランド化を図る。統一ロゴの作成や試作品の開発に取り組む。

2

三条中央商店街青年局(三条市本町)

門前商店街として寺院を中心とした街作りの提案。イベント実施および、マップ作成。

3

長岡大手通若手商業者の会(長岡市大手通)

地域の学生と協力した商店街回遊イベントのフレーム作り。誘客のためのノウハウを習得。

4

とちおにぎわいニ三会(長岡市谷内)

WEBを活用したネット通販事業の計画。情報発信の方針や方法を策定。

5

十日町個店活性化勉強会(十日町市辰甲)

経営理論を習得し、個店のナンバーワン商品の開発。個店同士の連携による販売強化。

6

インバウンドで本町を盛り上げるおかみさんの会(上越市本町)

インバウンドを軸にした商店街活性化を狙った取組。平成27~29年度にかけて継続実施。

7

糸魚川なりわいネットワーク(糸魚川市能生)

地域産品のブランド化事業。具体的な戦略を考え、活動の方針を策定。

8

真野新町宿町屋再生プロジェクト(佐渡市真野新町)

地域資源発掘方法、情報発信方法の習得。観光型商店街を目指し店舗レイアウトの改善案策定。

9

相川商店街を元気にする会(佐渡市相川)

研修などを通してイベント依存ではない元気な商店街を目指す方向性を確定。商店主たちの意識変化を促す。

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平成30年11月発行