diphenylphosphoryl azide - jst

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エニ リン 之*・山 一* Diphenylphosphoryl Azide Takayuki SHIOIRI*, and Shun-ichi YAMADA* I. は じめ タ ン 白質 の 生 合 成 にお い て,カ ル ボ ン酸 と リン酸 の 混 合 酸 無 水 物 で あ るア シ ル ポ ス フ ェー ト(RCO2PO(OR')2) が重要な役割を果していることは周知の事実である。わ れわれはこの型の混合酸無水物の化学的性質に興味を抱 き,種 々検 討 中表 題 に示 した新 しい 試 薬 を開 発 した1~3)。 まず 予 備 実 験 と して安 息 香 酸 とジ エ チル リン酸 ク ロ リ ドを トリエ チ ル ア ミン の存 在 下 反 応 させ て混 合 酸 無 水 物 を作 り4),こ れにアジ化 ナ トリウムを反 応 させ た ところ ほ ぼ 定 量 的 に ベ ンズ ア ジ ドが得 られ た 。 こ の反 応 にお い て カル ボ ン酸 か ら対 応 す る ア ジ ドが生 成 す る の に二 工 程 を要 した わ けで あ る が,リ ン酸 ク ロ リ ドの か わ りに リン酸 ア ジ ドを用 い た場 合,次 の よ うに 見 かけ上一工程で反応が進行するものと予想された。 Bは塩基 そ こ で ジ エ チル リン酸 ク ロ リ ドよ り簡 単 に得 られ るジ エ チ ル リ ン酸 ア ジ ド5)を,トリエ チル ア ミ ン存 在 下 安 息 香 酸 とメ チ レ ンク ロ リ ド中 で反 応 させ る と,予 想 した よ うに 薄 層 ク ロマ トグ ラム上 ベ ンズ ア ジ ドの生 成 が認 め ら れ た 。 これ に ア ニ リン,n一ブ チ ル ア ミ ンを そ れ ぞれ 反 応 させ る と対 応 す るア ミ ド体 が71%お よ び50%の収 率 で 得 られ る。 ま た この ベ ンズ ア ジ ドの メ チ レ ンク ロ リ ド溶 液 に エ タ ノ ール を加 え,加 熱 還 流 す れ ば ク ル チ ウス転 位 が お こ り,ウ レタ ン誘 導 体 が収 率58%で 得 られ た(図 1)。 この最後のクルチウス転位反応は二工程で進行してい る が,最 初 か ら安息 香 酸,ト リエチ ル ア ミ ン,ジ エ チ ル リ ン酸 ア ジ ドの 三者 を エ タ ノ ール 中還 流 した と ころ,一 挙 に転 位 反 応 が お こ り ウレ タ ン誘 導 体 が収 率62%で られた。 上記 反 応 にお い て ジ エ チル リン酸 ア ジ ドを用 い た が, こ の反 応 は リ ン原子 を カル ボ キ シ レー トア ニオ ン が求 核 的 に攻 撃 す る こ とに よ り開始 され る ので,リ ン原 子 上 に よ り電 子 吸 引 性 の基 を 有 す る,た とえ ば ジ フ ェニル リン 酸 ア ジ ドを用 い た 場 合,反 応 が よ り円 滑 に進 行 す る こ と が期 待 され る。 ジ フ ェニル リン酸 ア ジ ドは この よ うな 予 備 実験 な らび に考 察 をへ て 開 発 さ れ た 新 しい 試 薬 で あ る。 II. 合成法と性質 ジ フ ェニル リン酸 ア ジ ド(以 下DPPAと 略 称)は, ジ エ チル リ ン酸 ア ジ ドと同様 な方 法 で,対 応 す る ク ロ リ ドを ア セ トン中 ア ジ化 ナ トリ ウム と処 理 す る こ とに よ っ て90%以 上の収率 で得 られ る。 沸点 は0.17mmHgで157℃を示 し,赤 外 スペク ト ル上鋭 く強い アジ ドの 吸 収 が2200cm-1付 近 に現 われ * 東京大学薬学部薬品製造化学教室 ( ) * Faculty ofPharmaceutical Sciences , University ofTokyo ( ) 図 1 666

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Page 1: Diphenylphosphoryl Azide - JST

ジ フ エ ニ ル リ ン 酸 ア ジ ド

塩 入 孝 之*・ 山 田 俊 一*

Diphenylphosphoryl Azide

Takayuki SHIOIRI*, and Shun-ichi YAMADA*

I. は じ め に

タン白質の生合成 において,カ ルボ ン酸 とリン酸 の混

合酸無水物であ るアシルポスフ ェー ト(RCO2PO(OR')2)

が重要 な役割 を果 してい ることは周 知の事実である。わ

れ われはこの型 の混合酸無水物 の化学的性質に興 味を抱

き,種 々検討 中表題 に示 した新 しい試薬 を開発 した1~3)。

まず 予備実験 として安息香酸 とジエチル リン酸 クロリ

ドを トリエチルア ミンの存在下反応 させ て混合酸無水物

を作 り4),こ れにアジ化 ナ トリウムを反 応 させ た ところ

ほぼ定量的にベ ンズアジ ドが得 られ た。

この反応 において カルボ ン酸 か ら対 応するアジ ドが生

成す るのに二工程 を要 したわ けであるが,リ ン酸 クロ リ

ドのかわ りに リン酸 アジ ドを用いた場合,次 のよ うに見

かけ上一工程 で反応 が進行す るものと予想 された。

Bは 塩基

そこでジエチル リン酸 クロ リドよ り簡単 に得 られ るジ

エチル リン酸 アジ ド5)を,ト リエチル アミン存在下安息

香酸 とメチ レンク ロリ ド中で反応 させ ると,予 想 した よ

うに薄層 クロマ トグ ラム上 ベ ンズアジ ドの生成 が認 めら

れた。 これにアニ リン,n一 ブチルア ミンをそれぞれ反応

させ ると対応す るア ミ ド体 が71%お よび50%の 収率 で

得 られ る。また このベ ンズアジ ドのメチ レンクロ リ ド溶

液 にエタノール を加 え,加 熱還流すればクルチ ウス転位

がおこ り,ウ レタン誘導体 が収率58%で 得 られた(図

1)。

この最後 のクル チウス転位反応 は二工程で進行 してい

るが,最 初 か ら安息香酸,ト リエチルア ミン,ジ エチル

リン酸 アジ ドの三者 をエタノール 中還流 した ところ,一

挙に転位 反応がおこ りウレタン誘導体 が収率62%で 得

られた。

上記 反応 においてジエチル リン酸 アジ ドを用 いたが,

この反応 はリン原子 をカル ボキシ レー トアニオ ンが求核

的 に攻撃す ることによ り開始 されるので,リ ン原子上 に

よ り電子吸引性 の基 を有す る,た とえばジフ ェニル リン

酸 アジ ドを用いた場合,反 応がよ り円滑に進行 するこ と

が期待 され る。 ジフ ェニル リン酸アジ ドは このよ うな予

備 実験 な らびに考察 をへ て 開 発 さ れた新 しい試薬であ

る。

II. 合 成 法 と性 質

ジフ ェニル リン酸 アジ ド(以 下DPPAと 略 称)は,

ジエチル リン酸 アジ ドと同様 な方法で,対 応す るクロリ

ドをアセ トン中アジ化 ナ トリウム と処理す ることに よっ

て90%以 上の収率 で得 られ る。

沸点 は0.17mmHgで157℃ を示 し,赤 外 スペク ト

ル上鋭 く強い アジ ドの 吸 収 が2200cm-1付 近 に現 われ

* 東京大学薬学部薬品製造化学教室 (

)* Faculty of Pharmaceutical Sciences , University

of Tokyo (

)

図 1

666

Page 2: Diphenylphosphoryl Azide - JST

(33) ジ フ ェ ニ ル リ ン 酸 ア ジ ド 667

る,安 定 な非爆発性の取 り扱 い容 易な液体で ある。

DPPAはn-ヘ キサン,水 などには難溶 であるが,他

の 有機溶媒 には容易 に溶け,ま たそのベンゼ ン溶液 を炭

酸水素 ナ トリウムあるいは希塩酸 な ど で 洗 浄 し て も

DPPAは 全 く安定 である。発煙硝酸で処理 すればニ トロ

化 がおこ り,ジ ーP一ニ トロフ ェニル リン酸 アジ ドを高 収

率 で与 える2,3)。

われわれはDPPAの 有機合成反応への適 用 を検討 し

ているが,こ れまでの ところ1で ふれたよ うに一 般 に

ア ミ ド結合 形成反応 〔1〕な らびに新 しい型 のクルチ ウス

転 位反応 〔2〕に適用可能なるこ とが判 明 している。また

〔1〕

〔2〕

〔3〕

α位 に特定 の官能基 を持つ カルボ ン酸 では,条 件 によっ

て はエステル化 のお こること〔3〕がわか っている(図2)。

以下 これ らについて順を追 って紹介 したい。

III. ペ プチ ド合 成

カル ボン酸 またはその誘導体 とアミンよ りアミ ドを作

る方法 はすでに様 々な方法 が知 られてい る。 ところが同

じア ミ ドであ るペプチ ドの生成反応 において は,特 に長

鎖 のペプチ ドを合 成す る場合 に要求 されるペプチ ド同志

を縮合 させ る,い わゆ るフ ラグメ ン ト縮合 においてはラ

セミ化が大 さな問題 となって くる。すなわち,活 性化 さ

、れ たカル ボキシル基 は,下 に示す ようにア ミンの攻撃 を

受 けるよ りも速 くオキサ ゾロンに な り易い ので,結 果 と

,してラセミ化がお こる6)。

この ラセ ミ化 を防いでペプチ ド結合 を形成 させ るため

に,近 年種々 の試薬,方 法 が 開 発 されてい るが6'7),今

日最 も信頼 され実際に用い られてい るのは古典的なアジ

ド法(RCON3+R'NHR"→RCONR'R")だ け とい

っ てよい 。 しかしこの方法 は一般 に副反応多 く,収 率 も

良好 とはいい難い。われわれはDPPAが このアジ ド法

にかわ り得 ない かと考え,ペ プチ ド生成反応 におけるラ

セ ミ化 テス トの うちで,最 も厳 しい ことで知 られている

Youngテ ス ト8)を採用 し,収 率 とラセ ミ化 の問題を検討

した。

1. Youngテ ス ト1~3) Youngテ ス トとは モデル

化合 物 としてN-ベ ンゾイルーレ ロイシンとグ リシ ンエ

チル エステル を用いて,適 当な縮合方法で反応 させ,得

られたN-ベ ンゾイル ロイシルグ リシ ンエチル エステル

の旋光度 から 〔α〕D×100/(-340)(N一 ベンゾイルーL一ロ

イ シル グ リシンエチルエステルの純品の旋光度)の 式 に

よって ラセ ミ化 の程度 を知 る方法 で あ る(以 下の表で

レ体%で 示 してある)。

まず最初 に酢酸 エチル中でYoungテ ス トを行 なった

ときの結果 を表1に 示す。DPPAお よび グ リシンエチ

ルエステル を各2倍 モル使用す るこ とによ り収率89%,

光学 純度96%と 好結果 を得 た。

次にペプチ ド合成 に繁用 され るジメチルホル ムアミ ド

を溶媒 として用 いた結果 を示 した ものが 表2で あ る。

ここで注 日す べきこ とはYoungら の提 唱 している"塩

素イオ ン効果"9)(塩 素イオ ンが存在す るとそ の 塩 基 性

のためラセミ化 が お こ り易い)が 見 られないこ とであ

る。す なわち,グ リシ ンエチルエステル塩酸塩 と トリエ

チルア ミン2モ ル(1モ ル は塩酸塩 をフ リーにす るため

もう1モ ルはカルボキシ レー トアニオ ン生成 のた め)を

用 いて反応 を行 なっても,フ リーのグ リシ ンエチルエス

テルを用い て反応 を行 なった場合 と結果 にあま り大差な

く収率,光 学純度共 に良好 である。そ こで以下 の実験は

図 2

表 1 Bz-L-Leu-OH+H-Gly-OEt

N3PO(OPh)2 in AcOEt

0℃,24hrBz-Leu-Gly-OEt

表 2 Bz-L-Leu-OH+H-Gly-OEt

N2P0(0Ph)2 in DMF

0℃,24hr

Bz-Leu-Gly-OEt

Page 3: Diphenylphosphoryl Azide - JST

668 有機合成化学 第31巻 第8号 (1973) (34)

取 り扱い容易 なグリシ ンエチルエステル塩酸塩 を トリエ

チルア ミンと共に用いて行 な った。

表3は ジメチルホルムア ミ ド中での反応の温 度効果 を

示 した ものであ るが,予 想 されるよ うに温 度 を下げる と

収率は低下す るが,光 学純 度の高 い ものが得 られ る。こ

の反応におけ る溶媒効果 を示 した ものが 表4で ある。

メチ レンクロリ ド,ヘ キサメチルホスホル トリア ミドな

どでは収率,光 学純度共 に良好ではないが,酢酸 エチル,

ジオキサ ンー酢酸エチル(2:1),テ トラ ヒ ドロフ ランな

どでは収率,光 学純度共 に良好 である。

ちなみに1で のべた予備実験に用いたジエチル リン酸

アジ ドによるYoungテ ス トは,光 学 純度91%と 良好

であ ったが,収 率は28%と 悪 く,予 想 さ れ たよ うに

DPPAに 劣 ることが証明 されてい る。

2. 反 応機構1~3) 以上 のよ うにDPPAが き わ め

て良好 なペプチ ド結合 形成試薬 なることが判 明 したが,

この反応 の機構 を若 干考 察 してみたい 。カル ボキシレー

トアニオ ンがDPPAの リン原子 を求核的 に攻撃 した場

合,ア ジ ド部 分のついた 混合酸無水物(A)と,ア ジ ド

部分の脱 離 した混合酸無水物(B)の 生成 が考 え られ る。

(A)と(B)の 問には平衡 関係 が存在 しよ う。 このお の

お のの混合 酸無水 物にア ミンが反応すれ ばアミ ドが生成

す るわけであるが,ジ フ ェニル リン酸 クロ リドを用いて

い ったん(B)型 の混合酸 無水物 を作 り,こ れ にアミン

を反応 させた場合,収 率36%,光 学純 度4%でDPPA

を用 いた場合 に比べて収率,光 学純度共に格段 に劣 るど

い うこ とは,(B)に 直接 ア ミンが作用す る径路 はあった

としてもマイ ナー と考 えられ る。

(A)がSNi型 転位 を,(B)が アジ ドアニオ ンとSN牙

型 の反応 をおこせ ば対応す るカル ボン酸 アジ ドを与え,

これは通 常のアジ ド法 の場合 と同様 ラセミ化す ることな

くア ミン と反応 してアミ ドを与え よう。(A)型 の混合酸

無水物 にア ミンが反応す る場合,収 率お よび光学純度 に

おいて満足すべ き結果 を与 えてい るところか ら,(C)の

よ うに協奏的 に反応 が進行 してい るものと予想 され る。

以上を図示 したのが 図3で あるが,い ずれ の経路が主

であるかは今後 に残 された課題で ある。

(A)

(B)

(C)

3. ペプチ ド合成1~3,10) 次 に種々 の側 鎖 官能基 を

有す るペ プチ ドの合成 につ き上記DPPA法 を検討 した。

反応 の一般操作 はN一 保護 ア ミノ酸またはペプチ ド1モ

ル と,ア ミノ酸 またはペプチ ドエステル塩酸塩1.1~1.2

モルをジメチル ホル ムアミ ドにけんだ くまたは溶解 して

おき,0℃ また はそれ以下の内温 でDPPA1.1~1.2モ

ル を加 え,最 後 に トリエチル アミン2,1~2.2モ ルを加

え,0℃ またはそれ以下 の温度で数時間,室 温 で一晩 か

きまぜ反応 を完結 させ る。

結果 を 表5に 示すが,シ ステ ィン,ア ルギニンな ど

を除いて一般に側鎖官能基 を必ず しも保護 しな くても反

応 は円滑に進行 している。

L一ピログルタ ミルーL一ヒスチジンは視 床 下部 ホルモ ン

LH-RHあ るいはTRHのN端 のジペプチ ドであ るが11).

そ のメチルエステルはすでにFolkersら によってL一 ピ

ログルタ ミン酸 と レ ヒスチジンメチルエステル よ リ ジ

シ クロヘキシル カルボジイ ミ ドを縮合剤 として合成 され

てい るが12),そ の収率は55%で 目的物 とジシクロヘ キ

シル尿素 との分離に難 がある。そこで アセ トニ トリル を

溶媒 としてDPPA法 にて レ ピログルタ ミン酸 とL一 ヒ

スチジ ンメチルエステル を 反 応 さ せた ところ,日 的 の

レ ピログルタ ミルーL一ヒスチ ジンメチルエ ステルが沈 殿

として析 出 し,単 に反応液 を導過 洗 浄す るのみで72%

表 3 Bz-L-Leu-OH十H-Gly-OEt・HCl

N3PO(OPh)2, Et3N (2mol)

in DMFBz-Leu-Gly-OEt

表 4 Bz-L-Leu-OH十H-Gly-OEt・HCl

NsPO (0Ph) 2, EtsN (2 mol)

0℃,0.5hr;20℃,4hrBz-Leu-Gly-OEt

図 3

Page 4: Diphenylphosphoryl Azide - JST

(35) ジ フ ェ ニ ル リ ン 酸 ア ジ ド 669

の 収 率 で得 られ た 。

ま た フ ラグ メ ン ト縮 合 の モ デル と してZ-L-Leu-L-

Leu一L-Val-L-Phe-OMeを 合 成 した 。 H-L-Leu-L-Leu一

L-Val-L-Phe-OMeは す で に 溝 口 らに よ っ て抗 レニ ン活

性 のペ プ チ ドと して 合 成 報 告13)さ れ て い る もの で あ る

が,Z-L-Leu-L-Leu-OHをDPPA法 に てH-L-Va1-L-

Phe-OMe・HClと 反 応 させ る と87%の 高 収 率 で融 点,

旋 光 度 共 に 文 献13)に 一 致 す る もの が得 られ た。 一 方Z-L

一Leu-L-Leu-OMeを ジ メ チ ル ホル ム ア ミ ド 中 水 酸 化 ナ

トリ ウム水 溶液 で け ん化 し,そ の反 応 液 を た だ ち に上 記

と同 様DPPAを 用 い てH-L-VaLL-Phe-OMe・HClと

縮 合 させ,63%の 収率でZ-L-Leu-L-Leu-L-VaレL-Phe-

OMeが 得 られ た。一般 にフラグメ ン ト縮 合 においては

多 くはい ったん カルボ ン酸 フリーの状態で とり出 し,何

らか の手段で カルボ ン酸 を活性化 して縮合 を行 な うもの

で あ るが,DPPA法 によれ ばその 必 要 な く,け ん化 し

た反応液 をそ のま ま若干の水 の存在下,円 滑に ラセ ミ化

す ることな くフラグメ ン ト縮合 が進行するのは大 きな利

点 と考え られ る。

このDPPA法 の有用性 を更 に確 証す るため,二,三

の生理活性ペプチ ドの合成 を現在検 討中であ る10)。

IV. 新 クル チ ウス転 位 反 応

1. 新 クルチ ウス転位反応1,3,14) まず1.の 予備実

験 に用いたジエチル リン酸アジ ドとDPPAの, 新 しい

型 のクルチ ウス転位反応 に対す る 反 応 性 を比較検討 し

た。循 カプ リル酸 を トリエチルア ミン存在 下ジエチル リ

ン酸 アジ ドまたはDPPAと かブタ ノール 中還流 する と

表6に 示す よ うに,前 者では転位体 が54%,後 者 では

67%とYoungテ ス トの場合 と同様,予 想 どお りDPPA

の方 が秀れ てい るこ とが証 明された。

次 に安息香酸 について主 としてDPPAを 用 い,二,

三のアル コールおよびフ ェノールを用 いてこの転位反応

を検 討 した。結果 は 表7に 示す とお りで,い ずれ の場

合 もかな りの収 率で転位反応 が進行 してお り,こ の反応

においては種 々のアル コールあるいはフ ェノールの使用

可能な ることが 判 明 した。なお かブタノール およびベ

ンジルアル コール使用 の場合,極 少量 のジフ ェニル尿素

の副生が確認 されてい るが,そ の生成機構 については次

節 でのべ る。

以下種 々のカルボ ン酸,特 に種 々の官能基 が同一分子

中に存 在す るものにつき,か ブタノールまたはベ ンジル

アル コール を用 いて この転位反応 を検討 した。 このニつ

の アル コールを選 んだ 理 由 は,生 成する かブチル ウレ

タ ンあ るいはベ ンジル ウレタ ンが,前 者 は冷時酸 で,後

者 は接触還元 とい う緩和 な条 件で容 易にア ミンを与 える

か らで ある。

反応 の一般操作 は,カ ルボン酸,ト リエチル ア ミン,

それにDPPAを それ ぞれ等モル 使 用 し, t-ブ タノール

使用の揚合 は溶媒兼用 で大 過剰用 い,ベ ンジル アル コー

ル使用の揚合 は等モルまたはやや 過剰用 い,溶 媒 はベ ン

ゼ ンを使用 した。二,三 の場合 を除いて最初か らすべ て

を混合 して5~25時 間還流後,中 性部分 よ り転位成績体

である ウレタンを単離 した。

結果 をま とめて 表8に 示す が,多 くの揚合 円滑に反

応 が進 行 している。通常 のクルチ ウス転位 反応では低収

率15),し か もカル ボン酸 を一挙 にアミンに導 くシ ュミ ッ

ト転位 反 応 にかか らない とされ てい る16)ピリジンー2一力

表 51)

表 6 n-C7H15CO2HEts3N

in t-BuOHn-C71-115NHCO27t-Bu

表 7 PhCO2HN3PO(OPh)2

Et3N, R'OHPhNHCO2R'

Page 5: Diphenylphosphoryl Azide - JST

670 有機合成化 学 第31巻 第8号 (1973) (36)

ルボ ン酸は高収率で 島 ア ミノ ピリジン誘 導 体 を与 え立

体障害が予想 されるo一 ニ トロ安息 香 酸 におい ても対応

するP一 ニ トロ体同様円滑に転位 反 応 が進行す る。 また

ビバ リン酸 も同様 に立体 障害 が予想 され るが,転 位率は

必ず しも悪 くない。光学活性 なL-セ リン誘導体 も容 易

に転位 をおこし分子 内で 閉環 したオキサ ゾリ ドンが得 ら

れるが,そ の光学活性 は保持 されてい る。シ クロヘキサ

ンカル ボン酸 においてはt一ブタノール,ベ ンジルアル コ

ールいずれ を用いて も日的 とす るウレタン以外 に転位反

応の中間体のイ ソシアナー トにアジ化水素酸 が付加 した

と考え られ るカルバ モイルアジ ドがかな り得 られ,わ ず

かなが らではあるが尿素誘導体 も得 られ る。

レブ リン酸 はシ ュミット転位反応 に付す とカルボ ン酸

部には反応 がおこらず,ケ トン部に アジ化水 素酸が反応

した β-アラニンお よび コハ ク酸の混合物 が得 られる16)。

DPPA法 では 日的 とす る かブチル ウレタ ンが27.5%,

カルバモイルアジ ドが14%で,転 位 の総 収率は約42%

と若干悪 いが,ケ トン部 を保護 するこ とな く転位反応 が

進行するのは大 きな利点 である。 またこのケ トン部 をケ

ター ルとして保護 した場合 には転位 の総収率 は91%と

上 昇す るが,こ のよ うに酸 に弱い 基 が あってもDPPA

法 は充分用い得 るとい うことであ る。 なお この場合 ご く

わずかで はあるが単 にエステル化 のお こった もの も捕 え

られてい る。

さらに非常に反応性 に富む か ラクタム 環 を有す るペ

ニシ リンGカ リウムをt一ブタ ノ ール中DPPAで 処理 し

た ところ80%の 高収率で転位 した ウレタンを得 た。

2. 反応機構 DPPAを 用 いる新 クル チウ ス 転 位:

表 8 RCO2HN3PO(OPh)2, Et3N

R'OHRNHCO2R'

Page 6: Diphenylphosphoryl Azide - JST

(37) ジ フ ェ ニ ル リ ン 酸 ア ジ ド 671

反応 は,カ ルボ ン酸 より一挙 にア ミン誘導体 が得 られ る

点で シュミ ット転位 反応に類似 しているが,ペ プチ ド結

合形成 の機構 の項でのべたの と同一機構で カル ボン酸 よ

りカルボ ン酸 アジ ドを生成 し,そ れがイ ソシアナー トに

熱転位 し,さ らに アル コールまたはフ ェノール が付加 し

て ウレタンになるものと考え られ,反 応機構 の上 か らク

ルチ ウス転位反応 に属す るもの といえよ う。上述 したよ

うに基質 によってウレタ ン 以 外 に,カ ルバモイルアジ

ド,尿 素,エ ステルなどが副生す るが,そ れ らの生成機

構はおおよそ 図4の よ うになろ う。

この反応 は通常のクル チウス反応 よりも工 程 数 少 な

く,通 常のシ ュミ ット反応 のよ うに濃硫酸 のよ うな強酸

を必要 とせず,ま たホフマン反応 のよ うに強 アル カ リを

用いず,ほ ぼ中性で比較的緩和 な条件 でカル ボン酸 を一

工程 でアミン誘導体 に導 くものなので,合 成化学上応用

性 の広い反応 と考 え られる。

V. マ ロ ン酸誘 導 体 に 対 す る反 応

1. エス テル生成反応14,17) 一般 にマ ロン酸 モノエ

ステルよ りそのエステル部 をヒ ドラジ ドに し,ア ジ ドを

へて通常のクルチ ウス転 位 を行 ない α-アミノ酸 を合成

す る方法は,古 くCurtius18)が 開発 した方法であ るが,

工程数多 く収 率よい方法 とはい えない。上 記DPPA法

で はマ ロン酸モ ノエステルのカルボン酸部 を転位 させ,

一挙 に α一ア ミノ酸誘導体 が得 られ るはずであ る。

そ こで まずマ ロン酸 モ ノエチルエステルをt一ブタノ

ール 中DPPAお よび トリエチルア ミンと常法通 り反応

させ た ところ,予 期 に反 して得 られた ものは単 にエステ

ル化 されたマ ロン酸 エチルt一ブチル の み で 日的 とす る

クルチ ウス転 位体N-t一 ブチルオキシ カルボ

ニルグ リシンエチルエステル は全 く得 ら れ

ず,わ ず かにN一 アジ ドホル ミル グ リシ ンエ

チルエステルを赤外線 吸収 スペ ク トルで確認

で きた のみであ った。アルコールをかえてベ

ンジル アル コールを用 いた場合 も同様 エステ

ル化 のみがお こ り,転 位 体は全 く検 出され な

かった。一般 にDPPAを 用い る新 クルチ ウ

ス転位反応 におい てはエステルは生成 した と

して も痕跡程度 で,前 述 のレブ リン酸 エチ レ

ンケタールの場合 表8に 示 した ように6%

とやや多い位 であ り,上 記 の結果 はい ささか

予想外 であった。

さらにベ ンジルマ ロン酸 モノエチルエステル,シ アノ

酢酸,マ ロン酸モ ノア ミ ドな どにおいても 表9に 示す

ように,DPPAに よ りエス テル化 が 主 としておこるこ

とが判明 した。すなわち,エ ステル 生 成 反応 は α位 に

特定 の官能基あ る酢酸に特有 の反応 とい うこ とができよ

う。

エステル の生成機構 は日下検討中であ るが,シ ア ノ酢

酸 におい てDPPAを 用いず単 に トリエチル アミンを加

図 4

表 9RCH

X

CO2H

N3PO(OPh)2, Et3N

in R'OHRCH

X

CO2R'

Page 7: Diphenylphosphoryl Azide - JST

672 有機合成化学 第31巻 第8号 (1973) (38)

えt一ブタノール中還流 して も原料 のシアノ酢酸 を 回 収

す るのみなので,DPPAが エステル化 に関与 してい るこ

とは疑い がない。

さらに極 めて興味 あることは,コ ハク酸 モ ノメチルエ

ステル あるい は3一シア ノプ ロピオン酸 をDPPAお よび

トリエチル アミン存 在下,か ブタノール中還 流 する と,

クル チウス転位体が前者では82%,後 者 では75%の

収率で得 られ,エ ステル化 はほ とん どおこ らないことで

ある。

2. α一アミノ酸の合成14) DPPAを 用 いる新 クル

チ ウス転位反応 においては,一 般 にアル コール を最初か

ら共存 させて反応 を行 なってい るが,IV.2.反 応 機 構

の項 でのべたよ うに,こ の反応 の中間体 はイ ソシアナー

トであるが,そ の生成 の際 にはアル コールを必 ず しも必

要 としない。す なわ ち,ベ ンゼ ンな ど適 当な溶媒 中でま

ず生ず るカルボ ン酸 ア ジ ドを加温 しイ ソシアナー トに導

き,つ いで アル コールを加 えて ウレタンに導 けばいいわ

けであ る。そ こでベンジルマ ロン酸 モノエチル エス テル

をベ ンゼ ン中DPPAお よび トリエチル アミン存在下1

時間還 流後,等 モルよ りやや過剰 のベ ンジル アル コール

を加 え17時 間還流 した ところ,日 的 とす るクルチ ウス

転位 体N一 ベ ンジルオキシカルボニルフ ェニルアラニ ン

エチルエステルが79%の 高収率で得 られ た。

以下種 々のマ ロン酸 モノエチルエス テル につ きこのニ

段階操 作でクルチ ウス転位 を行 なった ところ,表 憩 に

示 すよ うに主成績体 として α-アミノ酸 誘 導体が得 られ

た。フ ェニルマ ロン酸 モノエチルエステルの場合,転 位

率 は34%で やや不満足 な結果であ るが,こ れは原料 の

モノエステル が一部塩基 の存在下脱炭酸 反応をおこ しフ

ェニル酢酸 エチルエス テルにな るためである。

この反応で得 られた α一アミノ酸誘導体は,接 触還元,

加水分解 などで容易に α一ア ミノ酸 を与 えるので,こ の

方法は α一ア ミノ酸 の新 合 成 法になる もの といえよ う。

VI. アル コ ール との 反 応14)

上述 したよ うにDPPAを 用い る新 クル チウス転位 反

応 においてはDPPAと アル コールを トリエチルア ミン

存在下加温反応 させ るものなので,こ の 際DPPAと ア

ル コールが どの程 度 反 応す るか,す なわ ち,DPPAの

アル コールに対す る安定性が問題 となる。そこでエタノ

表 11

表 10 RCHCO2Et

CO2H

i) N3P0(0Ph)2, Et3N

ii) PhCHZOHRCH

CO2Et

NHCO2CH2Ph

Page 8: Diphenylphosphoryl Azide - JST

(39) ジ フ ェ ニ ル リ ン 酸 ア ジ ド 673

ール,イ ソプ ロパ ノール,か ブタノール,ベ ンジル アル

ロールをそれぞれDPPA一 トリエチル ア ミン(等 モル)

と加温反応 した ところ 表11の よ うな結果 を得 た。

す なわ ち,t-ブ タノール はほ とんど反応 せ ず 大 部 分

DPPAを 回収す るが,他 のアル コールではDPPAは 全

く回収 されず種 々の成績体が得 られた。 これ らの生成機

構 をベ ンジル アル コール の場合図示すれば 図5の よ う

になろ う。

ところで実際 にDPPAを 用 いクルチ ウス 転位反応を

行 な う場合 には,最 初 トリエ チル アミンは原料 のカルボ

ン酸 と塩 を形成 してお り,反 応 の中間状態及び終了 した

時 点ではジフ ェニ ル リ ン 酸 と塩 に なってい るので,

DPPAと アル コールの反応 の場合 よ り若干反応液 の塩基

性度 が低 い。またDPPAと カルボキシレー トアニオ ン

との相互 作用,そ れに続 くクルチ ウス転位 の方 が優先す

るため,満 足すべき収率 でカルボン酸 よ りウレタンが得

られ るもの と考 え られ る。

VII. リン酸 ア ジ ドの そ の 他 の 反 応

以上われわれの研 究室で行 なわれた仕事 を中心 にのべ

て きたが,DPPA自 身は新 しい試薬 であるが,類 縁 体

の ジメチル リン酸 アジ ド,あ るい はI.で ふれたジエチ

ル リン酸 アジ ドなどは既知化合 物であ る。これ らを用い

た反応 はさほ ど多 くはないが参考までに図示 だけ してお

く(図6)。DPPAも おそ らくこれ らと類 似の反応を行

な うもの と予想 され る。

VIII. お わ り に

近年Biomimetic Chemistryが 盛んにな りつつあ る21)。

生 体内の反応 は高度 に特異的選択的であ り,し か も反応

条 件は緩和 で,か つ反応時間 は短い。 この ように秀れた

生体反応 を模 して何 とか有機化学反応 も行 なえ ないか と

い うわけである。DPPAも また このよ う な 生

体反応 をバ ックにおいて開発され た試薬 である

が,ま だまだ多数の合成 反応 への応用 が考 え ら

れ よ う6た とえば新 クルチ ウス転位反応 の展 開

にあた っては,実 験上の簡便 さのため もあって

もっぱ らウルタ ンを合成 したが,こ の反応 の中

間体 はイ ソシアナー トなので,適 当な条 件を選

べ ば,従 来反応性 に富み取 り扱いに くいイ ソシ

アナー トを出発原料 としていた反応に,カ ルボ

ン酸 と適 当な塩基,そ れにDPPAを 出発 原料

として行 な うこ とも可能で あろ う。

その他まだわれわれの未知 なる性質 の発現 も期待 され

ようし,ま たDPPA類 縁体 の中か らDPPAよ りさらに

秀れた諸性質を持つ新 しい試薬 の出現 を期待 しつつ筆 を

お く。種々 ご批判 ご教示 たまわれば幸いで ある22)。

本研究は当教室二宮邦博学士 との協同研究 として行 な

われた ものであ り,同 君 の力強 い協力 な くしては,本 研

究 は進展 し得なか ったであろ う。ここに記 して厚 く感謝

の意 を表す る。 (昭和48年3月30日 受理)

文 献

1) T. Shioiri, K. Ninomiya, S. Yamada, J. Amer. Chem. Soc. 94 6203 (1972)

2) 塩入孝 之,山 田俊一,第9回 ペプ チ ド討論会講演

要 旨集,p.5(1971.11)静 岡

3) 塩入孝之,二 宮邦博,山 田俊一,有 機 リン化合物

討論会講演予稿集 p.17(1972.1)東 京

4) F. Cramer, M. Wintern, Chem. Ber. 94 989

図 5

図 6

Page 9: Diphenylphosphoryl Azide - JST

674 有機合成化学 第31巻 第8号 (1973) (40)

(1961)5) F.L. Scott, R.Riordan, P.D. Morton, J. Org.

Chem. 27 4255 (1962)6) 矢 島治 明,有 合化2927(1971)

7) Y.S. Klausner, M. Bodanszky, Synthesis 1972

453

8) M.W. Williams, G.T. Young, J. Chem. Soc.

1963 881

9) M.W. Williams, G.T. Young, J. Chem. Soc.

1964 3701

10) 塩入孝之,小 沢健志,山 田俊一,第10回 ペプ チ ド

討論会講演要 旨集,p.15(1972.9)札 幌

11) 有村章,松 尾寿之,馬 場義彦,蛋 白質 核 酸 酵 素

17 479 620 1972)

12) J. BƒÓbler, J.-K. Chang, F. Enzmann, K. Fol.-

kers, J. Med. Chem. 14 475 (1971)

13) 井手 明雄,重 実桂助,重 実鈴,溝 口富茂,斎 藤清

一 ,薬 誌90850(1970)

14) 塩入孝之,二 宮邦博,山 田俊一,有 機イオ ウ ・リ

ン化合物討論会講演 要旨集p.79(1973.2)京

都15) H. Meyer, J. Mally, Monatsh. 33 393 (1912) 16) H. Wolff, Organic Reactions III 30717) 二宮邦博,塩 入孝 之,山 田俊一,日 本薬学会第93

年会講演要 旨集II-70(1973.4)東 京

18) T. Curtius, W. Sieber, Ber. 54 1430 (1921) 19) M.I. Kabachnik, V.A. Gilyarov, Izvest. Akad.

Nauk S.S.S.R., Otdel. Khim. Nauk 1961 819; C.A. 55 27014d (1961)

20) S. Rengaraju, K.D. Berlin, Tetrahedron 27 2399 (1971)

21) た とえ ばR.Breslow, Chem.Soc. Rev.1553

(1972)

22) 現 在DPPAは 本 邦 に お い て は 互 栄 商 事KK(大

阪 市 東 区 平 野 町3-35)よ り入 手 可 能 で あ る。 ア

メ リ カに お い て は わ れ わ れ の速 報1)が 出 るや 否 や

Willow Brook Laboratories, IncがDPPAの 製

造 を 開 始,25g$15.00,100g$45.00で 販 売

して い る。

「有機合成化学協会誌」合本ファイル

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