DNSとネットワーク設定

URLとURI

URL(Uniform Resource Locators)– インターネット上の情報にアクセスする方法。

– プロトコルやホスト名からなる。

http://www.nagoya-u.ac.jp/ftp://ftp.nuie.nagoya-u.ac.jp/

URI(Uniform Resource Identifier)– インターネット上の情報検索の概念や基本仕様

ホスト名とドメイン名

• ネットワークに接続されたコンピュータは，何らかのドメインに属していて，そのドメイン内で唯一の（ユニークな）名前を持つ

• ホスト名– ネットワークに接続されたコンピュータを人間が識別しやすいようにつける名前

– 例：cool000 （正式名称はcool000.sis.nagoya-u.ac.jp）• ドメイン名

– ホストの属するドメインの名前．インターネット上の住所– ドメインは別のドメインに属する．（サブドメイン）– 例：sis.nagoya-u.ac.jp

ドメイン名

ドメイン名ドットで区切られた文字列の並びとして定義されており，右端より第１レベル，第２レベル，第３レベルとよぶ．例えば，

cool000.sis.nagoya-u.ac.jp の場合，文字列は右側から以下のことを示している．

jp Japan (日本) ac academic (大学研究機関) nagoya-u

Nagoya University (名古屋大学) sis School of Infomatics and Science (情報文化学部) cool000 cool000という名前のホスト

＊各文字列は，それより一つ上のレベル内でユニークでなければならない．たとえば，sisというのは，その一つ上のレベル nagoya-u 内に一つしか存在しない．

MACアドレス

• MAC (Media Access Control)• 製造段階で、各機器NICごとに割り当てられた物理アドレス

• 製造会社ごとに番号は異なる。

IPアドレス

Aクラス

Bクラス

Cクラス

Dクラス

IPv4– ホストごとに割り振られたインターネット上のアドレス

– 32ビットを４桁に分けて表現する。

IPv6– IPv4ではIPアドレスが足らないので、新たに定義された。

例） 133. 6. 1. 9

IPアドレスのローカル・アドレス

• グローバル・アドレス– 例えば，133.6.1.9などというIPアドレスはグローバルで，世界中で唯一のアドレスである．

• ローカル・アドレス– これに対して，会社や家庭内など狭いところだけで有効な

IPアドレスはローカル・アドレスと呼ばれる．

– 以下のものがある．10.0.0.0～10.255.255.255（クラスA）172.16.0.0～172.31.255.255（クラスB）192.168.0.0～192.168.255.255（クラスC）

– このうち，よく利用されるのは192.168で始まるアドレスである．

DHCP• Dynamic Host Configuration Protocol• DHCPサーバーが、あらかじめ幾つかのDHCPクライアント用に幾つかのIPアド

レスを確保しておく．クライン後の要求に応じて，IPアドレスのひとつを割り当てる．不要になれば回収して，他のクライアントに貸し出す．

インターネット(外部)

133.6.44.xxx192.168.0.xxx

DNS

DNSとは？

DNS (Domain Name System)– IPアドレス（例えば，133.6.1.9）とホスト名(nu109.cc.nagoya-u.ac.jp)を対応

づける．つまり，133.6.1.9 と問われればnu109…と答え，nu109…と問われれば133.6.1.9と答えるということである．

– 対応付けを行うためのホスト（DNSサーバー）はドメイン内に１台以上あり，全てのホストは，このDNSサーバーに問い合わせることで他のホストを 特定する．

正引き– ホスト名からIPアドレスを得る操作

逆引き– IPアドレスからホスト名を得る操作

相手のPCを特定する(正引き）

nslookup用途）

ホストのネットワーク設定を調査したりするためにしばしば利用される，ネットワーク設定においては非常に基本的なコマンドである．

例１)ホスト nu104.nagoya-u.ac.jp のIPアドレスを調べるためには，以下のように入力する．

nslookup nu104.nagoya-u.ac.jp 出力は以下のようになる．

Server: neptune.ipl.human.nagoya-u.ac.jp Address: 133.6.42.81 Non-authoritative answer: Name: nu104.cc.nagoya-u.ac.jp Address: 133.6.1.9

＊この出力は以下のことを示している．• 最初の２行は，ローカルホストのDNSサーバーが neptune.ipl.human.nagoya-u.ac.jp で，そのIPアドレ

スが133.6.42.81であることを示している．• 最後の３行は，nu104.cc.nagoya-u.ac.jpのIPアドレスが133.6.1.9であることを示している．

相手のPCを特定する（逆引き）

コマンド：nslookup

例２)IPアドレスからホスト名を選るには以下のように入力する．

nslookup 133.6.1.9 結果として次の出力を得る．

Server: neptune.ipl.human.nagoya-u.ac.jp Address: 133.6.42.81 Name: nu104.nagoya-u.ac.jp Address: 133.6.1.9

最後の２行は，133.6.1.9に対してホスト名(正確には，FQDN名)nu104.cc.nagoya-u.ac.jpを返している．

相手のPCを特定する（DNSサーバー変更）

コマンド：nslookup

例３）DNSサーバーをnu104.cc.nagoya-u.ac.jpに変更して調べるためには以下のように入力する．

nslookup w3.ipl.human.nagoya-u.ac.jp nu104.cc.nagoya-u.ac.jp （最後に，nu104.cc.nagoya-u.ac.jpが追加されていることに注意）そして，出力結果は以下のようになる．

Server: nu104.cc.nagoya-u.ac.jp Address: 133.6.1.9 Name: w3.ipl.human.nagoya-u.ac.jp Address: 133.6.43.189

先の結果と比べると，Server:の横のホスト名が異なっていることに注意してください．

nslookupの反応

> www.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jpServer:nu104.nagoya-u.ac.jpAddress:133.6.1.9

Name:ns.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jpAddress:133.6.217.9Aliases: www.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jp

Server:nu104.nagoya-u.ac.jpAddress:133.6.1.9

Name:ns.ipl.cs.is.nagoya-u.ac.jpAddress:133.6.217.9

ネットワークの設定

サブネット・マスクとブロードキャスト・アドレス

• サブネット・マスク

– 他のコンピュータと通信を始める前に、メッセージを相手のコンピュータに直接に送信するのか、ルータに送信するのかを判断するためにサブネット・マスクを用いる。

• ブロードキャスト・アドレス

– ブロードキャスト通信のために使われる、パケットの宛先アドレス

– TCP/IPネットワークでは、255.255.255.255というブロー

ドキャストアドレスに対してブロードキャストをすると、そのネットワークのすべてのノードに対して、パケットを送ることになる。

ping• ネットワーク疎通を確認したいホストに対してIPパケットを発行し，そのパケットが正しく届い

て返答が行われるかを確認するためのコマンド．• pingコマンドが正常に実行できれば，通常はホスト間ネットワークは正常と判断できる．

例）IPアドレス 133.6.1.9 のホストに対してネットワーク接続の状況を確認するためには，以下のように入力する．

ping 133.6.1.9 この結果，正常に接続されていれば，例えば以下の出力を得る．

PING 133.6.1.9 (133.6.1.9) 送信元 192.168.1.100 : 56(84) bytes of data. 64 バイト応答 送信元 nu104.cc.nagoya-u.ac.jp (133.6.1.9): icmp_seq=0 ttl=250 時間=1.015ミリ秒64 バイト応答 送信元 nu104.cc.nagoya-u.ac.jp (133.6.1.9): icmp_seq=1 ttl=250 時間=829 マイクロ秒64 バイト応答 送信元 nu104.cc.nagoya-u.ac.jp (133.6.1.9): icmp_seq=2 ttl=250 時間=751 マイクロ秒

コマンドを終了させるには，CTRL+Cを入力する．

• 2行目は次のようなことを示している．「64 バイト」のデータを「nu104.cc.nagoya-u.ac.jp (133.6.1.9)」へ送った．送信にかかった時間は「時間=1.015ミリ秒」であった．

route• IPパケットをルーティングするためのルーティングテーブルの内容表示と設定を行う．

• テーブルのエントリーが経路を表し，経路はネットワークまたはホストへ到達するために通過する必要のあるゲートウェイを表している．

route （routeコマンドが見つからない場合は/sbin/route ）と入力すれば，以下のような出力を得る．

カーネルIP経路テーブル受信先サイト ゲートウェイ ネットマスク フラグ Metric Ref 使用数 インターフェース192.168.70.0 * 255.255.255.0 U 0 0 0 vmnet1 192.168.1.0 * 255.255.255.0 U 0 0 0 eth0 127.0.0.0 * 255.0.0.0 U 0 0 0 lo default 192.168.1.1 0.0.0.0 UG 0 0 0 eth0

192.168.1.0で始まる行は，ネットマスクが255.255.255.0で，インタフェースの名前はeth0であることを示して いる．また，127.0.0.0で始まる行は，ホストの内部的な設定で，必ず記述しなけばならない．さらに，defaultで始まる行は，ゲートウェア 192.168.1.1がデフォルト（標準）のゲートウェイであることを示す．

• Windowsでは route PRINT と入力する．表示結果は少々異なる．

ifconfig と ipconfig (1)LINUX

ifconfigWINDOWS

ipconfig /all

– ホストに設置されたNIC（ネットワーク・インターフェイス）に対し，IPアドレスやサブネットマスク，ブロードキャストア

ドレス，そのほかの基本的な設定を行うとともに，現在の設定を確認するために用いる．

ifconfig と ipconfig (2)ipconfig /all

と入力すれば，以下のような出力を得る．

eth0 リンク方法:イーサーネットハードウェアアドレス 00:90:99:26:7D:26 inetアドレス:192.168.1.100 ブロードキャスト:192.168.1.255 マスク:255.255.255.0 .........

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これより，eth0と名前の付けられたネットワークカードについて以下のことがわかる．ハードウェアアドレス（MACアドレスのこと） 00:90:99:26:7D:26 inetアドレス（IPアドレスのこと） 192.168.1.100 ブロードキャスト（ブロードキャストアドレスのこと） 192.168.1.255 マスク（サブネットマスクのこと） 255.255.255.0

netstat• ホストのネットワーク接続状態やソケット／インターフェイスごとのネットワーク統計などを確

認する．

例１）ネットワークの統計データを得るには，netstat -s

と入力する．Ip: 合計5284パケットを受信0がフォワード0 incoming packets discarded .......... Tcp: 84の能動接続を確立..........

ここで，Ip:の部分はInternet Protocolに関連した情報を，Tcp:の部分はTransmission Control Protocolに関連した情報を示す．

Windows環境で行うには．．．

• Windows環境で行うには以下のようにします．

「スタート」「すべてのプログラム」

「アクセサリ」「コマンドプロンプト」

• 開いたウインドウの中にコマンドを入力する．

演習問題

以下のデータについて調査・報告しなさい．1. 自分の使用しているコンピュータ（ローカルホスト）のMACア

ドレスとIPアドレス2. 友人（任意の1名）のコンピュータのホスト名，ドメイン名とIP

アドレス3. www.nagoya-u.ac.jpのIPアドレス4. 133.6.200.1のホスト名とドメイン名5. ローカルホストのデフォルト（標準）ゲートウェイのIPアドレス

とホスト名6. ローカルホストの（デフォルト）DNSサーバーのIPアドレスと

ホスト名

7. ローカル・ホストのルーティングテーブルを表示し，テーブルの任意の２行について解説しなさい．