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金星雲画像から探る紫外吸収物質高度分布
飯塚 裕磨 1 、今村 剛 2 、佐藤 毅彦 2 、中村正人2
1 :東大・理・地球惑星、 2 : ISAS/JAXA
2011.05.11 STP セミナ
金星大気
(http://www.stp.isas.jaxa.jp/venus/)
紫外吸収物質
紫外 (365nm) 近赤外 (935nm)
研究目的
吸収物質高度分布に制約→ 不明吸収物質の生成場所や輸送の手がかり
存在高度における吸収による熱収支→ 大気運動への影響を考察可
Venus Express
2004 年 10 月打ち上げ2006 年 4 月金星到着
周期: 24h近金点: 250km遠近点: 66000km
VMC(Venus Monitering Camera)近赤外、紫外、可視光が観測できるカメラ
(http://www.stp.isas.jaxa.jp/venus/)
使用データ
研究手法
観測データ (VEX/VMC) の解析により輝度分布を抽出
放射伝達計算 (DISORT) を行い観測データに合うような吸収物質の高度分布を推定
計算 観測
同条件下で輝度分布比較
解析手法各地点における入射光天頂角、出射光天頂角を計算→ 輝度分布の入射角、出射角依存性を抽出
解析の工夫
・極渦の構造を避けるため 緯度を限定 (30°N-30°S)
・前日のデータと 残差の二乗和を比べることで 構造の少ないデータを使用
DISORT
- 計算法 -discrete-ordinate-method( 離散座標法 )
- 大気層 -鉛直方向に不均質な平行平板大気
放射伝達計算
大気層毎に光学的厚さ単一散乱アルベド散乱分布等の大気情報を入力
解析例
VMC 画像から各点の入射角・出射角を計算輝度はランベルト面で割り算
解析結果 紫外 0.3
0.15
0
近赤外0.4
0.2
0
左上 :2007.07.27( 紫外 )/ 右上 :2007.07.28( 紫外 )左下 :2007.07.27( 紫外 )/ 右上 :2007.07.28( 近赤外 )
計算結果
τ=20ω0=1
τ=20ω0=1
τ=1,ω0=0
τ=0.3,ω0=0.6, レイリー
τ=0.3,ω0=0.2, レイリー
τ=1000ω0=0.990
左上
右上
左下
結果比較紫外との比較→ 低緯度領域は比較的良く再現できていると言える
近赤外との比較→ 全領域に渡りよく再現できている
まとめ紫外雲画像解析→ 入射光天頂角の大きい領域で 輝度が大きくなる傾向がみられた 出射光天頂角への依存性は低い
放射伝達計算結果との比較→ 吸収の無い大気においては 比較的よく再現できているので 手法としてはよさそうである→ 紫外域は一様性の高い領域では 分布を決められる可能性がある ローカルな濃縮領域の検討が必要
ありがとうございました
吸収層分布による輝度の違い
赤色:入射光橙色:出射光
白色:散乱層灰色:吸収層
吸収層と非吸収層との上下により輝度分布が異なることが示唆される