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1.『ろんりde国語』の開発物語

 この教材は、東京都世田谷区にある「Kip学伸」という塾によって作られたものを、当社が編集し、完成させたものです。 「Kip学伸」は、中学入試や大学入試に華々しい実績を上げています。その秘密は、「生徒の国語力を上げることで全教科の成績を上げる」という指導方針にあります。その方針を掲げた初期の「Kip学伸」では、いろいろな国語教材を試しましたが、思うような成果が得られませんでした。そこで、十数年前に自塾内での開発を始めました。そして、その教材によって自塾生の成績が驚異的に上がり、毎年素晴らしい成果を上げることができています。この教材の根本になっているコンセプトは、次の通りです。

①主語・述語が整ったきちんとした文や、助詞が適切に使われた文を書けるようにする。②「しかし」「だから」などの接続語を正しく使い分けられるようにし、筋道立った論理的な文を書けるようにする。③文を書くにあたっては、「なので」「見れる」などの話しことばを使わず、上質な書きことばを使って書けるようにする。

 さて、各生徒にこれらのことを定着させるには、「徹底して書かせる」ことが大切です。各生徒が何回も何回も模範となる文を書くことで、ようやく正しい日本語が身につくのです。そのために、この教材には別売りの「トレーニング ノート」という解答記入用の専用ノートが用意されています。それを利用すると、この教材を何回も利用でき、弱点部分の反復練習も可能になります。また、各生徒の国語力の伸びを数値化できるよう、各単元に対応するチェックシートも完備しています。 このように、この教材とそのシステムは、国語力や論理的思考力を向上させるために、深く考え抜かれ、作り上げられたものです。

2.『ろんりde国語』を使った効果的な指導法

(1)指導スタイル 国語力は各生徒の学年に必ずしも比例しません。小4でも中2の標準レベルの力をもった生徒もいます。また、もちろんその逆もあります。また、学習進度や文字を書くスピードもまちまちです。そのような背景から、このテキストを使った指導形態は、各自の学力やスピードに合わせ、使用教材も進度も自由とする「集団個別」のようなスタイルがお勧めです。

(2)進度や指導方法など この教材を使った教室内での学習時間は、20分未満が最適です。それ以上長いと書き疲れてしまう生徒が多く出ます。学習スピードは生徒によりまちまちです。そのため、1~2ページを完了した時点で、講師の所に持参し、点検を受けるというようなシステムにされてはいかがでしょうか。 なお、漢字学習や読解問題の演習は、(4)の「『ろんり de国語』を利用した国語の指導プラン」をご参照下さい。

(3)「トレーニング ノート」の利用 各生徒がこの教材に収録されている内容を完全に習得するためには、各単元の一回学習だけでは定着しないのが普通です。そのため、この教材には、専用の「トレーニング ノート」が用意されています。各生徒には、解答を本体に直接書き込ませず、「トレーニング ノート」に書かせるようにすることをお勧めします。Kip学伸の各生徒は、ホップ、ステップのそれぞれについて、「トレーニング ノート」を何冊もこなすことで、力をつけています。

(4)『ろんりde国語』を利用した国語の指導プラン 当書の開発元であるKip学伸では、『ろんり de 国語』と当社の教材を次のように組み合わせて用い、成果を上げています。

【授業時間】… 週1回2時間【指導形態】… 自学自習の集団個別指導【授業の流れ】… 以下のような流れで指導を進めています。①生徒は自分のペースで各教材をこなし、区切りが良いところで講師の所へ行く。②講師は即座に丸付けを行う。間違えたところは生徒に再提出を促す。説明は簡潔に行う。③各ステージが完了したら、その最後にある総合問題をさせる。80点以上をとれなかった場合は、「トレーニング ノート」などを利用して、そのステージを再度学習させる。

【1回の授業の時間配分】 「Kip学伸」では1回の授業を次のような時間配分で行っています。①漢字テスト(漢字の力を伸ばす)…15分②『ろんりde国語』の学習(日本語を通じた論理的思考力の育成)…20~30分③『読解はかせ』の学習(読解力育成、及び一般的な国語問題解法の訓練)…20~30分④『ことばの達人』などの学習(語彙力を増やす)…20~30分⑤各生徒にふさわしい本の読書(読書の習慣をつける)…20~30分*なお、作文力強化を希望する生徒には当社で発行している『文作はかせ』も加えて指導しています。

4.チェックシートの取り出し方と利用法

(1)「つむぎ国語クラブ」に入会する。 まず、小社ホームページで「つむぎ国語クラブ」のサイトを開いて下さい。そして、必要な情報を入力し、「つむぎ国語クラブ」にご入会下さい。(入会金、年会費などは一切不要です。)

(2)「国語力成長記録シート」やチェックシートA,Bをダウンロードする。

①まず右〔図1〕のような「国語力成長記録シート」をダウンロードして下さい。②次に〔図2〕のようなチェックシート(12単元、各2種、計24種)と赤刷り解答〔図3〕をダウンロードして下さい。③貴塾では、それらのシートを原盤としてクリアファイルなどに保管して下さい。そして、それらを必要に応じてコピーしてお使い下さい。

(3)チェックシートの利用法①新規入塾者には、ホップ〈6〉の総まとめ問題をさせて下さい。その問題をさせたあと、採点して下さい。そこで90点以上とれた場合には、ホップからの学習ではなく、ステップからの学習でも大丈夫です。②90点未満の場合には、ホップから始めて下さい。また、誤答の部分を詳しく分析したとき、次の問題番号(1~6)にミスがよく見られるという場合は、→の単元が弱点分野ということになります。そのため、まずその分野を最優先に指導して下さい。 1  →〈1〉主語と述語 2  →〈2〉助詞 3  →〈3〉接続語 4 5 →〈4〉指示語 6  →〈5〉上質な文章を書く③90点以上の場合には、ステップからスタートしても大丈夫です。そのスタートにあたっては、やはり②と同じく誤答部分を分析し、弱点だと思われる単元から始めるとよいでしょう。

5.国語力向上を保護者に「見える化」するための効果的な方法

 国語力は算数や数学のように、点数化が難しいという面があります。そのため、塾側としては、その向上を保護者にPRしにくいものです。しかし、『ろんり de 国語』に附属している「国語力成長記録シート」を利用すれば、保護者に対し、国語力向上を数値化して示せるため、大変説得力あるシステムをつくることができます。その利用法は次の通りです。①入塾面談時には、まず生徒にホップの総まとめ問題のチェックシートAをさせて採点し、「国語力成長記録シート」にその点数を記入して下さい。②次に、その総まとめ問題の各問を分析し、誤答の多かった分野のチェックシートAを実施して下さい。そしてそれを採点し、同じように「国語力成長記録シート」にその点数を記入して下さい。それらの点数が入塾時の生徒の実力ということになります。この点数を保護者にも示し、生徒の現在の国語力を双方で確認して下さい。③次に、この時に行ったチェックシートの点数を元に、スタート時に使用するテキストや、初めに学習する単元を決定して下さい。④指導開始後、何か月か経過し、各単元やテキストをやり遂げた後、同種類のチェックシートBを実施し、その点数を「国語力成長記録シート」に記入して下さい。そして、入塾時の点数と比較してみて下さい。初回のチェックシートAと今回のチェックシートBとの点数の差が、生徒の国語力の伸びを表すものとなります。(なお、チェックシートAとBの違いは、言葉の入れ替えと、問題の並び替えだけで、難易度の差はありません。)⑤その後の保護者面談時には、保護者に各生徒の「国語力成長記録シート」を示し、それを元に懇談して下さい。生徒の成長がはっきりと数字に表れることで、指導に対する保護者の納得も得られやすいことでしょう。また、指導効果も数字ではっきりと示すことができます。

〈チェックシートの利用と保護者面談の流れ〉 以上で述べた保護者面談の流れを図式化すると、次の通りとなります。(1)入塾時の面談

(2)2~3か月後の保護者との再面談

3.スタート教材の選定方法

 当教材で新たに学習をスタートさせる場合は、チェックシートのご利用をお勧めします。なお、チェックシートは当社のホームページから以下の手順に従ってダウンロードして下さい。

『ろんりde国語』の効果的なご利用方法都麦出版鳥居 実

ホップ総まとめ問題Aをさせる。[〈例〉点数は60点]

国語力成長記録シートに記入。 ホップ教材や弱点単元の学習

が終了。

ホップから指導 特に満点を取れなかった単元を 強化して指導。

ホップ総まとめ問題Bをさせる。[〈例〉点数は90点にアップ]

入会時の点数(60点)と比較し、生徒の成長を確認し合う。

ステップの総まとめ問題Aをさせる。[〈例〉点数は70点]

ステップの学習を始め、何か月か後に再びチェックシートで国語力の伸びを確認する。

〔図1〕

〔図2〕

〔図3〕

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