遊び学、人財育成・教育
松田恵示(東京学芸大学)
2019.12.09
管理・運営組織(東京学芸大学・MISTLETOEが合同で設立し、コミュニティ・マネジメントを行う)
東京学芸大インキュベーションセンター・Explayground推進機構概念図~公教育におけるオープンイノベーションの創出
・学芸大の教員との共同研究
・学芸大の学生を巻き込んだプロジェクト
・附属幼小中高での実証実験
・周辺教育機関との連携
最先端のツールや柔軟なフレームワークを用いた、こどもが本気でやりたいことに取り組める環境作り
・大学が企業等と連携する場所作り(共同研究)
・学生の成長を促す企業等とのフィールド研究
・教育大学にベンチャー企業支援策の活動拠点作り
大学教員・大学生
大規模企業中小企業
会費・共同研究費
MISTLETOEの出資により東京学芸大学小金井キャンパスにExplayguround(仮称)棟を建設
幼稚園~小学校~中学校~高校からデータを取得
大規模企業又は
ベンチャー企業の連合体 附属学校
研究情報の交流・公正な教育市場の開拓
資金調達チーム
大学院生は、プロジェクトに参加
企業から大学教員として出向
企業
大学院生
大学教員
新しい公教育の創造
包括協定
スタートアップ支援・出資
Society5.0時代の教育システム創造など、国や産業界からのニーズに基づく教育実践研究の推進と外部資金の獲得
事業例:附属学校をAI教育の実験校に特化
事業例:大学院・学部「フィールド研究・教育支援実習」の企画運営
スタッフ派遣 スタッフ派遣
産官学協働を促進させるプラットフォームの構築
共同研究・フィールド研究学生の受け入れ、
マッチング
「東京学芸大Explayground」
行政期間
教育機関
ベンチャー企業
・社会的な課題を産官学で連携して解決
東京学芸大学教育インキュベーションセンター
産学協同研究・大型プログラムの締結と運営-外部資金の獲得による研究活動の活性化-
【Closed Project】成果をコミットした従来の共同研究助成事業
【Open Innovation】成果をコミットしない課題やシーズ、熱量を起点とした自由な研究開発のフィールド
東京学芸大学教育インキュベーションセンター
東京学芸大Explayground
推進機構
連携・協働
共同研究・助成事業
人材投入
サポート(寄付等)
課題・シーズ
東京学芸大Expg.の取り組み
4
こんな環境を創りたい。
自分のやりたい研究や教育活動が思わず好きにできて、ハマっちゃうような面白いことがたくさんあって、一緒に楽しむ仲間もいっぱいいて、それを周囲が大いに応援してくれて、結果として自分の研究や教育活動が社会的な教育課題の解決につながって、
研究や教育も進み外部資金も導入できている
というような環境 遊びと学びがシームレスにつながる=自律主体的な活力=「遊ぶが如く学ぶ」
EXPG.アクセラレーションプロジェクト
ワーケーションを行う大人が、地域の小中高生と地域課題を解決するシステムを構築し、並行して親が多拠点居住をす
る際の子どもの学校教育の在り方を研究
• 家族での多拠点居住の意義(ノマド的生活スタイル)
• 制度としての学校の最適化
• 学校教育におけるPBLへの参加と「サービスラーニング」
• 地域のソーシャルキャピタルの活性化
• コンピテンシーとエージェンシを育成する教育への橋渡し
「遊び」の本質とは何か
• 「遊び」を考えるときの私たちの「クセ」とは
→ 何のためになるか、とか、なぜ子どもは遊ぶか、
など、関心のある文脈に「勝手」に引き寄せて「遊
び」を考えてしまうこと
• まずは「遊び」とは何か、について考えてみる
CF. ブレーキの遊び、ハンドルの遊び
遊び / 踏みしろ 足
車のブレーキペダルの「遊び」
1. 「間(遊隙)」
2. 「反復的な動き(遊動)」
加えて……
「遊びの現象学」(西村清和、勁草書房、1991)を観点として
前
後
3. 遊びなんだの安心感(遊戯関係)
ブランコ遊び
間と動きは不安定
→「失敗OK」
の感覚とチャレンジ精神
→「自律主体的な規則の受け入れ」
→主体を超えた独特のあり方(…に遊ぶ)
「遊び」の3条件
•「間」(適した課題)
•「動き」(ドキドキワクワク)
•「遊戯関係」(安心感)
「面白い」が生じる土俵
「他者」の存在が重要
「他者」の理解体験としての遊び
•遊びの3条件
→ 「他者」がないと成り立たない
•遊びは「他者」と自己が織りなす「1つの世界」(出会いと変化)
•想像、創造、自律、協働、他者理解、挑戦、規範意識等
「学び」は「他者との出会いと変化」
案内人=ガイド
人が経験を通して築いた「自の世界」「中間領域=学びの世界」
人の成長(変化)
無限に広がる「他者の世界」
-学び・遊び・交流・伝統・地域等-
大人自身の「生きがい」と「他者とのつながり」
(1)大人同士
(2)大人と子ども
(3)子ども同士
「甲斐がある」とは何か?
自 発
強 制
つながり 孤立
気晴らし
疎外された労働
遊び
仕事
ボランティア
「他者」とワーケーションの可能性
社会関係の3種類
「他」人 … 「知らない」「関わらない」
「他」者 … 「知らない」「関わる」
「他」己 … 「知っている」「関わる」
「知らない」→「ルール」…「規範性」
「関わる」 →「親密さ」…「共同性」
●メディアの技術革新によるコミュニケーション構造変容など
社会環境の変化大きい→他者を排除する環境へ
他者との出会いの貧困と「学び=遊びの世界」の衰退14
共同性
規範性
社会性(規範+共同)
ワーケーションの可能性