教養教育科目
はじめての経済学第 12 回 貨幣と金融 Part 1
2016 年 6⽉ 27 ⽇(⽉)5限担当教員: 経済学部唐渡広志(からと・こうじ)研究室: 経済学研究棟4階432号室email: [email protected]: http://www3.u-toyama.ac.jp/kkarato/
1
2
所得水準と価格
¥200,000 = ¥500 ×⽶(3kg) + ¥20 ×卵(10個) + ・・・ + ¥2000 ×シャツ(1枚)
¥200,000 = ¥1,000 ×⽶(2.5kg) + ¥40 ×卵(7個) + ・・・ + ¥4000 ×シャツ(0枚)
1ヶ⽉の所得が 20 万円の⼈の消費計画(2016年)
1年後もし,所得が変わらずに購⼊する財・サービスの価格が,すべて2倍になったら・・・
(所得全額を消費すると仮定)
・価格が上昇すると同じ 20 万円で購⼊できる消費量は(たいてい)減ってしまう(需要の法則)。→2016年の所得(20万円)と2017年の所得(20万円)
は,はたして同じ価値をもっているだろうか?
消費⽀出2016年
2017年
3
異時点間の所得の比較
米の価格(¥/kg)
所得(万円/1ヶ月)
1ヶ月に買える米の数量(kg)
1ヶ月に買える米の数量
の増加率(%)
1995 350 26 743 .
2000 420 31 738 −0.62005 450 37 822 11.42010 490 40 816 −0.72015 500 39 780 −4.5
)米の価格(円
ヶ月)(円所得ヶ月に買える米の数量
kg/1/1
本当に買うかどうかは別として,もし1ヶ⽉の所得をすべて「お⽶」の消費に充てたら,どれぐらい買えるか。
⾷べられる⽶の量で測った所得
kg9.742350
000,260
¥
¥
%6.0%100743
743738
4
ある年を基準においた価格指数で実質化 (1)
米の価格(¥/kg)
米の価格指数(1995年=1)
名目所得(万円/1ヶ月)
実質所得(万円/1ヶ月)
実質所得の増加率(%)
1995 350 1.00 26 26.0 .2000 420 1.20 31 25.8 −0.62005 450 1.29 37 28.8 11.42010 490 1.40 40 28.6 −0.72015 500 1.43 39 27.3 −4.5
1995年の価格(¥350)で各年の価格を割った値
名⽬所得を⽶の価格指数で割った値
2015年の39万円は1995年の価格で測ると 27.3万円に相当する
(物価の変動を考慮に⼊れて,1995年を基準に考えると所得は実質的に1.3万円増えている[26.027.3])
1995年の価格を 1 とする(1995年の価格を基準とする)
【重要】名⽬所得を価格指数で割ると実質所得が得られ,異時点間の⽐較ができる
5
ある年を基準においた価格指数で実質化 (2)
米の価格(¥/kg)
米の価格指数(2000年=1)
名目所得(万円/1ヶ月)
実質所得(万円/1ヶ月)
実質所得の増加率(%)
1995 350 0.70 26.0 37.1 .2000 420 0.84 31.0 36.9 −0.62005 450 0.90 37.0 41.1 11.42010 490 0.98 40.0 40.8 −0.72015 500 1.00 39.0 39.0 −4.5
1995年の26万円は2015年の価格で測ると 37.1万円に相当する.
(物価の変動を考慮に⼊れて,2015年を基準に考えると所得は実質的に1.9万円増えている[37.139.0])
2015年の価格を 1 とする(2015年の価格を基準とする)
2015年の価格(¥500)で各年の価格を割った値
名⽬所得を⽶の価格指数で割った値
【重要】名⽬所得を価格指数で割ると実質所得が得られ,異時点間の⽐較ができる
例題:買うことのできる小麦で実質所得を測る
6
小麦粉の価格(¥/kg)
小麦の価格指数(2011年=1)
名目所得(万円/1ヶ月)
実質所得(万円/1ヶ月)
実質所得の増加率(%)
2011 200 1.00 40 40.0 0.52012 198 0.99 40 40.4 1.02013 210 1.05 42 40.0 −1.0
価格指数
名目所得実質所得
2011年の⼩⻨価格を1とするとき,[1]. 2013年の⼩⻨の価格指数を求めなさい。
[2]. 2013年の実質所得を求めなさい。
[3]. 2013年 1 年間の実質所得の増加率 [%] を求めなさい。
物価指数
[指数]:ある値を基準にして,他の値の基準値に対する⽐で表した値[物価指数]:異なった時点における多数の財の物価⽔準を⽐較するために,様々な商品の価格指数を加重平均化した値
国で作成している物価指数消費者物価指数(CPI):主に家計が⽀出する財・サービスや輸⼊品を対象に価格を指数化したもの(中間財・中間サービスは含まない)。
GDPデフレーター:国内で⽣産されたすべての財・サービス(中間財,最終財)を対象に価格を指数化したもの.
7
年価格の商品
年価格の商品の重み商品
年価格の商品
年価格の商品の重み商品
2005B2015BB
2005A0152AA
例
8
⽶ シャツ ガソリン価格 数量 価格 数量 価格 数量円/kg kg 円/枚 枚 円/ℓ ℓ
2005年 450 120 3000 4 140 15002010年 490 100 2500 5 158 18002015年 500 90 2000 5 110 1300
1. 商品の購⼊価格と数量⽶ シャツ ガソリン 合計
価格×数量(2005年) 54,000 12,000 210,000 276,000
重み 0.20 0.04 0.76 1
2. 2005年の⽀出割合(重み)
3. 2005年の価格を基準とする2015年の各商品の価格指数⽶ シャツ ガソリン
価格指数 1.11 0.67 0.79
円
円
450500
円
円
30002000
円
円
140161
85.079.076.067.004.011.120.0
4. 2005年の価格を基準とする2010年の消費者物価指数
重み 価格指数2015年の物価⽔準は2005年に⽐べて,15%ほど低い
9
消費者物価指数(Consumer Price Index; CPI)
データ:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」
2010年を 100としたときのCPI(消費者物価指数)の推移
0
20
40
60
80
100
120
1970
0119
7109
1973
0519
7501
1976
0919
7805
1980
0119
8109
1983
0519
8501
1986
0919
8805
1990
0119
9109
1993
0519
9501
1996
0919
9805
2000
0120
0109
2003
0520
0501
2006
0920
0805
2010
0120
1109
2013
0520
1501
消費者物価指数
CPI
商品別価格指数(2010年 = 100)
10
0
20
40
60
80
100
120
14019
7001
1972
1219
7511
1978
1019
8109
1984
0819
8707
1990
0619
9305
1996
0419
9903
2002
0220
0501
2007
1220
1011
2013
10
⾁類⽣鮮野菜⾐料
0
50
100
150
200
250
300
350
1970
0119
7212
1975
1119
7810
1981
0919
8408
1987
0719
9006
1993
0519
9604
1999
0320
0202
2005
0120
0712
2010
1120
1310
家賃
電気代
家庭⽤耐久財
通信
価格変動(1995年 2015年)
11
71品⽬の財・サービスの(1995年を1としたときの)価格指数分布:CPI は2.6%上昇
0 6 12 18 24 30 36
- 0.10.1 - 0.30.3 - 0.50.5 - 0.70.7 - 0.90.9 - 1.11.1 - 1.31.3 - 1.51.5 - 1.7
1.7 -
度数
価格指数
指数 1.3 以上 (30%以上上昇)ガス代
灯油
保健医療サービス(診察代,人間ドック受診料など)
身の回り用品(ハンドバッグ,指輪,腕時計)
たばこ
指数 0.7 以下 (30以上下落)家庭用耐久財(電子レンジ,エアコン,冷蔵庫,食器棚など)
室内装備品(置時計,照明器具,カーペットなど)
教養娯楽用耐久財(テレビ,パソコン,デジカメなど)
2015年の価格指数
実質化
12
t時間
p物価⽔準
物価指数(CPI)
y名⽬値
x実質値
0 p0 1 y0
1 p1 p1/p0 y1
2 p2 p2/p0 y2
3 p3 p3/p0 y3
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
10
0p
x
1
011 ppyx
2
022 ppyx
3
033 ppyx
物価指数名⽬値実質値
基準時点
ttt pp
yx 0
【重要】名⽬値を物価指数で割ると実質値が得られ,異時点間の⽐較ができる
実質値
名目値物価指数 名⽬値を実質値で割った値を物価指数と考えることもできる。
13
実質的な貨幣価値(2010年=100) 1970年:CPI = 33.7
当時のカラーテレビの値段:10万円• 10万円 / 0.337 = 29.7万円
• 1970年当時10万円だったテレビは2010年の貨幣価値に直すと29.7万円相当
1975年:CPI = 57.7
当時のラーメン⼀杯の値段:210円• 210円 / 0.577 = 364円
1985年:CPI = 88.8
当時の⼤卒の初任給:14万円• 14万円 / 0.888 = 15.8万円
• 現在の⼤卒初任給は 20.6万円
2010年基準の1万円の価値
1950年における1万円は,2010年の貨幣価値に換算して78,226円分の価値があった.
年次実質的な価値(円) CPI
1950 78,226 12.8 1960 52,151 19.2 1970 31,190 32.1 1980 12,663 79.0 1990 10,419 96.0 2000 9,700 103.1 2010 10,000 100.0 2015 9,615 104.0
名目所得と2005年基準の実質所得[月額所得]
14
名⽬所得
実質所得
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
1970年
1972年
1974年
1976年
1978年
1980年
1982年
1984年
1986年
1988年
1990年
1992年
1994年
1996年
1998年
2000年
2002年
2004年
2006年
2008年
所得(現⾦給与総額
[⽉あたり
])
データ:厚⽣労働省「賃⾦構造基本調査」
CPI 物価上昇率[%]
2001 101.5 -2002 100.6 −0.892003 100.3 −0.30 2004 100.3 0.00 2005 100.0 −0.30 2006 100.3 0.30 2007 100.3 0.00 2008 101.7 1.40 2009 100.3 −1.38 2010 99.6 −0.70
15
物価上昇率
%100%1
1
t
tt
CPICPICPI
t 年の対前年物価上昇率
データ:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」
2005年基準
-5%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015
物価上昇率
16
インフレーション
インフレーション[Inflation]物価⽔準が持続的に上昇し続ける状態(インフレ)
インフレと貨幣持っている1万円は,今使えば1万円のモノを購⼊できる.物価が上昇しているとき
• 物価が1年後に5%上昇するとき,現在の1万円(現在の物価を基準に考えると)は将来の9,524円に相当する。
• インフレは貨幣価値を下落させる。
円円
年後円 524,9
05.1000,10:1
1000,10
17
デフレーション
デフレーション[Deflation]物価⽔準が持続的に下落し続ける状態(デフレ).
デフレと貨幣持っている1万円は,今使えば1万円のモノを購⼊できる.物価が下落しているとき
• 物価が1年後に5%下落するとき,現在の1万円(現在の物価を基準に考えると)は将来の10,526円に相当する。
• デフレは貨幣価値を増⼤させる
円円
年後円 526,10
95.0000,10:1
1000,10
第1次世界大戦後ドイツのハイパーインフレーション
18
Price Index
(Jan. 1921 = 100)
100,000,000,000,000
1,000,000
10,000,000,000
1,000,000,000,000
100,000,000
10,000
100
19251924192319221921
1921年 = 100としたときの物価⽔準
1兆
1億
1923年11⽉1兆分の1のデノミ(レンテンマルク)
通貨単位の変更(マルクレンテンマルク)
参照: マンキュー経済学II マクロ編 p350
物価の下落と賃金の下落,失業
19
財・サービス市場
D
S
D
S
価格
数量
賃⾦
雇⽤量
労働市場
財・サービス市場で需要の減少が起きると,物価⽔準が低下する。 企業の収⼊が減るので,企業の労働需要も減り賃⾦が下落する 賃⾦が下がらない場合は,失業が発⽣する。 ⼈々の名⽬所得が減って財・サービス市場で需要が減少し,さらに物価が下落する。(ただし,デフレ経済では実質賃⾦が上昇することもある。)
デフレ・スパイラル
20
GDPデフレーター
xyp
GDPGDPGDP:
GDP
実質
名目デフレーター定義
の指標を基準にした物価水準
x: 実質GDP
物価⽔準 p:GDPデフレーター
1.05
500
y: 名⽬GDP = 525
x: 実質GDP
物価⽔準 p:GDPデフレーター
1.10
500
y: 名⽬GDP = 550物価が上昇した場合
・実質GDPは,物価⽔準を基準年に固定した上で,⽣産の変化だけを観察している。
・物価⽔準が上昇すると,名⽬GDPは上昇するが,実際の⽣産は増えていないかもしれない。
xpy xpy
名⽬値を実質値で割った値を物価指数と考えることもできる。
21
GDPデフレーター
データ:内閣府「SNA統計」,総務省統計局「消費者物価指数」
GDPGDP
デフレーターp
実質値[兆円]
x
名⽬値[兆円]
y1994 1.11 447 496 1995 1.10 459 505 1996 1.09 471 516 1997 1.10 472 521 1998 1.10 465 511 1999 1.08 467 507 2000 1.07 477 511 2001 1.06 475 502 2002 1.04 480 498 2003 1.02 491 502 2004 1.01 498 503 2005 1.00 507 505 2006 0.99 516 509 2007 0.98 525 513 2008 0.97 506 490 2009 0.96 495 474 2010 0.94 511 479
CPI
-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.5
1995 2000 2005 2010物価上昇率[
%]
GDPデフレータ
1994年から2010にかけて15%下落(1.110.94)
物価上昇率で⽐較したCPIとGDPデフレーター
2005年基準の GDP
CPIは主に消費者が購⼊する財・サービスの価格指数GDPデフレーターは企業間で取引される財・サービスも含んでいる。
名目値と実質値の変化率
22
ttt xpy
無視変化が小さいときには
成長率実質経済物価上昇率
名目経済成長率
変化率年の名目
1
1
1
1
1
1
1
1
11
11
1
1
:GDP
t
tt
t
tt
t
tt
t
tt
tt
tttt
t
tt
xxx
ppp
xxx
pppxpxpxp
yyy
t
名⽬経済成⻑率 ≈ 物価上昇率+実質経済成⻑率
GDPの変化率のことを経済成⻑率とよぶ
名⽬GDP = GDPデフレーター×実質GDP
名目経済成長率 ≈ 物価上昇率+ 実質経済成長率
23
実質経済成⻑率
名⽬経済成⻑率
物価上昇率
-5.0
-4.0
-3.0
-2.0
-1.0
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
2011
2012
変化率(
%)
年次
実質名⽬GDPデフレーター
名目賃金上昇率 ≈ 物価上昇率+実質賃金上昇率
24
名⽬賃⾦上昇率%
物価上昇率%
実質賃⾦上昇率%
1985 3.1 2.1 1.0 1990 4.0 3.1 0.9 1995 0.3 −0.1 0.4 2000 0.1 −0.8 0.9 2005 7.2 −0.3 7.6 2010 4.3 −0.7 5.0
-8-6-4-202468
10
1982 1987 1992 1997 2002 2007
上昇率%
名⽬賃⾦上昇率物価上昇率実質賃⾦上昇率
5年間の成⻑率
金利 (1)⾦利とはお⾦を貸し借りするときの「価格」であると同時に,銀⾏にお⾦を預けたときのお⾦の成⻑率を⽰している。例.100万円(元本)を 1 年間 1 %の⾦利で3年間預⾦すると:
1年⽬の元本+利息: 100 + (100×0.01) = 100 × (1 + 0.01) = 101
2年⽬の元本+利息: 101 + (101×0.01) = 101 × (1 + 0.01) = 102.01
3年⽬の元本+利息: 102.01 + (102.01×0.01) = 102.01 × (1 + 0.01) = 103.0301
25
3年間で発⽣した利息1年⽬: 1[万円]2年⽬: 1.01[万円]3年⽬: 2.0100[万円]合計: 3.0301[万円] 物価が全く変動しなけれ
ば得られる名⽬上の利息
物価が変動しているときは?
複利計算
金利 (2)
26
0 5 10 15 20 25 30
100
150
200
250
300
350
400
年
預金
額
⾦利(1年間)
預⾦が2倍になるまでの年数
× 5% 14.2+ 3% 23.4△ 1% 69.7○ 0.5% 139.0
元⾦100万円の成⻑
⾦利%都銀 0.01 地銀 0.02〜0.3
ネット銀⾏ 0.03〜1
国内銀⾏の1年定期預⾦⾦利%(2016年6⽉)
27
金利 (3)
nnn rArAAn
rArAA
rArAA
rAA
11:
11:3
11:2
1:1
01
3023
2012
01
年後
年後
年後
年後
:金利:元本 rA ,0
年後の将来の元本価値現在からみた nrAA nn :10
例: 100万円を年利2%の⾦利で4年間銀⾏に預けたときの,100万円の将来価値はいくらか.
[万円]2432.10802.01100 4
1年に1回利息の⽀払いがある場合
複利計算
金利 (4)
28
01 AsrAnsn
n
年後の元本価値:
1年に s回利息の⽀払いがある場合
と定義して書き直すとmrs
rn
rnm
n eAAm
An 0011
年後の元本価値: mが⼗分に⼤きいとき
例. 1年間にs = 2 回の⽀払いがある場合,r/2 の⾦利が半年ごとに⽀払われる。
m
mem
11が十分大きいとき):ネイピア数(
複利計算(連続変数)
29
金利と物価上昇率
年利 5 %で1年間銀⾏に預けたならば100 + (100×0.05) = 100×(1+0.05) = 105
⾦利が 5 %のとき,現在の100万円は1年後の105万円に等しい
もし,今後1年間の物価上昇率が 1 %ならば現在の100万円は1年後の 99.0099 万円に等しい
(将来の99.0099万円は,現在の100万円に等しい)
実質的な⾦利は名⽬上の⾦利からインフレ率を差し引いて考える必要がある。
30
実質金利 (1) 実質⾦利:物価の変動を考えたときの実質的な⾦利
実質⾦利 ≈ 名⽬⾦利-[予想]物価上昇率 名⽬⾦利:銀⾏の店頭で表⽰されている⾦利
100万円の将来価値名⽬⾦利 = 5% 予想物価上昇率 = 1% 実質⾦利 ≈ 4%
現在 100万円 100万円 100万円1年後 105万円 99.0099万円 約104万円
10401.005.01100
実質金利
実質的な将来価値:
(3.9604%)
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実質金利 (2) 経済がインフレのとき
物価が上昇しているので実質⾦利は名⽬⾦利よりも低くなる
経済がデフレのとき 物価が下落しているので実質⾦利は名⽬⾦利よりも⾼くなる
借⾦の価値 例.名⽬⾦利5%で100万円を借りる
• インフレ率が0%のとき,1年後に105万円を返済
• インフレ率が1%のとき, 1年後に105万円を返済するが,返済額の実質価値は104万円に減っている.
• インフレ率が-1%のとき, 1年後に105万円を返済するが,返済額の実質価値は106万円に増えている.
借⾦をしている側にとってインフレは実質的な返済額を減らす効果を持つ。
キーワードと参考文献
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Keywords: 価格指数,消費者物価指数(CPI),GDPデフレーター,名⽬GDP,実質GDP,物価上昇率,インフレーション,デフレーション,名⽬⾦利,実質⾦利
参考⽂献1. マンキュー, N.G.:pp. 138 – 144, 248 – 268, 336 – 371