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全く新たな、慢性腎臓病・急性腎障害の
創薬・診断法樹立のための
ミニ腎臓プラットフォーム
-糸球体・ネフロン様スフェロイド3D培養の応用-
徳島大学 大学院医歯薬学研究部
医学域 腎臓内科学
准教授 安部 秀斉
第一世代Sphere
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慢性腎臓病患者数• 2018年7月、国際腎臓学会(ISN)は、世界の腎臓病の有病者数は8億5,000万人に上るという推計値を発表している。
• 日本では1330万人であり、それに伴って、慢性維持透析患者数も年々増加しており、日本でも2016年には約33万人に達し、毎年約4万人が新たに透析が必要になっている。
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CKD患者(1330万人)とその予備群試験紙1+が30 mg/dL相当
微量アルブミン尿2-20 mg/dL
腎臓病患者は、予備群を含むと7000万人
移植医療の困難さ 3
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加齢と腎機能
腎機能低下は着実に進行する4
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腎機能低下は最も多くの種類の細胞より構成され、最も機能が多い⇒体液の恒常性を司るため。
腎臓: 再生医療のアプローチが最も困難
iPS細胞による再生医療のロードマップ
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糸球体の発生:長く、複雑、巧妙な過程
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podocyte=糸球体濾過を維持する要の細胞7
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long period
Low Reproducibility
Low Reproducibility
Low Reproducibility
long period
long period
Nature 2015
Cell Stem Cell 2014
Nat Biotech 2015
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ゆらぎ
iPS/ES細胞から始まる再生医療の問題点
kidney organoidの不均一さ
定常状態不自然な増殖・培養液の回避
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腎機能低下の速度を低下⇒透析を免れる
加齢と腎機能
腎を構成する細胞の機能保持=創薬の標的
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podocyte loss
podocyte障害は、不可逆的腎機能低下へ至る
不可逆的な腎機能低下のカギ=podocyte
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1h 2h 3h 9h 24h7h5h
3D culture
1h 2h 3h 9h 24h7h5h
human
mouse
cell A
cell B
cell C
cell D
cell E
cell F
第一世代Sphere
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3D culture
humancell A
cell B
cell C
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KLS spheres in 96well
self-assemblyによる糸球体様Speroidの作出14
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podocin染色(緑)
Glomeruloid
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podocyte-related gene profile in KLS spheres
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KLS
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糸球体様スフェロイドの移植(マウス)
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増殖抑制⇒定常状態の誘導
成体における正常な組織と同じ特性を有する19
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Application-1:腎毒性monitoring sphere (AKI)
• 生体と同様な定常状態で、アッセイ。• 実臨床と同様に、連日投与による評価。• 実臨床で用いられている検査値の測定。• ゲノム編集等で蛍光度測定による定量。• 腎毒性のreadout(評価系)として、形態学的解析• 異なる細胞にわたる複数マーカーの同時測定。• 尿中細胞を用いた、疾患感受性の評価。• 病態解析や、その腎毒性予防薬の探索。
腎毒性を生体と同等の条件で、詳細な評価が可能
薬剤性にAKIを発症した患者の尿中細胞
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多数の細胞から構成される腎臓において、異なる細胞にわたる複数マーカーの同時測定、あるいは同一細胞内での急性期障害から慢性期障害への移行過程を経時的に定量測定。
生体内の腎毒性を体外で、経時的にモニタリングするシステム
pre 3h 6h 12h 36h
急性腎障害の原因薬剤として、シスプラチン投与
Application-1:腎毒性monitoring sphere (AKI)
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Application-2:創薬HTP system
再現性が高く、生体と同等の条件で、HTPな創薬screeningが可能22
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Application-3:腎障害迅速診断kit
特別な装置を必要とせず患者さんのそばで迅速な診断を可能に。
イメージ
毛細管現象により検体がメンブレン上を移動する際、検体中の抗原と標識抗体及び捕捉抗体の三者により免疫複合体が形成され、その標識物の集積を目視で確認する測定方法。
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Application-4:研究用organoid kit
2ヶ月間-80℃にて冷凍保存後、解凍も、形態は維持され、細胞のviabilityは良好に保持されている。
腎疾患の研究ツールとして用途に応じて多種多様な製品ラインアップ
StemCell Technologies社(カナダ)
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Application-5:バイオマテリアルを用いた移植用ミニ腎臓
生体適合材料との融合による腎・尿路系の構築による細胞移植治療
腎機能低下の補助療法として、機能性を有したミニ腎臓の簡易移植
Geistlich Biomaterials
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Application-6:疾患model sphere
腎疾患患者の尿中細胞を用いたさまざまな腎疾患をsphereで再現。病態解析や、その分子標的薬の探索に有用。個別医療の先鞭となる。
今後の個別医療のモデルとして、多種多様な腎疾患をミニ腎臓で。
cell B
cell C
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GFR, 尿タンパクなど既知のリスク要因 障害原因特異的尿中バイオマーカー
腎機能・心血管事故・生命予後の予測
治療に対する反応
治療に対する反応
スコア化評価
データの蓄積 現行治療の再評価
原因別CKDの治療方針の確立 テーラーメード治療 各CKDの分子病態の理解
新規分子標的治療法のシーズ同定尿中PDSTFs測定による病態評価
companion診断薬としての役割
高齢化・生活習慣の変化によって、慢性腎臓病(chronic kidney disease : CKD)患者が増加。
ほとんどの腎疾患やメタボリックシンドロームなどでもみられる
侵襲性が高く、繰り返し施行できず、高齢者などでは適応できないことが多い
アルブミン尿? 腎生検?
非侵襲的で、経過観察が可能なものが必要⇒尿中分子マーカーによる liquid biopsy
尿中exosome
末期腎不全・透析患者の減少が緊急課題
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KLSシステムの特徴・iPS細胞やES細胞を必要としないため、使用するsphereへの誘導が不要であり、sphere間の均一性が高く、HTSに適している.・第二世代sphereにおいては、標的とする細胞(尿細管細胞やメサンギウム細胞)を対象として、glomeruloidおよびnephroid sphereを用いたアッセイが可能。
・用いる細胞が、sphere形成後、増殖能を喪失し、ヒトの成体腎と同様に定常状態において、アッセイが可能。
・生体内の同等な環境下における薬物の毒性評価・治療効果測定
・KLSシステムのシンプルな過程を生かした、疾患モデルの作成(HTSに適したオーダーメイドツールの作成)
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KLSシステムの応用範囲・すべての腎疾患を対象とすることが可能な、創薬のため
のハイスループットスクリーニング.
・既存薬や現行治療の個別治療としての評価システムの
構築.
・疾患ライブラリーの構築.
・難治性腎疾患の原因遺伝子の探索.
・難治性腎疾患の分子標的治療法の開発.
・新薬候補分子の副作用のヒト腎障害のスクリーニング.
・薬物動態の解析が生体により近い条件での検証.29
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本技術に関する知的財産権
• 発明の名称:腎臓様組織の製造方法• 出願番号:PCT/JP2017/036413• 出願人 :徳島大学• 発明者 :安部 秀斉
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お問い合わせ先
徳島大学研究支援・産官学連携センター/
テクノネットワーク四国(四国TLO)
矢野慎一
TEL 088-656-9402
FAX 088-656-7274
e-mail yano@s-tlo.co.jp
ミニ腎臓は第三世代まで進歩しています