Download - Fuji. Catalogo Rod Components 2010 [Japon]
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糸絡みの原因究明により、これまで不可能とされてきた、キャスト絡みが激減するシングルフットハイフレームガイドの開発に成功。糸通りを妨げる傾斜は最少のままに、極めてラインが絡みにくく、たとえ絡みついても、キャストの力で絡みを自動分解してしまう新次元の傾斜フレームガイドが誕生しました。チョーク抵抗を最小に抑える口径・高さが揃い、かつロッドアクションを生かせる最短の全長でありながらキャスト直後の糸絡みが激減という、全く相反するはずの要素が奇跡の一体化。
この驚異の新フレーム「K構造」をダブルフットとティップ用シングルフットにも応用し、堂々の新・スピニングロッド用ガイドシステム『Kシリーズ』が実現しました。先行発売のチタンフレームに続き、環境にやさしい表面処理のステンレスフレーム「Eカラー」もラインナップに加わりました。飛びから実釣まですべての総合的性能を圧倒的に向上させる『Kシリーズ』で、スピニングロッドが広範囲に変わります。
世界初! 糸絡み自動解除フレーム
PE絡みのメカニズム解明へ
そよ風のいたずら…?
高性能ながらコシがなくガイドに絡みやすい新素材・PEラインの登場。ラインのガイド絡みがほぼ起こらないとされるインターラインロッド(中通し竿)の台頭。この2つの出来事を背景としてFUJI傾斜フレームガイドの開発がはじまりました。自在なロッドアクションを作り出せることを筆頭に
数々の強みを持つアウトガイドロッド(外通し竿)の復権のため、その最大の弱点であるガイドへの糸絡み克服を目指し、第1世代をリング前傾型、第2世代を傾斜ブリッジ型としてつぎつぎと発表しました。
なかでも、主に投竿におけるPEライン対策として開発された「ローライダー」LCガイドは、その高い糸絡み回避機能によって他ジャンルにも広く展開しました。しかしもともとLCガイドは、リールからバットガイドまでが遠い投竿専用。しかも小口径・背低設計であったため、投竿以外のスピニングロッドに装着した場合、使用条件によっては口径・高さが合わ
ずにキャスト時のチョーク抵抗が増大し、長いフレームがロッドアクションを硬化させるという結果も。その後もサイズ20より大きなLCガイドが作られなかったのは、リング径アップとともに長い全長がさらに伸びてしまうフレーム構造だったためです。
シングルフットハイフレームのメリットは使用リール、そしてリール~バットガイド間の距離に合った口径・高さがあり、飛距離はじめスピニングロッドの性能をバランスよく引き出せること。デメリットはなんといっても、特にPE使用時のキャスト絡み。楽しい釣りの始動であるキャスト。時合到来で心躍るキャスト。そんな時にいきなり発生するPEラインのキャスト絡み。
ルアーロストを免れた場合でも、焦る気持ちで複雑に絡まったラインを解く煩わしさ。集中力は急速にダウン…。高性能なPEラインを使いこなすためには、どうしても絡みにくいシングルフットハイフレームガイドが必要でした。
投竿以外のジャンルにも幅広く使える次世代スピニング用ガイドのあるベき姿、それはLCガイドを一般的スピニングロッドに使用した際の問題点をすべて解決することであり、LCガイドとほぼ正反対の形状ながら糸絡
み回避機能に優れたガイドという無理難題。はじめに取り組んだのは、最もキャスト絡みが起こりやすく、最も難度が高い“ロッドから伸びた突起”シングルフットハイフレームガイドでした。
最も絡みが起こりやすいシングルフットハイフレームガイドと、最も絡みやすいPEラインとの組み合わせで起こるキャスト絡み。この検証をはじめたところ、やがて発生頻度の高い絡み方が判明。その発生条件を絞り
込んだ結果、ある仮説が立ちました。キャスト絡みの主犯とは「風」ではないか? …これが最悪のキャスト絡みのひとつ「ループ絡み」と風との関係性についての仮説イラストです。
傾斜フレームガイド史
理想のスピニングガイドを求めて
無謀?…絡みにくいシングルフットの開発
仮説 :PE使用時、従来シングルフットハイフレームで頻発するループ絡み
Kシリーズ 全3モデル/合計24サイズ
PE・フロロ・ナイロン全対応超軽量次世代スピニングロッド用ガイドシステム
1998年DBシリーズ 傾斜フレーム
第2世代傾斜フレーム第1世代
2000年LCシリーズ
HVガイド40HH
80.7mm
LCガイド20
Yガイド30LCガイド
20
95mm
45.5mm
79.5mm
20.5mm95mm
45.5mm
61mm
長くて低いLCガイドチョーク=収束
バットガイドによるチョーク
※イメージ
従来シングルフットハイフレーム
1983年 LVガイド(発売中止)
1992年 Yガイドリールと比べて低すぎる=飛ばない
リールと合う高さ=飛ぶ
一般的にガイド全長が短いと…
ロッドアクションは自然
ロッドアクションは硬化
一般的にガイド全長が長いと…
一般的に ※イメージ
理想のNEWガイド
LCガイド
高さ
高
リング径 全長(前後の長さ) 糸絡み回避機能
高
高
大
低 小
短
長長い傾斜ブリッジ設計
(ロッドアクションを硬くする傾向)
長い傾斜ブリッジ不可(ロッドアクションを損ねてはならない)
特にPEに強い。
PEだけでなく、ナイロン、フロロにも強い。
リール近くに取り付けるとチョーク抵抗 大
リール近くに取り付けてもチョーク抵抗 小
1 キャスト直後、バットガイド手前に溜まったラインがガイドの横を通り、前方に溢れ出してループになり…
5 ルアーの飛行ストップ。4 しっかりカブリ、さらに締まって…
ループ絡み完了
2 この時、横方向からそよ風。それを受けたループは、ロッドとラインの間に入り込み、ガイドにカブる…
そよ風
3 ループは、ルアーの飛行にしたがって小さくなっていき…
KWガイド計9サイズP.25
KLガイド計5サイズP.23
KTガイド計10サイズP.22
全長
全長
高さ
高さ
使用ガイド:Yガイド サイズ25使用ライン:PE0.8号+フロロカーボンリーダー
実験方法:固定ロッドのラインをキャスト時と同じ力で引き出し、 その瞬間に横方向から送風。
「横方向からのそよ風」が引き起こすPEラインのループ絡み。それは、ルアーの飛行を急停止させるのはもちろん、急速かつ複雑にできる結束によってラインにダメージを与え、ラインブレイクをも招くとても厄介な絡み方です。
つぎに行なったのは、人工的にループ絡みを発生させ、絡みの犯人は「風」であるという仮説を実証すること。ついに風が引き起こすループ絡みをハイスピードビデオカメラで捉えることができました。
実証① :PE使用時、従来シングルフットハイフレームで発生したループ絡み
このハイスピード映像をホームページでご覧ください
www.fujitackle.com富士工業 Kシリーズ
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糸絡みの原因究明により、これまで不可能とされてきた、キャスト絡みが激減するシングルフットハイフレームガイドの開発に成功。糸通りを妨げる傾斜は最少のままに、極めてラインが絡みにくく、たとえ絡みついても、キャストの力で絡みを自動分解してしまう新次元の傾斜フレームガイドが誕生しました。チョーク抵抗を最小に抑える口径・高さが揃い、かつロッドアクションを生かせる最短の全長でありながらキャスト直後の糸絡みが激減という、全く相反するはずの要素が奇跡の一体化。
この驚異の新フレーム「K構造」をダブルフットとティップ用シングルフットにも応用し、堂々の新・スピニングロッド用ガイドシステム『Kシリーズ』が実現しました。先行発売のチタンフレームに続き、環境にやさしい表面処理のステンレスフレーム「Eカラー」もラインナップに加わりました。飛びから実釣まですべての総合的性能を圧倒的に向上させる『Kシリーズ』で、スピニングロッドが広範囲に変わります。
世界初! 糸絡み自動解除フレーム
PE絡みのメカニズム解明へ
そよ風のいたずら…?
高性能ながらコシがなくガイドに絡みやすい新素材・PEラインの登場。ラインのガイド絡みがほぼ起こらないとされるインターラインロッド(中通し竿)の台頭。この2つの出来事を背景としてFUJI傾斜フレームガイドの開発がはじまりました。自在なロッドアクションを作り出せることを筆頭に
数々の強みを持つアウトガイドロッド(外通し竿)の復権のため、その最大の弱点であるガイドへの糸絡み克服を目指し、第1世代をリング前傾型、第2世代を傾斜ブリッジ型としてつぎつぎと発表しました。
なかでも、主に投竿におけるPEライン対策として開発された「ローライダー」LCガイドは、その高い糸絡み回避機能によって他ジャンルにも広く展開しました。しかしもともとLCガイドは、リールからバットガイドまでが遠い投竿専用。しかも小口径・背低設計であったため、投竿以外のスピニングロッドに装着した場合、使用条件によっては口径・高さが合わ
ずにキャスト時のチョーク抵抗が増大し、長いフレームがロッドアクションを硬化させるという結果も。その後もサイズ20より大きなLCガイドが作られなかったのは、リング径アップとともに長い全長がさらに伸びてしまうフレーム構造だったためです。
シングルフットハイフレームのメリットは使用リール、そしてリール~バットガイド間の距離に合った口径・高さがあり、飛距離はじめスピニングロッドの性能をバランスよく引き出せること。デメリットはなんといっても、特にPE使用時のキャスト絡み。楽しい釣りの始動であるキャスト。時合到来で心躍るキャスト。そんな時にいきなり発生するPEラインのキャスト絡み。
ルアーロストを免れた場合でも、焦る気持ちで複雑に絡まったラインを解く煩わしさ。集中力は急速にダウン…。高性能なPEラインを使いこなすためには、どうしても絡みにくいシングルフットハイフレームガイドが必要でした。
投竿以外のジャンルにも幅広く使える次世代スピニング用ガイドのあるベき姿、それはLCガイドを一般的スピニングロッドに使用した際の問題点をすべて解決することであり、LCガイドとほぼ正反対の形状ながら糸絡
み回避機能に優れたガイドという無理難題。はじめに取り組んだのは、最もキャスト絡みが起こりやすく、最も難度が高い“ロッドから伸びた突起”シングルフットハイフレームガイドでした。
最も絡みが起こりやすいシングルフットハイフレームガイドと、最も絡みやすいPEラインとの組み合わせで起こるキャスト絡み。この検証をはじめたところ、やがて発生頻度の高い絡み方が判明。その発生条件を絞り
込んだ結果、ある仮説が立ちました。キャスト絡みの主犯とは「風」ではないか? …これが最悪のキャスト絡みのひとつ「ループ絡み」と風との関係性についての仮説イラストです。
傾斜フレームガイド史
理想のスピニングガイドを求めて
無謀?…絡みにくいシングルフットの開発
仮説 :PE使用時、従来シングルフットハイフレームで頻発するループ絡み
Kシリーズ 全3モデル/合計24サイズ
PE・フロロ・ナイロン全対応超軽量次世代スピニングロッド用ガイドシステム
1998年DBシリーズ 傾斜フレーム
第2世代傾斜フレーム第1世代
2000年LCシリーズ
HVガイド40HH
80.7mm
LCガイド20
Yガイド30LCガイド
20
95mm
45.5mm
79.5mm
20.5mm95mm
45.5mm
61mm
長くて低いLCガイドチョーク=収束
バットガイドによるチョーク
※イメージ
従来シングルフットハイフレーム
1983年 LVガイド(発売中止)
1992年 Yガイドリールと比べて低すぎる=飛ばない
リールと合う高さ=飛ぶ
一般的にガイド全長が短いと…
ロッドアクションは自然
ロッドアクションは硬化
一般的にガイド全長が長いと…
一般的に ※イメージ
理想のNEWガイド
LCガイド
高さ
高
リング径 全長(前後の長さ) 糸絡み回避機能
高
高
大
低 小
短
長長い傾斜ブリッジ設計
(ロッドアクションを硬くする傾向)
長い傾斜ブリッジ不可(ロッドアクションを損ねてはならない)
特にPEに強い。
PEだけでなく、ナイロン、フロロにも強い。
リール近くに取り付けるとチョーク抵抗 大
リール近くに取り付けてもチョーク抵抗 小
1 キャスト直後、バットガイド手前に溜まったラインがガイドの横を通り、前方に溢れ出してループになり…
5 ルアーの飛行ストップ。4 しっかりカブリ、さらに締まって…
ループ絡み完了
2 この時、横方向からそよ風。それを受けたループは、ロッドとラインの間に入り込み、ガイドにカブる…
そよ風
3 ループは、ルアーの飛行にしたがって小さくなっていき…
KWガイド計9サイズP.25
KLガイド計5サイズP.23
KTガイド計10サイズP.22
全長
全長
高さ
高さ
使用ガイド:Yガイド サイズ25使用ライン:PE0.8号+フロロカーボンリーダー
実験方法:固定ロッドのラインをキャスト時と同じ力で引き出し、 その瞬間に横方向から送風。
「横方向からのそよ風」が引き起こすPEラインのループ絡み。それは、ルアーの飛行を急停止させるのはもちろん、急速かつ複雑にできる結束によってラインにダメージを与え、ラインブレイクをも招くとても厄介な絡み方です。
つぎに行なったのは、人工的にループ絡みを発生させ、絡みの犯人は「風」であるという仮説を実証すること。ついに風が引き起こすループ絡みをハイスピードビデオカメラで捉えることができました。
実証① :PE使用時、従来シングルフットハイフレームで発生したループ絡み
このハイスピード映像をホームページでご覧ください
www.fujitackle.com富士工業 Kシリーズ
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約70°
前方(ティップ側)(リール側)手前 ダブルフットと比べ軽量なシングルフットは、一本足ゆえ構造的強度が必要。傾け過ぎは支点への負荷増。なるべく直立に近い形で糸絡みを防ぐことが強度にも飛距離にも有効。今回は強度・糸通り・糸絡み回避すべての面でのベストは70°と決定。
リング形状は正円か?だ円か?だ円は、リング内面積がタテに伸びることで糸通りは
良くなるものの、伸びたぶんの重量増と、支点への負荷増による強度低下の危険あり。今回は強度・糸通り・糸絡み回避
すべての面でのベストは正円と判断。
Karami ループ絡み解除フレーム
K構造リングを
70°傾斜させ…
ブリッジをリングのほぼ真横からのばし…
Y形状からV形状へ…
ループを手前に引っぱる 「く」の字型の二段傾斜
手前側の角度
前方側の角度
小
大
Kunoji
Kaihi
zenKei
Kyukyoku
Kiseki
bunKaiKakumei
Keisya
K構造なら、絡みがリング頂点に向かって移動する時、手前向きの力が働くため、そのあとに続くループが前方に回り込まない
ブリッジをリングの横から滑らかに伸ばす
ループにガイドの手前を通らせなければ絡みは解けない
従来フレーム
解決策
これが理想。
…前方に回り込んでしまう
(リール側)手前
(リール側)手前前方(ティップ側)
前方(ティップ側)
キャストの力で絡みを解く…?キャスト直後にループができることは防げない。風も防げない。ループが風でガイドにカブることも防げない。ループ絡み完了後、フレームにカブったループを外すと、あとの絡みは簡単に解ける。すると、フレームにカブったループをうまく外せばキャスト絡みは解決?…ループを解くには、それを解ける方向にラインを動かす「力」が必要ですが、この状況で使えるのは、飛んでいくルアーがラインを引っ張る力だけ。この力を絡みのループを解く力に瞬時に変換できる構造…そんな夢のようなフレームの考案が、NEWガイド開発最大の課題となりました。ループが絡む位置は、ブリッジとリングの接合部からリング頂点手前までの間。ここでしっかり絡んだら「絡みの先のライン」を引っぱっても解けません。これを解くには「絡みの後のライン」をリング頂点を越えて反対側に移動させる必要あり。求められたのは、「絡みの先のライン」を前方に引っぱるだけで、つまりラインがティップ方向に出ていく力だけで絡みをリング頂点に移動させる構造でした。
キャスト直後。前方に溢れ出したループが
横風に吹かれる直前
ループ絡み完了の瞬間。急激な絡みのショックで
フレームが前方に反っている。(反りは次のコマでは元通りに)
これが次のコマ。横風を受けたループがガイドにカブる直前。
(P.5イラスト①と②の間の動き)
直後にノーマルスピードで撮った1枚
しかし実際はこうならず…
構造のポイント③ ブリッジとリングで二段傾斜ブリッジがリング部の真横からつながっていても、時にはループがガイド前方(ティップ側)に回り込んで解けなくなることも。ループに必ず手前を通らせるには、リング頂点に移動するループを常に手前に引っぱり、前方に回り込むのを防ぐ力が必要。それにはブリッジとリングの接合を一直線ではなく、やや「く」の字型の二段傾斜にすればいいことがわかりました。これでループ絡み解除フレームの完成です。
Kaijyo
ループ絡み解除フレーム完成
ブリッジ
リング頂点
(リール側)手前前方(ティップ側)
絡みの先のラ
イン
絡みの後のライン
これを引っぱ
っても
絡みは移動し
ない
❶
❸
❷
このとき同時に回したハイスピードスチルカメラでは、残念ながらループがガイドにカブる瞬間があまりにも速すぎ(P.5イラスト②③の動き)、一
連の動きとしてのループ絡みを克明に連写することはできませんでした。これは、ループがカブるその瞬間の“前後”です。
構造のポイント① ベストな傾斜角度「絡みの先のライン」を引っぱって絡みをリング頂点に移動させるには、リングを前傾させればいいことがわかりました。前傾させるほど絡みはスムーズに移動しますが、傾け過ぎるとリング内面積が狭くなってライン抵抗
が増え、飛距離低下など糸通りに悪影響。検証の結果、NEWガイドに最適なリング傾斜角度は約70°でした。
構造のポイント② ブリッジの形70°傾斜によって絡みをリング頂点に向かわせたら、つぎはループにガイドの手前(リール側)を通らせる必要あり。従来構造では、ループはリング部とブリッジの接合部あたりでガイドの前方(ティップ側)に回り込んでしまい、さらに絡みの先のラインを引っぱると、
いっそう強く絡みつく。これはリング部とブリッジの接合位置が低いためだとわかり、ブリッジをリングのほぼ真横の位置から滑らかに伸ばすことにしました。
以下は、同実験における別テイクからの抜粋で、このPEラインの複雑極まる動きは全てキャストの瞬間にバットガイド周辺で起こった真実です。キャスト直後のラインは必ず、まずはフレームに強く当たってからリングを
通過します。FUJIガイドがフレームの機能的デザインやリング性能だけでなく、常にフレーム表面の研磨技術向上に努めているのはこのためです。
※①②③は実際のコマ続きです。
※実験方法、使用ガイド・ラインは 実証① と同じです。※6枚とも、別々のキャストからの抜粋です。
実験方法:実証①に同じ。使用ガイド:試作ガイド(仮称KL型) サイズ25使用ライン:PE0.8号+フロロカーボンリーダー
実証② :NEWガイドのキャスト実験
富士工業 Kシリーズこのハイスピード映像をホームページでご覧ください
www.fujitackle.com
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約70°
前方(ティップ側)(リール側)手前 ダブルフットと比べ軽量なシングルフットは、一本足ゆえ構造的強度が必要。傾け過ぎは支点への負荷増。なるべく直立に近い形で糸絡みを防ぐことが強度にも飛距離にも有効。今回は強度・糸通り・糸絡み回避すべての面でのベストは70°と決定。
リング形状は正円か?だ円か?だ円は、リング内面積がタテに伸びることで糸通りは
良くなるものの、伸びたぶんの重量増と、支点への負荷増による強度低下の危険あり。今回は強度・糸通り・糸絡み回避
すべての面でのベストは正円と判断。
Karami ループ絡み解除フレーム
K構造リングを
70°傾斜させ…
ブリッジをリングのほぼ真横からのばし…
Y形状からV形状へ…
ループを手前に引っぱる 「く」の字型の二段傾斜
手前側の角度
前方側の角度
小
大
Kunoji
Kaihi
zenKei
Kyukyoku
Kiseki
bunKaiKakumei
Keisya
K構造なら、絡みがリング頂点に向かって移動する時、手前向きの力が働くため、そのあとに続くループが前方に回り込まない
ブリッジをリングの横から滑らかに伸ばす
ループにガイドの手前を通らせなければ絡みは解けない
従来フレーム
解決策
これが理想。
…前方に回り込んでしまう
(リール側)手前
(リール側)手前前方(ティップ側)
前方(ティップ側)
キャストの力で絡みを解く…?キャスト直後にループができることは防げない。風も防げない。ループが風でガイドにカブることも防げない。ループ絡み完了後、フレームにカブったループを外すと、あとの絡みは簡単に解ける。すると、フレームにカブったループをうまく外せばキャスト絡みは解決?…ループを解くには、それを解ける方向にラインを動かす「力」が必要ですが、この状況で使えるのは、飛んでいくルアーがラインを引っ張る力だけ。この力を絡みのループを解く力に瞬時に変換できる構造…そんな夢のようなフレームの考案が、NEWガイド開発最大の課題となりました。ループが絡む位置は、ブリッジとリングの接合部からリング頂点手前までの間。ここでしっかり絡んだら「絡みの先のライン」を引っぱっても解けません。これを解くには「絡みの後のライン」をリング頂点を越えて反対側に移動させる必要あり。求められたのは、「絡みの先のライン」を前方に引っぱるだけで、つまりラインがティップ方向に出ていく力だけで絡みをリング頂点に移動させる構造でした。
キャスト直後。前方に溢れ出したループが
横風に吹かれる直前
ループ絡み完了の瞬間。急激な絡みのショックで
フレームが前方に反っている。(反りは次のコマでは元通りに)
これが次のコマ。横風を受けたループがガイドにカブる直前。
(P.5イラスト①と②の間の動き)
直後にノーマルスピードで撮った1枚
しかし実際はこうならず…
構造のポイント③ ブリッジとリングで二段傾斜ブリッジがリング部の真横からつながっていても、時にはループがガイド前方(ティップ側)に回り込んで解けなくなることも。ループに必ず手前を通らせるには、リング頂点に移動するループを常に手前に引っぱり、前方に回り込むのを防ぐ力が必要。それにはブリッジとリングの接合を一直線ではなく、やや「く」の字型の二段傾斜にすればいいことがわかりました。これでループ絡み解除フレームの完成です。
Kaijyo
ループ絡み解除フレーム完成
ブリッジ
リング頂点
(リール側)手前前方(ティップ側)
絡みの先のラ
イン
絡みの後のライン
これを引っぱ
っても
絡みは移動し
ない
❶
❸
❷
このとき同時に回したハイスピードスチルカメラでは、残念ながらループがガイドにカブる瞬間があまりにも速すぎ(P.5イラスト②③の動き)、一
連の動きとしてのループ絡みを克明に連写することはできませんでした。これは、ループがカブるその瞬間の“前後”です。
構造のポイント① ベストな傾斜角度「絡みの先のライン」を引っぱって絡みをリング頂点に移動させるには、リングを前傾させればいいことがわかりました。前傾させるほど絡みはスムーズに移動しますが、傾け過ぎるとリング内面積が狭くなってライン抵抗
が増え、飛距離低下など糸通りに悪影響。検証の結果、NEWガイドに最適なリング傾斜角度は約70°でした。
構造のポイント② ブリッジの形70°傾斜によって絡みをリング頂点に向かわせたら、つぎはループにガイドの手前(リール側)を通らせる必要あり。従来構造では、ループはリング部とブリッジの接合部あたりでガイドの前方(ティップ側)に回り込んでしまい、さらに絡みの先のラインを引っぱると、
いっそう強く絡みつく。これはリング部とブリッジの接合位置が低いためだとわかり、ブリッジをリングのほぼ真横の位置から滑らかに伸ばすことにしました。
以下は、同実験における別テイクからの抜粋で、このPEラインの複雑極まる動きは全てキャストの瞬間にバットガイド周辺で起こった真実です。キャスト直後のラインは必ず、まずはフレームに強く当たってからリングを
通過します。FUJIガイドがフレームの機能的デザインやリング性能だけでなく、常にフレーム表面の研磨技術向上に努めているのはこのためです。
※①②③は実際のコマ続きです。
※実験方法、使用ガイド・ラインは 実証① と同じです。※6枚とも、別々のキャストからの抜粋です。
実験方法:実証①に同じ。使用ガイド:試作ガイド(仮称KL型) サイズ25使用ライン:PE0.8号+フロロカーボンリーダー
実証② :NEWガイドのキャスト実験
富士工業 Kシリーズこのハイスピード映像をホームページでご覧ください
www.fujitackle.com
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Kガイド誕生こうして傾斜角度の大きさにも長い傾斜ブリッジにも頼らないK構造は、最も絡みが起きやすいシングルフットハイフレームでありながら、最も絡みやすいPEラインでのキャスト絡み解除に成功しました。極めて糸絡みしにくい形状により、様々な絡みの要因をその初動で回避し、たとえ絡んでも、ラインが出ていく力を利用して自然に絡みを解いてしまう世界初「糸絡み自動解除フレーム」の誕生です。このKガイド第1号を「KL」と名づけました。
第3世代の傾斜フレームガイド、Kシリーズ3モデル糸絡みを気にせずフルキャスト、チョーク抵抗は極小、ロッド本来のアクションを生かせる最短の全長、最小限の傾斜なのにラインのカブりが抜けやすく、糸通りもスルスル…一体化は不可能と思われたスピニング用ガイドに求められるこれら機能の兼備を、最も開発困難と思われたシングルフットハイフレーム「KLガイド」で実現させたK構造。これを強度の高いダブルフット「KWガイド」と、コンパクトなティップ用シングルフット「KTガイド」にも応用。リング面をどう傾けるか、傾斜ブリッジをどう設けるかという二者択一だった傾斜フレームガイドの概念を一新する糸絡み自動解除フレーム『Kガイド』はこれで一気に全3モデル/合計24サイズの『Kシリーズ』に。リングサイズは50から3まで網羅。この無限の組み合わせが、スピニングロッドにかつてない新しい可能性をもたらすでしょう。
最も絡みやすい形状のシングルフットハイフレームでありながら、様々なキャスト絡みを克服した革新的モデル。
シングルフット型Kガイド
ティップ用シングルフット型
Kガイド
ダブルフット型Kガイド
一見、傾斜に反すると思われるトップ側からのカブりにも…
KWならスルッと抜けます。
糸フケのカブりは…
…難なく抜けます。
KTなら…
大口径・背高でも絡みにくい。2本足だから高強度。シングルフットに比べてもともと絡みにくいダブルフット型+K構造だから、糸絡み回避機能ではKシリーズで最強のモデル。
解除!
立ち過ぎず寝過ぎず、キャスト絡みもシャクリ時のティップ絡みも激減で、ラインの通りもスルスル。常に曲がりを強いられるティップでの足抜け防止も徹底追求した超軽量の新・万能ティップガイド。
シャクリで頻発するティップへのカブりも、リングに通っているラインのサポートもあって…
…KTの傾斜でじゅうぶん抜けます。
KTKWKL
KL
KT
KW
この実験でわかったことは、K構造の場合、当然ループ絡みが起こるはずの状況でも起こらず、その他の絡みについても初期段階で回避してしまう
ということでした。したがって現在、K構造がループ絡みを自動解除した瞬間の映像・写真はありません。
以上の結果により、ループ絡みを自動解除できるフレームとは、ループ絡みだけでなくその他の絡みも起こりにくいフレームであり、また、絡んでも絡み
が解けやすいフレームとは、はじめから絡みにくいフレームだということが言えるでしょう。
これは同実験でのハイスピードスチル写真です。K構造がフレームに高速で衝突してくるPEラインのかたまりやループ、つまりいろいろなタイプの絡
みの要因と絡みを回避していることがわかります。
マルチライン対応Kシリーズ3モデルはPEラインでのテスト後、ナイロンラインとフロロカーボンラインにおいても糸絡み回避効果を実証。ラインにはそれぞれの長所あり。これまでのように使用ラインでロッドを使い分けるのではなく、Kシリーズ装着ロッドを軸に各ラインをそれぞれ最適なシチュエーションで使い分けることが可能に。Kシリーズは、各ジャンルにおける釣りのバリエーションも拡げます。
飛距離に傾斜の影響なしリングを傾けすぎると、ラインの「道」であるリング内面積は減少し、スピニングロッドの命である飛距離に悪影響。繰り返し行なったキャスト実験の結果、70°傾斜のKシリーズ3モデルはPE・ナイロン・フロロすべてのラインにおいて、直立型の従来ガイドと比べてまったく遜色ない安定した平均飛距離を記録しました。
※5つとも、別々のキャストです。
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Kガイド誕生こうして傾斜角度の大きさにも長い傾斜ブリッジにも頼らないK構造は、最も絡みが起きやすいシングルフットハイフレームでありながら、最も絡みやすいPEラインでのキャスト絡み解除に成功しました。極めて糸絡みしにくい形状により、様々な絡みの要因をその初動で回避し、たとえ絡んでも、ラインが出ていく力を利用して自然に絡みを解いてしまう世界初「糸絡み自動解除フレーム」の誕生です。このKガイド第1号を「KL」と名づけました。
第3世代の傾斜フレームガイド、Kシリーズ3モデル糸絡みを気にせずフルキャスト、チョーク抵抗は極小、ロッド本来のアクションを生かせる最短の全長、最小限の傾斜なのにラインのカブりが抜けやすく、糸通りもスルスル…一体化は不可能と思われたスピニング用ガイドに求められるこれら機能の兼備を、最も開発困難と思われたシングルフットハイフレーム「KLガイド」で実現させたK構造。これを強度の高いダブルフット「KWガイド」と、コンパクトなティップ用シングルフット「KTガイド」にも応用。リング面をどう傾けるか、傾斜ブリッジをどう設けるかという二者択一だった傾斜フレームガイドの概念を一新する糸絡み自動解除フレーム『Kガイド』はこれで一気に全3モデル/合計24サイズの『Kシリーズ』に。リングサイズは50から3まで網羅。この無限の組み合わせが、スピニングロッドにかつてない新しい可能性をもたらすでしょう。
最も絡みやすい形状のシングルフットハイフレームでありながら、様々なキャスト絡みを克服した革新的モデル。
シングルフット型Kガイド
ティップ用シングルフット型
Kガイド
ダブルフット型Kガイド
一見、傾斜に反すると思われるトップ側からのカブりにも…
KWならスルッと抜けます。
糸フケのカブりは…
…難なく抜けます。
KTなら…
大口径・背高でも絡みにくい。2本足だから高強度。シングルフットに比べてもともと絡みにくいダブルフット型+K構造だから、糸絡み回避機能ではKシリーズで最強のモデル。
解除!
立ち過ぎず寝過ぎず、キャスト絡みもシャクリ時のティップ絡みも激減で、ラインの通りもスルスル。常に曲がりを強いられるティップでの足抜け防止も徹底追求した超軽量の新・万能ティップガイド。
シャクリで頻発するティップへのカブりも、リングに通っているラインのサポートもあって…
…KTの傾斜でじゅうぶん抜けます。
KTKWKL
KL
KT
KW
この実験でわかったことは、K構造の場合、当然ループ絡みが起こるはずの状況でも起こらず、その他の絡みについても初期段階で回避してしまう
ということでした。したがって現在、K構造がループ絡みを自動解除した瞬間の映像・写真はありません。
以上の結果により、ループ絡みを自動解除できるフレームとは、ループ絡みだけでなくその他の絡みも起こりにくいフレームであり、また、絡んでも絡み
が解けやすいフレームとは、はじめから絡みにくいフレームだということが言えるでしょう。
これは同実験でのハイスピードスチル写真です。K構造がフレームに高速で衝突してくるPEラインのかたまりやループ、つまりいろいろなタイプの絡
みの要因と絡みを回避していることがわかります。
マルチライン対応Kシリーズ3モデルはPEラインでのテスト後、ナイロンラインとフロロカーボンラインにおいても糸絡み回避効果を実証。ラインにはそれぞれの長所あり。これまでのように使用ラインでロッドを使い分けるのではなく、Kシリーズ装着ロッドを軸に各ラインをそれぞれ最適なシチュエーションで使い分けることが可能に。Kシリーズは、各ジャンルにおける釣りのバリエーションも拡げます。
飛距離に傾斜の影響なしリングを傾けすぎると、ラインの「道」であるリング内面積は減少し、スピニングロッドの命である飛距離に悪影響。繰り返し行なったキャスト実験の結果、70°傾斜のKシリーズ3モデルはPE・ナイロン・フロロすべてのラインにおいて、直立型の従来ガイドと比べてまったく遜色ない安定した平均飛距離を記録しました。
※5つとも、別々のキャストです。
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いまだにあるのでご用心。ラインが減るガイド。ラインで減るガイド。
あなたと魚を結ぶ、大切なラインを守るSiC。
LIGHT
STRONG
CORROSION FREE
HIGH TENSILE&
PURE
P17
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いまだにあるのでご用心。ラインが減るガイド。ラインで減るガイド。
あなたと魚を結ぶ、大切なラインを守るSiC。
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HIGH TENSILE&
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改良型ハードリング
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改良型ハードリング
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