HP Integrity サーバ + HP-UX 11i v2 (11.23)
HP-UX 構築手順
5. HP-UX パッチのインストール
初版 2006/08
目次
5. HP-UX パッチのインストール............................................................................................................ 2
5.1 事前準備................................................................................................................................... 3
swinstall・swlist(GUI ベース)を使用する手順 5.2 パッチのインストール................................................................................................................... 6 5.3 インストールされているパッチの確認............................................................................................ 15
swinstall・swlist(非対話形式)を使用する手順 5.4 パッチのインストール................................................................................................................. 18 5.5 パッチのインストール後の確認.................................................................................................... 20
関連情報 .......................................................................................................................................... 21 HP-UX DEVELOPER EDGE ................................................................................................................... 21
5. HP-UX パッチのインストール この章の概要 OS パッチ等のパッチインストールにおける以下の各項目について手順を説明します。なお、ここでは tar アーカイブ形
式でパッチを入手する事を前提にしています。 パッチのインストール方法には以下の3つの方法があります。 • swinstall(1M)コマンド(GUI ベース) • swinstall(1M)コマンド(CUI ベース) • swinstall(1M)コマンド(非対話形式コマンドベース)
ここでは、GUI ベースと非対話形式コマンドベースとのパッチのインストール方法を説明します。CUI ベースは操作画面
の内容は GUI ベースと同じですが、操作はマウスではなく、「Tab」キーで項目を選択して「Enter」キーを押します。
□ インストールされてるパッチの確認
含まれる内容 ☐ 事前準備(パッチ入手) ☐ パッチのインストール
Solaris では…
Solaris では、次の方法でパッチのインストールが可能です。 ・Solaris Web Start(GUI ベース、コマンドベース) ・Solaris Product Registry(GUI ベース、コマンドベース) ・Admintool(GUI ベース)
2
5.1 事前準備 1. パッチの入手
HP-UX のパッチは IT リソースセンター(ITRC)より入手します。ITRC からパッチを入手するためには、ユーザ登録を行う
必要があり、登録は ITRC のサイトで行うことができます。ユーザ登録後、ITRC のサイトの「パッチデータベース」のリン
クからパッチを入手することができます。 ITRC の URL: http://www1.itrc.hp.com/ パッチ入手後、パッチを FTP 等で、HP-UX のマシン上にコピーします。ここでは/patch というディレクトリにコピーする事
を前提に作業を行います。 ここでは、パッチのインストール方法を説明するために、セキュリティの観点から以下のパッチ一覧に記載されているパ
ッチを選定しています。必要なパッチ情報は各製品のリリースノート等に記載されています。
パッチ番号 パッチ名
PHNE_29913 sendmail(1m) 8.11.1 patch
PHSS_29966 HP DCE 1.9 client cumulative patch
PHSS_30013 CDE Base Patch
表 5- 1 適用パッチ一覧
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2. アーカイブファイルからの復元
入手したパッチの tar アーカイブ形式のファイルから、ファイルを復元します。復元する方法は tar(1)コマンドになります。
[コマンド説明]
# tar xvf [アーカイブファイル名]
オプション 設定する内容/設定値の意味
x ファイルを抽出し、システムに復元します。
v コマンド実行中に処理対象となっているファイルを出力します。
f 引数で処理対象となるアーカイブファイルを指定します。
引数 設定する内容/設定値の意味
アーカイブファイル名 処理対象のアーカイブファイルを指定します。
詳細については、tar(1)のマンページを参照してください。 実行例
# tar xvf patches.tar x README_hp-ux, 1780 bytes, 4 tape blocks x create_depot_hp-ux_11, 4812 bytes, 10 tape blocks x PHNE_29913, 1586486 bytes, 3099 tape blocks x PHSS_29966, 16213425 bytes, 31667 tape blocks x PHSS_30013, 2088982 bytes, 4081 tape blocks # ls –l /patch total 85680 -rw-r--r-- 1 50 100 1586486 Dec 17 15:16 PHNE_29913 -rw-r--r-- 1 50 100 16213425 Nov 26 15:03 PHSS_29966 -rw-r--r-- 1 50 100 2088982 Nov 18 15:18 PHSS_30013 -r--r--r-- 1 50 100 1780 Jun 15 2001 README_hp-ux -rwxr-xr-x 1 50 100 4812 Feb 25 10:06 create_depot_hp-ux_11 -rw-r--r-- 1 root sys 19900416 Feb 25 10:13 patches.tar
tar(1)コマンドでファイルを復元すると、カレントディレクトリにファイルが復元されます。ファイルを復元後、パッチファイ
ル、README_hp-ux ファイル、パッチのデポ(depot) 作成用スクリプト(create_depot_hp-ux_11)が復元できている事
を確認します。
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3. depot ファイルの作成
ファイルを復元後、パッチをインストールするためのソース・デポ(depot)を作成するために、デポ(depot)作成用のシェ
ルスクリプト(create_depot_hp-ux_11)を実行します。 実行例
# ./patch/create_depot_hp-ux_11 << 途中省略 >> # ls –l /patch total 113488 -rw-r--r-- 1 50 100 1586486 Dec 17 15:16 PHNE_29913 -rw-r--r-- 1 root sys 1126400 Dec 10 05:25 PHNE_29913.depot -rw-r--r-- 1 root sys 3457 Dec 16 02:25 PHNE_29913.text -rw-r--r-- 1 50 100 16213425 Nov 26 15:03 PHSS_29966 -rw-r--r-- 1 root sys 11571200 Nov 21 14:53 PHSS_29966.depot -rw-r--r-- 1 root sys 7727 Nov 25 02:52 PHSS_29966.text -rw-r--r-- 1 50 100 2088982 Nov 18 15:18 PHSS_30013 -rw-r--r-- 1 root sys 1484800 Nov 14 08:15 PHSS_30013.depot -rw-r--r-- 1 root sys 4223 Nov 17 11:17 PHSS_30013.text -r--r--r-- 1 50 100 1780 Jun 15 2001 README_hp-ux -rwxr-xr-x 1 50 100 4812 Feb 25 10:06 create_depot_hp-ux_11 drwxr-xr-x 7 root sys 8192 Feb 25 10:53 depot -rw-rw-rw- 1 root sys 708 Feb 25 10:53 depot.psf -rw-r--r-- 1 root sys 19900416 Feb 25 10:13 patches.tar
実行したディレクトリにデポ(depot) ディレクトリが作成され、デポ(depot)ディレクトリ配下に、パッチのインストールに
必要なファイルが展開されます。
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swinstall・swlist(GUIベース)を使用する手順
5.2 パッチのインストール swinstall(1M)コマンドを実行すると、ソフトウェアディストリビュータ(以下 SD-UX)が起動され、パッチインストール作業
を GUI ベースで実行可能です。以下に、SD-UX(GUI ベース)で行う場合の手順を説明します。 4. 環境変数の設定
SD-UX(swinstall)を起動する場合、DISPLAY 環境変数の設定が必要となります。root ユーザでログインし、以下のように
入力してください。 実行例
次の場合を想定しています。 シェル: POSIX シェル[sh] あるいは コーンシェル[ksh] サーバ名: hp01
確認例
# DISPLAY=hp01:0.0 # export DISPLAY
# echo $DISPLAY hp01:0.0
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5. SD-UX(swinstall)の起動
swinstall(1M)コマンドを実行し、SD-UX(swinstall)を起動します(図 5-1)。
# swinstall &
図 5-1 swistall の起動画面
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6. Source Depot Type の選択と source Depot Path の設定
「Source Depot Type」項目に「Local Directory」を指定します(図 5-2)。
図 5-2 Source Depot Type の指定
「Source Depot Path」項目に、作成しておいたパッチのデポ(depot)ディレクトリを指定します(図 5-3)。「Specify Source」画面での設定後、「OK」ボタンをクリックします。
図 5-3 Source Depot Path の設定
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7. SD Install Software Selection 画面の表示
「SD Install Software Selection」画面が表示されます(図 5-4)。
図 5-4 SD Install Software Selection 画面
「BUNDLE」をダブルクリックすることで、含まれるパッチのリストが確認できます(図 5-5)。
図 5-5 SD Install Software Selection(Bundles & Product)画面でのメニュー選択
確認後は、元の「BUNDLE」表示画面に「..(go up)」をダブルクリックして戻ります。
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8. インストールするパッチの選択
リストからインストールするパッチを選択します。選択後、「Actions」メニューから「Mark for Installl」をクリックすると、イ
ンストールするパッチとして指定されます(図 5-6)。 選択後、選択したパッチの「Mark」欄に「はい」が表示されます。 ここでは含まれる全てのパッチを同時にインストールするために「BUNDLE」を選択しています。「BUNDLE」をクリックす
ることで、含まれる各パッチ単位の表示画面になりますので、その画面で同様の操作でパッチ毎に選択することもでき
ます。
図 5-6 パッチの選択
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9. Install Analysis 画面の起動と解析の開始
「Actions」メニューから「Install」を選択し、「Install Analysis」画面を起動し、解析を開始します(図 5-7)。
図 5-7 SD Install Software Selection(Products)画面でのメニュー選択
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10. アナライズ結果の確認
解析が自動的に行われます。解析中は「Status」が「解析中」となっており、「Status」が「解析終了中」と表示された後、
解析が終了します。 解析終了後、「Status」が「準備完了」であることを確認してください。「Status」が「準備完了」以外の場合は「logfile」を確
認して適切な対処を行ってください(図 5-8)。
図 5-8 Install Analysis 画面での解析
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11. インストールの開始
「OK」ボタンをクリックすると、「Install Window」画面が起動し、インストールを開始します(図 5-9)。
図 5-9 インストールの開始
ワンポイント・アドバイス
パッチによってはインストール時にシステムの再ブートを必要とします。このようなパッチの場合は、図 5-9 インストール
の開始画面で「OK」ボタンをクリックした時に、以下の確認メッセージダイアログが出ます。 「Confirmation (hp01) インストールを開始する前の、確認事項です: システムは、インストールが完了すると再ブートされます。本当にインストールを開始しますか? YES/NO」
もし、再ブートしても良い状況でない場合は「NO」でインストールをキャンセルします。構わない場合は「YES」でインスト
ールを開始します。
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12. インストールの終了
インストール終了後、「Install Window」画面の「Status」が「完了」になっていることを確認してください(図 5-10)。 インストールに失敗した場合は、「logfile」を確認して適切な対処を行ったあと、再度インストールを行なってください。確
認後、「完了」ボタンをクリックして「Install Window」画面を終了し、インストール作業を終了してください。
図 5-10 Install Windows 画面
ワンポイント・アドバイス
パッチによってはインストール時にシステムの再ブートを必要とします。このようなパッチの場合は、図 5-10 Install Windows 画面の Status が「完了」ではなく、「準備完了」と表示され、「完了」ボタンをクリックした時に、以下の確認メッ
セージダイアログが出ます。 「Note (hp01) このウィンドウで”OK”を押すと、このローカルシステムは再ブートされます。再ブート後は、ログファイ
ル”/var/adm/sw/swagent.log”を調べてソフトウェアの構成に問題がなかったかどうか確認してください。OK」 「OK」でシステムは再ブートを開始します。
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5.3 インストールされているパッチの確認 swlist(1M)コマンドを実行すると、ソフトウェアディストリビュータ(以下 SD-UX)が起動され、インストールされているパッ
チの確認を GUI ベースで実行可能です。以下に、SD-UX(GUI ベース)で行う場合の手順を説明します。 1. 環境変数の設定
SD-UX(swlist)を起動する場合、DISPLAY 環境変数の設定が必要となります。root ユーザでログインし、以下のように入
力してください。 実行例
次の場合を想定しています。 シェル: POSIX シェル[sh] あるいは コーンシェル[ksh] サーバ名: hp01
# DISPLAY=hp01:0.0 # export DISPLAY
確認例
# echo $DISPLAY hp01:0.0
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2. SD-UX(swlist)起動
swlist(1M)コマンドを実行して、SD-UX(swlist)を起動します(図 5-11)。
# swlist -i &
図 5-11 swlist の起動画面
SD-UX(swlist)を起動させる場合は、swlist(1M)コマンドに「-i」オプションを指定します。
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3. パッチの確認
インストールしたパッチが表示されているか確認してください。パッチが表示されていればインストールは正常に行えて
います(図 5-12)。
図 5-12 SD List View Software(Procucts)画面
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swinstall・swlist(非対話形式)を使用する手順
5.4 パッチのインストール swinstall(1M)コマンドは非対話形式でのパッチのインストールも可能です。以下に、パッチインストール作業を、
swinstall(1M)コマンド(非対話形式)で行う場合の手順について説明します。
パッチをインストールする方法は swinstall(1M)コマンドになります。 ソフトウェア製品をインストールします。 swinstall(1M)コマンドで行います。
[コマンド説明]
# swinstall –s [パッチソース名] [-x [option=value] ] [パッチ名]
オプション 設定する内容/設定値の意味
-s[パッチソース名] パッチソース(depot)を使用します。
-x option で指定されたオプションに value で指定された値を設定して、デフォルト値またはオ
プションファイルの値を無効にします。
option value
autoreboot システムの再ブートが必要なパッチの場合は“true”を value に設定します。
引数 設定する内容/設定値の意味
パッチ名 インストールするパッチを指定します。
詳細については、swinstall(1M)のマンページを参照してください。 実行例
ここでは、ソフトウェアソースに/patch/depot を指定し、パッチをインストールしています。
# swinstall -s /patch/depot PHNE_29913
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ワンポイント・アドバイス
パッチによってはインストール時にシステムの再ブートを必要とします。 このようなパッチの場合は実行例の方法では以下のエラーになります。
「ERROR: デフォルトでは、再ブートを必要とするようなソフトウェアインストールは、コマンド行からは行えません。 このセッションに適用されるデフォルト設定を変更するには、コマンド行に "-x autoreboot=true" という指定を
入れてください。 ERROR: "swinstall" の処理を続行できません。」
このようなシステムの再ブートが必要なパッチのインストールの場合は、option に「-x autoboot=ture」も付けて実行しま
す。 GUI と異なり、再ブートをして良いかどうかを聞いてきませんので、必ず、再ブートして良い状況で実行します。 パッチソースに含まれる全てのパッチをインストールしたい場合は、引数のパッチ名を「PH*」にすると可能です。
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5.5 パッチのインストール後の確認 swlist(1M)コマンドは非対話形式でのインストールされているパッチの確認も可能です。以下に、インストールされてい
るパッチの確認作業を、swilist(1M)コマンド(非対話形式)で行う場合の手順について説明します。
インストールされているパッチを確認します。 swlist(1M)コマンドで行います。
[コマンド説明]
# swlist –l [レベル]
オプション 設定する内容/設定値の意味
-l[レベル] 指定されたレベルで全ソフトウェアオブジェクトをリストします。
詳細については、swlist(1M)のマンページを参照してください。 [実行例]
ここでは、swlist(1M)コマンドの実行結果から、 grep (1)コマンドで PHNE_29913 パッチの情報のみを表示しています。
パッチのインストール情報は、レベルに product を指定する事で表示できます。
# swlist -l product | grep PHNE_29913 PHNE_29913 1.0 sendmail(1m) 8.11.1 patch
ワンポイント・アドバイス
パッチには最初からシステムにバンドルされてインストールされているものもあります。全てのインストールされている
パッチを調べるには、「# swlist –l fileset | grep PH」を実行します。ソフトウェア製品のリリースノート等に記載されてい
る必要なパッチがインストールされているかどうかを調べると時に便利です。
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関連情報 テクニカルドキュメント 「Software Distributor 管理者ガイド HP-UX 11i バージョン 2 対応」 http://docs.hp.com/ja/B2355-90984/index.html
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