ひずみ24‐1‐B11
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東北日本弧の地殻変形とメカニズム
佐藤比呂志(地震研)
東北日本の沈み込みシステム
上盤プレートの変形の分配として理解することが重要
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25Ma以降の地層の変形量 25Ma以降の垂直変動量
Matsuda (1967) Matsuda (1967)
長期間の主要な塑性歪の原因を理解することは重要
2*10-7/yr
Horizontal Strain Rate:Geodetic 2x10‐7 /year Geologic 2×10‐8/year for 3 million years
東北日本中部でのひずみ集中が顕著
Sagiya et al, 2000, PAGEOPH Sato (1989: Mem. Geol. Soc. Jpn)
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Shortening ratio in Northern Honshu
Sato (1989)
短縮変形の大きな領短縮変形の大きな領域は、中新世の中絶域は、中新世の中絶
リフトと一致リフトと一致
奥羽山脈地域では短縮量は増加するが 最大
Sato (1994)
量は増加するが、最大ではない→地殻の連続的
な強度低下は示していない
日本海東縁の地質構造の特徴
・逆断層が卓越・逆断層が卓越・正断層の再活動は基本的
・断層の傾斜は、一定せず、短縮変形は拡散
プ
逆断層分布(黒線[暫定版])ひずみ集中帯の分布:岡村(2010)震源分布:気象庁(1923~2012/7)
海洋研究開発機構による「ひずみ24-1-A-2」
短縮変形を、プレート境界の収束運動として捉えることは困難
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日本海東縁海域における地殻構造変化2‐2.マルチチャネル等による海域地殻構造調査(海洋開発機構)
東側:圧縮場を示す構造が卓越
西側:日本海形成時にリフトした構造が残存
佐渡海嶺西縁
大和海盆~新潟地震震源域(2010年度)
上・中部地殻(基盤‐6.5 km/s)
マントル (>7.9 km/s)
下部地殻(6.7‐ km/s)
北部富山トラフ
マントル (>7.9 km/s)
下部地殻(6.7‐6.9 km/s)
上・中部地殻(基盤‐6.5 km/s)
大和海盆~佐渡島~越後平野(2009年度)
新潟地域の速度構造断面
震源分布震源分布
震源分布は防災科学技術研究所による
厚い堆積物の存在は特異的
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会津‐佐渡測線沿いの地質構造の形成プロセス
中絶リフトの1.2 Ma以降の沈降運動が顕著
佐渡
東山‐三島測線沿いの地質構造の形成プロセス
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NORTHERN HONSHU : A CLASSIC TRENCH-ARC-BACKARC SYSTEM
秋田積成盆地の厚い堆積物秋田積成盆地の厚い堆積物
Iwasaki et al (2001)
秋田県・本荘‐沖合の地質断面
断層の上盤も沈降
Sato et al. (2004) JAPT
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中絶リフトに起因する深い堆積盆地の形成による地殻の強度低下による短縮変形の集中
/ OKH
後期中新世の宍道褶曲帯は若い四国海盆の沈み込みによって、中絶リフトが短縮
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ひずみ集中のメカニズム
東北太平洋沖地震前の強い圧縮応力により、強度が弱い日本海沿岸の中絶リフト域にひずみが集中し、地震に至る。
何が必要か
• 統合的地殻活動モデルの構築
‐Vp/Vs, 構成岩石,温度場,境界の形状(モホ,D90),プレート境界,断層(CFM)
・ 短期(地殻変動・地震活動)、長期(上盤プレ トの長時間変動)の現象についての数値実レートの長時間変動)の現象についての数値実験