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屋内自律飛行船における飛行フォーメーションの獲得
北海道大学 工学部 情報工学科
複雑系工学講座 調和系工学研究室
中林 佑太
背景
鳥は環境との相互作用によりエネルギー効率の良いフォーメーションを獲得[Weimerskirch, 01]
フォーメーション
複数の因子が相互作用し,系全体の振る舞いが決定
複数の個体の相互作用により決まる群全体の形態
•大容量のバッテリーを搭載することが難しい
•他の機体からの影響を受けやすい
屋内自律飛行船の特徴
協調した群飛行によりフォーメーションを獲得
複雑系
目的
• 複数機による飛行船の動きをシミュレーションで実験
• 飛行船群に学習・進化による群飛行をさせる
• 獲得されたフォーメーションを検証
飛行船の群飛行におけるフォーメーションの獲得
屋内自律飛行船
Camera Sensor
Controller
RGB 16bit
160×144[pixel]
T-Engine System
CPU: 216MHz
Propellers
Image
information
Control
signal
XY方向4出力,Z方向1出力の計算が必要
飛行船シミュレータ[西村 03][西岡 05]
運動方程式
FBAvM
M:質量行列v:速度ベクトルA:空気抵抗力B:浮力と重力による力F:遠心力とコリオリ力τ:推力
プロペラユニット
バルーン
半径r = 0.47
高さh = 0.8
実機をモデル化した運動方程式
飛行時の空気の流れによる影響
複数の機体が飛行時にまとまって動くことで移動効率が良くなる
飛行船
飛行船の速度
明るい部分:空気の流れが多い
→流れに乗ることでエネルギー効率良く移動
飛行船の移動時に空気の流れができる
群飛行における制御
飛行船群の直線移動距離を最大化目的
ニューラルネットワーク 自機体と他機体の出力結果を用いて計算
遺伝的アルゴリズムニューラルネットワークのパラメータの最適化
ニューロコントローラ
Y
X
T0
T1
T2
T3
T4 T4
入力
ニューラルネットワークにより各プロペラの出力を求める
Rxi, Ryi, Rzi
RVxi, RVyi, RVzi
Vx, Vy, Vz
Eposess/Einit
T0(t-1),・・・T4(t-1)
○他機体の情報
•相対座標・相対速度
○自機の情報
•速度
•エネルギー保有率
•出力のフィードバック
出力
•XYZ方向の5chのモータ出力
1. N個体をランダムに生成する
2. 遺伝子の情報を基に飛行船群を制御する
3. エネルギーが無くなる・飛行時間終了によって適応度を計算
4. 次世代の個体の生成(エリー
ト戦略、トーナメント選択、突然変異、交叉)
5. 決められた世代数2~4を繰り返す
遺伝的アルゴリズムNNのパラメータの最適化目的
GAの手順
遺伝子
0.010.03 -0.020.04
全ての機体の初期位置と最終到達地点の直線距離の総和
i
idfitness
評価関数
各機体は同じ遺伝子を使用
実験
学習により群行動の振る舞いを分析しフォーメーションの獲得を検証
目的
• 機体数 n = {1, 2, 4}
• 初期位置 中心(0, 0, 1.5) 半径 1.5の円状に正n角形状に配置
• 試行の終了条件 全機体のエネルギーがなくなる一定時間経過
各機体数ごとに独立して進化
1機体あたりの平均評価値17.5 1機体あたりの平均評価値31.7
評価値の低い個体
• 評価値の低い個体は全機体が集まって飛行するわけではないため,エネルギー効率が良い飛行が獲得できていない
1機体あたりの平均評価値17.4
評価値の低い個体の特徴
-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
1 30 59 88 117 146 175 204 233 262 291 320 349 378 407 436 465-0.1
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
1 30 59 88 117 146 175 204 233 262 291 320 349 378 407 436 465
-0.2
-0.15
-0.1
-0.05
0
0.05
0.1
0.15
0.2
0.25
0.3
1 30 59 88 117 146 175 204 233 262 291 320 349 378 407 436 465
4機体の速度(x方向) 4機体の速度(y方向) 4機体の速度(z方向)
各機体の速度が違う
-5
0
5
10
15
20
25
-40 -30 -20 -10 0 10 20
Airship1
Airship2
Airship3
Airship4
評価値の高い個体
• 評価値の高い個体は2機体もしくは4機体で集まりフォーメーションを形成することによってエネルギー効率の良い飛行を実現している.
1機体あたりの平均評価値:56.4
1機体あたりの平均評価値66.1 1機体あたりの平均評価値55.6
評価値の高い個体の特徴
-2
-1
0
1
2
3
4
5
6
7
8
-2 0 2 4 6 8 10
Airship1
Airship2
Airship3
Airship4
-0.005
0
0.005
0.01
0.015
0.02
1 189 377 565 753 941 1129 1317 1505
時間(ステップ数)
速度(m/s)
0
0.05
0.1
0.15
0.2
0.25
0.3
0.35
0.4
1 189 377 565 753 941 1129 1317 1505
時間(ステップ数)
速度(m/s)
0
0.02
0.04
0.06
0.08
0.1
1 189 377 565 753 941 1129 1317 1505
時間(ステップ数)
速度(m/s)
4機体の速度(x方向) 4機体の速度(y方向) 4機体の速度(z方向)
フォーメーション:隊形・編隊
ある時点での全機体の速度が同じ
評価値の高い個体は均等に中心に集まるような配置
実験結果
機体数:4(82世代目) フォーメーションを保つ個体
結論
• 複数飛行船に繰り返し群飛行をさせることで進化,学習した
• 全機体の速度が同じになり一定の位置関係を保つ場合はフォーメーションを獲得したと考えられる
• 進化学習によってフォーメーションを獲得するような振る舞いが生まれた