食事 伝統的な和食がおすすめ · 2019-05-21 · 食事 で 認知症予防...
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認知症の予防に有効な方法として、 今回は食事についてご紹介します。
食事で認知症予防
地中海食や
伝統的な和食がおすすめ
日本で認知症の患者が増え続
けている理由の1つに、食生活
が和食から洋食に移行したこと
が挙げられます。
認知症予防のための食事で大
切なことは、カロリーを摂り過
ぎないことですが、朝・昼・晩
とバランスよく食べることも大
切。近年注目されているのが、
「地中海食」といわれる、ギリ
シャやイタリアなどの地中海沿
監修:東京都健康長寿医療センター精神科
古ふ る
田た
.光こ う
先生
岸の国々で伝統的に食べられて
きた食事です。オリーブオイル
を多用すること以外は、使用す
る食材など、伝統的な和食に通
じるところがあります。
脳によいといわれる油、
nエヌ-
3系脂肪酸
料理で使用する油を選ぶこと
も重要です。マーガリン、バ
ター、パーム油、ラード、牛脂
はなるべく避け、魚の油を積極
的に摂りましょう。魚の油に含
まれているD
ディー
Hエイチ
Aエー
(ドコサヘ
キサエン酸)、Eイ
ー
Pピー
Aエー
(エイコ
サペンタエン酸)は、n
-
3系
脂肪酸といわれ、脳に多く含ま
れ、神経細胞のスムーズな情報
伝達に欠かせない成分です。ま
た、血液の流れをスムーズにす
る作用があるため、動脈硬化や
生活習慣病対策にも有効といわ
れています。
n
-
3系脂肪酸は、魚の油以
外には、亜麻仁油やしそ油など
にも含まれています。体内では
合成できない成分のため、不足
しないよう摂り続けるようにし
ましょう(P3~5参照)。
認知症のリスクを下げる
ポリフェノール
油と併せて積極的に摂りたい
のがポリフェノールです。ポリ
フェノールは、認知症の原因と
なるアミロイドβベ
ータ
タンパク質と
いう物質の結合を阻害する作用
があるため、認知症の発症リス
クを下げる効果があるといわれ
ています。
ポリフェノールが多く含まれ
るのは、野菜や果物の色素成分
です。毎日たっぷり摂りましょ
う。1日の目安となる摂取量は、
野菜は350グラムで両手のひ
らにのるくらい、果物は200
グラムで、みかん2個分くらい
です。野菜や果物が不足してい
ると高脂肪、高カロリーの食事
になりやすく、生活習慣病にも
つながります。
また、ポリフェノールは、飲
み物では緑茶や赤ワインに豊富
です。ただしお酒は飲みすぎる
と認知症のリスクを高めます。
適度に楽しみましょう。
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認知症を知る 皆
さまのご要望に応え、認知症連載「認知症を知る」第三回。
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