小売業者の ボット問題 - akamai · 一般にボットと聞いて思い付くのは、ddos...

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一般にボットと聞いて思い付くのは、 DDoS 攻撃やアプリケーション 層への攻撃かもしれませんが、そのような攻撃を実行するのは、 小売業者のサイトに存在するボットのごく一部のみです。事実、ボ ットはポジティブとネガティブの両方を含め、さまざまな結果をも たらします。対策をとらなかった場合、ボットによってウェブサイ トのパフォーマンス、検索結果の表示、オンサイト体験に影響が 及ぶだけでなく、競合との情勢にまで影響することがあります。 しかし、ウェブ小売業者が自社のサイトに存在するボットのタイ プを知らなければ、ボットによる顧客体験への悪影響を軽減する ための措置を講じることはできません。 小売業者にとってのボットとは ボットは、小売業者のサイト上に存在する自動化されたウェブトラ フィックです。各ボットには、良いものも悪いものも含め、それぞ れに異なった目的がありますが、いずれもトラフィック全体に影 響を与えます。ボットによる影響は、 1 )顧客がどのようにサイトを 見つけるか、 2)サイト上での顧客のウェブ体験のタイプ、 3)長期 的に見た顧客価値やロイヤルティ、 4 )オンライン小売業者の競争 力や競合業者の動向などに及びます。 顧客が小売業者の商品やサイトをどのように見つけるか :ショッ ピングサイトの利用者は、買いたいものがあると、まず検索エン ジン(GoogleBingYahoo! など)を使って検索します。このよう な検索において、ボットは重要な役割を果たします。まず、検索 エンジンによってボットが作成されます。これによって、ウェブサイ トをクロールし、サイトのコンテンツに関する情報が返され、検 索結果に表示されるウェブサイトの優先順位が決まります。サイ トの読み込み時間が遅いと評価のランキングが下がる可能性が あるため、ウェブ小売業者は、ユーザーだけでなく検索エンジンク ローラーに対するウェブサイトパフォーマンスも高める必要があ ります。 次に、オンライン小売業者は、ボットを自社で作成するか、 SEO への対策の有効性を評価するためにサードパーティサービスと 契約して自社サイトをクロールします。ボットのインタラクション には、小売業者の商品やサービスを別のチャネルを使って販売す るパートナーが関係してきます。パートナーは、最新の価格やコン テンツを入手するために小売業者のサイトをスクレイプします。こ のような目的によるスクレイプは正当なものであり、実際には(小 売業者のリーチやオーディエンスを拡大するなどの)利点があり ます。ただし、オンライン小売業者は、ボットによってオンサイト 体験に悪影響を及ぼすことなく必要な情報を入手できるようにす る必要があります。 オンサイト体験 :小売業者は、ショッピングサイトの利用者を自 社サイトに引き込んでから、それらの利用者が欲しい商品やサー ビスをすぐ簡単に見つけることができるような質の高いユーザー 体験を提供できるようにする必要があります。ところが、最大 40 60% のトラフィックがボットによるものである場合、どのような 目的であるにせよ、あまりにも自由に動き回るボットの数が多す ぎると、結果的にウェブサイトパフォーマンスが低下し、ユーザー による正規のトラフィックであってもネガティブなウェブ体験が生 じることになります。 小売業者の ボット問題 ある大手の自動車部品メーカーでは、検索結果の問題が見つかりました。それは、検索エンジンボットを含むすべての ボットをブロックしていたために、ウェブサイトの表示に影響したことが原因でした。 ボットの存在は今日では紛れもない事実で、小売業者のサイトのウェブトラフィックの最大 4060% を占めて いることもあります。オンライン小売業者は、ウェブトラフィックに占めるボットトラフィックの割合については 知っているかもしれませんが、ボットが何をしているかについてはおそらく知らないでしょう。

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Page 1: 小売業者の ボット問題 - Akamai · 一般にボットと聞いて思い付くのは、DDoS 攻撃やアプリケーション ... らです。ところが、ボットトラフィックの増加により、重要な戦術的

一般にボットと聞いて思い付くのは、DDoS 攻撃やアプリケーション層への攻撃かもしれませんが、そのような攻撃を実行するのは、小売業者のサイトに存在するボットのごく一部のみです。事実、ボットはポジティブとネガティブの両方を含め、さまざまな結果をもたらします。対策をとらなかった場合、ボットによってウェブサイトのパフォーマンス、検索結果の表示、オンサイト体験に影響が及ぶだけでなく、競合との情勢にまで影響することがあります。しかし、ウェブ小売業者が自社のサイトに存在するボットのタイプを知らなければ、ボットによる顧客体験への悪影響を軽減するための措置を講じることはできません。

小売業者にとってのボットとはボットは、小売業者のサイト上に存在する自動化されたウェブトラフィックです。各ボットには、良いものも悪いものも含め、それぞれに異なった目的がありますが、いずれもトラフィック全体に影響を与えます。ボットによる影響は、1)顧客がどのようにサイトを見つけるか、2)サイト上での顧客のウェブ体験のタイプ、3)長期的に見た顧客価値やロイヤルティ、4)オンライン小売業者の競争力や競合業者の動向などに及びます。

顧客が小売業者の商品やサイトをどのように見つけるか:ショッピングサイトの利用者は、買いたいものがあると、まず検索エンジン(Google、Bing、Yahoo! など)を使って検索します。このような検索において、ボットは重要な役割を果たします。まず、検索エンジンによってボットが作成されます。これによって、ウェブサイトをクロールし、サイトのコンテンツに関する情報が返され、検索結果に表示されるウェブサイトの優先順位が決まります。サイ

トの読み込み時間が遅いと評価のランキングが下がる可能性があるため、ウェブ小売業者は、ユーザーだけでなく検索エンジンクローラーに対するウェブサイトパフォーマンスも高める必要があります。

次に、オンライン小売業者は、ボットを自社で作成するか、SEO への対策の有効性を評価するためにサードパーティサービスと契約して自社サイトをクロールします。ボットのインタラクションには、小売業者の商品やサービスを別のチャネルを使って販売するパートナーが関係してきます。パートナーは、最新の価格やコンテンツを入手するために小売業者のサイトをスクレイプします。このような目的によるスクレイプは正当なものであり、実際には(小売業者のリーチやオーディエンスを拡大するなどの)利点があります。ただし、オンライン小売業者は、ボットによってオンサイト体験に悪影響を及ぼすことなく必要な情報を入手できるようにする必要があります。

オンサイト体験:小売業者は、ショッピングサイトの利用者を自社サイトに引き込んでから、それらの利用者が欲しい商品やサービスをすぐ簡単に見つけることができるような質の高いユーザー体験を提供できるようにする必要があります。ところが、最大 40~60% のトラフィックがボットによるものである場合、どのような目的であるにせよ、あまりにも自由に動き回るボットの数が多すぎると、結果的にウェブサイトパフォーマンスが低下し、ユーザーによる正規のトラフィックであってもネガティブなウェブ体験が生じることになります。

オンサイトユーザー体験はデータによっても左右されるため、最近では、よりパーソナライズされたウェブ体験を顧客に提供できるよう努めるうえで、高品質のユーザー体験の提供はオンライン小売業者の中核となる能力になっています。オンライン小売業者は、高度なマーケティング分析ツールを活用しながら、商品の購入者に関するより深い洞察を求めています。よりカスタマイズされたユーザー体験を提供することが、より高価値の販売につながるからです。ところが、ボットトラフィックの増加により、重要な戦術的かつ戦略的意思決定を推進するためのマーケティングデータが実情を反映していないという副作用が生まれます。ボットによってデータは歪められ、ウェブ小売業者の顧客の本質が誤って伝えられてしまうため、データセットから導かれた結論が意味を持たなくなります。

顧客のロイヤルティ:忠実な顧客は、より多くの商品やサービスをより頻繁に購入し、社会的にブランドをサポートするという意味ですばらしいと言えます。このような高みへと顧客を誘導するために顧客との信頼関係を築くことは容易ではありませんが、きわめてやりがいのあることです。ところが、サードパーティがボットを利用してウェブ小売業者とその顧客との間に入り込み、顧客との関係を危ういものにしてしまうことが多くあります。

たとえば、多くのオンライン小売業者は、話題を拡散して消費者を自社サイトに引き寄せ、そこで商品を購入してもらうために、フラッシュセールや限られた在庫の販売に関連した戦略を採用していますが、悪意のあるボットによって、期間限定の商品やサービス(航空券、イベントチケット、限定版の靴や洋服など)が自動的に購入され、それらが別のサイトで再販されることがあり、そのような戦略に悪影響が生じることがあります。これは正規の購入者が商品やサービスを入手できなかったり、市場価格より高い値段で購入させられたりするなど、質の低い顧客体験につながります。

競争:小売業界で競合他社の一歩先を進み続けるのは簡単なことではありません。特に消費者は簡単に(そして積極的に)ブランドを渡り歩いて、お買い得商品や優れたユーザー体験を探し求めているためなおさらです。そこで、小売業者は差別化を図るために、サイトへの定期的な訪問や再訪を促すよう、ユニークなオンラインコンテンツを提供して消費者を誘い込もうとします。ブランド化されたコンテンツ、ユーザーが生成したコンテンツ、サードパーティが提供するコンテンツのいずれにしても、目標は顧客との関係を築けるような優れたユーザー体験を提供することにありますが、競合他社はボットを利用して小売業者のサイトを定期的かつ自動的にクロールして、商品構成、価格、コンテンツなどを含めたデータを「スクレイプ」し、小売業者が苦労して作成、統合、編纂したウェブコンテンツの価値や独自性をなくしてしまうことができます。

ボットの効果的な利用とはオンライン小売業者がボットトラフィックを管理し、最善の結果を得ることが理想的な解決策であると言えます。つまり、ボットのタイプによって、ポジティブな結果を最大化し、ネガティブな結果を最小化することです。

たとえば、オンライン小売業者は良性のボットを有効に活用したいと考えていますが、ユーザーによるウェブトラフィックで問題なくショッピングや購入ができるよう、ボットを段階的に減らすことが必要になることがあります。ウェブサイトへのアクセスを制限することが重要なケースとして、ショッピングが集中するホリデーシーズンや、ボットによるサイトのクロールが積極的過ぎる場合などの例があげられます。

ウェブ小売業者が悪性のボットに遭遇した場合、ボットをブロックするのは一時的な解決策にしかなりません。ボットはブロックされても巧妙な方法ですぐに戻ってくるため、長期的には効果がありません。サイトとのやり取りをボットが許可される方法を管理すれば、小売業者のサイトにボットが存在することを事業者に警告することなく、ウェブ小売業者はボットによる悪影響を最小限に抑えることができます。一般的な 2 つの解決策としては、ボットが収集している情報の価値や適時性を下げて単純にボットの動きを鈍くすることと、意図的に不正確なウェブコンテンツが含まれたページにボットを誘い込んで別の情報を提供することです。

Akamaiの Bot Manager:Akamai は、ボットソリューションの現状に直接対応する目的で、ボット問題の対処に苦労しているオンライン小売業者向けに独自の代替ソリューションを開発しました。このソリューションは、小売業者が良性と悪性の両方のボットを特定、分類、管理して、ウェブサイトの目標を達成できるように設計されています。Bot Managerには、単にボットをブロックする以上のさまざまな管理機能が含まれており、ボットトラフィックによるポジティブな影響を最大化し、ネガティブな影響を最小化することができます。また、アクティビティの分析やレポート機能により、ボット問題の可視化が向上します。Bot Manager ではボットトラフィックの視覚化やレポートに加え、独自の内部マーケティングデータを利用することもできます。ウェブサイトとページの閲覧に関する統計データは、ボットトラフィックによって著しく歪められてしまうため、実際のユーザーとサイトとのやり取りを理解することは困難です。Bot Managerでは、ボットによって生成されたリクエストを特定して、ユーザーによるトラフィックからボットトラフィックを除外します。これにより、マーケティングのデータおよび分析の精度が向上し、より良いビジネス上の意思決定につながります。

小売業者のボット問題

ある大手の自動車部品メーカーでは、検索結果の問題が見つかりました。それは、検索エンジンボットを含むすべてのボットをブロックしていたために、ウェブサイトの表示に影響したことが原因でした。

ボットの存在は今日では紛れもない事実で、小売業者のサイトのウェブトラフィックの最大 40~60% を占めていることもあります。オンライン小売業者は、ウェブトラフィックに占めるボットトラフィックの割合については知っているかもしれませんが、ボットが何をしているかについてはおそらく知らないでしょう。

Page 2: 小売業者の ボット問題 - Akamai · 一般にボットと聞いて思い付くのは、DDoS 攻撃やアプリケーション ... らです。ところが、ボットトラフィックの増加により、重要な戦術的

一般にボットと聞いて思い付くのは、DDoS 攻撃やアプリケーション層への攻撃かもしれませんが、そのような攻撃を実行するのは、小売業者のサイトに存在するボットのごく一部のみです。事実、ボットはポジティブとネガティブの両方を含め、さまざまな結果をもたらします。対策をとらなかった場合、ボットによってウェブサイトのパフォーマンス、検索結果の表示、オンサイト体験に影響が及ぶだけでなく、競合との情勢にまで影響することがあります。しかし、ウェブ小売業者が自社のサイトに存在するボットのタイプを知らなければ、ボットによる顧客体験への悪影響を軽減するための措置を講じることはできません。

小売業者にとってのボットとはボットは、小売業者のサイト上に存在する自動化されたウェブトラフィックです。各ボットには、良いものも悪いものも含め、それぞれに異なった目的がありますが、いずれもトラフィック全体に影響を与えます。ボットによる影響は、1)顧客がどのようにサイトを見つけるか、2)サイト上での顧客のウェブ体験のタイプ、3)長期的に見た顧客価値やロイヤルティ、4)オンライン小売業者の競争力や競合業者の動向などに及びます。

顧客が小売業者の商品やサイトをどのように見つけるか:ショッピングサイトの利用者は、買いたいものがあると、まず検索エンジン(Google、Bing、Yahoo! など)を使って検索します。このような検索において、ボットは重要な役割を果たします。まず、検索エンジンによってボットが作成されます。これによって、ウェブサイトをクロールし、サイトのコンテンツに関する情報が返され、検索結果に表示されるウェブサイトの優先順位が決まります。サイ

トの読み込み時間が遅いと評価のランキングが下がる可能性があるため、ウェブ小売業者は、ユーザーだけでなく検索エンジンクローラーに対するウェブサイトパフォーマンスも高める必要があります。

次に、オンライン小売業者は、ボットを自社で作成するか、SEO への対策の有効性を評価するためにサードパーティサービスと契約して自社サイトをクロールします。ボットのインタラクションには、小売業者の商品やサービスを別のチャネルを使って販売するパートナーが関係してきます。パートナーは、最新の価格やコンテンツを入手するために小売業者のサイトをスクレイプします。このような目的によるスクレイプは正当なものであり、実際には(小売業者のリーチやオーディエンスを拡大するなどの)利点があります。ただし、オンライン小売業者は、ボットによってオンサイト体験に悪影響を及ぼすことなく必要な情報を入手できるようにする必要があります。

オンサイト体験:小売業者は、ショッピングサイトの利用者を自社サイトに引き込んでから、それらの利用者が欲しい商品やサービスをすぐ簡単に見つけることができるような質の高いユーザー体験を提供できるようにする必要があります。ところが、最大 40~60% のトラフィックがボットによるものである場合、どのような目的であるにせよ、あまりにも自由に動き回るボットの数が多すぎると、結果的にウェブサイトパフォーマンスが低下し、ユーザーによる正規のトラフィックであってもネガティブなウェブ体験が生じることになります。

オンサイトユーザー体験はデータによっても左右されるため、最近では、よりパーソナライズされたウェブ体験を顧客に提供できるよう努めるうえで、高品質のユーザー体験の提供はオンライン小売業者の中核となる能力になっています。オンライン小売業者は、高度なマーケティング分析ツールを活用しながら、 商品の購入者に関するより深い洞察を求めています。よりカスタマイズされたユーザー体験を提供することが、より高価値の販売につながるからです。ところが、ボットトラフィックの増加により、重要な戦術的かつ戦略的意思決定を推進するためのマーケティングデータが実情を反映していないという副作用が生まれます。ボットによってデータは歪められ、ウェブ小売業者の顧客の本質が誤って伝えられてしまうため、データセットから導かれた結論が意味を持たなくなります。

顧客のロイヤルティ:忠実な顧客は、より多くの商品やサービスをより頻繁に購入し、社会的にブランドをサポートするという意味ですばらしいと言えます。このような高みへと顧客を誘導するために顧客との信頼関係を築くことは容易ではありませんが、きわめてやりがいのあることです。ところが、サードパーティがボットを利用してウェブ小売業者とその顧客との間に入り込み、顧客との関係を危ういものにしてしまうことが多くあります。

たとえば、多くのオンライン小売業者は、話題を拡散して消費者を自社サイトに引き寄せ、そこで商品を購入してもらうために、フラッシュセールや限られた在庫の販売に関連した戦略を採用していますが、悪意のあるボットによって、期間限定の商品やサービス(航空券、イベントチケット、限定版の靴や洋服など)が自動的に購入され、それらが別のサイトで再販されることがあり、そのような戦略に悪影響が生じることがあります。これは正規の購入者が商品やサービスを入手できなかったり、市場価格より高い値段で購入させられたりするなど、質の低い顧客体験につながります。

競争:小売業界で競合他社の一歩先を進み続けるのは簡単なことではありません。特に消費者は簡単に(そして積極的に)ブランドを渡り歩いて、お買い得商品や優れたユーザー体験を探し求めているためなおさらです。そこで、小売業者は差別化を図るために、サイトへの定期的な訪問や再訪を促すよう、ユニークなオンラインコンテンツを提供して消費者を誘い込もうとします。ブランド化されたコンテンツ、ユーザーが生成したコンテンツ、サードパーティが提供するコンテンツのいずれにしても、目標は顧客との関係を築けるような優れたユーザー体験を提供することにありますが、競合他社はボットを利用して小売業者のサイトを定期的かつ自動的にクロールして、商品構成、価格、コンテンツなどを含めたデータを「スクレイプ」し、小売業者が苦労して作成、統合、編纂したウェブコンテンツの価値や独自性をなくしてしまうことができます。

ボットの効果的な利用とはオンライン小売業者がボットトラフィックを管理し、最善の結果を得ることが理想的な解決策であると言えます。つまり、ボットのタイプによって、ポジティブな結果を最大化し、ネガティブな結果を最小化することです。

たとえば、オンライン小売業者は良性のボットを有効に活用したいと考えていますが、ユーザーによるウェブトラフィックで問題なくショッピングや購入ができるよう、ボットを段階的に減らすことが必要になることがあります。ウェブサイトへのアクセスを制限することが重要なケースとして、ショッピングが集中するホリデーシーズンや、ボットによるサイトのクロールが積極的過ぎる場合などの例があげられます。

ウェブ小売業者が悪性のボットに遭遇した場合、ボットをブロックするのは一時的な解決策にしかなりません。ボットはブロックされても巧妙な方法ですぐに戻ってくるため、長期的には効果がありません。サイトとのやり取りをボットが許可される方法を管理すれば、小売業者のサイトにボットが存在することを事業者に警告することなく、ウェブ小売業者はボットによる悪影響を最小限に抑えることができます。一般的な 2 つの解決策としては、ボットが収集している情報の価値や適時性を下げて単純にボットの動きを鈍くすることと、意図的に不正確なウェブコンテンツが含まれたページにボットを誘い込んで別の情報を提供することです。

Akamai の Bot Manager:Akamai は、ボットソリューションの現状に直接対応する目的で、ボット問題の対処に苦労しているオンライン小売業者向けに独自の代替ソリューションを開発しました。このソリューションは、小売業者が良性と悪性の両方のボットを特定、分類、管理して、ウェブサイトの目標を達成できるように設計されています。Bot Manager には、単にボットをブロックする以上のさまざまな管理機能が含まれており、ボットトラフィックによるポジティブな影響を最大化し、ネガティブな影響を最小化することができます。また、アクティビティの分析やレポート機能により、ボット問題の可視化が向上します。Bot Manager ではボットトラフィックの視覚化やレポートに加え、独自の内部マーケティングデータを利用することもできます。ウェブサイトとページの閲覧に関する統計データは、ボットトラフィックによって著しく歪められてしまうため、実際のユーザーとサイトとのやり取りを理解することは困難です。Bot Manager では、ボットによって生成されたリクエストを特定して、ユーザーによるトラフィックからボットトラフィックを除外します。これにより、マーケティングのデータおよび分析の精度が向上し、より良いビジネス上の意思決定につながります。

小売業者のボット問題

詳細については、akamai.com/bot-manager をご覧ください。

ボットの存在は今日では紛れもない事実で、小売業者のサイトのウェブトラフィックの最大 40~60% を占めていることもあります。オンライン小売業者は、ウェブトラフィックに占めるボットトラフィックの割合については知っているかもしれませんが、ボットが何をしているかについてはおそらく知らないでしょう。

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