資料6 事故等の再発防止のための行政指導(通達) …6-6...

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資料6 事故等の再発防止のための行政指導(通達) 6-1 踏切道における安全対策について 6-2 鉄軌道の事故防止について 6-3 西日本旅客鉄道株式会社福知山線列車脱線事故に係る鉄道事故調 査報告書について 6-4 鉄道輸送の安全確保について ~緊急保安情報~ 6-5 エスカレーターの事故防止について 6-6 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の把握について 6-7 無資格者による列車等の操縦作業の再発防止について 6-8 西日本旅客鉄道株式会社福知山線の列車脱線事故に係る対応につ いて 6-9 列車出発時等の安全確保について 6-10 株式会社ゆりかもめの列車脱線事故に係る対応について 6-11 鉄道輸送の安全確保について ~緊急保安情報~

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Page 1: 資料6 事故等の再発防止のための行政指導(通達) …6-6 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の把握について 6-7 無資格者による列車等の操縦作業の再発防止について

資料6 事故等の再発防止のための行政指導(通達)

6-1 踏切道における安全対策について

6-2 鉄軌道の事故防止について

6-3 西日本旅客鉄道株式会社福知山線列車脱線事故に係る鉄道事故調

査報告書について

6-4 鉄道輸送の安全確保について ~緊急保安情報~

6-5 エスカレーターの事故防止について

6-6 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の把握について

6-7 無資格者による列車等の操縦作業の再発防止について

6-8 西日本旅客鉄道株式会社福知山線の列車脱線事故に係る対応につ

いて

6-9 列車出発時等の安全確保について

6-10 株式会社ゆりかもめの列車脱線事故に係る対応について

6-11 鉄道輸送の安全確保について ~緊急保安情報~

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6-1

国 鉄 施 第 9 号

国 鉄 安 第 2 号

平成19年4月4日

各地方運輸局鉄道部長 殿

鉄道局 施設課長

安全監理官

踏切道における安全対策について

平成19年3月24日、阪神電気鉄道本線「小曽根道踏切道」において、電動車い

すの方が踏切道を横断中に、車いすが落輪し立ち往生している間に、踏切が遮断し、

走行してきた列車が車いすと接触し、車いすの方が重傷を負う事故が発生した。

踏切道における事故防止については、踏切道の構造改良、保安設備の整備等により、

強力に推進してきたところであるが、類似事故の再発防止を図るため、管下鉄軌道事

業者に対し、当該事故情報を周知するとともに、下記について、病院等に近く車いす

の方が横断するなど踏切道の実情に応じたきめ細かい対応を行うことにより、一層の

安全確保が図られるよう指導されたい。

1.踏切道の構造改良の促進

踏切道については、構造改良により、踏切道内の凹凸、幅員差、路面と線路の隙間

を解消する等の取り組みを推進してきたところであるが、車いすや高齢者の方を含め、

利用者が安全に通行できるよう、踏切道の構造改良の一層の促進に努めること。

2.非常時の連絡先の掲示

非常時における鉄軌道事業者への連絡先の掲示がない踏切道については、連絡先の

掲示を本年6月末までに実施すること。

ただし、警報機に非常時の通報用押しボタンが設置されている踏切道はこの限りで

ない。なお、警報機への通報用押しボタンの設置については引き続き計画的に設置す

るよう努めること。

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国 鉄 業 第 9 - 2 号

国 鉄 施 第 1 6 号

国 鉄 安 第 8 号

平成19年5月25日

各地方運輸局鉄道部長 殿

沖縄総合事務局運輸部長 殿

鉄道局 業 務 課 長

鉄道局 施 設 課 長

鉄道局 安全監理官

鉄軌道の事故防止について

4月29日、西日本旅客鉄道株式会社大阪環状線桃谷駅構内で旅客がプラットホ

ームから転落し、列車と衝撃したことにより負傷した事故が、5月22日、東京地

下鉄株式会社丸ノ内線中野富士見町駅構内で旅客がドアに挟まれ負傷した事故が、

5月24日、東日本旅客鉄道株式会社山手線神田駅構内でベビーカーがドアに挟ま

った状態で列車が出発したため旅客が負傷した事故が、いずれもラッシュ時間帯以

外の時間帯において連続して発生したところである。

これら事故の発生状況に鑑み、同種事故の再発防止のため下記事項について貴管

下鉄軌道事業者に注意喚起されたい。

1.プラットホームからの転落事故等に対する安全対策については、本年3月23

日に通達したところであるが、ラッシュ時間帯以外の時間帯にあっても乗客の利

用状況に応じた駅係員の適正な配置・対応に努めること。

2.列車出発時の安全確保を図るため、車両のドアを閉める際の安全確認の徹底、

車両のドアの戸挟み検知機能の再確認などを行うこと。

6-2

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国 鉄 技 第 2 9 号

国 鉄 施 第 2 5 号

国 鉄 安 第 2 0 号

平成19年6月29日

各地方運輸局長 殿

内閣府沖縄総合事務局長 殿

鉄道局長

西日本旅客鉄道株式会社福知山線列車脱線事故に係る

鉄道事故調査報告書について

今般、航空・鉄道事故調査委員会から、平成17年4月25日に西日本

旅客鉄道株式会社福知山線塚口駅~尼崎駅間において発生した列車脱線事

故の鉄道事故調査報告書が国土交通大臣に提出され、報告書では建議及び

所見が示されたところである。

当該報告書においては、事故等の情報の共有化やその活用の必要性に関

する記載があるところであり、既に公表されている当該報告書の内容につ

いて管内鉄軌道事業者に周知されたい。

6-3

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国 鉄 安 第 2 4 号

平成19年7月12日

各地方運輸局鉄道部長 殿

内閣府沖縄総合事務局運輸部長 殿

国土交通省

鉄道局安全監理官

鉄道輸送の安全確保について

~緊急保安情報~

、 、平成19年6月12日 弘南鉄道株式会社弘南線平賀駅構内において

列車脱線事故及びインシデント(閉そく違反)が発生したので 「保安情、

報に関する取扱要領(平成19年5月28日改正)」に基づき緊急保安情

報を別添のとおり送付する。

当該インシデントは、列車脱線事故発生後の7月2日から4日にかけ

て行われた東北運輸局による保安監査の結果、列車脱線事故に至るまで

の信号機故障時に施行していた指導通信式で閉そく違反が発生していた

ことが判明したものである。

閉そく違反は、過去にも列車衝突等重大な事故が発生していることか

ら、同種事態の未然防止を徹底するため、貴局管内の鉄軌道事業者に対

し、当該保安情報を周知するとともに、代用閉そくの取扱いについて別

紙1及び別紙2の点検表により総点検を行うように指導し、その結果を

平成19年9月11日までに報告されたい。

また、貴局においては、保安連絡会議等の機会を通じて、代用閉そく

の取扱いについて万全を期すよう鉄軌道事業者を指導されたい。

6-4

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H19保安情報 鉄-3

鉄イ-13

弘南鉄道 列車脱線事故及びインシデント(閉そく違反)

1 .事 業 者 名 弘南鉄道株式会社

2 .事 故 等 種 類 列車脱線事故、インシデント(閉そく違反)

発 生 日 時 平成19年6月12日(火) 8時35分 天候 曇3 .

及 び 天 候

弘南線 平賀駅構内4 .場 所ひ ら か

5 . (1)列車脱線事故列車又は車両

黒石駅発 弘前駅行

上り第12列車(2両編成ワンマン運行)

(2)インシデント

黒石駅発 弘前駅行

上り第6、第502及び第10列車

(2両編成ワンマン運行)

6 .死 傷 者 数 なし

7 .影 響 館田駅~柏農高校前駅間で全面運休(運休193本)

8 .原 因

(1)列車脱線事故

現在、航空・鉄道事故調査委員会において調査中であるが、平賀駅駅

務係(運転指令・運転取扱者)が、下り第501列車と上り第12列車の行き違

いの際、下り第501列車が副本線に到着後、上り第12列車が本線に進行

中であることを失念し、下り第501列車の出発進路を構成するため、94号

ポイントてこを反位に転換したためと推定。

(2)インシデント

上記脱線事故前、平賀駅上り出発信号機の故障により、平賀駅~館田

駅間で上り3本の列車に対し指導通信式を施行した際、平賀駅駅務係(運

転指令・運転取扱者)が、無人駅である館田駅に閉そく取扱者を配置せず

に施行したため。

9 .概 況

当日、始発より上下5本の列車は異常なく運行していた。

午前7時6分に第6列車乗務員より平賀駅上り場内信号機(83/84L)

が、停止信号現示であるとの連絡が平賀駅指令に入り、代用手信号によ

り誘導した。さらに、平賀駅指令は、平賀駅出発信号機(81L)が停止信号

現示の連絡を受け、無人駅である館田駅との間で指導通信式を施行する

こととした。

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その際、館田駅に閉そく取扱者を配置しなかったことから、相手駅との

閉そくの打ち合わせを行わず、また、指導者腕章を装着させないで指導通

信式を施行した。

なお、平賀駅指令は、相手駅の出発信号機を制御盤の抑止ボタンによ

り停止信号現示とし、さらに、列車無線により対向列車の乗務員へ運転を

抑止するよう指示した。

以後、2本の上り列車に対し、出発信号機の故障により、閉そくが完了

しないうちに指導通信式を施行した。

その後、平賀駅指令は、下り第501列車に対し場内信号機(82/81R)

が停止信号であったのと92号ポイントが本来、反位であるべきところ定位

であるのに気づき、下り第501列車と上り第12列車に場内信号機で停止

するように指示し、先に下り第501列車を代用手信号により平賀駅副本

線に進入させるため、制御盤により92号ポイントを反位としたが転換でき

ず、電気係員にポイント手回しハンドルにより転換するよう指示し、第501

列車は副本線に進入した。

第12列車も停止信号現示のため、代用手信号により本線進行中であ

ったが、指令は第501列車の出発が気になり、第12列車の本線進入を

失念し94号ポイント操作てこを反位としたところ、第12列車1両目第1軸・

第2軸が本線へ、1両目第3軸・第4軸と2両目全軸が本来進行する本線で

はなく副本線へ進入し、1両目の第3軸・第4軸が脱線した。

1 0 .再発防止対策

(1)緊急対策

事故等原因及びその他問題点を精査し、次に掲げる対策を実施した。

①6月15日、てこ扱者の誤操作を防止するため、弘前駅・平賀駅・黒石駅

及び大鰐駅の電気転てつ器遠隔操作てこハンドルを操作できないよう

に取り外した。

②6月19日、自社において連動装置の故障原因の調査を行った結果、同

装置の架空ケーブル被覆が5カ所において損傷があり、その内の1カ所

において心線まで損傷していたためと判断し、空回線に振り替え修理し

た。

なお、6月21日、機器メーカーを交え再現試験を行ったところ、事故

当時の信号機故障と同様な現象が確認できた。

③当面、黒石駅~弘前駅(起・終点駅)において、4両編成1列車による折

り返し運転を実施する。

(2)恒久対策

①今後、運転取扱いを始めとする各種マニュアル等を全般的に精査し、こ

れに基づく教育・訓練などを早急に実施するとともに、安全運行体制を

確立する。

②航空・鉄道事故調査委員会の調査結果を踏まえて、必要に応じ追加対

策を実施する。

1 1 .付 記

(1) 列車脱線事故の列車の乗客は約30名であった。

(2) 列車脱線事故及びインシデントに関係した事業者の運転取扱い等の誤

りについては、別表のとおり。

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2両目

1両目

進行方向(第12列車)

至黒石駅至弘前駅

平賀駅構内

94

95

(本線)

(副本線)

平賀駅構内

84R

83R

平賀駅構内における列車脱線事故状況図

81L

82L

9291

82R81R

84L83L

指令制御盤

2両目 1両目

第501列車(停車中) 第12列車

指導通信式による代用閉そく区間

:無人駅を表す

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別紙1

指導通信式 指導式 ・・・・ ・・・ ・・・

①代用閉そくに係る規程類の整備状況

②代用閉そく施行時の要員確保の状況

③代用閉そく施行時の指揮命令系統の整備状況

④代用閉そくに関係する係員に対する教育訓練の実施状況

⑤代用閉そくに関係する係員の知識・技能の状況(別紙2の点検表の様式で点検)

⑥代用閉そくに必要な用品・設備の整備状況(別紙2の点検表の様式で点検)

⑦過去の代用閉そく施行状況(別紙2の点検表の様式で点検)

            事業者名     ○○○○○○○○

代用閉そく総括点検表

○記入方法1.各項目に対し点検した結果を「良・否」で記入して下さい。2.「否」の場合は、その内容と改善内容を記入して下さい。3.⑤、⑥及び⑦については、別紙2の個別点検表の様式に基づき、自社の社内規程等を検証の上点検して下さい。4.「代用閉そくの種類」の欄が足りない場合は、適宜追加をして記入して下さい。

代用閉そくの種類ごとの点検結果(「否」の場合はその内容と改善内容)

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別紙2

項 目点検結果

点検結果「否」の内容とその改善内容

1 両端駅に指導通信式記録簿を準備

2 両端駅に閉そく用電話機の設置

3 停車場に、指導者腕章、指導券の備付

4 指導者腕章、指導券の様式の指定

5 指導者腕章、指導券を指導券箱へ保管

6常用閉そく運転時は、指導券箱に施封し、駅長の割印押印

7両端駅長が出発信号機又は閉そく信号機の故障状況を確認し、運輸長へ報告

8運輸長は出発信号機又は閉そく信号機故障のため指導通信式の施行を指令

9 常用閉そく方式との併用の禁止

10 指導通信式施行の指令を両端駅長が受領

11 無人駅の場合は、当務駅長を当該駅に派遣

12 両端駅の関係信号機に停止信号現示

13 両端駅の閉そく用電話機の指定

14閉そく用電話機は一般の用に供しないこと(閉そく用電話機の表示掲出)

15 電話機による閉そく用語打合せ確認

16両端駅の出発信号機及び場内信号機の使用確認 (信号機が使用できない場合は手信号による取扱い確認)

17両端駅の駅長が専用電話機を使用して閉そく区間内に列車等が無いことを確認

18両端駅の駅長が関係転てつ器の正当な向きを確認

区間開通の確認

【参考例示】

代用閉そく個別点検表

                              事業者名     ○○○○○○○○○指導通信式

駅長同士の打ち合わせ準備

取扱い

閉そく方式の変更の指令

代用閉そく用品等の整備

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項 目点検結果

点検結果「否」の内容とその改善内容

取扱い

19 列車の運転順序の確認

20両端の駅長が打ち合わせて1区間に1人の指導者を選定

21 指導者職氏名の両端駅長による記録

22 指導者左腕に指導者腕章の装着

23同一閉そく区間、同一方向に2以上の列車を連続して運転するときは指導者がいる駅で指導券を発行

24指導券には、両端駅名、発行年月日、列車番号を記入し、指導者がいる駅長が発行

25 指導券箱からの取り出しは運転士に渡す直前

26 1度使用した指導券は、他の列車に使用不可

27使用済み指導券は適宜消し、1日分を取り纏め運輸長に送付

28駅長は無線機等で「閉そく方式の変更」及び「手信号による信号の現示」をその区間に進入する列車等の運転士及び車掌に対して通告する。

29両端駅に列車番号札(「駅間列車有」札)の備付け

30列車番号札は列車の運転順序別に整理し、閉そく用電話機付近に保管

31

出発駅駅長は到着駅駅長に閉そく承認申請。到着駅駅長は閉そく区間に列車等がいないことを確認したうえで出発駅駅長に閉そくを承認。(両駅の駅長は通信記録簿に記入)

32取扱い施行は、出発5分時以上前に行ってはならない。

33 列車を出発させる前の閉そくの実施

34閉そく開始時に列車番号札(「駅間列車有」札)を閉そく用電話機に掲出

35先行列車に指導券・最後の列車に指導者が同乗

36出発駅駅長の指示により指導者乗車又は指導者が運転士に直接指導券を交付

37運転士は指導者が同乗するか指導券を携帯しなければ列車運転不可

38指導者乗車又は指導券交付後の入換は、一旦、指導者を降ろすか、又は指導券を回収する

閉そくの承認

閉そくの実施

指導者の同乗等

運転通告

指導券の発行

指導者の選定

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項 目点検結果

点検結果「否」の内容とその改善内容

取扱い

39出発駅駅長は関係転てつ器の鎖錠を確認し、代用手信号により進行信号を現示する

40到着駅駅長は場内信号機に進行現示する(信号機使用不可の場合は手信号)

41 出発駅駅長→車掌→運転士に出発指示

42 出発駅駅長から到着駅駅長へ現発通知

43 到着駅駅長は運転士に列車番号確認

44到着駅駅長による到着列車からの指導者の降車確認又は指導券の受領

45運転士は使用を終えた指導券を到着駅駅長に渡さなければならない

46列車到着後、到着駅駅長が場内信号機に停止現示

47到着駅駅長は出発駅駅長へ列車の到着と閉そくの解除を通告

48 列車番号札(「駅間列車有」札)の撤去

49運輸長が出発信号機又は閉そく信号機の故障が復旧した際、常用閉そくに復するための準備指示

50 区間に列車がいないことを両端駅長が確認

51 運輸長の指令により常用閉そくを施行

異常時の要員の分担

52当務駅長は、必要に応じて、「手信号現示者」・「転てつ係」・「指導者」・「補助者(電話連絡等)」の役割分担を行う。

異常時の運転指令作業手順

53運転指令は、「指導通信式チェックリスト」により作業を行う。

【点検の際の注意】 ①当該様式により、自社の各種代用閉そくの取扱いに対応した点検リストに修正して使用して下さい。 ②「点検結果」欄は、良・否の別を記入して下さい。 ③点検結果が「否」の場合は、否の内容と改善内容を記入して下さい。

所定の閉そくに復する

閉そくの解除

列車到着

列車出発

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国 鉄 施 第 3 8 号

平成19年8月14日

各地方運輸局鉄道部長 殿

内閣府沖縄総合事務局運輸部長 殿

鉄道局施設課長

エスカレーターの事故防止について

去る8月12日、JR川崎駅の東西自由通路内に設置された川崎市所有のエス

カレーターにおいて、踏段ライザーの欠損部に利用者が左足親指を挟まれ負傷す

る事故が発生した。

現在、この事故については、関係当局により事故原因の究明が行われていると

ころであるが、同様の事故の再発を防止するため、エスカレーターについては、

仕業点検等の日常点検において踏段に今回の事故のような危害のおそれのある甚

だしい欠損がないことを確かめること、踏段、くし板などはさまれによる危害防

止のために重要な装置を重点とした点検整備を徹底すること等、適正な維持保全

の実施が図られるよう、貴管内の鉄軌道事業者に対し周知されたい。

6-5

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国 鉄 安 第 3 8 号

平成19年8月24日

各地方運輸局 鉄道部長 殿

沖縄総合事務局 運輸部長 殿

国土交通省

鉄道局安全監理官

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の把握について

睡眠時無呼吸症候群(SAS)については、既に「交通事業に係る運転従事者の睡眠障害に

起因する事故等の防止対策に関する連絡会議申し合わせ(平成15年3月27日)(以下「申し

合わせ」という。)」、「動力車操縦者の身体的要件に係る取扱いについて(平成15年3月20日

付け国鉄技第182号)」及び「乗務中の運転士の心身異常に対する処置について(平成17年

4月22日付国鉄技第12号)」により周知しているところである。

今般、申し合わせについて、SASに関する最近の知見を踏まえ平成19年8月24日付けで

改訂されたことから、管内の鉄軌道事業者に対し、下記の点に留意し周知されたい。

なお、近年の知見を踏まえて自動車交通局で本年6月に改訂した自動車運送事業者向けS

AS対応マニュアル(以下「自動車SAS対応マニュアル」という。)を添付するので、管内鉄軌道

事業者に対し、自社内の取扱いの見直しの参考とするよう配布されたい。

平成15年策定の申し合わせ以降、平成17年4月22日に航空・鉄道事故調査委員会から公

表された名古屋鉄道㈱名古屋本線新岐阜駅構内で発生した列車脱線事故の報告書におい

て、運転士がSASの自己診断テストにおいて特に異常は認められなかったが、事故後に専門

医にSASと診断されるケースや、自動車SAS対応マニュアルにおいて、SASに罹患している

自動車運転者でも日中に強い眠気を感じない人もいることが指摘されている。一方、近年の医

療機関の簡易検査体制の充実が図られていることから、自己評価・申告のみに頼らず、客観的

評価が行える簡易なスクリーニング検査を活用してSASの把握について努めること。

6-6

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1

国土交通省自動車交通局

漫然運転や居眠り運転の防止には、夜更かし、無理な勤務スケジュールや慢性の睡眠不

足状態がないかを注意する必要があります。また、運送従事者の勤務形態とは関係なく、

眠気を生じる様々な病気が居眠り運転に関連していることが知られており、早期発見・早

期治療の取り組みが重要です。その中で睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)

は、本人が気付いていないことが多いことから安全運転上の対策として、以下のような早

期発見・早期治療の取り組みを行うことが重要です。

(1)SASとは SASは、睡眠中に舌が喉の奥に沈下することにより気道(空気の通り道)が塞がれ、

そのため、大きないびきをかき、睡眠中に呼吸が止まったり、止まりかけたりする状態

が断続的に繰り返される病気です注1)。このため睡眠が浅くなると同時に、脳への酸素

の供給も悪くなるため、質の良い睡眠がとれず、日中強い眠気を感じたり居眠りがちに

なったりして、集中力に欠けるなどの状況が生じます。この結果、漫然運転や居眠り運

転による事故等が発生しやすくなります。 正常な状態の上気道 睡眠時に閉塞している上気道

注1) 医学的には、呼吸が10秒以上停止する無呼吸の状態が一晩の睡眠中に30回以上生じるか、

睡眠1時間あたり無呼吸が5回以上生じ、かつ自覚症状を伴うものをいいます。

「睡眠時無呼吸症候群」に注意しましょう!

1.SASとは

扁桃腺扁桃腺

軟口蓋軟口蓋

口蓋垂口蓋垂

舌舌 根根

空気の流れ空気の流れ

扁桃腺扁桃腺

軟口蓋軟口蓋

口蓋垂口蓋垂

舌舌 根根

空気の流れ空気の流れ

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2

(2)SASに関連する症状 SASの患者には、主に次のような症状が見られます。

① 夜間の症状 ・睡眠中に呼吸が止まる ・大きないびき ・夜頻繁にトイレに立つ(頻繁に目が覚める) ・不眠 ② 昼間の症状 ・熟睡感がない・朝の頭痛 ・日中の強い眠気 ・集中力の低下 ③ 他の症状 ・勃起機能不全(ED) ④ 身体的特徴 ・肥満

(3)SASに伴う合併症 SASになると、睡眠中の呼吸停止と再開が繰り返されるために血圧が上昇し、血液

も固まりやすくなることから、高血圧、糖尿病、狭心症、心筋梗塞、脳卒中など重大な

合併症を引き起こすリスクが高まります。したがって、安全運転上のみならず、健康管

理面からもSASの早期発見・早期治療が重要です。 (4)SASによる事故 これまでの多くの研究によれば、SASは運転能力を低下させることが明らかにされ

ています。SASによる居眠り運転で発生する事故は、特に ・ひとりで運転中 ・高速道路や郊外の直線道路を走行中 ・渋滞で低速走行中 に多いといわれています。また、重度のSAS患者は、短期間に複数回の事故を引き起

こすことが多いと言われています。 欧米でのいくつかの報告をまとめた調査結果によれば、SAS患者の事故率は、健康

な人の事故率に比べ、平均で約3倍という高い値が示されています。注2) (1)眠気のないSASに注意!

近年の研究で、中等度~重度注3)のSASに罹患している場合でも、日中に強い眠気

を感じない人が多くいることがわかっています。これは、SASによる慢性の睡眠不足

状態により、自覚的な眠気を強く感じない状態になっていることや、コーヒー、紅茶、

清涼飲料水等に含まれるカフェインや喫煙(ニコチン)による覚醒効果によると考えら

れています。このため、日中に強い眠気を感じない人であっても、(2)のスクリーニ

ング検査を受けて、睡眠中の呼吸障害の程度を客観的に把握することが重要です。 注2)Sassani A, Findley LJ, Kryger M 他:「Reducing motor-vehicle collisions, costs, and fatalities by

treating obstructive sleep apnea syndrome」SLEEP, Vol.27, No.3, 2004 注3)睡眠時の無呼吸及び低呼吸の発生状況により以下の分類を設けています。

正常範囲:呼吸障害指数(RDI:記録1時間あたりの無呼吸と低呼吸の数の和)が5未満 軽度 :RDIが5以上19.9以下 中等度 :RDIが20以上39.9以下 重度 :RDIが40以上

2.SASの早期発見・確定診断

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3

(2)スクリーニング検査 スクリーニング検査注4)とは、SAS の早期発見を目的に、より多くの人を対象として

(3)の確定診断のための精密検査が必要かどうかを判断するために行う簡易な検査で

写真のようなフローセンサ法やパルスオキシメトリ法があります。 これらのスクリーニング検査で使用する機器は、いずれも小型で軽量であるため、自

宅に持ち帰って普段どおりの生活の中で検査を行うことができます。 スクリーニング検査は、極端な体重の増減がない限り、3~5年間に1回実施すれば

良いので負担は少なく、運転者は、スクリーニング検査を受診してSASの有無を調べ

ることが重要です。さらに、SASである場合は、その程度を知っておくことが安全運

転と健康管理の両面から重要です。

フローセンサ法によるスクリーニング パルスオキシメトリ法によるスクリーニング (3)専門医療機関による確定診断 スクリーニング検査でSASの確定診断のための精密検査が必要と判断された場合に

は、専門医療機関によるSASの確定診断を受けることが重要です。専門医療機関では、

1.(2)「SASに関連する症状」やスクリーニング検査の結果から、写真のような終

夜睡眠ポリグラフ(polysomnography, PSG)検査又は簡易型PSG検査を用いて精密検

査を実施し、睡眠障害の有無と、SASか否かの確定診断を行います。

注4) スクリーニング検査の実施方法等については、社団法人全日本トラック協会指定のSASスクリー

ニング検査指定機関(同協会のホームページをご参照下さい。)や専門医療機関にお問い合わせ下さ

い。

*鼻と口の先に付けたセンサにより、睡眠中の

気流状態をモニタリングし、睡眠中の無呼吸

や低呼吸の程度を客観的に把握する検査で

す。

*指先につけたセンサにより、睡眠中の動脈血

の酸素量をモニタリングし、睡眠中の無呼吸

や低呼吸に伴う酸素量の低下回数から呼吸障

害の程度を客観的に把握する検査です。

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4

PSG検査により、SASと診断された場合には、その重症度を判定し、3.「SAS

の治療法と効果」にある様々な治療法を適切に選択します。 また、簡易型PSG検査で重度のSASと診断された場合でも、次項のCPAP治療を

受けることができます。

PSG 簡易型PSG (1)SASの治療法

SASには、様々な治療方法があります。いずれも、睡眠時の上気道(喉の奥)の空

気の通りを良くすることで、睡眠中の呼吸停止を防ぐものです。これにより、睡眠の質

が改善され、日中の眠気などの症状を改善します。適切な治療法の選択については、専

門医の診察が必要です。 中等度~重度のSAS患者には、CPAP(シーパップ/経鼻持続陽圧呼吸療法)

という治療法がよく用いられます。これは、写真のように睡眠中に鼻にマスクをつけ、

空気を持続的に送り込むことで喉の奥を押し広げて無呼吸を防ぐ治療です。

軽度のSAS患者には、下顎を前方に固定することにより、空気の通り道を広げる

マウスピースも有効です。

また、狭くなりやすい喉の奥の部分を広くする手術法もあります。

3.SASの治療法と効果

動脈血酸素飽和度

脳波(EEG)

眼球運動(EOG)

頤筋筋電図(EMG)

体位センサー

呼吸センサー

胸部バンド

腹部バンド

動脈血酸素飽和度

脳波(EEG)

眼球運動(EOG)

頤筋筋電図(EMG)

体位センサー

呼吸センサー

胸部バンド

腹部バンド

*専門医療機関で一晩かけて実施する検査

で、体に種々のセンサを付けて、脳波、

心電図、口・鼻からの気流、胸部・腹部

の動き、動脈血の酸素量、いびきなどを

記録し、総合的に解析する検査です。

*PSG 検査に含まれる脳波等の記録を省略し

た、自宅でも実施できる検査です。

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5

(2)日常生活上注意すべき点

多くのSAS患者では、肥満によって喉の奥が狭くなっているので、上記の治療法

とともに減量に取り組むことが重要です。また、喫煙や過度の飲酒もSASを悪化さ

せるので適正飲酒、禁煙に取り組むことも効果的です。

(3)SASの治療効果

効果的な治療により、睡眠中の呼吸停止が起こらなくなり、睡眠の質も改善し、日

中の眠気や居眠りがなくなり、SASが原因となる漫然運転や居眠り運転による事故

防止につながります。SAS患者の交通事故率は、CPAPによる継続的な治療を行

った場合、大幅に低下し、健康な人と変わらなくなるという報告もあります。したが

って、1.(2)「SASに関連する症状」に当てはまる場合や、スクリーニング検査

でSASが強く疑われた場合は、ためらわずに専門医療機関を受診してください。

CPAPを装着した状態 3.「SASの治療法と効果」にあるように、SASは治療が可能な病気です。にもかか

わらず、SAS患者がそれを放置したまま運転業務を続けることは、自分だけでなく他人の

命も大きな危険にさらすことになります。特に、職業運転者は、安全運転が社会的な使命で

あり、SASに罹患した場合、適切な治療を受けることが運転業務を継続する上で必要です。 したがって、事業者は、管理職や人事・労務担当者、運行管理者等と連携し、SASに関

するセミナーを開催するなどにより、SASについて、運転者や家族と正確な情報を共有し

て、日頃から職場や家庭で気軽に話し合える雰囲気づくりをしていくことが重要です。 また、事業者には、運転者や家族と一体となって、SASの早期発見・早期治療に取り組

む社会的責任があります。 なお、当然のことですが、SASは治療すれば健康な人と同じように安全運転を続けてい

くことができるので、SASの疑いがあるから、または、SASと判明したからといって直

ちに乗務からはずすなどの差別的な扱いは厳禁です。SASと診断されることによって不利

な扱いを受けることがあると、SASの早期発見に消極的になる方も出てきます。SASで

あることを隠し、治療を受けないで運転業務を続けることが、『本人・会社・社会』のいず

れにとっても最も危険な状態であり、避けるべきことです。事業者の皆様のご理解をお願い

します。

4.事業者の皆様へ-SASへの対応において事業者・管理者が果たすべき役割−

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6

SASの診断とCPAPによる治療に対応している医療機関の参考として、日本睡眠学会

のホームページに掲載されている認定機関及び認定医に係る一覧表(http://jssr.jp/oshirase/nintei_list_base.html)、または社団法人全日本トラック協会のホームページに掲載されている

全国SAS診療医療機関一覧表(http://www.jta.or.jp/rodotaisaku/Sas/iryo_list.html)をご参照

下さい。もちろんこれらの医療機関以外にも対応可能な機関はありますし、これらの医療機

関で直ちに対応できるとは限りませんので、まず、産業医や地域産業保健センター、定期健

康診断委託先の医療機関などに相談してください。最寄りの医療機関でも結構です。

5.SASの診断とCPAPによる治療に対応している医療機関

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7

<参考>

(1)眠気の自覚と睡眠呼吸障害の有病率との関係

平成18年に筑波大学においてトラック運転者5,247人を対象に眠気の自覚と睡眠呼

吸障害との関係を調査したところ、日中に強い眠気を感じる人ほど重度の睡眠呼吸障害

を有する者の割合が高いものの、眠気を感じない人の中にも中等度~重度の睡眠呼吸障

害を有する者が多くいることがわかりました。

睡眠呼吸障害 正常範囲

(RDI 5未満) 軽度

(RDI 5~19.9) 中等度

(RDI 20~39.9)

重度 (RDI 40以上)

ESS 0~5 1,457 (47%)

1,391 (45%)

201 (6%)

46 (1%)

3,095 (100%)

ESS 6~10 774 (46%)

725 (43%)

138 (8%)

52 (3%)

1,689 (100%)

ESS 11~15 142 (38%)

170 (46%)

34 (9%)

23 (6%)

369 (100%)

弱 ↑ ↓ 強

ESS 16以上 37 (39%)

44 (47%)

5 (5%)

8 (9%)

94 (100%)

計 2,410 (46%)

2,330 (44%)

378 (7%)

129 (2%)

5,247 (100%)

出典 谷川 武、磯 博康:「職業運転手の睡眠呼吸障害スクリーニングによる交通事故防止システムの構築」

平成18年度科学研究費補助金(文部科学省)報告書

注1) 睡眠呼吸障害とは、睡眠中の無呼吸や低呼吸などの睡眠中の呼吸障害です。

注2) ESSとは、「Epworthの眠気テスト(Epworth Sleepiness Scale)」の略で、日中の眠気の程

度を調べるための自己診断テストです。

注3) RDIとは、「呼吸障害指数:Respiratory Disturbance Index」の略であり、記録1時間あ

たりの無呼吸と低呼吸の数の和をいいます。

眠気の自覚等と睡眠呼吸障害の有病率との関係

眠気の

自覚

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8

<Epworthの眠気テスト>

状 況 点 数

1.座って読書をしているとき 0 1 2 3

2.テレビを見ているとき 0 1 2 3

3.他の人もいる公共の場所で動かないで座っているとき 0 1 2 3

(会議に出席したり、映画館にいるときなど)

4.他の人が運転する車に乗せてもらって、1時間くらい休憩なしで 0 1 2 3

乗っているとき

5.午後に休憩をとるために横になっているとき 0 1 2 3

6.座って人とおしゃべりをしているとき 0 1 2 3

7.お昼ごはん(アルコールは飲んでいないとして)の後に、静かに 0 1 2 3

座っているとき

8.自分で自動車を運転しているときに、渋滞などのために数分間止まって

いるとき

0 1 2 3

0点:うとうとする(居眠りをする)ことは絶対にない

1点:ときどきうとうとする(居眠りをする)ことがある

2点:うとうとする(居眠りをする)ことがよくある

3点:だいたいいつもうとうと(居眠りを)してしまう

(2)肥満と睡眠呼吸障害の有病率との関係 (1)の調査の際、肥満と睡眠呼吸障害との関係についても調査したところ、肥満の人

ほど中等度~重度の睡眠呼吸障害を有する者の割合が高いものの、非肥満者の中にも睡

眠呼吸障害を有する者がいることがわかりました。 睡眠呼吸障害

正常範囲 (RDI 5未満)

軽度 (RDI 5~19.9)

中等度 (RDI 20~39.9)

重度 (RDI 40以上)

BMI 18.5未満

46 (54%)

38 (45%)

1 (1%)

0 (0%)

85 (100%)

BMI 18.5-24.9

1,605 (53%)

1,236 (41%)

141 (5%)

20 (1%)

3,002 (100%)

BMI 25.0-29.9

651 (38%)

862 (50%)

171 (10%)

52 (3%)

1,736 (100%)

小 ↑ ↓ 大

BMI 30.0以上

108 (25%)

194 (46%)

65 (15%)

57 (13%)

424 (100%)

計 2,410 (46%)

2,330 (44%)

378 (7%)

129 (2%)

5,247 (100%)

出典 谷川 武、磯 博康:「職業運転手の睡眠呼吸障害スクリーニングによる交通事故防止システムの構築」

平成18年度科学研究費補助金(文部科学省)報告書

注)BMIとは、「体格指数:Body Mass Index 」の略で、肥満度の判定に使われています。

BMI=体重(kg)÷(身長(m))2 、BMI 18.5~25未満が普通、BMI 25以上が肥満とされています。

肥満度

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国 鉄 安 第 4 0 号

平成19年8月27日

各地方運輸局 鉄道部長 殿

沖縄総合事務局 運輸部長 殿

鉄道局安全監理官

無資格者による列車等の操縦作業の再発防止について

輸送の安全の確保については、機会あるごとに注意喚起を促しているところで

あるが、先般、一部の鉄道事業者において、運転士が無資格の車掌に列車を操縦

させていた事実が判明した。

これらの行為は、明らかに鉄道に関する技術上の基準を定める省令等の国土交

通省令に違反する行為であり、安全輸送の根幹に係わるとともに、公共交通機関

としての鉄道の社会的信頼を失墜させる極めて重大な事態である。

かかる状況に鑑み、改めて管内の全ての鉄軌道事業者に対し、無資格者による

列車又は車両の操縦作業の再発防止について周知徹底するよう指導されたい。

6-7

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6-8

国 鉄 技 第 4 8 号

国 鉄 施 第 4 2 号

国 鉄 安 第 4 2 号

平成19年9月4日

各 地 方 運 輸 局 長 殿

内閣府沖縄総合事務局長 殿

国土交通省鉄道局長

西日本旅客鉄道株式会社福知山線の列車脱線事故に係る対応について

平成17年4月25日に発生した西日本旅客鉄道株式会社福知山線の列車脱線事故

について、平成19年6月28日、航空・鉄道事故調査委員会から別紙のとおり建議

がされたところである。

これを踏まえ、貴局管内鉄軌道事業者に対し、下記のとおり改善を図るよう指導さ

れたい。

なお、3.については、別添のとおり、メーカー等に対し、関係協会を通じ、関係

法令等の周知徹底について通知したので念のため申し添える。

1.インシデント等の把握及び活用方法の改善

事故、事故が発生するおそれがある事態その他輸送の安全を脅かす事態及び事故

の防止対策に有効な情報があった場合には、乗務員等からの報告のみならず、設置

が進められている「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成13年国土交

通省令第151号)第86条の2の規定による列車の運転状況を記録する装置及び

既存の車両のモニター装置、運転指令所の運行管理装置等を活用し、発生した鉄軌

道事業者において、客観的な原因分析及び再発防止対策の検討と適確な対策を講じ

ること。

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また、乗務員等から自発的にインシデント等が報告されるように、鉄軌道事業者

内の報告制度を非懲罰的なものとすることなど、安全管理規程に基づき安全対策に

資するための報告制度の充実に取り組むこと。

さらに、これらを含め事故、インシデントの鉄道事故等報告規則等による報告に

当たっては、事故等情報の活用の意義に則し、他事業者、他区所においても事故の

未然防止に活用ができるように、図表を添付するなど概況及び再発防止対策等を可

能な限り具体的に整理・記載すること。

2.列車無線による交信の制限

列車無線による交信については、列車を臨時に徐行させる旨の指示や前列車の

乗務員からの遮断桿折損、異常動揺などの報告内容の確認依頼など輸送の安全確

保に重要な役割を果たしていることに鑑み、運転指令と乗務員間において、迅速

に連絡通報することができる列車無線の機能を最大限発揮させるため、次の事項

に留意して取り扱うこととし、一層の輸送の安全確保に資するものとすること。

( ) 運転指令と動力車を操縦する係員間で行われる列車無線による交信は、列車の1

安全な運行を妨げることのないよう、動力車を操縦する係員の判断を優先して行

うこと。

( ) 走行中の列車の動力車を操縦する係員が列車無線による交信内容を記録するこ2

、 、 。とは 新幹線等の高度な保安システムを使用している場合を除き 禁止すること

ただし、列車無線による交信内容が簡易な場合等、動力車を操縦する係員が列車

の安全な運行を妨げることがないと判断した場合はこの限りでない。

3.メーカー担当者等への関係法令等の周知徹底

( ) 鉄軌道事業者において、車両機器、信号機器等の安全上重要な機器の製造をメ1

ーカーに発注する場合は、受注したメーカーにおいて十分な品質管理が行われる

よう、当該メーカーに対し、直接の担当者を含め関係法令等が周知徹底されるよ

う必要な措置を講ずること。

( ) 鉄軌道事業者において、車両及び施設の保守を外部委託する場合は、委託先に2

対し、直接の担当者を含め関係法令等が周知徹底されるよう必要な措置を講ずる

こと。

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別紙

国 空 委 第 8 号

平成19年6月28日

国 土 交 通 大 臣

冬 柴 鐵 三 殿

航空・鉄道事故調査委員会

委員長 後 藤 昇 弘

西日本旅客鉄道株式会社福知山線列車脱線事故に係る建議

航空・鉄道事故調査委員会は、本事故の調査結果に基づき、航空・鉄道事故調査委

員会設置法第22条の規定により、下記のとおり建議する。

1 インシデント等の把握及び活用方法の改善

鉄道事業者がインシデント等の情報を適確に把握することができるよう、当委員

「 」会が平成17年9月6日に建議した 列車走行状況等を記録する装置の設置と活用

等に加えて、非懲罰的な報告制度の整備など乗務員等の積極的な報告を勧奨する取

組を推進するべきである。

また、列車事故等については当委員会が調査して報告書を公表しているところで

あるが、それ以外の事象についても鉄道事業者等が必要な分析を行い、その成果が

他の事業者においても活用されるような仕組みを検討するべきである。

併せて、運送事業者が乗務員、車両等のみならず、輸送指令、インフラを含め一

元的に管理する鉄道事業の特性を踏まえて、広範囲にわたるインシデント等に関す

る情報を総合的に分析して効果的に活用する方法も調査、研究するべきである。

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2 列車無線による交信の制限

走行中の列車の運転士が交信することについては、列車を緊急停止させる場合等

安全上の必要性が高い場合に限定するべきである。

また、走行中の列車の運転士が列車無線による交信のメモを取ることは、禁止す

るべきである。

さらに、列車運行回数が多く、信号現示確認等に要する運転士の負担が大きい線

区等においては、精確な列車運行状況をリアルタイムに輸送指令員が把握できる装

置の整備等により、走行中の列車の運転士との交信の必要性を低減する方法、運転

通告等を文字で送信し、列車停止中に運転士がそれを見ることができるような方法

なども検討するべきである。加えて、可能な限り車掌を活用して、運転士との交信

の必要性を低減する方法なども検討するべきである。

3 メーカー担当者等への関係法令等の周知徹底

車両機器、信号機器等の安全上重要な機器が鉄道事業者にとってブラックボック

ス化する傾向があることから、メーカーによる十分な品質管理が行われるよう、安

全上重要な機器のメーカーに対して直接の担当者まで行き渡るように関係法令等を

周知徹底するための措置を講ずるべきである。

また、鉄道車両及び鉄道施設の保守の外部委託化が進む傾向もあることから、こ

れらの受託者に対しても同様に直接の担当者まで行き渡るよう関係法令等を周知徹

底するための措置を講ずるべきである。

Page 28: 資料6 事故等の再発防止のための行政指導(通達) …6-6 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の把握について 6-7 無資格者による列車等の操縦作業の再発防止について

別添

国鉄施第 45号

国鉄総第223号

平成19年9月4日

社 団 法 人 日 本 鉄 道 車 輌 工 業 会 会長 殿

信 号 工 業 協 会 会長 殿

社団法人日本鉄道電気技術協会 会長 殿

社団法人日本鉄道車両機械技術協会 会長 殿

社 団 法 人 鉄 道 電 業 研 究 会 会長 殿

社 団 法 人 日 本 鉄 道 施 設 協 会 会長 殿

鉄 道 分 岐 器 工 業 会 会長 殿

社 団 法 人 車 両 整 備 協 会 会長 殿

日 本 索 道 工 業 会 会長 殿

国土交通省鉄道局長

西日本旅客鉄道株式会社福知山線列車脱線事故に係る対応について

平成17年4月25日に発生した西日本旅客鉄道株式会社福知山線における列車

脱線事故について、今般、航空・鉄道事故調査委員会から別添のとおり建議された

ところである。

メーカーや車両及び施設の保守受託者が関係法令等を十分把握し、それを遵守す

るということは、鉄道輸送の安全確保のために極めて重要なことであるため、貴傘

、 。 、 、下会員に対し 下記事項について周知されたい なお 同様の趣旨のことについて

鉄軌道事業者等に対し、地方運輸局を通じ通達したので念のため申し添える。

1.鉄軌道事業者より、車両機器、信号機器等の安全上重要な機器の製造を受注し

、 、 、た場合においては 十分な品質管理が行われるよう 委託製造する場合等を含め

直接の担当者まで関係法令等の周知徹底を図ること。

2.鉄軌道事業者より、車両又は施設の保守を受託した場合においては、直接の担

当者を含め関係法令等の周知徹底を図ること。

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国鉄施第42号の2

平成19年9月4日

独立行政法人

鉄道建設・運輸施設整備支援機構 理事長 殿

国土交通省鉄道局長

西日本旅客鉄道株式会社福知山線の列車脱線事故に係る対応について

平成17年4月25日に発生した西日本旅客鉄道株式会社福知山線の列車脱線事故

について、平成19年6月28日、航空・鉄道事故調査委員会から別紙のとおり建議

がされたところである。

これを踏まえ、地方運輸局を通じ、鉄軌道事業者に対し、メーカー担当者等への関

係法令等の周知徹底について通達したところであり、貴機構においても、信号機器等

の安全上重要な機器の製造をメーカーに発注する場合は、受注したメーカーにおいて

十分な品質管理が行われるよう、当該メーカーに対し、直接の担当者を含め関係法令

等が周知徹底されるよう必要な措置を講じられたい。

なお、別添のとおり、メーカー等に対し、関係協会を通じ、関係法令等の周知徹底

について通知したので念のため申し添える。

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国 鉄 業 第 1 8 号

国 鉄 技 第 5 9 号

国 鉄 施 第 4 7 号

国 鉄 安 第 4 6 号

平成19年9月21日

各地方運輸局鉄道部長 殿

沖縄総合事務局運輸部長 殿

鉄道局 鉄道業務政策課長

技 術 企 画 課 長

施 設 課 長

安 全 監 理 官

列車出発時等の安全確保について

平成19年9月20日、南海電気鉄道株式会社高野線萩 原 天神駅において幼児の乗っこうや はぎはらてんじん

たベビーカーを降車させようとしていたところ、車両のドアが閉まりベビーカーが挟まれ

たまま列車が出発し、母親がベビーカーを引き抜こうと列車と併走してホーム上で転倒し

負傷する事故が発生した。

本年5月にも、東日本旅客鉄道株式会社山手線神田駅構内においてベビーカーが挟まれ

たまま列車が出発する事故が発生し、翌日の5月25日に全国の鉄軌道事業者に対し、同

種事故の再発防止のための通達を発し、注意喚起をしていたところにもかかわらず、再び

この様な事故が発生したことは誠に遺憾である。

当該事故の詳細等については、現在調査中であるが、先の通達の内容を含め、車両のド

アを閉める際の安全確認等について、改めて貴局管内の鉄軌道事業者に対し指導徹底され

たい。

6-9

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国 鉄 施 第 8 6 号

平成20年2月29日

各地方運輸局 鉄道部長 殿

鉄道局 施設課長

株式会社ゆりかもめの列車脱線事故に係る対応について

平成18年4月14日に発生した株式会社ゆりかもめの列車脱線事故について、平成2

0年2月29日、航空・鉄道事故調査委員会から別紙のとおり建議がされたところである。

本件については、当該事故の直後に、同種事故の再発防止を図るため「案内軌条式鉄道

の運行に係る安全確保について」(平成18年4月17日付け国鉄施第17号、国鉄安第

7号)によりハブの探傷検査の実施を指示したが、今般の建議を踏まえ、あらためて、下

記により貴局管内関係鉄軌道事業者を指導されたい。

1.案内軌条式鉄道で現在使用されているハブが、設計時にホイールとの接触面にフレッ

ティング摩耗による隙間が生じ、この状態でホイールナットの締め付けによって応力の

発生することが想定されているかどうか確認すること。

2.上記1の確認の結果、応力の発生することが設計時において想定されていない場合に

おいて、ハブの摩耗量管理値の検討を行ったうえで強度の検討を行い、強度が不足する

場合には、十分な強度を有するものに交換する等の対策を講ずること。なお、この場合

において、十分な強度を有するものに交換するまでの間は、摩耗量管理のほか、適切な

時期に探傷検査を行う等の対策を講ずること。

3.案内軌条式鉄道におけるハブの保守に際しては、ホイールとの接触面の摩耗量の管理

を行うなど、摩耗を考慮した方法とすること。

4.関係鉄軌道事業者において、上記1、2及び3に関し実施する具体的な対策について、

本年3月末日までに報告すること。

6-10

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別 紙

案内軌条式鉄道におけるハブの設計及び保守に関する建議

本事故は、本件ハブにおいて、ホイールとの接触面にフレッティング摩耗による隙間が

発生したことにより、ホイールナットの締め付けによって応力が発生し、これに列車の走

行に伴う変動応力が繰り返し加わって応力が疲労限度を超えたため、本件ハブが破断して

本件列車が脱線したことによるものと推定される。

応力が疲労限度を超えたことの主たる要因は、ホイールナットの締め付けによって本件

ハブに応力の発生することが、本件ハブの設計において想定されていなかったことによる

ものと推定される。

したがって、国土交通省は、次の事項について所要の措置を講ずるべきである。

1. 案内軌条式鉄道で現在使用されているハブが、ホイールとの接触面にフレッティン

グ摩耗による隙間が発生し、この状態でホイールナットの締め付けによって応力の発

生することが設計において想定されていないものである場合には、摩耗量管理値の検

討を行ったうえで強度の検討を行い、その結果、強度が不足する場合には、十分な強

度を有するものに交換する等の対策を講ずること。

2.案内軌条式鉄道におけるハブの保守に際しては、ホイールとの接触面の摩耗量の管

理を行うなど、摩耗を考慮した保守方法とすること、及び現在使用しているハブが、

1.で記述した応力が想定されていない設計によるものであって、検討の結果、強度

が不足する場合においては、十分な強度を有するものに交換するまでの間、摩耗量管

理のほか、適切な時期に探傷検査を行う等の対策を講ずること。

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6-11

国 鉄 安 第 8 6 号

平成20年3月3日

各地方運輸局鉄道部長 殿

内閣府沖縄総合事務局運輸部長 殿

鉄道局安全監理官

鉄道輸送の安全確保について

~緊急保安情報~

平成20年2月24日、湘南モノレール株式会社江の島線西鎌倉駅構

内において、インシデント(信号冒進)が発生したので 「保安情報に関、

する取扱要領(平成19年5月28日改正)」に基づき緊急保安情報を別

添のとおり送付する。

当該インシデントの原因については、現在、航空・鉄道事故調査委員

会が調査を行っているところであるが、ブレーキ装置に起因する事象で

あることに鑑み、貴局管内の鉄軌道事業者に対し、今回のインシデント

に関する情報提供を行い、注意喚起されたい。

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(速報)

湘南モノレール株式会社におけるインシデントについて

1.事業者名 湘南モノレール株式会社

2.事故種別 インシデント(信号冒進)

3.発生日時 平成20年2月24日(日) 9時54分頃 天候:晴

4.場 所 江の島線 西鎌倉駅構内(神奈川県鎌倉市)

5.列 車 大船駅発 湘南江の島駅行

普通 第909S列車(3両編成)5000系2次車

6.死 傷 者 なし

7.原 因 航空・鉄道事故調査委員会で調査中

8.概 況 当該列車が西鎌倉駅進入の際、単線で対向列車が同時進入するた

め、場内信号機の警戒信号現示に従い25km/h以下に減速しようと

ブレーキをかけたが減速せず、その先の出発信号機の停止信号現示

を冒進し、ポイントに接触して停止した。対向列車(普通 第904S

列車 3両編成)の運転士は、異常を感じブレーキをかけ、当該列

車の約19m手前の場内信号機を越えた位置で停止した。

9.付 記 湘南モノレール株式会社からの報告による情報は以下のとおりで

ある。

(1) 当該列車には乗客22名が、対向列車には乗客16名が乗車していたが、

いずれも負傷者等は発生していない。

(2) 当該列車の乗客は列車最後尾がホームにかかっていたため、乗降扉からホ

ームへ誘導し、対向列車の乗客は非常脱出袋及び消防のはしご車にて救出し

た。

(3) 当該列車の行路は深沢車庫から湘南江の島駅を折返し大船駅到着後、再び

湘南江の島駅に向う途中であった。

(4) 後日、当該列車を調査したところ、ブレーキディスク計24枚全てに亀裂が

入っていたことが確認された。

(5) また、当該列車以外の車両も調査したところ、5000系1次車(1編成)及

び500系(5編成)のブレーキディスクに異常がないことが確認された。

(6) 事故現場の略図、状況写真等は別添資料のとおりである。

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湘南モノレール 路線図

深沢車庫

インシデント発生場所

付図①

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付図②

現場略図

現場写真

当該列車 対向列車

大船方 湘南江ノ島方

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付図③

台車図

亀裂が発生したディスクロータ

側面図

上面図

湘南モノレール車両図