液肥混入機の使用方法...no.7 平成26年2月28日発行 ・液肥混入機の使用方法...

6
No.7 平成 26 年 2 月 28 日発行 ・液肥混入機の使用方法 ・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区) ・国営沖永良部土地改良事業進捗状況 ・平成25年干ばつを振り返って ・さとうきびにおける畑地かんがい水利用の実証 ・沖永良部島畑地かんがい営農ビジョンの概要 液肥混入機の使用方法 ①スミチャージのバルブハンドルを左方向に まわして,全開に開き,かん水を開始します。 ②吸引コックを開き吸引ホース吸引コックを 開き吸引ホースを液肥袋に差し込みます。 ③バルブハンドルを徐々に閉めていきます。 バルブを閉めていくとスミチャージ本体内部のバイパ ス路が狭くなり,吸引路を流れる水量が増えていきます。 吸引路を流れる水量がある一定量を超えると液肥の吸引 が始まります。本管流量が多い時は,バイパス路を開き ぎみで使用し,本管流量が少ない時は,バイパス路を閉 めぎみで利用します。 ④バルブハンドルでフロートを,希望する倍率より少 し高めに倍率調整し,次に吸引コックを閉めてゆき, フロートの上端が希望になるように倍率を調整してく ださい。 沖永良部島畑地かんがい営農推進協議会 事務局 鹿児島県大島郡知名町知名 307 番地 知名町役場 農林課内 0997-93-3111 (連絡先) 白百合土地改良区:92-4071 知名町土地改良区:93-2697

Upload: others

Post on 30-Jan-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 液肥混入機の使用方法...No.7 平成26年2月28日発行 ・液肥混入機の使用方法 ・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区) ・国営沖永良部土地改良事業進捗状況

No.7

平成 26 年 2 月 28 日発行

・液肥混入機の使用方法

・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区)

・国営沖永良部土地改良事業進捗状況

・平成25年干ばつを振り返って

・さとうきびにおける畑地かんがい水利用の実証

・沖永良部島畑地かんがい営農ビジョンの概要

液肥混入機の使用方法 ①スミチャージのバルブハンドルを左方向に

まわして,全開に開き,かん水を開始します。

②吸引コックを開き吸引ホース吸引コックを

開き吸引ホースを液肥袋に差し込みます。

③バルブハンドルを徐々に閉めていきます。

バルブを閉めていくとスミチャージ本体内部のバイパ

ス路が狭くなり,吸引路を流れる水量が増えていきます。

吸引路を流れる水量がある一定量を超えると液肥の吸引

が始まります。本管流量が多い時は,バイパス路を開き

ぎみで使用し,本管流量が少ない時は,バイパス路を閉

めぎみで利用します。

④バルブハンドルでフロートを,希望する倍率より少

し高めに倍率調整し,次に吸引コックを閉めてゆき,

フロートの上端が希望になるように倍率を調整してく

ださい。

沖永良部島畑地かんがい営農推進協議会

事務局 鹿児島県大島郡知名町知名307番地 知名町役場 農林課内 0997-93-3111

(連絡先)

白百合土地改良区:92-4071

知名町土地改良区:93-2697

Page 2: 液肥混入機の使用方法...No.7 平成26年2月28日発行 ・液肥混入機の使用方法 ・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区) ・国営沖永良部土地改良事業進捗状況

畑かん推進委員と合同研修会を開催しました!

去る,平成25年10月28日に、平成26年度より畑地かんがい整備を本格的に着手する知名町正名地区推進委員(委員長:中野賢一正名字区長)18名と、沖永良部島畑地かんがい営農推進協議会農村整備部会と合同で現地研修会を開催しました。

知名町正名字と住吉字を範囲とする「正名地区」は,平成21年度から正名字の一部の受益地を対象に「畑地かんがい推進モデルほ場設置事業」を導入し、これまで畑地かんがい整備と実証試験等を実施してきました。

本事業が平成25年度末にて完了となることから、今後、本格的な畑地かんがい整備と農道整備を行うべく、平成26年度から「農地整備事業(畑地帯担い手支援型)正名地区」を実施することになりました。

正名地区においては、「国営かんがい排水事業沖永良部地区」で築造される地下ダムを主要水源として、そこから7箇所の集水井で畑地かんがい用水を汲み出し、余多揚水機場(ポンプ場)から大山吐水槽を経て,知名町下城字に整備されるファームポンドに貯水し、正名字、住吉字の受益地に用水供給する計画となっています。

以前、推進委員会において、「正名地区に供給される畑地かんがい用水の流れについて勉強したい。」との意見が出されたことから,営農推進協議会農村整備部会が企画・立案し,今回、総勢35名で現地研修会を実施しました。

推進委員より,「今回の現地研修会で,どのような施設を経て畑地かんがい用水が供給されるかが理解できた。」などの感想やモデル事業での畑地かんがい整備後の課題について様々な意見・提案が出され,活発な意見交換が出来ました。

【合同研修会ルート図】

【余多揚水機場建物内部】 【下城ファームポンド全景】 【室内検討会】

-1-

Page 3: 液肥混入機の使用方法...No.7 平成26年2月28日発行 ・液肥混入機の使用方法 ・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区) ・国営沖永良部土地改良事業進捗状況

進捗状況

平成 19 年度より事業開始し7年が

経過し、平成26年度に一部通水に備

えた試験通水を行う予定であり、現在

試験通水に向けた各々の施設の整備を

行っています。

次に、主要施設の整備状況を紹介し

ます。

地下ダム止水壁

地下ダム止水壁の工事については、

全 11 工区の内現在9及び10工区の

工事を実施中で、今年度新たに 4 工区

を実施しています。今後計画的に残りの工区についても工事実施を行いたいと思います。

集水井及び揚水機場

集水井については、全7箇所あり井戸本体はすでに全て完成しています。上屋については、4箇

所が完成しており今年度ポンプ設備を設置する予定です。余多揚水機場については、上屋は完成し

ており、平成 26 年度までにポンプを2台設置する工事を実施しています。

パイプライン及びファームポンド

パイプラインについては、延長44.1kmのうち、30.7kmが完成し、今年度越山及び下

城ファームポンドが完成します。

国営附帯県営事業進捗状況

国営事業受益の区画整理及び畑地かんがいの整備を実施する国営附帯県営事業については、先行

関連地区を含めて昭和56年度から事業開始し、平成35年度完成に向けて整備を進めています。

区画整理事業が全16地区、畑

地かんがい事業が全20地区計画

されており、平成 25 年度迄に区

画整理事業が15地区採択され、

畑地かんがい事業が9地区採択さ

れています。

平成24年度までの事業量の進

捗は、区画整理事業で約67%、

畑地かんがい事業で約31%とな

っており、今後も事業推進を行い

ながら工事実施を進めてまいりま

す。

国営沖永良部土地改良事業進捗状況について

-2-

Page 4: 液肥混入機の使用方法...No.7 平成26年2月28日発行 ・液肥混入機の使用方法 ・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区) ・国営沖永良部土地改良事業進捗状況

平成25年干ばつを振り返って

沖永良部島では,平成25年6月27日以降50日間も降雨が無く,7月は観測所設置以降最低の降水量(1mm),8月・9月も平年の1/3程度の渇水となりました。

そのような中,両町で「干ばつ対策本部」が設置され ,雨乞い祈願祭,散水車助成等が行われました。また防災無線,有線テレビ,さとうきび各支部でかん水啓発を行いました。

①さとうきびさとうきびは7月上旬頃までは順調な生育でしたが,長期間の干ばつにより,葉のロー

ル現象や生育遅延,一部で枯れ始めるなどの被害がみられました。②花き

畑かん地域では,さとうきび等へのかん水が日中に行われると水圧が下がり,十分にかん水できないため朝夕にかん水を行う場面がみられました。今回の干ばつを踏まえ,畑かん受益地区では計画的なかん水を呼びかけ,農作物の生産安定を図っていきます。

平成25年沖永良部 降水量

枯れ始めのさとうきび(8/1) トラックタンカーによる散水(8/7) さとうきび春植え(7/25)

干ばつによるひび割れ(7/25) 給水スタンド施設も無料開放 干上がったため池

干ばつ

5月

-3-

Page 5: 液肥混入機の使用方法...No.7 平成26年2月28日発行 ・液肥混入機の使用方法 ・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区) ・国営沖永良部土地改良事業進捗状況

さとうきびにおける畑地かんがい水利用の実証

1 課題の背景とねらい①かん水施設の設置,回収作業が重労働②県営の畑かん受益地では,給水栓のみあり,末端施設(かん水器具)がない③畑かん水利用で増収効果を図りたい以上のような場合の水利用を行う方法として「かん水チューブを用いたかんがい方法」

による効果実証を行いましたので紹介します。

2 実証内容(1)内 容 さとうきびにおける畑かん水利用の実証(2)設置場所 和泊町実験農場(3)かん水量・時期・方法

区別 かん水量 生育ステージ 処理時期 散布器具実証区 20t/10a・週 生育期 6月末~9月 点滴かん水チューブ対照区 - (自然降雨のみ)

3 結果と考察(1)平成25年は6月末から降雨が無く干ばつ年でした。8月30日の生育調査では,

かん水区:茎長162cm,無かん水区124cmとかん水による効果が顕著に現れました。(2)定期的に茎長を調査した結果,かん水区は順調に生育し10月2日の生育調査では

かん水区:茎長195cm,無かん水区145cmとかん水による効果が顕著に現れました。梅雨明け以降のかん水効果が高いことがわかりました。

(3)かん水チューブは畦間に設置してあるため,台風でさとうきびが倒伏すると回収(巻き取り作業)が困難となるため10月初旬に回収しました。設置は容易ですが,効率的な回収方法を検討する必要があります。

4 収益性について(1)かん水チューブの経費,水使用料金を試算すると,10,437円/10aでした。さとうき

び代金約20円とすると521kg/10a以上の増収で収益はプラスになります。積極的なかん水で増収対策を図りましょう。

5 残された課題と対応かん水チューブの回収方法(設置方法の改善含む)

6 具体的データ

【参考】 10aあたり試算(白百合土地改良区の場合)点滴チューブ経費(30a規模) 夏期のさとうきびかん水量(7~9月)・点滴チューブ: 14,000円 4回/月 × 23t/回 ×3 =276t・導 水 ホ ー ス : 5,000円 水使用量:276t×15円= 4,140円・接 合 部 品 : 4,000円 給水栓賦課金:3,000円・穴あけハサミ: 2,000円 水使用料金:7,140円・エンドプラグ他:5,000円 かん水チューブ経費計:10,473円

合 計 30,000円 さとうきび代金約20円とすると521kg/10a(10,000円/10a) 以上の増収で収益はプラスになります。

耐用年数3年として3,333円/年

0

10

20

30

40

0

50

100

150

200

かん水区 無かん水区

茎数

茎長

かん水チューブ実証ほ生育調査結果2013

茎長 茎数

0

50

100

150

200

かん水区 無かん水区

茎長

かん水チューブ実証ほ生育調査結果2013

8/30 9/10 9/24 10/2

-4-

Page 6: 液肥混入機の使用方法...No.7 平成26年2月28日発行 ・液肥混入機の使用方法 ・畑かん推進委員研修会 (知名町正名地区) ・国営沖永良部土地改良事業進捗状況

将来像 畑かんで地域農業の姿を変えよう!

○ 花きの作付が拡大 227ha   309ha(82ha増)

○ さとうきび等の基幹作物の生産が安定  水利用と耕畜連携による土づくりで単収向上

さとうきび 14%増

●畑かん営農の理解促進

・ 広報誌による情報発信 ・ 散水器具の展示・実演・ 水利用効果の展示・実証 ・ 推進体制の充実

●畑かんを活用した多様な産地育成

・ 園芸品目等の推進(施設園芸の推進)

・ 流通・販売体制の整備・ 耕畜連携による土づくり 等

●畑かんを担う経営体の育成

・ 中心経営体への支援・ 大規模経営体の育成・ 法人化の推進・ 農地確保に関する情報交換

推進方策 このような活動に取り組む!

○ さとうきび,飼料作物,ばれいしょで大半を占めている(85%)(さとうきび 41% ばれいしょ 29% 飼料作物 15% 花き 9% )

現 状

●受益面積:2,501a ●受益者数:2,637人 ●試験通水:平成26年度末●全面通水予定:平成36年度 ※ 受益面積には一般畑かん事業(県営)の1,004haを含む

沖永良部島畑地かんがい営農ビジョンの概要

○ 農家戸数の減少 : 総農家数 H12 1,979戸   H22 1,741戸 (10年間で238戸の減少)※ ただし,主業農家数は増加 H12 747戸   H22 832戸(10年間で85戸増加)

農業構造

○ 認定農業者数 : 581戸(うち法人19) ※ 総農家数に占める割合 33% (県割合 11%)

作付状況

●推進品目の生産目標

品目名 現状(ha)

目標(ha)

伸び率(%)

野菜 835 870 104

花き 227 309 136

マンゴー 7 12 171

さとうきび 1,072 1,030 96

葉たばこ 39 40 103

飼料作物 406 455 112

計 2,586 2,716 105

【推進品目】野菜(さといも,ばれいしょ,実えんどう,さやいんげん,にがうり)

花き(ゆり,きく類,ソリダゴ,トルコギキョウ,グラジオラス,)

マンゴー,さとうきび,飼料作物

○ さとうきび,肉用牛,園芸で地域内の複合化を進め経営体が増加 331戸   340戸

○ 高齢畜産農家等への粗飼料供給体制が育成  低コストな自給飼料供給体制が整備

農業産出額のアップを目指す

編集後記本協議会では,畑かん展示ほ場や実証ほ場を設置して,水利用効果の調査とPRを行ってい

ます。適期適量のかん水を実施しましょう。掲載してほしい情報やご意見・ご感想などありましたら事務局までご連絡ください。

-5-