健康保険給付 「限度額適用認定証」...

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【全 国 健 康 保 険 協 会 千 葉 支 部】 第16回 健康保険委員研修会 健康保険給付 「限度額適用認定証」 「高額療養費」について ≪ H29.3.7(火) 千葉市文化センター ≫ 資料 ~もしも医療費が高額になる場合~

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  • 【全 国 健 康 保 険 協 会 千 葉 支 部】

    第 1 6 回 健 康 保 険 委 員 研 修 会

    健康保険給付 「限度額適用認定証」

    「高額療養費」について

    ≪ H29.3.7(火) 千葉市文化センター ≫

    資料 1

    ~もしも医療費が高額になる場合~

  • 1

    目次

    ・高額療養費とは? 2P

    ・自己負担限度額について 4P

    ・低所得者について 6P

    ・高額療養費の計算 7P

    ・高額療養費応用編「世帯合算」について 10P

    ・高額療養費の応用編「多数該当」について 14P

    ・高額療養費が支給されるまで 17P

    ・申請書の記入について(高額療養費) 18P

    ・限度額適用認定証について 20P

    ・申請書の記入について(限度額適用認定証) 24P

    ・高額療養費の実践 27P

  • 1か月(1日から月末)に医療機関や窓口で支払った額が一定額(自己負担限度額)

    を超えた場合、払い戻される制度です。

    医療機関等で健康保険証を使用すれば、1割~3割負担になりますが、それでも医療

    費が高額になる可能性があるため、一月の上限を定めている制度です。

    高額療養費とは?①

    2

    高額療養費制度

    一 部 負 担 金 の 割 合

    年齢 一部負担金の割合

    小学校入学前 2割

    小学校入学後~70歳未満 3割

    70歳以上~75歳未満 ※1 ※2 2割 ※1・・誕生日が昭和19年4月1日以前の方は負担割合が1割となります。

    ※2・・標準報酬月額が28万円以上の被保険者は負担割合が3割となります。(申請により1割又は2割負担になる場合あり)

    【イメージ】

    自己負担限度額 協会けんぽ負担部分 (総医療費の7割)

    高額療費 払い戻し

    総医療費(10割)

    医療機関で支払った医療費 (総医療費の3割)

  • 高額療養費とは?②

    3

    高額療養費は、1か月ごとで計算されます。月またぎで入院をする場合はご注意ください。

    例 1月10日から2月10日まで入院した場合

    2/1~2/10 1/10~1/31

    1月10日から1月31日(1月分) 2月1日から2月10日(2月分)

    上記の例の場合、1月分高額療養費と2月分高額療養費で2回に分けて請求します。 ※医療機関から発行される領収書も2枚(1月分と2月分)発行されます。

    月をまたいでの入院は高額療養費が2回発生する可能性があることから、自己負担も大きく 変わります。そのため、入院の場合はその面も踏まえてから日程調整をしておくことも必要で す。

  • 自己負担限度額について①

    欠勤 欠勤 欠勤 欠勤 出勤

    欠勤 公休 欠勤 欠勤 公休

    4

    年齢及び被保険者の所得によって自己負担限度額(払い戻しの基準額)は異なります。

    ●70歳未満の自己負担限度額 【平成27年1月診療分から】

    適用区分 被保険者の所得区分

    (標準報酬月額) 自己負担限度額 多数該当

    ア 83万円以上 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円

    イ 53万~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円

    ウ 28万~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円

    エ 26万円以下 57,600円 44,400円

    オ 低所得者 (被保険者の住民税が非課税等) 35,400円 24,600円

    ※区分アまたは区分イに該当する場合、市区町村民税が非課税であっても、区分オの該当にはなりません。

    ★総医療費って何?

    総医療費とは、保険適用分で支払った医療費が10割負担だったらいくらか?とい

    う金額です。あくまでも保険適用部分のみのため、入院時食事代やベッド代は除い

    て計算します。

  • 自己負担限度額について②

    5

    ●被保険者が70歳以上75歳未満の自己負担限度額 【平成27年1月診療分から】

    被保険者の所得区分 外来(個人ごと) 外来+入院(世帯ごと)

    現役並み所得者 (標準報酬月額28万円以上)

    44,400円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%

    <多数該当の場合は44,400円>

    一般所得者 12,000円 44,400円

    低所得

    Ⅱ (被保険者住民税が非課税)

    8,000円

    24,600円

    Ⅰ (被保険者・被扶養者全員の

    各所得が全て0円) 15,000円

    標準報酬月額とは?

    被保険者が事業主から受ける毎月の報酬(給料等)の月額を区切りのよい幅で区分したものを標準報酬月額として毎月の保険料の額等を決定します。 第1級の5万8千円~50級の139万円に区分けされています。

    注意!!被保険者が70歳未満、被扶養者が70歳以上の場合は、赤枠で計算。

  • 低所得者について

    6

    被保険者(保険料を納めている方)が市区町村民税を非課税であれば、高額療養費の所得区分

    は「オ 低所得者」に該当します。

    ※ただし、70歳未満の標準報酬月額53万円以上の場合や、70歳以上現役並み所得者に該当する場合を除く。

    低所得に該当する場合

    被保険者

    私が非課税です

    被扶養者

    療養を受ける方が被扶養者の場合でも、被保険者の所得で低所得か否か判断されます。

    低所得に該当する場合は、申請の際に被保険者の「非課税証明書」等の添付が必要になります。

    非課税証明書の年度に注意!

    毎年8月が基準です

    平成27年8月~平成28年7月の受診

    平成27年度の証明(平成26年1月~12月分の所得)

    平成28年8月~平成29年7月の受診

    平成28年度の証明(平成27年1月~12月分の所得)

    Check Point!

  • 高額療養費の計算①

    7

    実際に高額療養費を計算してみましょう!

    70歳未満の被保険者(適用区分ウ)が、同一月にA病院で入院し、総医療費が300万円かかった場合(窓口での支払いは90万円)

    例)

    適用区分ウの計算式に当てはめてみると・・・

    ウの計算式 → 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% = 自己負担限度額

    ウの計算式 → 80,100円+(300万円-267,000円)×1% = 107,430円

    窓口支払い分(一時負担)- 自己負担限度額 = 高額療養費支給額 のため

    900,000円 - 107,430円 = 792,570円

    高額療養費として支給

  • 8

    高額療養費の計算②

    次は70歳以上の方を含んだ計算をしてみましょう!

    同世帯に70歳未満と70~75歳がいる場合

    ① 70~75歳未満の人の払戻額を計算。

    ② ①の払戻額を除いた負担額と70歳未満の人の負担額を合算して、70歳未満の 自己負担限度額に当てはめ、払戻額を計算。

    ③ ①と②を合わせた額が世帯全体の払戻額となります。

    例) 73歳の被保険者A(標準報酬28万円・3割負担)が、同一月に甲病院に通院し、総医療費が20万円かかり(窓口の支払いは病院3万円、薬局3万円)、68歳の被扶養者Bが乙診療所に入院し、総医療費が100万円(窓口の支払いは30万円)かかった場合。

    まずは、70歳以上の払戻し額を計算しましょう!!

    70歳以上の現役並所得者の自己負担限度額は44,400円のため

    60,000円 - 44,400円 = 15,600円 ①払戻し額

    ① 70~75歳未満の人の払戻額を計算。

    ② ①の払戻額を除いた負担額と70歳未満の人の負担額を合算して、70歳未満の 自己負担限度額に当てはめ、払戻額を計算。

    44,400円 + 300,000円 = 344,400円(Ⅰ)

    次ページへ

  • 9

    高額療養費の計算③

    計算式に当てはめてみましょう!!

    ウの計算式 → 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% = 自己負担限度額

    ウの計算式 → 80,100円+(20万円+100万円 - 267,000円)×1% = 89,430円

    先の(Ⅰ)から自己負担限度額を差し引くと

    344,400円 - 89,430円 = 254,970円 ②払戻し額

    ③ ①と②を合わせた額が世帯全体の払戻額となります。

    15,600円 + 254,970円 = 270,570円

    高額療養費として支給

    70歳以上の方の分が入る計算は複雑になります。 1つ1つ払戻額をしっかり出しながら、計算しましょう。

  • 高額療養費応用編「世帯合算」について①

    10

    世帯※で複数の方が同じ月に病気やけがをして医療機関で受診した場合や、おひとりが複数の

    医療機関で受診したり、一つの医療機関で入院と外来で受診した場合は、自己負担額は世帯で

    合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻さ

    れます。

    ※ここでいう世帯とは協会けんぽに加入している被保険者とその被扶養者です。

    世帯合算

    70歳未満の負担分

    下記要件を満たす21,000円以上のもの

    70~75歳未満の負担分

    全ての負担分を合算できます

    合算対象

    合算対象要件

    ◎医療機関ごとに計算します。同じ医療機関であっても ①入院 ②外来 ③調剤 ④歯科外来に分けて計算します。

    ◎医療機関から交付された処方箋により調剤薬局で調剤を受けた 場合薬局で支払った自己負担額を、処方箋を交付した医療機関 に含めて計算します。(処方箋は月を跨ぐと、診療を受けた月 の申請には合算できませんので、注意!)

  • 11

    高額療養費応用編「世帯合算」について②

    世帯合算の例(70歳未満の世帯の場合)

    ①受診者ごと 受診者(被保険者) 受診者(被扶養者)

    ②医療機関ごと

    ③医科・歯科ごと

    ④入院・通院ごと

    自己負担額

    ○○病院 △△診療所 ○○病院

    医科 歯科 医科 医科

    入院 通院 通院 通院 通院 入院

    80,000円 15,000円 21,000円 10,000円 30,000円 3,000円

    上記の例では、オレンジ色の数字が世帯合算として申請することができます。 被保険者で、○○病院の通院は合計すれば25,000円ですが、医科と歯科で算定上の区分が異なるため合算することができない点に注意してください。

  • 12

    高額療養費応用編「世帯合算」について③

    世帯合算の例(70歳以上を含む世帯の場合)

    ①受診者ごと 受診者(被保険者) 受診者(被扶養者)

    ②医療機関ごと

    ③医科・歯科ごと

    ④入院・通院ごと

    自己負担額

    ○○病院 △△診療所 ○○病院

    医科 歯科 医科

    入院 通院 通院 通院 通院

    30,000円 15,000円 5,000円 3,000円 5,000円

    上記の例では、オレンジ色の数字が世帯合算として申請することができます。 70歳以上の方は21,000円以下でも全ての負担分が合算対象となることに注意してください。

    受診者 (被扶養者70歳)

    医科

    ××病院

  • 13

    高額療養費応用編「世帯合算」について④

    実際に世帯合算を計算してみましょう!

    70歳未満の被保険者Aが(適用区分ウ)が、同一月に甲病院に通院外来により総医療費が15万円かかった(窓口での支払いは4万5千円)。また、70歳未満の被扶養者Bが乙病院に入院して総医療費が20万円かかった(窓口での支払いは6万円)。 Bは乙病院に通院もしていて、通院では処方箋が無く、総医療費が6万円かかった(窓口での支払いは2万円)この場合、高額療養費でどのように請求できるか?

    例)

    まずは、世帯合算できるものを探しましょう!!

    70歳未満のため世帯合算できるもの ⇒ 21,000円以上のもの A通院外来(4万5千円) B入院(6万円)

    世帯合算できないもの ⇒ 21,000円未満 B通院外来(2万円)

    適用区分ウの計算式に当てはめてみると・・・

    ウの計算式 → 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% = 自己負担限度額

    ウの計算式 → 80,100円+(15万円+20万円-267,000円)×1%=80,930円

    105,000円(4万5千円+6万円) - 80,930円 = 24,070円 高額療養費として支給

  • 高額療養費の応用編「多数該当」について①

    休み(傷病手当金受給) 待期 期間

    7月31日 退職

    7月10日

    8/1~ 受 給

    14

    医療を受けた月以前1年間(直近11カ月)に、同一世帯で3カ月以上の高額療養費の支給を

    受けた場合は4ヶ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額が軽減されます。

    多数該当

    適用区分 被保険者の所得区分

    (標準報酬月額) 自己負担限度額 多数該当

    ア 83万円以上 252,600円+(総医療費-842,000円)×1% 140,100円

    イ 53万~79万円 167,400円+(総医療費-558,000円)×1% 93,000円

    ウ 28万~50万円 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円

    エ 26万円以下 57,600円 44,400円

    オ 低所得者 (被保険者の住民税が非課税等) 35,400円 24,600円

    ●4Pの自己負担限度額表を参考に

    4ヶ月目からは自己負担限度額が、多数該当の金額までになります。 つまり、直近11カ月で高額療養費(限度額適用認定証含む)を3回該当した場合と覚えれば分かりやすいです。

  • 高額療養費の応用編「多数該当」について②

    15

    1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

    57,600円

    44,400円

    ≪多数該当となる月の数え方≫

    例:70歳未満被保険者、区分エ(自己負担限度額57,600円)の場合

    11ヶ月

    上記のように、12月は57,600円以上ではないが、直近11ヶ月で高額療養費に3回該当すれば多数該当となり自己負担限度額が軽減される仕組みとなっている。

  • 16

    高額療養費の応用編「多数該当」について③

    多数該当は同一保険者・同一被保険者での適用となります。

    同一保険者?同一被保険者?

    健康保険は、加入している保険によって組織が変わります。例えば、社会保険と国民健康保険では、協会けんぽと市区町村で管轄が変わりますよね?これを管轄している組織を「保険者」と言います。被保険者は、健康保険に加入している本人のことです。

    つまり、社会保険から国民健康保険に保険を切り替えた場合等、同じ保険者ではなくなるから、多数該当が適用されなくなるってこと?

    その通りです。その場合は、多数該当の高額療養費該当月のカウントがリセットされ、保険者を切り替えた月から、高額療養費の該当月をカウントして多数該当を定めます。 被保険者の場合も同じで、被保険者が別人になった場合等もカウントがリセットされることとなります。

    つまり、多数該当のカウントを継続できるのは

    例) 協会けんぽ千葉支部 → 協会けんぽ東京支部(協会けんぽは単一保険者のため支部が変わっても継続します) 協会けんぽの被保険者 → 協会けんぽの被保険者 協会けんぽの被扶養者 → 協会けんぽの被扶養者(※被保険者が同じ場合に限る) 上記3パターンとなります。

  • 高額療養費が支給されるまで

    17

    ≪高額療養費支給までの流れ≫

    加入者 協会けんぽ

    医療機関

    ②-2高額療養費支給申請書の提出

    ③高額療養費の支給

    ①医療費の支払い ②-1レセプトの提出 診療報酬明細書と呼ばれ、保険者へ7割(自己負担3割の場合)の請求をする際に、医療機関から提出されます。社会保険診療報酬支払基金での審査を経るため、約3ヶ月かかります。

    高額療養費はレセプトが協会けんぽに届くまで約3ヶ月かかります。それから審査・支払されるので、支給されるのが診療した月から約3~4か月後になります。

  • 18

    申請書の記入について①(高額療養費)

    1/2ページ 被保険者(申請者)記入

    被保険者情報を記入していただきます。

    被保険者がお亡くなりになり、相続人が申請される場合は

    相続人の名前や住所を記入ください。ただし、記号番号と

    生年月日は被保険者の情報を記入してください。

    ゆうちょ銀行の口座へお振込を希望される場合は、

    振込専用の三桁の漢数字の支店名、預金種別・口座番号を

    記入してください。

    被保険者(申請者)名義以外の口座にお振込を希望される場合、

    記入・押印が必要です。代理人の印は、被保険者(申請者)と

    別の印で押印してください

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 4 5 0 3 2 0 ✓

    健保 太郎 ケンポ タロウ

    000 1234 千葉 ○○市○○1-2-3

    098 765 4321

    ××銀行 △△支店

    1 2 3 4 5 6 7 8

    ケ ン ポ タ ロ ウ 1

  • 19

    申請書の記入について 申請書の記入について②(高額療養費)

    2/2ページ 被保険者(申請者)記入

    傷病名は必ずご記入ください。

    また、療養期間は申請診療月内の期間をご記入ください。

    高額療養費の原則として、申請はひと月単位です。

    医療機関が複数に分かれたり、世帯合算等で使用する枠が足りな

    い場合は、申請書を複数使用していただきご記入ください。

    なお、1ページの被保険者欄等は省略していただいて差支えござ

    いません。

    医療機関から処方箋を受け薬局で処方された場合、医療機関

    と薬局それぞれ分けて記入してください。

    千葉市○○区△ー△ 千葉市○○区△ー△ 船橋市○○ー○○

    1 1 2

    29 2

    4 5 0 3 2 0 4 5 0 3 2 0 4 4 0 9 3 0 ✓ ✓ ✓

    椎間板ヘルニア 椎間板ヘルニア 気管支炎

    2 9 0 1 0 5 2 9 0 1 0 5 2 9 0 1 2 1 0 5 0 5 2 4

    2 2 1 18,000 6,500 45,000

    2 2 2

    多数該当に適用される場合はご記入ください。 ⑥

    健保 太郎

  • 限度額適用認定証について①

    20

    高額療養費の問題点

    ①該当の都度、申請が必要(自己申告である必要性) ②払い戻しがあるとはいえ、一時的に大きな出費が必要 ③払い戻しまで時間がかかる(通常診療月から3~4か月後)

    そのため・・・

    限度額適用認定証の利用をお勧めしています!!

    70歳未満の方が入院や外来で受診や調剤薬局で薬をもらう際、限度額適用認定証と保険証と併せて提示すると、その月の窓口でのお支払が自己負担限度額までとなり高額療養費の申請が不要となります。 ※世帯合算や多数該当となる場合は、別途高額療養費の申請も必要になることがあります。 ※医療機関を複数受診されている場合等は、別途高額療養費の申請も必要になることがあります。

    限度額適用認定証を提示しない場合

    自己負担額900,000円を窓口負担

    後日、高額療養費の申請により 792,570円払い戻されます。

    限度額適用認定証を提示した場合

    自己負担額107,430円を窓口負担

    後日、高額療養費の申請も不要。

    7Pを例にすると・・

    結構手間ねぇ

  • 限度額適用認定証について②

    限度額適用認定証

    医療機関等での窓口での支払いが高額になる場合、あとから申請することで払い戻

    しがされる「高額療養費制度」があります。

    しかし、払い戻しがされるとはいえ一時的な支払いは大きな負担となります。

    70歳未満の方が「限度額適用認定証」と保険証を併せて医療機関等の窓口(※1)

    に提示すると1か月(1日から月末)の支払いが自己負担限度額(※2)までとなります。

    ・対象となるのは70歳未満の協会けんぽ加入者です。 ※70歳以上の方は「高齢受給者証」を保険者証と併せて提示します。(低所得者区分を除く)

    21

    申請要件

    申請方法

    ・「健康保険限度額適用認定申請書」を協会けんぽに届出する。

    ※1・・保険医療機関(入院・外来別)、保険薬局等それぞれでの取り扱いとなります。

    ※2・・保険外負担分(部屋代、ベッド代等)や食事負担分は対象外となります。

  • 22

    限度額適用認定証について③

    ≪限度額適用認定証発行までの流れ≫

    ①限度額適用認定証申請書を郵送 ※申請書は協会けんぽHPからダウンロードできます

    ②認定証の発行

    ③送付希望先へ送付 (入院先等へも送付可能です)

    ④医療機関へ保険証と併せて提示

  • 23

    (?_?) なんで高額療養費の申請は必要なの??

    限度額適用認定証があれば、高額な医療費がかかっても、窓口で自己負担限度額の負担で済むのでしょ?それなら高額療養費の申請って何で必要なのかしら?

    高額療養費は、先程学んだように世帯合算や多数該当等の特殊なケースがあります。医療機関ではそのような場合は、把握できないので高額療養費の請求が必要になります。

    う~ん、あまり理解出来ないんだけれど・・・どういう意味?

    例えば、医療機関と調剤薬局は別々の箇所にあることが多いですよね。医療機関で自己負担限度額分払って、処方箋を持って調剤薬局で薬を出してもらったら負担額は0円になるのが高額療養費の考え方ですけど、実際は調剤薬局でも薬代を払いますよね?

    そうそう!何で医療機関で既に限度額分まで払っているのに、薬局でもお金がかかるの?限度額適用認定証の意味が無いと思うのだけれど・・・・

    それは、医療機関と調剤薬局では会計が別になっているからなんです。医療機関では、「この人は今月限度額分まで支払っている」ことを知っているけれど、調剤薬局は別会計のため、そのことが分からないんです。医療機関が違っても同じことが言えます。A病院では自己負担限度額分払っているのに、同月にB病院で受診すると窓口で請求されます。その場合は、高額療養費を利用していただくことになるのです。

    限度額適用認定証について④

  • 24

    申請書の記入について①(限度額適用認定証)

    1/1ページ 被保険者(申請者)記入

    原則申請書を受け付けた月の前月以前に遡及しての発行は

    できません。発行をご希望の場合は医療機関とご相談のうえ、

    申請してください。

    療養予定期間については、予定年月が不明の場合は省略して

    いただくことで、申請書を受け付けた月の1日から最長1年間

    有効な認定証を作成します。

    病院等に入院中の場合は、送付希望先欄に病院等の住所を記載

    いただくことで、入院先に直接送付することができます。

    自宅をご希望の場合は、被保険者記入欄の住所のみで結構です。

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 4 5 0 3 2 0 ✓

    健保 太郎

    ケンポ タロウ

    000 1234 千葉 ○○市○○1-2-3

    098 765 4321

    健保 花子 4 0 0 6 10 ✓

    2 9 0 3 2 9 0 4

    111 2222 千葉 ○○市××区2-3

    098 765 4321

    ○×病院

  • 25

    申請書の記入について①(限度額適用・標準負担額減額認定証)

    1/2ページ 被保険者(申請者)記入

    非課税の方で、申請月以前1年間で90日以上入院されている

    場合、入院時の食事療養標準負担額が減額されるため「はい」

    に☑を入れてください。

    この場合、限度額適用・標準負担額認定証は申請書の受け付けた月の翌月1日から

    有効なもの を発行します。

    所得区分 入院時食事負担額

    一般の方 1食につき360円

    住民税非課税世帯の方 1食につき210円

    住民税非課税世帯の方で過去1年間の入院日数が90日を超えている場合

    1食につき160円

    住民税非課税世帯に属し、かつ所得が一定基準に満たない70歳以上の高齢受給者

    1食につき100円

    <参考>入院時食事負担額

    1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 4 5 0 3 2 0 ✓

    健保 太郎 ケンポ タロウ

    000 1234 千葉 ○○市○○1-2-3

    098 765 4321

    健保 太郎 ✓ 4 5 0 3 2 0 2 9 0 3 2 9 0 4

    (市区町村民税非課税者用)

  • 26

    申請書の記入について 申請書の記入について②(限度額適用・標準負担額減額認定証)

    2/2ページ 被保険者(申請者)記入

    入院先が転々として、6機関以上に渡る場合は、申請書

    を複数枚利用し、ご記入ください。 ②

    ③ 申請を行った月以前1年間で、市区町村民税が課されて

    いない期間中の入院期間が90日を超える場合は、その

    入院期間をご記入ください。

    また、入院期間を証明する書類も添付してください。

    (領収書等)

    市区町村民税が非課税の方は、当欄に市区町村長の証明を

    受けるか、(非)課税証明書を添付してください。 ④

  • 27

    高額療養費の実践

  • 28

    高額療養費の実践①

    問題①

    【登場人物】 Aさん(39歳被保険者、標準報酬月額41万 適用区分「ウ」

    Aさんは、○○病院で2月5日~18日まで入院しました(限度額適用認定証の適用はなし)

    【登場人物】 Bさん(38歳被扶養者)

    領収書 A様 2/5~2/18入院分 総医療費500,000円 自己負担額150,000円

    ○○病院

    Bさんは、2月22日に××病院に通院し処方箋を受け△△薬局で薬をもらいました

    領収書 B様 2/22通院分 総医療費30,000円 自己負担額9,000円

    ××病院

    領収書 B様 2/22通院分 総医療費50,000円 自己負担額15,000円

    △△薬局

    この場合、高額療養費の支給はどうなるでしょう?

  • 29

    高額療養費の実践②

    今回のポイント ・70歳未満は受診者、医療機関、入院通院ごとで21,000円以上のものが世帯合算として適用されます。(調剤薬局の領収書は処方箋発行医療機関に含める)

    領収書 A様 2/5~2/18入院分 総医療費500,000円 自己負担額150,000円

    ○○病院

    それぞれは21,000円以内だが、調剤の領収書は処方箋発行の医療機関に含める考え方を利用すると、21,000円以上のため合算対象となる。

    領収書 B様 2/22通院分 総医療費30,000円 自己負担額9,000円

    ××病院

    領収書 B様 2/22通院分 総医療費50,000円 自己負担額15,000円

    △△薬局

    ウの計算式 → 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% = 自己負担限度額

    80,100円+(580,000円(500,000円+30,000円+50,000円)-267,000円)×1% = 83,230円

    150,000円+9,000円+15,000円 - 83,230円 = 90,770,円

    総医療費 自己負担限度額

    病院への支払費用

    高額療養費として支給

  • 30

    高額療養費の実践③

    問題②

    【登場人物】 Aさん(28歳被保険者、標準報酬月額26万 適用区分「エ」

    Aさんは、○○病院で1月28日~2月8日まで入院しました (限度額適用認定証の適用はなし)

    【登場人物】 Bさん(71歳被扶養者 負担割合2割)

    領収書 A様 1/28~1/31入院分 総医療費160,000円 自己負担額48,000円

    ○○病院

    Bさんは、2月16日に××歯科へ通院、18日に○○病院へ通院しました。

    領収書 B様 2/16通院分 総医療費10,000円 自己負担額2,000円

    ××歯科

    領収書 B様 2/22通院分 総医療費8,000円 自己負担額1,600円

    ○○病院

    この場合、高額療養費の支給はどうなるでしょう?

    領収書 A様 2/1~2/8入院分 総医療費200,000円 自己負担額60,000円

    ○○病院

  • 31

    高額療養費の実践④

    今回のポイント

    ・高額療養費の算定は1カ月単位です。月跨ぎの場合は月ごとに分けて計算します。 ・70歳以上の方は、全ての自己負担額が合算対象にできます。

    領収書 A様 1/28~1/31入院分 総医療費160,000円 自己負担額48,000円

    ○○病院

    領収書 A様 2/1~2/8入院分 総医療費200,000円 自己負担額60,000円

    ○○病院

    領収書 B様 2/16通院分 総医療費10,000円 自己負担額2,000円

    ××歯科

    領収書 B様 2/22通院分 総医療費8,000円 自己負担額1,600円

    ○○病院

    1月分 2月分

    エの自己負担限度額 ⇒ 57,600円 であるため・・・

    1月の自己負担額 48,000円

    (60,000円 + 2,000円 + 1,600円)

    2月の自己負担額 63,600円

  • 32

    高額療養費の実践⑤

    ☆1月分の高額療養費は

    57,600円 > 48,000円 のため、支給対象外

    ☆2月分の高額療養費は

    57,600円 < 63,600円 のため、支給対象

    自己負担限度額 医療費

    自己負担限度額 医療費

    63,600円 - 57,600円 = 6,000円

    高額療養費として支給

    区分エのように、最初から自己負担限度額が定められている場合は、実際に掛かった金額から計算すればいいので、区分ア~ウよりも計算が複雑ではありません

  • 33

    高額療養費の実践⑥

    問題③

    【登場人物】 Aさん(44歳被保険者、標準報酬月額47万 適用区分「ウ」

    Aさんは、2月3日○○病院へ通院し処方箋が発行され○×薬局で薬をもらいました。 また、2月22日□□歯科へ通院しました。

    【登場人物】 Bさん(40歳被扶養者)

    領収書 A様 2/3通院分 総医療費40,000円 自己負担額12,000円

    ○○病院

    Bさんは、2月9日○○病院に通院し、××病院に2月14日~18日入院しました。

    【登場人物】 Cさん(73歳被扶養者 負担割合 2割)

    領収書 A様 2/3通院分 総医療費30,000円 自己負担額9,000円

    ○×薬局

    領収書 A様 2/22通院分 総医療費20,000円 自己負担額6,000円

    □□歯科

    領収書 B様 2/9通院分 総医療費19,000円 自己負担額5,700円

    ○○病院

    領収書 B様 2/14~2/18入院分 総医療費250,000円 自己負担額75,000円

    ××病院

  • 34

    高額療養費の実践⑦

    Cさんは、2月19日に△△病院へ通院し、処方箋をもらい○△薬局で薬をもらいました。

    領収書 C様 2/19通院分 総医療費20,000円 自己負担額4,000円

    △△病院

    領収書 C様 2/19通院分 総医療費50,000円 自己負担額10,000円

    ○△薬局

    同世帯に70歳未満と70~75歳がいる場合

    ① 70~75歳未満の人の払戻額を計算。

    ② ①の払戻額を除いた負担額と70歳未満の人の負担額を合算して、70歳未満の 自己負担限度額に当てはめ、払戻額を計算。

    ③ ①と②を合わせた額が世帯全体の払戻額となります。

    ※8Pより抜粋

    70歳以上の医療費がある場合は、上記の考え方を思い出しましょう

  • 35

    高額療養費の実践⑧

    被保険者が70歳未満で被扶養者が70歳以上の場合は・・

    被保険者の所得区分 外来(個人ごと) 外来+入院(世帯ごと)

    一般所得者 12,000円 44,400円

    低所得

    Ⅱ (被保険者住民税が非課税)

    8,000円

    24,600円

    Ⅰ (被保険者・被扶養者全員の

    各所得が全て0円) 15,000円

    ※5Pより抜粋 上記の表に当てはめます

    領収書 C様 2/19通院分 総医療費20,000円 自己負担額4,000円

    △△病院

    領収書 C様 2/19通院分 総医療費50,000円 自己負担額10,000円

    ○○病院

    (4,000円 + 10,000円) - 12,000円 = 2,000円 ①払戻し額

    まずは ステップ① 70~75歳未満の人の払戻額を計算しましょう!

  • 36

    高額療養費の実践⑨

    続いて ステップ② ①の払戻額を除いた負担額と70歳未満の人の負担額を合算して、 70歳未満の自己負担限度額に当てはめ、払戻額を計算しましょう。

    ☆ ①の払戻額を除いた負担額は、70歳以上の人の自己負担限度額分である12,000円

    ☆ 70歳未満の人の負担額は、合算対象できるものがどれかを選別します。

    領収書 A様 2/3通院分 総医療費40,000円 自己負担額12,000円

    ○○病院

    領収書 A様 2/3通院分 総医療費30,000円 自己負担額9,000円

    ○×薬局

    領収書 A様 2/22通院分 総医療費20,000円 自己負担額6,000円

    □□歯科

    領収書 B様 2/9通院分 総医療費19,000円 自己負担額5,700円

    ○○病院

    領収書 B様 2/14~2/18入院分 総医療費250,000円 自己負担額75,000円

    ××病院

    =合算対象

    =非合算対象

    合算対象:21,000円以上

  • 37

    高額療養費の実践⑩

    領収書 C様 2/19通院分 総医療費20,000円 自己負担額4,000円

    △△病院

    領収書 C様 2/19通院分 総医療費50,000円 自己負担額10,000円

    ○○病院

    領収書 A様 2/3通院分 総医療費40,000円 自己負担額12,000円

    ○○病院

    領収書 A様 2/3通院分 総医療費30,000円 自己負担額9,000円

    ○×薬局

    領収書 B様 2/14~2/18入院分 総医療費250,000円 自己負担額75,000円

    ××病院

    今回、申請するのに必要な領収書の選定ができました。

    ② ①の払戻額を除いた負担額と70歳未満の人の負担額を合算して、70歳未満の自己負担限度 額に当てはめ、払戻額を計算しましょう。

    12,000円 + 96,000円(12,000円+9,000円+75,000円) = 108,000円(Ⅰ)

    ウの計算式 → 80,100円+(総医療費-267,000円)×1% = 自己負担限度額

    80,100円 + (390,000円(40,000円+30,000円+250,000円+20,000円+50,000円) - 267,000円)×1% = 81,330円 自己負担限度額

  • 38

    高額療養費の実践⑪

    先の(Ⅰ)から自己負担限度額を差し引くと

    108,000円 - 81,330円 = 26,670円 ②払戻し額

    最後に ステップ③ ①と②を合わせた額が世帯全体の払戻額となります。

    2,000円 + 26,670円 = 28,670円

    高額療養費として支給

    お疲れ様です!!

    もう一息!