要約書title 要約書 author 中部電力株式会社 created date 5/28/2020 10:23:18 pm

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Page 1: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

(仮称)秋田県由利本荘市沖における

洋上風力発電事業

計画段階環境配慮書

〔要約書〕

令和 2 年 5 月

中部電力株式会社

三菱商事パワー株式会社

株式会社ウェンティ・ジャパン

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本書に掲載した地図の作成に当たっては、国土地理院発行の電子地形図 25000、電子地形

図 20 万及び基盤地図情報を使用及び複製したものである。

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目 次

ページ

第 1 章 第一種事業を実施しようとする者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所

の所在地 ·································································· 1-1(1)

第 2 章 第一種事業の目的及び内容 ·················································· 2-1(3)

2.1 第一種事業の目的 ··························································· 2-1(3)

2.2 第一種事業の内容 ··························································· 2-2(4)

2.2.1 第一種事業の名称 ······················································· 2-2(4)

2.2.2 第一種事業の実施が想定される区域及びその面積 ·························· 2-2(4)

2.2.3 第一種事業に係る電気工作物その他の設備に係る事項 ···················· 2-28(30)

2.2.4 第一種事業により設置される発電所の原動力の種類 ······················ 2-29(31)

2.2.5 第一種事業により設置される発電所の出力 ······························ 2-30(32)

2.2.6 第一種事業により設置される発電所の設備の配置計画の概要 ·············· 2-30(32)

2.2.7 第一種事業に係る工事の実施に係る期間及び工程計画の概要 ·············· 2-30(32)

第 3 章 事業実施想定区域及びその周囲の概況 ······································ 3-1(33)

第 4 章 第一種事業に係る計画段階配慮事項に関する調査、予測及び評価の結果 ········ 4-1(39)

4.1 計画段階配慮事項の選定の結果 ·············································· 4-1(39)

4.2 調査、予測及び評価の手法の選定············································ 4-4(42)

4.3 調査、予測及び評価の結果 ·················································· 4-5(43)

4.3.1 騒音及び超低周波音 ···················································· 4-5(43)

4.3.2 風車の影 ····························································· 4-19(57)

4.3.3 動物 ································································· 4-27(65)

4.3.4 植物 ································································· 4-35(73)

4.3.5 景観 ································································· 4-37(75)

4.4 総合的な評価 ····························································· 4-53(91)

第 5 章 計画段階環境配慮書の作成を委託した事業者の名称、代表者の氏名及び

主たる事務所の所在地 ····················································· 5-1(95)

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(白紙のページ)

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1-1

(1)

第一種事業を実施しようとする者の名称、第1章

代表者の氏名及び主たる事務所の所在地

事業者の名称 :中部電力株式会社

代表者の氏名 :代表取締役社長 社長執行役員 林 欣吾

主たる事務所の所在地 :愛知県名古屋市東区東新町 1 番地

事業者の名称 :三菱商事パワー株式会社

代表者の氏名 :代表取締役社長 岩﨑 芳博

主たる事務所の所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目 6番 1 号 丸の内パークビルディング

事業者の名称 :株式会社ウェンティ・ジャパン

代表者の氏名 :代表取締役社長 佐藤 裕之

主たる事務所の所在地 :秋田県秋田市中通五丁目 1 番 51 号 北都ビルディング 7F

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1-2

(2)

(白紙のページ)

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2-1

(3)

第一種事業の目的及び内容 第2章

第一種事業の目的 2.1

近年、二酸化炭素等の温室効果ガス排出による地球温暖化問題への対応が重要視されており、

低炭素社会への移行が求められている。低炭素社会実現への枠組みの一つとして、再生可能エ

ネルギーの導入が挙げられる。

風力発電をはじめとする再生可能エネルギーのメリットは、化石燃料を使用しないため、大

気汚染物質を排出しないクリーンなエネルギーであること、二酸化炭素等の温室効果ガスを排

出せず地球温暖化防止に貢献すること、海外から燃料の輸入を必要とせず国産のエネルギーを

確保できること、そのほかに雇用の創出等による地域の活性化等が挙げられる。そのため、国

の「エネルギー基本計画(平成 30 年 7 月)」においても、「有望かつ多様で重要な低炭素の国

産エネルギー源」として位置づけられている。

そのほか、平成 23 年 3 月の東日本大震災以降、再生可能エネルギー導入の機運がさらに高

まり、再生可能エネルギーにより発電された電気を一定の期間、固定価格で電気事業者が買い

取ることを義務付ける「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」

が平成 24 年 7 月に施行されている。また、平成 31 年 4 月には、「海洋再生可能エネルギー発

電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」が施行され、洋上風力発電などの海洋再

生可能エネルギーの整備が国を挙げて進められている。

秋田県においては低炭素社会構築への貢献を通じた産業振興及び雇用創出を目指すことを

目的に、平成 23 年 5 月に「秋田県新エネルギー産業戦略」、平成 28 年 3 月に「第二期 秋田

県新エネルギー産業戦略」が策定され、再生可能エネルギーの導入拡大が積極的に進められて

いる。なお、秋田県は特に冬季の季節風が強く、風資源に恵まれた国内有数の風力発電導入地

域であり、近年の風力発電導入規模は全国上位に位置している。

一方で、由利本荘市においても再生可能エネルギーの利用を目的とした施設の建設等を円滑

に進めるために、平成 25 年 4 月に「再生可能エネルギーの利用を目的とした施設の建設に関

する手続ガイドライン」が策定され、再生可能エネルギーの導入を促進している。

このように本事業は、地球温暖化対策や地域活性化のために新エネルギー導入推進を図る国

の施策や、秋田県の取り組みに則したものであるとともに、低炭素の国産エネルギー源の活用

によるエネルギー自給率の向上に資する事業である。

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2-2

(4)

第一種事業の内容 2.2

第一種事業の名称 2.2.1

(仮称)秋田県由利本荘市沖における洋上風力発電事業

第一種事業の実施が想定される区域及びその面積 2.2.2

事業実施想定区域の位置 (1)

第一種事業の実施が想定される区域(以下、「事業実施想定区域」とする。)と風力発電機設

置区域の位置及びその周囲の状況は、図 2.2-1(1)及び(2)に示すとおりである。

風力発電機設置区域は、海岸線から沖合 1.0km 以上の範囲とし、事業実施想定区域は海底ケ

ーブル等の設置を考慮して海岸線までの範囲とした(図 2.2-2 参照)。

事業実施想定区域の面積 (2)

約 13,040.4ha

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2-3

(5)

図 2.2-1(1) 事業実施想定区域

の位置及びその周囲の状況

事業実施想定区域

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2-4

(6)

図 2.2-1(2) 事業実施想定区域

の位置及びその周囲の状況(衛星

画像)

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2-5

(7)

図 2.2-2 事業実施想定区域及

び風力発電機設置区域の位置

約4.0km

約 4.0km

約 1.0km

約 32.3km

約 30.9km

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2-6

(8)

事業実施想定区域の選定のプロセス (3)

社会環境や事業性を踏まえて検討対象エリアを選定したのち、環境面・法令等による規制を

考慮して検討対象エリアから事業実施想定区域を絞り込んだ。事業実施想定区域の選定の考え

方のフローを図 2.2-3 に示す。

図 2.2-3 事業実施想定区域の選定の考え方のフロー

2)事業実施想定区域の選定

1)検討対象エリアの選定 本計画段階において検討対象となる範囲を選定

あきた沖合洋上風力発電導入検討委員

会による候補海域※の確認(図 2.2-4)

※「洋上風力発電に関する秋田県の取組」

(秋田県産業労働部、平成 27 年)

再エネ海域利用法に基づく由利本荘市

沖における協議会による有望な区域の確

認(図 2.2-5)

洋上風況※、海底地形(水深)を確認

(図 2.2-6、図 2.2-7、図 2.2-8)

※「NeoWins(洋上風況マップ)」(NEDO)

(b)事業性の確認 (a)社会環境への影響配慮

法令等の制約のある区域を確認し、事業実施想定区域を選定

(図 2.2-9(2)、(3)、図 2.2-10)

・自然公園法 ・鳥獣保護管理法

・港湾法(港湾区域) ・海岸法(海岸保全区域)

・港則法(港則法区域) ・漁港漁場整備法(漁港区域)

(b)法令等による規制

既存利用の海域等の制約のある区域を確認し、事業実施想定区域を選定

(図 2.2-11、図 2.2-12、図 2.2-13)

・船舶通航量 ・漁業権区域

・隣接している既設及び計画中の風力発電事業との位置関係

※「秋田県内の再生可能エネルギーを利用した発電の導入状況」(秋田県ホームページ)

※「環境アセスメント環境基礎情報データベースシステム」(環境省ホームページ)

(c)既存施設等の確認

生活環境に配慮するため、用途地域の指定状況を確認。また、自然環境に配慮するため、

自然公園や動物の注目すべき生息地、特定植物群落等の場所を確認し、これらへの影響に配

慮した事業実施想定区域を選定(図 2.2-9)

(a)環境への配慮

以下の影響を検討

・騒音

・風車の影

・景観等

※本書(第 4 章)にて検討

事業規模の絞り込み

・風車の配置計画

・海底ケーブルの設置位置

※方法書以降の手続きにて

検討

風車の配置計画

・モノパイル式

・ジャケット式

・重力式

※方法書以降の手続きにて

検討

基礎構造の複数案

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2-7

(9)

1) 検討対象エリアの選定

(a) 社会環境への配慮

秋田県では更なる風力発電導入及びそれに伴う雇用創出を図るため、平成 25 年 7 月に「あ

きた沖合洋上風力発電研究会」を設置し、洋上風力導入の課題整理・基本方針等の検討を行い、

さらに平成 26 年 5 月には「あきた沖合洋上風力発電導入検討委員会」を設置し、港湾区域を

除く一部海域(沖合)における洋上風力発電導入の課題と方向性等の整理、関係団体との共通理

解・関係醸成を図りながら、平成 27 年 1 月に秋田県の一般海域(沖合)における洋上風力発電

に適した「候補海域」を示している(図 2.2-4 参照)。

また、平成 31 年 4 月には、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の

促進に関する法律」(以下、「再エネ海域利用法」という。)が施行され、洋上風力発電などの

海洋再生可能エネルギーの整備が国を挙げて進められており、同法律における今後の促進区域

の指定に向けて有望な区域として、秋田県においては「秋田県由利本荘市沖(北側・南側)」、

「秋田県能代市、三種町および男鹿市沖」が地元合意などの環境整備が進捗しているものとし

て整理された(令和元年 7 月 30 日、経済産業省、国土交通省発表)。

これを受け、令和元年 10 月には、「秋田県由利本荘市沖(北側・南側)における協議会」が

設置され、その会議のなかで「区域の概要図(有望な区域)」が示された(図 2.2-5 参照)。

洋上風力発電事業の実施は、これらの取り組みの目的にかなうものであり、「候補海域」や

「有望な区域」を参考にして、秋田県由利本荘市沖を検討対象エリアとして選定した。

(b) 事業性(風況・地形条件)の確認

検討対象エリアとした秋田県由利本荘市沖において、事業性の確認を行うために、洋上の風

況及び海域の水深の確認を行った。

「NeoWins 洋上風況マップ」(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

(NEDO))を用いて、検討対象エリアである秋田県南部に、洋上風力発電事業を行うにあたって

好適地となる風速 7.0m/s 以上の海域が存在することを確認した(図 2.2-6 及び図 2.2-7 参照)。

さらに、着床式の風力発電機を設置することを想定し、「海底地形デジタルデータ(M7011 佐

渡)」(一般財団法人日本水路協会)を用いて、水深 30m 程度以浅を目安とした浅海域があるこ

とも確認した(図 2.2-8 参照)。

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2-8

(10)

図 2.2-4 秋田県により設定さ

れた沖合洋上風力発電の候補海

出典:

「洋上風力発電に関する秋田県の取組」(秋田県、平成 27 年)

「秋田県内の再生可能エネルギーを利用した発電の導入状

況(平成 31 年 1 月 17 日)」(秋田県ホームページ

http://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/7451 2019

年 12 月 17 日閲覧)

「EADAS」(環境省ホームページ

https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/ 2019 年 12 月 17 日

閲覧)

「環境影響評価情報支援ネットワーク」(環境省ホームペー

ジ http://assess.env.go.jp/ 2019 年 12 月 17 日閲覧)

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2-9

(11)

出典:「第1回 由利本荘市沖における協議会」(秋田県、令和元年)

図 2.2-5 秋田県由利本荘市沖(北側・南側)における有望な区域

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2-10

(12)

図 2.2-6 事業実施想定区域及

びその周囲の高度 140m 風況(広

域)

出典:

「NeoWins 洋上風況マップ」

(国立研究開発法人新エネルギー・産業

技術総合開発機構(NEDO)ホームページ

http://app10.infoc.nedo.go.jp/Nedo_

Webgis/top.html

2019 年 12 月 17 日閲覧)

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2-11

(13)

図 2.2-7 事業実施想定区域及

びその周囲の高度 140m 風況

出典:

「NeoWins 洋上風況マップ」

(国立研究開発法人新エネルギー・産業

技術総合開発機構(NEDO)ホームページ

http://app10.infoc.nedo.go.jp/Nedo_

Webgis/top.html

2019 年 12 月 17 日閲覧)

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2-12

(14)

図 2.2-8 事業実施想定区域及

びその周囲の水深 出典:「海底地形デジタルデータ(M7011 佐渡)」

(一般財団法人日本水路協会)

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2-13

(15)

2) 事業実施想定区域の選定

検討対象エリアとした秋田県由利本荘沖で、環境面や法令による規制等を踏まえて計画地の

絞り込み、妥当性について確認した。その結果、秋田県由利本荘市沖(北側・南側)における「有

望な区域」(図 2.2-5 参照)を事業実施想定区域に選定した。

(a) 環境への配慮

生活環境への配慮が必要な区域の確認を行うため、用途地域の指定状況を確認した。次いで、

自然環境への配慮が必要な区域の確認を行うため、自然公園・鳥獣保護区等の位置、特定植物

群落や藻場の分布状況、重要な地形及び地質の存在の有無、景観資源・眺望点の状況を確認し

た(図 2.2-9(1)~(8)参照)。

(b) 法令等による規制

検討エリア及びその周辺における法令として、自然公園法、鳥獣保護管理法、港湾法(港湾

区域)、海岸法(海岸保全区域)、港則法(港則法区域)、漁港漁場整備法(漁港区域)等の制約の

ある区域を確認した(図 2.2-9(2)、(3)及び図 2.2-10 参照)。

(c) 既存施設等の確認

検討エリア及びその周囲における既存利用の海域等の制約のある区域として、船舶通航量、

漁業権区域、隣接している既設及び計画中の風力発電事業を確認した(図 2.2-11、図 2.2-12、

図 2.2-13 参照)。

なお、検討エリア及びその周囲における風力発電事業は、表 2.2-1 及び図 2.2-13 に示すと

おりであり、稼働中の陸上風力発電事業が 18 件、配慮書段階の案件が 1 件、方法書段階の案

件が 2 件、準備書段階の案件が 2 件、評価書段階の案件が 1 件である。

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2-14

(16)

表 2.2-1 隣接している既設及び計画中の風力発電事業

No. 運転開始 発電所名 出力

(kW)

基数

(基)

総出力

(kW) 事業者

1 H14.11 岩城風力発電所 750 1 750 由利本荘市

2 H16.11 西目ウィンドファーム 2,000 15 30,000 株式会社ユーラスエナジー西目

3 H17.3 西目風力発電所 1,250 1

1,850 富士グリーンパワー株式会社 600 1

4 H24.3 にかほ南風力発電所 1,990 1 1,990 一般社団法人このうら市民風力発電

5 H24.3 にかほ北風力発電所 1,990 1 1,990 一般社団法人グリーンファンド秋田

6 H25.2 秋田国見山第一風力発電所 1,990 5 9,950 くろしお風力発電株式会社

7 H25.6 秋田・西目風力発電所 1,250 1 1,250 株式会社ウイネット西目

8 H25.12 本荘港風力発電所 1,990 1 1,990 羽後風力発電株式会社

9 H27.3 秋田国見山第二風力発電所 1,870 4 7,480 秋田国見山風力発電株式会社

10 H27.10 芹田風力発電所 1,990 1 1,990 三藤エネルギー株式会社

11 H27.10 秋田下浜風力発電所 1,870 4 7,480 羽後風力発電(株)

12 H27.12 ユーラス由利高原ウインドファーム 3,000 17 51,000 株式会社ユーラス由利高原風力

13 H28.11 コープ東北羽川風力発電所 2,495 3 7,485 コープ東北グリーンエネルギー株式

会社

14 H28.12 JR秋田下浜風力発電所 1,990 1 1,990 東日本旅客鉄道株式会社

15 H29.1 由利本荘海岸風力発電所 2,300 7 16,100 由利本荘風力発電株式会社

16 H29.3 岩城勝手風力発電所 1,998 1 1,998 株式会社いわき風力

17 H30.3 松ヶ崎風力発電所 1,998 1 1,998 株式会社いわき風力

18 R2.1

(一部開始) にかほ第二風力発電所 2,300 29 66,700 株式会社ジェイウインドにかほ

- 配慮書

手続段階

(仮称)秋田中央海域洋上風力発電事

6,000~

12,000 最大 84

最大

500,000

株式会社ウェンティ・ジャパン、エ

コ・パワー株式会社、三菱商事パワ

ー株式会社

- 方法書

手続段階 (仮称)笹森山風力発電事業

2,000~

4,000 20 50,000

株式会社ユーラスエナジーホールデ

ィングス

- 方法書

手続段階 (仮称)西目風力発電事業

3,000~

4,000 最大 10 30,000

株式会社ユーラスエナジーホールデ

ィングス

- 準備書

手続段階

由利大内ウインドファーム風力発電

事業 2,000 21 42,000 JR 東日本エネルギー開発株式会社

- 準備書

手続段階

(仮称)秋田県由利本荘市沖洋上風力

発電事業

最大

9,525 88 838,200 秋田由利本荘洋上風力合同会社

- 評価書

手続段階 (仮称)東由利原風力発電事業 3,200 13 41,600

株式会社ユーラスエナジーホールデ

ィングス

注)「№.」は図 2.2-13 中の番号に対応

出典:「秋田県内の再生可能エネルギーを利用した発電の導入状況(平成 31 年 1 月 17 日)」

(秋田県ホームページ http://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/7451 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「EADAS」(環境省ホームページ https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/ 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「環境影響評価情報支援ネットワーク」(環境省ホームページ http://assess.env.go.jp/ 2019 年 12 月 17 日閲覧)

その他、上記資料に加え、地元自治体等から得た情報を参考に作成した。

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2-15

(17)

図 2.2-9(1) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(用途地域)

出典:「国土数値情報 用途地域(平成 23 年)」(国土交通省ホームページ

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

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2-16

(18)

図 2.2-9(2) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(国定・県立

自然公園)

出典:「国土数値情報 自然公園地域(平成 27 年)」(国土交通省ホームページ

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

Page 23: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

2-17

(19)

図 2.2-9(3) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(動物の注目

すべき生息地【1/2】)

出典:

「令和元年度秋田県鳥獣保護区等位置図」(秋田県、令和元年)

「国土数値情報 鳥獣保護区(平成 27 年度)」(国土交通省ホームページ

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

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2-18

(20)

図 2.2-9(4) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(動物の注目

すべき生息地【2/2】)

出典:

「生物多様性の観点から重要度の高い海域」(環境省ホームページ

http://www.env.go.jp/nature/biodic/kaiyo-hozen/kaiiki/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「海鳥の重要生息地(マリーン IBA)」(日本野鳥の会ホームページ

https://www.wbsj.org/activity/conservation/habitat-conservation/miba/ 2019 年 12 月 17 日閲覧)

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2-19

(21)

図 2.2-9(5) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(特定植物群

落、巨樹・巨木林及び藻場)

出典:

「自然環境調査 Web-GIS shape データダウンロード 特定植物群落調査 秋

田県」(環境省ホームページ

http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-023.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「自然環境調査 Web-GIS shape データダウンロード 巨樹・巨木林調査 秋

田県」 (環境省ホームページ

http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-023.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「自然環境調査 Web-GIS shapeデータダウンロード 藻場調査 秋田県」 (環

境省ホームページ

http://gis.biodic.go.jp/webgis/sc-023.html2019 年 12 月 17 日閲覧)

※特定植物群落調査の調査時期は、第 2 回…S53 年度、第 3 回…S59~61 年

度、第 5 回…H9~10 年度

※巨樹・巨木林調査の調査時期は、第 4 回…S63 年度、第 6 回 H11~12 年度

※藻場調査の調査時期は、第 4 回…H1~H4 年度、第 5 回…H9~H13 年度

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2-20

(22)

図 2.2-9(6) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(重要な地形

及び地質)

出典:「日本の典型地形について」(国土地理院ホームページ

https://www.gsi.go.jp/kikaku/tenkei_top.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

Page 27: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

2-21

(23)

図 2.2-9(7) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(景観資源)

出典:

「第 3 回自然環境保全基礎調査 秋田県自然環境情報図」(環境庁 平成元年)

「国土数値情報 地域資源(平成 24 年度)」(国土交通省ホームページ

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

Page 28: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

2-22

(24)

図 2.2-9(8) 環境保全上配慮が

必要な場所及び地域(眺望点)

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2-23

(25)

出典:「海しる(海洋状況表示システム)」(海上保安庁ホームページ

https://www.msil.go.jp/msil/Htm/TopWindow.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

図 2.2-10 事業実施想定区域及

びその周囲の法令等の制約を受

ける場所

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2-24

(26)

図 2.2-11 事業実施想定区域及

びその周囲の船舶通航量

出典:「海しる(海洋状況表示システム)」(海上保安庁ホームページ

https://www.msil.go.jp/msil/Htm/TopWindow.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

Page 31: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

2-25

(27)

図 2.2-12 事業実施想定区域及

びその周囲の漁業権区域

出典:「海しる(海洋状況表示システム)」(海上保安庁ホームページ

https://www.msil.go.jp/msil/Htm/TopWindow.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

Page 32: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

2-26

(28)

図 2.2-13 隣接している既設及

び計画中の風力発電事業の位置

出典:

「秋田県内の再生可能エネルギーを利用した発電の導入状

況(平成 31 年 1 月 17 日)」(秋田県ホームページ

http://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/7451 2019

年 12 月 17 日閲覧)

「EADAS」(環境省ホームページ

https://www2.env.go.jp/eiadb/ebidbs/ 2019 年 12 月 17

日閲覧)

「環境影響評価情報支援ネットワーク」(環境省ホームペー

ジ http://assess.env.go.jp/ 2019 年 12 月 17 日閲覧)

Page 33: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

2-27

(29)

事業実施想定区域の複数案の選定 (4)

計画段階配慮事項の検討にあたっては、位置・規模又は建造物等の構造・配置に関する適切な

複数案を設定することを基本とし、位置等に関する複数案を設定しない場合はその理由を明らか

にすることとされている。位置、規模、構造及び配置の複数案については、以下のとおりである。

1) 位置の選定

位置については、今後の環境影響の回避・低減を考慮した事業区域の絞り込みを行えるよう、

法令による規制状況、他の風力発電事業、住居等の配置を確認したうえで可能な限り広い範囲

を選定している。

「計画段階配慮手続に係る技術ガイド」(平成 25 年、環境省)では、事業位置・規模等の複

数案の設定が困難であり、以降の手続きのなかで環境影響の回避・低減も考慮して事業区域を

絞り込んでいくような検討の進め方は「位置・規模の複数案からの絞り込みの過程」であると

捉えることができ、「位置・規模の複数案」の一種としてみなすことができると記載されてい

る。

また、海底ケーブルの配置については現在検討中であるため、本配慮書では沿岸部も含めた

範囲を事業実施想定区域としているが、今後、海底地質、風況、当該環境影響評価の調査結果

等を考慮しながら事業計画の熟度を向上させ、海底ケーブル敷設範囲を含めたうえで対象事業

実施区域を検討していく予定である。

なお、ゼロ・オプションについては、「風力発電所の環境影響評価のポイントと参考事例」

(環境省、平成 25 年)に、民間事業においてはゼロ・オプションを想定することは現実的では

ない旨が記載されており、これについては複数案に含めないものとする。

2) 発電所の規模の絞り込み

「1) 位置の選定」と同様に、騒音、風車の影、景観等の影響を検討しながら規模を絞り込

むことで複数案とする。

3) 発電機の基礎構造

基礎構造については、「2.2.3 第一種事業に係る電気工作物その他の設備に係る事項」に示

すモノパイル式、ジャケット式及び重力式の 3 つの複数案とした。

4) 発電機の配置

風力発電機の配置については、既存施設の関係機関との協議及び「2.2.6 第一種事業により

設置される発電所の設備の配置計画の概要」にて記載する配置間隔を参考にして、風力発電機

の配置計画を検討する。

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2-28

(30)

第一種事業に係る電気工作物その他の設備に係る事項 2.2.3

発電機 (1)

本事業で検討中の風力発電機の概要は、表 2.2-2 及び図 2.2-14 に示すとおりである。

表 2.2-2 風力発電機の概要

項目 諸元

定格出力(定格運転時の出力) 8,000~12,000kW

ブレード枚数 3 枚

ローター直径(ブレードの回転直径) 160~220m

ハブ高さ(ブレードの中心の高さ) 110~150m 程度

図 2.2-14 風力発電機の概要(例)

ローター直径

160~220m 海水面からの

風力発電機の高さ

(190~260m程度)

海水面▽

水深 30m 程度以浅

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2-29

(31)

基礎構造 (2)

事業実施想定区域の水深は主に 30m 程度より浅い範囲を想定しており、着床式風力発電機の

設置検討が可能な水深の範囲にある。今後実施予定のボーリング調査によって海底地質を明ら

かにしたうえで、最適な風車基礎構造を選定する。なお、現段階では図 2.2-15 に示すモノパ

イル式、ジャケット式及び重力式を用いた設置を検討している。

モノパイル式 ジャケット式 重力式

出典:「再生可能エネルギー技術白書」(NEDO、平成 26 年)

図 2.2-15 風車基礎構造の種類(例)

変電設備 (3)

変電施設を配置する計画であるが、位置等の詳細については現在検討中である。

送電線 (4)

本事業により発電した電力は、変電施設を経由したうえで東北電力ネットワーク株式会社の

送電線に連系する計画である。なお、海底ケーブルの配置、系統連系地点及びそこまでの送電

線のルート等の詳細については現在検討中である。

工事内容 (5)

風力発電事業における主な工事の内容は以下に示すとおりである。なお、現段階では風力発

電機の組立て等を行う港湾は検討中であり、当該港湾から海上輸送により風力発電機設置区域

へ輸送し、施工する予定である。

・系統連系工事

・海上工事

・試運転・検査

第一種事業により設置される発電所の原動力の種類 2.2.4

風力(洋上・着床式)

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2-30

(32)

第一種事業により設置される発電所の出力 2.2.5

風力発電機の基数:最大 105 基(単機出力:8,000~12,000kW を想定)

総発電出力:最大 840,000kW

※なお、総発電出力が 840,000kW を上回る場合には、これを下回るよう出力調整を行う

こととする。

第一種事業により設置される発電所の設備の配置計画の概要 2.2.6

洋上風力発電機の配置は、事業実施想定区域の中で、環境への影響、隣接している既設の風

力発電機と本事業における新設の風力発電機間の距離、水深、海底地質、漁業関係者との調整

等の検討要素を総合的に考慮して計画する。具体的な配置計画は現段階でまだ検討中であるが、

各検討要素については以下に示す内容に留意する。

風力発電機間の距離 (1)

「風力発電導入ガイドブック(2008 年 2 月改訂第 9 版)」(NEDO、平成 20 年)によれば、卓越

風向と直交する列の場合には、配置間隔を風力発電機のローター直径の 3 倍程度、卓越風向に

並ぶ列の場合には、風力発電機のローター直径の 10 倍程度の距離を保つことを目安としてい

る。

本事業においても、同ガイドブックに示されている距離の目安を参考にして、風力発電機間

の距離を検討している。

水深及び海底地質 (2)

事業実施想定区域の水深は主に 30m 程度より浅い範囲を想定しており、着床式風力発電機の

設置検討が可能な水深の範囲にある。今後実施予定のボーリング調査によって海底地質を明ら

かにしたうえで、最適な風車基礎の方式を選定するが、モノパイル式、ジャケット式及び重力

式を用いた設置を検討している。

漁業関係者等との調整 (3)

事業実施想定区域及びその周囲の海域を利用する漁業関係者等とは現在協議中である。漁業

への影響、航行の安全等の協議結果を踏まえ、調査方法、工事方法、風力発電機配置計画等に

可能な限り反映する。

第一種事業に係る工事の実施に係る期間及び工程計画の概要 2.2.7

本事業に関する工程として、系統連系工事、海上工事、試運転・検査、運転開始といった工

程を想定しているが、各工事の詳細は現在検討中である。

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3-1

(33)

事業実施想定区域及びその周囲の概況 第3章

主な地域特性 (1)

1) 気象の状況

・事業実施想定区域及びその周囲の気象状況は、本荘地域気象観測所で観測が行われている。

・本荘地域気象観測所における 2018 年の地上気象観測結果は、年平均気温は 12.4℃、年平均風速

は 2.4m/s、最多風向は東南東、年日照時間は 1445.1 時間、年降水量の合計は 1865.0mm となって

いる。

2) 大気質の状況

・事業実施想定区域の周囲における 2017 年度の大気測定は、一般環境大気測定局の本荘測定局で

実施されており、光化学オキシダント(Ox)を除き、環境基準を達成している。

・2017 年度の大気中のダイオキシン類(DXN)の測定は、本荘測定局と同一箇所の由利本荘市立尾崎

小学校で実施されており、環境基準を達成している。

3) 騒音の状況

・事業実施想定区域の周囲には、一般環境騒音に係る調査等の公表資料はない。

・事業実施想定区域の周囲における 2017 年度の自動車騒音の常時監視は、一般国道 7号や一般国

道 105 号等の 7 地点で実施されており、昼間 52~67dB、夜間 46~59dB であった。また、2017

年度の自動車騒音は、評価区間の評価対象住居において昼間・夜間ともに全て基準値以下であ

った。

・事業実施想定区域の周囲には、航空機騒音に係る調査等の公表資料はない。

4) 振動の状況

・事業実施想定区域の周囲に、一般環境振動に係る調査等の公表資料はない。

・事業実施想定区域の周囲には、道路交通振動に係る調査等の公表資料はない。

5) 水象の状況

・事業実施想定区域の周囲は、主な河川として能代市の米代川や男鹿市の鯖川川等があり、湖沼

としては能代市の浅内沼がある。

・事業実施想定区域は、秋田県由利本荘市沖に位置し、日本海沿岸に面している。

・事業実施想定区域の周囲の験潮場として、飛島験潮場と男鹿験潮場があり、飛島験潮場の 2018

年の年平均潮位は-1.7cm(T.P.基準)、男鹿験潮場の 2018 年の年平均潮位は 25.0cm(T.P.基準)

である。

・事業実施想定区域の周囲の波浪観測地点として、秋田地点があり、2016年の最大有義波は H1/3

が 6.87m、T1/3 が 11.0 秒、年間の平均有義波は H1/3 が 1.01m、T1/3 が 5.5 秒となっている。

・事業実施想定区域の周囲の流況の観測地点として、秋田市沖の地点があり、1994 年 5~6 月に

かけて秋田市沖で実施した流況観測では、流向が北北西方向に卓越し、流速では 0.20~0.39kn

で卓越している。

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3-2

(34)

6) 水質の状況

・事業実施想定区域の周囲の河川における 2017 年度の公共用水域の生活環境項目の水質測定結果

は、大腸菌群数については、環境基準 A 類型の全ての地点で、環境基準 B 類型の京田橋で環境

基準を超過している。また、亜鉛については、環境基準生物 A 類型の京田橋で環境基準を超過

している。

・事業実施想定区域の周囲に、湖沼における調査等の公表資料はない。

・事業実施想定区域及びその周囲の海域における 2017 年度の公共用水域の生活環境項目の水質測

定結果は、環境基準 B 類型に指定されている本荘港内において、水素イオン濃度(pH)のみ環境

基準を下回った。

・事業実施想定区域の周囲の河川における 2017 年度の公共用水域の健康項目の水質測定結果は、

いずれの地点も環境基準を達成している。

・事業実施想定区域の周囲に、湖沼における調査等の公表資料はない。

・事業実施想定区域及びその周囲の海域における 2017 年度の公共用水域の健康項目の水質測定結

果は、いずれの地点も環境基準を達成している。

・事業実施想定区域及びその周囲における 2017 年度の公共用水域のダイオキシン類(水質)の調査

結果は、いずれの地点も環境基準を達成している。

・事業実施想定区域及びその周囲における 2017 年度のダイオキシン類(底質)の調査結果は、いず

れの地点も環境基準を達成している。

・事業実施想定区域の周囲における 2017 年度の地下水の水質測定は、由利本荘市大浦(井戸番号

004101)の 1,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロエチレン、由利本荘市石脇(井

戸番号 041122)の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を除く各項目については、いずれの地点も環境基

準を達成している。

・事業実施想定区域の周囲における 2017 年度のダイオキシン類(地下水)の測定結果は、環境基準

を達成している。

7) 土壌及び地盤の状況

・事業実施想定区域が面した海岸沿いには主に砂丘未熟土壌が分布している。

・事業実施想定区域の周囲には、土壌汚染に係る調査等の公表資料はない。また、「土壌汚染対策

法」に基づく要措置区域及び形質変更時要届出区域の指定はない。

・「平成 29 年度全国の地盤沈下地域の概況」(環境省、2019 年)によると、事業実施想定区域の周囲

において地盤沈下は報告されていない。

8) 地形及び地質の状況

・事業実施想定区域が面した海岸沿いには、主に台地段丘(砂礫台地(下位))が分布しており、一

部に丘陵地(大起伏丘陵地)が分布している。

・事業実施想定区域は、主に水深 0~約 40m 程度となっている。

・事業実施想定区域が面した海岸沿いには、主に未固結堆積物の砂丘砂が分布しており、一部に

半固結~固結堆積物の砂岩シルト岩互層が分布している。

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3-3

(35)

・事業実施想定区域内の海岸線から約 1.5km~2.0km 沖合までの範囲における海底の地質状況は不

明であるが、そこから更に沖合までの範囲は細粒砂が大部分を占め、一部極砂粒砂が分布して

いる。

・事業実施想定区域及びその周囲における重要な地形・地質は、「鳥海火山象潟岩屑なだれ」、「椿

台(岩見川流域)」、「雄物川中流」、「船越~天王」、「天王付近」、「秋田(天王)砂丘」、「本荘砂丘」、

「西目海岸」の 8件が存在する。

9) 動植物の生息又は生育、植生及び生態系の状況

・事業実施想定区域の周囲において、哺乳類 18 種、鳥類 252 種、爬虫類 4 種、両生類 14 種、魚

類 46 種、昆虫類 785 種の陸域の動物が確認された。このうち、重要な種として、哺乳類 12 種、

鳥類 108 種、両生類 5 種、魚類 24 種、昆虫類 59 種が確認された。なお、爬虫類の重要な種は

確認されなかった。

・事業実施想定区域及びその周囲における動物の注目すべき生息地は、鳥獣保護区や生物多様性

の観点から重要度の高い湿地、重要野鳥生息地(IBA等に指定された 25 か所が分布している。な

お、事業実施想定区域には海鳥の重要生息地(マリーン IBA)の「飛島・御積島」が存在する。ガ

ン類とハクチョウ類については、事業実施想定区域及びその周囲には大規模な重要な集団渡来

地や越冬地は存在しないが、オオハクチョウの越冬地が存在する。

・事業実施想定区域及びその周囲におけるガン類及びハクチョウ類の渡りは、マガン、亜種オオ

ヒシクイ、亜種ヒシクイ、コハクチョウの渡り経路が確認されている。

・事業実施想定区域及びその周囲における猛禽類の渡りは、サシバ、ハチクマ、ノスリの渡り経

路が確認されている。

・事業実施想定区域及びその周囲におけるセンシティビティマップの注意喚起レベルは、陸域で

はレベル A3 及びレベル B、レベル C が、海域では注意喚起レベル 1 及び注意喚起レベル低が該

当する。

・事業実施想定区域の周囲において、シダ植物 95 種、裸子植物 11 種、離弁花類 490 種、合弁花

類 291 種、単子葉植物 354 種の陸域の植物が確認された。このうち、重要な種として 157 種が

確認された。

・事業実施想定区域の周囲における植生は、事業実施想定区域の近傍の海岸部などには、主にカ

シワ群落、タニウツギ-ノリウツギ群落、ススキ群団及びシバ群団、ヨシクラス、砂丘植生、

クロマツ植林などが分布する。

・事業実施想定区域の周囲における植生自然度 10の植生群落は、事業実施想定区域が面した海岸

線に沿ってヨシクラスや砂丘植生が分布している。また、植生自然度 9 は、海岸部の平地や丘

陵地などにエゾイタヤ-シナノキ群落、シロヤナギ群集、カシワ群落、ケヤキ群落などが分布

している。

・事業実施想定区域の周囲における重要な植物群落等は、特定植物群落である「水林のクロマツ

林」や「松ケ崎のカシワ林」、アカマツ、イチョウ、ケヤキ、スギ等の巨樹・巨木林が計 104 か

所に分布している。

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3-4

(36)

・事業実施想定区域及びその周囲の自然環境類型区分は、事業実施想定区域は洋上であり、その

周囲の陸域の環境類型区分は低地、丘陵地、山地、火山地に大別される。事業実施想定区域東

側の海岸部には、丘陵地の自然林や植林が多くみられるほか、低地の自然林や植林地、火山地

の二次林や植林地などがみられる。

・事業実施想定区域及びその周囲のおける重要な自然環境のまとまりの場は、自然環境保全地域

及び緑地環境保全地域、鳥獣保護区及び特別保護地区、保安林、生物多様性の観点から重要度

の高い海域、特定植物群落などが存在する。また、事業実施想定区域には海鳥の重要生息地(マ

リーン IBA)が存在する。

・事業実施想定区域の周囲において、海棲哺乳類 21種、海棲爬虫類 4種、魚等の遊泳動物 466 種、

魚卵 6種、稚仔魚 40 種、底生動物 471 種、動物プランクトン 168 種、植物プランクトン 64 種、

海藻草類 68 種の海域生物が確認された。このうち、重要な種として、海棲哺乳類 12 種、海棲

爬虫類 4 種、魚等の遊泳動物 54 種、魚卵・稚仔魚 4 種、底生動物 11 種、海藻草類 1 種が確認

された。

・事業実施想定区域及びその周囲における海域生物の注目すべき生息及び生育の場は、生物多様

性の観点から重要度の高い海域の「にかほ沿岸」及び「日本海・津軽海峡周辺海域」が存在す

る。

10) 景観及び人と自然との触れ合いの活動の場

・事業実施想定区域及びその周囲における主要な景観資源は、火山景観や河川景観、ジオサイト等

の 159 か所が存在する。いずれの地点も風力発電機設置区域内には含まれない。

・事業実施想定区域及びその周囲における主要な眺望点は、展望施設、キャンプ場、海水浴場等の

41 地点が存在する。いずれの地点も風力発電機設置区域内には含まれない。

・事業実施想定区域及びその周囲における主要な人と自然との触れ合いの活動の場は、キャンプ場、

海水浴場、海岸景観等の 67 地点が存在する。いずれの地点も風力発電機設置区域内には含まれ

ない。

11) 一般環境中の放射性物質の状況

・事業実施想定区域の周囲における 2019 年の空間放射線量の測定は、年平均値 0.039μSv/hであ

った。空間放射線量には、基準等が定められていないが、空間放射線量の全国平均値は 0.04μS

v/h(「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成 30 年度版)」(環境省))とされて

おり、事業実施想定区域の周囲においては、全国平均値と概ね同等の結果となっている。

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3-5

(37)

12) 社会的状況

・事業実施想定区域の周囲における 2018 年の人口は、由利本荘市が 76,522 人、秋田市が 308,482

人、にかほ市が 24,010 人となっている。

・事業実施想定区域及びその周囲における 2017年の漁獲量は、由利本荘市が 136t、秋田市が 39t、

にかほ市が 1,016t となっている。

・事業実施想定区域及びその周囲の海域には、3 件の共同漁業権と 1 件の区画漁業権が設定されて

いる。なお、事業実施想定区域には、2件の共同漁業権と 1件の区画漁業権が設定されている。

・事業実施想定区域内に主要な海上交通はない。

・事業実施想定区域の周囲における学校、病院その他の環境の保全についての配慮が特に必要な施

設として、保育施設、学校、医療施設、社会福祉施設、図書館が 180 か所存在する。

・事業実施想定区域の周囲における住宅等は、港の付近に集中している。

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3-6

(38)

関係法令等による規制状況のまとめ (2)

事業実施想定区域及びその周囲における自然関係法令等による規制状況は、表 3.1-1 に示すとお

りである。

表 3.1-1 自然関係法令等一覧

法令等 地域地区等の名称

指定の有無

事業実施

想定区域

事業実施

想定区域

の周囲

由利

本荘

秋田

にか

ほ市

自然公園法 国立公園 - - - - -

国定公園 - - ○ - ○

秋田県立自然公園条例 県立自然公園 - - - ○ -

自然環境保全法 原生自然環境保全地域 - - - - -

自然環境保全地域 - - - - -

秋田県自然環境保全条例 県自然環境保全地域 - ○ ○ ○ ○

県緑地環境保全地域 - ○ ○ - -

世界の文化遺産及び自然遺産の保護

に関する条約

世界文化遺産 - - - - -

世界自然遺産 - - - - -

都市緑地法 緑地保全地区・特別緑地保全地区 - - - - -

絶滅のおそれのある野生動植物の種

の保存に関する法律 生息地等保護区 - - - - -

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適

正化に関する法律 鳥獣保護区 - ○ ○ ○ ○

特に水鳥の生息地として国際的に重

要な湿地に関する条約(ラムサール条

約)

ラムサール条約登録湿地 - - - - -

文化財保護法

国指定史跡・名勝・天然記念物 - ○ ○ ○ ○

県指定史跡・名勝・天然記念物 - ○ ○ ○ ○

市町村指定史跡・名勝・天然記念物 - ○ ○ ○ ○

都市計画法 都市計画区域 - ○ ○ ○ ○

風致地区 - ○ ○ ○ ○

自然再生推進法 自然再生事業実施計画 - - - - -

自然再生協議会 - - - - -

景観法 景観計画区域 - ○ - ○ -

森林法 保安林 - ○ ○ ○ ○

砂防法 砂防指定地 -

急傾斜地の崩壊による災害の防止に

関する法律 急傾斜地崩壊危険区域 -

地すべり等防止法 地すべり防止区域 -

土砂災害警戒区域等における土砂災

害防止対策の推進に関する法律

土砂災害警戒区域・

土砂災害特別警戒区域 - ○ ○ ○ ○

農業振興地域の整備に関する法律 農用地区域 - ○ ○ ○ ○

農業振興地域 - ○ ○ ○ ○

海岸法 海岸保全区域 - ○ ○ ○ ○

港湾法 港湾区域 ○ ○ ○ ○ -

港則法 港則法区域 ○ ○ ○ ○ ○

漁港漁場整備法 漁港 ○ ○ ○ - ○

水産資源保護法 保護水面 - - - - -

注)表中「○」は指定あり、「-」は指定なし、空欄は不明

Page 43: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-1

(39)

第一種事業に係る計画段階配慮事項に関する第4章

調査、予測及び評価の結果

計画段階配慮事項の選定の結果 4.1

計画段階配慮事項は、「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る計画段階配慮事項の選定並び

に当該計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の手法に関する指針、環境影響評価の項目並び

に当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針並びに環境

保全のための措置に関する指針等を定める省令」(平成 10 年 通商産業省令第 54 号)(以下、「発電

所アセス省令」という。)の第 5条の規定に基づき選定した。

発電所アセス省令の第 21 条第 1項第 5号に定められた「6 風力発電所 別表第 6」の風力発電事業

に係る参考項目について、第 2 章及び第 3 章にて整理した結果を勘案し、計画段階配慮事項を選定

した。

選定した結果は表 4.1-1 に示すとおりであり、「騒音及び超低周波音」、「風車の影」、「動物」、

「海域に生育する植物」、「景観」の 5 項目を選定した。計画段階配慮事項として選定又は選定し

ない理由は、表 4.1-2 に示すとおりである。

なお、「計画段階配慮手続に係る技術ガイド」(平成 25 年、環境省)では、「配慮書手続は、事業

の位置や規模等に関する複数案について環境影響の比較検討を行うことにより、事業計画の検討の

早期の段階において、より柔軟な計画変更を可能とし、環境影響の一層の回避・低減に繋げる効果

が期待されている。」としている。このことから、本事業においても、事業計画の検討のより早期

の段階から計画段階配慮事項を検討し、重大な環境影響に絞って調査・予測・評価を行うことで、

環境影響の一層の回避・低減を図るものとする。一方で、位置・規模や基礎構造等の検討段階にお

いて、工事計画の熟度を高めることは困難であることから、工事中の項目に係る環境影響について

は、方法書以降で取り扱うものとした。

また、「流向・流速」及び「水中音」に係る項目は、「6 風力発電所 別表第 6」に示す参考項目

として設定されていないが、事業の位置・規模、基礎構造や工事計画等、これらの環境影響に係る

計画内容の熟度が高まる方法書以降の手続きにおいて、最新の知見や事例等の情報収集を行いなが

ら、定量的な評価の可能性も含め検討するものとする。

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4-2

(40)

表 4.1-1 計画段階配慮事項の選定

影 響 要 因 の 区 分

環 境 要 素 の 区 分

工事の実施

土地又は工

作物の存在

及び供用

工事用資材等の搬出入

建設機械の稼働

造成等の施工による

一時的な影響

地形改変及び施設の存在

施設の稼働

環境の自然的構成要

素の良好な状態の保

持を旨として調査、

予測及び評価される

べき環境要素

大気環境 大気質 窒素酸化物

粉じん等

騒音及び

超低周波音 騒音及び

超低周波音 ○

振動 振動

水環境 水質 水の濁り

底質

その他の

環境

地形及び

地質

重要な地形及び

地質

その他 風車の影※ ○

生物の多様性の確保

及び自然環境の体系

的保全を旨として調

査、予測及び評価さ

れるべき環境要素

動物 重要な種及び注目すべき生息地

(海域に生息するものを除く)

海域に生息する動物 ○

植物 重要な種及び重要な群落

(海域に生育するものを除く)

海域に生育する植物 ○

生態系 地域を特徴づける生態系

人と自然との豊かな

触れ合いの確保を旨

として調査、予測及

び評価されるべき環

境要素

景観 主要な眺望点及び景観資源

並びに主要な眺望景観 ○

人と自然と

の触れ合い

の活動の場

主要な人と自然との触れ合いの

活動の場

環境への負荷の量の

程度により予測及び

評価されるべき環境

要素

廃棄物等 産業廃棄物

残土

一般環境中の放射性

物質について、調査、

予測及び評価される

べき環境要素

放射線の

放射線の量

注 1) は、「発電所アセス省令」の「6 風力発電所 別表第 6」の参考項目であることを示す。

注 2) は、「別表第十三」に示す放射性物質に係る参考項目であることを示す。

注 3)「○」は、選定した項目を示す。

注 4)※「風車の影」とは、影が回転して地上に明暗が生じる現象(シャドーフリッカー)をいう。

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4-3

(41)

表 4.1-2 計画段階配慮事項の選定又は選定しない理由

環境要素 影響要因 選定 選定又は選定しない理由

騒音及び

超低周波

騒音及び

超低周波音

施設の稼働

事業実施想定区域及びその周囲に住宅等が存在

し、これらに対して施設の稼働に伴い発生する騒音

及び超低周波音が影響を及ぼす可能性があること

から選定する。

地形及び

地質

重要な地形及

び地質

地形改変

及び施設の

存在

×

事業実施想定区域及びその周囲に学術上又は希少

性の観点から重要な地形・地質は確認されていない

ことから選定しない。

その他

風車の影 施設の稼働

事業実施想定区域及びその周囲に住宅等が存在

し、これらに対して施設の稼働に伴う風車の影(シャ

ドーフリッカー)が影響を及ぼす可能性があること

から選定する。

動物 重要な種及び

注目すべき生

息地

(海域に生息

するものを除

く)

地形改変

及び施設の

存在

施設の稼働 ○

事業実施想定区域及びその周囲に鳥類の重要な

種等が生息し、これらに対して施設の稼働に伴うバ

ードストライク※等の影響を及ぼす可能性があるこ

とから選定する。

海域に生息す

る動物

地形改変

及び施設の

存在

地形改変及び施設の存在に伴う流向・流速の変化

により海生動物の生息環境に影響を及ぼす可能性

があることから選定する。

植物 重要な種及び

重 要 な 群落

(海域に生育

するものを除

く)

地形改変

及び施設の

存在 ×

事業実施想定区域は海域であり、陸域における地

形改変は行わないことから、選定しない。

海域に生育す

る植物

地形改変

及び施設の

存在

地形改変及び施設の存在に伴う流向・流速の変化

により海生植物の生育環境に影響を及ぼす可能性

があることから選定する。

生態系 地域を特徴づ

ける生態系

地形改変

及び施設の

存在 ×

海域の生態系については、基礎的な知見や調査、

予測・評価手法の知見が限定されており、現状では

国内外の事例等の情報収集や知見の蓄積を進めて

いる段階で、環境影響に対する予測評価に関する統

一的な手法は確立されていない。

以上より、評価項目として選定しない。

施設の稼働 ×

景観 主要な眺望点

及び景観資源

並びに主要な

眺望景観

地形改変

及び施設の

存在 ○

事業実施想定区域及びその周囲に主要な眺望点

や身近な景観の眺望点が存在し、これらの地点から

の眺望景観に施設の存在が影響を及ぼす可能性が

あることから選定する。

人と自然との

触れ合いの活

動の場

主要な人と自

然との触れ合

いの活動の場

地形改変

及び施設の

存在 ×

事業実施想定区域内に主要な人と自然との触れ

合いの活動の場が存在しないため、施設の存在が利

用性や快適性等に影響を及ぼす可能性がないこと

から選定しない。

注 1)「○」は、選定した項目を示す。

注 2)「×」は、選定しなかった項目を示す。

注 3)※「バードストライク」とは、鳥類が風車のブレードに接近、接触して死傷する事故のことをいう。

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4-4

(42)

調査、予測及び評価の手法の選定 4.2

計画段階配慮事項に係る調査、予測及び評価の手法は、表 4.2-1 のとおりである。

表 4.2-1 調査、予測及び評価の手法

環境要素 調査方法 予測手法 評価手法

大気

環境

騒音及び超低

周波音

①事業実施想定区域周囲における配

慮が特に必要な施設等(学校、病院、

福祉施設及び住宅)の分布状況につい

て、既存資料調査により整理する。

②事業実施想定区域及びその周囲に

おける、騒音に係る環境基準の類型指

定の状況について、既存資料調査によ

り整理する。

事業実施想定区域と

配慮が特に必要な施設

等との位置関係(最短距

離)を整理する。

調査及び予測結果

をもとに、配慮が特に

必要な施設等への重

大な影響が、事業者の

実行可能な範囲で回

避又は低減されてい

るか検討する。

その他

の環境

風車の影 事業実施想定区域周囲における配

慮が特に必要な施設等の分布状況に

ついて、既存資料調査により整理す

る。

事業実施想定区域と

配慮が特に必要な施設

等との位置関係(最短距

離)を整理する。

予測結果をもとに、

配慮が特に必要な施

設等への重大な影響

が、事業者の実行可能

な範囲で回避又は低

減されているか検討

する。

動物 重要な種及び

注目すべき生

息地(海域に生

息するものを

除く。)

事業実施想定区域上空を飛翔する

鳥類等の生息状況について、既存資料

調査により整理する。

また、当該海域において環境影響評

価を実施する上での留意点等に関し、

専門家等の助言を仰ぐ。

空域における鳥類等

への影響として、移動経

路の阻害及びブレー

ド・タワーへの接触の可

能性を検討する。

予測結果をもとに、

事業実施想定区域を

飛翔する鳥類等への

重大な影響について

検討を行う。

海域に生息す

る動物

事業実施想定区域及びその周囲の

海域に生息する動物の状況について、

既存資料調査により整理する。

また、当該海域において環境影響評

価を実施する上での留意点等に関し、

専門家等の助言を仰ぐ。

海域に生息する動物

への影響として、事業実

施想定区域における改

変区域の面積を算出す

る。

予測結果をもとに、

事業実施想定区域及

びその周辺海域に生

息する動物への重大

な影響について検討

を行う。

植物 海域に生育す

る植物

事業実施想定区域及びその周囲の

海域に生育する植物の状況について、

既存資料調査により整理する。

また、当該海域において環境影響評

価を実施する上での留意点等に関し、

専門家等の助言を仰ぐ。

海域に生育する植物

への影響として、事業実

施想定区域における改

変区域の面積を算出す

る。

予測結果をもとに、

事業実施想定区域及

びその周辺海域に生

育する植物への重大

な影響について検討

を行う。

景観 主要な眺望点

及び景観資源

並びに主要な

眺望景観

事業実施想定区域周囲における主

要な眺望点及び主要な景観資源の状

況について、既存資料調査により整理

する。

①施設の存在に伴う

主要な眺望点及び主要

な景観資源への影響に

ついて、直接改変の有無

を整理する。

②主要な眺望点から

風車を見た際の最大垂

直見込角を算出する。

予測結果をもとに、

主要な眺望点及び主

要な景観資源への重

大な影響が、事業者の

実行可能な範囲で回

避又は低減されてい

るか検討する。

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4-5

(43)

調査、予測及び評価の結果 4.3

騒音及び超低周波音 4.3.1

調査 (1)

1) 調査方法

(a) 配慮が特に必要な施設等の分布状況

事業実施想定区域の周囲における住宅及び配慮が特に必要な施設(学校・保育施設・福祉施

設・医療機関)の分布状況について、既存資料調査により、事業実施想定区域との位置関係(最

短距離)を整理した。

なお、調査範囲は施設の稼働後の影響を予測評価するため、事業実施想定区域のうち風力発

電機設置区域から 2.0km の範囲とし、0.5km 毎に区分して実施した。

(b) 環境基準の類型指定状況

事業実施想定区域及びその周囲における騒音に係る環境基準の地域の類型指定の状況につい

て、既存資料調査により整理した。

2) 調査結果

(a) 配慮が特に必要な施設等の分布状況

事業実施想定区域及びその周囲における住宅及び配慮が特に必要な施設の抽出結果は、表 4.

3-1 及び図 4.3-1、図 4.3-2 に示すとおりである。

風力発電機設置区域から 1.0~1.5km の範囲で住宅等が 2,447件、1.5~2.0km の範囲で 3,970

件抽出された。また、配慮が特に必要な施設として、1.0~1.5km の範囲では学校等の施設が計

8件、1.5~2.0km の範囲では計 16 件抽出された。

表 4.3-1 配慮が特に必要な施設等の分布状況(概要)

単位:件

区分 風力発電機設置区域からの距離(km)

0.0~0.5 0.5~1.0 1.0~1.5 1.5~2.0 計

住宅等 0 0 2,447 3,970 6,417

学校 0 0 1 4 5

保育施設 0 0 1 2 3

福祉施設 0 0 4 6 10

医療機関 0 0 1 4 5

図書館 0 0 1 0 1

(b) 環境基準の類型指定状況

騒音に係る環境基準の地域の類型指定の状況は、図 4.3-3、図 4.3-4 に示すとおりである。

騒音に係る環境基準の地域の類型指定について、風力発電機設置区域から 1.0~2.0km の範囲

の一部が A類型、B類型及び C類型に指定されている。

なお、AA 類型は療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域等の特に静穏を要する

地域、A 類型は専ら住居の用に供される地域、B 類型は主として住居の用に供される地域、C 類

型は相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域を示す。

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4-6

(44)

図 4.3-1 住宅及び環境保全の

配慮が特に必要な施設の分布

(全体図)

Page 49: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-7

(45)

図 4.3-2 住宅及び環境保全の

配慮が特に必要な施設の分布

(拡大図)(1/5)

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4-8

(46)

図 4.3-2 住宅及び環境保全の

配慮が特に必要な施設の分布

(拡大図)(2/5)

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4-9

(47)

図 4.3-2 住宅及び環境保全の

配慮が特に必要な施設の分布

(拡大図)(3/5)

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4-10

(48)

図 4.3-2 住宅及び環境保全の

配慮が特に必要な施設の分布

(拡大図)(4/5)

Page 53: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-11

(49)

図 4.3-2 住宅及び環境保全の

配慮が特に必要な施設の分布

(拡大図)(5/5)

Page 54: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-12

(50)

図 4.3-3 騒音に係る環境基準の

地域の類型指定の状況(全体図)

Page 55: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-13

(51)

図 4.3-4 騒音に係る環境基準の

地域の類型指定の状況(拡大

図)(1/5)

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4-14

(52)

図 4.3-4 騒音に係る環境基準の

地域の類型指定の状況(拡大

図)(2/5)

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4-15

(53)

図 4.3-4 騒音に係る環境基準の

地域の類型指定の状況(拡大

図)(3/5)

Page 58: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-16

(54)

図 4.3-4 騒音に係る環境基準の

地域の類型指定の状況(拡大

図)(4/5)

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4-17

(55)

図 4.3-4 騒音に係る環境基準の

地域の類型指定の状況(拡大

図)(5/5)

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4-18

(56)

予測 (2)

1) 予測手法

事業実施想定区域と住宅及び配慮が特に必要な施設との位置関係を整理した。

2) 予測地域

調査地域と同様とした。

3) 予測結果

予測結果は、表 4.3-1 及び図 4.3-2 に示すとおりである。

(a) 住宅

風力発電機設置区域から 2.0km の範囲で、住宅等は 6,417 件が抽出された。

(b) 配慮が特に必要な施設(学校・保育施設・福祉施設・医療機関)

風力発電機設置区域から 2.0km の範囲で、学校 5件、保育施設 3件、福祉施設 10 件、医療機

関 5件及び図書館 1件が抽出された。

評価 (3)

1) 評価手法

調査及び予測結果を基に、配慮が特に必要な施設等への重大な影響が事業者の実行可能な範

囲で回避又は低減されているかどうか検討した。

2) 評価結果

調査及び予測の結果、風力発電機設置区域から 2.0km 以内に住宅及び学校等の配慮が特に必

要な施設が存在するため、これらの施設では風力発電機の稼働に伴う騒音及び超低周波音の影

響が生じる可能性がある。ただし、「3) 方法書以降の手続きにおいて留意する事項」を行うこ

とにより、重大な環境影響を回避又は低減することができる可能性があると評価する。

3) 方法書以降の手続きにおいて留意する事項

現段階ではまだ事業計画が検討中であり、現地調査も実施していないため、予測及び評価が

簡易的で不確実性を伴うものとなっている。

方法書以降の手続きにおいては、風雑音による影響等に留意し、事業実施想定区域周辺の騒

音の状況を適切に把握する。また、選定した風力発電機の機種から音響パワーレベルを設定し、

既設の風力発電機・計画中の風力発電機との複合的・累積的影響についても考慮しながら定量

的な予測を実施した上で、必要に応じて事業者が実行可能な範囲で環境保全措置の検討を行う。

なお、調査、予測及び評価の手法については、最新知見及び先行事例等を参考にして、その

手法を検討するものとする。

Page 61: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-19

(57)

風車の影 4.3.2

調査及び予測 (1)

1) 調査及び予測手法

事業実施想定区域及びその周囲における住宅及び配慮が特に必要な施設等(学校、病院、福祉

施設及び住宅)の分布状況について、既存資料調査により事業実施想定区域との位置関係(最短

距離)を整理した。なお、「Planning for Renewable Energy : A Companion Guide to PPS22」

(Office of Deputy Prime Minister,2004)によれば、風車の影による影響はローターの直径の 1

0 倍(10D)の範囲内で発生するとされているため、調査範囲は風車の影に関する最大影響範囲(事

業実施想定区域のうち風力発電機設置想定範囲から 2.2km)とした。

2) 調査及び予測結果

事業実施想定区域周囲における住宅及び配慮が特に必要な施設等の抽出結果は、表 4.3-2、図

4.3-5 及び図 4.3-6に示すとおりである。

風力発電機設置区域から 1.0~1.5km の範囲で住宅等が 2,447件、1.5~2.0km の範囲で 3,970

件、2.0~2.2km の範囲で 1,314 件が抽出された。また、配慮が特に必要な施設として、1.0~1.

5km の範囲では学校等の施設が計 8件、1.5~2.0km の範囲では計 16 件、2.0~2.2km の範囲では

計 6件が抽出された。

表 4.3-2 配慮が特に必要な施設等の分布状況(概要)

単位:件

区分 風力発電機設置区域からの距離(km)

0.0~0.5 0.5~1.0 1.0~1.5 1.5~2.0 2.0~2.2 計

住宅等 0 0 2,447 3,970 1,314 7,731

学校 0 0 1 4 1 6

保育施設 0 0 1 2 1 4

福祉施設 0 0 4 6 3 13

医療機関 0 0 1 4 1 6

図書館 0 0 1 0 0 1

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4-20

(58)

図 4.3-5 風車の影について配

慮が特に必要な施設の分布(全

体図)

Page 63: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-21

(59)

図 4.3-6 風車の影について配慮

が特に必要な施設の分布(拡大

図)(1/5)

Page 64: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-22

(60)

図 4.3-6 風車の影について配

慮が特に必要な施設の分布(拡

大図)(2/5)

Page 65: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-23

(61)

図 4.3-6 風車の影について配

慮が特に必要な施設の分布(拡

大図)(3/5)

Page 66: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-24

(62)

図 4.3-6 風車の影について配

慮が特に必要な施設の分布(拡

大図)(4/5)

Page 67: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-25

(63)

図 4.3-6 風車の影について配

慮が特に必要な施設の分布(拡

大図)(5/5)

Page 68: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-26

(64)

評価 (2)

1) 評価手法

調査及び予測結果を基に、配慮が特に必要な施設等への重大な影響が事業者の実行可能な範

囲で回避又は低減されているかどうか検討した。

2) 評価結果

調査及び予測の結果、風力発電機設置区域から風車の影に関する影響範囲の約 2.2km 以内に

住宅及び学校等の配慮が特に必要な施設が存在するため、主に西日の差す夕方に風車の影によ

る影響が予想される。しかし、風力発電機の設置位置は、これらの施設からは十分な離隔をと

ることを検討している。

従って、機種又は配置を事業者が実行可能な範囲で考慮する(風力発電機と住居等との離隔を

さらに大きくする等)ことにより、重大な環境影響を回避又は低減することができる可能性があ

ると評価する。

3) 方法書以降の手続きにおいて留意する事項

現段階ではまだ事業計画が検討中であり、現地調査も実施していないため、予測及び評価が

簡易的で不確実性を伴うものとなっている。

方法書以降の手続きにおいては、事業実施想定区域周囲における配慮が特に必要な施設等の

窓の向きや遮蔽物等の状況を現地踏査により把握する。なお、調査範囲については、ローター

直径 10 倍(10D)の範囲内に縛られることなく、配慮が特に必要な施設等の分布状況を考慮し、

必要に応じて 10D よりも広めに設定するものとする。また、選定した風力発電機の機種(ロータ

ー直径、ハブ高さ)及び配置から日影図を作成し、既設の風力発電機・計画中の風力発電機との

複合的・累積的影響についても考慮しながら、これらを重ね合せることにより影響の範囲及び

程度を予測し、必要に応じて事業者が実行可能な範囲で環境保全措置の検討を行う。

Page 69: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-27

(65)

動物 4.3.3

事業実施想定区域は全て海域に位置しており、陸域に生息する動物の重要な種(表 3.1-37 参照(コ

ウモリ類を除く))、陸域に分布する動物の注目すべき生息地(図 3.1-18 参照)に、重大な影響を及ぼ

す可能性は低い。

ただし、鳥類が風力発電機の上空を飛翔すること等により影響を受ける可能性があると考えられ

るため、鳥類を対象に調査を実施する。なお、コウモリ類が風力発電機周辺等を飛翔すること等に

より影響を受ける可能性については、方法書段階以降の手続きにおいて専門家等の助言・指導を踏

まえ、調査・予測及び評価の実施を検討する。

調査 (1)

1) 調査方法

(a) 空域を飛翔する動物

事業実施想定区域上空を飛翔する鳥類等の生息状況について、既存資料調査及び専門家への

聞き取り調査により整理した。

(b) 海域に生息する動物

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生息する動物の状況について、既存資料調査により

整理した。

2) 調査結果

(a) 空域を飛翔する動物

既存資料調査の結果、鳥類の重要な種として、「3.1 自然的状況 3.1.5 動植物の生息又は生育、

植生及び生態系の状況 (1)陸上動物」の表 3.1-37(2)に示す 17目 37科 108種が確認された。

これらの鳥類の重要な種は、生態的特性を踏まえると、表 4.3-3 に示す環境に生息すると考

えられる。

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4-28

(66)

表 4.3-3 確認された鳥類の重要種の主な利用環境区分

環境区分 鳥類の重要種

市街地 ツミ,ハイタカ,オオタカ,アオバズク,トラフズク,チョウゲンボウ,チゴハヤブサ,ハヤブサ,オナガ,コシ

アカツバメ,キレンジャク,ヒレンジャク,トラツグミ,イカル(14 種)

農耕地

クイナ,ヒクイナ,ヒシクイ,マガン,ハクガン,ツクシガモ,オシドリ,コウノトリ,サンカノゴイ,ヨシゴイ,

ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,カラシラサギ,ケリ,イカルチドリ,シロチドリ,メダイ

チドリ,ヤマシギ,オオジシギ,オオソリハシシギ,ツルシギ,タカブシギ,オバシギ,ハマシギ,セイタカシ

ギ,タマシギ,チュウヒ,ハイイロチュウヒ,ツミ,ハイタカ,オオタカ,サシバ,アオバズク,トラフズク,ブッ

ポウソウ,アリスイ,チョウゲンボウ,コチョウゲンボウ,チゴハヤブサ,ハヤブサ,チゴモズ,オナガ,コシア

カツバメ,カヤクグリ,ビンズイ,ベニヒワ(49 種)

海岸・

海域

ヒシクイ,マガン,ハクガン,コクガン,ツクシガモ,オシドリ,オカヨシガモ,ハシビロガモ,トモエガモ,オ

オホシハジロ,シノリガモ,ビロードキンクロ,クロガモ,アカエリカイツブリ,カンムリカイツブリ,ミミカ

イツブリ,ハジロカイツブリ,アオバト,アビ,シロエリオオハム,クロコシジロウミツバメ,ヒメウ,カワウ,

ダイサギ,コサギ,クロサギ,カラシラサギ,イカルチドリ,シロチドリ,メダイチドリ,オオソリハシシギ,ツ

ルシギ,タカブシギ,オバシギ,ハマシギ,セイタカシギ,ミツユビカモメ,ワシカモメ,シロカモメ,コアジサ

シ,ウミガラス,マダラウミスズメ,ウミスズメ,ミサゴ,オジロワシ,オオワシ,ハヤブサ,コシアカツバメ,

ユキホオジロ(49 種)

湖沼河川

クイナ,ヒクイナ,ヒシクイ,マガン,ハクガン,コクガン,ツクシガモ,オシドリ,オカヨシガモ,ハシビロガ

モ,トモエガモ,オオホシハジロ,アカエリカイツブリ,カンムリカイツブリ,ミミカイツブリ,ハジロカイツ

ブリ,コウノトリ,カワウ,サンカノゴイ,ヨシゴイ,ササゴイ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,クロサギ,カラ

シラサギ,イカルチドリ,シロチドリ,メダイチドリ,アオシギ,オオソリハシシギ,ツルシギ,タカブシギ,オ

バシギ,ハマシギ,セイタカシギ,タマシギ,ワシカモメ,シロカモメ,コアジサシ,ミサゴ,オジロワシ,オオ

ワシ,アカショウビン,ヤマセミ,オオセッカ,コジュリン(49種)

湿地

クイナ,ヒクイナ,コウノトリ,サンカノゴイ,ヨシゴイ,ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,

カラシラサギ,メダイチドリ,アオシギ,オオジシギ,オオソリハシシギ,ツルシギ,タカブシギ,オバシギ,ハ

マシギ,ヘラシギ,セイタカシギ,タマシギ,チュウヒ,ハイイロチュウヒ,サシバ,トラフズク,アリスイ,オ

オセッカ,シマアオジ,コジュリン,オオジュリン(31種)

草地裸地

コウノトリ,サンカノゴイ,ヨシゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,カラシラサギ,ヨタカ,ケリ,イカル

チドリ,シロチドリ,ヤマシギ,オオジシギ,コアジサシ,チュウヒ,ハイイロチュウヒ,ハイタカ,オオタカ,

サシバ,トラフズク,アリスイ,チョウゲンボウ,コチョウゲンボウ,チゴハヤブサ,ハヤブサ,アカモズ,ビン

ズイ,ベニヒワ,オオマシコ,シマアオジ,ノジコ,コジュリン,オオジュリン,ユキホオジロ(34 種)

森林

オシドリ,アオバト,ミゾゴイ,ササゴイ,アマサギ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,ヨタカ,ヤマシギ,ハチク

マ,オジロワシ,ツミ,ハイタカ,オオタカ,サシバ,クマタカ,コノハズク,アオバズク,トラフズク,アカショ

ウビン,ブッポウソウ,アリスイ,クマゲラ,チゴハヤブサ,サンショウクイ,サンコウチョウ,チゴモズ,アカ

モズ,オナガ,キレンジャク,ヒレンジャク,キバシリ,マミジロ,トラツグミ,コマドリ,コルリ,ルリビタキ,

コサメビタキ,カヤクグリ,ビンズイ,ベニヒワ,オオマシコ,イスカ,イカル,ノジコ(46 種)

出典:JAVIAN Database: a species-level database of life history, ecology and morphology of bird species in Japan.

Bird Research 7: R9-R12.

Page 71: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-29

(67)

(b) 海域に生息する動物

秋田県沿岸域に生息する動物は、「3.1 自然的状況 3.1.5 動植物の生息又は生育、植生及び

生態系の状況 (2)海域生物」に示すとおりである。

事業実施想定区域及びその周囲の海域においては、表 4.3-4 に示すとおり海棲哺乳類では 2

目 7科 12 種、海棲爬虫類では 1目 2科 4種、魚類では 17 目 28科 54 種(魚卵・稚仔魚を含む)、

底生動物では 2門 7科 11 種、海藻草類では 1綱 1科 1種の重要な種が確認されており、これら

は、事業による直接的な改変による影響を受ける可能性があると予測される。

表 4.3-4 海域生物の重要な種(1/2)

No. 目名 科名 種名 重要な種の選定基準

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦

海棲哺乳類

1 クジラ目 セミクジラ科 セミクジラ 国際 危急

2 コククジラ科 コククジラ 国際 危惧

3 ナガスクジラ科 ナガスクジラ 危急

4 ザトウクジラ 国際 希少

5 ネズミイルカ科 ネズミイルカ 希少

6 マイルカ科 ハセイルカ 希少

7 コビレゴンドウ 減少

8 シャチ 希少

9 アカボウクジラ科 ツチクジラ 減少

10 オウギハクジラ 希少

11

アカボウクジラ 希少

12 ネコ目 アシカ科 オットセイ 減少

計 2 目 7 科 12 種 0 種 3 種 0 種 0 種 0 種 0 種 12種

海棲爬虫類

1 カメ目 ウミガメ科 アオウミガメ

国際 VU

希少

2

タイマイ

国際 EN

希少

3

アカウミガメ

国際 EN

減傾

4

オサガメ科 オサガメ

国際

危惧

計 1 目 2 科 4 種 0 種 4 種 3 種 0 種 0 種 0 種 4 種

魚等の遊泳動物

1 ヌタウナギ目 ヌタウナギ科 キタクロヌタウナギ

NT

2 ヤツメウナギ目 ヤツメウナギ科 カワヤツメ VU EN

3 ネズミザメ目 ネズミザメ科 アオザメ

減傾

4 メジロザメ目 トラザメ科 ナヌカザメ

DD

5 ドチザメ科 ホシザメ

NT

6 メジロザメ科 イタチザメ

DD

7 ツノザメ目 ツノザメ科 アブラツノザメ

減傾

8 カスザメ目 カスザメ科 カスザメ

NT

9 ノコギリザメ目 ノコギリザメ科 ノコギリザメ

DD

10 エイ目 サカタザメ科 コモンサカタザメ

NT

11 ガンギエイ科 ドブカスべ

NT

12 ガンギエイ NT

13 コモンカスベ DD

14 トビエイ科 ナルトビエイ NT

15 ウナギ目 ウナギ科 ニホンウナギ EN DO

16 コイ目 コイ科 ジュウサンウグイ LP VU

17 ニギス目 ニギス科 ニギス

減傾

18 サケ目 シラウオ科 シラウオ

N

19 サケ科 サツキマス NT

20 サクラマス NT N

21 トゲウオ目 クダヤガラ科 クダヤガラ

NT

22 トゲウオ科 ニホンイトヨ LP CR

23 ダツ目 サヨリ科 クルメサヨリ NT DD

24 スズキ目 メバル科 タケノコメバル NT

25 エゾメバル 減少

26 ウスメバル 減少

27 キツネメバル 減少

28 ホウボウ科 カナガシラ 減少

29 ハタハタ科 ハタハタ 減少

30 トクビレ科 トクビレ DD

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4-30

(68)

表 4.3-4 海域生物の重要な種(2/2)

注) 重要な種の選定基準は、表 3.1-56 の「No.」と「略号」を記載

No. 目名

(門名・綱名) 科名 種名

重要な種の選定基準

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦

31 スズキ目 ダンゴウオ科 ホテイウオ DD

32 ハゼ科 アカハゼ NT

33 コモチジャコ NT

34 ヒモハゼ NT NT

35 ビリンゴ NT

36 シマウキゴリ DD

37 スミウキゴリ LP NT

38 チクゼンハゼ VU NT

39 シロウオ VU NT 減傾

40 ミミズハゼ NT

41 アカウオ NT

42 シラヌイハゼ NT

43 チチブ DO

44 カレイ目 カレイ科 ソウハチ 減少

45 オヒョウ 減少

46 ババガレイ 減少

47 ナガレメイタガレイ DD

48 ヤナギムシガレイ 減少

49 ヤナギ厶シガレイ 減少

50 マツカワ DD 減少

51 ホシガレイ NT

52 フグ目 フグ科 カラス EN

53 ムシフグ 希少

54 マフグ NT

計 17 目 28 科 54 種 0 種 0 種 12 種 15 種 22 種 1 種 16 種

魚卵

1 スズキ目 ハタハタ科 ハタハタ 減少

計 1 目 1 科 1 種 0 種 0 種 0 種 0 種 0 種 0 種 1 種

稚仔魚

1 ニギス目 ニギス科 ニギス 減傾

2 スズキ目 ハタハタ科 ハタハタ 減少

3 ダンゴウオ科 ホテイウオ DD DD

4 カレイ目 カレイ科 ヤナギムシガレイ 減少

計 3 目 4 科 4 種 0 種 0 種 0 種 1 種 1 種 0 種 3 種

底生動物

1 軟体動物門 マクラガイ科 マクラガイ NT

2 タケノコガイ科 イワカワトクサ VU

3 キヌタレガイ科 アサヒキヌタレガイ VU

4 キヌタレガイ NT

5 イタボガキ科 イワガキ 減傾

6 ニッコウガイ科 オオモモノハナガイ NT

7 モモノハナガイ NT

8 サクラガイ NT

9 ウズザクラ NT

10 節足動物門 クルマエビ科 シバエビ 減傾

11 イワガニ科 モクズガニ 減傾

計 2 門 7 科 11 種 0 種 0 種 8 種 0 種 0 種 0 種 3 種

海藻

草類

1 単子葉類綱 アマモ科 アマモ EN

計 1 綱 1 科 1 種 0 種 0 種 0 種 1 種 0 種 0 種 0 種

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4-31

(69)

予測 (2)

「計画段階配慮手続に係る技術ガイド」(環境省計画段階配慮技術手法に関する検討会、平成 25

年)において、動物・植物の重大な環境影響の選定の考え方として、「重要な生息・生育環境の改変」、

「長大構造物による生息場所や生態系ネットワークの分断、断片化」、「生物が特別な利用をする

地域での障害(渡りルート等)」及び「河川、海域の流砂系の改変」が挙げられている。現段階では

事業・工事計画の検討中であり、現地調査も実施していないため、生息環境の改変の状況を算出し

た。

1) 予測手法

(a) 空域における影響

空域における鳥類等への影響としては、風力発電機の存在・稼働による移動経路の阻害及び

プレード・タワーへの接触が考えられる。

事業実施想定区域における各種の生息環境の有無を踏まえ、施設の存在・稼働における影響

について予測した。

(b) 海域における影響

海域に生息する動物への影響としては、風力発電機の基礎構造部による生息地の改変が考え

られるが、現時点では風力発電機のサイズ及び設置基数は検討中であり、配置される水深及び

海底地質等も不明であるため、事業実施想定区域における改変区域の面積を表 4.3-5 の考え方

に基づいて算出するものとした。

なお、風力発電機の設置基数は想定される最大の 105 基とし、基礎構造についてはモノパイ

ル式、重力式、ジャケット式の 3方式を用いることとした。計算に用いた基礎工の改変面積は、

「洋上風力発電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会 報告書 -資料編-」

(洋上風力発電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会、平成 29年)における

根固め・洗掘防止工の占有面積より、モノパイル式は 1,600 ㎡/基、重力式は 7,900 ㎡/基、ジ

ャケット式は 1,200㎡/基に設定した。

表 4.3-5 基礎形式別の工事の概要

基礎形式 モノパイル式 重力式 ジャケット式

イメージ図

海底の整地・

浚渫等

事前の整地はほとんど必要

ない。

事前に整地や浚渫が必要な

場合がある。

場合によっては、基礎捨石投

入等を行う。

ジャケットの基礎周辺の事

前の整地が必要である。

場合によっては、基礎捨石投

入等を行う。

根固め・洗掘防

止工の実施

根固め・洗掘防止工の占有面

積は1,600m2/基

根固め・洗掘防止工の占有面

積は7,900m2/基

根固め・洗掘防止工の占有面

積は1,200m2/基 出典:「洋上風力発電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会 報告書 -資料編-」(平成 29 年、洋上風力発

電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会)

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4-32

(70)

2) 予測結果

(a) 空域における影響

予測の結果、表 4.3-3 に示す鳥類の重要な種のうち、海岸・海域を主な生息環境とする 49 種

が、施設の存在・稼働に伴う影響を受ける可能性がある。

また、渡りの時期には、海岸・海域以外を主な生息環境とする種も、事業実施想定区域の上

空を飛翔する場合があり、施設の存在・稼働に伴う影響を受ける可能性がある。

(b) 海域における影響

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生息する動物については、風力発電機の基礎構造部

による生息地の改変に伴う影響が考えられる。

風力発電機の存在に伴う改変面積は表 4.3-6 に示すとおりであり、モノパイル式の基礎で 16

8,000 ㎡、重力式の基礎で 829,500 ㎡、ジャケット式の基礎で 126,000 ㎡と予測された。

表 4.3-6 海域における改変面積の予測結果

基礎工 設置基数 改変面積/基 総改変面積 備考

モノパイル式 105 基 1,600 ㎡ 168,000 ㎡ 1 本の基礎杭で支持するため、1本あたりの直径が

最大となる。根固め・洗掘防止工。

重力式 105 基 7,900 ㎡ 829,500 ㎡ 基礎の質量によって支持するため、基礎工の海底接

地面積が最大となる。

ジャケット式 105 基 1,200 ㎡ 126,000 ㎡

複数本の杭を打ち込んで構築するため、基礎杭間の

空間に対する評価次第では、計算上の改変面積が増

大する。

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4-33

(71)

評価 (3)

1) 評価手法

(a) 空域における影響

予測結果をもとに、事業実施想定区域上空を飛翔する鳥類等への重大な影響について検討し

た。

(b) 海域における影響

予測結果をもとに、事業実施想定区域及びその周囲の海域に生息する動物への重大な影響に

ついて検討した。

2) 評価結果

(a) 空域における影響

予測の結果、海岸・海域を主な生息環境とする鳥類の重要な種が、施設の存在・稼働に伴う

移動経路の阻害及びブレード・タワーへの接触による影響を受ける可能性がある。また、渡り

の時期には、海岸・海域以外を主な生息環境とする種であっても、同様の影響を受ける可能性

がある。

ただし、これらの環境影響については、次項の「③方法書以降の手続きにおいて留意する事

項」を行うことにより、重大な環境影響を回避又は低減することができる可能性があると評価

する。

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4-34

(72)

(b) 海域における影響

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生息する動物については、風力発電機の基礎構造部

による生息地の改変等が考えられる。

予測結果によると、風力発電機の存在に伴う海底の改変面積は、モノパイル式で 168,000 ㎡、

重力式で 829,500 ㎡、ジャケット式で 126,000 ㎡となった。重力式の改変面積が最も大きく、

事業実施想定区域の海域に生息する重要な動物が影響を受ける可能性があると評価する。

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生息する動物の重要な種のうち、海棲哺乳類 12 種に

ついては、基礎構造部による直接的な生息環境の改変は想定されない。ただし、ネズミイルカ

など一部の種については、回遊等により付近を通過する可能性があることから、施設の存在に

伴い、回遊経路に影響が生じる可能性がある。

また、文献調査によると、事業実施想定区域の周囲において、アカウミガメ等の海棲爬虫類 4

種が確認されているが、産卵地の北限より北側に位置し、上陸・産卵に関する情報もないこと

から、影響は小さいものと考えられる。

魚等の遊泳動物及び潮間帯・底生動物の重要な種は、多くが砂泥底を主な生息環境とするこ

とから、生息環境の一部が変化する可能性がある。また、河口付近の浅場の砂泥底は、幼稚魚

の育成場としての機能を有していることから、これらの環境の一部が変化する可能性がある。

しかし、魚等の遊泳動物については移動能力が高いこと、潮間帯・底生動物についても周囲に

広がる砂泥海域を利用できる可能性が高いことから、重大な影響を回避または低減できる可能

性が高いものと考えられる。

ただし、これらの環境影響については、次項の「③方法書以降の手続きにおいて留意する事

項」を行うことにより、重大な環境影響を回避又は低減することができる可能性があると評価

する。

3) 方法書以降の手続きにおいて留意する事項

現段階ではまだ事業計画が検討中であり、現地調査も実施していないため、予測及び評価が

簡易的で不確実性を伴うものとなっている。

方法書以降の手続きにおいては、地元における鳥類、魚類、海棲哺乳類等の専門家へのヒア

リングを適宜行いながら現地調査を実施し、事業実施想定区域及びその周囲に生息する動物の

状況(渡り鳥の移動経路を含む)を適切に把握する。

また、工事中における水の濁りや水中音による影響、既設の風力発電機・計画中の風力発電

機との複合的・累積的影響についても考慮しながら調査、予測及び評価を行い、必要に応じて

事業者が実行可能な範囲で環境保全措置の検討を行う。

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4-35

(73)

植物 4.3.4

調査 (1)

1) 調査手法

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生育する植物の状況について、既存資料調査により

整理した。

2) 調査結果

秋田県沿岸に生育する植物は、「3.1 自然的状況 3.1.5 動植物の生息又は生育、植生及び生

態系の状況 (2)海域生物」に示すとおりである。

事業実施想定区域及びその周囲では、重要な種としてアマモの 1 綱 1 科 1 種が記録されてい

るが、男鹿半島の生鼻崎付近での記録であり、事業実施想定区域及びその周囲における記録は

ない。

予測 (2)

「計画段階配慮手続に係る技術ガイド」(環境省計画段階配慮技術手法に関する検討会、平成 25

年)において、動物・植物の重大な環境影響の選定の考え方として、「重要な生息・生育環境の改変」、

「長大構造物による生息場所や生態系ネットワークの分断、断片化」、「生物が特別な利用をする

地域での障害(渡りルート等)」及び「河川、海域の流砂系の改変」が挙げられている。現段階では

事業・工事計画の検討中であり、現地調査も実施していないため、生息環境の改変の状況を算出し

た。

1) 予測手法

海域に生育する植物への影響としては、風力発電機の基礎構造部による生育地の改変が考え

られるが、現時点では風力発電機のサイズ及び設置基数は検討中であり、配置される水深及び

海底地質等も不明であるため、事業実施想定区域における改変区域の面積を表 4.3-5 の考え方

に基づいて算出するものとした。

なお、風力発電機の設置基数は想定される最大の 105 基とし、基礎構造についてはモノパイ

ル式、重力式、ジャケット式の 3方式を用いることとした。計算に用いた基礎工の改変面積は、

「洋上風力発電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会 報告書 -資料編-」

(洋上風力発電所等に係る環境影響評価の基本的な考え方に関する検討会、平成 29年)における

根固め・洗掘防止工の占有面積より、モノパイル式は 1,600 ㎡/基、重力式は 7,900 ㎡/基、ジ

ャケット式は 1,200㎡/基に設定した。

2) 予測結果

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生育する植物については、風力発電機の基礎構造部

による生育地の改変等に伴う影響が考えられる。

風力発電機の存在に伴う改変区域の面積比率は表 4.3-6 に示すとおりであり、モノパイル式

の基礎で 168,000 ㎡、重力式の基礎で 829,500 ㎡、ジャケット式の基礎で 126,000 ㎡と予測さ

れた。

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4-36

(74)

評価 (3)

1) 評価手法

予測結果を基に、事業実施想定区域及びその周囲の海域に生育する植物への重大な影響につ

いて検討した。

2) 評価結果

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生育する植物については、風力発電機の基礎構造部

による生育地の改変等に伴う影響が考えられる。

予測結果によると、風力発電機の存在に伴う海底の改変面積は、モノパイル式の基礎で 168,

000 ㎡、重力式の基礎で 829,500 ㎡、ジャケット式の基礎で 126,000 ㎡となった。重力式の改変

面積が最も大きく、事業実施想定区域の海域に生育する重要な植物が影響を受ける可能性があ

る。ただし、文献調査により確認された重要な種(アマモの 1 種)については、男鹿半島の生鼻

崎付近での記録であり、事業実施想定区域及びその周囲における記録はないことから、影響は

小さいものと評価する。

3) 方法書以降の手続きにおいて留意する事項

現段階ではまだ事業計画が検討中であり、現地調査も実施していないため、予測及び評価が

簡易的で不確実性を伴うものとなっている。

方法書以降の手続きにおいては、地元における海藻草類の専門家へのヒアリングを適宜行い

ながら現地調査を実施し、事業実施想定区域及びその周囲に生育する植物の状況を適切に把握

する。

また、工事中における水の濁りによる影響等についても調査、予測及び評価を行い、必要に

応じて事業者が実行可能な範囲で環境保全措置の検討を行う。

Page 79: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-37

(75)

景観 4.3.5

調査 (1)

1) 調査手法

事業実施想定区域及びその周囲における主要な眺望点及び主要な景観資源の状況について、

既存資料調査により整理した。

調査対象範囲は、熟視角(対象をはっきりと見ることのできる視野角)を 1 度とし、現在計画

中の風力発電機の高さ(最大 260m)より、垂直見込角が 1 度以上になる範囲(14.9km)を算出し、

調査対象範囲とした。垂直見込角の考え方は、図 4.3-7 に示すとおりである。

2) 調査結果

事業実施想定区域及びその周囲における主要な景観資源は表 4.3-7 及び図 4.3-8 に、主要な

眺望点は表 4.3-8 及び図 4.3-9 に示すとおりである。

図 4.3-7 垂直見込角の考え方

260m

14.9km

水面

海底面

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4-38

(76)

表 4.3-7 景観資源(1/4)

No. 項目 名称 市町村

1 火山景観 象潟泥流堆積物 由利本荘市

2 仁賀保高原 にかほ市

3 鳥海山 にかほ市

4 溶岩流 にかほ市

5 陸景 特殊地学景観 岩脈 由利本荘市

6 河川景観 亀田不動滝 由利本荘市

7 厳谷滝 由利本荘市

8 三界滝 由利本荘市

9 三十三尋滝 由利本荘市

10 三段滝 由利本荘市

11 子吉川流域河岸段丘 由利本荘市

14 赤田大滝 由利本荘市

15 岩見川右岸段丘 秋田市

16 岩見川流域河岸段丘 秋田市

17 不動滝 秋田市

18 雄物川 秋田市

19 天然記念物 カスミ桜 由利本荘市

21 高尾神社里宮の大杉 秋田市

22 川口のいちょう 秋田市

23 白幡の森 秋田市

24 八田の親杉 秋田市

25 イチイ(オンコ) にかほ市

26 タブノキ にかほ市

27 ツツジ(陽山寺) にかほ市

28 ツバキ・ブナの混生群落 にかほ市

29 金浦のタブ林 にかほ市

30 金浦のマルバグミ にかほ市

31 象潟 にかほ市

32 前川のタブノキ にかほ市

33 白椿 にかほ市

34 夫婦スギ にかほ市

35 福寿草(大竹) にかほ市

36 福寿草の群落(長岡) にかほ市

37 樹木 西目高校付近の国道7号松並木 由利本荘市

38 椿台 桜並木 秋田市

40 名勝 おくのほそ道の風景地(汐越) にかほ市

41 おくのほそ道の風景地(象潟) にかほ市

43 建造物 ありさか洋装店 由利本荘市

44 カダーレ 由利本荘市

45 ヤマキチ味噌醤油醸造元 由利本荘市

46 永泉寺山門 由利本荘市

47 亀田城東門 由利本荘市

48 旧鮎川小学校屋内運動場 由利本荘市

49 旧加藤医院 由利本荘市

50 旧早川医院 由利本荘市

51 旧大倉沢報徳館 由利本荘市

52 佐々木家住宅主屋 由利本荘市

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4-39

(77)

表 4.3-7 景観資源(2/4)

No. 項目 名称 市町村

53 建造物 佐々木利三郎家住宅主屋 由利本荘市

54 斎彌酒造店住宅・店舗 由利本荘市

55 松ヶ崎八幡神社本殿 由利本荘市

56 新山を背景に子吉川に架かる由利橋 由利本荘市

57 森子大物忌神社本殿 由利本荘市

58 神明社本殿 由利本荘市

59 長谷寺大仏殿 由利本荘市

60 ひろ建築工房事務所兼主屋及び土蔵

(旧高彦製麺所店舗兼主屋及び土蔵) 秋田市

61 旧金子家住宅 秋田市

62 旧黒澤家住宅 秋田市

63 旧秋田銀行本店本館 秋田市

64 旧松倉家住宅 秋田市

65 旧大島商会店舗 秋田市

68 秋田県ゆとり生活創造センター昭和館

(旧佐藤家住宅)主屋 秋田市

69 秋田公立美術工芸短期大学 実習棟一号棟 秋田市

70 秋田市立新屋図書館倉庫棟 秋田市

72 新政酒造吟醸蔵 秋田市

73 森九商店主屋 秋田市

74 石造り五重塔 秋田市

75 那波紙店店舗兼主屋 秋田市

76 日吉八幡神社 秋田市

77 里の家(旧大宮家住宅)主屋 秋田市

78 國萬歳酒造主屋 秋田市

80 旧佐々木家住宅 にかほ市

81 旧松野医院 にかほ市

83 七高神社「三社殿」 にかほ市

84 象潟公会堂 にかほ市

85 上郷の温水路群 にかほ市

86 袖掛地蔵堂 にかほ市

87 池田五郎兵衛屋敷門扉 にかほ市

88 飛良泉醸造元 にかほ市

89 陽山寺山門 にかほ市

90 蚶満寺山門 にかほ市

91 史跡 横山遺跡 由利本荘市

92 亀田藩主岩城家墓所 由利本荘市

93 鳥海山(森子大物忌神社境内) 由利本荘市

94 街道の松 秋田市

95 栗田神社 秋田市

96 全良寺官修墓地 秋田市

97 総墓 秋田市

98 地蔵田遺跡 秋田市

99 豊島館跡 秋田市

100 露月山廬書斎 秋田市

101 安倍舘跡 にかほ市

102 沖の島方角石 にかほ市

103 下岩の沢遺跡 にかほ市

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4-40

(78)

表 4.3-7 景観資源(3/4)

No. 項目 名称 市町村

104 史跡 海難者供養塔(地蔵様) にかほ市

105 九十九島の碑 にかほ市

106 栗山舘 にかほ市

107 建武碑(画書面) にかほ市

108 建武碑(上町) にかほ市

109 古堂沢の道標 にかほ市

110 五輪の塔 にかほ市

111 高寺の鍔田神社 にかほ市

112 高寺遺跡 にかほ市

113 細久保遺跡 にかほ市

114 山根館跡 にかほ市

115 舟つなぎ石 にかほ市

116 春日山碑 にかほ市

117 神田の道標 にかほ市

118 水岡のお経塚 にかほ市

119 石畑の道標 にかほ市

120 岱山遺跡 にかほ市

121 待居舘跡 にかほ市

122 土豪の石仏 にかほ市

123 唐戸石 にかほ市

124 堂庭七高神社跡 にかほ市

125 南野の道標 にかほ市

126 波切不動尊碑 にかほ市

127 芭蕉句碑(蚶満寺) にかほ市

128 白瀬矗の墓 にかほ市

129 方角石(画書面) にかほ市

130 方角石(三森) にかほ市

131 由利海岸波除石垣 にかほ市

132 梵字石 にかほ市

133 町並み 亀田の街なみ 由利本荘市

134 城下町を考慮したまちなみと建築 由利本荘市

135 豊饒の海(稔りの秋と由利高原鉄道) 由利本荘市

136 自然眺望 鏡面に映る霊峰鳥海(大谷地池) 由利本荘市

137 高尾山からの眺め 秋田市

138 ジオサイト 亀田不動滝 由利本荘市

139 宮沢林道の大しゅう曲露頭 由利本荘市

140 新山公園 由利本荘市

142 赤田大滝 由利本荘市

143 九十九島 にかほ市

144 象潟岩なだれ堆積物と埋もれ木 にかほ市

145 冬師湿原 にかほ市

146 自然サイト 北限域のタブノキ群落 由利本荘市

146 北限域のタブノキ群落 にかほ市

148 文化サイト おいしい酒蔵群(㈱斎彌酒造店) 由利本荘市

149 おいしい酒蔵群(秋田誉酒造㈱) 由利本荘市

150 森子大物忌神社 由利本荘市

151 由利原高原 由利本荘市

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4-41

(79)

表 4.3-7 景観資源(4/4)

No. 項目 名称 市町村

152 文化サイト 由利原油ガス田 由利本荘市

153 おいしい酒蔵群(㈱飛良泉本舗) にかほ市

154 院内油田跡地 にかほ市

155 上郷の温水路群 にかほ市

156 唐戸石 にかほ市

157 由利海岸波除石垣 にかほ市

158 ビューポイント 浜館公園 由利本荘市

159 高森眺望台 にかほ市

出典:「第 3 回自然環境保全基礎調査 秋田県、秋田県自然環境情報図」(環境庁、平成元年)

「国土数値情報 都道府県指定文化財(平成 26 年度)」(国土交通省ホームページ

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「国土数値情報 観光資源(平成 26年度)」(国土交通省ホームページ

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「国土数値情報 地域資源(平成 24年度)」(国土交通省ホームページ

http://nlftp.mlit.go.jp/ksj/index.html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「県内の国・県指定文化財等」(秋田県ホームページ

https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/21978 2019 年 12月 17 日閲覧)

「能代市所在指定文化財等一覧表」(能代市ホームページ

https://www.city.noshiro.akita.jp/g.html?seq=92 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「三種町内各指定文化財種別一覧」(三種町 令和元年 4 月 1日現在 令和元年 12月 2 日確認)

「男鹿市指定文化財一覧」(男鹿市ホームページ

http://www.city.oga.akita.jp/index.cfm/14,0,52,html 2019 年 12 月 17 日閲覧)

「秋田県景観データベース」(秋田県ホームページ

https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/10135 2019 年 12月 17 日閲覧)

「男鹿半島・大潟ジオパーク」(男鹿半島・大潟ジオパーク推進協議会ホームページ

http://www.oga-ogata-geo.jp/ 2019 年 12 月 17日閲覧)

Page 84: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-42

(80)

図 4.3-8 景観資源

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4-43

(81)

表 4.3-8 主要な眺望点(1/3)

No. 項目 名称 概要 出典

1 展望台 浜館公園展望台 約 1,000本の桜の名所で雄大な日本海や鳥海山

の展望が楽しめ、特に観音様が立つ展望台からの

眺望は最高。

1、2、3、

5

2 望海の丘 眼下には田園が広がり、その向こうの日本海まで

望むことができる自然公園。

1、2、3

3 三望苑 日本海、鳥海山、子吉川の眺めのよさから三望苑

と名付けられた。サイトは広く開放的で、夏から

秋にかけては、バーベキューなどを楽しむことが

できる。

1、2、3

4 天鷺城天守閣 日本海、鳥海山、子吉川の眺めのよさから三望苑

と名付けられた。サイトは広く開放的で、夏から

秋にかけては、バーベキューなどを楽しむことが

できる。

1、2、3

5 南由利原高原第一展望台 南方に鳥海山をはじめ、雄大な風景をまるごと体

感することができる。

1

6 大森山公園展望台 公園の最高地(標高 123.49m)にあり、日本海や市

街地が一望できるほか、北に男鹿半島、南に鳥海

山が望める。展望台には、「山と海の群像(乙女

の像)」、展望台の横に電波塔が立っている。

1

7 高森眺望台 標高約 230m に位置する眺望台。ここから西を望

むと、象潟から仁賀保に至る平野と海岸線、日本

海を一望することができる。

5

8 キャンプ場 本荘マリーナオートキャンプ場 夏場は本荘マリーナ海水浴場が隣接。 広い砂浜

と遊泳区域をもつ県内有数の海水浴場。

1、2、3

9 望海の丘キャンプ場 県民レクリエーション地域として、また生活環境

保全林として整備され、総面積 47 ヘクタールの

広大な園内には、管理棟などの施設や総延長 6キ

ロメートルにも及ぶ遊歩道が設けられ、さわやか

な自然を満喫できる。

2

10 飛のくずれキャンプ場 通年営業。テントサイト、水飲み場、トイレあり。 2

11 象潟海水浴場キャンプ場 キャンプ場前の象潟海岸は「日本の夕日百選」や

「快水浴場百選」に選定されている。

1

12 海水浴場 本荘マリーナ海水浴場 県内屈指のロングビーチ。海から雄大な鳥海山が

見られる。

1、3

13 西目海水浴場 コンパクトで、ファミリー向けの海水浴場。開設

期間以外も、サーフィンやジェットスキーなどの

マリンスポーツが盛ん。

1、3

14 道川海水浴場 道川海水浴場は夏になると花火大会が開催され、

付近にはオートキャンプ場や道の駅もあり、秋田

市にもアクセスが良い。

1、3

15 桂浜海水浴場 県内外から多くの人が訪れる人気の海水浴場。水

の透明度も高く、1kmにわたる海岸線にはハマ

ナスが咲き乱れている。サーフィンやボディーボ

ードなどのマリンスポーツも楽しむことができ

る。

1、4

16 下浜海水浴場 毎年、多くの家族連れで賑わう砂浜の海水浴場。

「海の家」があり、ゆっくりくつろげる。

1、4

出典:1.「全国観るなび」(公益社団法人日本観光振興協会ホームページ

http://www.nihon-kankou.or.jp/ 2019 年 12 月 17 日閲覧)

2.「秋田県観光総合ガイドあきたファン・ドッと・コム」(一般社団法人 秋田県観光連盟ホームページ

https://www.akitafan.com/ 2019 年 12月 17日閲覧)

3.「由利本荘市観光協会公式サイト由利本荘市物語」(由利本荘市観光協会ホームページ

https://www.city.yurihonjo.lg.jp/kanko/2230 2019 年 12月 17日閲覧)

4.「秋田市観光・イベント情報総合サイトアキタッチ+」(秋田市ホームページ

https://www.akita-yulala.jp/ 2019 年 12月 17日閲覧)

5.「鳥海山・飛島ジオパーク」(鳥海山・飛島ジオパーク 推進協議会事務局ホームページ

https://chokaitobishima.com/ 2019 年 12 月 17日閲覧)

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4-44

(82)

表 4.3-8 主要な眺望点(2/3)

No. 項目 名称 概要 出典

17 海水浴場 平沢海水浴場 期間中は海の家を開設し、遊具を備えた芝生広場

も隣接しているので、ファミリー向けに最適。

1

18 赤石浜海水浴場 JR 金浦駅より車で 5分の場所に位置しており、

温水シャワーも完備している。

1

19 象潟海水浴場 遠浅の砂浜で波が穏やか。ビーチセンター、階段

護岸等整備され利用しやすくなっている。また、

隣接してキャンプ場も整備されているため、親子

連れやグループに最適な海水浴場。

1

20 海岸資源 飛のくずれ 磯浜。海岸沿にキャンプ場があり磯釣りに最適。 1

21 由利海岸波除石垣 海岸線を守り農地の快懐や塩害を防ぐために江

戸時代に築かれたもの。石垣は、芹田から金浦の

飛までの海岸線に点在する小岡が石堤のように

結ばれている。全国的にも貴重な産業遺跡。(国

指定史跡)2006 年(平成18年)2月、農林水産省で

「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」

として選定。

2

22 マリーナ 本荘マリーナ 本荘マリーナは由利本荘市の海岸で夏は海水浴、

普段は漁港として運営されている。

1

23 公園 高城山城趾公園 豪族天鷺氏の城跡(天鷺城)。現在、ワイン研究施

設がある。

1、2

24 新山公園 子吉川河口付近北側に位置する自然公園内の、標

高100から140メートルの間に、樹齢40か

ら70年位の染井吉野と山桜が混在するため、長

く開花が楽しめる。また、天候のよい日は、五峯

山・権太郎山など眺望の開けた場所から日本海・

子吉川・鳥海山や本荘市街地が見渡せる絶好のビ

ューポイントにもなっている。

1、2、3、

5

25 島式漁港公園 ワイン型の島式漁港と日本海に沈む夕日が、ロマ

ンを感じさせる。

1

26 新鶴潟公園 園路やゴルフのコース沿いに、染井吉野が植栽さ

れており、鶴潟沼の周囲には、八重桜や紅山桜が

群生している。

2、3

27 友水公園 河川敷に広がる緑地公園。釣り等が楽しめる。 1

28 大森山公園 動物園、遊園地が子どもたちに大人気で、家族連

れでにぎわっている。市街地や日本海、男鹿半島、

鳥海山が見渡せる展望台、グリーン広場はピクニ

ックに最適。

1

29 一つ森公園 日本庭園、ロックガーデンなど静的レクリエーシ

ョン施設とコミュニティ体育館、ジョギングコー

スなど動的レクリエーション施設が共存した、市

民の休息・鑑賞・散策・遊戯運動等総合的に利用

することができる総合公園。

1

30 浜田森林総合公園 展望台や散策道、テニスコートがあり、梅林園で

は杏や桃、梅が春を彩る。

5

出典:1.「全国観るなび」(公益社団法人日本観光振興協会ホームページ

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4-45

(83)

表 4.3-8 主要な眺望点(3/3)

No. 項目 名称 概要 出典

31 公園 勢至公園 約 28ha の園内に、1,000本のソメイヨシノが咲

き誇る県内で最も早く咲く桜の名所。残雪の鳥海

山を背景に、観音潟や竹嶋潟の湖面に桜が映える

光景は絶景である。見頃は4月中~下旬。

2

32 薫風苑 黒潟の水面を眺めながら芝生の上でレクリエー

ション、グランドゴルフなどが楽しめる。春には

200 本の桜並木が花を咲かせ、水辺の鳥を観察し

ながらゆとりの散策が楽しめる。

1

33 山岳 高城山 豪族天鷺氏の城跡(天鷺城)。現在、ワイン研究施

設がある。

1、2

34 高尾山 眼下には、田園と蛇行する雄物川を望み、その美

しさは訪れた人の目を楽しませてくれる。標高は

383m で、山頂区域まで車で登れる。

2

35 その他 仁賀保高原 日本海と鳥海山を一望できる広大な草原。休憩施

設(ひばり荘)、採草地、キャンプ場、遊具広場、

釣桟橋などの施設と大小の湖沼が点在する保養

地。近くにはジャージー牛乳製品などを販売する

「土田牧場」もある。

2

36 子吉川をさかのぼり

水と親しむみち

周辺に生息している小動物や植物を観察するこ

とができる自然歩道。

1

37 道の駅「岩城」

岩城アイランドパーク

道の駅を始めとして、多目的交流ターミナル「ケ

ベック」や岩城温泉「港の湯」がある。

また隣接するオートキャンプ場やコテージもあ

り、日本海に沈む夕日を見ることができる。

1、3

出典:1.「全国観るなび」(公益社団法人日本観光振興協会ホームページ

http://www.nihon-kankou.or.jp/ 2019 年 12 月 17 日閲覧)

2.「秋田県観光総合ガイドあきたファン・ドッと・コム」(一般社団法人 秋田県観光連盟ホームページ

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5.「鳥海山・飛島ジオパーク」(鳥海山・飛島ジオパーク 推進協議会事務局ホームページ

https://chokaitobishima.com/ 2019 年 12 月 17日閲覧)

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4-46

(84)

図 4.3-9 主要な眺望点

Page 89: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-47

(85)

予測 (2)

1) 予測手法

(a) 主要な眺望点及び主要な景観資源への影響

施設の存在に伴う主要な眺望点及び主要な景観資源への影響について、事業実施想定区域と

の位置関係より直接改変の有無を整理した。

(b) 主要な眺望景観への影響

主要な眺望点から風力発電機を見た際の最大垂直見込角(図 4.3-7 参照)を算出した。風力発

電機の最大高さは、現段階で想定している最大規模である 12,000kW 風力発電機の 260m とし、

これらの風力発電機が、各眺望点から風力発電機設置区域の最短距離に設置された場合の垂直

見込角を最大垂直見込角とした。

2) 予測結果

(a) 主要な眺望点及び主要な景観資源への影響

主要な眺望点及び景観資源の直接改変の有無について予測を行った。予測の結果、主要な眺

望点及び景観資源については、いずれも風力発電機設置区域内に含まれておらず、直接的な改

変は生じない。

(b) 主要な眺望景観への影響

主要な眺望点から風力発電機を見た際の垂直見込角は、表 4.3-9 に示すとおりである。

主要な眺望点から風力発電機を見た際の垂直見込角が最も大きいものは、風力発電機設置区

域に最も近い西目海水浴場で 14.5 度、次いで大きいものは道川海水浴場で 14.4 度、本荘マリ

ーナ海水浴場で 14.1度と予測された。

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4-48

(86)

表 4.3-9 主要な眺望点における垂直見込角(1/3)

No. 項目 名称 離隔距離

(km)

垂直見込角

(度) 備考

1 展望台 浜館公園展望台 1.5 10.0 展望台の頂上からは風力発電機

方向を見下ろす様に見えること

が想定される。

2 望海の丘 3.5 4.3 展望台の頂上からは風力発電機

方向を見下ろす様に見えること

が想定される。

3 三望苑 3.1 4.8 展望台の頂上からは風力発電機

方向を見下ろす様に見えること

が想定される。

4 天鷺城天守閣 4.6 3.2 展望台の頂上からは風力発電機

方向を見下ろす様に見えること

が想定される。

5 南由利原高原第一展望台 11.1 1.3 展望台の頂上からは風力発電機

方向を見下ろす様に見えること

が想定される。

6 大森山公園展望台 7.9 1.9 展望台の頂上からは風力発電機

方向を見下ろす様に見えること

が想定される。

7 高森眺望台 5.0 3.0 展望台の頂上からは風力発電機

方向を見下ろす様に見えること

が想定される。

8 キャンプ場 本荘マリーナオートキャンプ場 1.4 10.3 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

9 望海の丘キャンプ場 3.5 4.3 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

10 飛のくずれキャンプ場 7.1 2.1 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

11 象潟海水浴場キャンプ場 13.9 1.1 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

12 海水浴場 本荘マリーナ海水浴場 1.0 14.1 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

13 西目海水浴場 1.0 14.5 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

14 道川海水浴場 1.0 14.4 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

15 桂浜海水浴場 6.1 2.5 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

16 下浜海水浴場 2.7 5.4 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

17 平沢海水浴場 2.5 5.9 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

Page 91: 要約書Title 要約書 Author 中部電力株式会社 Created Date 5/28/2020 10:23:18 PM

4-49

(87)

表 4.3-9 主要な眺望点における垂直見込角(2/3)

No. 項目 名称 離隔距離

(km)

垂直見込角

(度) 備考

18 海水浴場 赤石浜海水浴場 9.2 1.6 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

19 象潟海水浴場 13.7 1.1 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

20 飛のくずれ 7.2 2.1 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

21 由利海岸波除石垣 6.7 2.2 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

22 マリーナ 本荘マリーナ 1.3 11.7 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

23 公園 高城山城趾公園 5.0 3.0 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

24 新山公園 3.1 4.7 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

25 島式漁港公園 1.2 12.3 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

26 新鶴潟公園 1.7 8.8 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

27 友水公園 2.9 5.2 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

28 大森山公園 7.9 1.9 実際は、風力発電機方向を見下ろ

す様に見えることが想定される。

29 一つ森公園 13.8 1.1 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

30 浜田森林総合公園 7.1 2.1 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

31 勢至公園 7.3 2.0 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

32 薫風苑 4.7 3.2 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

33 山岳 高城山 5.0 3.0 頂上からは風力発電機方向を見

下ろす様に見えることが想定さ

れる。

34 高尾山 12.5 1.2 頂上からは風力発電機方向を見

下ろす様に見えることが想定さ

れる。

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4-50

(88)

表 4.3-9 主要な眺望点における垂直見込角(3/3)

No. 項目 名称 離隔距離

(km)

垂直見込角

(度) 備考

35 その他 仁賀保高原 10.5 1.4 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

36 子吉川をさかのぼり水と親しむみち 4.2 3.5 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

37 道の駅「岩城」

岩城アイランドパーク

1.2 12.3 実際は、海岸からの離隔をとって

風力発電機を設置するため、垂直

見込角は小さくなる見込み。

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4-51

(89)

評価 (3)

1) 評価手法

(a) 主要な眺望点及び主要な景観資源への影響

予測結果を基に、主要な眺望点及び主要な景観資源への重大な影響が事業者の実行可能な範

囲で回避又は低減されているかどうか検討した。

(b) 主要な眺望景観への影響

予測結果を基に、主要な眺望景観への重大な影響が事業者の実行可能な範囲で回避又は低減

されているかどうか検討した。垂直見込角の評価は、表 4.3-10 に示す鉄塔の見え方を参考に行

った。

表 4.3-10 垂直見込角と鉄塔の見え方の知見

垂直見込角 鉄塔の見え方の知見

0.5° 輪郭がやっとわかる。季節と時間(夏の午後)の条件は悪く、ガスのせいもある。

1.0° 十分見えるけれど、景観的にはほとんど気にならない。ガスがかかって見えにくい。

1.5~2°

シルエットになっている場合には良く見え、場合によっては景観的に気になり出

す。シルエットにならず、さらに環境融和塗色がされている場合には、ほとんど気に

ならない。光線の加減によっては見えないこともある。

3° 比較的細部まで良く見えるようになり、気になる。圧迫感は受けない。

5~6° やや大きく見え、景観的にも大きな影響がある(構図を乱す)。架線もよく見えるよ

うになる。圧迫感はあまり受けない(上限か)。

10~12° 目いっぱいに大きくなり、圧迫感を受けるようになる。平坦なところでは垂直方向

の景観要素としては際立った存在になり周囲の景観とは調和しえない。

20° 見上げるような仰角にあり、圧迫感も強くなる。

出典:「景観対策ガイドライン(案)」(UHV送電特別委員会環境部会立地分科会、昭和 56年)より作成

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4-52

(90)

2) 評価結果

(a) 主要な眺望点及び主要な景観資源への影響

事業実施想定区域の周囲に、主要な眺望点及び景観資源が存在するものの、いずれも直接的

な改変は生じないことから、主要な眺望点及び景観資源に係る重大な影響を回避していると評

価する。

(b) 主要な眺望景観への影響

表 4.3-10 に示した「景観ガイドライン(案)」(UHV送電特別委員会環境部会立地分科会、1981

年)の「垂直見込角と鉄塔の見え方の知見」によると、垂直見込角が 5~6 度で「やや大きく見

え、景観的にも大きな影響がある(構図を乱す)。架線もよく見えるようになる。圧迫感はあま

り受けない(上限か)。」とされている。

この点を踏まえると、風力発電機設置区域の最も海岸寄りに風力発電機を配置した場合、主

要な眺望点 37 地点のうち、浜館公園展望台、本荘マリーナオートキャンプ場、本荘マリーナ海

水浴場、西目海水浴場、道川海水浴場、下浜海水浴場、平沢海水浴場、本荘マリーナ、島式漁

港公園、新鶴潟公園、友水公園及び道の駅「岩城」岩城アイランドパークの 12 地点において垂

直見込角が 5度以上となり、眺望景観への影響が生じる可能性がある。

なお、浜館公園展望台、本荘マリーナオートキャンプ場、本荘マリーナ海水浴場、西目海水

浴場、道川海水浴場、本荘マリーナ、島式漁港公園及び道の駅「岩城」岩城アイランドパーク

の 8地点については、垂直見込角が 10 度を超えることから、「目いっぱいに大きくなり、圧迫

感を受けるようになる。平坦なところでは垂直方向の景観要素としては際立った存在になり周

囲の景観とは調和しえない。」程度の見え方となる可能性がある。

実際は海岸からある程度の離隔をとって風力発電機を設置することを検討しているため、実

際の垂直見込角は小さくなる。また、事業実施想定区域内における風力発電機の機種、色彩及

び配置を事業者が実行可能な範囲で考慮する(最大高さが小さい風力発電機を選定する等)こと

により、重大な環境影響を回避又は低減することは可能と評価する。

3) 方法書以降の手続きにおいて留意する事項

現段階ではまだ事業計画が検討中であり、風力発電機配置が未定で現地調査も実施していな

いため、予測及び評価が簡易的で不確実性を伴うものとなっている。

方法書以降の手続きにおいては、選定した風力発電機の機種(風力発電機の高さ)及び配置か

ら可視領域図を作成し、地元における景観の専門家等へのヒアリングを適宜行いながら現地調

査を実施する。

また、秋田市沖周辺では、複数の既設の風力発電機・計画中の風力発電機が存在し、これら

との複合的・累積的影響についても考慮しながらフォトモンタージュや垂直見込角による予測

及び評価を行い、必要に応じて事業者が実行可能な範囲で環境保全措置の検討を行う。

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4-53

(91)

総合的な評価 4.4

表 4.4-1 評価の総括表(1/3)

環境要素 評価結果 方法書以降の手続きにおいて

留意する事項

騒音

調査及び予測の結果、風力発電機設置区域から 2.0km

以内に住宅及び学校等の配慮が特に必要な施設が存在

するため、これらの施設では風力発電機の稼働に伴う

騒音及び超低周波音の影響が生じる可能性がある。た

だし、「3) 方法書以降の手続きにおいて留意する事項」

を行うことにより、重大な環境影響を回避又は低減す

ることができる可能性があると評価する。

方法書以降の手続きにおいては、風

雑音による影響等に留意し、事業実施

想定区域周辺の騒音の状況を適切に

把握する。また、選定した風力発電機

の機種から音響パワーレベルを設定

し、既設の風力発電機・計画中の風力

発電機との複合的・累積的影響につい

ても考慮しながら定量的な予測を実

施した上で、必要に応じて事業者が実

行可能な範囲で環境保全措置の検討

を行う。

なお、調査、予測及び評価の手法に

ついては、最新知見及び先行事例等を

参考にして、その手法を検討するもの

とする。

風車の影 調査及び予測の結果、風力発電機設置区域から風車

の影に関する影響範囲の約 2.2km 以内に住宅及び学校

等の配慮が特に必要な施設が存在するため、主に西日

の差す夕方に風車の影による影響が予想される。しか

し、風力発電機の設置位置は、これらの施設からは十

分な離隔をとることを検討している。

従って、機種又は配置を事業者が実行可能な範囲で

考慮する(風力発電機と住居等との離隔をさらに大き

くする等)ことにより、重大な環境影響を回避又は低減

することができる可能性があると評価する。

方法書以降の手続きにおいては、事

業実施想定区域周囲における配慮が

特に必要な施設等の窓の向きや遮蔽

物等の状況を現地踏査により把握す

る。なお、調査範囲については、ロー

ター直径 10 倍(10D)の範囲内に縛ら

れることなく、配慮が特に必要な施設

等の分布状況を考慮し、必要に応じて

10D よりも広めに設定するものとす

る。また、選定した風力発電機の機種

(ローター直径、ハブ高さ)及び配置か

ら日影図を作成し、既設の風力発電

機・計画中の風力発電機との複合的・

累積的影響についても考慮しながら、

これらを重ね合せることにより影響

の範囲及び程度を予測し、必要に応じ

て事業者が実行可能な範囲で環境保

全措置の検討を行う。

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4-54

(92)

表 4.4-1 評価の総括表(2/3)

環境要素 評価結果 方法書以降の手続きにおいて

留意する事項

動物 ① 空域における影響

予測の結果、海岸・海域を主な生息環境とする鳥類

の重要な種が、施設の存在・稼働に伴う移動経路の阻

害及びブレード・タワーへの接触による影響を受ける

可能性がある。また、渡りの時期には、海岸・海域以

外を主な生息環境とする種であっても、同様の影響を

受ける可能性がある。

ただし、これらの環境影響については、次項の「③方

法書以降の手続きにおいて留意する事項」を行うこと

により、重大な環境影響を回避又は低減することがで

きる可能性があると評価する。

② 海域における影響

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生息する動

物については、風力発電機の基礎構造部による生息地

の改変等が考えられる。

予測結果によると、風力発電機の存在に伴う海底の

改変面積は、モノパイル式で 168,000 ㎡、重力式で

829,500 ㎡、ジャケット式で 126,000 ㎡となった。重力

式の改変面積が最も大きく、事業実施想定区域の海域

に生息する重要な動物が影響を受ける可能性があると

評価する。

事業実施想定区域及びその周囲の海域に生息する動

物の重要な種のうち、海棲哺乳類 12種については、基

礎構造部による直接的な生息環境の改変は想定されな

い。ただし、ネズミイルカなど一部の種については、

回遊等により付近を通過する可能性があることから、

施設の存在に伴い、回遊経路に影響が生じる可能性が

ある。

また、文献調査によると、事業実施想定区域の周囲

において、アカウミガメ等の海棲爬虫類 4 種が確認さ

れているが、産卵地の北限より北側に位置し、上陸・

産卵に関する情報もないことから、影響は小さいもの

と考えられる。

魚等の遊泳動物及び潮間帯・底生動物の重要な種は、

多くが砂泥底を主な生息環境とすることから、生息環

境の一部が変化する可能性がある。また、河口付近の

浅場の砂泥底は、幼稚魚の育成場としての機能を有し

ていることから、これらの環境の一部が変化する可能

性がある。しかし、魚等の遊泳動物については移動能

力が高いこと、潮間帯・底生動物についても周囲に広

がる砂泥海域を利用できる可能性が高いことから、重

大な影響を回避または低減できる可能性が高いものと

考えられる。

ただし、これらの環境影響については、次項の「③

方法書以降の手続きにおいて留意する事項」を行うこ

とにより、重大な環境影響を回避又は低減することが

できる可能性があると評価する。

方法書以降の手続きにおいては、地

元における鳥類、魚類、海棲哺乳類等

の専門家へのヒアリングを適宜行い

ながら現地調査を実施し、事業実施想

定区域及びその周囲に生息する動物

の状況(渡り鳥の移動経路を含む)を

適切に把握する。

また、工事中における水の濁りや水

中音による影響、既設の風力発電機・

計画中の風力発電機との複合的・累積

的影響についても考慮しながら調査、

予測及び評価を行い、必要に応じて事

業者が実行可能な範囲で環境保全措

置の検討を行う。

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4-55

(93)

表 4.4-1 評価の総括表(3/3)

環境要素 評価結果 方法書以降の手続きにおいて

留意する事項

植物 事業実施想定区域及びその周囲の海域に生育する植

物については、風力発電機の基礎構造部による生育地

の改変等に伴う影響が考えられる。

予測結果によると、風力発電機の存在に伴う海底の

改変面積は、モノパイル式の基礎で 168,000 ㎡、重力

式の基礎で 829,500 ㎡、ジャケット式の基礎で 126,000

㎡となった。重力式の改変面積が最も大きく、事業実

施想定区域の海域に生育する重要な植物が影響を受け

る可能性がある。ただし、文献調査により確認された

重要な種(アマモの 1 種)については、男鹿半島の生鼻

崎付近での記録であり、事業実施想定区域及びその周

囲における記録はないことから、影響は小さいものと

評価する。

方法書以降の手続きにおいては、地

元における海藻草類の専門家へのヒ

アリングを適宜行いながら現地調査

を実施し、事業実施想定区域及びその

周囲に生育する植物の状況を適切に

把握する。

また、工事中における水の濁りによ

る影響等についても調査、予測及び評

価を行い、必要に応じて事業者が実行

可能な範囲で環境保全措置の検討を

行う。

景観 ①主要な眺望点及び主要な景観資源への影響

事業実施想定区域の周囲に、主要な眺望点及び景観

資源が存在するものの、いずれも直接的な改変は生じ

ないことから、主要な眺望点及び景観資源に係る重大

な影響を回避していると評価する。

②主要な眺望景観への影響

風力発電機設置区域の最も海岸寄りに風力発電機を

配置した場合、主要な眺望点37地点のうち、浜館公園

展望台、本荘マリーナオートキャンプ場、本荘マリー

ナ海水浴場、西目海水浴場、道川海水浴場、下浜海水

浴場、平沢海水浴場、本荘マリーナ、島式漁港公園、

新鶴潟公園、友水公園及び道の駅「岩城」岩城アイラ

ンドパークの 12地点において垂直見込角が5度以上と

なり、眺望景観への影響が生じる可能性がある。

なお、浜館公園展望台、本荘マリーナオートキャン

プ場、本荘マリーナ海水浴場、西目海水浴場、道川海

水浴場、本荘マリーナ、島式漁港公園及び道の駅「岩

城」岩城アイランドパークの 8 地点については、垂直

見込角が 10度を超えることから、「目いっぱいに大き

くなり、圧迫感を受けるようになる。平坦なところで

は垂直方向の景観要素としては際立った存在になり周

囲の景観とは調和しえない。」程度の見え方となる可

能性がある。

実際は海岸からある程度の離隔をとって風力発電機

を設置することを検討しているため、実際の垂直見込

角は小さくなる。また、事業実施想定区域内における

風力発電機の機種、色彩及び配置を事業者が実行可能

な範囲で考慮する(最大高さが小さい風力発電機を選

定する等)ことにより、重大な環境影響を回避又は低減

することは可能と評価する。

方法書以降の手続きにおいては、選

定した風力発電機の機種(風力発電機

の高さ)及び配置から可視領域図を作

成し、地元における景観の専門家等へ

のヒアリングを適宜行いながら現地

調査を実施する。

また、秋田市沖周辺では、複数の既

設の風力発電機・計画中の風力発電機

が存在し、これらとの複合的・累積的

影響についても考慮しながらフォト

モンタージュや垂直見込角による予

測及び評価を行い、必要に応じて事業

者が実行可能な範囲で環境保全措置

の検討を行う。

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計画段階環境配慮書の作成を委託した事業第5章

者の名称、代表者の氏名及び主たる事務所

の所在地

事業者の名称 :株式会社建設環境研究所

代表者の氏名 :代表取締役社長 富田 邦裕

主たる事務所の所在地:東京都豊島区東池袋二丁目 23 番 2 号

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(白紙のページ)