高炭素クロム鋼の炭化物の挙動と焼入性 - hitachiu.d.c.るる9.15.2る...

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U.D.C.るる9.15.2る 高炭素クロム鋼の炭化物の挙動と焼入性 Behavior and Hardenability of the Carbide of HighCarbon Content Chrome Steel 宇和野晃三* 男* 明* K6z6Uwano AkioSat6 Akira Watanabe 高炭素クロム鋼の球状化セメンタイトのオーステナイト巾への固溶度がセメンタイト粒度,加熱温度 および保持時間によって変化する様相およびこれらの諸因子がマルテソサイト堪地に残留するセメソタ イト中の成分組成変化に及ばす影響を炭化物の電解分離法を利用して究明し,あわせてオーステナイト 化処理の程度が焼入性に及ぼす影響を求めた。 1.緒 クロム鋼で製造される鍛鋼焼入ロールおよび大 形ベアリングレースなどの成績の良否は焼入深度やマル テソサイトの強さときわめて密接な関係を有している が,これらの因子ほ焼入湿度,保持時間のほかに焼入前 の球状化焼鈍組織に影響を受ける。球状化セメンタイト 粒の大小が焼入性に及ぼす影響については近藤氏(1)ほじ め多くの研究者(2)~(4)によって明らかにされ, 者らの 1人(5)も軸受鋼の焼入性に及ぼす球状化セメンタイト粒 度の影響を変態点測定やジョミニー試験を利用して定量 的に検討した。近年電解分離法の進歩により炭化物の直 接分離抽出が可能となり,軸受鋼の研究にも有力な 手段であることが発表され(6ト(8),高炭素クロム鋼の研究 に新分野を開拓したが,本報告ほ炭化物の電解分療法に よって高炭素クロム鋼の炭化物を抽出し,セメンタイト のオーステナイト中への固溶度ならびに残留セメンタイ ト中の成分組成変化に及ぼすセメンタイト粒度,加熱温 度,保持時間の影響を定量的に求め焼入性との関 検討したものである。 2.1供 2.供試材および実験方法 材の化学成分 性を 本実験に使用した供試材は塩基性弧光炉で熔製された 高炭素クロム鋼で弟1表に供試材の化学成分を示す。 2.2 試料の作製 弟1表の成分の鋼塊を鍛伸して50¢×150mmJの丸 棒を数多く作製し,これらを8800Cより焼準後,球状化 焼鈍処理を行い,セメンタイト粒が細粒のものと粗粒の ものとの2軽質の試験片を調 した。さらにそれらを 10¢×10mm轟こ機械加工し熱処理実験ならびに 第1表 試料の化学成分(%) 解分 15 * 日立製作所水戸工場 (A)顕 織(×400) (、B) l軋 子題徴鏡組織(×4,000) 第1岡 離実験用試料に供した。 策1図に焼鈍試料の顕微鏡組織および電子顕微鏡組織 を示す。 子顕微鏡組織からセメンタイト粒の大きさの 度数分布を求めると策2図のとおりである。これからわ かるように細粒 料は粗粒試料に比べて均一性があり 0.3~0.5一〃の範囲のものが全体の30~40%,0・1~0・7/ノ 計すると70~80%も存在する。粗粒試料は粗粒と細 粒が混合し,0.1~0.3/上の細粒ほ量的には10%前後であ るが粒数ほ50%以上もある。 2.3 実験方法 10¢×100mmJに加工された焼鈍試料を真空加熱炉中 で加熱温度800,820,840および880つC,保持時間を20 分,1,2および5時間とそれぞれ変化してオーステナイ ト化後水焼入した試料から炭化物を 解抽出し,球状化 セメンタイトのオーステナイト中への固溶度に及ぼすセ メンタイト粒度,加熱温度および保持時間の影響を検討

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Page 1: 高炭素クロム鋼の炭化物の挙動と焼入性 - HitachiU.D.C.るる9.15.2る 高炭素クロム鋼の炭化物の挙動と焼入性 Behavior and Hardenability of the Carbide

U.D.C.るる9.15.2る

高炭素クロム鋼の炭化物の挙動と焼入性Behavior and Hardenability of the Carbide of HighCarbon

Content Chrome Steel

宇和野晃三* 佐 藤 昭 男* 渡 辺 明*K6z6Uwano AkioSat6 Akira Watanabe

内 容 梗 概

高炭素クロム鋼の球状化セメンタイトのオーステナイト巾への固溶度がセメンタイト粒度,加熱温度

および保持時間によって変化する様相およびこれらの諸因子がマルテソサイト堪地に残留するセメソタ

イト中の成分組成変化に及ばす影響を炭化物の電解分離法を利用して究明し,あわせてオーステナイト

化処理の程度が焼入性に及ぼす影響を求めた。

1.緒 言

クロム鋼で製造される鍛鋼焼入ロールおよび大

形ベアリングレースなどの成績の良否は焼入深度やマル

テソサイトの強さときわめて密接な関係を有している

が,これらの因子ほ焼入湿度,保持時間のほかに焼入前

の球状化焼鈍組織に影響を受ける。球状化セメンタイト

粒の大小が焼入性に及ぼす影響については近藤氏(1)ほじ

め多くの研究者(2)~(4)によって明らかにされ, 者らの

1人(5)も軸受鋼の焼入性に及ぼす球状化セメンタイト粒

度の影響を変態点測定やジョミニー試験を利用して定量

的に検討した。近年電解分離法の進歩により炭化物の直

接分離抽出が可能となり,軸受鋼の研究にも有力な 験

手段であることが発表され(6ト(8),高炭素クロム鋼の研究

に新分野を開拓したが,本報告ほ炭化物の電解分療法に

よって高炭素クロム鋼の炭化物を抽出し,セメンタイト

のオーステナイト中への固溶度ならびに残留セメンタイ

ト中の成分組成変化に及ぼすセメンタイト粒度,加熱温

度,保持時間の影響を定量的に求め焼入性との関

検討したものである。

2.1供

2.供試材および実験方法

材の化学成分

性を

本実験に使用した供試材は塩基性弧光炉で熔製された

高炭素クロム鋼で弟1表に供試材の化学成分を示す。

2.2 試料の作製

弟1表の成分の鋼塊を鍛伸して50¢×150mmJの丸

棒を数多く作製し,これらを8800Cより焼準後,球状化

焼鈍処理を行い,セメンタイト粒が細粒のものと粗粒の

ものとの2軽質の試験片を調 した。さらにそれらを

10¢×10mm轟こ機械加工し熱処理実験ならびに

第1表 試料の化学成分(%)

解分

15

*日立製作所水戸工場

(A)顕 微 鏡 組 織(×400)

(、B)

粧一

l軋

子題徴鏡組織(×4,000)

第1岡 球 状 化 焼 鈍 組 織

離実験用試料に供した。

策1図に焼鈍試料の顕微鏡組織および電子顕微鏡組織

を示す。 子顕微鏡組織からセメンタイト粒の大きさの

度数分布を求めると策2図のとおりである。これからわ

かるように細粒 料は粗粒試料に比べて均一性があり

0.3~0.5一〃の範囲のものが全体の30~40%,0・1~0・7/ノ

を 計すると70~80%も存在する。粗粒試料は粗粒と細

粒が混合し,0.1~0.3/上の細粒ほ量的には10%前後であ

るが粒数ほ50%以上もある。

2.3 実験方法

10¢×100mmJに加工された焼鈍試料を真空加熱炉中

で加熱温度800,820,840および880つC,保持時間を20

分,1,2および5時間とそれぞれ変化してオーステナイ

ト化後水焼入した試料から炭化物を 解抽出し,球状化

セメンタイトのオーステナイト中への固溶度に及ぼすセ

メンタイト粒度,加熱温度および保持時間の影響を検討

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昭和34年12月

i;J'

金 属 特 集

戊JβJdJ即βク エ/〃■ たF/7J∫ ZJか

セメンタイト紐皮(〃)

(β) 細l細

β/βJ♂J戊7即1/JJJ5/7びZ/〟ZJZグ

セメンタイト粒慮りり

(∂) 粕 粒

第2図 焼鈍組織におけるセノンタイトの

大きさの度数分布

するとともに,残留セメンタイト中の成分組成変化を求

めて焼入性との関連性を究明した。

炭化物の電解分離にほ塩酸法を川いた。電解条什は弟

2表のとおりである。電解装置は東北大学佐藤教鰯の使

用された装置(9)を参考として製作したものである.。

3・実験結果ならびに鳶察

3.1圃 溶 度

セメンタイトの細粒のものほ粗粒のものに比べてオー

ステナイト中への固溶度は大きく,マルテンサイト他に

残留するセメンタイトの量は少ない。弟3,4図はこの状

況を電子麒微鏡組織にて示したものである。これらの組

織より残留セメンタイトの大きさの分布を求めると弟

5,る図のとおりである。この図からわかるようにセメン

タイトが細粒の試料ほ焼鈍状態におけるセメンタイトの

分布と同様に残留セメンタイト粒の大きさの分和が均一

であるが,粗粒のものほ不均一一である。このことはセメ

ンタイトがオーステナイト中に固溶する様相i・ま細粒のほ

うが球の曲率が小さいために容易に進行し先に消失して

16

日立評論別冊第33号

(a〕8000Cx20分

Cm:7.9%

(′b、1840)Cx20分

Cm:7.6%

(cノ:CEOC)く20分

Cnlニ 5,3%

(d)800ロCx5時間

Cm:6.3%

(e)8400Cx5時間

Cm:6.0%

(f)880⊃Cx5時間

Cm:3.9%

〔抑 粒 試 験)

第3図 焼入組織に及ばすオーステナイト化

処理の影響(×4,000)

第2表 電 解 条 件

ゆくものと考えられ,焼鈍状態における粒形のばらつき

がそのまま遺伝してくるものと思われる。電子顕微鏡組

織に検揖される残留オーステナイトが細粒,粗粒に関係

なくその隣接威に認められることほこのことを真言きし

ているものと考えられる。

残留オーステナイトほ一般的には舞3,4図の示すよう

にオーステナイト化温度が高いはどその二邑を増す傾向に

あるが,オーステナイト化が不十分であっても園溶した

成分の拡散が十分でなく局部的に濃度の高いものなどに

は残留オーステナイトが容易に発勺ミする。880つCのオース

テナイト化処理における残留オーステナイト量を細粒,

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高炭

(a)糾00Cx20分 Cm:8.9%

しd)8000Cx5時間 Cm:7.5%

第4ド考Ⅰ

ク ロ ム 鋼の炭化物の挙

(b)朗0つCx20分 Cm:7.5%

と 焼入性

(c)8800Cx20分 Cmこ7・3%

〔e)8400Cx5時間 Cm:6.3% (f18800Cx5時間 Cm:4.7%

(相 澤 試 料、

焼入組織に及ほすオーステナイト化処児の影響(×4,000)

β β/βJβJ戊7(2ク エ/エJ ヱ5J7 ノβ Z/乙ヂ Z5

セメンタイト粗度(〟ノ

(d)β〝ご×Z♂分

♂ αJβJdJ〟7仏タJJJJ上方/.7J∫ ZJZJZJヱ7

セメンタイト勅度(/〟)

(ム)β〟℃×∫時間

∴・

β 戊/JJβJα7JZJJ/JJ上古/ケ ヱ∫ Z/ガ 2∫Z7

ヒメンタイト粘度(.〟J

(β)郎β?x?β分

--

也些/♂

β βJ』JβJα7 〟 ′JJJJJげJタ Z7 ZJ2∫

セメンタイト粗皮(ルJ

(d)朗β○どxJ時間

嘉g♂

♂ β/βJβJ♂7β♂ ′/JJJJ′7 ′♂Z/2?2J2Jエア

セメンタイト牡鹿(ノ〟)

(β)朗♂℃x〟分

♂+仇Iaヲ 戊J(7 α7 ノ/ヱJ(Jげ 上∫ Z/Z~ 乙,

ヒメンタイト粘度〈〟)

(f)彪祀×J借問 江‥図中の%は残留セノン

タイト量を示す

第5図 残留セメンタイトの大きさの度数分布(細粒)

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昭和34年12月

(S嘲エ†へ∧ヽ封知群

特 集 一片 第4集

射 βJβJd7(ぴJ/〃■ 〟「〟7/タJ/ZJ

セメンタイト紐皮(ノ〟)

(〃)β挽7㌢x〝分

d/βJβ∫β7 β∫J/JJ′JJ7J∫ 2/2J

セメンタイト紐皮(ノり

(占)躍℃メ∫時間

β/〟 dJ即β♂′/JJ′JエアJ∫ 2/ZJ

セメンタイト井止度(.〟)

(の.鍬化x〟力

∵・

[Ⅰ立評論別冊第33号

d/βJ♂JJ7β∫J//J/∫17 〃■ 2/〃 ZJ~.7Z∫J/

セメンタイト硬度(ノり

(♂)鍬化り牒問

即 βブ ロJ d7Jゴ/ノ1J.モ∫17JJヱ/ZJZJ27 ∠♂ j/

セメンタイト勅康〔耳

(ど)郷8どX2♂分

卯JU βJα7 〃 ノソ エフ・てJノ17/∫ Z/ZJZ∫~.7 Z♂J.7

セメンタイト規度(/〟)

(r)β及フロど×∫日毒問

第6図 残昏トヒメン∵タイトの大きさの度数分凍

/〃 /〟

保 持 時 間〔加〝ノ

(d) 細 粒

Z♂♂ J〝

-

-

-

-

注:間中の%は残留セメンタイト完を示す

(粗粒)

/カブ /`形

作 硝 日寺 問(机万ノ

(ム) 粕 米Ⅱ

第7匡1残留虻メンタイト是に及ぼすオーステナイト化処理の影響

∴∵、 、

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高炭素ク ロム鋼の炭化物の挙動 と 焼入性

(a)焼鈍セノソタイト

(d)焼鈍セメンタイト

(㍗)

醒掴∵ゴ二た∵モく∈拝」†へ∧\封

〔ペ)棋聖き\ノヤギ「e駐」十へヘ丸山

800ロCx20分

(b)残留セノンタイト

8000Cx20分

しe〕残留-ヒノこ/タイト

第8図 セ メ ン タ イト の抽`lユり:n(×4,OnO)

(ペ)噸璧もミ〔b、にきe甘ユー、へ∧ネ封

8800Cx5時間

(c)残留セメソタイト

880フCx5時間

り)残留セメンタイト

&汐 βaク βガ J娩7`脚

オーステナイト化温度(OC)

3∴慧慧¥言ご享eサ亡ふ八で

J睨フ βプ♂ β東フ β舵7 ~∠晩フ

ォーステナイト化ブ忌辰(℃)

第9岡 残留セメンタイト中の特殊ノ亡素濃度i・こ及ばすオーステナイりと温度の影響〔0-・--Cトーーー。細粒・一・一・粗粒〕

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昭和34年12月

(ご聖賢、や\▲責.キ∴)「言責朝雲画

(ごせ軒ぎこL、蔓∴ご言耳顎禦諦

飽7 及び`硯7 顔形.銑

オーステナイト化_:皇度しつご)

ノ、‥′

r

-

....

(ご攣繁き、しb「き\、b∈[廿羞岩槻

(ご壁重々チGさ三言意義嘉由

金 属 特 号 第4

朗フ より み♂ &p 戯

オーステナイトイヒ過度〔㌣

戎■汐 おβ ふtフく脚

叔フ

オ~ステナイト化う五度しpビ)

第10図 基地鉄中の各種元素濃度に及

ばすオーステナイト化温度の影響

㍑ノニ鳥=姉〉 `批ノ 。性

才~ステナイト化:・思策(○ご)

粗粒試料について比較すると,880つCx20分処理で前者

は12.1%後者ほ14.2芳,880つCx5時間処理でそれぞれ

12.2%,29.0%である。

弟7図 節分離法によって求めた残留セメンタイト

の旦とオーステナイト化処理との関係を示したものであ

る。これからわかるようにミクロ的な観察結果と同様に

細粒のほうが粗粒に比べて固溶度は大きく,加熱温度に

伴う田溶に820〇Cと840つCの間で断層をなしているれ

粗粒でほ糾00Cまでほこの現象ほ認められない。この方

法ではオーステナイト化処理がきわめて進行すると生成

20

日立評論別冊第33号

するマルテンサイトや残僅オーステナイ

トの表面電位が貴となるため無定形炭素

や遊離鉄が混入してきて880つCのオース

テナイト化処理のようにデーターがばら

つきやすくなる.。弟8図のセメンタイト

の柚旧写英匿は880つCx5時間のオース

テナイト化処二組にあきらかに不純物が認

められる。

3.2 セメンタイトの組成

(A)焼鈍状態のセメンタイト組成

第3表は球状化焼鈍状態において分

離抽糾されたセメンタイトの違および

セメンタイト中の特殊元素濃度を示

す。この衷からわかるように細粒のも

のは川汗申11,表面精が大きいために一

部溶解し 収

バイト生成元

∵カUるて1なノ\低が

であるMn,Cr,Moは

Cとの親和力か瓜く焼鈍セメンタイト

巾にかなり園溶されMn,Cr,MoのIrt

はそれぞれの添加量の約40,70,50%

存在している.。

(B)焼入状態のセメンタイト組成

第9図ほ残留セメンタイト中の梢殊

元素濃度に及ぼすオーステナイト化処

班1の影響を示したものである。この図

からわかるようにCr,Moはオーステ

ナイト化温度の上井とともにて斬次セメ

ンタイト1~一に濃化してゆきMnほこれ

と逆の現象を示す_、二のことはセメン

タイトがオーステナイト申に川桁して

度は曲率、封室に反比例するので

あるが,一つのセメンタイトについて

ほCがカーバイド′日成元素よりも多

く跡存するためであると考えられる。

Mnほ であるがCr,Mo

に比べ金属半径が′J、さく親和力が弱い

ためCについで陵先的にオーステナイ

ト中に固i容して行き,オーステナイト化混度に反比例し

てカーバイド中のMn

3.3 基地の組成

度ほ小さくなってゆくし

(A)フェライトの組成

弟4表は抽Hされた焼鈍状態のセメンタイト中の組

成より算f_]したフェライト中の特殊元 0す一を度濃

この表からわかるようにフェライト中には特殊元素が

かなり固溶し,Mn,Cr,Moの最はそれぞれ添加iii:の

約60,30,50%存在している。

(B)マルテンサイトの組成

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高炭素ク ロ ム鋼の炭化物の 動 と 焼入性

注:Cnl(〃7〝J

Cm(,αJ亡

く′~・1.-/M

フェライト丑

分計濃

析n"

<Mニニ、:セメンタイト中の組成(%〕

MしMnCl-elcl:供i式材の成分

第4表 フェライト中の特殊元素濃度計算結果

フ ェ ラ イ ト 中 の 特 殊 元 素

〔Mn〕

拝:〔M]:フエライ=~-の組成(%〕

第5去≧ ジ ョ

ミノ ヨ

tち 1 tちオーステナイト化処理

840ロCx20分

840ロCxl時間

8400Cx2峠R・吊

840□Cx5暗闘

※840ウCx20分

〔Mn〕/Mn

〔M〕/M:国 容 係 数

ニ 凪互 離(in)

112

〔Cr]/Cl▲

Mal∴:帖

分 布 表

〔Mo〕

てノしテンサイト基地の組成(%)

Si

〔Mo〕/Mo

:細粒

庵晶粒凰備考

63.91 63.9

64.41 64.4

64.21 64.2

65.01 65.0

65.O1 64.5

65,0 63.5

57.1 51.5i 46.3

59.9; 55.2■

50.6

60.81 57.0! 53.2

62.0■

58.5■

53.9

62.8i 62.O1 54.7

61.O1 52.7; 39.8

※:成分は完全分析値

舞10図はマルテンサイト小の元素濃度に及ぼすオ

ーステナイト化処理の影響を残留セメンタイトの組成

から計算により求めたものである〔ノ これからわかるよ

うにすべての元素ともオーステナイト化温度の上井と

ともに濃化して行くか,その傾向はCが最も著Lく,

ついでMn.Cr,Moの仙'iとなっている.っ したがって

高炭素クロム鋼の焼人相二人きな影響を及ぼす成分は

C,Mn,Cr,Moの順序であり,空封-i上の大きな彗払枯,

たとえば大形レース材などの焼人性を向上させるため

にほMnが非常に効果のあることを示している、。また

強力なカーバイド′下城元素であるMoは焼入性をゆる

やかに同=二させることおよびセメンタイトを細かく均

一一に分布させることなどに効果があるわけである.二・

4.焼入性の検討

於化物の電解分離ほオーステナイト化処理が十分に施

された焼入試料においては無定形虜 や遊離鉄が混入す

るため不正椛となり,したがってマルテンサイト基地の

組成を十分に求めることができないが,高根素クロム鋼

の一般酌な焼入温度範囲では調合に信川できる植を示

す。この検定を紳対ぷ料の8400Ci・こつきジョ ニカープ

21

ヲ7・9lO・5541.31 0.57

45・0!0・56

45.3lo.61

39.6 L l.01

32・5LltOO

0.58l o.94

lo・47と

0.97

1.02

1.02

1.00

0・52ll・04弓

0.78

0.75

1.11

1.08

0.111 7.0

7.0

0.111 7.0

計算

実測

を計算で求める法により行った(10)。計算の力法はマル

テンサイト基地の親戚から焼入代桁数を求めて理想臨界

拍子を買川=ノこれらから誘導したものである。計算にほ

微細セノンタイトが変態核となることなどをまったく無

視Lているのでかなりの危l鮒‡ミはあるが,妹人性を検討

する上にほ有効である。-‥ノ

弟5表ほField法によって求めたジョ ニ擬さの計算

結兢である、1比較のためにMoを含有L・ているものと含

布Lていない高沢嘉クロム鋼のジョミニ焼入試験結果を

揖載してある.。計算によって求めたジョミニ値さ分布は

合Mo銅のジョミニ試験他に比べて行位躍とも低卜して

いるが,Moを含まぬ材料に比べて高く,ほぼその小間

にfi■=ノ,近似の値をホしているL。弟1二の州道は分離法日

仏の†閏題に基くものと,仮設を設けた計算法の誤差によ

るものとからくるのであるが,カーバイド生成元素を含

布する高炭素クロム鋼の焼入性を検討するのに有効であ

ることがわかる。

5.結

ク素炭 ロム鋼の球料ヒセノンタイトのオーステナイ

ト巾への園熔度を沢化物の電解分離法を利用して検討し

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昭和34年12月 金 属 特 集

あわせてオーステナイト化処理の程度が焼入性に及ぼす

影響を求めた.。その雛果を要約するとつぎのとおりであ

る。

(1)セメンタイトがオーステナイト中に蹟l溶する様

相ほセメンタイトの枇掛こ関係なく行われるが,如か

いセメンタイトのほうがあらいものに比べて固浴度ほ

大きい.

(2)残留セノンタイト巾のCr,Moはオーステナイ

ト化処理の進行とともに濃化し,Mnは道に稀薄化し

て行く._ノ

(3) 択素クロム鋼でほ焼人件に大きな影響を及ば

す成分ほC,Mn,Cr,Moの順である。

(4)マルチンサイト基地の組成からFie】d法により

ジョミニカーブを計算で求める方法は焼入性と炭化物

高硬度の大形鋳鋼製補強ロール完成

日立製作所水=上場において株

会社大阪造船所,横

沢工場新設2片機の冷間比延機(コンビネーションミル)

用大形粕殊鋳銅製補頗ロールがこのほど完成した.__.

ロールの什_h屯量ほ約22t,長さ4,130mm,胴径

1,340ml-1という大物品で,水ノj工場でほ,さきに一㌔;†上

製鉄株式会社広畑 鉄所に納めた熱間圧延磯川補強ロー

ルに次ぐ■子己録品である.ご.またこのロールは従来の補強ロ

ールと異なり,硬度(ショアー)60以上という高値り真の

ものである.J

株式会社大阪造船所納冷間圧延機用のノく形舶載ロール

号 第4 口立評.論別冊第33Fユ・

の挙動を検討する上に効果的であるJ

終F)に臨み,ご指導いただいたU_よ製作所水戸工場幹

糀のかたがたに深厚な謝意を表する。

1

2

3

4

近藤

久遠

榛沢

参 薯 文 献

日本金属学会誌】l,11(昭

F】本金属学会誌9,4(旧

日本金属学会誌18,441囲i

2123

)9

8

2

RapatztiFranz:Stahlund Eisen

(1954)

渡辺,宇和野:鉄と鋼1帖309(昭

佐藤,西沢,木m

上野,11J島,本F口

8)上野,中島,本間

(9)1佐藤,金一j二,西沢:

30-5)

鉄と鋼41,1188

鉄と鋼43,818

鉄と鋼43,409

日本金属て:会誌

(10)人和久:傑人件p.120、125

紹 し介

刊74,

1195

30-3)

(昭30-11)

(昭32-8)

(昭32-3)

19,336(昭

富士製鉄株式会社釜石製鉄所納

租角Vo用ロール

日立金属株式会社若松~_t二域でほ分塊および粗止延川ダ

クタイルロールの新材質を製作L好評を得ているが,こ

のほど完成Lた㍍上製鉄株式会社釜才丁製鉄所納新設粗角

Vo(分塊川けクタイルロール1セットはその成果が期

待されている二∴手ゴもなる仕様は次のとおり.J

仝:」責川…4,4551ュ1m

胴 長…………………………………………2,440m111

胴 径……………………………………………835mm

前 肛 12,500kg

材 質…………………………………………〆クタイル

富」二聾具鉄株式会社釜十r製鉄所納粗角Vo用ロール