認知症サポーター養成講座 認知症を学び地域で支え...
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ヒトの目の特徴
白目がない
目が横長なサル類は
ヒト>地上生活のサル>樹上生活のサル
白目があるサル類は? ヒトだけ
左右方向によく動く
→左右の監視範囲が広い
白目があると
→遠方から視線がわかる
視線がばれると捕食に不利
→仲間とのコミュニケーションに有利
共同注意:他人の視線の方向を認知し、注意を向ける
(ヒトでは9M・チンパンジー)
認知症とは?
認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会
4ページ
いろいろな原因で→病気
脳の細胞がダウン→病変がある
さまざまな障害が起こり→認知障害
生活するうえで支障が出ている状態→生活障害
6か月以上継続→徐々に進行
アルツハイマー病 50%
レビー
15% その他 20%
脳血管性
15%
脳にゴミが蓄積→変性 脳虚血
2か月で治ったアルツハイマー病のAさん 85歳
ある認知症ケアの本より
ぼんやりしていて活気がなく、時に独語や大声があり、意思疎通が
困難。夜間に不穏になることもある(夜間せん妄)。ADL全介助、 お
むつ状態で、病院から介護施設に入所した。
この介護施設では、脱水状態にあると診断し、充分な水分補給と
食事ケアによる低栄養改善を行った。また、ポータブルトイレの使用
(おむつ外し)を試みた。するとAさんは数日で会話をするようになり、
まもなく排泄もトイレで行えるようになった。2か月でADLほぼ自立と
みるみる改善、興奮・不穏などの行動障害もすっかり影を潜めた。
スタッフと家族は認知症が治ったと喜んでいる。
認知症は治っていない、せん妄が治りBPSDが減った
せん妄:水、飯、糞、発熱、疼痛
認知症の
症状
中核症状 記憶障害、見当識障害、理解・判断力の障害
実行機能障害、その他
行動・心理症状(BPSD)周辺症状
不安・焦燥、うつ状態、幻覚・妄想
徘徊、興奮・暴力、不潔行為
神経細胞
ネットワーク
の崩壊
性格・履歴 環境・ケア
認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会
治せる
治りにくい
5ページ
記憶障害
記憶の分類 できごと記憶
(生活) 意味記憶
(辞書) 手続き記憶
(動作)
認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会
イソギンチャク=海馬と側頭葉
6ページ
メモリー
ハード
ディスク
アルツハイマー病 80代
歩行がややふらつく
→片足立ちが3秒くらいしかできない
医師 「転んで骨を折ったら大変ですよ」
看護師 「2か月前に転んで肋骨を折りましたよね」
本人 「私は骨なんか折っていないわよ」
医師 「骨を折っているのはご主人ですよね。」
本人 「この人は骨なんか折ってないわよ」
医師 「ご主人、奥さんの面倒で骨を折っているみたいですけど」
本人 「この人は何も面倒を見てくれないわよ。
私が面倒を見てあげてるの」
夫 不満そうに「あげてるつもり でしょ」
アリセプト 5mg
抑肝散 2包
見当識障害と
場当たり的な言い訳
●お年は?
1)軽度:3歳くらい間違える
「もう75かな」などと伴侶の方を振り向く
2)中度:「いい歳だいね」 と具体的な年齢を言えない
●今日は何曜日?
「もう仕事をしていないから」
「どっちだっていいやねー」アッハッハと笑ってごまかす
「あまりそういうことを考えていないのもですから」
Cf.100から7を引く計算ができないと
「最近は買い物に行かないから」などの言い訳
7ページ
見当識
記憶をベースに
時間経過や場所が
わかる
理解・判断力の障害
認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会
1.考えるスピードが遅くなる → 急かせない
2.二つのことが重なると処理不能 → 一つずつゆっくりと、感覚入力を制限
3.些細なに対応できず、混乱 → 変化には支援で対応
4.観念と現実の乖離 「倹約第一」が「セールスマンの口車」に
自動券売機や銀行のATMを使えない
ファックス・全自動洗濯機やIHクッカーも
8ページ
実行機能障害
認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会
計画立案、按配・遂行の困難 家事ができない、独り暮らしが困難
生活が困難に
前頭前野の統合機能の障害
料理一つとっても
企画→実行は
大変な作業
ちょっとした支援で
生活を維持
みそ汁の具にと、冷蔵庫にある油揚げを忘れて油揚げを買い、いざ作るときには目に入った別の食材でみそ汁を作り、冷蔵庫は油揚げだらけ
9ページ
周辺症状とその支援
認知症になると
日々、失敗の連続
褒められることもなく‥‥‥
自信を失い、全てが面倒に
11ぺージ
将来の沿いを失ってうつ状態に
さらに、
非難の声が
認知症の
急速な
進行
支持的態度、
理解、笑顔
認知症の
緩徐な
進行
身の回りのことに支障が
排泄の失敗例
①トイレの場所がわからなくなる
「便所」表示、夜の照明や通路
②衣類の着脱に手間取る
マジックテープやゴム
③尿意・便意を感じない
トイレ誘導やおむつ
いきなりおむつではない!
12ぺージ
原因を考えて
対応する
いつでも、
どこでも、
その人らしく
妄想の背景
7割が物盗られ妄想など被害妄想が多い
「現実にない出来事を信じ込んでしまい、訂正不能なこと」
記憶障害・見当識障害 → 喪失感 → 不安と寂しさ
自立して生きていきたいと気持ちの強い人では、自分が忘れるわけなどない(忘れた
ということが受け入れられない)と思うあまり、そばで世話をしてくれている人が盗んだ
という「もの盗られ妄想」がしばしばみられます。(認知症を学び地域で支えよう)
性格:積極的、仕事熱心、負けず嫌い、人の面倒見が良い人
記憶障害+病態失認 → 責任転嫁
説得無効
高価なもの(家)から
日用品(スリッパ)まで
「あなた、盗られたなんて言う前に、ちゃんと探しなさい。」 → 「職員が盗った。施設長がちゃんと指導しなさい。」
13ぺージ
「徘徊」といわず原因を考える
夕方「家に帰ります」といって出ていくCさんにどう対応?
①説得:「ここはあなたの家ですよ、
ほらあなたの手紙が届いているでしょう」 ②受容:「では一緒に行きましょう」と、出かける
③保留:「このお菓子食べて待っててね。
これを片づけたら一緒に出かけましょう」
居場所ができれば、徘徊は減る
14ぺージ
*目的地への道が判らなくなったA・Bさん→見当識障害
*夕方になると「故郷に帰る」と出ていくCさん
*はぐれたら遠く離れた町まで歩いていったDさん
*家の中でもじっとできずに歩き続けるEさん→徘徊
脳内アセチルコリンを高める薬剤
ドネペジル(アリセプトTM)
朝1回投与
3mgで開始
5mgで維持
認知機能向上
稀に元気過ぎ
アセチルコリンのリサイクルを止めてシナプスでの濃度を高める
× アリセプト
16ぺージ
ドネペジル 5→2.5mg 減量のAD 4例
診断 AD AD AD AD
年齢/性 78/男 87/女 78/男 78/女
HDS-R/MMS 21 23 18 0
BPSD 易怒性 妄想、収集、徘徊、暴言
暴力、妄想、収集
徘徊、収集、外出、拒否
併用薬 なし 抑肝散7.5 なし 抑肝散2.5
減量理由 易怒性 易怒性 暴力 徘徊・外出
認知機能 不変 不変 不変 不変
BPSD経過 改善 改善 クエチアピン4→0錠
やや改善 改善
DBDスケール 13→8 39→8 29→25 60→22
*減量と同時に家族教育も大切 山口晴保:老年精神医学会2010
ドネペジル投与:FTD
*FTD3例にドネペジル5mgが投与されていた
*内1例は、FTDと診断されていた
*3例ともドネペジル5mgから投与を中止した
木村武実ほか:前頭側頭型認知症の心理行動症状に対する塩酸ドネペジルの影響 【第24回日本老年精神医学会(2009)】 *他医でADと診断されドネペジルを投与された18例を対象
*中止により
①BPSD(易怒・攻撃性、イライラ、逸脱行為)が改善<NPI>
②介護負担が軽減<Zarit>
Lampl Y et al: Efficacy of acetylcholinesterase inhibitors in
frontotemporal dementia. Ann Pharmacother 2004;38:1967-8.
AChEで9例中の5例が症状改善、3例はSPECTも改善
レビー小体型認知症:70代前半、女性
抑肝散で
著しい改善効果
DLBの特徴
病歴:以前よりREM睡眠障害があり、夜中にムクッと起きあがり
「猫がジャガイモを持っていた」と大声を出した。
2か月前から幻視「首の長い鳥が出てきて赤い肉をくわえていた」
「白髪のおじいさんが出てきた」など、首から上だけ布団の上に出現
初診時:①症状の変動、②上肢の固縮、③転倒、④HDS-Rは19点
MRIで海馬と大脳萎縮、白質虚血、VSRAD Z score 2.47
治療:抑肝散5.0g/朝夕
経過:2週間で幻視消失
HDS-Rは27点に改善
アルツハイマー病治療薬
主な効果 一般名 薬品名 作用機序 特徴
元気系
意欲向上、 認知機能向上
ドネペジル アリセプト ACh分解阻害 易怒性に注意
ガタンタミン レミニール ACh分解阻害とACh受容体刺激
新規薬
リバスチグミン
イクセロンタッチ
ACh分解阻害 貼付剤
調節系
認知機能向上、BPSD低減
メマンチン メマリー glutamate(MNDA)受容体の阻害、神経細胞死の抑制
新規薬
BPSD低減 抑肝散 5-HT受容体の調節
グルタミン酸受容体の阻害
カリウム低下、利利尿剤併用注意
抑制系
BPSDの抑制、嚥下や運動機能の悪化
リスペリドン リスパダール DA受容体阻害だけでなく5-HT・NA・H受容体も阻害
長期投与しない、誤嚥や転倒注意
クエチアピン
セロクエル 同上+高血糖に注意、糖尿病には禁忌
易怒性の生じやすさ:アリセプト>レミニール>>メマリー
アルツハイマー病の病態
βタンパクが
神経細胞城を取り囲み、
しばらくすると
タウが反乱して
神経細胞はダウン!
βタンパク蓄積(外)
タウタンパク蓄積(内)
神経細胞ダウン
発症
発症まで二0~三〇年
山口晴保著:認知症予防~読めば納得!脳を守るライフスタイルの秘訣~ 協同医書 9月出版予定
20
30
46
67
84
94
100
60
60
49
32
16
6
0
20
10
5
1
0
0
0
0% 20% 40% 60% 80% 100%
90代
80代
70代
60代
50代
40代
30代
Aβ -
Aβ +
AD
加齢と脳βアミロイド沈着・ アルツハイマー病の関係
アルツハイマー病
βアミロイド沈着無し
βアミロイド沈着あり
山口晴保編著:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント.協同医書,2005
補足
アルツハイマー病の臨床経過予想図
連合野老人斑
βタンパク
連合野神経原線維変化
リン酸化タウ
認知機能障害
軽度認知障害(MCI)
認知症
0 -20 年
山口晴保編著:認知症の正しい理解と包括的的医療・ケアのポイント.協同医書,2005
-10 -30 +10
この間のライフスタイルが影響
死亡
病変出現
から死亡まで
30~40年
認知症の有病率:久山町研究 アルツハイマー病と脳血管性認知症
0
5
10
15
65~ 70~ 75~ 80~ 85~
脳血管性痴呆
アルツハイマー有病率
清原 裕:臨床と研究 962:393-397, 2005
どうして餅はカビるんですかねぇ
林家木久蔵→林家木久扇
予防とは
発症を遅らせること
ライフスタイルで認知症発症率が変わる 同じ遺伝的背景を持つアフリカのYoruba族と米国在住アフリカ人との比較研究
居住地 Ibadan
(Nigeria) Indianapolis
(米国)
対象 2,459人 2,212人
認知症有病率 2.29% 8.24%
AD有病率 1.41% 6.42%
高血圧症履歴 19% 61%
糖尿病履歴 2.5% 24%
脳卒中履歴 1.3% 11%
BMI(肥満度) 21.4(痩) 28.9(肥)
Ogunniyi A et al: Eur J Neurol 2000; 7:485-490
AD4倍
高血圧
3倍
糖尿病
10倍
脳卒中
8倍
65歳以上
中年期の余暇運動が アルツハイマー病を防ぐ
Rovio S et al: Lancet Neurol 4:705-11, 2005
フィンランド
CAIDE研究
1,449名
20年後調査
0.35
1
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
運動群
不運動群
リスクが1/3に
中年期
余暇の運動
20-30分以上
息切れ・発汗
週2回以上
20 40 60 80 歳
運動 → 活性酸素消去増大
→ タンパクのゴミ焼却炉向上
海馬神経細胞新生 とライフスタイル
Rossi C: Eur J Neurosci 2006 24:1850-6
記憶力低下
*うつ状態
*恐れ
*ストレス
記憶力向上
*自発運動
*豊かな環境
*学習
は海馬歯状回で
新たに生まれた神経細胞
緑がBrdU陽性神経細胞 豊かな
飼育環境
老後の智慧
ハゲになったり、白髪になったりして嘆くことはありません。
ハゲたり、白くなったりするまで生きられたと思えばいいんです。
忘れ物をして、捜したり、取りに行ったり
Positive thinking (前向きに考える)
おかげで運動量が増える
山口晴保著
認知症予防 読めば納得!
脳を守るライフスタイルの秘訣
協同医書出版
1,890円(税込み)
平成20年9月3日発刊
中年肥えやすく
智慧保ち難し
こんな生活 いけませんね 運動で 認知症予防!
脳アルツハイマー病変に打ち勝った人々
Snowdon DA: Ann Int Med 139:450,2003
Sister Bernandette 85歳 心筋梗塞で死亡
修士の学位を持ち、21年間小学校教師と7年間高校教師
Nun study(修道女研究) 1991年に、当時75から102歳の6,780人を対照にスタート
病理所見
動脈硬化:程度が軽く、死周期にできた脳梗塞のみ
Alzheimer病変:多数の老人斑と神経原線維変化
Braak Stage Ⅵ
遺伝子:ApoE4/4
認知機能(81~84歳;毎年検査)
各種認知テストで高得点
エピソード:時計をみないで、時間を誤差4分以内で当てた
認知症 無し
Sister Agnes 104歳
「この写真きらい」 「老けて見えるから」 死の3か月前に
Braak St. Ⅳで正常 “The Nun Study allows me to keep teaching,
even after I die.”, one participant said.
脳活性化の手法
•回想法、作業回想法
•現実見当識訓練 リアリティー・オリエンテーション
•学習(認知刺激) •芸術療法 アートセラピー
•音楽
•ゲーム
•会話
•運動
快刺激、会話、役割
何をするかではなく、
どう刺激するかが大切
http://www.ojizosan.jp/gallery/chara.html
19ぺージ
代表的なメニュー 作業回想法
脳活性化リハビリテーションの実際
懐かしいなあ・・・(理解可能)
視覚・触覚刺激
手続き記憶
教えてください
昔はねえ・・・ (回想)
ありがとうございました
自発性 意欲
満足 自尊心 役割 認知症高齢者とスタッフの役
割の逆転!!→ 先生になる
実技でリアルに回想し、
価値ある人生だったと振り返る
(ライフレビュー)
人に教える役割を得て、
残存能力を発揮し → 元気に
三世代交流共生住宅 ひかりの里
朝の体操 かまどでご飯炊き 昼の用意
宿題指導:子育ての特技
収集癖 → 廃品回収、清掃
徘徊癖 → 地域パトロール
健忘(繰り返し) → しつけ
三重県桑名市 ウェルネス医療クリニック
http://www.kuwana.ne.jp/wellness/index.html
学習による脳の活性化:決め手は「ほめ手」
ほめられて自信満々
音読と計算
川島隆太:脳を鍛える大人の計算ドリル.くもん出版, 2004
楽しく学習する
自発的に学習する
それには、進行例では困難 喜び合うことが大切!
<アルツハイマー病初期の医療・ケア>
褒める
教育の基本
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
仕事を持つ
金銭管理
身だしなみ
着替え
入浴
洗面
尿意
便意
複数の言葉
一語のみ
独立歩行
車椅子運転
座位保持
微笑
介護老人福祉施設(特養)入所者131名の調査
微笑は
新生児が身につけ
最後まで残る
微笑
社会的微笑(5か月)
母親の笑顔が伝染
新生児微笑(2週)
ADの病期を示すFASTで、
笑顔の喪失は最後のステージ
脳活性化リハビリテーションの原則
脳活性化リハビリテーション施行の原則
*快刺激 → 笑顔
*ほめる → やる気
*コミュニケーション → 安心
*役割を演じる → 生きがい
*誤らない課題 → 正しい方法
認知症でも楽しく過ごせる環境づくりを同時に行う
山口晴保編著:認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント.協同医書,2005
適度な快刺激による意欲・生きがいの創出
*認知症高齢者が役割を演じながら楽しく人と交わることで、
*生き甲斐を感じ、不安を解消して、
*前向きに生きるようになることをめざす
認知症の人と接するときの心がまえ
「認知症の本人には自覚がない」は大きな誤り
漠然とした気づき、不安→妄想(自己防衛)
「誰よりも苦しいのも悲しいのも本人」
「私は忘れていない!」に隠された悲しみ
病気の否認→自己防衛
隠された悲しみの表現
こころのバリアフリーを 人間杖が必要
かかわる人の心がまえ さりげなく、自然に
20
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21
頁
認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会
だれでも
いずれは認知症
バリデーションの基本的態度
*傾聴する
*共感する
*評価しない
*誘導しない
*うそをつかない
*ごまかさない
無条件に受容
無条件に共感
無条件に支持
無条件に信頼
行動障害の低減 ナオミ・フェイル著:バリデーション.
痴呆症の人との超コミュニケーション法.
筒井書房
<アルツハイマー病中期~末期のケア>
病期:4つのステージ
1.認知障害
2.日時,季節の混乱
3.繰り返し動作
4.植物状態
14のテクニック
相手の話を聴く
聴く:同じビジョンを共有すること
玄侑宗久:まわりみち極楽論.朝日新聞
女「この服可愛い?」 男「うん、可愛いね」
「○さんも同じこと言っていた」
「そんなこと、みんな知ってるよ」
「いつも同じこと言うね」
「つまり‥‥‥と言うことだね」
「君は○○な人だね」 はもう聴きませんという表明
女「この服可愛い?」 男「安っぽいね」
ケアの基本
共感
味方になる
家族が患者を褒めるとその効果は?
ほめられた患者は
→嬉しくなる → 家族に好感を持つ
→家族のいうことを聞くようになる
ほめた家族は
→嬉しくなる
(ほめた行為の効果、相手の笑顔の効果)
→患者の良いところを見つけ出す(合理化)
損をする人は? 効果が効果を生む 良循環
NHK クローズアップ現代
私を叱らないで ~脳科学で認知症ケアが変わる~
認知症の人は 生活で失敗が増え、過去の記憶が消えていく
→喪失感、寂しさ、不安 同時に自己洞察能力が低下
笑顔の認知は
認知症でも残存
日課・役割
叱る → 褒める
介護者のさりげない一言 → 「叱られた」と感じる
→ 積もると爆発:暴言・暴力
妄想などのBPSD
認知症を介護している
家族の気持ちを理解する
第1ステップ:とまどい・否定
*異常な言動にとまどい、否定
*他の家族にも打ち明けられない悩み
第2ステップ:混乱・怒り・拒絶-理解の不十分から
*疲労困憊・絶望 つらい時期
第3ステップ:割り切り
*徐々に理解し、支援を受け、怒ってもしょうがない
第4ステップ:受容
*理解できるようになる あるがままを受け入れる
22-23頁
認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学び地域で支えよう.全国キャラバンメイト連絡協議会
2 認知症サポーターとは 認知症サポータのできること
なにか特別なことをやる人ではありません
*地域で
*職場で
*家庭で
認知症の人を地域支えよう
被介護者
本人 介護者
家族
認知症サポーター
親戚 近所
医療・福祉関係者
24-29頁
認知症の正しい理解と
包括的医療・ケアのポイント
快一徹! 脳活性化リハビリテーションで進行を防ごう
山口 晴保 編著 / 佐土根 朗 + 松沼 記代 + 山上 徹也 著
協同医書出版よりH22年4月6日刊行、3,465円税込
本日の講演内容は、この本にびっしりと詰まってます。
Amazonで上位
はぁ~ こんだけでおしまいかい!という方へ
斉藤正彦著
親の「ぼけ」に気づいたら
文藝春秋、2005
杉山孝博著
家族が認知症になったら読む本:正しい知識と理解が介護の苦労を半減させる鍵
リヨン社、2008