薬理・毒性学ii p3251 7回目 パーキンソン病治療薬 -...
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薬理・毒性学 II P3251
7回目︓パーキンソン病治療薬
担当︓神経薬理学分野粂 和彦・大澤 匡弘・冨田 淳
資料︓ k-net.org/ncu/list.html2018/11/07
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オピオイド類 総論【重要】•モルヒネ(阿片←ケシ)︓ヘロインは変化体で強い麻薬•オピオイド受容体と内因性リガンドの発見•作用点︓末梢感覚神経~脊髄~脳まで広い•用法︓メインは癌性疼痛、手術→WHOの除痛ラダー•薬理・副作用︓鎮痛、鎮咳(呼吸抑制)、鎮静(眠気)、悪心・嘔吐(CTZ刺激)、縮瞳、便秘、痒み
•依存性と耐性が問題→大量服用で多幸感、離脱症状、オピオイドローテーション(モル↔オキシ↔フェン)
•麻薬と非麻薬︓法律上の分類(強さ/幻覚/依存性)非麻薬︓ペンタゾシン、トラマドールなど麻薬性だが、鎮咳薬として販売されているものコデイン類(100倍散は規制外になる)
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オピオイド類 各論【重要】•コデイン/ジヒドロコデイン︓鎮咳薬、鎮痛作用弱い•モルヒネ/オキシコドン/ヒドロモルフォン(2016)ほぼ同様の薬効だが μ受容体選択性が高い
•フェンタニル︓注射/貼付 μ受容体選択的。特に強い•メサドン(2013)︓ +NMDA受容体拮抗作用•トラマドール/タペンタドール(2014)︓+SNRI作用•トラマドール+アセトアミノフェン合剤(2011)→非麻薬化→癌以外の痛み
•拮抗薬︓ナロキソン、レバロルファン→呼吸抑制時etc•拮抗性鎮痛薬=部分作動薬=非麻薬︓ペンタゾシン、ブプレノルフィン
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オピオイド受容体のまとめ• μ︓末梢一次感覚神経~脊髄~大脳に発現、高親和性→強い鎮痛作用、痒み、眠気、多幸感βエンドルフィン(YGGPMTSQLS…, 31aa)↑前駆体はプレプロオピオメラノコルチン→ACTHエンケファリン(YGGPM/L) (特にメチオニン型)
• κ︓脊髄後角、脳幹部→嫌悪感、興奮、幻覚、依存症に関連ダイノルフィンA(YGGPLRRI…,18aa), Bなど
• δ︓脊髄後角、脳幹部、大脳皮質エンケファリン(YGGPM/L)
• NOP:ノシセプチン受容体
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部分作動薬についての補足。
•親和性がリガンドより低くても、充分量投与すれば、拮抗作用を示すため、親和性がリガンドより高いとは限らない。
•実際、ペンタゾシンとモルヒネのμ受容体に対する親和性は、ほとんど変わらない。
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構造・活性相関
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片頭痛のまとめ 【超重要】•頭痛には種々あるが、片頭痛は特徴的な単独の疾病→ 一般的な頭痛には、通常の解熱鎮痛薬を使う
•若年女性に多い(20~40歳女性:男女比1:4)•機序詳細不明だが、血管収縮後弛緩(血管説)と神経説•前兆がある。閃輝暗点が有名。•拍動性(ズキンズキン)、片側性の痛みが多い。•光・音などの刺激で誘発、月に1~2回の発作•トリプタン類が特効薬(古くはエルゴタミン)•発作セロトニン5HT-1B/D受容体刺激で血管を収縮→血管は伸びると痛い︕
•予防は、引き金になる血管収縮を止めるタイプの薬→β斜断薬、カルシウム拮抗薬、抗てんかん薬など
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てんかんのポイントまとめ【重要】•症状︓発作→けいれん(動き)、意識障害•機序︓脳の中に異常な「活動」が持続してしまう興奮過剰(Glu) 抑制不足(GABA) 回路異常
•発作の型分類︓部分・全般•全身性の痙攣と意識障害の有無•治療︓発作の予防と、発作中は発作の停止•治療選択→薬︓作用機序、副作用•薬︓部分発作と全般発作で第一選択薬が異なるカルバマゼピンとバルプロ酸
•興奮抑制系の薬→Na+,Ca2+チャネル斜断、Glu遊離阻害、Glu 受容体阻害、
•抑制活性系の薬→ベンゾジアゼピン類•副作用︓眠気、めまい、皮疹、肝障害など
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より深く勉強したい人は…•最新の学会ガイドラインを検索して下さい
日本神経学会てんかん診療ガイドライン2018https://www.neurology-jp.org/guidelinem/tenkan_2018.html
日本頭痛学会慢性頭痛の診療ガイドライン2013(片頭痛)http://www.jhsnet.org/guideline_GL2013.html
日本神経学会パーキンソン病治療ガイドライン2011(2018年度版が12月に公開予定)https://www.neurology-jp.org/guidelinem/parkinson.html
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抗てんかん薬
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抗てんかん薬の作用機序
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抗てんかん薬 補足1単剤投与される第二選択薬•フェニトイン ︓Na+チャネル遮断•ゾニサミド ︓Na+チャネル遮断、炭酸脱水素酵素•エトスクシミド︓T型Ca2+チャネル遮断•フェノバルビタール︓バルビツレート→GABAA•クロナゼパム ︓ベンゾジアゼピン→GABAA併用される薬 多くは新薬•クロバザム ︓2000年 ベンゾジアゼピン•ラモトリギン︓2008年 Na+チャネル遮断•レベチラセタム︓2010年グルタミン酸遊離阻害•トピラマート︓2007年 Na+チャネル遮断•ガバペンチン︓2006年 T型Ca2+チャネル遮断、鎮痛薬
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抗てんかん薬 補足2<最近発売>
•ラコサミド(ビムパット)︓2016年、第一三共→緩徐なNa+チャネル遮断
•ビガバトリン(サブリル)︓2016年、アルフレッサ→GABA-TA (分解酵素)阻害
•ぺランパネル(フィコンパ)︓2016年 エーザイ→AMPA型グルタミン酸受容体非競合型拮抗薬
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6.パーキンソン病
p.156-171
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パーキンソン病PDのまとめ【重要】• 10万人あたり100人以上 50-70歳代に好発 男>女•中脳黒質緻密部ドパミン神経の変性/脱落/機能低下黒質から線状体に投射︓大脳基底核の機能不全
•広義はパーキンソニズム(他の疾患のPD様症状)•原因不明。一部に遺伝性。ドパミン神経細胞は種々のストレス耐性低い。細胞内にレビー小体ができる。
•四大症状︓無動、筋固縮、静止時振戦、姿勢反射障害•治療︓ドパミン補充 (L-dopa)、受容体作動薬など•耐性が問題(wearing-off, on-off現象)•副作用︓消化器症状、不随意運動ジスキネジア、循環器症状など
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解剖学の復習•大脳~脳幹~脊髄+小脳•脳幹︓間脳~中脳~橋~延髄•別の分類︓大脳基底核︓線状体・淡蒼球・視床下核•黒質が黒く見えるのは、メラニンによる
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カテコールアミンの生合成
メラニンはこの辺りから
=チロシナーゼ=律速酵素
ドーパキノン
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http://bit.ly/1oftILp
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20http://bit.ly/1rixk2x
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ノルアドレナリン
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ドパミン
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パーキンソン病の症状
•ムードが新鮮︕姿勢が反射する子宿題→四大症状の覚え方らしい
•筋緊張の亢進による症状静止時振戦(企図振戦との違いに注意)丸薬丸め運動、無動、固縮、姿勢反射障害、無表情
•歩行障害︓前傾 すくみ足 小刻み 突進現象•自律神経症状︓便秘 排尿障害 起立性低血圧•精神神経症状︓睡眠障害(RBD) うつ病 認知症
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パーキンソン病治療薬•ドパミン補充︓レボドパ。ドパミンは血中に入らず、脳血液関門も通らない→前駆体のL-dopaを用いる。内服で脳に1%程度到達→服用量はg単位になる
•補充療法補助薬︓DCI, COMT阻害薬•ドパ脱炭酸酵素阻害薬=DCI︓カルビドパ、ベンセラジド• COMT カテコール-O-メチルトランスフェラ-ゼ阻害薬︓エンタカポン→BBBを通らず脳の外でL-dopa分解を阻害し補充療法を補強→DCIはレボドパと合剤化
• MAO-B阻害薬︓セレギリン、脳でドパミン分解を阻害•ドパミン遊離促進剤︓アマンタジン•レボドパ賦活薬︓ゾニサミド 抗てんかん薬•ノルアドレナリン前駆物質︓ドロキシドパ
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パーキンソン病治療薬•ドパミン受容体アゴニスト︓麦角系と非麦角系ブロモクリプチン、ペルゴリド、カベルゴリンプラミペキソール、ロピニロール、タリペキソールアポモルヒネ(注射)、ロチゴチン(貼付薬)
•抗コリン薬︓アセチルコリン系をブロックすることで、モノアミン系とのバランスを取り、ドパミン系を強化トリヘキシフェニジル、ビペリデン、プロフェナミンアデノシンA2A拮抗薬イストラデフェリン(2013)
•現在は、第一選択薬はドパミン作動薬、ただし年齢や病状によっては、レボドパや抗コリン薬も使う
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26http://tmin.igakuken.or.jp/medical/01/parkinson4.html
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パーキンソン病総論
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パーキンソン病︓症状
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パーキンソン病︓病態 レビー小体 1
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パーキンソン病︓病態 レビー小体 2
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パーキンソン症候群の概念
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薬剤性パーキンソン症候群
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治療の概要(p163も)
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パーキンソン病治療薬の作用機序(超重要)
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レボドパ
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レボドパの投与法
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ドパ脱炭酸酵素阻害薬(DCI)
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ドパの副作用
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ジスキネジア
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Wearing off 現象
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Wearing off 現象
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悪性症候群
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パーキンソン病治療薬の使い方
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ドパミン受容体作動薬︓麦角系
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麦角系と非麦角系
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ドパミン受容体作動薬・非麦角系
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PDと麻薬
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COMT阻害薬(エンタカポン)
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COMTの作用機序(p166)
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MAO-B阻害薬(セレギリン)
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MAO-B阻害薬の作用機序(p167)
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抗コリン薬
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抗コリン薬の作用機序(p168)
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ドパミン遊離促進薬(アマンタジン)
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レポドパ賦活薬(ゾニサミド)
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ノルアドレナリン前駆物質(ドロキシドパ)
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ドロキシドパの作用機序(p170)
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(超重要)パーキンソン病治療薬︓まとめ1
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(超重要)パーキンソン病治療薬︓まとめ2