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奈良県 漢方のメッカ推進プロジェクト 1.奈良と薬の古い関係 2.漢方薬と薬用作物(生薬) 3.漢方のメッカ推進プロジェクト

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奈良県 漢方のメッカ推進プロジェクト

1.奈良と薬の古い関係 2.漢方薬と薬用作物(生薬) 3.漢方のメッカ推進プロジェクト

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1.奈良と薬の古い関係

推古天皇の薬猟

推古天皇薬猟壁画(星薬科大学所蔵)

日本書紀には、推古天皇が現在の宇陀地方で薬猟をされたという記述(611年)があります。

くすりがり

東大寺正倉院の「種々薬帳」

東大寺正倉院の御物の中には、奈良時代に献上された「21の漆櫃に納められた60種の薬」や、種々薬帳と呼ばれている献物帳があります。

しゅじゅやくちょう

東大寺正倉院正倉 奉盧舎那仏種々薬帳

現存する日本最古の私設薬園「森野旧薬園」が、宇陀市にあります。

創業者が奈良県出身

配置員が全国各地を訪問。江戸時代中期に大和の名薬として、米田の三光

丸、藤井の陀羅尼助、中嶋の蘇命散が著名となりました。

1

史跡 森野旧薬園

森野旧薬園の薬草園 史跡森野旧薬園

柳行李

歴史・史跡・人

大和売薬

武田薬品工業㈱、㈱ツムラ、ロート製薬㈱、笹岡薬品㈱、藤沢薬品工業㈱(現・アステラス製薬㈱)

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2.漢方薬と薬用作物(生薬)

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・全国の医薬品全体の生産金額に占める漢方製剤の割合は約2.2%。

・奈良県の医薬品全体の生産金額に占める漢方製剤の割合は約14.6%

(出典)厚生労働省「薬事工業生産動態年報」をもとに作成

2 漢方薬と薬用作物(生薬) 漢方薬市場(生産金額)

医薬品全体 6兆5,898億円

1,476億円

(2.2%)

医薬品全体 400億円

※漢方製剤の市場は小さく、食品や化粧品等への市場拡大が必要

H26医薬品生産金額(全国)

漢方製剤

その他

H26医薬品生産金額(奈良県)

漢方製剤

その他

58億円

(14.6%)

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最近10年間、漢方製剤の生産金額が増加傾向

(出典)厚生労働省「薬事工業生産動態年報」をもとに作成

全 国

2 漢方薬と薬用作物(生薬) 漢方薬市場(生産金額)

2,603 3,184

2,604 3,135 3,525 3,534 3,302 3,418 3,863 3,894

5,847

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

(百万円)

(年)

奈良県

103,046 103,342 107,616 113,097 118,171 128,407 127,310 132,027 141,030 149,260 147,556

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014

(百万円)

(年)

(百万円)

全 国

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5 農林水産省資料を加工

2 漢方薬と薬用作物(生薬) 生薬の需要量

・漢方製剤等の原料となる生薬のうち、国産は全体の約12%。

・約81パーセントが中国産。

・国産生薬の価格は、中国産に比べ2~3倍。

(単位:円/500g)

名称 国産 中国産 価格差

オウレン 11,333 3,863 2.9倍

サイコ 6,450 3,135 2.1倍

サンヤク 2,500 1,063 2.4倍

シャクヤク 2,050 1,213 1.7倍

平成21年 日本漢方生薬製剤協会調べ

○国産生薬と中国産の生薬卸売価格の比較

※製薬メーカーのニーズ

医療保険が適用される医薬品の価格(薬価)は、国が基準を決めており、できる限り安価な生薬がほしい

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(注1) は平成26年薬用作物栽培実績のある市町村(奈良県調べ)

(注2) 医薬品等製造事業所集積地は、事業所数上位3市町村(H27.3時点)を記載

山添村 キハダ

明日香村 トウキ、ミシマサイコ

吉野町 サンショウ

十津川村 ミシマサイコ、トウキ

下市町 サンショウ、ナンテン、シャクヤク、トウキ

薬草研究の拠点 『果樹・薬草研究センター』

五條市 トウキ

医薬品等製造事業所集積地 御所市 シャクヤク、カラハリ スイカ 橿原市 トウキ、ナンテン 高取町 トウキ、ハトムギ ナンテン

宇陀市 トウキ、シャクヤク 日本最古の薬草園 森野旧薬園

◆ ◆

『薬事研究センター 』

『大和漢方医学薬学センター』

薬草栽培は県南部・東部の中山間地域が中心

ヤマトトウキ

ミシマサイコ

キハダ

ナンテン

シャクヤク

サンショウ

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3 漢方のメッカ推進プロジェクト 奈良県の薬用作物栽培状況

下北山村 ジオウ

東吉野村 トウキ

葛城市 シャクヤク

田原本町 シャクヤク

天理市 カンゾウ

桜井市 ジオウ、キハダ

曽爾村 キハダ

◆ ◆

◆ ◆

2 漢方薬と薬用作物(生薬)

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栽培上の課題も多く、現段階では薬草栽培だけで農業経営を維持するのはなかなか困難な状況にあります(奈良県)。

2 長時間労働

大和トウキ

2 栽培指導者の不足

薬用作物全般

◆地域活性化や耕作放棄地対策のため、薬草栽培に取り組む市町村等の動きが増加 ◆出荷先である薬種問屋による栽培指導が主体で普及組織にノウハウが少ない

◆機械化が進んでいない。 ◆手間のかかる作業が多い。

◆登録薬剤が少ない。 ◆生産地が中山間地域が主要なため獣害 被害を受けやすい ◆シャクヤク:栽培期間(4~5年)が長い

◆系統による生育のばらつきが大きい。 1 品種のばらつき

◆発芽率、有効成苗率ともに低い。 ◆施肥技術が十分検討されていない。 ◆使用できる農薬が少ない。

3 栽培方法が未確立

1 薬用作物全般の課題

7

栽培上の課題 2 漢方薬と薬用作物(生薬)

※また、医療保険が適用される医療用漢方製剤の価格は、国において基準が定められているため、中国産の安価な生薬の方がニーズが高い。「価格は高いが良質な国産」という理由だけでは、現状としては厳しい。

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超高齢社会の到来を受け、増大する医療費削減の観点からも予防医学の意義が再認識されつつあり、漢方が注目されています。

こうした中、奈良県では漢方に関する本県ならではの蓄積を活かし、原料となる薬用作物の生産拡大から関連する商品・サービスの創出まで一貫した体制を構築するため、平成24年12月から「漢方

のメッカ推進プロジェクト」に取り組んでいます。

◇部局横断のプロジェクトチームにより推進 ・アドバイザー 渡辺賢治 慶応義塾大学教授、県漢方推進顧問 ・関 係 部 局 産業・雇用振興部、医療政策部、健康福祉部、農林部、 地域振興部、観光局、県立医科大学 (リーダー 知事公室審議官(漢方のメッカ推進プロジェクト担当))

3 漢方のメッカ推進プロジェクト

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薬用作物生産に関わる 人材育成

ステージ1 生薬の供給拡大

ステージ2 漢方薬等の製造

ステージ3 漢方薬等の研究・臨床

ステージ4 漢方の普及

生産から販売までの 一貫体制の構築

生薬製剤、漢方派生品の 製造・販売促進

漢方薬の認知度向上

薬用作物の安定供給 に係る研究の高度化

生薬の品質の数値化、 薬効研究

奈良県地方創生総合戦略基本目標Ⅱ 『働いて良し』 「経済が好循環する社会の構築」の実現に向け、生薬の生産から販売までの一貫体制の構築を目指し、4つのステージごとに、必要な取組を推進しています。

3 取組の構成 漢方のメッカ推進プロジェクト

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・日本における代表的な薬草のひとつであり、セロリの ような強い芳香を持つ、セリ科の多年性植物です ・奈良県では現在の五條市大深町を中心に、古くから 盛んに栽培されていました ・播種から出荷までに約2年かかります ・国内生産全体では、北海当帰が大部分を占めますが 品質は大和当帰が良いとされています ・根は医薬品、葉は非医に区分 (食薬区分) ・根の薬効 は、「血行改善」、「鎮痛作用」など (当帰芍薬散、四物湯などに使われます) ヤマトトウキ(トウキ)

Angelica acutiloba KITAGAWA

3 漢方のメッカ推進プロジェクト 大和当帰(大深当帰)

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プロジェクト最重点作物 〔大和当帰〕

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成果目標

ヤマトトウキの生産量の増加 ・H28 生産量 4.5 t 優良品種の育成・多収生産技術を進め生産量をH22の3倍に拡大

・H31 生産量 12.4t 地方創生KPI ・H35 生産量 45.0 t 過去35年間生産量がピークであったS57、S58頃の平均生産量

3 漢方のメッカ推進プロジェクト ヤマトトウキの生産目標

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実現のためには、栽培から製造・販売までの課題に取り組み、ブランド化や市場拡大を図り、「儲かる産業」に転換することが必要

S57 S58 H10 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H28 H35

生産量(kg) 44,700 47,120 6,720 3,021 2,496 1,628 1,461 1,309 2,028 1,506 1,882 4,500 45,000

収穫面積(a) 1,240 1,239 270 145 134 122 61 46 113 134 112 125 1,000

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ステージ1

生薬の供給拡大

- 良品質・安定継続生産 -

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課題解決に向けた取組

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薬用作物のブランド化と省力・安定・多収技術の開発

ゲノム育種等によるヤマトトウキ優良品種の育成

ヤマトトウキ栽培省力化技術の開発

安全・安心で安定多収技術の開発

旺盛に栄養生長すれば立派な根に 生長しすぎると開花し 根が生薬に使えない!

開花(抽苔)しにくい優良品種が必要!

ゲノム解析による 抽苔に関する遺伝子の解明 DNAマーカーによる選抜

1)収穫作業機の開発

開花株(根は木化してしまう) 大きい根は高単価 株の大きさ≒根 相関有り

1)ヤマトトウキの簡易ネットハウス栽培 食品としての葉生産が注目されはじめたが、葉を食べる害虫を防除する農薬がない!

害虫の侵入を物理的に防ぐ簡易ネットハウスの利用を検討

簡易ネットハウス

キアゲハの幼虫

トウキ葉

1)効率的な採種・増殖技術の確立

①優良品種の育成(H26~30)

②省力・安定生産技術の開発(H26~28)

2)湯もみ機の開発 3)マルチ栽培の確立

③生薬以外への利用に向けた生産技術の開発(H27~30)

葉と根部の両方を安定的に生産できる可能性

2)育苗の効率化 3)登録農薬の拡大

ステージ1 H28研究課題 農業研究開発センター(果樹・薬草研究センター)

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ハウス内でのベッド育苗 ヤマトトウキの種子

ヤマトトウキ栽培省力化技術の開発

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H27の支援実績

葛 城 市:試験栽培 [トウキ] 橿 原 市:試験栽培 [トウキ] 明日香村:試験栽培 [ミシマサイコ] 高 取 町:栽培講習会 [トウキ] 下 市 町 :品種比較試験 [シャクヤク] 天 川 村 :試験栽培 [トウキ]

H26の支援実績 明日香村 :化粧品の試作 [トウキ] 五 條 市 :試験栽培 [トウキ] 十津川村 :試験栽培 [ミシマサイコ]

下北山村 :試験栽培 [ジオウ] 黒 滝 村 :薬草料理の試作 [トウキ]

市町村が取り組む「薬草の試験栽培」、「薬草栽培の講習会」、「薬草を使った加工品の試作」等に対して助成しています。市町村においても、「薬草をテーマにしたプロジェクト」が始まっています。

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ステージ1 市町村への支援等

≪薬草をテーマにしたプロジェクトの例≫ 宇陀市:「宇陀市薬草プロジェクト」 高取町:「薬のまち高取復活プロジェクト」 下市町:「薬膳プロジェクト」 など

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ステージ2

漢方薬・漢方派生品等の製造

- 川上・川下のマッチング -

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課題解決に向けた取組

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3つの公設試が、薬草栽培支援、製品開発支援、薬草を使用した食品等の商品開発支援を行っています。

ステージ2 公設試験研究機関による製品開発支援

(支援事例) ○化粧品 ○食品

美容液

薬事研究センターの 技術支援

県産の生薬を使用

パスタ、つくねなどの食品

農業研究開発センターの試供素材の提供 産業振興総合センターの加工技術支援、試作

県産のトウキの葉を

使用

大和トウキ

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○果樹・薬草研究センター(農業研究開発センター)・・・薬用作物の研究・栽培支援 ○薬事研究センター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・漢方薬・生薬の研究・開発支援○産業振興総合センター・・・・・・・・・・薬草を使用した食品等の研究・開発支援

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ロート製薬(株)スマートキャンプ(社内レストラン)での試食会 (8/25 「まるごと当帰の豆腐巾着」などの家庭薬膳料理)

日本経済新聞 平成27年8月13日

2 奈良県での栽培適正研究

栽培者 ロート製薬

奈良県

奈良県の役割

試験栽培委託

栽培補助

他地域 への普及

製品化を 前提

県の役割 ・栽培者の紹介 ・栽培支援 ・栽培技術の充実・蓄積 ・他地域への普及

1 レストランでの利用可能性検討

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ステージ2 事業化の仕掛け②

連携事項 1.漢方のメッカ推進プロジェクトの推進

2.県産農産物のブランディング、販売促進

3.農業の担い手育成・確保

4.農村地域の活性化

5.消費者への啓発

6.地域の安全・安心の確保

ロート製薬(株)と「漢方」、「農」、「食」の分野で相互に協力を行う包括連携協定を締結し(H27.3.16)、「食用に使用できる薬草のレストランでの利用」や「様々な薬草の奈良県での栽培適正研究」の取組を始めています。

ロート製薬との連携協定

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トウキ葉活用

具体的テーマで事業化を目指す検討会の設置

グループ化

機能性 食品等

協議会会員

トウキ根活用

トウキ単味製剤等

情報交換

交流

実用化 製品化

キハダ等薬木

機能性 化粧品 石鹸等

漢方の産業化を図るため、薬草栽培者、製薬・食品メーカー、大学等で構成する「奈良県漢方のメッカ推進協議会」を設立(H27.7.1)。さらに協議会に「トウキ葉」「トウキ根」「キハダ等薬木」活用検討会を設置。

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ステージ2 事業化の仕掛け③

奈良県漢方のメッカ推進協議会の状況

(H28.9月現在) ○会 員 数 82団体 ○会員の所属企業・団体の例(順不同) ロート製薬㈱、タマノイ酢㈱、 ハウスウェルネスフーズ㈱、 ㈱毛髪クリニックリーブ21、 大幸薬品㈱、大和ハウス工業㈱、 (一社)日本種苗協会奈良県支部、 ㈱パンドラファームグループ、 奈良県製薬協同組合、奈良ロイヤルホテル 橿原市、宇陀市、吉野町、高取町、曽爾村 大阪大学、畿央大学、㈱南都銀行 など

※会員の所属先であり、必ずしも企業・ 団体として加入しているわけではない

奈良県漢方のメッカ推進協議会

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○日 程 平成27年7月23日(木) 13:30~16:20 ○場 所 奈良春日野国際フォーラム 甍 第1会議室 ○出 席 者 奈良県漢方のメッカ推進協議会会員他 80名 ○セミナー内容 1.基調講演 渡辺教授(奈良県漢方推進顧問) 「地方創生・6次産業化に向けた漢方の役割」 2.漢方のメッカ推進プロジェクト研究成果発表 (1)「トウキの根と葉を安定生産するための技術開発」 (2)「トウキの根と葉についての分析と評価の試み」 (3)「トウキ葉の食品への利用について」 3.名刺交換会(試食、試飲、交流会) 奈良県産の薬草(生薬)を使用した商品等の展示等

渡辺教授基調講演 名刺交換会

株式会社パンドラファームグループ

トウキ葉茶、トウキ葉入り有機紅茶

社会福祉法人奈良県手をつなぐ育成会

トウキ葉入りパン、シソジュース

トウキ葉

トウキ葉を活用した多くの商品が開発されている

ステージ2 事業化の仕掛け③-1

有限会社桂花(奈良のうまいもの会)

ドレッシング、ドリンクなど

漢方のメッカ推進協議会では、セミナーや交流会を開催しています

奈良ロイヤルホテル 中国料理沙山華

和紅茶、シフォンケーキなど

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A 目的

大和トウキの出口戦略の1つとして、トウキ単味製剤の承認を取得し、生産推進と需要拡大を図る。

トウキを原料とする医薬品は複数の生薬を混合した処方のみ

例)四物湯(トウキ・シャクヤク・ジオウ・センキュウ)

当帰芍薬散(トウキ・シャクヤク・ソウジュツ・タクシャ外) 天平宝漢(トウキ、ニンジン、オウバク、ブクリョウ外) QPコーワゴールドαプラス(トウキ、各種ビタミン外)

○医薬品承認取得を検討中 (共同研究) 県内製薬企業4社、農業法人1社、薬研セ ○「トウキエキス製剤」の承認申請(→厚生労働省) ①PMDAが承認審査 ②県がGMP適合性調査

○トウキエキス製剤で商品化検討 効能効果 「更年期障害に起因する貧血、冷え症、 月経異常、四肢腰部の冷痛、鈍麻」

○非臨床試験

動物試験(トウキ単味による血流改善)

→有意に血流の改善が見られる(中間報告)

トウキ単味の奈良ブランド医薬品 (県産大和トウキの活用)

市販後、新たな効能効果が狙えるか併せて検討新効能品を狙う場合は治験実施が必要

H27

H28

H29

B 現状

C 検討状況

D 今後の手順

次のステップ

大和トウキ(根)の出口戦略の1つとして、県内製薬企業がトウキ単味の製剤(医薬品)を開発することに対して支援しています。

ステージ2 事業化の仕掛け④ 「トウキ根活用」

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① 栽培地の荒廃 ③ 管理不足 ②ノウハウの欠如、高齢化

①現植林地の実態把握

調査

②オウバク活用検討会

・オウバクのニーズ調査

(生薬製剤メーカー等)

買入価格、数量、品質、入手先等

① キハダ林(奈良市矢田原町)

(約20年前に植林:元茶畑) (15年以上で伐採可能)

② 皮剥ぎの様子 ③ 生薬として利用する内皮 ④ 内皮を乾燥 ⑤最終製品

外皮 内皮

乾燥させた生薬を加工

(刻み、末、エキス)

輸入(中国) 96.6%

国内(島根、奈良、岐阜、福井他)

陀羅尼助 三光丸

※県内キハダの栽培面積(H24)

山添村 30戸、600a

桜井市 3戸、 60a

奈良市 5戸、 50a

御所市 1戸、 20a

・川上と川下の継続的な調整

機能やマッチング

・川上内の継続的調整

(植林区域の伐採調整、植林計画)

21

「陀羅尼助飴」 ・300円お土産 ・関西エリア限定 ドラッグストア スーパー、コンビニ

・陀羅尼助丸の製造 ・吉野山周辺に0.7haの キハダ林を所有

(株)藤井利三郎薬房 UHA味覚糖(株)

マッチング

<商標の

使用>

キハダの実の提供

製品化 キハダの内皮は陀羅尼助の主要な原料

ステージ2 事業化の仕掛け⑤ 「キハダ・薬木活用」

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成果<H25-27年度> ○トウキ葉の加工方法の開発 ○トウキ葉の栄養成分、味、

機能性成分の分析 ○トウキ葉の飲食による皮膚

表面温度変化の確認

企業による商品化実績

トウキ茶 (パンドラファームグループ)

トウキ葉 ドレッシング (桂花)

トウキ葉紅茶 (奈良ロイヤルホテル沙山華)

トウキ塩 (ポニーの里)

トウキパン (奈良県手を つなぐ育成会)

トウキ葉 スムージー

(ロート製薬)

機能性表示食品の届出要件 ① 対象食品となるかの判断 ② 安全性の根拠 ③ 生産・製造及び品質の管理 ④ 健康被害の情報収集体制 ⑤ 機能性の根拠 ⑥ 表示及び情報開示の在り方

上記6項目全て満たした上で届出必要

今までの研究内容<H25-27年度> 大和トウキ葉のレシピ集の製作、公開

今後の課題

しかし、効果を明示して販売できるまでには至っていない

ヤマトトウキの知名度の上昇と需要の拡大

<ブランド化に向けたさらなる取組> トウキ葉を「機能性表示食品(生鮮)」として届出し、認知度向上を図る。

大和トウキ葉の需要拡大 ・一般食品として需要拡大 ・機能性表示食品の創出

機能性表示食品の届出要件①〜⑥に係る必須、基礎情報収集 ノウハウを含めた届出に係るガイドライン 不足する研究内容の示唆及び研究論文等の検索 事例調査(生鮮食品として届出の事例) トウキ葉の優位性・市場性・メリット等

大和トウキ葉に関する今後の取組(研究) 加工方法の違いによる栄養成分分析 トウキ葉食品における味の評価、香りの評価 トウキ葉の機能性成分分析法の確立 メタボリックプロファイリングによる機能性評価 飲食による皮膚表面温度の変化(本試験)

調 査 委 託 産業振興総合センターにて実施

平成28年度の取組内容

要件⑤の不足する研究内容の補完

10社程度が20品目以上を一般食品として販売

ステージ2 事業化の仕掛け⑥ 「トウキ葉活用」

22

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ステージ3

漢方薬等の研究・臨床

23

課題解決に向けた取組

ステージ4

漢方の普及

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◆大和トウキの根・葉の含有成分調査 ・大和生薬の品質の数値化と薬効研究

◆大和漢方医学薬学センターの設置及び教育外来・漢方外来(当面は、院内紹介)の実施

(公)奈良県立医科大学での取組

漢方の教育施設に認定された (公)奈良県立医科大学

(公)奈良県立医科大学

三谷 和男 特任教授

薬事研究センターでの取組

奈良県立医科大学に「大和漢方医学薬学センター」を設置(H26.3)し、漢方医学薬学に関する研究のほか、「教育外来」や「漢方外来」を行っています。

教育外来、漢方外来を担当する医師

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ステージ3 漢方薬等の研究・臨床

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○薬剤師等向けの漢方研修会 H25~ ・薬局の薬剤師等が、漢方や生薬について高い知識や技能を習得する機会

○漢方薬シンポジウム2015の開催 H25~H27 ・日時 平成27年10月24日(土) ・場所 奈良県文化会館 国際ホール ・内容 テーマ「痛みと漢方」 ~生活の中で痛みとどうつきあうか~ 基調講演 奈良県立医科大学附属病院 病院長 古家 仁氏

漢方の普及のため、薬剤師向けの漢方研修会や、一般向けの 漢方薬シンポジウム等を開催しています。

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ステージ4 漢方の普及①

2017年は、「森野藤助没後250年記念イベント」を開催します 奈良 2017年1月18日 会場:東大寺総合文化センター、約300名 講師:髙橋京子准教授、後藤一寿氏ほか プロジェクト関係企業のブース展示

東京 2017年1月28日 会場:奈良まほろば館、約70名 講師:髙橋京子准教授 プロジェクト関係企業のブース展示

○漢方ツアー H27 漢方で心も体もリフレッシュ! 洞川温泉1泊2日の旅 ・日 時 平成27年11月12日(木)~13日(金) ・参加者 20名 ・奈良県中南部の漢方ゆかりの地を巡るバスツアー

※クラウドファンディングの活用

事業目標:900千円 (1口3千円)

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H27年度の取り組み <収載内容> ◎観光地・配置薬文化紹介(東大寺周辺、三光丸くすり博物館他)

◎医薬品12品(陀羅尼助丸、三光丸他)

◎化粧品3品(ならこすめ他)、食品2品(陀羅尼助飴、のど飴)

◎奈良での販売場所

仕掛け(1)

仕掛け(2)

台湾語ガイド冊子の発行

県内量販店7店舗で「奈良のくすり」コーナーを確保 : 医薬品12品

仕掛け(1)(2)は両輪

3月15日発行(台湾 10,000部)

海外の市場を見据えた取組として「奈良のくすり」の認知度を上げ、訪日客の消費拡大や海外での購入拡大につなげる取組みを始めています。

<量販店> コクミン(近鉄奈良駅)、セイムス・サンドラッグ(東向商店街)、サンドラッグ(小西さく ら通り)、木のうた・ダイコク(三条通JR奈良駅付近)、ウエルシア(ホテル日航奈良北側)

コクミン

木のうた

セイムス

ウエルシア サンドラッグ

ーH28年度の取り組みー : 消費拡大の為の3つの仕掛け

ダイコク

サンドラッグ

サンドラッグ奈良東向店

ターゲット 目 的 事 業 名

① 外国人宿泊客 県内のホテル等に「奈良のくすりガイドブック(外国語版)」を配置し発信 「奈良のくすり」等販路拡大事業 ②

台湾国内旅行社 「奈良のくすりをテーマにした観光企画案」を現地(台湾)で個別に提案

(10社程度) ③ 台湾等留学生 県内製薬メーカー等の見学会実施。→SNS等での台湾への情報発信

ステージ4 漢方の普及② インバウンド消費拡大

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ご静聴ありがとうございました

27 http://www.pref.nara.jp/kampo/

漢方のメッカ推進プロジェクトに関するお問い合わせは下記まで

奈良県産業・雇用振興部 産業政策課 新産業創出係 電話 0742-27-8814 メール [email protected]

漢方PJのHP