鳥取県健康対策協議会ホームページ - 5歳児健康診査マニュアル · 2016. 12....

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Page 1: 鳥取県健康対策協議会ホームページ - 5歳児健康診査マニュアル · 2016. 12. 9. · 鳥取県母子保健対策協議会 鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会

~ 鳥取県乳幼児健康診査マニュアル発行一覧 ~

〇鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【健診医用】~概要版~:平成25年9月

〇平成26年度版鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【スタッフ用】:平成26年4月

〇平成26年度版鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【スタッフ用】~歯科健康診査の部~:平成27年3月

〇鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【健診医用】:平成27年3月

○鳥取県5歳児健康診査マニュアル:平成28年11月

鳥取県5歳児健康診査マニュアル

発 行 平成28年11月

編 集 鳥取県福祉保健部子育て王国推進局子育て応援課

所在地 680-8570

鳥取市東町一丁目220番地

TEL:0857-26-7572

FAX:0857-26-7863

E-mail:[email protected]

鳥 取 県

5歳児健康診査マニュアル

平成 28 年 11 月

鳥取県母子保健対策協議会

鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会

鳥 取 県

5歳児健康診査マニュアル

平成 28 年 11 月

鳥取県母子保健対策協議会

鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会

5歳児健康診査マニュアル

平成28年11月

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鳥取県母子保健対策協議会

鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会 (平成28年11月末現在)

氏 名 職 名

魚谷 純 鳥取県健康対策協議会会長

会 長 ○中曽 庸博 鳥取県産婦人科医会長

委 員 長 大野 耕策 山陰労災病院長

委 員 石谷 暢男 東部医師会副会長

〃 井田 尚志 西部医師会

〃 井奥 研爾 中部医師会

〃 ○植田 美奈子 湯梨浜町子育て支援課係長

〃 ○宇都宮 靖 鳥取県立中央病院小児科部長

〃 大城 陽子 米子保健所長

〃 ○大野 光洋 鳥取大学医学部附属病院脳神経小児科助教

〃 大野原 良昌 鳥取県立厚生病院産婦人科部長

〃 岡田 克夫 鳥取県医師会常任理事

〃 笠木 正明 鳥取県医師会常任理事

〃 ○鞁嶋 有紀 鳥取大学医学部統合内科医学講座周産期小児医学講師

〃 木本 美喜 鳥取県福祉保健部子育て王国推進局子育て応援課長

〃 ○坂本 裕子 東部福祉保健事務所がん対策・健康づくり支援担当課長補佐

〃 瀬川 謙一 鳥取県医師会常任理事

〃 花木 啓一 鳥取大学医学部附属病院保健学科母性・小児看護学講座教授

〃 皆川 幸久 鳥取県立中央病院副院長

〃 ○山根 葉子 若桜町保健センター主幹

(50音順、敬称略、協議会委員○印)

【執筆協力:鳥取県健康対策協議会母子保健対策小委員会】

神﨑 晋 鳥取大学医学部統合内科医学講座周産期小児医学教授

大野 耕策 山陰労災病院長

汐田まどか 鳥取県立総合療育センター院長

笠木 正明 鳥取県医師会常任理事

長田 郁夫 子育て長田こどもクリニック院長

中曽 庸博 鳥取県産婦人科医会長

前垣 義弘 鳥取大学医学部脳神経科学講座脳神経小児科学教授

坂本 裕子 東部福祉保健事務所がん対策・健康づくり支援担当課長補佐

山根 葉子 若桜町保健センター主幹

植田美奈子 湯梨浜町子育て支援課係長

- 1 -

目 次

1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

2 健診の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

3 健診の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

(1)当日の流れ

(2)アンケート

(3)問診のポイント

(4)診察のポイント

(5)インタビュー

(6)必須の注意事項

(7)保護者からよくある質問とアドバイス例

(8)健診後のカンファレンス

4 5歳児健診の事後相談について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

健診および健診後のイメージ図

母子保健業務に使用する様式例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

5歳児健康診査票

5歳児健康診査・発達相談 問診チェックシート(保健師・保育士問診用)

5歳児○○○○アンケート<保護者アンケート例示>

5歳児○○○○アンケート2<保育園等のアンケート例示>

スコアの評価票

参考資料

SDQ について・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

鳥取県発達障がい啓発リーフレット ・・・・・・・・・・・・・・・・31

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1 はじめに

鳥取県で広く5歳児健診あるいは5歳児発達相談が行われている背景には、3歳児健診まではとくに

問題が指摘されなかったにもかかわらず、保育所、幼稚園、認定こども園等(以下「保育所等」という。)

で集団生活を行うようになって、保育士や幼稚園教諭から落ち着きがない、指示が入りにくい、集団行

動がとれないなどを指摘される幼児の存在があげられるだろう。運動発達や言語発達が良好な場合、落

ち着きがない、友達と上手に関われないといった行動を、3歳段階および3歳児集団健診で指摘するに

は限界がある。それは見落としているのではなく、集団生活をする年齢にならないと適切に指摘できな

い大脳発達段階に起因した問題だからである。保育士や幼稚園教諭がこうした問題行動に気づいて、保

護者に投げかけても「3歳児健診では何も言われなかった」という言葉が返ってくるだけであり、保護

者に気づきのないままに就学を迎えるという事態となっていた。ここに5歳児健診の潜在的ニーズがあ

った。 したがって、5歳児健診や5歳児発達相談では、集団生活を行う上で認められる問題行動に焦点を当

てることが重点課題であり、主として社会性の発達と自己統制力の発達などを診ることになる。

2 健診の目的

5歳児健診が目指すものは、発達や情緒、社会性に問題があったり、集団行動の場面で問題がある児

童を早期に発見し、児童や保護者へ早期に支援を開始するための気づきの場である。

保護者が発達障がいに気づき、児童への適切な対応や就学に向けての準備へとつながるための健診と

なるよう対応することが望まれる。就学間近であることから、保護者の就学への不安の解消にもなるこ

とが望ましい。健診によるスクリーニングから「診断」につなぐだけではなく、児童のより健全な育成

のための「支援」につなげていくことも求められている。

-26-

3)判定の方法 乳幼児健診において子育て支援が必要と気づく場面は、受付、待ち合い、保健師などによる問診、医師の診察、集団指導や個別指導の場面などさまざまである。このため、「子育て支援の必要性」の判定は、健診に従事した多職種によるカンファレンス等において、各従事者の観察事項等の情報や地域のサービス資源に係る意見等を踏まえ、総合的に判定することがのぞましい。

 支援が必要となる要因の分析に際しては、表 8. に示した評価の視点を用いる。なお、同表には、要因別に支援の判定の定義を記したので参考とされたい。

表 8. 「子育て支援の必要性」の判定の例示

支援の必要性なし

助言・情報提供で、自ら行動

保健機関の継続的支援

無有

可能

可能

地域関係機関と連携した継続的支援

図2. 「子育て支援の必要性」の判定の考え方

不可能

不可能

1)子ども、親・家族、親子 の関係性の要因

2)親が自ら支援を利用

3)保健機関のみで支援

項目名 評価の視点 判定区分 判定の考え方

子の要因

発達

子どもの精神運動発達を促すための支援の必要性

・支援の必要性なし・助言・情報提供で自ら行動できる・保健機関の継続支援が必要・機関連携による支援が必要

子どもの精神運動発達を促すため親のかかわり方や受療行動等への支援の必要性について、保健師ほかの多職種による総合的な観察等で判定する。

その他

発育・栄養・疾病・その他の子どもの要因に対する支援の必要性

・支援の必要性なし・助言・情報提供で自ら行動できる・保健機関の継続支援が必要・機関連携による支援が必要

子どもの発育や栄養、疾病など子育てに困難や不安を引き起こす要因への支援の必要性について、保健師ほかの多職種による総合的な観察等で判定する。

親・家庭の要因

親・家庭の要因を改善するための支援の必要性

・支援の必要性なし・助言・情報提供で自ら行動できる・保健機関の継続支援が必要・機関連携による支援が必要

親の持つ能力や疾病、経済的問題や家庭環境など子育ての不適切さを生ずる要因への支援の必要性について、保健師ほかの多職種による総合的な観察等で判定する。

親子の関係性

親子関係の形成を促すための支援の必要性

・支援の必要性なし・助言・情報提供で自ら行動できる・保健機関の継続支援が必要・機関連携による支援が必要

愛着形成や親子関係において子育てに困難や不安を生じさせる要因への親子への支援の必要性について、保健師ほかの多職種による総合的な観察により判定する。

- 1-

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3 健診の流れ

(1)当日の流れ(例示)

区 分(流れ) 主な担当者 内 容 等

受 付 保健師

問 診 保健師・保育士 健康診査票の確認、聞き取り

身体計測 看護師・保健師 身長、体重、頭囲等の測定

診 察 医師 会話、動作模倣等

個別相談 保健師・保育士・臨床心理士

指導主事 等

子育て相談、心理・発達相談、教育相談など

カンファレンス スタッフ全員 問題点の整理、今後の方針検討等

(2) アンケート

項目 質問内容 質問の意義

(1) 同居の家族につい

て記入して下さい。

とくに兄姉や祖父母がいない(核家族の第1子の)場合に、母親の願い・

心配の内容を確認し、具体的な子育て支援の方法を提案する。

(2) 昼間の保育者は主

にどなたですか。

保育所等などの保育施設で過ごす児童はかなりの割合を占める。一方、母・

父・祖母・祖父など、家族による保育の場合は同年齢の子どもとふれ合う

機会があるか、孤立化していないかどうかに関しても確認する。求められ

れば、あるいは、必要と考えられた場合には、子育て支援センター等を紹

介する。

(3) 予防接種は受けま

したか。

予防接種に対する関心を高め、予防接種の意義を保護者に理解させるよう

に指導する。また、疑問点や不安に対しても適切なアドバイスを行う必要

がある。保育所等また就学後の集団生活において、流行する感染症予防の

必要性を保護者に再確認してもらえるような啓発・指導が大切である。

(4)

今まで病気や事故

をしたことがあり

ますか。

「はい」の場合には具体的に聴取しておく。事故の既往歴があった場合、

本児の後遺症よりも養育環境を把握することが主な目的となる。回数が多

い場合、親の養育能力不足を疑ったり、皮膚所見等を診る必要がある。

(5)

どのような病気に

かかりやすいです

か。

(6)

治療中・経過観察中

の病気があります

か。

主として慢性疾患・病態が記入されよう。主治医との連携の様子や、困っ

ていることなどを聞き、また、該当するようならば、福祉制度面に関して

の確認も行う。

(7)

妊娠中何かかわっ

たことはありまし

たか。

各乳幼児健診票共通である。

以前に記載された情報が利用できる場合は省略する。

(8)

出産時何かかわっ

たことはありまし

たか。

- 2-

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(9) 何週で生まれ、体重

は何gでしたか。

各乳幼児健診票共通である。

以前に記載された情報が利用できる場合は省略する。 (10)

発達について伺い

ます。

(11) 今まで健診を受け

ましたか。 未受診の確認

(12) 健診で何か指摘さ

れましたか。 過去の乳幼児健康診査で指導・指摘されたことを確認する。

(13) 兄弟で発達に遅れ

がありましたか。 兄弟姉妹に発達障がい特性や遅れを持つことは時々あるので確認をする。

(14) どんな遊びが好き

ですか。

遊びが限定している場合(車や物を並べる、パズル)や一人遊びばかりす

る場合は自閉症の可能性がある。

いろいろな遊びに興味があり、人とのやり取りのある遊びを好めば問題は

ない。

(15) 遊び友達はいます

か。 対人関係を確認

(16) 起床・就寝時間を記

入してください。

生活習慣に関する設問である。早寝・早起きの習慣、食事の時間・量、歯

磨きが習慣化しているかなどを確認する。

(17)

食事やおやつ時間

は決まっています

か。

(18)

起床、少食、食べ過

ぎなど困っていま

すか。

(19) 歯磨きをしていま

すか。

(20)

テレビ・DVD・ス

マートフォンを

1日どのくらい見

ますか。

親と子が向き合って遊ぶことが、社会性、言語、情緒の発達に必要である

ことを保護者に理解してもらう。

テレビを見ていなくとも、児が遊んでいる部屋でテレビがつけっぱなしで

あれば、保護者への注意喚起が必要である。

テレビなどの刺激により、注意が散漫になり、摂食行為自体が落ち着かな

くなる危険性についても配慮しておく。この時期の子どもは食べることを

通じて、保護者からの話しかけ、食べ物の色や形、匂い、歯ざわりや音な

どに親しむようでありたい。

また、幼児はテレビ番組の良し悪しを判断できない。暴力的・人権を無視

した番組に関しては、これを制限して親子で遊べる時間にしたり、そうし

たシーンに接したら「怖いね、悲しいね」などの気持ちを伝えることが大

切である。

(21) 目が悪いという心

配はありますか

すでに3歳児健診で視力検査を行っているが、不同視(視力の左右差)が

ある場合には、その進行が懸念される。通常では視力の低い眼球側に斜位

(潜伏斜視)が現れるが、斜位が現れないこともある。この場合には発見

が遅れて、片眼弱視となる心配がある。可能であるならば、5歳児健診に

おいて、必ず片眼を遮蔽した精度の高い視力検査を行いたい。

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(22)

耳の聞こえが悪い

という心配はあり

ますか

視力と同様に3歳児健診で聴力検査を行っているが、軽度難聴や高音急墜

型難聴などの特殊な聴力障がいはわかりにくい。

就学前まで両側の中程度難聴が見逃される場合もあるので、可能であるな

らば、5歳児健診において指こすり検査などにより、聴力を確認しておく

とよい。

(23) 利き手はどちらで

すか

5歳であれば、利き手が決まっているが、中には両手利きの幼児も存在す

る。両手利きはとくに病的なものではない。

(24) しつけについて不

安はありますか

しつけのあり方、方法に不安を感じている親に対しては、丁寧かつ具体的

な指導と同時に、指導が知識の伝達に止まらないように、ましてや「こう

あるべきだ」などの押し付け・強要にならないように配慮する。(3歳児健

診と同じ。)

(25) 子育ては楽しいで

すか

育児が楽しめていないために子どもへのかかわりが少なくて発達が遅い

のか、もともと子どもに発達の遅れがあるために心配が重なって、育児が

楽しめていないのか、その因果関係までは推測できない。しかし、保護者

が「楽しくない」と答えていた場合には、子どもの発達を含めて、保護者

から出された何らかのサインであると受け止め、保健指導を行うことが重

要であろう。(1歳6か月児健診、3歳児健診と同じ。)

(26)

今の状態について、

はい、いいえ、不明

に○をつけてくだ

さい

5歳児健診に特有な発達問診項目を作成している。1歳6か月児健診、3

歳児健診と同様に①~④が運動発達に関する項目、⑤~⑧が社会性発達に

関する項目、⑨~⑫が言語発達に関する項目となっている。平成26年度

に12町村で行われた5歳児健診から得られた通過率を以下に示す。

通過率 (N=895)

① スキップができる 86.7 %

② ブランコがこげる 82.0

③ 片足でケンケンができる 98.0

④ お手本を見て四角が書ける 94.6

⑤ 大便がひとりでできる 94.0

⑥ ボタンのとめ、かけはずしができる 98.3

⑦ 集団の中でで遊べる 96.6

⑧ 家族に言って遊びに行ける 61.9

⑨ ジャンケンの勝敗が分かる 95.0

⑩ 自分の名前が読める 89.6

⑪ 発音がはっきりしている 89.9

⑫ 自分の左右が分かる 74.1

5歳児健診は、保育所ごとに行っている場合が多く、対象年齢は5歳0か月から5歳11か月で

ある。各市町村で実施する際には、上記の通過率は平均年齢が5歳6か月となる集団でのもので

あることを考慮していただきたい。

上記の集団から得られた通過率をみると、通過数が7項目以下であるものは 3.2%、9項目以下

であるものは 11.2%であった。通過数が7項目以下であった幼児は、医療機関での診察の結果、

27.6%が何らかの発達障がいに該当すると診断されていた。

以上より、通過数が7項目以下である場合には、医療機関や療育機関の受診を勧めるべきであろ

う。また、9項目以下の場合には発達障がいを疑って、受診を勧めるなどの具体的な方針を立て

るべきであろうと思われる。

<参考>通過数が9項目以下であるもののうち診察の結果発達障がいと診断されたのは 21.0%

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(26)

アンケート項目①~⑫の判断の目安については、以下の内容を参考にしてください。

(①~④は運動発達に関する項目⑤~⑧は社会性発達に関する項目⑨~⑫は言語発達に関す

る項目)

①スキップができる。

5回以上連続してスキップができれば「はい」とする。歩くだけだったり、ケンケンの

ようであったり、全くできなければ「いいえ」とする。 ②ブランコがこげる。

立ちこぎまではできなくても、座ってこげれば「はい」とする。 ③片足でケンケンができる。

ケンケンで 10 歩程度進めば「はい」とする。

④お手本を見て四角が書ける。

四角が書ければ「はい」とする。 ⑤大便がひとりでできる。

大便をしておしりがひとりで拭けることができれば「はい」とする。おしりまで手をも

っていくだけで動かせなければ「いいえ」とする。 ⑥ボタンのとめ、かけはずしができる。

直径1センチ程度の小さいボタンが4個以上とめはずしができれば「はい」とする。 ⑦集団の中で遊べる。

ごっこ遊びやルールのある集団でのゲーム(かくれんぼなど)、友達と一緒の積み木遊び

などができれば「はい」とする。ルールが理解できていない、役割を担えなければ「い

いえ」とする。 ⑧家族に言って遊びに行ける。

たとえば、庭や玄関先などの外で遊ぶ際に、家族へどこで遊ぶか言って出ることができ

れば「はい」とする。

⑨ジャンケンの勝敗が分かる。

グー、チョキ、パーの意味を理解し、3回以上ジャンケンを実施し勝敗がわかれば「は

い」とする。 ⑩自分の名前が読める。

ひらがなで子どもの名前を書いておき、それを「読んでごらん」と指示して、読めなけ

れば「いいえ」とする。 ⑪発音がはっきりしている。

日常生活のなかで、聞き返しが必要な場合は、「いいえ」とする。 ⑫自分の左右が分かる。

たとえば、「右手をあげてください。」「左手をあげてください。」などと実際に行ってみ

て理解できていれば、「はい」とする。

(27)

心配ごと、相談した

いことがあります

平成 26 年度の 12 町村で行われた5歳児健診の結果によると 31.4%の保護

者が、「ある」に○をしていた。主な内容としては、発達に関することや、

子育て上の心配事が多かった。

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(3) 問診のポイント(診察の手順と解説)

以下に5歳児の問診のポイントと手順を記載しておく。各市町村では、こうした問診内容を参考と

して欲しい。

(1)会話をする(担当者:保健師・保育士)

①手順

5歳児の多くは、初対面の人に対しても挨拶や簡単な会話であれば、応じることができる。

約5-10%の5歳児は、健診場面では人見知りのために会話が成り立たないことがある。この

場合には、会話の項目を飛ばして、動作模倣からはじめるとよい。慣れてくると会話ができた

り、声には出せなくても首を振る動作で「はい、いいえ」を示すことができるので、それでも

って代替とする。以下に会話による診察の例を挙げる。

医 師 子ども

a. お名前は?

b. 保育園のお名前は?

c. 何組さんですか?

d. ○○組の先生のお名前は?

e. ○○組の給食はおいしいですか?

f. 給食で一番おいしいのは何ですか?

g. お母さんの□□もおいしいですか?

h. じゃあ、○○組の□□とお母さんの□□で

はどっちがおいしいですか?

○○です

○○保育園です

○○組です

○○先生と△△先生です

おいしいです(ほとんどの子が、こういってくれます)

□□です

おいしいです(ほとんどの子が、こういってくれます)

(ほとんどの子が困った表情、あるいはニヤッと笑い

ます)

②解説

会話は、診察のインテークとしてだけでなく、会話という形式自体の成立が大きな意味を持

つ。異常所見とするポイントと念頭に置くべき疾患を以下に挙げる。

・尋ねたことに適切に答えることができない(ただし、場面緘黙かんもく

は除く);精神遅滞か自閉症を

疑う

・黙ってしまい、会話にならない;場面緘黙かんもく

、精神遅滞を疑う

・ズレた答えが返ってくる;精神遅滞か自閉症を疑う

・聞いてもいないのに一方的に話す;ADHD か自閉症を疑う

・質問が終わらないのに勝手にしゃべる;ADHD か自閉症を疑う

・やたらと敬語を使う(方言が少ない);自閉症を疑う

・hの質問で、表情に変化がなく淡々と事実を答える。;自閉症を疑う

中山間部で保育園が一つしかない地域では、b の回答ができないことが多いので飛ばしてよい。

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(2)単語の定義をたずねる(担当者:保健師・保育士)

①手順

イスに座るように指示し、単語の定義を尋ねる。

「これから言葉を言いますから、それがどんなものか言ってください」と説明し、1回に一

つの言葉を言う。下に示した6つの単語をたずねて、そのうち5つの単語を正しく答えれば OK

とする。

帽子、イス、くつ、本、おはし、時計

②解説

形や用途、素材、一般的なカテゴリーのどれかを答えれば正解とする。5 歳では 90%の子が

5つ正答できる。

単語 正答例

帽子 頭にかぶるもの 頭を守るもの

イス 座るもの

くつ 外に出るときはくもの

本 読むもの

おはし ご飯を食べるときに使うもの

時計 時間を調べるもの 何時か見るもの

(3)じゃんけん勝負(担当者:保健師・保育士)

①手順

普通のじゃんけんをする。勝ち負けを子どもに尋ねて、勝ち負けが分かるかどうかをチェッ

クする。3回行う。

②解説

じゃんけんの勝ち負けが分かっていない子の場合には全体的な遅れを疑う。また、「最初は

グー、ジャンケンポン」のリズムに合わせられない子では、自閉症を疑う。

(4)しりとり(担当者:保健師・保育士)

①手順

普通のしりとりを行う。「しりとりをします。し・り・と・り」といって「り」からはじめる

ことを示唆する。

②解説

ほとんどの5歳児は、3往復以上のしりとりができる。できない子では全般的な遅れを疑う。

しりとりができない子では、平仮名が読めるかどうかを聞くと良い。平仮名が読めているのに

しりとりができない子では、自閉症を疑う。

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(4) 診察のポイント(診察の手順と解説)

以下に5歳児を診るポイントと手順を記載しておく。各市町村では、こうした診察内容を参考とし

て欲しい。

(1) 動作模倣(担当者:医師)

①手順

まずは、座位のままで両腕を横に水平に上げさせる。続いて両腕をまっすぐ上に上げさせる。

最後に両腕を前に出させる。

両腕を左右横に挙上する

両腕をまっすぐ上に上げる

両腕を前に出す

②解説

非常に簡単な動作模倣である。ほぼすべての5歳児が可能である。運動発達を見ているわけ

ではなく、大人の指示に従うかという従順さを見ている。(KIDS という発達検査との整合性を調

べて、大人への従順さを調べる項目であることが判明している)

ごくまれに、「やりたくない」とか「なんでやらないといけないのか」と言ってやろうとしな

い子がいる。独特の価値観と自分の世界観があるためと思われる。自閉症を念頭に置き、次の

案内をしておくべきである。

(2) 協調運動(担当者:医師)

①手順

閉眼立位

指のタッピング(母指と示指)

前腕の回内回外

グーとパーの交互開閉

手の表裏交代

・閉眼立位;立位にさせてから、閉眼をさせる。「では、立ってください。気をつけー、ピッ。」

と言う掛け声で、良い姿勢をとることが多い。そのあと「眼を閉じてください」と

指示するとよい。

・指のタッピング;自分の右手の母指と示指でタッピングを繰り返し、それを子どもに模倣さ

せる。できるだけ早くするように指示するとよい。

・指のタッピング;続いて左手で母指と示指でタッピングをさせる。

- 8-

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- 10 -

・前腕の回内回外;自分の右腕を脇に密着させて、前腕を 90 度曲げた姿勢を見せて、子どもに

模倣させる。続いて、前腕をくるくると回してみせ(前腕の回内回外)、子どもに模

倣させる。できるだけ早く回すよう指示する。

・前腕の回内回外;続いて左腕で同様に行う。

・グーとパーの交互開閉;自分の両腕を前に出して、グーとパーを交互に開閉する。子どもに

その模倣をさせる。最初は「ホイ」と言う掛け声にあわせて交互開閉させるが、3

回ほどで終了し、あとは掛け声なしにしてみる。

・手の表裏交代;両腕を前に出させて、左右の手で表と裏を交互に交代させる。「同じようにし

てください」と指示して、5回ほど真似をさせる。

②解説

・閉眼立位;ほぼすべての5歳児で可能である。バランスが崩れてしまってできない子には、

何らかの神経学的な異常があると考えるべきである。

・指のタッピング;タッピングの速さ、リズムの安定性、反対側の類似の動き(鏡像運動)の

様子を見る。指のタッピングが不器用な感じだったり、鏡像運動が見られるときは

大脳の成熟が遅れていることを示す。背景はさまざまで、精神遅滞、自閉症、ADHD、

発達性協調運動障がいなどが疑われる。軽微な鏡像運動は、5歳児には見られるの

で異常ではない。

・前腕の回内回外;回内回外の速度やリズムの安定性、反対側の鏡像運動などをチェックする。

意義は指のタッピングと同様である。

・グーとパーの交互開閉;たまにグーとパーが同時に交代できない5歳児がいる。この場合に

は全般的な発達の遅れを疑う。指示に従わず勝手にグーパーを繰り返す場合には、

ADHD を疑う。

・手の表裏交代;手の表裏交代ができず、同じ側をヒラヒラさせるこの場合には、全般的な遅

れを疑う。勝手に表裏交代をする場合には ADHD を疑う。

(3)安静閉眼(担当者:医師)

①手順

イスにしっかりと腰掛けさせて、

「手はおひざ。背を伸ばして胸を張ります。先生の鼻を見ます」

「いまから、先生が『ようい、始め』と言ったら眼をつむります」

「良いよっていうまであけてはいけません。動いてもいけません」

「いいですか、ようい、始め」

と指示し、20 秒間安静閉眼の状態が保てるかを見る。

②解説

ほとんどの5歳児は 20 秒間、じっと閉眼状態を保つことができる。20 秒前に開眼したり、

閉眼していても顔を苦しそうにしかめる、手で顔を覆う、手や足をもぞもぞと動かすという

自己刺激行動が見られたら、ADHD や自閉症を疑う。とても不安を持ちやすい状態の子(場

面緘黙かんもく

、精神遅滞、愛着障がいなど)でも安静閉眼ができないことがある。

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5歳児健康診査問診・診察項目

担当 項 目 異 常 所 見 意 義

(1)会話 会話が成立しにくい(答えがずれる) 言語発達

対人性の発達

保育所の組や先生

の名前

時間のオリエンテーションができていない

やり取りという会話形式が成立しない

言語理解力

状況判断力

対人性

発音 構音の不明瞭さがある(聞き返しが必要な程度) 構音障がい

(2)単語の定義 正答が4つ以下 全般的な遅れ

(3)じゃんけん勝負 勝ち負けが不正確である 全般的な遅れ

(4)しりとり しりとりができない(3往復以内) 全般的な遅れ

(1)動作模倣 動作自体ができない、指示が入りにくい 診察への協力性

模倣行動

両手をまっすぐに

挙げる

上肢の運動機能に異常がある

模倣しない

(2)協調運動 巧緻運動発達

閉眼立位 体幹の動揺が著しい 小脳の発達

手指のタッピング 安静側の指に鏡像運動が出現する

器用さ

前腕の回内回外 全く動きができない

手の交互開閉・表裏

交代

グー、パーを交互同時に開く事ができない

手の表裏交代ができない 運動企画力

(3)安静閉眼 20 秒できない、もしくは自己刺激行動が著しい

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(5)インタビュー

上記の診察にて、異常所見を認めたら、疑っている疾患に対応したインタビューを行う。インタビ

ューは、この診察場面での所見が、家庭でも同じであることを保護者と共有するためのものである。

何項目以上あると疑われると言うチェックリストではないことに注意する。

(1)精神遅滞が疑われる場合

・今日、答えられなかったのは、たまたまですか?

・言葉の発達が少し遅いと感じられたことはありませんか?

・お母さんの指示がピンときていないことはありませんか?

・保育所で、みんなに出した指示が理解できていますか?

・ルールの理解が遅いと感じますか?

・会話をしていて、ズレると思ったことがありますか?

(2)自閉症が疑われる場合

・大人びた話し方や言葉を使いますか?

・人が気にしていることを無頓着に言ったりしますか?

・親に対しても、ていねいな言葉を使いますか?

・とても早い時期から平仮名や数字が読めましたか?

・自分流の決め事を作りやすいですか?

・一人遊びが多いですか?

・こだわりは強くないですか?

・図鑑やカタログ、ロゴなどを非常に好みますか?

・とても好む感覚や遊びなどがありますか?

・とても不安がったり、怖がったりする感覚などがありますか?

(3)ADHD が疑われる場合

・落ち着きがないと思いますか?

・思いついたらやらずにいられない、といった感じの行動が目立ちますか?

・10 分くらいなら静かに座っていることができますか?

・人の話を聞いていないことが多いですか?

・順番が待てないことが多いですか?

・初めての場所や人でも平気ですか?

・よくしゃべりますか?

「行動に関する問診」として、予め保護者や保育所等の担任にチェックしてもらっておくと、診

察時間の短縮が期待できる。ただ、これらの項目で該当するものが多いからといってただちに何ら

かの発達障がいがあると判断するのではなく、あくまで診察の参考とするにとどめていただきたい。

印象による診断や過剰診断があると、5歳児健診本来の目的である「子育て支援」を見失う事にも

なりかねない。

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(6)必須の注意事項

安易に「様子を見ましょう」と言うのは禁忌である。次に「親としてはどうしたらいいのか」と

いう案内を必ずしておく。また健診の場では「たとえ疑いであっても疾患名を言うこと」も禁忌で

ある。

(7)保護者からよくある質問とアドバイス例

Q:かんしゃくを起こし易い、怒りっぽい

A:自分の思い通りにならなかった時、疲れて眠い時、お腹が空いた時に、泣きわめいたり叫ん

だり、手足をばたばた動かしたり、足を踏み鳴らしたりして怒ることをかんしゃくと言いま

す。2歳~4歳ごろが最も多く、「○○して」と言えたり、物事が我慢できるようになった

り、感情コントロールができるようになる5歳ごろを過ぎると通常は少なくなります。

年長児以上で、家庭でしばしばかんしゃくをおこす場合、担任や友達が注意をするとしばし

ばかんしゃくをおこしたり、カッとして友達をたたいたり、けったりするような場合は、情

緒的に不安定になっている可能性、自己肯定感が低下している可能性、対人スキルに問題が

ある可能性があります。保育所等で嫌なことがあっても家族に話せていない家庭環境ではな

いか、過剰な叱責によるしつけや暴力によるしつけなどが行われていないかなどを評価する

とともに、多動・衝動性、こだわり、対人的相互作用の未熟さなどの発達障がいの特性がな

いかを評価する必要があります。

※かんしゃくの程度や頻度が著しい場合や、家族へ指導しても状態が変わらない場合には発

達の専門機関に相談しましょう。

Q:何度注意しても同じことをする

A:何度注意しても同じことを繰り返すことは子どもではありがちで、大人からみるとなぜだろ

うと思うこともよくあります。また、つい感情的な叱り方をしてしまいがちです。叱り方は

むずかしいですが、以下のようなことに注意して、もう一度お子さんを見直してみましょう。

叱り方としてよくないこととしては、頭ごなしに否定する、悪いところばかり責め立てる、

子どもが悪いと決めつける、一回でわからせようとする、お友達や兄弟と比較するなどがあ

げられます。

注意する場合はまず、子どもの話をしっかり聞き、気持ちを理解すること、子どもが理解で

きるように理由を話しながら言い聞かせるようにすることが重要です。子どもは二度、三度

でも注意したことを繰り返すことがあることを理解して、他の子どもと比較するような叱り

方をしないことにも注意を払いましょう。

※同時に落ち着きがない、不注意、コミュニケーションがとりにくいなどの行動が目立つよ

うであれば、発達の専門機関に相談しましょう。

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Q:落ち着きがない、集中力がない

A:「落ち着きがない」、「集中力がない」ということは、5歳児ではよくみられることです。

落ち着きがあって、物事に集中できることの方が少ないかもしれません。ただ、集団生活で

は「落ち着きがない」ことで、まわりの子ども達とうまく遊ぶことができなかったり、園で

の生活がスムーズにいかないと、問題を生じることもあります。生活環境に子供が馴染める

ように周囲が気遣い、愛情を持って接してあげることが必要です。その子の言い分もしっか

りと聞いてやり、納得させるとことも大切になります。家庭でも会話する時間を取って、お

話を聞いてあげましょう。

「集中力がない」ということは、子どもがそのことに興味がないのかもしれません。興味を

持てるように工夫して接してあげることが必要です。また、子どもが興味を持つことがある

のなら、積極的に応援して、うまくできたら褒めてあげてください。子どもが興味を持てる

ようなことを探してあげたり、集中しやすい環境づくりも大切です。

※ご家族がこのような子どもの状態への対応が難しいと感じたら、発達の専門機関に相談し

てみましょう。

Q:緘黙かんもく

(家の外ではしゃべらない)

A:家では話すが保育所等などでは話さない状態は、場面緘黙かんもく

(医学的には選択性緘黙かんもく

)と言い

ます。人前で不安が強い、発達の遅れや偏りがありどう行動していいかわからない、などい

くつかの要因が重なっていると考えられます。基本的には、声を出すことを強制しない、行

動のお手本を示す、などの対応をします。

※集団生活で困難がある場合は発達の専門機関に相談しましょう。

Q:友達を叩く、物を投げるなどの暴力行為

A:一般的には、友達を叩いたり、物を投げるなどの暴力行為を行う場合、言葉や行動で自分の

意思を伝える手段を獲得できていないことが多いです。それでもやはり、暴力行為は容認で

きません。感情的に頭ごなしに叱ったり、暴力で対抗することは、自己評価や自尊感情を低

下させるので、良くありません。子どもは、保護者や家族、友達、先生、メディアの中の登

場人物等の行動を模倣し、自分の怒っている感情を表現する行動を、成長の過程で身に付け

ていきます。したがって、子どもの見るすべてのものが、模倣対象になると考え、親をはじ

め、子どもの周りの環境を振り返ってみると、解決方法が見つかることが少なくありません。

まずは、子どもの訴えをじっくり聞いてみましょう。

※発達障がいのお子さんの中には、障がい特性に合わせた対応を行うことで、子どもさんの

負担が減り、友達を叩く、物を投げるなどの暴力行為が少なくなることがあります。発達

の専門機関に相談しましょう。

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Q:文字に興味がない、覚えない

A:文字に関する興味や覚えは個人差が大きく、2歳でひらがなが読める子もいます。興味がな

いのに無理に覚えさせようとしても、覚えることが嫌いになるだけです。「勉強しなさい!」

と言われるとやる気がなくなるのと同じです。文字以外のことに興味があればそれを伸ばし

てあげることが大切です。子どもは、興味のある活動を通して言葉や物事の意味を理解して

いきます。また、絵本を読んであげることは、言葉を伸ばすのに大変役立ちます。また、子

どもは文字を「図形」として認識しますので、絵入りの50音表などを貼っておくのも良い

方法です。

※文字理解以外に、話しことばが遅い場合や理解力が遅れている場合には発達の専門機関に

相談してみましょう。

Q:こだわりが強い(ものや手順)

A:物事へのこだわりは、ある面ではプラスに評価されます。こだわりだけが問題で、それ以外

に問題が無い場合は、正常範囲の「くせ」ということもあります。日常生活に支障が出ない

程度のこだわりなら、そのまま受け入れてあげても良いでしょう。しかし、過剰なこだわり

は正常な日常生活を困難にすることもあります。

※日常生活に支障をきたす様なこだわりの場合(物、場所、行動、手順)は発達の専門機関

に相談してみましょう。

Q:夜尿が続く、昼間遺尿(昼間のおもらし)が続く

A:夜尿症は、第二次性徴を迎える 12 歳頃までに治ることが多いものです。5歳ぐらいまでなら

心配するような病気ではなく、単に排尿機能が未熟なだけのことが多いものです。「(夜に)

起こさない」「(親が)あせらない」「(夜尿を)怒らない」ことが大切です。また、夜尿

をしなかった時は、たくさん褒めてあげて下さい。規則正しい生活リズムの確立は、膀胱や

尿道の働きを調節する自律神経や夜間の抗利尿ホルモンの分泌にも好影響を及ぼすと考えら

れています。5歳児では、毎晩夜尿があっても、家庭での生活リズムの改善を行いながら経

過を見てもよいでしょう。

※6~7歳頃になって週4~6日以上夜尿があり、生活習慣を見直しても改善しなければ、

医療機関を受診しましょう。昼間遺尿(昼間のおもらし)が持続する時には、医療機関を

受診しましょう。

Q:チック

A:チックは、まばたき、首振り、顔しかめ、口すぼめ、肩上げなど突発的で急速な繰り返し運

動(運動性チック)や、咳払い、鼻ならし、叫びなどの発声や発語の繰り返し(音声チック)

などです。子どもの1~2割に現れ、4~11 歳頃に見られることが多く、ほとんどが1年以

内に改善します。精神的ストレスによって症状が悪化することがあります。軽症のチック症

では、一般的には治療をおこなわず、家族や学校など周囲の理解によって、通常通りに生活

します。

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※症状を変えながら1年以上持続する場合や活動に支障のあるチックの場合は、医療機関を

受診しましょう。

Q:吃音きつおん

A:就学前の幼児の5%に吃音きつおん

を認めますが、その 80%は8歳までに改善します。吃音きつおん

は緊張す

ると目立ち、ある状況下で軽減する場合があります(歌を唄う、大声で朗読する、ペットや

おもちゃに話しかける)。

自然に改善することが多いです。注意しても改善しないので、吃音きつおん

を叱らないようにしまし

ょう。しゃべることに子どもが不安を感じることがないように配慮してください。

※著しい場合や保護者の不安が強い場合には、言語聴覚士のいる施設へ相談しましょう。

Q:構音障害

A:●器質性(口蓋裂こうがいれつ

や鼻び

咽頭いんとう

の形態的・機能的異常)構音障害、麻痺性(神経疾患や筋疾患に

併発)構音障害、高度聴力障害に関連した構音障害

ほとんどの場合には既に診断・治療されている。未診断例は精査が必要。

●機能性構音障害

上記以外で、構音発達の遅れ(未熟構音)や誤った構音習慣によって生じます。健常児で

も、未熟構音は5歳くらいまではしばしば見られます。サ行がシャ行やチャ行になること

が多いです。多くは自然に改善します。

※著しい場合や家族の心配が強い場合には言語評価のできる施設へ相談しましょう。言語

訓練の実施可能な年齢は4~5歳とされています。また、学童は通級指導教室(ことば

の教室)で言語訓練を受けることができます。

Q:褒め方、叱り方

A:子どもは、いろいろ失敗を重ねながら成長するものです。時には過ぎた行動や危険な行為も

あり、叱らなければならないこともあります。

「いけません」「だめです」といった否定語は行為を中断させるのには有効ですが、「ダメ

な子ね」と日々批判され続けた子どもは、自分は良い子になれないと心の奥で信じ込み、自

分はダメだと自信をなくします。

一方、その子の良い所を見つけてやると自信がつきます。褒めること、認めることは「自分

はやれる子だ」という思いをゆるぎないものにするでしょう。

<叱り方の原則>

○行動の禁止は最小限にする。

○過ぎた行動や危険な行為は、その場で速やかに正しい行為を教える。

○感情的に怒るのではなく、信頼関係に基づき、愛情をもって叱る。

親自身もルールに反することはしないように気をつけ、子どもに信頼される親となるように

心がけましょう。

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Q:年下の兄弟をいじめる

A:一般的に、子どもの行動は、大人に比べて乱暴で唐突です。子どもは、相手に不満がある場

合、言葉でうまく伝えることができず、相手のことを思いやることもまだできないために、

とっさに身体で反応してしまいます。決して弟や妹が憎くてやっているのではなく、自己表

現の未熟さから生じる行動ですので、あまり神経質になることはないでしょう。

いつも下の子が泣かされるので、親はついつい上の子を叱りがちですが、ケガをしない程度

であれば、黙って見守って大丈夫でしょう。そのうち、下の子も泣かされない術を身につけ

ていくと思います。また、甘えたい子どもには「お兄ちゃんなのにダメね」などと言わず、

時々しっかりと抱きしめてあげてください。「あなたもわたしのかわいい子よ」ということ

が、肌で感じられれば、子どもは安心し、情緒が安定します。

Q:くせ(爪かみ、鼻いじり、袖かみ)

A:何らかの不安やストレス等を抱えたとき、うまく言葉で表すことができず、爪かみや鼻いじ

り、袖かみなどの行為になって表れます。子どもなりに不安やストレスを解消したり気持ち

を紛らせようとしているので、叱ったり禁止したりして強制的にやめさせようとするとかえ

って悪化します。

行為そのものをやめさせようと必死になるより、不安やストレスを取り除くようにスキンシ

ップをとったり、遊びに誘ったり、「いやだったんだね」「さびしかったんだね」と気持ち

を代弁したりして、子どもの感情に寄り添い共感することが有効です。また、鼻血が出るま

でほじってしまう、爪をかみすぎて血が出るなど体を傷つけるようなときは、保護者の心配

している気持ちを子どもに話してみましょう。

Q:鉛筆や箸の持ち方の教え方

A:鉛筆や箸などの道具を上手に持つためには、道具を持たない場面で手をしっかり使って遊ぶ

体験が大切です。「にぎる・ひらく・ひらいた状態で体を支える・にぎった状態で力を込め

る・つまむ・はめる」など、手の機能の発達や指先の器用さを促す遊びをたくさん取り入れ

ましょう。

こういった土台を作ったうえで、子どもの手の大きさに合わせた物を選んだり、安定して握

りやすいものから持たせたりすることが大切です。箸は、中指の先から手首までの長さに3

センチ加えた長さが持ちやすいと言われています。

Q:集団活動・行動が難しい

A:集団での指示が理解できていない場合には、その子が分かるように伝えてあげることが大切

です。ことばだけでは、指示されていることの理解が難しかったり、イメージが持てないこ

とがあります。その子の理解力や、理解しやすい方法を把握し、それに合わせて働きかける

個別の対応が必要です。その子に分かりやすい手段の例として、絵カード等を使うこと、事

前に丁寧な声かけをすること等も工夫の一つです。

※理解力に心配がある場合は発達の専門機関に相談しましょう。

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Q:集団での指示が理解できない

A:集団活動に参加できない子どもは、その理由を分析してみることが大切です。例えば、新し

いことに取り組むことが苦手で参加できないのか、活動の意味が理解できないのか、活動へ

の集中が難しいのか、自分の好きな活動は取り組めるが興味がないものは楽しめないのか等、

理由について把握した上で、その子に合った対応を検討してみることが大切です。その子に

とってどのような活動なら参加できるのか、少しでも参加できる活動はないか等を検討し、

無理のない小さな目標を決め、少しずつ進めていきましょう。集団活動への参加が少しでも

できた場合には、しっかり褒めてあげましょう。

その子の気持ちに寄り添い、できたことを繰り返し褒めることで、少しでもその子自身の自

信に繋がるよう支援していきましょう。

※理解力が低い場合や発達障がい特性が目立つ場合は発達の専門機関に相談しましょう。

Q:行動(気持ち)の切り替えが苦手

A:年齢が低いうちは、何かに夢中になっているときに、急に「終わり」を言われても、状況に

対応することが難しい場合が見られます。しかし、年齢があがってくると、その後の予定(行

動)などを考え、「やりたいこと」と「やらなければならないこと」の調整ができてきます。

行動(気持ち)の切り替えが難しい理由としては、先の見通しが立てられない、切り替えの

タイミングがわからないなどがあります。口頭だけではなく、絵や文字などを使い、前もっ

て次の行動予定を伝えたり、「終わり」の時間や回数などを伝えたり、次の行動に移る準備

ができるように工夫してあげましょう。

Q:新しい場所や初めての活動に不安、緊張、嫌う

A:子どもは好奇心が旺盛な一方で、初めての場所やものなどに直面すると、どう対応してよい

かわからず不安を強く抱くことがあります。そのため、子どもが初めて体験することを嫌が

ったりするのはある意味自然なことです。

子どもが不安を軽減できるよう、初めての場所やものへの関わり方を具体的に示したり、事

前に説明したりしてあげるのもよいでしょう。しかし、極端なほど不安や緊張があったり、

嫌がったりする場合は無理強いしないようにしましょう。

※著しい不安や緊張がある場合は発達の専門機関に相談しましょう。

(8)健診後のカンファレンス

健診後、スタッフで気になった子どもたちについてカンファレンスを行うことは、問題点の整理

と今後の方向性を決める上で重要です。特に軽度発達障がい児は個別の診察の場面で気づかない場

合も多いので、集団での行動の問題や保育所等での様子などを含めて総合的に判断することが大切

です。

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【健診スタッフの対応に関するQ&A】

Q:「1歳6ヶ月で有意語がないが、専門機関に紹介すべきかどうかの判断が難しく、保護者も受

診の希望はない。家でのかかわりについてどう助言すればよいか?」

A:言葉の発達は個人差が大きいため、この時期有意語が出ていない状態でも、経過をみないと知

的障がいや発達障がいと診断できないことも多い。一般的なことばを育てるかかわりについて

アドバイスをした上で、今後、有意語がなかなか出ない、人とのかかわりが乏しいなどで相談

したいときは、その地域でどこに相談すればよいかの情報提供をする。

かかわりの例としては、インリアルアプローチはどのような子どもにも適用でき、保護者でも

十分できるかかわりである(表1,2)。言葉を教えることにとらわれず、子どものしている

ことや発声をまねしてみる(ミラリング・モニタリング)、こんなことをいいたいのかな、と

いう言葉を言ってみる(パラレル・トーク)などを遊びの中でこころがけるように助言する。

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Q:「3歳を過ぎているが、言葉の発音が不明瞭。言語訓練をするように療育機関に紹介するほう

がよいか?」

A:発音(構音)の発達も個人差が大きい。特に「サ行」などが構音できるのは5~6歳である

(表3)。子どもの場合、多くが構音の未熟か誤学習であり、その場合言語訓練(speech therapy)

をする基準としては、大体5歳以降、あるいは年長児である。軽度の難聴の有無について注意

が必要だが、音への反応に問題がなければ、まずは家庭でできる「お口を使う遊び」について

助言する。

参照:鳥取県健口食育プロジェクト事業「健口キッズ支援コース」~お口を使う遊び

http://www.pref.tottori.lg.jp/hanokenkou/

同時に、5歳を過ぎて構音の問題が目立つ場合に相談できるところについて、情報提供してお

く。

Q:「保育園で落ち着きがない、集団行動ができないなどの行動があり発達障がいが疑われるが、

家族に困り感がなく受診について拒否的な場合の対応は?」

A:できれば、園からの情報、問診、診察所見から、「買い物に行くと勝手に好きなところに行って

しまったりしますか?」「かんしゃくを起こしやすいですか?」「神経質なところはありますか?」

など、具体的に子育てで大変な場面はないかどうか確認する。その話の中から、「じっとしてい

るのが苦手なほうかもしれないですね」「マイペースなタイプかもしれないですね」というよう

なやりとりができれば、少し配慮をしてもらうほうがより安心して本人が集団生活を送れる場合

があることを伝える。

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保護者から具体的な対応について聞かれたら、マイペースな子どもの場合は、発達障がいで

はなくても、発達障がいの子どもへの対応をしてみると本人が理解しやすく、行動が安定する

ことを説明する。

基本的には、

・言葉の指示は短く。

・言葉だけでなく見てわかるような伝えかたをする。

・約束事はポイントをしぼる。

・叱るだけでなく良かったときすぐ褒めるなどを心がける。

※参考資料(P32 参照):鳥取県発達障がい啓発リーフレット(未就学児編)

なお、このような会話の流れにならず、「全く困っていません」となった場合、専門機関紹介

を無理強いする必要はない。集団生活で困ることがもし出てきたら、どこに相談すればよいか、

という情報を伝えればよい。

4 5歳児健診の事後相談について

5歳児健診では、医療機関や療育機関の受診をすすめる以外には、その事後フォローとして、市町

村独自に事後相談を設けるなどの対応も考えられる。

事後相談としては、子育て相談、心理・発達相談、教育相談などが挙げられよう。5歳児健診で相

談したいことがあると問診票に記載した保護者は 31.4%にものぼっている。多くは子育て上の相談で

あった。これに対応するには子育てに詳しい保育士や保健師等による個別の相談ができるとよい。さ

らに発達障がいが背景にあると疑われる児に対しては、心理・発達相談を、就学前に学校と事前に相

談する必要がある児に対しては教育相談を、それぞれ個別に行うことが考えられる。教育相談に関し

ては、該当地域の教育委員会との連携協力が望ましい。

5歳児健診の担当医は、こうした事後相談への案内を必ずしておくとよい。そのためには、各市町

村で利用できる社会資源をまとめたパンフレット等を用意し、保護者に案内することも良い。

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健診および健診後のイメージ図

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母子保健業務に使用する様式例

5 歳児健康診査票

5 歳児健康診査・発達相談 問診チェックシート(保健師・保育士 問診用)

5 歳児○○○○アンケート<保護者アンケート例示>

5 歳児○○○○アンケート2<保育園等のアンケート例示>

SDQ早見表

SDQスコア評価票

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<診査票 表>

健診日:平成  年  月  日

5歳  か月

1.  同居の家族について記入してください。 □父  □母  □祖父  □祖母  □兄・姉(  歳) □弟・妹(  歳)  □その他

2.  昼間の保育者は主にどなたですか。 □父  □母  □祖父  □祖母  □(       )保育所  □その他

3.  予防接種は受けましたか。 □ポリオ(   )回  □BCG  □三種混合(   )回  □麻疹  □風疹  □水痘

□日脳(   )回

4.  今まで病気や事故をしたことがありますか。 □ない  □ある

5.  どのような病気にかかりやすいですか。 □ない  □かぜ  □発熱  □下痢  □湿疹

6.  治療中・経過観察中の病気がありますか。 □ない  □ある( )

7.  妊娠中何かかわったことはありましたか。 □ない  □ある( )

8.  出産時何かかわったことはありましたか。 □ない  □ある( )

9.  何週で生まれ、体重は何gでしたか。 (         )週 (           )g

10.  発達について伺います。 首のすわり(     )か月  おすわり(     )か月  歩き始め(     )か月

11.  今まで健診を受けましたか。 □乳児健診  □1歳6か月健診  □3歳児健診

12.  健診で何か指摘されましたか。 □ない  □ある(何で )

13.  兄弟で発達に遅れがありましたか。 □ない  □ある(何で )

14.  どんな遊びが好きですか。 ( )

15.  遊び友達はいますか。 □いる (□よく遊ぶ □たまに遊ぶ)  □いない

16.  起床・就寝時間を記入してください。 起床(      )時ごろ 就寝(      )時ごろ

17.  食事やおやつ時間は決まっていますか。 □決まっている  □決まっていない

18.  起床、少食・食べ過ぎなど困っていますか。 □困っていない  □困っている( )

19.  歯磨きをしていますか。 □する (仕上げみがき□する □しない)  □しない

20. (     時間     分ぐらい)

21.  目が悪いという心配はありますか。 □ない  □ある

22.  耳の聞こえが悪いという心配はありますか。 □ない  □ある

23.  利き手はどちらですか。 □右  □左  □はっきりしない

24.  しつけについて不安がありますか。 □ない □ある (□いつも □時々 )

25.  子育ては楽しいですか。 □楽しい  □時々楽しくない  □楽しくない

26.  今の状態について、はい、いいえ、不明に○印を付けてください。

①スキップができる。 (はい ・ いいえ ・ 不明) ②ブランコがこげる。 (はい ・ いいえ ・ 不明)

③片足でケンケンができる。 (はい ・ いいえ ・ 不明) ④お手本を見て四角が書ける。 (はい ・ いいえ ・ 不明)

⑤大便がひとりでできる。 (はい ・ いいえ ・ 不明) ⑥ボタンのとめ、かけはずしができる。 (はい ・ いいえ ・ 不明)

⑦集団の中で遊べる (はい ・ いいえ ・ 不明) ⑧家族に言って遊びに行ける。 (はい ・ いいえ ・ 不明)

⑨ジャンケンの勝敗が分かる。 (はい ・ いいえ ・ 不明) ⑩自分の名前が読める。 (はい ・ いいえ ・ 不明)

⑪発音がはっきりしている。 (はい ・ いいえ ・ 不明) ⑫自分の左右が分かる。 (はい ・ いいえ ・ 不明)

27.  心配ごと・相談したい事がありますか。 □ない  □ある (□身体 □発達 □しつけ □くせ □食事 □他)

裏面は記入される必要はありません。

テレビ・DVD・スマートフォンを1日どのくらい見ますか。

5 歳 児 健 康 診 査 票

 お子さんの健康状態を知るためのものです。あてはまる番号に○印を、( )内には文字・数字を記入してください。

生年月日 年  月  日生保護者名

(第  子)性 別 母

この枠内の項目を記入の上、健診を受けてください。

住  所

電話番号(   -       ) アンケート記入者

      昼間の連絡先

1   2    3   4   5父  母  祖父 祖母 (   )

幼児氏名

フ リ ガ ナ

整理番号

- 23-

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<診査票 裏>

幼児氏名                    №         

栄養指導: 有 ・ 無

問診 保健師サイン

(1)会話

・保育所名等 □普通  □(会話が成立しにくい。 ) □不明

・発音 □普通  □(不明瞭さがある。 ) □不明

(2)単語の定義 □普通  □(正答が4つ以下 ) □不明

(3)じゃんけん勝負 □普通  □(勝ち負けが不正解 ) □不明

(4)しりとり □普通  □(しりとりができない ) □不明

計測 (平成22年度調査)

男 女

5歳~5歳6か月 (14.37)

5歳6か月~6歳 (15.03)

5歳~5歳6か月 (100.5)

5歳6か月~6歳 (103.3)

5歳~5歳6か月 (48.4)

5歳6か月~6歳 (48.6)

診察

(1)動作模倣 □普通  □(動作ができない。指示が入らない ) □不明

(2)協調運動

・閉眼立位 □普通  □(動いてしまう。体幹の動揺が著しい。 ) □不明

・指のタッピング □普通  □(反対の手に鏡像運動が出現する。 ) □不明

・前腕の回内回外 □普通  □(全く動きができない。 ) □不明

□普通  □(全く動きができない。 ) □不明

(3)安静閉眼 □普通  □(20秒できない。自己刺激行動が著しい。 ) □不明

言語 □普通  □(遅滞、構音障がい、理解障がい、どもり、他 ) □不明

診察のまとめ □普通  □身体上の問題  □発達上の問題  □保育環境上の問題 □他

健診結果 □健康  □助言指導  □追跡観察  □精検  □治療中  □観察中 □不明

紹介先: □医療機関 □他

医師名              

SDQスコア

支援事項

・手の交互開閉、

表裏交代

(48.1)

90%

頭囲(cm)(53.8) 52.9 49.2 (53.1) 52.2

(54.2)

体重(kg)(23.15) 20.95 15.23 (22.69) 20.65

(97%)

22.19 16.02 (24.22) 21.91 15.75

10%90% 10%

14.92

身長(cm)(116.5) 113.7 102.8 (114.8) 112.5

(       )

(       )

(47.7)

(3%) (97%)

(14.81)

101.8

(14.01)

(3%)

48.9

(101.6)

Low Need Some Need High Need

(99.1)

(24.33)

104.7

48.6

(119.9)

53.3

(       )

117.1 105.8 (118.2) 115.9

(53.4) 52.5

(       ) (       )

49.5

Total (       )

(       )

⑤向社会性

(       )

(       )

(       )

(       )

(       )

(       )

区分

(       )

(       )

(       )

(       )

①行動面

②多動性

③情緒面

④仲間関係

(       )

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性別  男  女   年齢    歳   ヶ月

1 0 1と判定する目安

(1)会話をする。

a. お名前は? 正確に答える

b. 保育園のお名前は? 正確に答える

c. 何組さんですか? 正確に答える

d. ○○組の先生のお名前は? 正確に答える

e. ○○組の給食はおいしいですか? 正確に答える

f. 給食で一番おいしいのは何ですか? 正確に答える

g. お母さんの□□もおいしいですか? 正確に答える

感情の表出が見られる。(ほとんどの子が困った表情や、あるいはニヤッと笑います。)

(2)単語の定義をたずねる

a. 帽子 頭にかぶるもの 頭をまもるもの 正確に答える

b. イス 座るもの 正確に答える

c. くつ 外に出るときはくもの 正確に答える

d. 本 読むもの 正確に答える

e. おはし ご飯を食べるときに使うもの 正確に答える

f.  時計 時間を調べるもの 何時か見るもの 正確に答える

(3)じゃんけん勝負

a. じゃんけんを3回行う。 リズムがあう。

b. じゃんけんの勝ち負けを尋ねる。 勝ち負けが分かる。

(4)しりとり

3往復できる

5歳児健康診査・発達相談 問診チェックシート(保健師・保育士 問診用)

項目・内容

<異常所見のポイント> ・しりとりができない。 ⇒平仮名が読めるかどうか確認する。    平仮名が読めない場合は全般的な遅れを疑う。 平仮名が読める場合は自閉症を疑う。

a. 「り」からはじめると示唆し、しりとりをする。

<ポイント> ・6つの単語をたずねて5つの単語を正しく答えればOKとする。

  名前

h. じゃあ、○○組の□□とお母さんの□□では   どちらがおいしいですか?

<異常所見のポイント> ・尋ねたことに適切に答えることができない、黙る、会話にならない、ズレた答えが返ってくる、 一方的に話す、勝手にしゃべる、やたら敬語を使う(方言が少ない)。 ・hの質問で、表情に変化がなく淡々と事実を答える。

<異常所見のポイント> ・じゃんけんの勝ち負けが分からない。 ・「最初はグー、じゃんけんポン」のリズムに合わせられない。

<問診チェックシート>

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<保護者アンケート 例示>

各保護者 様

お子さまのお名前

5歳児○○○○アンケート

このアンケートは、お子さまの様子を知るためのものです。どの程度あてはまっているかを、「あてはまる」、「ややあてはまる」、「あてはまらない」の中から一つ選んで□に✓をつけてください。 お答えいただく時は、お子さんの、ここ半年間くらいの間の行動について考えてください。あまり確かでない場合でも、どれか一番近いものを選んで答えてください。

アンケート項目 あてはまる や や あ てはまる

あてはまらない

1.他人の心情をよく気づかう □ □ □

2.おちつきがなく、長い間じっとしていられない □ □ □

3.頭がいたい、お腹がいたいなど、体調不良をよくうったえる □ □ □

4.他の子供たちと、よく分け合う(ごほうび・おもちゃ・鉛筆など) □ □ □

5.カッとなったり、かんしゃくをおこしたりする事がよくある □ □ □

6.一人でいるのが好きで、一人で遊ぶことが多い □ □ □

7.素直で、だいたいは大人のいうことをよくきく □ □ □

8.心配ごとが多く、いつも不安なようだ □ □ □

9.誰かが傷ついたり、怒っていたり、気分がわるい時など、すすんで手

をさしのべる □ □ □

10.いつもそわそわしたり、もじもじしている □ □ □

11.仲の良い友達が少なくとも一人はいる □ □ □

12.よく他の子とけんかをしたり、いじめたりする □ □ □

13.おちこんでしずんでいたり、涙ぐんでいたりすることがよくある □ □ □

14.他の子供達から、だいたいは好かれているようだ □ □ □

15.すぐに気が散りやすく、注意を集中できない □ □ □

16.目新しい場面に直面すると不安ですがりついたり、すぐに自信をなくす □ □ □

17.年下の子供達に対してやさしい □ □ □

18.よくうそをついたり、ごまかしたりする □ □ □

19.他の子から、いじめの対象にされたり、からかわれたりする □ □ □

20.自分からすすんでよく他人を手伝う(親・先生・友達など) □ □ □

21.よく考えてから行動する □ □ □

22.家や学校、その他から物を盗んだりする □ □ □

23.他の子供達より、大人といる方がうまくいくようだ □ □ □

24.こわがりで、すぐにおびえたりする □ □ □

25.ものごとを最後までやりとげ、集中力もある □ □ □

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<保育園等のアンケート例示>

幼稚園長 様

保育園長 様 お子さまのお名前

5歳児○○○○アンケート 2

このアンケートは、お子さまの様子を知るためのものです。どの程度あてはまっているかを、「あてはまる」、「ややあてはまる」、「あてはまらない」の中から一つ選んで□に✓をつけてください。

お答えいただく時は、お子さんの、ここ半年間くらいの間の行動について考えてください。あまり確かでな

い場合でも、どれか一番近いものを選んで答えてください。

アンケート項目 あて はまる

やや あて はまる

あて はまら ない

1.他人の心情をよく気づかう □ □ □

2.おちつきがなく、長い間じっとしていられない □ □ □

3.頭がいたい、お腹がいたいなど、体調不良をよくうったえる □ □ □

4.他の子供たちと、よく分け合う(ごほうび・おもちゃ・鉛筆など) □ □ □

5.カッとなったり、かんしゃくをおこしたりする事がよくある □ □ □

6.一人でいるのが好きで、一人で遊ぶことが多い □ □ □

7.素直で、だいたいは大人のいうことをよくきく □ □ □

8.心配ごとが多く、いつも不安なようだ □ □ □

9.誰かが傷ついたり、怒っていたり、気分がわるい時など、すすんで手

をさしのべる □ □ □

10.いつもそわそわしたり、もじもじしている □ □ □

11.仲の良い友達が少なくとも一人はいる □ □ □

12.よく他の子とけんかをしたり、いじめたりする □ □ □

13.おちこんでしずんでいたり、涙ぐんでいたりすることがよくある □ □ □

14.他の子供達から、だいたいは好かれているようだ □ □ □

15.すぐに気が散りやすく、注意を集中できない □ □ □

16.目新しい場面に直面すると不安ですがりついたり、すぐに自信をなくす □ □ □

17.年下の子供達に対してやさしい □ □ □

18.よくうそをついたり、ごまかしたりする □ □ □

19.他の子から、いじめの対象にされたり、からかわれたりする □ □ □

20.自分からすすんでよく他人を手伝う(親・先生・友達など) □ □ □

21.よく考えてから行動する □ □ □

22.家や学校、その他から物を盗んだりする □ □ □

23.他の子供達より、大人といる方がうまくいくようだ □ □ □

24.こわがりで、すぐにおびえたりする □ □ □

25.ものごとを最後までやりとげ、集中力もある □ □ □

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※アンケート項目の選択肢欄の太線 部分を切り抜いて使用してください。

このシートは保護者の方や幼稚園、保育園の先生方などが「5歳児○○○○アンケート」「5歳児○○○

○アンケート2」に回答した結果を集計するためのものです。このシートをアンケート用紙に重ね、切り抜い

ている部分から、各項目の回答結果を確認し、✓が入っている欄の左側の点数を集計してください。

なお1~25 のアンケート項目が、次ページのSDQスコア評価表の区分①~⑤のどこに入るかを色分けして示しています。

アンケート項目 あてはまる や や あ てはまる

あてはまらない

1.他人の心情をよく気づかう 2 1 0

2.おちつきがなく、長い間じっとしていられない 2 1 0

3.頭がいたい、お腹がいたいなど、体調不良をよくうったえる 2 1 0

4.他の子供たちと、よく分け合う(ごほうび・おもちゃ・鉛筆など) 2 1 0

5.カッとなったり、かんしゃくをおこしたりする事がよくある 2 1 0

6.一人でいるのが好きで、一人で遊ぶことが多い 2 1 0

7.素直で、だいたいは大人のいうことをよくきく 0 1 2

8.心配ごとが多く、いつも不安なようだ 2 1 0

9.誰かが傷ついたり、怒っていたり、気分がわるい時など、すすんで手

をさしのべる 2 1 0

10.いつもそわそわしたり、もじもじしている 2 1 0

11.仲の良い友達が少なくとも一人はいる 0 1 2

12.よく他の子とけんかをしたり、いじめたりする 2 1 0

13.おちこんでしずんでいたり、涙ぐんでいたりすることがよくある 2 1 0

14.他の子供達から、だいたいは好かれているようだ 0 1 2

15.すぐに気が散りやすく、注意を集中できない 2 1 0

16.目新しい場面に直面すると不安ですがりついたり、すぐに自信をなくす 2 1 0

17.年下の子供達に対してやさしい 2 1 0

18.よくうそをついたり、ごまかしたりする 2 1 0

19.他の子から、いじめの対象にされたり、からかわれたりする 2 1 0

20.自分からすすんでよく他人を手伝う(親・先生・友達など) 2 1 0

21.よく考えてから行動する 0 1 2

22.家や学校、その他から物を盗んだりする 2 1 0

23.他の子供達より、大人といる方がうまくいくようだ 2 1 0

24.こわがりで、すぐにおびえたりする 2 1 0

25.ものごとを最後までやりとげ、集中力もある 0 1 2

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5 歳児相談日 H . .

氏名

アンケートの各項目とSDQの各項目の数字を照合し、SDQの各項目の数字を得点として集計し、サブス

ケールに当てはめて判断します。

<保護者、保育園・幼稚園評価によるスコアの評価表>

区 分 SDQの番号 Low Need Some Need High Need

①行為面 5,7,12,18,22 0-3 4 5-10

保護者(保育所・幼稚園) ( ) ( ) ( )

②多動性 2,10,15,21,25 0-5 6 7-10

保護者(保育所・幼稚園) ( ) ( ) ( )

③情緒面 3,8,13,16,24 0-3 4 5-10

保護者(保育所・幼稚園) ( ) ( ) ( )

④仲間関係 6,11,14,19,23 0-3 4 5-10

保護者(保育所・幼稚園) ( ) ( ) ( )

⑤向社会性 1,4,9,17,20 6-10 5 0-4

保護者(保育所・幼稚園) ( ) ( ) ( )

Total Difficulties Score(①~④の合計) 0-12 13-15 16-40

保護者(保育所・幼稚園) ( ) ( ) ( )

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【SDQについて】

SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire)とは、質問紙による子どもの行動スクリーニ

ングであり、行為、多動、情緒、仲間関係、向社会性の5つのサブスケールからなる。

各領域における子どもの困難さ(支援の必要性)と強さを把握できる。

また、向社会性を除いた 4 つのサブスケールの合計点から、子どもの持つ全体的な支援の必要性が分

かる。本邦の 4-12 歳児を対象とした保護者評価の標準値が厚生労働省 HP より公表されている。

<厚生労働省 HP>

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken07/h7_04d.html

日本における SDQ(保護者評価)の標準値 (4-12 歳、2899 名のデータから分析)

(Matsuishi et al. Scale properties of the Japanese version of the Strengths and Difficulties

Questionnaire (SDQ): A study of infant and school children in community samples. Brain &

Development 2008;30:410-415.から翻訳抜粋)

区 分

Low Need Some Need High Need

スコア exact% スコア exact% スコア exact%

①行為面 0-3 84.3% 4 8.6% 5-10 7.1%

②多動性 0-5 83.6% 6 6.8% 7-10 9.7%

③情緒面 0-3 84.3% 4 7.2% 5-10 8.5%

④仲間関係 0-3 90.1% 4 5.5% 5-10 4.4%

⑤向社会性 6-10 71.2% 5 15.5% 0-4 13.3%

Total

Difficulties

スコア

0-12 80.6% 13-15 9.9% 16-40 9.5%

参 考 資 料

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【鳥取県発達障がい啓発リーフレット】

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鳥取県母子保健対策協議会

鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会 (平成28年11月末現在)

氏 名 職 名

魚谷 純 鳥取県健康対策協議会会長

会 長 ○中曽 庸博 鳥取県産婦人科医会長

委 員 長 大野 耕策 山陰労災病院長

委 員 石谷 暢男 東部医師会副会長

〃 井田 尚志 西部医師会

〃 井奥 研爾 中部医師会

〃 ○植田 美奈子 湯梨浜町子育て支援課係長

〃 ○宇都宮 靖 鳥取県立中央病院小児科部長

〃 大城 陽子 米子保健所長

〃 ○大野 光洋 鳥取大学医学部附属病院脳神経小児科助教

〃 大野原 良昌 鳥取県立厚生病院産婦人科部長

〃 岡田 克夫 鳥取県医師会常任理事

〃 笠木 正明 鳥取県医師会常任理事

〃 ○鞁嶋 有紀 鳥取大学医学部統合内科医学講座周産期小児医学講師

〃 木本 美喜 鳥取県福祉保健部子育て王国推進局子育て応援課長

〃 ○坂本 裕子 東部福祉保健事務所がん対策・健康づくり支援担当課長補佐

〃 瀬川 謙一 鳥取県医師会常任理事

〃 花木 啓一 鳥取大学医学部附属病院保健学科母性・小児看護学講座教授

〃 皆川 幸久 鳥取県立中央病院副院長

〃 ○山根 葉子 若桜町保健センター主幹

(50音順、敬称略、協議会委員○印)

【執筆協力:鳥取県健康対策協議会母子保健対策小委員会】

神﨑 晋 鳥取大学医学部統合内科医学講座周産期小児医学教授

大野 耕策 山陰労災病院長

汐田まどか 鳥取県立総合療育センター院長

笠木 正明 鳥取県医師会常任理事

長田 郁夫 子育て長田こどもクリニック院長

中曽 庸博 鳥取県産婦人科医会長

前垣 義弘 鳥取大学医学部脳神経科学講座脳神経小児科学教授

坂本 裕子 東部福祉保健事務所がん対策・健康づくり支援担当課長補佐

山根 葉子 若桜町保健センター主幹

植田美奈子 湯梨浜町子育て支援課係長

- 1 -

目 次

1 はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

2 健診の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1

3 健診の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2

(1)当日の流れ

(2)アンケート

(3)問診のポイント

(4)診察のポイント

(5)インタビュー

(6)必須の注意事項

(7)保護者からよくある質問とアドバイス例

(8)健診後のカンファレンス

4 5歳児健診の事後相談について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

健診および健診後のイメージ図

母子保健業務に使用する様式例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

5歳児健康診査票

5歳児健康診査・発達相談 問診チェックシート(保健師・保育士問診用)

5歳児○○○○アンケート<保護者アンケート例示>

5歳児○○○○アンケート2<保育園等のアンケート例示>

スコアの評価票

参考資料

SDQ について・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

鳥取県発達障がい啓発リーフレット ・・・・・・・・・・・・・・・・31

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~ 鳥取県乳幼児健康診査マニュアル発行一覧 ~

〇鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【健診医用】~概要版~:平成25年9月

〇平成26年度版鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【スタッフ用】:平成26年4月

〇平成26年度版鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【スタッフ用】~歯科健康診査の部~:平成27年3月

〇鳥取県乳幼児健康診査マニュアル【健診医用】:平成27年3月

○鳥取県5歳児健康診査マニュアル:平成28年11月

鳥取県5歳児健康診査マニュアル

発 行 平成28年11月

編 集 鳥取県福祉保健部子育て王国推進局子育て応援課

所在地 680-8570

鳥取市東町一丁目220番地

TEL:0857-26-7572

FAX:0857-26-7863

E-mail:[email protected]

鳥 取 県

5歳児健康診査マニュアル

平成 28 年 11 月

鳥取県母子保健対策協議会

鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会

鳥 取 県

5歳児健康診査マニュアル

平成 28 年 11 月

鳥取県母子保健対策協議会

鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会

5歳児健康診査マニュアル

平成28年11月