誰にも言えない“うんチッチのお困りご と”支援で地...
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2016 年度(後期) 「地域包括ケアを目的とした在宅医療推進のための多職種連携研修会への助成」
【 テーマ】
【報告者】 勇美記念財団助成対象者 樋口千惠子 (特定非営利活動法人 たんがく)
公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成による事業
助成金額:550,000円
誰にも言えない“うんチッチのお困りご
と”支援で地域包括多職種連携を!
「pooマスター養成講座 in たんがく」
開催日時:3 月 10 日(金)〜3 月 11 日(土)10:00〜16:00 場 所:たんがくの家本家棟「たんがく楽館(地域交流室)」 参加者人数: 1日目(3 月 10 日)—24 名〈看護職 13 名/介護職 10 名/ケアマネジャー1 名〉 2日目(3 月 11 日)—25 名〈看護職 14 名/介護職 10 名/ケアマネジャー1 名〉 参加費:無料 (勇美記念財団助成による) 講師:榊原 千秋(さかきばらちあき)
愛知県宇和島市出身。石川県小松市在住。保健師、看護師、助産師。合同会社プラスぽぽ
ぽ代表社員。コンチネンスケアイノベーションおまかせうんチッチ代表。
小松市内の福祉施設で保健師として勤務していた平成8年、交通事故で重傷を負い、その
リアビリ中にALS患者と出会ったことがきっかけで難病の支援活動をはじめる。
生と死の文化を豊かにする活動「いのちにやさしいまちづくりネットワーク」を設立。コ
ミュニティハウスの立ち上げ・がん患者・家族の支援活動・聞き書きサークルなど、14年
にわたり多彩な地域活動を続けたことに対して、平成22年度、社会貢献支援賞、保健文化
賞を受賞。
金沢大学医薬保健研究域助教を経て、現在、合同会社プラスぽぽぽ代表社員。
pooマスター養成講座実施内容
1日目
work① ひととして出会う
榊原さんのフィールド、小松市の概要、小松市での地域ネットーワークづくりなど活動を
紹介。
榊原さんの「いのちにやさしいネットワーク」で生まれた言葉「とことん当事者」が、今
小松市役所の標語のように使われ、行政とともにネットワークづくりが進んでいる様子、
「地域まるごとケア」の実現とともに、榊原さん自身のことを楽しく、笑いを誘いながら
紹介し、講義に入る。
「わたしの名前は○○です。わたしのことは○○と呼んでください。わたしの職場は○○
です。わたしの職種は○○です。わたしの○○は○○です。わたしの○○は○○です。わ
たしの○○は○○です。わたしはこう見えても○○です」
8つの項目に従って各人が自己紹介。「わたしのことは○○と呼んでください」とした愛称
を各人の名札にそこで書き込み、互いをその名前を呼び合うようにする。
全体の雰囲気を暖かく、親近感がもてる関係をつくっていく。
昼食
たんがくの家代表(本企画申請者)樋口千惠子が事前に榊原さんからメニューを聞いてお
いた「お腹にやさしいネバネバメニュー」にしたがってつくった、昼食。
午後
work②
グループワーク
書くグループに分かれて、排便で困っていること。自分たちが取り組む解決策を2種類の
ポストイットに記入。班ごとにそこで見えてきたものをまとめて、代表1人が発表。
各グループに榊原さんからコメント。参加者全員で共有する。
排便コントロールのためには、自律神経の緩和の重要であること。
そのために副交感神経の機能を高めることが有効として、全員で体操
榊原さんが主催する「ややの家」で義母を介護するに至るまでの話や義母との楽しいエピ
ソード、具体的な摘便の方法などを交えながら、「認知症と環境」の問題を講義。
「理想的なケア」とは、「その人が望むケア」
「ためらいのないケア」は墜落する。
その後、参加者からの質疑応答。
2日目
午前
3.11東日本大震災6年目のこの日、全員黙祷を持って開始。
はじめに「ややの家」に集う人達のことを紹介。ALS で自立した生活を目指す人の支援、
彼らの活動、認知症の人と協働する芝居『金色夜叉』の話、ホームホスピス開設に向けた
動き、赤ちゃんからの年寄りまで、障害がある人、病気のある人もともに生きる社会を目
指す「ややの家」の活動の展開を紹介。
「排便のメカニズムと病態」「排便ケアのアセスメント」についての講義
便失禁の頻度とトランジットの関係性、便秘の種類、便の形状からのアセスメント、下剤
の影響、食事による調整などの内容の講義。
昼食
榊原さん持参の酒粕とひよこ豆のムース、カレー、小松特産の里芋を使用した団子のお汁
サラダなど排便コントロールにいいメニューで、樋口(主催者)が用意した昼食を全員で
食べる。
午後
午前中の講義の続き。そののち、次回まで各人から提出してもらう宿題について、詳しい
説明がある。
Work③
参加者の中から、便秘症の人に被験者になってもらい、実際に排便コントロールの施術を
する。
その後、自分でできる排便コントロールのための体操をし、その後、2人組になって相手
に施術する。
質疑応答
今後の予定
4月14-15日に継続講座開催の予定。
内容:各人が持ち寄った事例に基づいた排便ケアなど
7月14日
pooマスター認定講座開催予定。
総評と感想
排泄は食事、睡眠とともに人の健康を支える基本である。高齢社会になり、一般の高齢
者はもとより、看護・介護・医療の分野でスムースな排泄はケアする側の大きな課題にな
っている。
排泄は、大変プライベートな問題であるとともに人間の尊厳にかかわることで、コント
ロールできればその人の行動範囲は広がり、自信を取り戻すことができる。それにより、
家庭や地域社会の一員として、活躍することができると考える。
また、介護施設や病院において、滞在期間を短くする傾向にある今、在宅に戻るための
大きな課題が排泄のコントロールにあるとも言える。
Poo マスター養成講座を受けることで、地域に Poo マスター(排泄コントロールのエキ
スパート)が生まれ、上記のような目標をあげてそれを支援することで、社会に大きく寄
与することができる。それは、看護や介護の分野を超えて、ともに取り組む課題になり、
地域包括ケアの原動力になりうる。
今回の講座を通して、多職種の参加者(訪問看護師、介護福祉士、ヘルパー、大学病院
緩和ケア病棟の看護師、障害者施設のケアマネジャーなど)がともに学び、排泄という同
じ課題に共通のものさしをつかって取り組むことで分野の垣根をなくし、同時に、互いの
専門性からの意見を集約し、より大きな理解につながった。
今回、主催者のホームホスピス、たんがくの家から参加者が多くあったが、講習終了後
早速、看護師、介護士ともに現場で学んだことを互いに話し合いながら、入居者の排泄の
改善に取り組むことができており、実質的な効果が上がっている。
現在、受講後のアンケート調査を実施している。後日結果がまとまり次第、報告とする。
Pooマスター養成講座
第1回 アンケート(3月 10-11日)
① 2日間の講座のプログラムの構成について
自己紹介、グループでの個々の課題の見直し、身体を使って腸の動きを知るなどのワークにつ
いて、また、排泄のアセスメントなど講義のないようについて、ご意見をご記入ください
また、講師・榊原千秋さんへの要望がありましたら、ご記入ください
そのほか、ご意見をお聞かせください。
② 現場での利用について
現場に持ち帰って反映する部分はありましたか。ご自身で試してみられましたか。
今回学んだことのなかで何が一番、利用できそうですか
③ 今後の講座内容についてのご希望
④ そのほか、ご意見
お名前 所属
職種 参加日
Pooマスター養成講座受講の皆様へ
第1回、Pooマスター養成講座にご参加いただき、ありがとうございました。
第2回以降の講座、また今後の Pooマスター養成講座にも反映させたく、アンケート用紙
をお送りいたします。
項目に限らず、忌憚のないご意見、ご希望をご記入ください。
同封の封書にて、ご返却ください。
なお、いただいたご意見は、名前など伏せてこちらでまとめて、主催者側の参考とし、ま
た講師の榊原千秋さんにお伝えして、より分かりやすい講座にしてまいりたいと思います。
ご多用とは存じますが、ご協力くださいますようお願いいたします。
ホームホスピスたんがくの家
代表 樋口 千惠子