高吸水性樹脂等の...
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高吸水性樹脂等の機能化学品の開発
2015年12月12日元 三洋化成工業株式会社
増田房義
SCE・Net「ケミカルズが産み出す日本の力」
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(撮影倍率:50倍)
無定形破砕状(水溶液重合)、真球状(逆相懸濁重合)、リン片状(薄膜乾燥)、繊維状(アクリル繊維の表層加水分解)などが市場に登場したが、現在の主流は無定形破砕状である。
吸水性樹脂の製品形状(SEM写真)
2.高吸水性樹脂の開発
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年度
販売数量
(千トン
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SAP
計画実績
第一世代
第三世代
第二世代
グローバル化
第四世代
IM-300
後架橋法PA-200
表面架橋法IM-900
SG-SAP
4.高吸水性樹脂の開発
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分子量を上げるためにアクリル酸を重合
重合濃度をupするために無攪拌の重合を
吸収速度を高めるため、薄膜乾燥を
ゲルを解砕し、アルカリ中和する方法を
第一世代SAPの開発(1975-1989年) -1
重合触媒の安全性(セリウムをフェントン系に)
2.高吸水性樹脂の開発
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衛材(生理用品・紙おむつ)用途に集中(’75~’77年)
1.SAPを生理用品に使用した例がない
2.SAPの使用装置をユーザーと開発
3.厚生省の認可が必要
ユーザーは興味を示すものの、進展せず
第一世代SAPの開発(1975-1989年) -2
2.高吸水性樹脂の開発
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第一世代SAPの開発(1975-1989年) -3
「花王がSAP使用製品で生理用品市場に新規参入する」
(状況変化-1)
’77年春 「花王が生理用品市場に新規参入する」との情
報が流れ、既存の生理用品メーカーでSAP採用の動きが加速
(状況変化-2)
’79年P&Gが日本で紙おむつを販売開始
→‘82年ユニチャーム及び花王がSAPを使って紙おむつ市場に参入
2.高吸水性樹脂の開発
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’81年年産1000 tプラント(第1SAP)稼動相次ぐ増設(’89年までに11次増設、千tから3万t)
技術輸出を経て新プラント(第2SAP)建設へ
3極体制確立
’84年 セラニーズ社(米)に技術輸出(バージニアに5万t/年)
’87年ヘキスト社(独)に技術輸出 (フランクフルトに2万t年)合計10万トン
世界シェア30%以上
第一世代SAPの開発(1975-1989年) -4
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年度
販売数量
(千トン
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SAP
計画実績
第一世代
第三世代
第二世代
グローバル化
第四世代
IM-300
後架橋法PA-200
表面架橋法IM-900
SG-SAP
4.高吸水性樹脂の開発
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第二世代SAPの開発(1990-1999年) -1
’90年代前半
内外の化学メーカー約20社が参入日・米・欧でSAP工業会が作られる加圧吸収量(AUL)の概念が世界標準となる
’93年 新プラント(第2SAP)を3万t/27億円で建設
2.高吸水性樹脂の開発
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第二世代SAPの開発(1990-1999年) -2
ビッグユーザーを失う(‘95年)
・ヘキスト社がポリマー部門をBASF社に売却、医薬会社に変身
・同時に技術輸出契約が切れて、当社世界シェアが約20%が5%にダウン
・’99年に中南米の市場に独自で参入
①アクリル酸とSAP事業統合が必要②10万t規模のプラントが必要(第2SAP増設‘97年)
世界規模での競争
グローバル化が進展するも出遅れ(’95~’98年)
2.高吸水性樹脂の開発
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第1世代SAP(1975~89 )
第2世代SAP(1990~99 )
第3世代SAP(2000~)
(2) 重合後も架橋 (3) 粒子表面を架橋
常圧吸収量
(1) 重合時に架橋
特徴
第ニ世代SAPの開発(1990-1999年) -3
ゲルの剪断安定性
加圧吸収量
2.高吸水性樹脂の開発
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第二世代SAPの開発(1990-1999年) -2
・アクリル酸・架橋剤・デンプン
グラフト重合
中和乾燥粉砕
◇後架橋
◇改良点・ゲル弾性率のアップ
・生産性のアップ(新SAPプラントの建設)
架橋剤
2.高吸水性樹脂の開発
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年度
売上高
(億円
)
計画実績
第一世代
第三世代
第二世代
第四世代
IM-300
後架橋法PA-200
表面架橋法IM-900
SAPの開発例
技術輸出 第ニSAP SDP SDN
グローバル化
2.高吸水性樹脂の開発
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第1世代SAP(1975~89 )
第2世代SAP(1990~99 )
第3世代SAP(2000~)
(2) 重合後も架橋 (3) 粒子表面を架橋
常圧吸収量
(1) 重合時に架橋
特徴
第三世代SAPの開発(2000-2010年) -1
加圧吸収量ゲルの剪断安定性
2.高吸水性樹脂の開発
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第三世代SAPの開発(2000-2010年) -2
・アクリル酸・架橋剤・デンプン
グラフト重合
中和乾燥粉砕
◇表面架橋
乾燥した粉末に少量の架橋剤
水溶液で表面架橋
架橋剤-1
紙おむつの更なる性能アップ⇒ SAPの吸収量アップ (38g/g ⇒ 45g/g)
製品
架橋剤-2
グローバル化に向けて性能アップと生産能力の大幅増強を!
2.高吸水性樹脂の開発
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原料アクリル酸の確保
中国に生産拠点
2005年 3万t (合計15万トン)
2007年 7万t (中国10万トン、合計22万トン)
2015年 8万t (中国18万トン、合計30万トン)
三菱化学とJV(2001年) サンダイヤポリマー㈱
徹底した生産プロセスの革新
’97年6万tのプラントを改造のみで’02年には10万t(合計12万トン)
第三世代SAPの開発(2000-2010年) -3
さらに安価、大量生産を目指す!
2.高吸水性樹脂の開発
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年度
売上高
(億円
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計画実績
第一世代
第三世代
第二世代
第四世代
IM-300
後架橋法PA-200
表面架橋法IM-900
SAPの開発例
技術輸出 第ニSAP SDP SDN
グローバル化
2.高吸水性樹脂の開発
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世界にさらなる生産規模の拡大が必要
性能、品質にブレークスルー技術が必要
世界では年4~5万tの需要増が当面続く
組成、プロセスともに環境対応が必要
そのためには更なる新技術が必要
第四世代SAPの開発(2011年~) -1
2.高吸水性樹脂の開発
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第四世代SAPの開発(2011年~) -2
⇒現行より20%少なくても同じ紙おむつ性能を
⇒徹底してエネルギー効率をあげたプラントを!
⇒徹底したコスト競争力を!
(CO2排出量をトン当たり0.6t を0.4t に)
(プラント建設費を1万トン当たり10億円を 6億円に)
新技術
2.高吸水性樹脂の開発
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サンウェットSGシリーズ(第4世代SAP)
吸水性樹脂が水を吸水する際、初めその速度は遅く、後で速くなる、S字型の吸収速度を示すSAP
吸収速度が速いSAP 吸収速度が遅いSAP
モレ
吸収速度が遅いことによる漏れ
カブレ
吸収速度が速すぎることによる局部的な水溜りからの逆戻り(リウェット)
S字型の吸収速度カーブにすることで「モレ」「カブレ」の相反項目を解決
○紙おむつの吸収体において○吸収速度
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時間(分)
吸収
量(g/
g)
従来SAP
SG-SAP
2.高吸水性樹脂の開発
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第4世代SAPビデオ-12.高吸水性樹脂の開発
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第4世代SAPビデオ-22.高吸水性樹脂の開発
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保水量 &拡散性
通液性
荷重下吸収量
ゲル強度
吸収倍率
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010
よりコンパクトにドライ感UP
吸収量
UP 薄型化
吸収速度のコントロール技術
SAPの機能
おむつのニーズ
第1世代
第2世代
第3世代
第4世代
漏れ低減
表面架橋技術
後架橋技術
当社の技術開発トレンド
2.高吸水性樹脂の開発