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教養教育科目
はじめての経済学第 10 回 政府の市場介入と財政 Part-1
2016 年 6 ⽉ 13 ⽇(⽉)5 限担当教員: 経済学部唐渡広志(からと・こうじ)研究室: 経済学研究棟4階432号室email: [email protected]: http://www3.u-toyama.ac.jp/kkarato/
1
政府の市場介入 価格に対する政策
価格に下限や上限を設ける• 均衡価格より低い⽔準における上限規制実効的(物不⾜)
• 均衡価格より⾼い⽔準における上限規制⾮実効的
• 均衡価格より低い⽔準における下限規制⾮実効的
• 均衡価格より⾼い⽔準における下限規制実効的(物余り)
課税を⾏う
数量に対する政策 販売・購⼊数量を規制(割り当て) 市場への参⼊を規制
完全競争市場において政府が市場介⼊すると,得られたはずの余剰が失われる(死荷重)。 死荷重 = 完全競争のもとでの社会的余剰ー規制下での社会的余剰
2
【復習】完全競争市場の社会的余剰
3
S
D
B
QO
E
C
A
消費者余剰 = BCE
⽣産者余剰 = ABE
F
社会的余剰 = 消費者余剰 + ⽣産者余剰= BCE + ABE= ACE
P総便益=OCEF総⽀出=OBEF
消費者余剰=総便益ー総⽀出= OCEF - OBEF =BCE
総収⼊= OBEF総費⽤= OAEF
⽣産者余剰=総収⼊ー総費⽤= OBEFーOAEF=ABE
消費者
⽣産者
【復習】均衡価格よりも低い水準に上限規制あるときの社会的余剰
4
S
D
B
O
E
C
A
消費者余剰 = GCIJ
⽣産者余剰 = AGJ
社会的余剰 = GCIJ + AGJ = ACIJ
G
H I
J上限規制価格
K Q
P
死荷重 = JIE
総便益=OCIK総⽀出=OGJK
消費者余剰=総便益ー総⽀出= OCIK - OGJK =GCIJ
総収⼊= OGJK総費⽤= OAJK
⽣産者余剰=総収⼊ー総費⽤= OGJKーOAJK=AGJ
消費者
⽣産者
死荷重 = 完全競争での余剰ー規制下での余剰= ACE -ACIJ = EIJ
供給者への課税
[従量税]数量に対する課税(1 kgあたり○円,1ℓあたり○円,など)例. 酒税,たばこ税,揮発油税など
例.酒税(ビール)1リットルあたり222円• ⽣産者価格: 220円 /350mℓ⽸
• 酒税: 77円(お店が納める税)• 消費者価格: 297円(お店での販売価格)
5
従量税が課されたときの供給表
数量
Q
⽣産者価格(1本あたりの値段)
PP
従量税(1本あたりの税⾦)
T
消費者価格(1本あたりの値段)
PC = PP + T
700 400 200 600900 500 200 7001100 600 200 8001300 700 200 9001500 800 200 10001700 900 200 11001900 1000 200 12002100 1100 200 1300
ある醸造会社の商品[⽇本酒]の供給表:1本 = 900 mlで製造
⽣産者価格 PP + 従量税 T = 消費者価格 PC
消費者は消費者価格 PC をみて購⼊する。⽣産者は⽣産者価格 PP をみて⽣産を⾏う。
課税後の供給曲線と税収
PP , PC
Q
400
600
800
1000
5000
⽣産者価格 = 消費者価格-従量税
1000 1500 2000
⽣産者価格: 800円
酒税 T = 200円
消費者価格: 1000円
課税後の供給曲線
↑1100
消費者価格
⽣産者価格
従量税
税収:200円×1500 = 300,000
PP=800のときの政府の余剰
⽣産者価格がPP = 800円のとき政府の余剰政府税収は税額200円×数量1500 = 300,000円
↑700
課税前の供給曲線
[⽣産者余剰]
課税と社会的余剰 (1)
8
D
E0
S0
S1
従量税 T円E1
Q
P
A
P0
PC
Q0Q1
PP
B
C
F
総便益 OCE1Q1
総⽀出 OPCE1Q1
消費者余剰 PCCE1
O
総収⼊ OPPFQ1
総費⽤ OAFQ1
⽣産者余剰 APPF
市場均衡 E0(Q0, P0)社会的余剰 ACE0
税収 PPPCE1F ( またはABE1F )
ACE1F
死荷重 FE1E0
⽣産者価格 PP + 従量税 T = 消費者価格 PC課税前 課税後
[消費者余剰]
( または BPCE1 )
[政府の余剰]税収
[死荷重]
[社会的余剰]
T 円
課税と社会的余剰 (2)
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D
E0
S0
S1
従量税 T円E1
Q
P
A
P0
PC
Q0Q1
PP
B
C
F
O
⽣産者余剰 APPF(または BPCE1 )
政府の余剰(税収) PPPCE1F ( またはABE1F )
課税によって⽣じた死荷重 FE1E0
[社会的余剰]ACE1F
消費者余剰 PCCE1
課税と社会的余剰 (3) 供給者に従量税が課されると,消費者価格に対応する新しい供給曲線
S1 は,課税前の供給曲線 S0 よりも従量税の⾦額だけ⾼い位置にある。 線分 FE1(あるいは PPPC,AB)は取引量 1 単位あたりの税⾦を⽰している。
課税後の新しい均衡点は E1
このときの均衡取引量は線分 OQ1なので,政府の税収は PPPCE1F [ 1単位あたり税額×取引量 ] になる(または, ABE1F)。
社会的余剰には課税によって⽣じた税収(政府の余剰)も含める。 社会的余剰 = 消費者余剰 + ⽣産者余剰 + 税収
課税前の社会的余剰が ACE0であるのに対して,課税後の社会的余剰はACE1Fになる。 課税によって FE1E0の死荷重が発⽣する [ACE0―ACE1F = FE1E0 ] 。 死荷重が発⽣しているということは,社会的余剰が最⼤化されていないことを意味するので,課税は市場の効率性を損なうことがわかる。
10
例題:課税前後の余剰,および課税による死荷重を計算しなさい
11
S0
S1
54
56
10
0
4
Q
P
課税前(均衡点 E0 (5, 5) )1.消費者余剰 = 12.5
2.⽣産者余剰 = 12.5
3.社会的余剰 = 25
課税後(均衡点 E1 (4, 6) )4.消費者余剰 = 8
5.⽣産者余剰 = 8
6.政府の税収 = 8
7.社会的余剰 = 24
8.死荷重 = 1
E0
E1
S1は1単位あたり2円の従量税が課されたときの供給曲線
2D
租税の負担割合 (1)
12
D
E0
S0
S1
従量税 T円
E1
Q
P
A
P0
PC
Q0Q1
PP
C
F
O
消費者負担
⽣産者負担
・政府の税収は消費者と⽣産者の負担からなる・課税前の均衡価格 (P0) を基準にすると,
消費者の負担率は (PC−P0) / T⽣産者の負担率は (P0 −PP) / T
13
P
D
P
D
S1
S2 S2
S1
(1) 需要の価格弾⼒性 > 供給の価格弾⼒性
租税の負担割合 (2)
増税 増税
⽣産者の負担割合が⾼い 消費者の負担割合が⾼い
従量税 価格弾⼒的
価格⾮弾⼒的
価格⾮弾⼒的 価格弾⼒的
(2) 需要の価格弾⼒性 < 供給の価格弾⼒性
Q
従量税
価格弾⼒的な財:奢侈品 価格⾮弾⼒的な財:⽣活必需品奢侈品よりも⽣活必需品への課税の⽅が,消費者の税負担を重くする可能性がある。
例. たばこ増税は税収を増やすか
政府の税収が増えるかどうかは消費者の⾏動(価格弾⼒性)に依存している(増税が税収を増やすとは限らない)。
たばこ税収:約9000億円 もし,需要曲線が価格⾮弾⼒的ならば,増税(供給曲線のシフト)によって供給が減少すると,税収が増える可能性がある。
最近の研究:1箱1000円になった場合に禁煙しよう思う⼈の割合が97%であり,かつ禁煙希望者の1年以上の禁煙継続率が54%となるとき,2.8兆円の増収。
• 依⽥・後藤・⻄村(2009)『⾏動健康経済学』⽇本評論社.
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1箱(20本)あたりの価格•⽇本: 410 – 440円•イギリス: 1,100円•フランス: 780円•ドイツ: 640円•アメリカ: 330 – 820円
需要曲線が価格⾮弾⼒的ならば,増税は税収を増やす
政府の規制:販売数量規制
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Q
P
D
S1
規制なし
PR
QRO
A
E2
E1
Q1
P1
消費者余剰:PRAE2
⽣産者余剰:OPRE2B
死荷重:BE2E1
社会的余剰:OAE2B
(規制がない場合の社会的余剰:OAE1)
B
規制ありS2
販売数量規制:QRよりも多く⽣産してはいけないという規制。 供給曲線は点Bで屈折する。 価格はPRに⾼⽌まりする。均衡 E2 (QR, PR)
参入規制と市場供給曲線
16
+Q Q
PP 市場供給曲線
Q
P
Q
P
市場への参⼊が⾃由なときの市場均衡
Q
P
市場への参⼊が規制されているときの市場均衡
参⼊規制があると,既にその市場で活動している企業は⾼い価格を維持
参入規制
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参⼊規制があると,既にその市場で活動している企業は⾼い価格を維持することができる。また,収⼊( = 既得権益)も守られる
⼈⼝10万⼈あたりの⼈数弁護⼠ 裁判官
アメリカ 339 11.6
イギリス 154 6.1
ドイツ 103 25.6
フランス 50 8.4
⽇本 13 2.3
法曹
薬 •既存の薬局の半径500m以内に新しい薬局を作ってはいけない(1960年代に廃⽌)•インターネット通販では,⼀部商品が購⼊できない(2013年規制緩和?)
農業 •株式会社は農地を保有してはいけないという規制•農地を担保にして,銀⾏は農家にお⾦を貸すことができない
電波 •テレビ放送,無線インターネット,携帯電話は割り当て制•⼊札(オークション)で決められていない
その他 ・理容師と美容師・⼤規模集客施設の郊外⽴地規制
緩和された規制:⽇本電信電話公社(1985年),国鉄 (1987年),酒 (1993年),農地 (2001年),労働者派遣事業 (2004年),港湾運送業務 (2000年) など
参入規制による死荷重
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Q
P
D
参⼊規制ありS0
S1
参⼊規制なし
PR
QRO
A
E0
E1
Q1
P1
規制による死荷重=規制緩和のメリットOE0E1
規制緩和の効果・⾃由参⼊にすることで,価格が低下して,取引量が増加する。・企業数が増えたことで,1社あたりの⽣産者余剰は低下する。・新規参⼊企業には利潤機会が発⽣するが,既存企業は損失を蒙る。・しかし,既存企業の損失を上回る社会的余剰が追加的に発⽣している。
社会的余剰規制あり:OAE0
規制なし:OAE1
規制緩和のメリット
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参照:内閣府 (2010) 「規制・制度改⾰の経済改⾰ー規制・制度改⾰の利⽤者メリットはどの程度あったかー」,政策課題分析シリーズ6 より抜粋
単位:億円
分野 規制緩和の内容 2005年 2008年 増加分
移動体通信 参⼊規制の緩和,料⾦および約款規制の原則廃⽌ 34,059 47,756 13,697
国内航空 参⼊規制の緩和,運賃規制を事前届け出制に緩和 3,504 3,661 156
電⼒ ⼩売り⾃由化の開始・拡⼤料⾦規制の緩和 52,619 62,648 10,030
酒類販売 酒販売免許の⾃由化 14,921 21,081 6,160
保育 エンゼルプランの策定 4,712 5,199 487
利⽤者メリット=消費者余剰+α α ・商品開発・改良,新市場の創出・供給の多様化・⾏政⼿続きの簡素化・情報を⼊⼿するための費⽤削減
新聞記事からの例. 「電力、選べる時代に改正電事法成立、20年に発送電分離地域独占崩し完全自由化」
電⼒事業の⾃由化が本格的に幕を開ける。⼤⼿電⼒から送電部⾨を切り離すことを義務付けた電気事業法(きょうのことば)などの改正案が17⽇、参院本会議で成⽴。事業者間の競争を進め安い電気や多様なサービスを消費者が選べる枠組みを整えた。電⼒システム改⾰の総仕上げとなる同法の成⽴で戦後60年以上続いた⼤⼿9社による地域独占は名実ともに終わる。(中略)電⼒システム改⾰は2020年まで段階的に進める枠組みだ。当⾯の焦点は16年4⽉から始まる電⼒⼩売りの⾃由化だ。地域をまたいだ電気の販売を可能にするほか、20年4⽉以降は家庭向けの電気料⾦を認可する規制も撤廃する⾒通しだ。(以下省略)
(⽇本経済新聞朝刊 2015年6⽉18⽇)
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政府介入の正当化
⾃由な市場経済が効率的な資源配分を実現するとは限らない市場の失敗 (market failure)市場が機能しないケースがある
⾃由な市場経済において、政府の市場介⼊が正当化されるケースがある規制や課税が市場の成果を改善することがあるどの市場に,どのような規制や税を課すのか
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市場経済と計画経済
市場経済⾃由主義・資本主義の経済企業や家計の私的所有権がある。価格が⽣産量(供給曲線)と消費量(需要曲線)を決定している。市場で決まる価格によって交易が⾏われ,資源配分が導かれる。⽣産と消費の意思決定は個別の主体に分散している。
計画経済社会主義・共産主義の経済企業や家計の私的所有権がない。⽣産量と消費量は政府・官僚機構によって計画・実⾏される。政府・官僚機構によって決まる価格によって交易が⾏われ,資源配分が導かれる。
⽣産と消費の意思決定は政府・官僚機構に集中している。
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市場と政府 市場の失敗 (market failure)
外部性,公共財,情報の⾮対称性,独占がある場合,市場経済における資源配分は⾮効率になる。
市場の失敗があるときには,政府は市場に介⼊すべき。逆に⾔えば,市場の失敗がない限り,政府は不⽤意に市場に介⼊すべきでない。
政府の失敗 (Government failure, non-market failure)
政府は市場の成果を改善できることもある しかしながら,常に改善できるわけではない(政府も失敗する) 合理的でない価格規制,参⼊規制,利益誘導,⼀票の格差
もう⼀つの問題(所得分配) 市場経済(や計画経済)は所得の不均等や格差をもたらす。
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政府は市場のもたらす成果を改善するか
例.環境汚染(⼤気,⽔質,騒⾳):外部効果社会インフラ(道路,橋,通信など):公共財⽋陥住宅の供給:情報の⾮対称性参⼊規制:独占・寡占経済所得の不平等:所得再分配の失敗
⾮効率な資源配分を是正するために,政府介⼊が正当化されるケースがある。
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大気汚染
煤煙を出している化学⼯場の製品には,近隣住⺠への迷惑費⽤が含まれない。化学⼯場の産出物
• goods: ⼯場で作られた製品• bads: ⼯場から吐き出された煤煙
理由:空気の利⽤には[値段がない]から,迷惑費⽤が製品価格に反映されない。価格がゼロなので煤煙の排出量が[過剰]になる。資源配分は⾮効率になる(被害を蒙る主体がいる)
市場に任せておくと,⼤気汚染が放置されてしまう。25
外部効果 ある経済主体の⾏為が,「市場を経由することなく」他の⼈に影響を及ぼすことを外部効果 (Effect of Externality) または外部性 (Externality) という。
「市場を経由しない」 ⾦銭的な取引がない 価格がつかない なぜ市場を経由しないのか そもそも所有権がはっきりしない
正の外部効果(Positive Externality)または「外部経済」 良いモノなのに「対価」が発⽣していない。
負の外部効果(Negative Externality)または「外部不経済」 悪いモノなのに「対価」が発⽣していない。
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外部効果が市場に与える影響
正の外部効果(良い影響)良い影響を与えているのに対価が⽣じない.インセンティブを与えて,正の外部効果を増やす努⼒には意味がある。 社会的余剰が⾼まる。• 養蜂場:建造物の保持に対する補助⾦• 発⾒や発明:特許権の設定(所有権を確定させる)
負の外部効果悪い影響を与えているのに,対価が⽣じない。インセンティブを与えて,負の外部効果を減らす努⼒には意味がある.社会的余剰が⾼まる。• ⾃動⾞の排ガス:ガソリン消費に課税• ゴミを出すことに対する料⾦設定
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経済循環図:供給者に負の外部効果が発生している場合
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財・サービスの流れ
お⾦の流れ
対価
家計
財・サービス市場企業は売り⼿家計は買い⼿
企業
収⼊ ⽀出
⽣産要素市場家計は売り⼿企業は買い⼿
費⽤ 収⼊(所得)
?煤煙 ⼤気汚染
需要
需要 供給
供給
供給者に負の外部効果があるときの市場均衡と余剰
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SMC:社会的限界費⽤曲線(Social Marginal Cost)
PMC: 私的限界費⽤曲線(Private Marginal Cost)
P(限界便益,限界費⽤)
Q
PM
QM
限界外部費⽤①
②⑧
⑤④
消費者余剰: ①②④⑥⽣産者余剰: ③⑤⑦外部費⽤: ④⑤⑥⑦⑧社会的余剰: ①②③④⑤⑥⑦-④⑤⑥⑦⑧=①②③ー⑧
市場均衡 E(QM, PM)
P*
Q*
③
⑥⑦
消費者余剰: ①⽣産者余剰: ②③④⑤外部費⽤: ④⑤社会的余剰: ①②③
最適均衡 E(Q*, P*)
均衡取引量は過⼤である.市場の失敗
ピグー税による外部性の内部化
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SMC
PMC
P(限界便益,限界費⽤)
Q
PM
QM
限界外部費⽤
①
②⑩
⑥⑤
消費者余剰: ①⽣産者余剰: ②③外部費⽤: ⑥⑦税収: ④⑤⑥⑦社会的余剰: ①③④⑤⑥⑦-⑥⑦=①②③④⑤
ピグー税を課したときの均衡 E(Q*, P*)
P*
Q*
③⑧⑨
T : ピグー税
④
⑦
PMC+T
最適均衡における取引量Q*に⽣産量が調整されるためには,Q*における私的限界費⽤が社会的限界費⽤に⼀致するような,税(ピグー税)を設定すればよい。
市場均衡 E(Q*, P*):ピグー税なし社会的余剰:①②③④⑤-⑩
外部効果の内部化
価格が存在しない財・サービスに対して,租税という形で価格付けを⾏う。なぜ,価格が存在しないのか。市場がないから。新しく市場を作り出すことで価格付けを⾏い,外部効果を内部化するやり⽅がある。排出権取引:国や企業間で温室効果ガスを排出できる権利を売買する。
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キーワードと参考文献
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Keywords: 従量税,死荷重,消費者負担,⽣産者負担,参⼊規制,規制緩和,私的所有権,市場の失敗,外部効果
参考⽂献1. マンキュー:pp. 158-186 , 274 - 300
2. ⼋⽥:pp. 97 - 106, 119 – 123, 239-260