養豚場における生産性評価システム及び 抗菌剤使用量評価 ......piginfo bio...

14
養豚場における生産性評価システム及び 抗菌剤使用量評価システムを活用した 抗菌剤使用削減の取り組み 農研機構 食農ビジネス推進センター 山根 逸郎 薬剤耐性対策の今を知る会~世界の動き、日本の動き~ 201812月2日(日)、東京大学弥生講堂一条ホール

Upload: others

Post on 27-Jan-2021

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

  • 養豚場における生産性評価システム及び抗菌剤使用量評価システムを活用した抗菌剤使用削減の取り組み

    農研機構食農ビジネス推進センター

    山根 逸郎

    薬剤耐性対策の今を知る会~世界の動き、日本の動き~2018年12月2日(日)、東京大学弥生講堂一条ホール

  • 事故率増体重など

    ◆生産データの収集

    ◆他農場との比較(ベンチマーキング) ◆解析結果の返却

    ◆生産指標の算出

    農研機構(NARO)食農ビジネス推進センター

    日本養豚開業獣医師協会(JASV)

    養豚農場出荷頭数事故頭数など

    0

    2

    4

    6

    8

    10

    12

    400 450 500 550 600 650 700 750

    戸数(戸)

    養豚場の生産性評価システム(PigINFO)とは…

    養豚農場の生産成績を経時的(/3ヶ月)に測定し、他農場の数値と比較(ベンチマーキング)し経営改善に役立てるシステムです!

  • (家族経営の小規模農場)経営が改善された養豚場

    C

    F

    改善点に気づき・・・

    UP!

    スタッフとのディスカッション

    獣医師など専門家への相談

    2012年

  • (家族経営の小規模農場)経営が改善された養豚場

    C

    F

    AA

    A

    B

    2012年 2017年

  • ◆指示書(処方箋)データの提出

    ◆他農場との比較(ベンチマーキング)

    ◆解析結果の返却

    ◆各農場の抗菌剤使用量の算出

    NARO JASV

    養豚農場

    養豚場の抗菌剤使用量評価システム(PigINFO Bio)とは…

    養豚農場の抗菌剤使用量を経時的(/6ヶ月)に測定し、他農場の数値と比較(ベンチマーキング)し、農場における抗菌剤の使用実態に関わる情報を提供するシステムです!

    品名 社名 規格 数量

    水性アンピシリン注「KS」 共立製薬 20G(100ML)×5V 12

    ピッグメートS2 フジタ製薬 20KG 5

    ビクタス注射液5% 20KG 5

    バイトリル2.5%注射液 バイエル 50ML 5

    タイランプレミックス200 20KG 2

    CTC散200 フジタ製薬 20KG 2

    エス・テー散「KS」 20KG 2

    ビクタス注射液5% 20KG 5

    マルボシル2% MARUS 100ML 10

    ペニシリンゾル 100ML×5 6

    指示書A農場

  • プログラムを実行

    出荷頭数で割った薬剤標準使用量(g/肉豚)に基づく比較評価

    抗菌剤使用量評価表作成の仕組み

    ドキシサイクリン 経口 単剤 0経口 単剤 0経口 合剤 0注射 単剤 0経口 単剤 0経口 合剤 0

    0

    注射 単剤 0経口 単剤 0注射 単剤 0経口 単剤 19240

    19240

    注射 単剤 2100経口 単剤 0注射 単剤 0経口 単剤 46000

    メシリナム 注射 単剤 0注射 単剤 1800注射 合剤 0経口 合剤 19200

    アスポキシシリン 注射 単剤 069100

    セファゾリン 注射 単剤 0セフチオフル 注射 単剤 0

    0

    アンピシリン

    合計

    テトラサイクリン

    クロルテトラサイクリン

    オキシテトラサイクリン

    系統 薬剤名

    チアンフェニコール

    投与経路

    単剤合剤

    チアンフェニコール

    セフェム系計

    フロルフェニコール

    ペニシリン系

    アモキシシリン

    ベンジルペニシリン

    A農場

    薬効成分別集計表 各農場の抗菌剤使用量評価表

  • PigINFO Bioの収集データに基づく記述統計調査

    PigINFO Bio抗菌剤使用に関する統計解析

    NARO

    使用農場数(件)

    使用農場割合(%)

    最大使用量(g/肉豚)

    中央値(g/肉豚)

    平均値(g/肉豚)

    標準偏差(g/肉豚)

    抗菌剤全て 139 100.000 485.978 14.766 28.228 54.492

    注射剤 137 98.561 10.628 0.500 1.078 1.668

    経口剤 134 96.403 482.803 13.937 27.149 53.859

    テトラサイクリン系 97 69.784 375.796 2.449 10.735 33.451

    チアンフェニコール系 93 66.906 21.791 0.125 0.924 2.320

    ペニシリン系 135 97.122 17.679 1.467 2.610 3.204

    サルファ剤 70 50.360 261.905 0.004 5.101 23.926

    マクロライド系 127 91.367 43.333 1.268 3.553 5.806

    リンコマイシン系 44 31.655 23.571 0.000 0.637 2.558

    アミノグリコシド系 84 60.432 16.401 0.072 1.315 2.756

    プレウロムチリン 54 38.849 16.713 0.000 1.292 3.088

    セフェム系 67 48.201 0.370 0.000 0.024 0.059

    ポリミキシン系 62 44.604 15.427 0.000 0.994 2.340

    キノロン系 113 81.295 0.939 0.013 0.076 0.165

    ピリミジン系 65 46.763 52.381 0.000 0.966 4.779

    その他 6 4.317 0.111 0.000 0.002 0.011

    図8 各抗菌剤使用農場数・最大使用量・中央値・平均値・標準偏差(2016年)

    養豚の商業誌への掲載

    生産者や関係団体への情報発信

  • 0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    0% 5% 10% 15% 20%

    抗菌剤使用量(g/出荷豚)

    離 乳 後 事 故 率

    農場2

    農場1

    抗菌剤使用量と離乳後事故率の関係(2016年)

    PigINFOとPigINFO Bioの両方に参加している56農場の分布

  • 農場12018年4月

    使用量0

    A B C D E F

    1 アブラマイシン 経口 単剤 0.337 118 F2 ドキシサイクリン 経口 単剤 12.31 115 F3 リンコマイシン 経口 単剤 1.88 115 F4 チアムリン 経口 単剤 3.32 109 E5 チルバロシン 経口 単剤 0.371 99 E6 チルミコシン 経口 単剤 0.834 96 E7 フロルフェニコール 経口 単剤 0.456 92 D8 コリスチン 経口 単剤 0.545 91 D9 スルファメトキサゾール 経口 合剤 0.062 66 D

    10 トリメトプリム 経口 合剤 0.012 66 D

    結果順番 項目投与経路

    単剤合剤

    順位判定

    A B C D E F

    1 オキシテトラサイクリン 経口 単剤 23.18 113 F2 リンコマイシン 経口 単剤 1.86 110 F3 スルファメトキサゾール 経口 合剤 2.12 87 D4 アモキシシリン 経口 単剤 1.32 87 D5 トリメトプリム 経口 合剤 0.424 87 D6 ドキシサイクリン 経口 単剤 0 1 A7 クロルテトラサイクリン 経口 単剤 0 1 A8 クロルテトラサイクリン 経口 合剤 0 1 A9 オキシテトラサイクリン 経口 合剤 0 1 A

    10 チアンフェニコール 経口 単剤 0 1 A

    順位判定

    結果順番 項目投与経路

    単剤合剤

    農場2 2018年6月

    2016年 年間データ(経口薬)

    2016年 年間データ(経口薬)

    (g/出荷豚)

    (g/出荷豚)

    評価A

    使用量0 評価

    A

    農場1、2の抗菌剤削減取り組み実例

  • PigINFOによる生産成績とPigINFO Bioによる抗菌剤使用量の情報を生産者や獣医師に定期的に提供することで、

    生産成績を維持した戦略的な抗菌剤使用量の削減

    が可能となります!

  • 生体検査 解体検査(肉眼検査) 精密検査・微生物検査・病理検査・理化学検査

    PigINFO Diseaseデータ解析プログラム

    の構築

    PigINFO Diseaseの開発養豚農場

    食肉衛生検査所

    出荷

    検査データの送付

    JASV

    NARO

    PigINFO Disease

    PigINFO生産性指標

    衛生指導

    「経営体強化プロ(2018-2020年)」

  • 養豚場をあらゆる角度から分析・指導

    生産性の向上

    薬品の使用量疾病の発生状況

    低薬品使用

    世界にただ一つのシステム健全養豚の実現

    少ない疾病発生

    高い生産性

  • 今後…PigINFO Bioによる抗菌剤使用量の情報と

    PigINFO Diseaseによる食肉衛生検査データを共に活用していくことで、

    疾病の発生状況を確認しながら効率良い抗菌剤使用量削減を

    目指します!

  • ご清聴ありがとうございました

    養豚場における生産性評価システム及び�抗菌剤使用量評価システムを活用した�抗菌剤使用削減の取り組み養豚場の生産性評価システム(PigINFO)とは…スライド番号 3スライド番号 4養豚場の抗菌剤使用量評価システム(PigINFO Bio)とは…スライド番号 6PigINFO Bioの収集データに基づく記述統計調査スライド番号 8スライド番号 9スライド番号 10スライド番号 11スライド番号 12スライド番号 13スライド番号 14