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国連防災世界会議への参加結果 を踏まえた今後の検討への提言 2015325平本 健二 政府CIO補佐官 1 資料6

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国連防災世界会議への参加結果を踏まえた今後の検討への提言

2015年3月25日

平本 健二

政府CIO補佐官

1

資料6

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第3回国連防災世界会議(概要)

2015年3月14日(土)~18日(水) 仙台

本会議

187の国連加盟国が参加し,元首7か国,首相5か国(含日本),副大統領級6か国,副首相7か国(以上国連発表),閣僚級84か国(3月12日時点)を含め,6,500人以上が参加し,関連事業を含めると国内外から延べ15万人以上が参加。

14日に安倍総理大臣が,2015~18年の4年間で40億ドルの資金協力,4万人の防災・復興人材育成を含む「仙台防災協力イニシアティブ」を発表。

18日に,兵庫行動枠組の後継となる新しい国際的防災指針である「仙台防災枠組2015‐2030」と,防災に対する各国の政治的コミットメントを示した「仙台宣言」が採択され,閉会。

関連事業

本会議の関連事業として行われたパブリック・フォーラムでは、350以上のシンポジウム・セミナー,200以上の展示,100以上のポスター展示が行われた。

IT総合戦略室は、約70人(定員100人)に対しセミナーを実施。

• 参加は日本人のみ

関係府省は展示やセミナーで積極的な広報を実施。

• 内閣府、国土交通省、文科省、復興庁、農水省、独立行政法人等2

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Sendai Framework for Disaster Risk Reduction 2015‐2030

今後15年の期待される成果

人命・暮らし・健康と,個人・企業・コミュニティ・国の経済的,物理的,社会的,文化的,環境的資産に対する災害リスク及び損失の大幅な削減

ゴール(goal) ハザードへの暴露(exposure)及び脆弱性を予防・削減し,応急対応及び復

旧への備えを強化し,強靱性を強化する,統合されかつ包摂的な,経済,ハード及びソフト,法律,社会,健康,文化,教育,環境,技術,政治及び制度的手段の実施を通じ,新たな災害リスクを予防し,既存の災害リスクを減少させる

ターゲット(target)1. 死亡者数

2. 被災者数

3. 経済的損失

4. 重要インフラの損害

5. 防災戦略採用国数

6. 国際協力

7. 早期警戒及び災害リスク情報へのアクセス

2015‐3‐18  The Third UN World Conference on Disaster Risk Reduction http://www.wcdrr.org/uploads/Sendai_Framework_for_Disaster_Risk_Reduction_2015‐2030.pdfhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000071588.pdf 仙台防災枠組2015‐2030

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Sendai Framework for Disaster Risk Reduction 2015‐2030 優先行動

1. 災害リスクの理解

• 関連データの収集・分析管理活用

• 災害が複合的に発生する可能性を含めた災害リスク評価

• 地理空間情報の活用,防災教育,普及啓発,サプライチェーン

2. 災害リスク管理のため災害リスクガバナンス

• 全てのセクターにわたる防災の主流化,防災戦略計画の採択

• 関係ステークホルダとの政府調整場,ステークホルダへの責任と権限付与

3. 強靭化に向けた防災への投資

• ハード ・ソフト対策を通じた防災への官民投資

• 土地利用,建築基準

4. 効果的な応急対応に向けた準備の強化とより良い復興 (Build Back Better )」• 災害予警報,事業継続,避難場所・食糧資機材の確保,避難訓練

• 復旧・興段階における基準類,土地利用計画の改善を含めた災害予防策

• 国際復興プラットフォーム( IRP )などの国際メカニズム強化

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仙台防災協力イニシアティブ

基本方針

1. 長期的視点に立った防災投資

2. 「より良い復興(Build Back Better)」3. 中央政府と多様な主体の連携

視点

1. 人間の安全保障のアプローチと女性の参画推進

2. 気候変動の影響への適応の観点を踏まえた協力

3. 日本の知見・技術の活用

• 上述のとおり,我が国は幾多の災害経験を乗り越えて,防災分野での知見と技術を積み重ねてきた。さらに,技術革新の著しい地球観測や情報通信技術(ICT)などを活用した災害観測,分析,予測などの最先端の科学技術の成果を

導入するとともに,ハードとソフト両面を適切に組み合わせ,我が国の知見と技術を,現地の実情に合わせた形で活用することで,国際社会に対して日本ならではの貢献を行うことができる。特に,技術の相当部分は民間部門や自治体において開発・蓄積されていることを踏まえ,民間部門を始め様々な主体からの提案を積極的に取り入れつつ,官民連携,自治体連携による防災協力を推進する。

3月14日安倍総理大臣発表

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仙台防災協力イニシアティブ

具体的施策

1. 法・制度・体制構築支援,人材育成等のソフト支援,

• 【人材育成・その他技術協力】

– 災害リスク評価(ハザードマップ作成,気候変動適応研究支援等)

– 災害の観測,予測,予警報のための技術(情報通信技術(ICT),地球観測(宇宙技術)・地理空間情報を含む。)

– コミュニティ防災,防災教育

– 防災政策立案及び緊急災害支援(国内・国際)のための人材育成・訓練・技術移転

– 防災における女性のリーダーシップ推進のための研修

2. 経済社会基盤整備を中心とするハード支援

• 【事前の防災投資としての経済社会基盤整備】

– 災害予防のため洪水対策,土砂災害対策,高潮対策,植林を含む森林整備等

– 災害の観測,予測,予警報のために必要な人工衛星,情報インフラ基盤の整備

– 建造物の性能補強(耐震,耐風等)

– 防災関連機材の供与

– 災害に強い交通施設・ライフン施設 ・公共施設,防災に係る情報通信施設等の整備

3. グローバルな協力と広域協力の推進を効果的に組み合わせた協力を行う。

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展示概要

今回は、パブリックフォーラム全体の案内が不十分であったため、展示における情報提供と情報交換が重要であった。

世界各国および国際機関の展示

• ITに関する取組は少なかった。紹介している内容は、地図関連が多かった。洪水やがけ崩れ、津波に関するシステムの紹介もあり。

– オーストラリアhttp://www.em.gov.au/» ITに関するポータルサイトはシンプルで分かりやすい。オープンソースソフトを

提供。

– フランスhttp://www.developpement‐durable.gouv.fr/» 防災ポリシー全体としてITとの親和性が高い。プロジェクトを見ると、地図関連、

特に洪水やがけ崩れ対策が多い

» 日本の自治体が作っているような防災地図は、国が一元的に整備し、住所を入力することで、近辺の防災情報を入手可能

– 中東の国も津波対策などでGISを活用

日本の関係機関も幅広く展示

• 内閣府、国土交通省、文科省、復興庁、農水省、独立行政法人等

• 民間の防災インフラ輸出の活動を昨年から開始している日本防災プラットフォームも展示。

各国の展示においてヒアリングをしても、IT関連の取り組みはこれからの領域。ビジネスチャンスの領域と考えられる。

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世界の取り組み例:オーストラリア

InaSAFEプロジェクト

オーストラリア、世界銀行、インドネシアで共同開発した自然災害に対する影響シナリオを作るためのフリーソフト。

オーストリアの支援でパプアニューギニア、フィリピン等に導入

洪水、地震、噴火、津波に対応

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世界の取り組み例:World Bank GFDRR 防災でのオープンデータ活用に取り組むとともに、イノベーションラボ

を中心に新しい取り組みに積極的に取り組んでいる。

事例集やガイドを提供

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世界の取り組み例:フランス

フランス政府は防災に関する7原則を決め、右表のようにブレイクダウン。

各項目で、情報技術はベースラインとして使われる。

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世界の取り組み例:フランス

GEORISQUIS 住所を入力すると、各種防災情報

を確認可能

国が一括して提供

詳細地図のレイヤーを消去

拡大

画像上に黄色△が

プロットされた画像

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今回の反省

IT防災の取り組みの発信力の弱さ

国連防災世界会議・本会議にIT室への参加招請がなかった

有料の民間枠でIT室主催のセミナー(通訳無し)を開催したが、参加者は日本人のみ

多くの官民組織が展示ブースを有効活用し個別紹介していたが、我々もそういう活動が必要ではないか

※防災におけるITの重要性が高まってきているが、防災訓練に参加するなど、防災全体の取り組みの中でITの存在感を出していく必要がある

IT防災に関するビジョン整理とコーディネーションの必要性

防災分野におけるIT活用の総括が未了

平成24年6月に「IT防災ライフライン構築のための基本方針及びアクションプラン」がまとめられ、その内容は、世界最先端IT国家創造宣言に引き継がれたが、これまでの官民の取り組みを踏まえ再整理が必要

これまで、防災・減災分科会を行ってきたが、国際視点をもって進めていくことが必要

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国連防災世界会議を受けた今後の進め方の提案

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阪神淡路大震災

1995‐01‐17

新潟中越地震

2004‐10‐23

東日本大震災

2011‐3‐11

次の災害

次の災害に何を残すのか

携帯電話(% of mobile phones 3.5%(1994.6),9.4%(1995.6))

カメラ付携帯電話(% of mobile phones : 68.7%(2004.6))インターネット(% of internet user  : 66.0%(2004))

スマートフォン(% of mobile phones : 29.3%(2011))GPSの普及

地震早期警報システムの試行(気象庁)ボランティアによる掲示板被災者支援システム(制度情報提供含む)

テレビとラジオ

総合防災システム(内閣防災)伝言ダイヤル(NTT)被災者支援システム(西宮市)

地震早期警報システム(気象庁)

通行実績マップ(ITS Japan)パーソンファインダー(google),  Twitter様々な主体による情報ポータル復旧・復興支援制度データベース市民ハッカーなどの活躍

Lアラートの普及ビッグデータ分析ドローンやロボット・・・・・・・・・・

本格的なIT社会での災害

• 情報が迅速に集められなかった• 電話が輻輳した• 被災者の支援が大変だった

• 被災者支援制度を伝えるのが大変であった

• 避難所の状況が分からなかった• 物資のマッチングが大変だった• 情報の司令塔が不明であった

• 民間との情報共有、支援調整が大変であった

• 民間支援は次回もあるのか• 避難所PCの活用

課題

課題

課題

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今後の視点イメージ

次回以降の災害においてはインターネットがあることが前提

東日本大震災の対応とその反省を整理すると以下の通り。防災・減災の取り組み(赤:創造宣言で取り組み中、緑:東日本大震災時に民間サービスで実現、黄:現在でも課題 ●:当時の課題)

フェーズ 減災期 安全確保期 緊急期 救命期

時間軸 -0h -1h -10h -100h(4 日)

状況 混乱

歯抜けの様々な情報

混乱

歯抜けの様々な情報

混乱

官民から整理された情報が出始める

情報収集 避難所情報

防災計画

地盤情報

要支援者情報

被害情報

気象情報

ヘリカメラ

航空写真

衛星写真

詳細被害情報

気象情報

●航空写真の公開要望が大きかった

●被害の詳細情報把握に時間がかかった

交通情報

避難所状況

気象情報

緊急物資情報

●避難所の状況把握が Fax で行われていた

情報分析 震度予測

情報分析訓練

被害推定(総合防災システ

ム)

詳細被害推定(総合防災システム) 詳細被害推定(総合防災システム)

sns 分析

情報提供 緊急地震速報

J アラートの整備

総合防災システムが情報提

供予定

公共情報コモンズ

総合防災システムが情報提供予定

公共情報コモンズ

民間ポータルサイト

SNS 発信

●民間の支援団体は情報がないため動けなかった

総合防災システムが情報提供予定

公共情報コモンズ

通行実績マップ

SNS 発信

サイト縮退運用

●行政サイトの BCP が不十分なところがあった

マッチン

物資マッチング

パーソンファインダ

●物資のマッチングが紙などで行われていた

物資マッチング

パーソンファインダ ボランティアマッチング

●物資のマッチングが紙などで行われていた

データ蓄

積等

サイトミラーリング

統合支援 被害予測地図

訓練、啓発

災害リスク情報共有・

検索システム

民間との協力関係整理

総合防災システム

防災ネットワーク

G 空間防災システム

総合防災システム

防災ネットワーク

G 空間防災システム

民間協働サイト

総合防災システム

G 空間防災システム

民間協働サイト

現場支援 インフラ保守 防災ロボット 防災ロボット 防災ロボット

カルテ等医療支援

被災者支援システム

義援金支援サイト

●カルテの情報の引継ぎが大変だった

通信イン

フラ

情報通信インフラ強靭

無線局 24 時間電源 無線局 24 時間電源

船舶局等仮設局

●携帯基地局が 3時間しか非常電源がなかった

無線局 24 時間電源

船舶局等仮設局

学校インターネットの活用

通信イン

フラ

情報通信インフラ強靭

無線局 24 時間電源 無線局 24 時間電源

船舶局等仮設局

●携帯基地局が 3時間しか非常電源がなかった

無線局 24 時間電源

船舶局等仮設局

学校インターネットの活用

●避難所の設備が有効に使われなかった

その他 テレワーク

●防災対応行政職員のテレワークが検討されてい

なかった

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今後の視点イメージ

きょう震災が起こったら何ができるのか、何ができないのかを時間軸の面でイメージしていくことが重要。

防災・減災の取り組み(赤:創造宣言で取り組み中、緑:東日本大震災時に民間サービスで実現、黄:現在でも課題 ●:当時の課題)

フェーズ 生活確保・仮復旧期 復旧・復興準備期 復興期

時間軸 -1000h(42 日) -10000h(417 日) 10000h-

状況 収束への移行中

官民から整理された情報が出始める

収束

一般行政情報の利用

収束

一般行政情報の利用

情報収集 避難所状況

支援制度情報

罹災証明基礎情報

仮設住宅情報

生活物資情報

●避難所の衛生情報も含んだ状況把握の書式がなく、収集に時間がかかった

ニーズ

次に向けた知見

ニーズ

次に向けた知見

情報分析 ニーズ分析

sns 分析

ニーズ分析

sns 分析

ニーズ分析

情報提供 通行実績マップ

IT 支援情報提供

復旧復興 DB

SNS 発信

政府系災害サイト

再利用可能データ公開

各種報告書

復旧復興 DB

各種報告書

復旧復興 DB

マッチン

物資マッチング

パーソンファインダ ボランティアマッチング

寄付物資マッチング

ボランティアマッチング

寄付物資マッチング

データ蓄

積等

サイトミラーリング

遺失物データベース

映像アーカイブ 震災アーカイブス

統合支援 総合防災システム

G 空間防災システム

民間協働サイト

現場支援 カルテ等医療支援

被災者支援システム

一般行政システム

被災者支援システム

一般行政システム

被災者支援システム

一般行政システム

通信イン

フラ

学校インターネットの活用 学校インターネットの活用

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参考

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最先端IT国家創造宣言(2)世界一安全で災害に強い社会の実現

災害時に全ての国民が正確な災害関連情報を確実かつ多様な伝達手段で入手できる防災・減災情報インフラを構築する。また、大規模災害時等において、IT・データを活用することにより、人命救助、消火活動等、効果的な現場対応を可能とするとともに、それらへ備えるための高度なシミュレーションを利用した被害予測など、 「助かる命を確実に助ける」災害に強い社会を実現する。また、センサー、ロボット、非破壊検査、情報化施工等の技術も活用することにより、社会インフラの実態を正確に把握・蓄積し、それらを活用することにより、社会インフラを安全により長く利用できることにつなげ、世界で最も安全で経済的な社会インフラを実現する。

①命を守る災害関連情報の提供等、防災・減災体制の構築

災害時に全ての国民が正確な災害関連情報を確実かつ多様な伝達手段で入手できるよう、強靭じんな通信・放送インフラ等を構築する。また、大規模災害時等において、準天頂衛星等による高精度な測位情報や IT を活用するこ

とにより、被災状況等を的確に把握するほか、リモート操作等で、人命救助、消火活動、情報化施工等で、災害応急復旧等、効果的な現場対応を可能とするとともに、それらへ備えるため、スーパーコンピュータ等による高度なシミュレーションを利用した事前の精緻な地震・津波被害予測など、「助かる命を確実に助ける」災害に強い社会を実現する。そのため、地理空間情報(G 空間情報)の利用を官民が協力して進めるとともに、行政の情報収集を補完する民間情報の防災・減災への活用や多くの主体での防災・減災情報の共有を推進し、また、オープンデータ推進の観点から、一部省庁の共有にとどまっている総合防災情報システムの災害関連情報についてインターネットを通じた情報提供を実現することにより、迅速に誰もが地理空間情報(G 空間情報)や災害関連情報を利活用できるようにする。

さらに、J アラートによる瞬時情報伝達手段の多重化・多様化や、平時にも活用可能な防災・減災情報を提供する情報通信端末の整備なども含め、多様なメディアを活用した重層的な情報収集・伝達体制を構築することにより、全ての国民が、正確な災害関連情報を、公共サービスや民間サービス等を通じて入手できるようにする。これらの取組により、2015 年度までには、多様なメディアを活用した重層的な情報収集・伝達体制を構築する。また、災害現場に近付けない大規模災害・特殊災害等に際して、IT を活用してリモートで操作できる災害対応ロボット等を 2018 年度までに導入し、順次高度化を図るとともに、地理空間情報(G 空間情報)を活用した避難誘導や消火活動について、2016 年度までに導入を検証し、2020 年度までに導入を実現する。

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最先端IT国家創造宣言工程表

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最先端IT国家創造宣言工程表

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防災・減災分科会の取り組み

ミッション

第一回で示されたミッションは以下の通り。

• 防災・減災に必要な情報とその収集・提供の在り方の整理(当面)

• 工程表該当施策について、充実・追加すべき内容の具体化

• 国の予算施策以外に、情報収集・提供体制の構築の取組の具体化

第1回H25.10.24

○防災・減災分科会について○防災・減災分科会の進め方について○国の防災・減災情報の収集・提供の主な取組について①総合防災情報システムによる情報収集・提供について(内閣府)②消防庁における災害情報の収集・提供について(消防庁)③公共情報コモンズ等による情報収集・提供について(総務省)

第5回H26.5.22

○「世界最先端IT国家創造宣言」及び工程表の改定案について○防災・減災におけるSNS等の民間情報の活用等について

第2回H25.12.5

○災害対策基本法等の改正の概要について○経済産業省の防災・減災情報の収集・提供に関する取り組み○東日本大震災からの課題と対応の現状(自治体ICTの側面から)○災害時におけるビッグデータの活用について

第6回H26.9.4

○世界最先端IT国家創造宣言・工程表該当施策の特定結果について○防災・減災に関する総務省の主な取組について

○防災・減災におけるSNS等の民間情報の活用等に関する検討会について

第3回H26.2.5

○工程表(防災・減災体制の構築部分)該当施策の予算案の状況について

○工程表(防災・減災体制の構築部分)該当施策等で保有している情報について○防災・減災情報の連携のあり方について

第7回H26.12.5

○第3回国連防災世界会議への参加についての報告○山岳での災害対策に活用可能なITの検討○災害時の情報共有に関する検討(災害医療)○SNS等の民間情報を活用した取組(感染症)

第4回H26.4.24

○工程表(防災・減災体制の構築部分)の見直し作業について○関係府省の主要な施策・取組について○工程表の見直しに関する意見交換○防災・減災におけるSNSの活用に関する検討について

第8回H27.3.25

成果

工程表のとりまとめ

防災・減災におけるSNS等の民間情報の活用等に関する検討会 報告書 21