防衛省の品質管理体制と今後の取組防衛省の品質管理体制と今後の取組...
TRANSCRIPT
防衛省の品質管理体制と今後の取組
防衛省 装備施設本部副本部長(管理担当)2012. 10. 12
1 防衛装備品調達の概要
2 防衛省の品質管理体制
3 今後の取組
目 次
2
防衛装備品調達の概要
1 装備品等調達業務(中央調達と地方調達)防衛大臣
装備施設本部陸上自衛隊
海上自衛隊
航空自衛隊
その他の機関等
中央調達 地方調達
・戦闘機、護衛艦、戦車、ミサイル等・航空機等の改修や修理等
・部品などの調達・装備品の修理等(航空機を除く)
3出典:装施本パンフ
2 中央調達と地方調達の契約額(2011)
4
防衛装備品調達の概要
中央調達1兆4,716億円
陸自2,615億円
海自2,811億円
空自3,176億円
その他491億円
契約額合計:2兆3,809億円
62%
出典:装施本パンフ
5
3 調達実績と件数の推移(件、億円)
防衛装備品調達の概要
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
16,000
18,000
中央調達件数
中央調達額
地方調達額
出典:装施本黄書データより作成(年度)
4 装備品等調達業務の流れ
装備施設本部
②契約方式の選定
③予定価格の算定
④入札・商議
⑤契約締結
⑧代金の支払い
陸海空自衛隊等(調達要求元)
①調達要求
地方防衛局・支局
⑥監督・検査・原価監査
陸海空自衛隊等受領部隊・補給処等
(使用部隊等)
企 業(契約相手方)
指示 報告
⑦装備品納入
実施
6
防衛装備品調達の概要
1 防衛省の品質管理体制
7
防衛省の品質管理体制
陸海空自衛隊等
装備施設本部
地方防衛局等
監督・検査業務
調達要求
調達業務
陸海空自衛隊等の使用部隊
受領検査
整備・補給
防衛省仕様書等により品質管理方法等を要求
装備品等の品質を定められた基準に合致するよう維持・整備
工場等から送られた装備品等の数量等を確認
製造工場等において必要な監督・完成検査を行い、
要求された品質を確保
2 防衛省仕様書(DSP:Defense Specifications)
8
防衛省の品質管理体制
装備品等の仕様(形状、構造、品質、特性、試験方法、検査方法、包装方法、表示方法、出荷条件など)を記載したもので、使用頻度が高く、継続して調達が予想される等の装備品等のうち、特に共通性を確保する等の必要がある装備品等の仕様を定めたもの。
◇品質管理等共通仕様書(DSP Z ○○○○)
番号 9000 9001 9002 9003 9007 9008
名称品質管理
適用仕様書品質保証
共通仕様書品質管理
共通仕様書検査制度
共通仕様書QMS-要求事項
共通仕様書品質管理等共通仕様書
主な用途9001、90029003等選択
主要装備品の開発
主要装備品の製造・修理
装備品の製造・修理
JISQ9001補完適用させた要求
JISQ9001、9100要求を統合
制定年 2002 1982 1982 1982 2001 2010
廃止予定 2013.3 2013.3 2013.3 2013.3 2013.3 継続
◇防衛省仕様書とは
西暦
1955
1960
1965
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2013
防衛省の品質管理体制
3 品質管理等要求仕様書の制定経緯等
T-34の国産化により米空軍品質管理方式を踏襲
F-86F、T-33Aの国産化により日米政府間協定によりMIL導入
DSP Z 9001~3(MIL‐Q‐9858、MIL‐I‐45208等ベース)
DSP Z 9008
DSP Z 9005,6(ミニDSP)(2004廃止)
航空自衛隊はMIL‐Q‐5923Cを母体とし仕様書を制定
陸海空自衛隊で独自の仕様書を制定
DSP Z 9007(新ミニDSP)
ISO 9001JIS Z 9901~9903
IAQS 9100JIS Q 9100:2000
JIS Q 9100:2009 IAQG 9100
JIS Q 9001:2000
品質管理等要求仕様書をDSP Z 9008へ一本化(2013.4~) 9
JIS Q 9100:2004DSP Z 9000
防衛省の品質管理体制
4 DSP Z 9008制定(2010.5)経緯◇DSP Z 9001~9003の問題点
・古い:1982年制定(母体のMIL –Q‐9858は既に廃止)・複雑:3つの品管要求レベルに企業が3選択肢
◇国際規格を採用の流れ・認証取得企業の増加(JIS Q 9001:約4万社、9100:約230社))・JIS Q9100:2009から防衛分野が追加・他DSPとの併用を止めJIS規格を尊重、選択肢を廃止・複雑な形態を簡素化
◇DSP Z 9008の制定(制定のメリット)・国際規格採用の推進
公正性を確保し、一般競争入札制度に合致した要求実現・関連する規格を減らし、要求の簡素化
要求元、相手先双方の負荷の軽減10
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
11‐1
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
11‐2
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
DSP Z 9005DSP Z 9006
11‐3
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
DSP Z 9005DSP Z 9006
JIS Q 9001(2000)
11‐4
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
DSP Z 9005DSP Z 9006DSP Z 9007
JIS Q 9001(2000)
11‐5
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
DSP Z 9005DSP Z 9006DSP Z 9007
JIS Q 9001(2000)
JIS Q 9100(2000)
11‐6
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
DSP Z 9005DSP Z 9006
DSP Z 9000
DSP Z 9007
JIS Q 9001(2000)
JIS Q 9100(2000)
11‐7
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
JIS Q 9100(2009)
DSP Z 9005DSP Z 9006
DSP Z 9000
DSP Z 9007
JIS Q 9001(2000)
JIS Q 9100(2000)
11‐8
5 DSP Z 9008とJISとの関係(イメージ)
防衛省の品質管理体制
DSP Z 9001DSP Z 9002DSP Z 9003
ISO 9001
JIS Q 9100(2009)DSP Z 9008
+追加要求事項
DSP Z 9005DSP Z 9006
DSP Z 9000
DSP Z 9007
JIS Q 9001(2000)
JIS Q 9100(2000)
11‐9
防衛省の品質管理体制
6 DSP Z 9000による要求事項の選択
JIS Q 9001再審に関する事項
++又はDSP Z 9001 DSP Z 9007 JIS Q 9100又は
JIS Q 9001再審に関する事項
++又は
品質管理に関するもの
DSP Z 9002 DSP Z 9007 JIS Q 9100又は
JIS Q 9001 +又はDSP Z 9003 DSP Z 9007 JIS Q 9100又は
検査制度に関するもの
DSP Z 9000品質管理適用仕様書
必要なものを要求(各仕様書ごとに規定)
9区分12
品質保証に関するもの
防衛省の品質管理体制
7 DSP Z 9008の特徴(装備品により区分)
適用区分a (航空機,ミサイルなど)
適用区分b (戦車,艦船、火器など)
適用区分c (車両,艦船用エンジンなど)
JIS Q 9100 +追加要求事項
JIS Q 9001 +追加要求事項
JIS Q 9001 -適用除外事項
DSP Z 9008品質管理等共通仕様書
必要なものを要求(各仕様書ごとに規定)
3区分
要求される機能・性能及び安全性の高さ
13
8 JIS Q 9100等認証取得状況(2012.3.31)
防衛省の品質管理体制
14
0
50
100
150
200
250
JISQ9001JISQ9100ISO9002ISO9001
出典:装施本黄書データより作成
9 認証取得企業の認定分類(2012.3.31)
防衛省の品質管理体制
15出典:装施本黄書データより作成
1 航空機の生産・技術基盤の維持・育成に向けた取組
今後の取組
16
(1)戦闘機の生産・技術基盤・ F-2戦闘機の完納。戦闘機生産が中断
→戦闘機生産技術基盤の将来の課題
企業からの開示請求のあったC-2輸送機、US-2救難飛行艇
(2)将来戦闘機のコンセプト・ 「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」・ 官民間で定期的に意見交換
(3)航空機の民間転用・ 関係省庁とも連携・協力した検討・ 防衛省保有の技術資料の開示等、具体的な制度設計
出典:24防衛白書
2 装備品などの取得にかかる取組
今後の取組
(1)ライフサイクルコスト管理の強化効果的かつ効率的な装備品取得に寄与。
(2)インセンティブ契約制度の拡充企業の生産性向上、低コスト体質の強化・促進を促す。
(3)コスト抑制のための努力部品の集中調達や他省庁との一括調達によるコスト抑制。
(4)公正性・透明性の向上のための取組各種事案の再発防止のため予算執行のチェック機能を強化。
(5)中央調達と地方調達の見直し地方調達の高額な随意契約(1.5億円以上)を大臣承認。
(6)装備品取得の更なる効率化を目指した検討・ IPT方式による装備品の取得・ コスト管理体制・ PBLの導入 17‐1出典:24防衛白書
2 装備品などの取得にかかる取組
今後の取組
(1)ライフサイクルコスト管理の強化効果的かつ効率的な装備品取得に寄与。
(2)インセンティブ契約制度の拡充企業の生産性向上、低コスト体質の強化・促進を促す。
(3)コスト抑制のための努力部品の集中調達や他省庁との一括調達によるコスト抑制。
(4)公正性・透明性の向上のための取組各種事案の再発防止のため予算執行のチェック機能を強化。
(5)中央調達と地方調達の見直し地方調達の高額な随意契約(1.5億円以上)を大臣承認。
(6)装備品取得の更なる効率化を目指した検討・ IPT方式による装備品の取得・ コスト管理体制・ PBLの導入
防衛省の目指すところは、調達品の品質確保
とコスト低減
出典:24防衛白書 17‐2
3 品質確保の原点はコンプライアンス
JIS Q 9001ISO 9001
組織の規則等
法令等
コンプライアンス社会のルール(社会常識、社会倫理)
JIS Q9100
18
今後の取組
航空機用座席の検査不正
航空機用部品の検査不正
4 防衛省が求める企業との関係(イメージ)
防衛庁 企業
企業防衛省
契約
契約Win‐Winの関係
各種事案に対する取組
倫理規定、コンプライアンス導入
19
今後の取組
防衛庁企業契約
20
JIS Q 9100の発展
航空宇宙業界の発展
Win‐Winの関係
仏作って魂入れず
防衛装備品の品質確保
ご清聴ありがとうございました
21