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遺伝毒性試験ガイドラインとの縁 -ICHガイドラインとの20- 国立医薬品食品衛生研究所・変異遺伝部 本間 正充 日本環境変異原学会第44回大会 望月喜多司記念賞シンポジウム 平成271128

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  • 遺伝毒性試験ガイドラインとの縁-ICHガイドラインとの20年-

    国立医薬品食品衛生研究所・変異遺伝部本間 正充

    日本環境変異原学会第44回大会望月喜多司記念賞シンポジウム

    平成27年11月28日

    プレゼンタープレゼンテーションのノートICHを中心に話す。OECDは最初の2枚だけ。

  • 2000年 2015年1995年 2005年 2010年

    遺伝毒性試験の標準的組み合わせに関するガイ

    ダンス

    ICH-S2B

    変異原性不純物の評価および管理に関するガイドライン

    ICH-S2(R1)

    遺伝毒性試験とデータの解釈関するガイドライン

    ICH-M7

    遺伝毒性関連ICHガイドライン

    1990年

    ICHスタート

    http://www.ich.org/

  • マウスリンフォーマ(MLA)は染色体異常誘発物質を本当に検出できるのか?

    ICH-S2Bガイドライン策定の焦点(1993年~)

    遺伝毒性試験の標準的組み合わせに関するガイダンス

  • 医薬品に関する遺伝毒性試験バッテリー(1996年以前)

    日本3 Tests

    1. エームス試験

    2. In vitro 染色体異常試験

    3. In Vivo 小核試験

    EU4 Tests

    USA3 Tests

    1.エームス試験

    2. マウスリンフォーマ試験 (MLA)

    もしくはIn vitro 染色体異常試験

    3. In Vivo 小核試験

    1. エームス試験

    2. In vitro 染色体異常試験

    3. ほ乳類細胞による遺伝子突然変異試験

    4. In Vivo 小核試験

  • 参加研究機関: 52機関(海外7機関)

    試験化合物: 40化合物・染色体異常陽性-エームス試験陰性:33・染色体異常陰性-エームス試験陰性: 6・染色体異常陽性-エームス試験陽性: 1

    試験プロトコール:4時間処理、および24時間処理

    厚生省・日本製薬協マウスリンフォーマ国際共同研究

  • 20

    5

    9

    34

    MLA

    染色体異常試験

    2

    3

    1

    6

    22

    8

    10

    40

    31

    1

    2

    34

    MLA

    染色体異常試験

    2

    3

    1

    6

    33

    4

    3

    40

    3時間処理のみ 3時間+24時間処理

    共同研究の結果

    染色体異常誘発物質検出率:59% (20/34)

    染色体異常誘発物質検出率:91% (31/34)

  • ICH-S2B遺伝毒性試験バッテリー (1997年)

    In vitro試験

    1. エームス試験

    2. ほ乳類細胞試験(いずれか1つ)• 染色体異常試験• マウスリンフォーマ試験

    (24時間処理を含む)

    In vivo試験

    3. 骨髄での小核試験

  • In vitro哺乳類培養細胞試験(染色体異常試験、MLA)の偽陽性を低減化で

    きないか?

    ICH-S2(R1)ガイドライン策定の焦点(2006年~)

    遺伝毒性試験とデータの解釈関するガイドライン

  • エームス試験

    58.8

    73.9

    MLA

    73.1

    39.0

    染色体異常試験

    65.6

    44.9

    Sensitivity陽性一致率

    Specificity陰性一致率

    Krikland et al., Mutat. Res. 584, 1, 2005

    In vitro 遺伝毒性試験と、げっ歯類発がん性試験の一致率(%)

    プレゼンタープレゼンテーションのノートThis is the essence of his paper. He compared the sensitivity and specificity of each test. Sensitivity is a capacity detecting carcinogens as positive. Specificity is a capacity detecting non-carcinogens as negative. The higher is better for both. In particular, industrial sides prefer higher specificity because the negative results means its safety leading to the development. On the other hand, regulatory sides emphasize the specificity, because to identify genotoxic hazard , sensitive assay is better to ensure the safety. Ames assay----The MLA showed high sensitivity here., 73%. But, specificity is only 39%.

  • ICH-S2(R1)ガイドラインのポイント

    用量の低減化による偽陽性の回避 最高用量を5mg/ml(10mM)から0.5mg/ml(1mM)へ 最高用量の細胞毒性レベルを緩和

    試験バッテリーに2つのオプションを認める In vitro哺乳類培養細胞試験を含む試験(従来法) In vitro哺乳類培養細胞試験を含まない試験

    Ames+2つのin vivo試験

    適切なin vivo試験の選択 コメット試験を推奨 反復投与毒性試験に組み入れることを推奨

  • 1 mM

  • エームス試験 (陰性であることが必須)

    In vitro ほ乳類培養細胞試験

    陽性陰性

    In vivo小核試験

    Option 1

    Option 2

    In vivo小核試験

    2つめのin vivo遺伝毒性試験*

    *コメット試験、もしくはトランスジェニック動物での遺伝子突然変異試験を推奨

    医薬品に関する遺伝毒性試験バッテリーICH-S2(R1)

    プレゼンタープレゼンテーションのノートエームス試験はいずれにせよ必須である。2つのin vivo試験は動物代替に精神に反する。2つの試験のコンビネーション、一般毒性試験へのインテグレーションが推奨されている。

  • ICH-S2R1 Step4ガイドライン ICH-S2R1 国内発出(Step5)

    2012年9月2011年11月

    2009年5月にStep4の予定だった

  • 微量な変異原性不純物をいかに評価/管理するのか?臨床開発中の医薬品

    についても同様に対象とする。

    ICH-M7ガイドライン策定の焦点(2010年~)

    変異原性不純物の評価および管理に関するガイドライン

  • ICH-M7 ガイドラインの主なポイント(安全性)

    1. ハザード評価対象は低レベルでDNAに直接損傷を与える変異原物質

    (Mutagens)のみ。変異原性はエームス試験により評価する。

    エームス試験の替わりに構造活性相関(QSAR)によるin silico手法を用いて変異原性を評価することができる。

    2. リスクの特性解析 毒性学的懸念の閾値(TTC)の適用 リスクレベルの緩和

  • ICH-M7 Step4ガイドライン ICH-M7 国内発出(Step5)

    2015年11月

    2014年6月

  • http://www.in-silico-methods.eu/book/export/html/308http://oasis-lmc.org/https://www.google.co.jp/imgres?imgurl=https://www.molecular-networks.com/files/images/altamira_logo.jpg&imgrefurl=https://www.molecular-networks.com/partners&docid=534M_cypp_WB3M&tbnid=FzbwcUlrbGPDTM:&w=125&h=91&ei=undefined&ved=undefined&iact=chttp://www.linkedin.com/company/swetox-swedish-toxicology-sciences-research-center?trk=company_logohttp://www.leadscope.com/index.phphttp://www.prousresearch.com/Home.aspxhttp://www.lhasalimited.org/

  • http://www.nihs.go.jp/dgm/

    AMES/QSAR プロジェクト

  • 日本環境変異原学会・レギュラトリーサイエンスワーキンググループ

    環境変異原研究に携わる研究者は、医薬品、農薬、食品添加物等の安全性が十分な科学的根拠に基づいた予測、評価、判断によって保証されるように、自分の研究成果をこれらガイドラインに反映させ、社会にとって望ましい内容と方向に生かすことに努力すべきである。このような学問を「レギュラトリーサイエンス」と言う。環境変異原研究分野で、レギュラトリーサイエンスの実践のためには、国内外の各種遺伝毒性試験ガイドラインの策定に関与することが重要である。

    参加者募集:[email protected]

    現在の活動

    2015年11月 :OECD試験ガイドラインTG476、478、483、490翻訳作業2015年11月 :ICH-M7 Addendum (Step 2)コメント募集2015年11月 :OECD/SPSF フラクチュエーションエームス試験の新規

    提案と、TG478の削除提案に対するコメント募集

    スライド番号 1スライド番号 2スライド番号 3スライド番号 4スライド番号 5スライド番号 6スライド番号 7スライド番号 8スライド番号 9スライド番号 10スライド番号 11スライド番号 12スライド番号 13スライド番号 14スライド番号 15スライド番号 16スライド番号 17スライド番号 18スライド番号 19