騒音・振動レベルについて - aktio技術資料 法規 測量関連機器...

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技術資料 法規 測量関連機器 騒音・振動・ 粉塵測定器 有害ガス 検知器 水質測定器 土質・木材・ コンクリート 非破壊検査 気象観測機器 その他測定器 通信関連機器 映像情報機器 安全管理機器 166 ■音と騒音 私たちが音と呼ぶものは空気の振動です。あらゆる物体は擦ったり、叩いたりすれば音源となります。音源の振動が空気の 振動となり、その振動を耳が受け取ったとき、音として聞くことができます。 私たちの周囲にはさまざま(様々)な音が取り込まれていますが、これらの音すべてに反応することは不可能で、その中から 各自が主観的に判断し、取り出して聴いています。その人に重要でない音は、重要な音に対し妨害的な働きをすることも多 く、これが“無い方が良い音”と判断され騒音と呼ばれます。このように騒音は音自身の物理的属性よりも、聞く人の受け取 り方にあり、一概には言えませんが、大きすぎる音・不快な音質の音・注意をその方に向けさせる音等が一般的に騒音と判断 されます。 騒音・振動レベルについて ■音の物理量と感覚量 ※騒音規制法・振動規制法についてはP172をご参照下さい。 1.騒音・振動の大きさは特定建設作業の場所の敷地の境界線上において測定する。 2. 表中A欄は、居住用に供されている区域、商・工業用にあわせて、相当数の住居が集合している地域および学校、病院、 図書館、特別養護老人ホームなどの周囲おおむね80メートルの区域で都道府県知事または令第4条第2項に規定する 市の長が指定した区域に適用し、B欄は、A欄の区域以外に適用する。 ※特定建設作業の種類の分類についてはP172をご参照下さい。 特定建設作業における騒音・振動の規制基準 (昭43・11・27 厚・建・告1、改正 平12 環告16/昭51・11・10 総令58、改正 平10・総令48) 項  目 騒  音 振  動 騒音/振動の大きさ 85 デシベル以下 75 デシベル以下 作業を行っては いけない時間帯 A p.m. 7 〜翌 a.m.7 B p.m.10 〜翌 a.m.6 一日の作業時間 A 10 時間以内 B 14 時間以内 継続日数の制限 A 6 日以内 B 日曜、休日における 作業規制 禁止 音は大気圧の微小な圧力変化である所から物理量を音圧といい、単位はパスカル(Pa)を用います。ところが人間の聞くこ とのできる音圧は20μPaから200Paと1000万倍にもなります。また、人間が感じる音の大きさは音圧の対数に比例する との法則があります。最小可聴値20μPaを基準値として音の大きさをデシベル(dB)で表しますと0〜140dBで扱うことが できます。

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技術資料

法規

測量関連機器

騒音・振動・

粉塵測定器

有害ガス

検知器

水質測定器

土質・木材・

コンクリート

非破壊検査

気象観測機器

その他測定器

通信関連機器

映像情報機器

安全管理機器

166

技術資料 騒音・振動レベルについて

■音と騒音私たちが音と呼ぶものは空気の振動です。あらゆる物体は擦ったり、叩いたりすれば音源となります。音源の振動が空気の

振動となり、その振動を耳が受け取ったとき、音として聞くことができます。

私たちの周囲にはさまざま(様々)な音が取り込まれていますが、これらの音すべてに反応することは不可能で、その中から

各自が主観的に判断し、取り出して聴いています。その人に重要でない音は、重要な音に対し妨害的な働きをすることも多

く、これが“無い方が良い音”と判断され騒音と呼ばれます。このように騒音は音自身の物理的属性よりも、聞く人の受け取

り方にあり、一概には言えませんが、大きすぎる音・不快な音質の音・注意をその方に向けさせる音等が一般的に騒音と判断�

されます。

騒音・振動レベルについて

■音の物理量と感覚量

※騒音規制法・振動規制法についてはP172をご参照下さい。

1.騒音・振動の大きさは特定建設作業の場所の敷地の境界線上において測定する。

2.�表中A欄は、居住用に供されている区域、商・工業用にあわせて、相当数の住居が集合している地域および学校、病院、�

図書館、特別養護老人ホームなどの周囲おおむね80メートルの区域で都道府県知事または令第4条第2項に規定する�

市の長が指定した区域に適用し、B欄は、A欄の区域以外に適用する。

※特定建設作業の種類の分類についてはP172をご参照下さい。

■特定建設作業における騒音・振動の規制基準(昭43・11・27 厚・建・告1、改正 平12 環告16/昭51・11・10 総令58、改正 平10・総令48)

項  目 騒  音 振  動

騒音/振動の大きさ 85 デシベル以下 75 デシベル以下

作業を行ってはいけない時間帯

A p.m. 7 〜翌 a.m.7

B p.m.10 〜翌 a.m.6

一日の作業時間A 10 時間以内

B 14 時間以内

継続日数の制限A

6 日以内B

日曜、休日における作業規制 禁止

音は大気圧の微小な圧力変化である所から物理量を音圧といい、単位はパスカル(Pa)を用います。ところが人間の聞くこ

とのできる音圧は20μPaから200Paと1000万倍にもなります。また、人間が感じる音の大きさは音圧の対数に比例する�

との法則があります。最小可聴値20μPaを基準値として音の大きさをデシベル(dB)で表しますと0〜140dBで扱うことが

できます。

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法規

測量関連機器

騒音・振動・

粉塵測定器

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技術資料 騒音・振動レベルについて

騒音・振動レベルについて

①等価騒音レベル  �等価騒音レベル(Leq)は、equivalent�continuous�sound�level

の訳であり、ある時間内で変動する騒音レベルのエネルギー�

を同時間内の定常騒音のエネルギーに置きかえることです。�

時間t1〜t2の間に、騒音レベルが47〜60dBの範囲で移動して

いる場合(右上の図)の例で、この騒音のエネルギーを定常騒音�

のエネルギーに置き換えると53dB(右下の図)のように�

なります。

②Leqの測定  �等価騒音レベルは騒音計(Leq機能付)、レベル処理器により

自動的に演算されます。

■等価騒音レベル Leq とは?

騒音に係る環境基準の評価に等価騒音レベル(Leq)が用いられます。

わが国の騒音規制法および振動規制法に使われている評価量で騒音や振動の大きさが不規則かつ大幅に変動するときにこの

評価量は適用されます。ある実測時間内の変動騒音に着目したとき、ある騒音レベルを超えている時間の合計が実測時間の

N%に相当するとき、その騒音レベルをN%時間率騒音レベルと言います。たとえば実測時間が10分の場合55dBを超え

る時間の合計が5分であったならば55dBを50%時間率騒音レベル(中央値)と言います。もし55dBを超える時間の合計

が30秒であったならば55dBはL5(5%時間率騒音レベル)となります。時間率振動レベルについても同様です。

■時間率騒音レベル、時間率振動レベルとは?

低周波音とは一般に周波数1Hzから100Hzの音波のことを言い、その中でも特に1Hzから20Hzの人間の耳に音として�

捉えられない音波を超低周波音と言います。低周波騒音計は、一般の騒音を測定する騒音計と違い、低周波音を測定する�

目的で開発された測定器です。

通常の騒音は、耳で聞き“うるさい”と感覚的な表現が使われますが、

耳で聞きづらい、あるいは聞こえない低周波音は“不快・圧迫感”�

という心理的な表現が使われます。

一般に人は、10Hzの低周波音ではおよそ90dB以上の音圧で、

20Hzの低周波音ではおよそ80dB以上の音圧でその低周波音の存在�

を認知すると言われ、さらに大きなレベルになると先の心理的表現�

による苦情となる場合があります。

■低周波音は、どのような音なのでしょうか?

ガタツキを起こしている低周波の例

70

60

50

40t1 t2

騒音レベル

(dB)

時 間

70

60

50

40t1 t2

等価騒音レベル

(dB)

時 間騒音レベルと等価騒音レベル

低周波音

不快感

圧迫感