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評価ガイド リリース 3.5 Acronis International GmbH 2020 07 31

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評価ガイドリリース 3.5

Acronis International GmbH

2020年 07月 31日

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目次

第 1章 はじめに 1

第 2章 インフラストラクチャの計画 3

2.1 ハードウェア要件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

2.2 ストレージポリシーについて . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

第 3章 ストレージクラスターの管理 9

3.1 Acronis Cyber Infrastructureのインストール . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

3.2 ネットワークの設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

3.3 ストレージクラスターの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

第 4章 計算クラスターの管理 13

4.1 計算クラスターの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14

4.2 リソースの割り当て . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15

4.2.1 ドメイン、プロジェクト、およびユーザーの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15

4.2.2 ストレージポリシーの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17

4.2.3 計算ネットワークの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18

4.3 仮想マシンの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18

第 5章 記憶域スペースのエクスポート 21

5.1 iSCSIによる記憶域スペースのエクスポート . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21

5.1.1 ターゲットグループの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22

5.1.2 ボリュームの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22

5.1.3 ターゲットグループへのボリュームの接続 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22

5.1.4 VMware vSphereiから iSCSIターゲットへのアクセス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23

5.2 S3による記憶域スペースのエクスポート . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24

5.2.1 S3クラスターの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24

5.2.2 S3ユーザーとバケットの管理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25

5.3 NFSによる記憶域スペースのエクスポート . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 26

5.3.1 NFSクラスターの作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27

5.3.2 NFS共有の作成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27

5.3.3 NFSエクスポートの作成およびマウント . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27

第 6章 Backup Gatewayを経由した Acronis Cyber Backup Cloudソフトウェアとストレージバックエ

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ンドの接続 29

6.1 Backup Gatewayの設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 30

6.2 Acronis Cyber Backup Cloudの設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31

第 7章 ストレージクラスターの監視 33

第 8章 高可用性の有効化 35

8.1 管理ノードの高可用性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 35

8.2 サービスの高可用性 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 36

8.3 高可用性のテスト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 37

ii

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1

第 1章

はじめに

Acronis Cyber Infrastructureは、サービスプロバイダーとエンドカスタマーの両方を対象とした新世代のハイパー

コンバージドインフラストラクチャです。ユニバーサルストレージと高パフォーマンス仮想環境を組み合わせた、

スケールアウト型で、費用対効果の高い多目的サイバー保護ソリューションです。

Acronis Cyber Infrastructureは、Acronis Cyber Cloudスイート製品、Acronis Cyber Backupとシームレスに連携し

ます。データセンターに求められるテクノロジーを最小限に抑えながら、パフォーマンスをさらに向上させます。

このガイドでは、Acronis Cyber Infrastructureの使用を開始する方法と、以下の主要機能を評価する手順を概説し

ます。

1. Acronis Cyber Infrastructureのインストールと設定。

2. ストレージクラスターの作成。

3. 計算クラスターの作成とリソースの割り当て。

4. 仮想マシンの作成。

5. iSCSI、S3、NFS、Backup Gatewayを介した記憶域スペースのエクスポート。

6. 組み込みの監視ツールの調査。

7. 高可用性の有効化とテスト。

さまざまな利用形態が想定できますが、このガイドでは、最も一般的なシナリオについて説明します。このガイド

で概説する手順は一般的なもので、評価のため簡略化されています。Acronis Cyber Infrastructureのサポートのた

め、網羅的で詳細なドキュメントセットが提供されています。詳細なガイダンスは、これらをご参照ください。詳

細につきましては、『クイックスタートガイド』、『インストールガイド』、『管理者ガイド』、『セルフサービス

ガイド』、および『ストレージユーザーズガイド』をご参照ください。

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3

第 2章

インフラストラクチャの計画

2.1 ハードウェア要件

サポートされるハードウェア構成は数多くありますが、これらについては、Planning Node Hardware Configurations

で説明されています。ただし、評価目的で配置するノードは、3つをお勧めします。この構成にすることで、1つ

のノードで障害が発生しても、クラスターはデータの損失を回避できます。次の表は、3つのノードそれぞれに対

する*最小*ハードウェア要件を示したものです。高可用性を有効にするには、ストレージと計算を使用する管理

ノードの要件を満たしたノードが 3つ必要です。

表 2.1.1: ノードの最小ハードウェア要件

種類 ストレージと計算を使用する

管理ノード

ストレージと計算を使用する

セカンダリノード

ストレージと Backup

Gatewayを使用する管

理ノード

CPU 64ビット x86プロセッサー、AMD-Vまたは Intel VTハードウェア仮想環境拡張機能が有効

なもの

16コア* 8コア* 4コア*

RAM 32GB 16GB 8GB

ストレージ ディスク 1基: システム +メタ

データ、100GB以上の SATA

HDD

ディスク 1基: ストレージ、

SATA HDD、必要に応じたサ

イズ

ディスク 1基: システム、

100GB SATA HDD

ディスク 1基: メタデータ、

100GB SATA HDD(クラス

ターの最初の 3つのノード

のみ)

ディスク 1基: ストレージ、

SATA HDD、必要に応じたサ

イズ

ディスク 1基: システ

ム +メタデータ、120GB

SATA HDD

ディスク 1基: ストレー

ジ、SATA HDD、必要に

応じたサイズ

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評価ガイド, リリース 3.5

表 2.1.1 –前のページからの続き

種類 ストレージと計算を使用する

管理ノード

ストレージと計算を使用する

セカンダリノード

ストレージと Backup

Gatewayを使用する管

理ノード

ネットワーク プライベートネットワーク用

に 1GbE、パブリックネット

ワーク用に 1 GbE(VLANタ

グ付き)

プライベートネットワーク用

に 1GbE、パブリックネット

ワーク用に 1 GbE(VLANタ

グ付き)

2 x 1GbE

*この場合の CPUコアは、マルチコアプロセッサーの物理コアです(ハイパースレッディングは考慮されていま

せん)。

また少なくとも、パブリックネットワーク用に IPが 2つ(高可用性管理パネルと各 NFS共有用)、プライベート

ネットワーク用に IPが 1つ(高可用性管理ノード用)、そして FQDN2つ(S3および Backup Gateway用)が必要

です。

下の図は、この評価シナリオでのネットワークレイアウト例です。ホスト名とアドレスは、設定により異なる場合

があります。

Private network

10.37.130.4HA admin panel

eth1

10.37.130.5NFS share 1

eth1

Public network

10.37.130.6NFS share 2

eth1

Reserved addresses

196.1.1.34HA internal

management eth0

s3.example.com

DNS

backup.example.comBackup Gateway

S3 storage

FQDNは、バックアップエージェントがクラウドストレージとの間でバックアップを送信したり、取得したりす

るために使用します。クライアントマシンと Acronis Cyber Infrastructure のノードが異なるデータセンターにあ

る場合は、任意の DNSサービスの 1つ(Azureの Azure DNS、Amazonの Amazon Route 53、または Googleの

Google Cloud DNS)で FQDN を構成することを強くお勧めします。何らかの理由によりそのようにできない場

合、各ノードの/etc/hostsファイルに FQDNを手動で追加する必要があります。逆に、クライアントマシンと

Acronis Cyber Infrastructureのノードが同じデータセンターにある場合は、パブリック DNSの代わりにローカル

DNSを使用してバックアップを高速化できます。ローカル DNSはローカル IPアドレスでのみ動作するため、こ

4 第 2 章インフラストラクチャの計画

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評価ガイド, リリース 3.5

の場合は NATの使用をお勧めします。

この評価シナリオでは、Acronis Cyber Infrastructureと S3ストレージへのアクセスに Google Chromeブラウザの

使用を推奨します。

2.2 ストレージポリシーについて

Acronis Cyber Infrastructureは、iSCSIブロックストレージ、NFSファイルストレージ、S3オブジェクトストレー

ジ、バックアップストレージ(Acronis Cyber Backup ソリューションで作成されたバックアップ保存用)のシナ

リオでお使いいただけます。また、組み込みのハイパーバイザーを使用して、計算仮想マシン(VM)を作成する

こともできます。これらシナリオのいずれでも、データの共通単位はボリュームです。計算サービスの場合、ボ

リュームは、VMに接続できる仮想ドライブです。iSCSI、S3、Backup Gateway、および NFSの場合は、スペー

スのエクスポートで使用するデータ単位がボリュームになります。いずれの場合も、ボリューム作成時には、ボ

リュームの冗長モード、ティア、および障害ドメインの定義が必要です。これらのパラメータが、ボリュームの冗

長性とボリュームの配置場所を定義するストレージポリシーを構成します。

S3 clustervolume

iSCSIvolume

1

Storage policy 2

Backup clustervolume

NFSvolume

1

VMvolume

1

NFSvolume

2

VMvolume

2

Backup

GatewayS3 iSCSI NFS

Compute

VMs

Storage policy 1

Storage policy 3

Storage policy 4

冗長性とは、データが複数の異なるストレージノードに保存され、一部のノードに障害が発生した場合でも高可用

性が維持されることを意味します。ストレージノードにアクセスできない場合、そのストレージノード上にある

データのコピーは、正常なストレージノードに分散された新しいコピーに置き換えられます。ダウンタイム後にス

トレージノードが稼働すると、ストレージノードの古いデータは更新されます。

レプリケーションでは、Acronis Cyber Infrastructure がボリュームをサイズの固定された断片(データチャンク)

に分割します。各チャンクは、ストレージポリシーで設定された回数に応じて複製されます。障害ドメインがホス

トの場合、レプリカは複数の異なるストレージノードに保存されるため、各ノードには特定のチャンクの単一のレ

プリカのみが保管されます。

イレージャーコーディング(または単にコーディング)では、着信データストリームが特定のサイズのフラグメン

トに分割されます。続いて、各フラグメント自体をコピーする代わりに、該当のフラグメントは一定数(M)にグ

ループ化され、冗長性用に一定数(N)のパリティピースが作成されます。ピースはすべて、M+N個のストレージ

2.2. ストレージポリシーについて 5

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評価ガイド, リリース 3.5

ノード(使用可能なすべてのノードから選択)に分散されます。データは、N個のストレージノードで障害が発生

しても、データの損失を回避できます。Mと Nの値は、イレージャーコーディングの冗長性モードの名前に示さ

れています。たとえば、5+2モードの場合、受信データは 5つのフラグメントに分割され、さらに 2つのパリティ

ピースが冗長性確保のために追加されます。冗長性、データオーバーヘッド、ノード数、および RAW領域の要件

の詳細については、:doc:『管理者ガイド<admins_guide:index>』を参照してください。

ストレージポリシーに対する理解を深めるために、サンプルシナリオの主なコンポーネント(ティア、障害ドメイ

ン、および冗長性)を確認してみましょう。たとえば、高速 SSDと大容量 HDDというストレージノードを複数

備えるノードが 3つあるとします。ノード 1には SSDのみがあり、ノード 2と 3には、SSDと HDDの両方があ

ります。iSCSIと S3を介して記憶域スペースをエクスポートする場合、ワークロードごとに適切なストレージポ

リシーを定義する必要があります。

• 1番目のパラメータであるティアは、特定のストレージワークロードに合わせ調整された基準(原則として

ドライブのタイプ)で結合されたディスクのグループを定義します。この例では、SSDドライブをティア

2に、HDDドライブをティア 3にグループ化できます。ストレージクラスターの作成時またはノードの追

加時に、ティアにディスクを割り当てることができます(ストレージクラスターの作成 (ページ 12)参照)。

HDDがあるのはノード 2とノード 3のみで、これらはティア 3に使用される点にご注意ください。ティア

3には、最初のノードの SSDを使用できません。

• 2番目のパラメータである障害ドメインは、一連のストレージサービスが相互に関連して障害が発生する可

能性のあるスコープを定義します。デフォルトの障害ドメインはホストです。各データチャンクは異なるス

トレージノードにコピーされます。コピーされるのはノードごとに 1つだけです。ノードに障害が発生して

も、正常なノードからはデータに引き続きアクセスできます。またディスクは障害ドメインとなりますが、

関係するのは 1ノードのクラスターにのみに限られます。このシナリオでは、ノードが 3つあるため、ホス

トを障害ドメインにすることをお勧めします。

• 3番目のパラメータである冗長性は、ディスクとティアに適合するよう構成する必要があります。この評価

例では、ノードが 3つあり、すべてのノードのティア 2に SSDがあります。このため、ストレージポリシー

でティア 2を選択した場合、3つのノードを 1、2、または 3つのレプリカに使用できます。ただし、ティア

3に HDDを搭載したノードは 2つだけです。このため、ストレージポリシーでティア 3を選択した場合、

2つのノードに格納できるレプリカは 1つか 2つに限られます。いずれの場合も、エンコードが使用できま

すが、ここでは、SSD用に 3つのレプリカ、HDD用に 2つのレプリカというレプリケーションを考えてみ

ましょう。

これを要約すると、ストレージポリシーは次のような結果になります。

6 第 2 章インフラストラクチャの計画

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評価ガイド, リリース 3.5

3 replicasHost failure domainTier 2 (SSD)

2 replicasHost failure domainTier 3 (HDD)

chunk 1

...chunk

2chunk

3chunk

1...

chunk 2

chunk 3

1(1) 1(2) 1(3) 2(1) 2(2) 3(1) 3(2)

S3 clustervolume

iSCSI volume

1

Storage policy 1 Storage policy 2

Tier 2 (SSD)

node 1

node 2

node 3

Tier 2 (SSD)

Tier 2 (SSD)

Tier 3 (HDD)

Tier 3 (HDD)

Tier 2 (SSD)

2.2. ストレージポリシーについて 7

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9

第 3章

ストレージクラスターの管理

この章では、Acronis Cyber Infrastructureをインストールした上で、配置するための初期設定を行う手順を概説し

ます。初めに、管理ノード上に基本のインフラストラクチャを作成し、次に同様の方法でそのインフラストラク

チャにセカンダリノードを追加する必要があります。評価用の場合、2つのセカンダリノードを追加することをお

勧めします。次に、ネットワークを構成し、ノード上にストレージクラスターを作成します。

3.1 Acronis Cyber Infrastructureのインストール

ディストリビューション ISOイメージを入手する場合は、製品ページにアクセスし、試用版を申請できます。

ISO は、Acronis Cyber Cloud からもダウンロードいただけます。これには、管理ポータルに移動し、左側のメ

ニューで、[設定] > [ロケーション] を選択します。[バックアップストレージを追加] をクリックし、開いたウィンドウで、[ISOをダウンロード]ボタンをクリックします。ディストリビューションイメージを入手後、Acronis

Cyber Infrastructureのインストールに進みます。

1. ディストリビューション ISOイメージを使用してブータブルメディアを準備します。IPMI仮想ドライブに

マウントし、ブータブル USB ドライブを作成するか、PXE サーバーをセットアップします。選択したメ

ディアからサーバーを起動します。

2. [ようこそ]画面で、Acronis Cyber Infrastructureの [インストール]を選択します。次に、エンドユーザーライセンス契約をお読みの上、ご同意ください。

3. NICの静的 IPアドレスを設定し、ホスト名を指定します。動的 IPは、ノードへのアクセスに問題を起こす

原因となる可能性があるため、ここでは推奨されません。ネットワーク設定が正しいことを確認します。こ

の段階で、静的 IPに pingを実行して、ネットワークが正常に機能しているかを確認できます。続いて、タ

イムゾーンを選択します。

4. インストールするノードのタイプ(管理またはセカンダリ)を指定します。

• ノードを初めて配置する場合は、内部管理用のプライベートネットワークインターフェース(この例で

は eth0)と、管理者パネル用のパブリックインターフェース(この例では eth1)を選択します。こ

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評価ガイド, リリース 3.5

のノードが管理ノードになります。管理者パネルのパスワードも作成します。

• セカンダリノードを配置する場合は、管理ノードの IP アドレスとトークンを指定します。ストレー

ジクラスターの作成 (ページ 12)の説明を参考に管理者パネルを開きます。[インフラストラクチャ] >

[ノード]画面で、[ノードを追加]をクリックして、管理ノードの IPアドレスとトークンを表示します。

5. オペレーティングシステムのディスクを選択します。続いてルートアカウントのパスワードを入力し、確認

のためもう一度入力し、[インストールを開始]をクリックします。

6. インストールが完了すると、ノードが自動的に再起動します。管理ノードの場合は、起動時のプロンプト画

面に管理者パネルの IPアドレスが表示されます。ポート 8888で管理者パネルにログインします。以前に

作成した「admin」ユーザー名と管理者パネルのパスワードを使用します。セカンダリノードの場合は、管

理者パネルの [インフラストラクチャ] > [ノード]画面の [割り当て解除]リストに表示されます。

7. 作成したノードの詳細情報を確認するには、[インフラストラクチャ] > [ノード]画面に移動し、ノード名をクリックします。[ディスク>]をクリックしてノードディスクを構成または表示できます。または [ネットワーク>]をクリックするとネットワークインターフェースを構成できます。

3.2 ネットワークの設定

この時点で、管理ノードと 2つのセカンダリノードに対し Acronis Cyber Infrastructureがインストールされます。

次に必要なのはネットワークとインターフェースのセットアップです。内部トラフィックとパブリックトラフィッ

クには個別のネットワークを使用します。そうすることで、パブリックトラフィックがクラスターの I/Oパフォー

マンスの影響を受けないようにしたり、外部からの DoS攻撃を阻止したりできます。

1. ネットワークを構成するには、管理者パネルの [インフラストラクチャ] > [ネットワーク] 画面に移動します。高度な構成については、Managing Networks and Traffic Typesに説明がありますが、ここでの簡易的配

置では、デフォルトの [パブリック]ネットワークと [プライベート]ネットワークを以下のようにカスタマイズするだけで十分です。

表 3.2.1: 簡易的ネットワーク構成

ネットワーク トラフィックの種類

公共 計算 API、S3パブリック、iSCSI、NFS、ABGWパブリック、管理者パ

ネル、SSH、VMパブリック、SNMP、セルフサービスパネル

プライベート ストレージ、内部管理、OSTORプライベート、ABGWプライベート、

VMプライベート、管理者パネル、SSH

2. インターフェースを設定するには、[インフラストラクチャ] > [ノード]画面に移動し、ノード名をクリックします。ノード画面で [ネットワーク]をクリックします。管理ノードでは、両方のインターフェースがすでにセットアップされています。ただし、各セカンダリノードのネットワークインターフェース構成は自分で

行う必要があります。インターフェースを選択し、右側のメニューで [ネットワークの割り当て]をクリックします。[パブリック]を選択します。これで、インターフェースの 1つがプライベートネットワークに接続

10 第 3 章ストレージクラスターの管理

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評価ガイド, リリース 3.5

され、もう 1つのインターフェースがパブリックネットワークに割り当てられます。上記の手順を各セカン

ダリノードでも繰り返し、それぞれをプライベートネットワークとパブリックネットワークに接続します。

3. クラスターノードで開かれるポートは、ノードで実行されるサービスとそれらに関連付けられているトラ

フィックの種類によって異なります。ポートとサービスの詳細については、Planning Networkを参照してく

ださい。

4. DNS設定が正しいことを確認します。これを行うには、[設定] > [クラスター DNS]画面に移動します。クラスター DNSの構成が正しいこと、また外部ホスト名を解決できる DNSが指定されていることを確認し

ます。

以下の図は、この評価シナリオ用にビルドするネットワークインフラストラクチャの例を示したものです。

Private network 192.168.1.0/24

Public network10.37.130.0/24

Exclusive traffic typesStorageInternal managementOSTOR privateABGW privateVM privateCompute APIVM backups

Regular traffic types S3 publiciSCSINFSABGW publicAdmin panelSSHVM publicSNMPSelf-service panel

Exclusive traffic typesStorageInternal managementOSTOR privateABGW privateVM privateCompute APIVM backups

Regular traffic types S3 publiciSCSINFSABGW publicAdmin panelSSHVM publicSNMPSelf-service panel

eth1

node 110.37.130.1

eth0

192.168.1.10

eth1

node 2

10.37.130.2

eth0

192.168.1.11

eth1

node 3

10.37.130.3

eth0

192.168.1.12

注釈: ネットワークが 1つしかない場合は、2つのインターフェースを介して単一のノードをネットワークに接続

しないようご注意ください。単一のネットワークの場合は、ノードの単一のパブリックインターフェースで作業を

行います。

3.2. ネットワークの設定 11

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評価ガイド, リリース 3.5

3.3 ストレージクラスターの作成

これで、管理ノードとセカンダリノードが作成され、ネットワークが構成された状態になり、ストレージクラス

ターの作成に進むことができます。

1. [インフラストラクチャ] > [ノード]画面を開いて、[割り当て解除]リストでノードをクリックします。

2. ノードの概要画面で [クラスターを作成]をクリックし、名前を入力しますセカンダリノードを追加するには、右側のペインで、[クラスターに参加]をクリックします。

3. 評価シナリオでは、ノードのストレージディスクをさまざまなティアに割り当てる必要があります(スト

レージポリシーについて (ページ 5)を参照)。ノード 1の場合、SSDをティア 2に割り当てます。これを行

うには、[詳細構成]をクリックします。[クラスターに参加]または [新規クラスター]パネルにノード上のドライブのリストが表示されます。リストでドライブを 1つまたは複数選択し、右側の [設定]をクリックします。[ロールを選択]画面で目的のティアを選択します。同様に、ノード 2とノード 3について、SSDを

ティア 2、HDDをティア 3に割り当てます。ディスクロールの詳細については、『管理者ガイド』の「スト

レージクラスターの作成」を参照してください。

4. [新しいクラスター]または [クラスターを接続]をクリックします。[設定の概要]画面で、ディスクの設定を確認します。[実行]をクリックします。ディスクの設定の進行状況は、[インフラストラクチャ] > [ノード]画面で監視できます。

12 第 3 章ストレージクラスターの管理

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13

第 4章

計算クラスターの管理

Acronis Cyber Infrastructureは、高パフォーマンスの仮想環境を提供しますが、その基本となるコンポーネントが

計算クラスターです。管理者は計算クラスターから、複数のテナント、仮想マシン、ソフトウェア定義のネット

ワークを作成できるほか、Kubernetesといったコンテナオーケストレーション型ソリューションを簡単に配置でき

ます。

このセクションでは、計算クラスターに関する一般的な 2種類のシナリオについて説明します。

• あるサービスプロバイダー(SP)で、仮想環境サービスをエンドカスタマーに提供しているとしましょう。

このような場合にホワイトラベリング、マルチテナント、簡易的リソース管理とアロケーション機能を備え

たセルフサービスパネルは、SPに大きなメリットをもたらします。

• またある企業において、インフラストラクチャ全体におよぶ新たなソフトウェアの採用を計画しているとし

ましょう。このような場合には、従業員全員によるアクセスと作業を実現するために、仮想マシンを配置

し、それらにソフトウェアをインストールすることができます。

これら 2つのケースは、大きく異なっているようですが、Acronis Cyber Infrastructure内で行う手順は類似してい

ます。

1. 計算クラスターを作成します。

2. ドメイン、プロジェクト(テナント)、およびユーザーにリソースを割り当てます。

3. エンドユーザー用の仮想マシンを作成します。

この章では、これらのステップをそれぞれ説明します。

Page 18: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

4.1 計算クラスターの作成

計算クラスターを作成するには、[計算]画面を開いて、[計算クラスターを作成]をクリックし、[計算クラスターを設定]ウィンドウで以下の作業を行います。

1. [ノード]セクションで、計算クラスターに追加するノードを選択します。ネットワークの設定 (ページ 10)

に記載の指示に従っている場合は、選択した各ノードのネットワーク状態が、[設定済み]となっている必要があります。[次へ]をクリックします。

2. 使用可能な IPアドレスのプールがある場合は、[パブリックネットワーク]セクションで、IPアドレス管理

を有効化できます。また、仮想ルーター、フローティングパブリック IPアドレス、ネットワークロードバ

ランサも有効化する必要があります。有効化しない場合は、IPアドレス管理を無効のままにします。

3. 追加のサービスも評価する場合、[アドオンサービス]セクションでそれらをインストールすることができます。また、:doc:『管理者ガイド<admins_guide:index>』で説明されているように、後でインストールするこ

ともできます。

4. [サマリー]セクションで設定を確認し、[Create cluster]をクリックします。

14 第 4 章計算クラスターの管理

Page 19: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

[計算]画面で計算クラスターの配置環境を監視できます。

4.2 リソースの割り当て

4.2.1 ドメイン、プロジェクト、およびユーザーの作成

Acronis Cyber Infrastructureには、システム管理者、ドメイン管理者、プロジェクトメンバーという 3種類のユー

ザーロールがあります。次の表は、サービスプロバイダーや企業でこれらの役割を果たしている典型的ユーザー

と、その使用しているワークスペースが管理者パネル、セルフサービスパネルのいずれに該当するかを示したもの

です。

4.2. リソースの割り当て 15

Page 20: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

Systemadministrator

Domain administrator

Projectmember

Infrastructureadministrator

of theenterprise

Systemadmin of anenterprisesubsidiary

End users in the

enterprise

Infrastructureadministrator

of the SP

System admin of the SP's

client

End user ofthe SP's

client

EnterpriseServiceProvider

Adminpanel

Domain(self-service)

Project(self-service)

Role

Infrastructureadministrator

of the MSP

System admin of the MSP

End user ofthe MSP's 

client

Managed ServiceProvider

• システム管理者は、Acronis Cyber Infrastructure 全体の管理を担当し、管理者パネルにアクセスできます。

このロールは、Acronis Cyber Infrastructureをインストールするとデフォルトで割り当てられます。通常は、

MSPのインフラストラクチャ管理者または企業のメイン IT部門が、ビジネスケースに応じ担当します。

• ドメインを担当するのがドメイン管理者です。仮想環境プロジェクト(テナント)とユーザー(エンドカス

タマー)の集まりがドメインです。ドメイン管理者は、セルフサービスパネルにアクセスできます。ユー

ザーの作成だけでなく、与えられた制限値(クォータ)の範囲でプロジェクトリソースを使用でき、仮想マ

シン、イメージ、ボリューム、ネットワーク、ルーター、フローティング IP、および SSHキーの配置と管

理が可能です。

• プロジェクトメンバーは、セルフサービスパネルを使用して、プロジェクト内のリソースを管理でき、仮想

マシン、イメージ、ボリューム、ネットワーク、ルーター、フローティング IP、および SSHキーの配置と

管理を行います。クォータにより定義され、割り当てを受けたユーザーがアクセス可能な一連の計算リソー

スとストレージリソースがプロジェクトです。

ドメイン管理者とプロジェクトメンバーのロールには、特定の制限があります。たとえば、ノードがあるのは抽象

化されたレベルではないため、ノード間で仮想マシンを移行することはできません。

この評価シナリオでは、お客様がシステム管理者となります。計算クラスターの作成後は、ドメイン、プロジェ

クト、エンドユーザー何人かを作成し、プロジェクトに割り当てる必要があります。割り当ての次に、VM のボ

リュームに関するストレージポリシーを作成し、ボリュームの冗長性パラメータを定義します。次に、仮想ネット

ワークの設定を行います。仮想ネットワークが設定されると、セルフサービスパネル経由でドメインユーザーがド

メインとプロジェクトにアクセスできます。ドメインユーザーはそこから独自の仮想マシン、ボリューム、ネット

ワークなどを作成できます。

16 第 4 章計算クラスターの管理

Page 21: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

注釈: セルフサービスパネルの IPアドレスは、管理者パネルの [設定] > [セルフサービス]画面に表示されます。

セルフサービスパネルで実行するアクションについては、:doc:『セルフサービスガイド<self_service_guide:index>』

を参照してください。この評価では、管理者パネルから実行される計算クラスターの操作を重点的に取り上げ

ます。

1. ドメインを作成します。これには、管理者パネルにログインし、[設定] > [プロジェクトとユーザー]画面を開きます。右上隅の [ドメインの作成]をクリックします。新しいドメインの名前と説明を指定します。[作成]をクリックします。

2. 新しいドメインの管理者アカウントを作成します。これを行うには、新規作成したドメインを選択した上

で、[ユーザーの作成]をクリックします。ログイン名とパスワードを指定し、次にドメイン管理者のロールを選択します。[イメージのアップロード]チェックボックスにチェックを入れて、新しい管理者が仮想マシンを配置するためにイメージをアップロードできる状態にします。[作成]をクリックします。

3. プロジェクトを作成します。これを行うには、ドメインの [プロジェクト]タブに移動し、[プロジェクトの作成]をクリックします。制限値(クォータ)を設定し、[作成]をクリックします。仮想マシン(および仮想マシンの有効化を選択した場合はアドオンサービス)を配置するのに十分な CPU、RAM、ストレージ、

およびネットワークリソースがあるかをご確認ください。

4. プロジェクトメンバーを作成します。これを行うには、[ドメインユーザー]タブを開き、[ユーザーの作成]をクリックします。ログイン名とパスワードを指定し、次にプロジェクトメンバーのロールを選択します。

新しいメンバーを割り当てるプロジェクトを選択し、[作成]をクリックします。

5. 必要に応じてロゴの追加と配色の選択を行い、[設定] > [セルフサービス]画面でセルフサービスパネルの外観をカスタマイズします。このような方法で、マネージドサービスプロバイダーから、たとえばブランド化

した仮想環境サービスをエンドカスタマーに提供することが可能です。

4.2.2 ストレージポリシーの作成

新しいストレージポリシーを作成するには、[計算] > [ストレージ]画面で、[ストレージポリシー]タブを開き [ストレージポリシーを作成]をクリックします。名前、ティア、障害ドメイン、および冗長性スキームを指定します。評価シナリオでは、[2レプリカ]モードを選択し、 [障害ドメイン]として [ホスト]を選択します。

これでストレージポリシーが作成されますので、仮想マシンを作成する際に、それをボリュームに選択できます

(仮想マシンの作成 (ページ 18) を参照)。また、[ボリューム] タブで直接ボリュームを作成する際にも適用できます。

ストレージポリシーは、プロジェクトのクォータ(制限値)で使用できます。プロジェクトより前に作成されたポ

リシーは、そのプロジェクトのクォータ(制限値)として有効化されます。プロジェクトの後に作成したポリシー

が、そのプロジェクトに対し自動で有効化されることはありません。プロジェクトのクォータ(制限値)を編集

し、ポリシーの選択を手動で行う必要があります。

4.2. リソースの割り当て 17

Page 22: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

4.2.3 計算ネットワークの作成

仮想マシンを配置する前に、[計算] > [ネットワーク] 画面でネットワークの設定が必要です。プライベート仮想ネットワークを使用すると、それに接続された仮想マシン相互の通信が可能になります。パブリック仮想ネット

ワークは、仮想マシンを既存の物理ネットワークに接続して、インターネットなどにアクセスできるようにします。

新しいネットワークを作成するには、[仮想ネットワークの作成]をクリックし、そのタイプを指定します。新しいネットワーク名、サブネット CIDR(たとえば 192.168.0.1/24)、およびゲートウェイを指定します。[次へ]

をクリックして続行します。仮想マシンの IPアドレスのプールがある場合は、組み込みの DHCPサーバーを有効

化して、仮想マシンにこれらの IPアドレスを自動で割り当てることができます。[仮想ネットワークを作成]をクリックして処理を完了します。

仮想ネットワークと共に、フローティング IPを作成できます。フローティング IPは、仮想マシンのプライベート

IPアドレスに手動で割り当てることができるパブリック IPアドレスです。プライベート IPアドレスのみの場合

でも、パブリック IPアドレスで、パブリックネットワークから仮想マシンにアクセスできます。フローティング

IPを作成するには、まずパブリックネットワークとプライベートネットワークを仮想ルーターにリンクする必要

があります。詳細については、Managing Floating IP Addressesを参照してください。

4.3 仮想マシンの作成

これで、計算クラスター、ドメインとプロジェクト、ストレージポリシー、ネットワークが作成されたので、仮想

マシンの作成に進むことができます。

この評価シナリオでは、イメージから仮想マシンを作成します。イメージをアップロードするか、デフォルトの

Cirrosイメージを使用できます。イメージをアップロードするには、[計算] > [仮想マシン] > [イメージ]タブを開きます。ISOイメージとテンプレート(OSとアプリがインストールされた QCOW2クラウドイメージ形式のすぐ

に使用可能なボリューム)が使用できます。お使いのローカルマシンから、[イメージを追加]をクリックし、ISO

イメージを選択します。新しいイメージの名前を指定し、ドロップダウンリストから互換性のあるオペレーティン

グシステムを選択します。今後 VMを配置する際に、このイメージをテンプレートとして使用する場合は、[すべてのプロジェクト間で共有]チェックボックスにチェックを入れます。[追加]をクリックします。

注釈: Acronis Cyber Infrastructureでは、仮想マシンの配置元としてWindowsおよび Linuxゲストオペレーティ

ングシステムを幅広くサポートしています(Supported Guest Operating Systemsを参照)。また、配置された VMの

パフォーマンス最適化を図るため、多くの特許取得済みイノベーションが活用されています。たとえば、Windows

ベースの VMは、Hyper-Vに配置されているかのようなパフォーマンスを発揮します。

1. [計算] > [仮想マシン]画面で、[仮想マシンを作成]をクリックし、名前を指定します。

2. イメージから VMを作成するには、以前にアップロードしたイメージを選択します。[ボリューム]セクションに、イメージデータに基づき自動で追加された起動可能なボリュームが表示されます。ボリュームのスト

レージポリシーは変更が可能です。変更する場合は、[ボリューム]セクションの鉛筆記号をクリックし、[ボ

18 第 4 章計算クラスターの管理

Page 23: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

リューム]ウィンドウの省略記号アイコンをクリックして [編集]を選択した上で、[ボリュームを編集]ウィンドウでポリシーを変更します。ここで VMに新しいボリュームを追加することもできます。

3. [フレーバー]セクションでフレーバーを選択します。これは、仮想マシンが備える仮想 CPU数とメモリ容

量を定義する事前設定です。

4. [ネットワーク]セクションで、仮想マシンを接続する仮想ネットワークにインターフェースを追加します。

5. [配置]をクリックして、仮想マシンの作成を開始します。新しい仮想マシンのステータスを監視します。ステータスが [アクティブ]になれば、VMの準備が整ったことを示します。

新しく作成した仮想マシンにアクセスするには、マシン名をクリックし、右側のペインで、[コンソール]をクリックします。VMが使用しているリソースの量は、VMの [監視]タブで確認できます。

注釈: また、Migrating Virtual Machines from VMware vCenterで説明されているように、virt-v2vツールを使

用して、VMware vCenterから仮想マシンを移行することもできます。

仮想マシンの準備が整えば、仮想マシンに対するさまざまな操作(停止と開始、一時停止と再開、再起動、移行な

ど)を行うことができます。詳細については、Managing Virtual Machinesを参照してください。

4.3. 仮想マシンの作成 19

Page 24: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件
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21

第 5章

記憶域スペースのエクスポート

Acronis Cyber Infrastructureでは、以下のように記憶域スペースをエクスポートできます。

• 仮想環境やデータベースをはじめとするニーズに対応するための iSCSI 経由ブロックストレージとして。

SUN のような方法で、外部の物理ホストや仮想ホストにクラスターディスク用域を iSCSI を介した LUN

ブロックデバイス形式でエクスポートできます。

• S3互換プロトコルを介し、ファイル数の制限なく格納するオブジェクトストレージとして。S3のようなオ

ブジェクトストレージには、メディアファイル、バックアップ、Open Xchangeファイルなどのデータを格

納でき、Dropbox のようなアプリケーションを介してアクセスが提供されます。Amazon S3 から Acronis

Cyber Infrastructure へのデータ移行後に、エンドユーザーは S3 アプリケーションを実行できます。また、

Amazon S3と互換性のある独自のオブジェクトストレージサービスもビルドできます。

• NFSによるエクスポート。高可用性の NFSクラスターにノードを編成し、NFS共有を作成できます。それ

ぞれの共有では、複数の NFSエクスポートを作成でき、これが、ユーザーデータ用に実際にエクスポート

されるディレクトリになります。標準コマンドを使用し、各エクスポートをマウントできます。技術的な観

点からすると、NFSボリュームはオブジェクトストレージを基盤としています。NFSクラスターは、デー

タの再書き込みがそれほどないファイルストレージには適しますが、高いパフォーマンスが求められる頻

繁に書き換えを行うワークロードには適していません。VMware vSphereとの統合効果を活かすためには、

iSCSIプロトコルの使用をお勧めします。

5.1 iSCSIによる記憶域スペースのエクスポート

Acronis Cyber Infrastructure では、SAN のような方法で iSCSI を使用して、クラスターディスク領域を LUN ブ

ロックデバイスの形で外部のオペレーティングシステムやサードパーティの仮想環境ソリューションにエクスポー

トできます。

さまざまなストレージノードで稼働する冗長ターゲットのグループを作成できます。各ターゲットグループに対し

て複数のストレージボリュームを接続して、ストレージ層でそれぞれの冗長性を実現できます。ターゲットから、

これらのボリュームが LUNとしてエクスポートされます。

Page 26: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

ターゲットグループ内の各ノードは、そのグループで 1つのターゲットをホストできます。ターゲットグループ内

の 1つのノードとそのターゲットで障害が発生すると、その同じグループ内の正常なターゲットが、障害の発生し

たターゲットからサービスを受けていた LUNへのアクセスを引き続き提供します。

5.1.1 ターゲットグループの作成

ターゲットグループを作成するには、[ストレージサービス] > [ブロックストレージ] > [ターゲットグループ]を開いて、[ターゲットグループを作成]をクリックします。ウィザードが表示されます。以下の手順を実行します。

1. [名前と種類] には、ターゲットグループの名前を入力し、iSCSI を選択します。次に、高可用性のために

ターゲットグループに追加するノードを少なくとも 2つ選択します。

2. [ターゲット]には、ターゲットグループに追加する iSCSIインターフェースを選択します。[ボリューム]には、ターゲットグループの LUNに接続するボリュームを選択します。これは後から追加することもできま

す。評価シナリオの場合は、[アクセス制御]設定をスキップします。

3. [サマリー]で、ターゲットグループの詳細情報を確認します。[作成]をクリックします。

新しく作成したターゲットグループが [ターゲットグループ]タブに表示されます。そのグループのターゲットが自動的に開始します。グループ名をクリックして、詳細を表示します。[ターゲット]タブでは、新たなターゲットのノードをさらに追加できます。また [LUN]タブでは、LUNを表示または追加することもできます。

5.1.2 ボリュームの作成

1. [ストレージサービス] > [ブロックストレージ] > [ボリューム]を開いて、[ボリュームを作成]をクリックします。ウィザードが表示されます。

2. [名前とサイズ]には、ボリューム名を入力し、サイズを指定します。ボリュームは後から拡張することができますが、縮小することはできません。

3. [ストレージポリシー]では、冗長モード、ストレージティア、および障害ドメインを選択します。

4. [サマリー]で、ボリュームの詳細情報を確認します。[作成]をクリックします。

5.1.3 ターゲットグループへのボリュームの接続

1. [ストレージサービス] > [ブロックストレージ] > [ターゲットグループ]を開いて、対象のターゲットグループの省略記号のアイコンをクリックし、[LUNを追加]をクリックします。

2. 表示される [接続]ウィンドウで、ターゲットグループに接続するボリュームを選択するか、ボリュームを作成します。[適用]をクリックします。

22 第 5 章記憶域スペースのエクスポート

Page 27: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

3. [ターゲットグループ]タブで、目的のターゲットグループ名をクリックし、[LUN]タブに移動します。このタブで、利用可能なすべての LUNを確認できます。

5.1.4 VMware vSphereiから iSCSIターゲットへのアクセス

iSCSI ターゲットへは、Linux、Microsoft Hyper-V、および VMware vSphere からアクセスできます。Linux、

Microsoft Hyper-Vからのアクセスの詳細については、Accessing iSCSI Targetsを参照してください。以下のセク

ションでは、VMware vSphereを用いた評価シナリオについて説明します。

VMware vSphereで Acronis Cyber Infrastructureボリュームを使用する前に、ALUAアクティブ/パッシブストレー

ジアレイが正しく動作するよう設定しておく必要があります。次のコマンドを使用して、デフォルトのパスポリ

シーを RRポリシーに変更することをお勧めします。

# esxcli storage nmp satp set -s VMW_SATP_ALUA -P VMW_PSP_RR

これで、ホストを再起動し、iSCSI経由でエクスポートされた Acronis Cyber Infrastructureボリュームからデータ

ストアを作成できます。VMware ESXi Webパネルにログインして、以下の手順を実行します。

1. ナビゲータ内で、[ストレージ] > [アダプタ]タブに移動してから、[ソフトウェア iSCSI]をクリックします。

2. [iSCSIの設定]ウィンドウで、[有効化]を選択します。[動的ターゲット]セクションで、[動的ターゲットの追加]をクリックし、ノードの IPアドレスを入力します。

注釈: IPアドレスは、管理者パネルで確認できます。[インフラストラクチャ] > [ノード]画面で目的のノードをクリックし、[ネットワーク]セクションに、そのパブリックネットワーク IPをコピーします。

3. [設定を保存]をクリックします。

4. [デバイス]タブに進み、[更新]をクリックします。新しく追加されたディスクがデバイスの一覧に表

示されます。

5. ディスクを選択して[新規データストア]をクリックします。表示されたウィザードで、データストアの名

前を入力し、パーティショニングのオプションを選択します。[完了]をクリックして、ディスクにパーティションを作成します。

5.1. iSCSIによる記憶域スペースのエクスポート 23

Page 28: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

警告: ディスクをパーティショニングすると、すべてのデータが消去されます。

6. 使用する準備ができたディスクが、データストアの一覧に表示されます。ディスクを選択して [データベースブラウザ]をクリックし内容を表示した上でファイルをアップロードすると、アクセシビリティの確認に進むことができます。

5.2 S3による記憶域スペースのエクスポート

Acronis Cyber Infrastructure では、S3 互換オブジェクトストレージの形式で、クラスターディスク領域をカスタ

マーにエクスポートできます。

オブジェクトストレージは、非常に多くのオブジェクトを格納する場合に適しています。特にアプリケーションス

トレージ、静的なWebコンテンツホスティング、オンラインストレージサービス、ビッグデータ、バックアップな

どに最適です。他のタイプのストレージと比べた場合の主な違いは、オブジェクトの部分的な変更ができないとい

う点です。このため、オブジェクトに変更があると、新しいバージョンが作成されます。このアプローチにより、

競合の問題が解消されます。

Acronis Cyber Infrastructureでは、S3クラスターデータのレプリカを保存し、地理的に分散している複数のデータ

センターの間でデータを最新に保つことができます。ジオレプリケーションではインターネット接続が不要なた

め、ローカル S3ユーザーがリモート S3クラスターのデータにアクセスしたり、リモート S3ユーザーがローカル

S3クラスターのデータにアクセスしたりする際の応答時間が短縮されます。ジオレプリケーションでは、データ

の変更直後にレプリカが更新されるというスケジュールが設定されています。ジオレプリケーションのパフォーマ

ンスは、インターネット接続速度、冗長性モード、クラスターのパフォーマンスによって左右されます。空き領域

が十分にあるデータセンターが複数存在する場合は、Exporting Storage via S3の説明にあるように、それらのデー

タセンターにある S3クラスターの間でジオレプリケーションをセットアップすることをお勧めします。

S3クラスターの作成前に、S3ゲートウェイの FQDNがあるかをご確認ください。

5.2.1 S3クラスターの作成

S3クラスターを作成するには、以下の手順を実行します。

1. 左のメニューで、[ストレージサービス] > [S3]をクリックします。この評価シナリオ用にノードを 3つ選択

し、右のメニューで [S3クラスターを作成]をクリックします。

2. 次に、ストレージポリシーを選択します。

3. エンドユーザーがオブジェクトストレージへのアクセスで使用する S3エンドポイント用の外部(パブリッ

クでの解決が可能な)FQDN を指定します。たとえば、s3.example.com です。[実行] をクリックします。

24 第 5 章記憶域スペースのエクスポート

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評価ガイド, リリース 3.5

4. ドロップダウンリストから S3エンドポイントのプロトコルを選択します。HTTPと HTTPSのいずれかま

たは両方を選択してください。この簡易評価シナリオでは、HTTPSを選択し、[自己署名証明書を生成]のチェックボックスをオンにすることをお勧めします。[完了]をクリックして S3クラスターを作成します。

S3クラスターを作成したら、[S3の概要]画面を開いて、クラスターのステータス、ホスト名、使用中のディスク容量、ユーザー数、入出力作業、S3サービスのステータスを表示します。

お使いのブラウザで https://<S3_DNS_name>にアクセスして、S3クラスターが正常に配置され、ユーザーか

らアクセスできる状態になっているかご確認ください。以下の XML応答を受け取っているはずです。

<Error>

<Code>AccessDenied</Code>

<Message/>

</Error>

S3ストレージの使用を開始するには、少なくとも 1人の S3ユーザーを作成することも必要です。

5.2.2 S3ユーザーとバケットの管理

S3ユーザーを追加するには、以下の手順を実行します。

1. [ストレージサービス] > [S3] > [ユーザー]画面で、[ユーザーを追加]をクリックします。

2. ユーザーログインに使用する Eメールアドレスを指定し、 [追加]をクリックします。

生成したキーを使用してユーザーの資格情報で S3ポータルに自動でログインするには、管理者パネルに移動して

ユーザーを選択した上で、[参照]をクリックします。このワークスペースでは、新しいバケットの作成と、既存のバケット内容の監視ができます。

また、CyberDuck、MountainDuck、Backup Execといったサードパーティ製アプリケーションを使用した S3スト

レージへのログインも可能です。この評価シナリオでは、次の手順に従って CyberDuck経由で S3ストレージに接

続します。

1. CyberDuckで、[接続を開く]をクリックします。

2. 以下の手順で Acronis Cyber Infrastructureの管理者パネルから資格情報を取得します。

• [ストレージサービス] > [S3] > [概要]タブで S3エンドポイントの FQDNを取得します。

• [ストレージサービス] > [S3] > [ユーザー] タブで、[アクセスキー ID] と [パスワード] を取得します。目的のユーザーを選択し、右側の [キー] をクリックします。クリックすると、アクセスキー ID とセ

キュアアクセスキーが表示されます。

3. CyberDuckで資格情報を以下のように指定します。

5.2. S3による記憶域スペースのエクスポート 25

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評価ガイド, リリース 3.5

4. 接続が確立されれば、既存バケットの確認とバケットの新規作成ができます。[ファイル] >[新規フォル

ダ]をクリックしてバケットを作成します。新規バケットの名前を指定した上で、[作成]をクリックし

ます。DNSの命名規則に準拠したバケット名を使用します。

バケット内のファイルを管理するには、S3ポータルにユーザーとしてログインする必要があります。詳細につい

ては、Accessing S3 Bucketsを参照してください。

5.3 NFSによる記憶域スペースのエクスポート

Acronis Cyber Infrastructure では、高可用性の NFS クラスターにノードを編成して、NFS 共有を作成できます。

NFS 共有とは、ボリュームのアクセスポイントのことで、IP アドレスまたは FQDN を割り当てることが可能で

す。一方、ボリュームには、冗長性スキーム、ティア、および障害ドメインを割り当てることができます。それ

ぞれの共有では、複数の NFSエクスポートを作成でき、これが、ユーザーデータ用に実際にエクスポートされる

ディレクトリになります。それぞれの共有にはさまざまなプロパティがありますが、その 1つにパスがあります。

パスと共有の IPアドレスとの組み合わせにより、ネットワーク上でエクスポートを一意に識別でき、また、標準

ツールを使いエクスポートをマウントすることが可能です。

技術的な観点からすると、NFSボリュームはオブジェクトストレージに基づいています。オブジェクトストレー

ジには、高可用性や拡張性を実現する働きのほかに、NFSクラスターで保存するファイルの量やデータのサイズに

関する上限をなくすという働きもあります。それぞれの共有であらゆるサイズのファイルを非常に多く保管できま

す。ただし、それだけの拡張性があるということは、ファイルサイズの変更時やデータの再書き込み時に入出力の

オーバーヘッドがあるという意味でもあります。そのため NFSクラスターは、データの再書き込みがそれほどな

いファイルストレージには適しますが、高パフォーマンスの環境や頻繁に書き換えを行うデータ(仮想マシンの実

行など)には適しません。Acronis Cyber Infrastructureと VMwareなどのソリューションを統合する場合は、高い

パフォーマンスを確保するために iSCSIを使用してください。

26 第 5 章記憶域スペースのエクスポート

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評価ガイド, リリース 3.5

5.3.1 NFSクラスターの作成

1. 左のメニューで、[ストレージサービス] > [NFS]をクリックします。

2. ノードを選択し、右のメニューで [NFSクラスターを作成]をクリックします。評価シナリオの場合、選択するノードは 3つが適します。

3. [作成]をクリックします。

NFSクラスターの作成後、NFS共有の作成に進みます。

5.3.2 NFS共有の作成

1. [ストレージサービス] > [NFS] > [共有]画面で [NFS共有を追加]をクリックします。

2. [NFS共有を追加]パネルで、名前(たとえば share1など)と、パブリックネットワークから一意に解決

可能な静的 IPアドレスを指定します。

3. [共有のサイズ] で、サイズを指定します。エクスポートにアクセスするユーザーの場合は、この値としてファイルシステムのサイズを指定してください。

4. 対象のティアと障害ドメインとデータ冗長性タイプを選択します。[完了]をクリックします。

共有を作成後、NFSエクスポートの作成に進みます。

5.3.3 NFSエクスポートの作成およびマウント

1. [ストレージサービス] > [NFS] > [共有]画面で、対象の共有の行にある [エクスポート]列の番号をクリックします。共有の画面が表示されます。

2. 共有の画面で、[エクスポートを追加]をクリックし、エクスポート名として root、パスとして/を指定し、

[読み取りおよび書き込み]アクセスモードを選択します。共有内のエクスポートのロケーションを指定するデフォルトのパスでディレクトリが作成されます。エクスポートのマウント時にもそのパスと共有の IPア

ドレスが使用されます。ルートエクスポートがエクスポートリストに表示されます。

3. ルートエクスポートを作成後、:doc:『ストレージユーザーズガイド<users_guide:index>』の説明に従い

Linuxまたは macOSにルートエクスポートをマウントします。この評価シナリオでは、次のコマンドを使

用して Linuxにマウントします。

# mkdir /mnt/nfs

# mount -t nfs -o vers=4.0 <share_IP>:/<share_name>/ /mnt/nfs

ここで、

• -o vers=4.0は使用する NFSのバージョンです。

5.3. NFSによる記憶域スペースのエクスポート 27

Page 32: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

• <share_IP>は共有 IPアドレスです。共有ホスト名も使用できます。

• /<share_name>/は、たとえば share1のようなルートエクスポートパスです。

• /mnt/nfsは、エクスポートのマウント先になる既存のローカルディレクトリです。

マウントしたストレージを確認するには、df -hを実行します。

28 第 5 章記憶域スペースのエクスポート

Page 33: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

29

第 6章

Backup Gatewayを経由した Acronis CyberBackup Cloudソフトウェアとストレージバックエンドの接続

Acronis Cyber Infrastructure は、Acronis Cyber Backup と Acronis Cyber Backup Cloud の両方に統合されていま

す。Backup Gateway機能により、ストレージバックエンドを Acronis Cyber Cloudに接続します。

Backup Gatewayは、Acronis Cyber Backup Cloudや Acronis Cyber Backup Advancedを利用しているサービスプ

ロバイダー、またクライアントのバックアップデータ用にオンプレミスストレージの編成を検討中のサービスプロ

バイダーを対象としています。Acronis Backupプロトコルは、ローカルネットワークと長距離ネットワークの両

方に合わせて最適化されています。そのため、支店のバックアップシナリオに使用できます。

さらに、Google Cloud、Microsoft Azure、Amazon S3 といったクラウドサービスにバックアップを保存できま

す。このような場合、ストレージはパブリックまたはプライベートクラウドへのプロキシとして使用されます。

Acronis Cyber Infrastructureでは、Amazon S3、Microsoft Azure、Google Cloud、および Alibaba Cloudといった

多くのパブリッククラウドをサポートしています。また、プライベートクラウドでのオブジェクトストレージもサ

ポートするため、対応するパブリッククラウドやプライベートクラウドでカスタマーデータを保存したり管理した

りできます。

Backup Gatewayでは、NFSプロトコル経由で、NASにバックアップを保存することもできます。この場合、カス

タマーのデータは、対応する NASで保存、管理を行います。

このセクションでは、Acronis Cyber Infrastructureで Backup Gatewayを設定した後、Acronis Cyber Cloudで新規

カスタマーを作成し、Acronis Cyber Backup Cloudでバックアップ用ストレージの設定を行う方法を説明します。

これらに対応する手順は、Acronis Cyber Backupでも同様です。

注釈: ここでは、Acronis Cyber Cloud用パートナーアカウントが作成済みで、そのアカウントに必要な資格情報

すべてがそろっていることを前提としています。認証情報に不足がある場合は、製品ページからリクエストを送信

してください。

Page 34: 評価ガイド...i 目次 第1 章 はじめに 1 第2 章 インフラストラクチャの計画 3 2.1 ハードウェア要件

評価ガイド, リリース 3.5

6.1 Backup Gatewayの設定

Backup Gatewayを設定する前に、DNS設定がハードウェア要件 (ページ 3)で概説されている要件を満たしている

ことを確認してください。またポート 44445は、ABGWパブリックロールのネットワークインターフェースのイ

ンバウンド/アウトバウンド接続用に開けておく必要があります(これは、この評価シナリオでのパブリックネッ

トワークです)。

1. Acronis Cyber Infrastructure管理者パネルを使用して、カスタマーのバックアップを保存したり管理したり

するための新しいストレージを設定します。これを行うには、Acronis Cyber Infrastructure にログインし、

[ストレージサービス]から [バックアップストレージ]に移動します。

2. ここで、バックアップ先として使用できるストレージクラスター内のノードをすべて確認できます。目的の

ノードを選択した上で、[ゲートウェイの作成]をクリックします。右側のパネルで、[このクラスター]をクリックします。この評価シナリオでは、カスタマーのデータは、ストレージクラスターノードに格納され、

ここから管理を行います。

3. カスタマーのバックアップで適用する適切なデータの冗長性スキームを選択します。

4. 選択したクラスターに関連付けて、Acronis Cyber Backup Cloud内でそのクラスターを登録するのに使用す

る FQDN(backup.example.comなど)を指定します。詳細については、ハードウェア要件 (ページ 3)

を参照してください。新しい FQDN は選択したクラスター中の各ノードの IP アドレスに関連付けられて

います。バックアップエージェントにより、バックアップ操作用の特定のノードが自動的に選択されます。

ノードの可用性や負荷など、いくつかの要因により、選択されるノードが決まります。

[次へ]をクリックします。

30第 6 章 Backup Gatewayを経由した Acronis Cyber Backup Cloudソフトウェアとストレージバックエンド

の接続

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評価ガイド, リリース 3.5

5. お使いの Acronis Cyber Backup Cloudインスタンスの URLを指定します。デフォルト設定では、https:/

/cloud.acronis.comとなっています。Acronis Cyber Backupを利用している場合はこの段階で、対応

するマシンの IPアドレスを使用して、バックアップ管理コンソールにアクセスする必要があります。評価

シナリオには、Acronis Cyber Cloud管理者アカウントのログインとパスワードを入力します。[次へ]をクリックします。

公開前に、ローカルで DNS 設定をテストすることをお勧めします。テストを行うには、Backup Gateway

へのアクセスに使用するマシンの/etc/hosts ファイルに FQDN を追加します。例: 192.168.1.10

backup.example.com

6. 配置が直ちに開始されます。配置が終了するとすぐに、[概要]、[ノード]、および [ジオレプリケーション]の 3つのタブが表示されます。たとえば [概要]タブでは、登録済みのゲートウェイとそのパフォーマンスに関する情報を確認できます。

注釈: 現在のストレージにパブリック IPアドレスと FQDNがない場合、Acronis Cyber CloudのWeb復元ツール

が正常に動作しませんのでご注意ください。

6.2 Acronis Cyber Backup Cloudの設定

1. Acronis Cyber Cloud管理コンソールにログインします。次に、[設定] > [ロケーション]に移動します。システムで、FQDNが元になった対応する名前の新しいバックアップ先が作成されていることを確認します。

『Acronis Backupユーザーガイド』の説明に沿ってバックアップエージェントを設定します。

2. 新規のカスタマーを作成し、Acronis Cyber Cloud内で新しいバックアップ先を割り当てます。これを行う

には、右上の [新規作成]をクリックし、[カスタマー]を選択します。カスタマー名、モード、および言語を指定します。次に、Acronis Cyber Backup Cloudなど、新規カスタマーに提供するサービスを選択します。

サービスを選択したら、サーバーやワークステーションなど、カスタマーのデバイスとワークロードを指定

します。[ロケーション] のセクションで、現在のロケーション名をクリックして、利用可能なオプションすべてを表示します。必要なストレージを選択します。カスタマーのメール、言語、姓名などをその他の

フィールドに入力し、[完了]をクリックして処理全体を完了します。

3. アカウントを確認するには、メールにあるアクティベーションリクエストの手順に従ってください。

4. カスタマーを作成したら、管理者として Acronis Cyber Cloudにログインし、[クライアント]画面を開きます。作成したカスタマーをクリックして、[概要]画面を開きます。[サービスの管理]をクリックして、カスタマーの [Cyber Backup管理コンソール]を開きます。

5. [デバイス]画面でツールバーの [追加]をクリックします。追加するデバイスを選択します。この評価シナリオでは、現在使用中のオペレーティングシステムを搭載したワークステーションを選択します。バック

アップエージェントのインストーラがダウンロードされます。

6. バックアップエージェントのインストーラで、[インストール] をクリックします。[もう少しで完了しま

6.2. Acronis Cyber Backup Cloudの設定 31

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評価ガイド, リリース 3.5

す...] の画面で、[マシンの登録]をクリックします。次に、デバイスの登録情報を入力して確認します。右上隅にあるユーザーから、作成したカスタマーのアカウントが使われているかを確認します。登録が完了す

ると、追加したデバイスが、カスタマーのバックアップ管理コンソールにある [デバイス] > [すべてのデバイス]画面に表示されます。

7. カスタマーのマシンからバックアップを作成するには、デバイスをクリックして、右側のメニューで、[バックアップ]を選択します。[バックアップ計画の追加]をクリックし、詳細を指定します。この評価シナリオ用では、[バックアップの対象]で、[ファイル/フォルダ]を選択します。次に、バックアップする項目、バックアップ保存先のクラウドストレージを選択し、[スケジュール]で [なし]を設定します。[作成]をクリックすると、バックアップ計画が左側に表示されます。[今すぐ実行] をクリックしてバックアップを開始します。

8. 処理が完了すると、[バックアップ] > [ロケーション]画面でバックアップされたファイルを表示できます。目的のカスタマーをクリックして、これまでにアップロードしたファイルを表示します。バックアップ名

をダブルクリックすると、右側に詳細が表示されます。[ファイル/フォルダを復元]をクリックしてアップロードしたファイルに移動し、必要に応じてダウンロードできます。

32第 6 章 Backup Gatewayを経由した Acronis Cyber Backup Cloudソフトウェアとストレージバックエンド

の接続

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33

第 7章

ストレージクラスターの監視

Acronis Cyber Infrastructureでは、組み込みの監視ツールを利用できます。たとえば統合済みの Prometheusエン

ジンと構成済みの Grafanaダッシュボードでは、サービスの状態、可用性、パフォーマンス、ならびにネットワー

クの帯域幅、移行/レプリケーションのバックログ、メモリ、CPUの使用率を監視することができます。100%互

換の OpenStack APIを介したサードパーティシステムとの統合が可能です。システムの稼働状態や安定性を確認

したり、エンドユーザーやサードパーティ製システムに影響がおよぶ前に、問題のトラブルシューティングを行っ

たりすることができます。

1. ストレージクラスターを監視するには、[監視] > [ダッシュボード]画面に移動します。この画面からは、選択したストレージクラスターについて、直近の 30分、1時間、6時間、12時間、7日間の情報全般を取得で

きます。表示される情報は、読み取りと書き込みの動作、チャンクサービスの正常性、物理スペースと論理

スペースの使用状況などです。詳細については、Monitoring the Storage Clusterを参照してください。

2. 高度な監視を実行するには、[監視] > [ダッシュボード]画面に進み、[Grafanaダッシュボード]をクリックします。別のブラウザタブに、ストレージクラスター、ハードウェアノード、エクスポートなどの事前構

成済みの Grafanaダッシュボードが表示されます。ダッシュボードのうち 2つは、Backup Gateway専用と

なっています。各チャートの詳細な説明については、Monitoring Backup Gatewayを参照してください。

3. Backup Gatewayは、[ストレージサービス] > [バックアップストレージ]画面でも監視できます。この画面では、配置したバックアップストレージクラスターとそのパフォーマンスに関する情報を確認できます。ま

た、選択した Backup Gatewayのジオレプリケーションに関する情報と、Acronis Cyber Infrastructureのレガ

シーバージョンから移行したデータを取得できます。また、Amazon S3、Microsoft Azure、Google Cloud、

Alibaba Cloudなどのパブリッククラウドでのストレージ使用量に関する情報も取得できます。

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第 8章

高可用性の有効化

Acronis Cyber Infrastructureのサービスが配置されているノードに障害が発生した場合でも、高可用性によりサー

ビスの稼働が維持されます。障害が発生した場合、障害が発生したノードによるサービスは正常なノードに再度割

り当てられます。

ここまで 3つのノードからなるクラスターの構築を見てきましたので、次は、クラスターの復元性と冗長性を高め

る方法を説明します。これを行うには、管理ノード、管理者パネル、およびサービスの高可用性を有効化します。

8.1 管理ノードの高可用性

管理ノードと管理者パネルの高可用性を有効にするには、以下の手順を実行します。

1. [設定] > [管理ノード]画面で、[高可用性を管理]タブを開きます。

2. 3つのノードを選択し、[HAを作成]をクリックします。管理ノードが自動で選択されます。

3. [ネットワークの設定] で、各ノードの内部管理用にプライベートネットワークインターフェースが選択され、少なくとも 1つのパブリックネットワークインターフェースが管理者パネルに割り当てられていること

を確認します。

4. [ネットワークの設定]では、一意の静的 IPアドレスを 1つ以上指定します。

5. 管理ノードの高可用性を有効化した後、(ポート 8888上で)指定した静的 IPアドレスで管理者パネルにロ

グインします。

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評価ガイド, リリース 3.5

8.2 サービスの高可用性

可用性の高いメタデータサービスと管理ノードの HA の有効化以外に、Acronis Cyber Infrastructure では、次の

サービスに高可用性を提供します。

• 管理者パネル。管理ノードに障害が発生するか、ネットワークから到達できなくなった場合、別のノードの

管理者パネルインスタンスがパネルのサービスを引き継ぎ、同じ専用 IPアドレスでアクセスできるように

します。サービスの再配置には数分かかることがあります。管理者パネルの HAは、管理ノードの HAとと

もに有効化されます。

• 仮想マシン。計算ノードに障害が発生するか、ネットワークからアクセスできなくなった場合、そのノード

でホストされている仮想マシンは、空きリソースに基づいて他の正常な計算ノードに退避されます。計算ク

ラスターは 1つのノードの障害にのみ耐えることができます。デフォルトでは、仮想マシンの高可用性は、

計算クラスターを作成した後に自動で有効になります。必要に応じて手動で無効にすることができます。

• iSCSIサービス。iSCSIを経由してエクスポートされたボリュームへのアクティブパスに障害が発生した場

合(たとえば、アクティブな iSCSI ターゲットがあるストレージノードに障害が発生するか、ネットワー

クから到達できなくなった場合)、アクティブパスは、正常なノードに配置されたターゲットを経由して再

ルーティングされます。iSCSIを経由してエクスポートされたボリュームは、そのボリュームへのパスが 1

つ以上あれば、引き続きアクセスできます。

• S3サービス。S3ノードに障害が発生するか、ネットワークから到達できなくなった場合、そのノードでホ

ストされているネームサーバーとオブジェクトサーバーのコンポーネントは、他の S3ノード間でバランス

調整と移行が自動的に行われます。S3ゲートウェイは自動的に移行しません。高可用性は DNSレコードに

基づきます。S3ゲートウェイを追加したり削除したりするときに、DNSレコードを手動で管理する必要が

あります。S3サービスの高可用性は、管理ノードの HAを有効にし、3つ以上のノードで構成される S3ク

ラスターを作成した後に自動で有効になります。3つのノードで構成される S3クラスターは 1つのノード

を失っても動作し続けます。

• NFS共有。ストレージノードに障害が発生するか、ネットワークから到達できなくなった場合、そのノー

ドに配置されている NFSボリュームは他の NFSノード間に移行されます。ストレージノード上の NFSボ

リュームの高可用性は、NFSクラスターを作成した後に自動的に有効になります。

• バックアップゲートウェイサービス。バックアップゲートウェイノードに障害が発生するか、ネットワーク

から到達できなくなった場合、バックアップゲートウェイクラスター内の他のノードから、選択したスト

レージバックエンドへのアクセスが引き続き提供されます。バックアップゲートウェイは自動的に移行しま

せん。高可用性は DNSレコードに基づきます。バックアップゲートウェイを追加したり削除したりすると

きに、DNSレコードを手動で管理する必要があります。Backup Gatewayの高可用性は、2つ以上のノード

で構成される Backup Gatewayクラスターを作成した後に自動で有効になります(外部 NFSには適用され

ません)。バックアップゲートウェイクラスター内の 1つ以上のノードが正常である限り、ストレージバッ

クエンドにアクセスし続けることができます。

36 第 8 章高可用性の有効化

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評価ガイド, リリース 3.5

8.3 高可用性のテスト

このセクションでは、管理ノードで障害が発生した場合のシミュレーションを行います。

1. Acronis Cyber Infrastructure管理ノードの電源を強制的に落とします。

注釈: カーネルのクラッシュ、停電などが原因で障害が発生した場合や、ネットワークからノードにアクセスできなくなった場合には、高可用性(HA)によりサービスの稼働が維持されます。グレースフルシャッ

トダウンは障害イベントと見なされません。HAのテストを行うには、ノードの電源を強制的にオフにする

か、ノードからネットワークケーブルを取り外します。

2. [インフラストラクチャ] > [ノード] 画面を開きます。障害が発生したノードのステータスは [オフライン]で、赤で強調表示されています。

3. ノードの 1つで障害が発生し、使用不可能になった場合でも、次のサービスにアクセスできます。

• 管理者パネル。

• [仮想コンピュータ]:

• iSCS: VMware vSphere では、iSCSI 経由でエクスポートされたボリュームに引き続きアクセスでき

ます。

• S3: CyberDuckを介してバケットにアクセスできます。

• NFS:マウントされたルートエクスポートでは、アップロードしたデータに引き続きアクセスできます。

• Backup Gateway: バックアップ管理コンソールで、以前に作成したバックアップに引き続き移動できま

す(FQDNを適切に構成している場合にアクセス可能)。

ここまでで実行したデモで、サービスとデータが正常なノードに退避され、ダウンタイムなく引き続き利用可能な

ことがお分かりいただけたかと思います。

8.3. 高可用性のテスト 37