学術情報流通に関する 規格と基準 -...

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学術情報流通に関する 学術情報流通に関する 規格と基準 規格と基準 時実 時実 象一 象一 tokizane@aichi tokizane@aichi- u.ac.jp u.ac.jp 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 2 電子ジャーナルに関する規格と基準 電子ジャーナルに関する規格と基準 編集・出版に関する規格・基準 形式に関する規格・基準 利用・流通に関する規格・基準 – http://ejournal.jp/Links/StandardsCodes.htm

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  • 学術情報流通に関する学術情報流通に関する規格と基準規格と基準

    時実時実 象一象一

    tokizane@[email protected]

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 2

    電子ジャーナルに関する規格と基準電子ジャーナルに関する規格と基準

    • 編集・出版に関する規格・基準• 形式に関する規格・基準• 利用・流通に関する規格・基準

    – http://ejournal.jp/Links/StandardsCodes.htm

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 3

    電子ジャーナルに関する規格と基準電子ジャーナルに関する規格と基準

    • 編集・出版に関する規格・基準– 研究・執筆倫理– 編集基準– 雑誌名の省略形– 引用文献– 記事の版

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 4

    はじめにはじめに

    • 「撤回事例が語る科学会の透明性」– Ivan Oransky, Retraction Watch– 2011 CrossRef 年会の話題

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 5

    撤回論文数は増加している撤回論文数は増加しているNature. 2011, 478, 27Nature. 2011, 478, 27--2828

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 6

    出版社は理由を詳しく言わない出版社は理由を詳しく言わない

    • 「著者が倫理的な理由で撤回を申し出」– 実は二重投稿 (http://bit.ly/ragtCh)

    • 「法的な理由で撤回された」– 理由は公表できない– 企業がからんでいる (http://bit.ly/pcUzmW)

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 7

    さまざまな原因さまざまな原因

    • 共著者の不同意 (http://bit.ly/r9KQts)• 画像の操作 (琉球大学 森 直樹)

    (http://bit.ly/pVv4ff)• データ捏造 (http://bit.ly/dTrll0)• 再現性なし (http://bit.ly/nQRRLh)• 実験動物の取り違え (http://bit.ly/hYu7BF)

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 8

    CrossCheckCrossCheck• 投稿された論文の他の論文との類似を検出

    – iThenticate の技術– 参加出版社が論文全文データを検索用に提供– J-STAGE でも実施

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 9

    iThenticateiThenticate

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 10

    画像データの捏造・加工画像データの捏造・加工

    • CrossCheck では検出できない• 検出ツールはある• 生医学関係の雑誌では使用している

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 11

    捏造・加工の検出捏造・加工の検出

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 12

    編集者グループ編集者グループ• Council of Science Editors• European Association of Science Editors• World Association of Medical Editors (WAME)• International Federation of Scientific Editors (IFSE)• International Society of Managing and Technical Editors

    (ISMTE)• American Agricultural Editors' Association• American Association of Dental Editors (AADE)• Committee on Publication Ethics (COPE) (学術出版におけ

    る倫理)• Korean Association of Medical Journal Editors• 日本医学雑誌編集者会議 (Japanese Association of Medical

    Journal Editors: JAMJE)

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 13

    日本医学雑誌編集者会議日本医学雑誌編集者会議 (JAMJE)(JAMJE)

    • 委員長 北村聖 (東京大学医学教育国際協力研究センター教授)– 第4回日本医学雑誌編集者会議(JAMJE)・第4回シンポジウム (2011/10/5)

    • テーマ:「医学雑誌編集のガイドライン」

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 14

    研究・執筆倫理研究・執筆倫理

    • Committee on Publication Ethics (COPE)• International Guidelines For Ethical Conduct

    in Scientific Publishing (International Union of Pure and Applied Physics)

    • 科学におけるミスコンダクトの現状と対策 (日本学術会議、学術と社会常置委員会報告)

    • 研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて (文部科学省)

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 15

    編集基準編集基準

    • Uniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals (International Committee of Medical Journal Editors)

    • Errata, Retraction, Duplicate Publication, Comment, Update and Patient Summary Policy for MEDLINE

    • Elsevier Policy on Article Withdrawal• Nature journals' correction and retraction policy• IFLA/IPA Joint Statement on Retraction or

    Removal of Journal Articles from the Web• J-STAGE 推奨基準• SIST 科学技術情報流通技術基準

    – SIST 07 学術雑誌の構成とその要素– SIST 08 学術論文の構成とその要素

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 16

    SISTSIST• 科学技術情報流通技術基準

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 17

    SIST SIST の歴史の歴史• 科学技術会議「『科学技術情報の流通に関する基本的方策について』に対する答申」(1969)– 「科学技術情報の全国的流通システム(NIST:

    National Information System for Science and Technology)」構想

    – 情報処理技術に関する標準化を行う必要性指摘1. 書誌記述データの標準化2. 二次情報化技術の標準化3. 科学技術用語の管理システムの確立4. 情報の発表、記録形式、記録伝達技術の標準化

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 18

    重要な重要な SISTSIST• SIST 02 「参照文献の書き方(2007)」• SIST 05 「雑誌名の表記(2007)」• SIST 06 「機関名の表記(2007)」• SIST 07 「学術雑誌の発行と構成(2010)」• SIST 08 「学術論文の執筆と構成(2010)」

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 19

    SIST 02 SIST 02 参照文献の書き方参照文献の書き方• 科学技術論文における参照文献の書き方の基準

    • 例– 西潔, 石原和弘. 火山地域における震源計算についての提案. 火山. 2003, vol. 48, no. 5, p. 407-413.

    – 西潔, 石原和弘. 火山地域における震源計算についての提案. 火山. 2003, 48(5), p. 407-413.

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 20

    参照文献のスタイル参照文献のスタイル

    • 人文科学スタイル– 小山悟(1996)「自律学習促進の一助としての自己評価」『日本語教育』88号,pp. 91–103.

    • 自然科学スタイル– 小山悟. 自律学習促進の一助としての自己評価. 日本語教育. 1996, (88), 91–103.

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 21

    参照文献のスタイル参照文献のスタイル

    • 人文科学スタイル– Andersson, F. I. (2006). Cyanobacterial

    ClpC/HSP100 protein displays intrinsic chaperone activity. J. Biol. Chem. 281(9), 5468-5475.

    • 自然科学スタイル– Andersson FI. Cyanobacterial ClpC/HSP100

    protein displays intrinsic chaperone activity. J Biol Chem. 2006;281(9):5468-75.

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 22

    参照文献のスタイル参照文献のスタイル –– 書籍書籍

    • 人文科学スタイル– 井上逸兵(2002)『認知言語学キーワード事典』研究社,p. 110.

    • 自然科学スタイル– 井上逸兵. 認知言語学キーワード事典. 研究社,

    2002, 110.

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 23

    SIST 05 SIST 05 雑誌名の表記雑誌名の表記• 参照文献や二次資料中で雑誌名を表記する際の基準

    – 日本語誌名は,省略・略記せず正式誌名で表記する。

    – 日本語誌名を日本語以外の著作の参照文献等において記述する場合は,その正式誌名をローマ字書きする。

    – 欧文誌名を併せ持つときは,ローマ字書きした日本語誌名の後に,欧文誌名を丸括弧に入れて付記する。

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 24

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• 引用文献誌名を略名で書く• ある雑誌の投稿規定

    2) 文献の書き方<雑誌の場合>

    著者名:論文標題.掲載雑誌名(略名でよい)巻数(号数不要):通巻ページ(最初のページ‒最後のページ),発行年(西暦年)

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 25

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• 日本語の参照文献の雑誌名を英語で書いてしまう

    – ローマ字表記をして、必要なら英語をカッコで書く• "Joho Chishitsu (Geoinformatics)"

    – 英語誌名だと• しばしば同名の外国誌があり、リンクに失敗する• 引用が複数の名前に分散してしまう

    • 投稿規定に正しく書いてある雑誌もある– 「雑誌名は省略せず正確に書く.英語表記の存在しない雑誌の場合は,英訳せずにローマ字で記述する.」(「材料」)

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 26

    SIST 06 SIST 06 機関名の表記機関名の表記• 参照文献や二次資料中で機関名を表記する際の基準

    – 日本の機関名を和文で表記する場合は,略記してはならない。ただし,一部省略は行ってよい。

    – 例• ○国立大学法人大阪大学医学部• ○大阪大学医学部• ×阪大医学部

    – 日本の機関名を欧文で表記する場合は,原則として当該機関が定める欧文名称を使用する。

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 27

    SIST 07 SIST 07 学術雑誌の発行と構成学術雑誌の発行と構成• 学術雑誌の発行における基本的な事項と、記載すべき要素、記載要領の指針

    – 誌名の付け方– ページの付け方– 訂正や撤回の仕方– 表紙の書き方

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 28

    SIST 07 SIST 07 –– 雑誌の発行雑誌の発行 (1)(1)• 誌名には学術分野・機関名等のキーワードを含むこと– 抽象的あるいは、頭字語 (Acronym) の誌名はこのましくない

    • 誌名変更、合併や分割は巻または年の区切りでおこなう

    • 誌名を変更した場合は,新しい ISSN を取得する。

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 29

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• なし崩し的な誌名変更

    – 雑誌 A は当初和英混合誌• 完全英文誌とすることとし、英文名を正式名にしたいが、

    ISSN は変更しないと主張した– 雑誌 B は和文誌

    • 当初「xx 生物科学」• いつのまにか日本語誌名が消え、「Biological Sciences

    in xxx」となっている• ISSN の変更はしていない

    – 問題点• データベースの収録名がばらばらとなり、引用リンクもうまくいかない

    図書館 受入 配架が混乱

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 30

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• 和文誌に英文誌の名称を副誌名として付けた

    – xxx 学評論 (xxx Review of Japan)– すでに xxx Review of Japan という英文誌を発行しているので、xxx Review of Japan, Japanese Series などとしてもらうこととした

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 31

    SIST 07 SIST 07 –– 雑誌の発行雑誌の発行 (2)(2)• 複数の雑誌 (予稿集) の合冊は好ましくないが、やむをえない場合は中表紙を入れ、ページ付けも別々とする

    – 学術大会の予稿・抄録も独立した雑誌(大会予稿集・抄録集等の独立した名称がつく場合)と考えられる場合は同様とする。

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 32

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• 予稿集が雑誌の中に同梱されている、または特別号として発行されている– 上別府由紀ほか.“有識産婦における分娩結果”.第69回日本産業衛生学会年会.旭川,1996-06,日本産業衛生学会.産業衛生学雑誌.vol.38,臨時増刊号,1996,p.66.

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 33

    SIST 07 SIST 07 –– 雑誌の発行雑誌の発行 (3)(3)• 複数の媒体で発行する場合の誌名は同一とする– 必要なら「(オンライン版)」などと副記する

    • 複数の媒体で発行する場合も書誌 (巻・号・ページ付け等) は同一とする

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 34

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• CD-ROM 版を発行するとき、複数の雑誌をまとめて、総合的な誌名にしようとした– CD-ROM のラベルに各雑誌の誌名を記載してもらうことにした

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 35

    SIST 07 SIST 07 –– 雑誌の発行雑誌の発行 (4)(4)• 複数の媒体で並行して発行する場合,両者に掲載される論文等は同一であることが望ましい– オンラインのみの記事には E1, E23 のように区別されたページを付ける

    – 目次には両方記載する

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 36

    SIST 07 SIST 07 –– 雑誌の発行雑誌の発行 (5)(5)• 学術雑誌では巻号だてが望ましい

    – 暦年の区切りと一致させる– 巻をまたがる通し号数は付けない– 特別号等もある巻に属すること

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 37

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• 巻と発行年が一致していない

    – 「情報管理」

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 38

    SIST 07 SIST 07 –– 雑誌の発行雑誌の発行 (6)(6)• 発行年 (月日) は実際に発行された年 (月日) とする

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 39

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例• 発行日の後に採択されている?

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 40

    SIST 07 SIST 07 –– 雑誌の発行雑誌の発行 (7)(7)• 雑誌の一部を継続的に特別の号として発行しない

    – たとえば偶数号は必ず「英文論文号」とするなどページは巻 (または号) の通しページとする

    – 特別号等は通しページまたは S1, S2 など区別できるページとする

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 41

    SIST 07 SIST 07 –– 訂正・撤回・再発行訂正・撤回・再発行 (1)(1)• 訂正記事はページ数のあるページに掲載し,もとの論文の書誌と訂正内容を記載する。訂正記事は目次にも記載する。

    • 訂正文をラベルや訂正紙として印刷したもの,あるいは訂正して再作成した論文の別刷りを,次号に挟み込む等の措置を行ってはならない。

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 42

    JJ--STAGE STAGE の事例の事例

    • 修正した別刷りを配布したい–それはできない–エラータを添付して配布するのが正しい

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 43

    SIST 07 SIST 07 -- 訂正・撤回・再発行訂正・撤回・再発行 (2)(2)• 撤回措置 (retraction) をおこなった場合は撤回告知記事をページ数のあるページに掲載し,もとの論文の書誌と撤回理由を記載する。撤回告知記事は目次にも記載する。

    • ある記事を訂正して再発行する場合は訂正再発行告知記事をページ数のあるページに掲載し,もとの論文の書誌と再発行理由を記載する。

    – 別刷りによって差し替える等の措置を行ってはならない。

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 44

    SIST 07 SIST 07 -- 訂正・撤回・再発行訂正・撤回・再発行 (3)(3)• 電子雑誌の場合、もとの論文を (直接) 修正・削除してはならない。

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 45

    SIST 08 SIST 08 学術論文の執筆と構成学術論文の執筆と構成• 学術論文の執筆と出版の基本的事項、論文の構成要素と記載要領の指針

    – 執筆倫理– 記載要領など

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 46

    SIST 08 SIST 08 –– 論文の執筆論文の執筆• 二重投稿をしてはならない

    – 翻訳については投稿規程に従うが、元の論文の書誌を記載する (文献標題中が好ましい)

    – 学位論文、学術大会等で発表したものを利用する場合は、それら書誌を記載する 著者は実際に研究

    に携わった者であり、論文の内容に責任を持つ者とする

    – 助言者、支援者は謝辞で触れる• 資金助成は謝辞等で明記する

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 47

    SIST 08 SIST 08 -- 記載要領記載要領 (1)(1)• 著者の所属機関は,当該研究の行われた機関名を記載する。

    – 著者の所属機関が変わった場合は,注に現在の所属機関名を記載する。

    • 参照文献の項目は,1文献ずつ記載する。– 原則として,参照文献に注を記入してはならない。

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 48

    SIST 08 SIST 08 -- 記載要領記載要領 (2)(2)• 電子的補助資料がある場合は,論文中でその存在と入手方法について明記し,電子的補助資料のファイル中には論文の書誌と補助資料の書誌的事項 (名称,提出年月日)を記載する。– ファイル形式は 可能な限りOS に依存しないものとする。独自のソフトウェアが必要な資料についてはソフトウェアも同梱する。

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 49

    学術情報流通に関する規格と基準学術情報流通に関する規格と基準

    • メタデータに関する規格と基準– OpenURL– DOI– ORCID– JATS (NLM DTD)

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 50

    OpenURLOpenURL• URL の中に検索式を埋め込み、コンテンツを検索する仕組み

    – 検索式を受け取ったデータベースや電子ジャーナルがコンテンツを検索して返す

    • リンク・リゾルバで利用している

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 51

    OpenURLOpenURL• 実例

    – Moll JR, Olive & M, Vinson C., J Biol Chem. 2000 Nov 3 ; 275(44):34826-32., doi:10.1074/jbc.M004545200

    • sid=ebsco:medline&aulast=Moll&auinit=JR&date=2000-11-03&stitle=J%20Biol%20Chem&volume=275&issue=44&spage=34826• id=doi:10.1074/jbc.M004545200

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 52

    DOIDOI

    • Digital Object Identifier • 接頭コード (サイトを同定) と文書コード (文書を同定) からなる

    • 例:10.1021/ci0000272

    • 接頭コードは国際 DOI 財団 (IDF) またはその認定した登録機関 (Registration Agency) が付与

    • 文書コードは各出版社が自由につける

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 53

    CrossRefCrossRef • 引用文献リンクの国際ネットワーク• Publishers International Linking Association

    (PILA) が運営• 世界の主要 152 出版社・学会が参加• Digital Object Identifier (DOI) を利用

    – Registration Agency

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 54

    リンクのやり方リンクのやり方

    • 電子ジャーナルが引用文献を CrossRef で検索– 見つかった DOI を電子ジャーナルに埋め込む

    • 利用者が DOI (CrossRef) をクリックすると– IDF の Handle System が論文のアドレスを見つけ、そこにリダイレクトする

    • 例:– http://dx.doi.org/10.1126/science.1065467

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 55

    JaLCJaLC• Japan Link Center• 独自の Registration Agency として DOI を付与 (情報管理. 2012, 55(1), 42-46.)– 日本語文献を中心に?

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 56

    研究者研究者 IDID• 著者を同定したい

    – 同姓同名の異人– 所属の移動– 研究助成の審査– 二重投稿の防止

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 57

    研究者研究者 IDID• いくつかのプロジェクト

    – Scopus Author Identifier– ResearcherID (Thomson Reuters) – ArXiv author identifiers– 研究者リゾルバーID : 1000010410565(NII)– 科研費研究者番号– JST 著者 ID– CiNii 著者 ID

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 58

    研究者研究者 IDID• 研究者リゾルバー

    – 時実 象一– トキザネ シュウイチ (まちがい)– 研究者リゾルバーID : 1000010410565– 科研費研究者番号 : 10410565

    • JST (J-Global)– 時実象一 (55件) 【200901100513376351】– 時実象一 (27件) 【200901100513376360】– 時実象一 (18件) 【200901100513376327】– 時実象一 (17件) 【200901100513376459】

    • CiNii– 9000002541666 (22件)– 9000003139501 (2件)– 9000004447212 (17件)– 9000004447443 (16件)

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 59

    ORCIDORCID• 非営利団体として結成

    – 会員は出版社、大学、研究機関、研究助成機関、データベース

    – 日本からは NII, JST が参加• これら各種研究者 ID のリンクをおこなう• 出版社は論文投稿の際に ID の検索をさせる

    – 最新の著者データが自動的に入手できる

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 60

    DTDDTD

    • Document Type Definition– SGML, XML において、文書構造 (文書型) を定義する

    – 具体的には• 要素 (element)• 属性 (attribute)

    – などを定義する

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 61

    NLM DTDNLM DTD

    • 学術雑誌における XML の DTD として開発(2002)– PubMed Central 改良計画 (NCBI)– 学術雑誌の電子的アーカイブ・プロジェクト

    • ハーバード大学• メロン財団

    – メンバー• NCBI、ハーバード大学、メロン財団、Mulberry

    Technologies (NCBI コンサルタント)、Inera, Inc. (ハーバード大学コンサルタント)

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 62

    JATSJATS

    • Journal Article Tag Suite (JATS)– NLM DTD 3.1 (draft) が NISO に移行– JATS version 0.4

    • トライアルが 2011/9/30 で終了– 1.0 へ向けて検討中

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 63

    SPJ SPJ ワーキング・グループワーキング・グループ

    • 印刷会社・学会の有志• 目的

    – NLM DTD の多言語サポートのため提言– NLM DTD で定義が不足している部分の定義・ガイドライン作成

    • 実績– 2010/4 に NLM-DTD WG に提言– 3.1 ドラフト作成に貢献

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 64

    • SPJ は JATS ワーキング・グループにオブザーバとして参加することに内定– JATS 1.0 の討議にオフラインで参加

    JATS JATS ワーキング・グループに参加ワーキング・グループに参加

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 65

    多言語サポート多言語サポート

    • 日本の WG の意見を参考に• 英文書誌・抄録を持つ日本語文献の XML 化が可能となった– @xml:lang による言語指定がほとんどの要素で可能

    – ほとんどの構造の繰り返し記述可能– 同一のものが繰り返し記述されている場合に、それがひとつのものの別言語での記述であることを示すためのラッパー

    • J-STAGE でも採用

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 66

    学術情報流通に関する規格と基準学術情報流通に関する規格と基準

    • 利用・流通に関する規格・基準– COUNTER– SUSHI– SERU– Transfer– PIE– CrossMark

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 67

    COUNTERCOUNTER

    • COUNTER (Counting Online Usage of NeTworkedElectronic Resources) (2002. 3 に結成)

    • 図書館や出版社/データベース提供者により結成された会員組織

    • J-STAGE も会員

    – 加藤 信哉. 「COUNTERについて (電子ジャーナルの利用統計)」. 薬学図書館. 2007, 52(3), 258-269.

    – 荒川 紀子. 「 J-STAGE購読機関への利用統計レポートの提供開始とCOUNTER準拠」. 情報管理. 2007, 50(1), 32-39.

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 68

    COUNTERCOUNTER• COUNTER Code of Practice (実施規定)• 電子ジャーナルやデータベースの使用量統計のための基準– Release 1: 2002. 12– Release 2: 2005. 4– Release 3: 2008. 8– Release 1 for Books and Reference Works

    2006. 3• アクセス回数を数える

    • Release 2 の日本語版http://ejournal.jp/Links/StandardsCodes/Release_2-J.pdf

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 69

    COUNTERCOUNTER

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 70

    COUNTERCOUNTER

    • 毎月のアクセス回数を数える (Release 2)– Journal Report 1: 全文リクエスト数

    • PDF• HTML

    – Journal Report 2: 拒絶数 (turnaways)– Database Report 1: 検索数とセッション数– Database Report 2: 拒絶数 (turnaways)– Database Report 3: サービス毎の検索数とセッション数

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 71

    COUNTERCOUNTER

    • Release 3 における拡張– 自動検索、統合検索、ロボット、分割 HTML、などの項目を追加

    – SUSHI を採用– XML 報告書を追加– アーカイブ報告書を分離– コンソーシアム向け報告書– 雑誌/書籍統合報告書オプション

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 72

    COUNTERCOUNTER

    • 数え方のポイント– 成功した、有効なリクエストのみ数える

    • Return code 200, 304– リンクのダブルクリックは 1 リクエストと数える (10 秒ルール)

    – ゲートウェイを通る場合、二重計上がないようにする

    • 監査– 公認会計士等適切な監査人の監査を毎年受ける

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 73

    SUSHISUSHI

    • SUSHI (Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative)– NISO の基準 (ANSI/NISO Z39.93)

    • COUNTER 報告書を Web サービスを通じてXML 形式で入手するプロトコル– SOAP (Simple Object Access Protocol) を利用

    • GetReport メソッド– ReportRequest– ReportResponse

    – COUNTER Code of Practice Release 3 で採用

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 74

    SERUSERU

    • SERU (Shared E-Resources Understanding)

    • 2005 年米国図書館協会 (ALA) で議論• 2008. 2 NISO Recommended Practice

    – 電子ジャーナルライセンス契約事務の簡素化• 契約のかわりに SERU を受け入れて登録• 購入発注書にコンテンツの量、アクセス期間などを記入

    • 加藤 信哉. 「出版社と図書館の共通理解に基づく電子ジャーナル利用の試み SERU (Shared E-Resources Understanding) について」. 情報管理. 2009, 51(10), 743-752.

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 75

    SERUSERU

    • 概要– 購読

    • 同時アクセスユーザ数は制限なし– 認定利用者の定義– 資料の使用

    • 著作権法による– 不適正使用問題の解決– 機密保持とプライバシー– オンライン性能とサービス– アーカイビングと永続的アクセス

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 76

    SERUSERU

    • 現状– 30 出版社、86 図書館が参加 (2009. 4)

    • Springer (1 雑誌)• Taylor & Francis• BioOne• 小規模出版社、大学出版社など

    – 事務手続きが簡素化されるメリット

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 77

    TransferTransfer

    • UKSG Transfer Code of Practice• 問題

    – 雑誌がある出版社から別の出版社に移動する際• 過去分がなくなる• ギャップができる• これまでの購読契約が無視される• DOI を付け直す出版社もある (CrossRef のルールに違反)

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 78

    PIEPIE--JJ• Presentation & Identification of e-Journals

    – NISO RP-16-201x (public review)

    • 電子ジャーナルの公開の基準– 雑誌タイトルと書誌情報について– 雑誌タイトル変更と履歴について– ISSN について– 番号の付け方について– 発行情報について– コンテンツへのアクセスについて– 冊子から電子化したコンテンツの保存について

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 79

    PIEPIE--JJ• 元の雑誌タイトルと書誌情報を維持

    – 公開の際、いつも元のタイトルと書誌情報で表示する。

    – 誌名が変更されたときも、旧誌名で発行された記事は旧誌名で表示する。

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 80

    PIEPIE--JJ• 誌名の変更

    – 雑誌の内容や性格が変更されたときにおこなうべきであり、cosmetic な (句読点などの) 変更は行うべきでない。

    • 巻号数– 必ず巻 (号) 数を用いる。なるべく単純なものとし、各種メディアの版で同一とする。

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 81

    PIEPIE--JJ• 発行情報

    – 編集委員会や編集委員の情報を明記する。履歴も記載する。号単位の情報も含める。

    • 公開– 現在と過去の記事のアクセスを保証する。過去の誌名もわかるようにする。すべての記事を維持する。

    • 過去分の電子化– 電子化の際は、白紙や表紙も含めて完全に電子化する。広告も電子化する。失われたものがあれば明記する。

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 82

    論文の版論文の版

    NISO J-STAGE Elsevier 著者の最終原稿 (校正前) Author's Original early release 早期公開 Accepted manuscripts 校正刷 Proof early release 早期公開 Uncorrected Proof 校正済原稿 (ページ柱なし) Version of Record early release 早期公開 Corrected Proof 印刷前原稿 (ページ柱あり) Version of Record early release 印刷前公開 Corrected Proof 通常公開 Version of Record 通常公開

    • いろいろの呼び方がある

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 83

    CrossMarkCrossMark• 論文の複数の版が存在する

    – 早期公開– 機関リポジトリ– 著者のサイト– その他の無料サイト

    • その場合訂正・撤回があってもわからない• 論文の出版社の正規な版 (Version of

    Record) にマーク• クリックすると版の現状が表示される

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 84

    CrossMarkCrossMark

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 85

    規格のステークホルダ規格のステークホルダ

    • 図書館• 情報利用者• 出版社・学会・大学• 電子ジャーナル・プラットフォーム

    – J-STAGE– NII– メディカル・オンライン– Pier Online (サンメディア)

    • データベース提供者

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 86

    SIST SIST の終了の終了

  • 2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 87

    まとめまとめ

    • 研究・執筆倫理については明確化が進んでいる

    • 編集・出版についての規格・基準も整備されてきている

    • 利用・流通については XML によるデータ交換が進められている

    2012/5/25 学術情報流通に関する規格と基準 88

    参考参考

    • 電子ジャーナル情報源 http://ejournal.jp/– 「基準・倫理」