への部分影の影響シミュレーションと新たな手 法による日射量 … ·...
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超高精度DSMを利用した太陽光発電システムへの部分影の影響シミュレーションと新たな手法による日射量予測への挑戦
2017.11.17九州工業大学大学院工学研究院電気電子工学研究系 三谷 康範
本日の内容
1 地図で見る日射量(太陽光発電の評価)
2 雲画像から日射量を推定(日射量予測)
GISの基本的な機能
●有用なデータ(レイヤ)を重ね合わせて現実世界をモデル化→太陽光発電に関する情報を挿入
道路
地図を利用した日射量分布解析(日射量マップ)→太陽光発電
地図を利用した電気自動車エネルギー解析→エネルギーを運ぶ
建物
土地利用
航空写真
現実世界
研究背景• 総務省に採択された「災害時の「電力確保」まで想定した世界最先端のG空間防災モデルの構築」事業の一環として取り組む
地域情報ポータルサイト G-motty www.g-motty.com
システム基盤(北九州市クラウド)
行政データ 民間データ
庁内向けGIS 自治体間連携GIS 住民連携型GIS
地理空間情報プラットフォーム
いのうくん みんなで作る地図 地形を知ろう!
重要施設(避難所)
ゴミ発電
災害時の電力源の確保
太陽光発電
北九州市と一緒に災害対応地図情報を開発
電力確保
九工大担当
研究目的
日射量マップの作成
②時々刻々と変化する太陽軌道情報を考慮する
①パネルの状態を把握する
③影を考慮した日射量を解析する
・日射量が多い地点への太陽光パネルの導入促進
・日射量を最大限に利用できる太陽光パネルの設置条件の提案
DEM(Digital Elevation Model):建物や樹木等の地物の高さを取り除き、地表面の標高値をもったデータ
DSM(Digital Surface Model) :建物や樹木などを含む表層面の標高値を持ったデータ
【出典】 日本測量調査技術協会HP
GISでは、標高データを持つモデルが大きく2つある。
⇒GoogleEarth、国土地理院が公開する標高データ
⇒北九州市が保有する標高データ
DSMでは、影の発生を地図上に表現太陽光発電に適した屋根や土地を特定
影
影
影
日射量マップを作るには
直達日射
散乱日射
全天日射量=直達日射量+散乱日射量
大気による散乱
その地点の緯度、経度より太陽軌道を求めある期間の全天日射量を積算する。
日射量マップを作るには
DSMについて
北九州市小倉北区の航空写真+DSM
DSMを用いると太陽光パネルの状態・パネルの設置に適している土地が把握できる
9
西小倉地区の影評価
日射量の評価結果(戸畑キャンパス10号棟)
10.13 6:00~17:00
積算量2013.10.13 8:00~16:00
部分影評価への応用
先行の研究での取り組み
出典 「EfficiencyImprovement of Rooftop Photovoltaic System at Railway Station」ICEE2015HongKong ICEE15A-229
直列に接続された系統のおよそ半分は日光に当たっている。
しかし、実際の発電量は極端に下がっている。
東京駅ホーム屋上の太陽光発電システムの例
定点カメラにより得た写真をもとに、影の変化を予測しそれをよけるような回路を組みかえを提案するというものだった。
部分影の面積以上の出力低下がおこる
晴れた日のデータしか参考にできない。年間の評価が必要であり膨大な時間がかかる。
赤で示した直列の発電量
もっと短時間で簡単に影の変化を知りたい!!
九州工業大学図書館屋上の太陽光発電システムについて解析をおこなった。
モジュールスケールの影を解析
太陽光発電システム概要太陽光パネル
240枚
段差
日光をさえぎる障害物
部分影を作る要因
部分影が原因で実測の発電量が理想発電量より低い
2015/5/2 8:00~16:00 間での解析 8:00~8:30~9:00~9:30~10:00~10:30~11:00~11:30~12:00~12:30~13:00~13:30~14:00~14:30~15:00~15:30~
天候情報を加えたシステムを構築中
日射量の計算・評価例(戸畑キャンパス)
雲画像情報と併せた日射量短時間予想の手法を構築中
今の所高さデータは荒っぽいが、精密なデータが必要であればドローンを飛ばして計測すればよい
18
解析日時:2017/01/04
12:0012:3013:0013:3014:0014:3015:00
九州工業大学10号棟太陽光発電システムへの部分影解析
旧DSM
Drone_DSM
14:00
14:02
14:03
14:12 14:27
パネル下段2枚周辺が隠れている
サーモカメラ
写真
日射量予測への挑戦
3
雲画像 GISの日射量解析
・魚眼レンズによる全天画像とGIS日射量解析から、雲の影響を考慮した日射量を算出する。
解析手法
5
空を明度により4種類に分割し、可視領域に対する面積割合を求める
可視領域
太陽領域 青空領域
明雲領域 暗雲領域
・4種類の空に対し、日射量に与える影響度合いを示す「日射量寄与係数」を設定。
・面積割合=a,日射量寄与係数=y として推定式を定める。
解析手法
23
推定式日射量推定値= GISによる解析値× { (a1×y1)+(a2×y2)+(a3×y3)+(a4×y4) }
青空太陽 明雲 暗雲
多くの事例を用いて日射量寄与係数yを決め、雲画像から日射量を推定する手法を確立
日射量寄与係数(12:02~12:31)y1(太陽) 80.6
y2(青空) 0.890
y3(明雲) 2.34
y4(暗雲) 0.771
解析結果
8
日射量への影響度合い太陽>明雲>青空>暗雲
同時間帯の快晴日と晴れ日にyを適用し、日射量を推定する
0
10000
20000
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12:31
日射量[J/m
2 ]
時刻
実測値 推定値
日射量推定
9日射量の実測値と推定値の比較(2017/2/3 12:02~12:31 快晴)
各時刻の誤差率平均:2.00%実測値合計と推定値合計の誤差率:1.26%
日射量寄与係数による日射量推定ができている
日射量推定
10
0
10000
20000
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12:31
日射量[J/m
2 ]
時刻
実測値 推定値
日射量の実測値と推定値の比較(2017/2/6 12:02~12:31 晴れ)
各時刻の誤差率平均:20.2%実測値合計と推定値合計の誤差率:7.02% 日射量の変化が表現できている
日射量寄与係数の他時間帯への適用
12
0
10000
20000
30000
40000
5000012:31
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13:00
日射量[J/m
2 ]
時刻
実測値 推定値
日射量の実測値と推定値の比較(2017/2/3 12:31~13:00 快晴)
各時刻の誤差率平均:3.18%実測値合計と推定値合計の誤差率:2.49%
日射量寄与係数の他時間帯への適用
0
10000
20000
30000
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50000
60000
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13:00
日射量[J/m
2 ]
時刻
実測値 推定値
日射量の実測値と推定値の比較(2017/2/6 12:31~13:00 晴れ)
各時刻の誤差率平均:27.5%実測値合計と推定値合計の誤差率:1.62%
・雲の様子をGISの地図上に表現。
→空(雲を含む)のベクトルを算出することで、本研究の日射量推定手法を用いて短時間後の日射量の変化を予測する
研究目的(将来の見通し)
変換
メルカトル図法平射図法
ご静聴有難うございました