西川善司のゲーム開発マニアックス 物理シミュ...
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パネリスト
• 西川善司 – トライゼット、テクニカルジャーナリスト
• 松宮雅俊 – 株式会社カプコン、技術研究部・技術研究室、プログラマー
• 津田順平 – コーエーテクモゲームス、技術支援部、シニアエキスパート
• 新井タヒル – シリコンスタジオ株式会社、リサーチ&デベロプメント部、ソフトウェアエンジニア
• 松生裕史 – 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、第1事業部ソフト開発部
• 原田隆宏 – Advanced Micro Devices, Inc.、Office of the CTO
西川善司 トライゼット
松宮雅俊
カプコン
原田隆宏
AMD
松生裕史
SCE
津田順平 コーエーテクモ
ゲームス
新井タヒル シリコン
スタジオ
2011年から2012年にかけて物理が凄かったゲームって?
• FIFA13(EA,2012) – PLAYER IMPACT ENGINE
• アンチャーテッド~砂漠に眠るアトランティス(NAUGHTY DOG,SCE,2011) – 荒波→リアルタイムに船体を動かす
現行機と物理シミュレーション
• 「物理すげえ」ゲームが減ってきた?
• 皆さんに質問
–そろそろできることの限界が見えてきた感がある?
–流体物理シミュレーションは現行機のゲームでは実践応用は難しいとか
西川善司
トライゼット 松宮雅俊
カプコン
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津田順平 コーエーテクモ
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今世代機でも未解決な問題はある
• 質量比問題
• 有効な解決手段は?
西川善司
トライゼット 松宮雅俊
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津田順平 コーエーテクモ
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時間的疎密化の有効性?
• 物理シミュレーション限ったことではないが30fpsと60fpsでは負荷が全然違う
• 空間分割や処理単位が一様であったとしても時間方向の疎密化を行えば…
– タイムワープ
• 物理シミュレーションの更新レートを適宜変えれば質量比問題も解決できる?
西川善司
トライゼット 松宮雅俊
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人体シミュレーションと物理(1)
• 人体モーションを次なる物理シミュレーションのターゲットにするのは面白みのあるテーマ
–現世代機、次世代機で挑戦すれば見返りの大きいテーマになりえそう?
• n3問題、n2問題も…
–町の破壊には難しくても、人体をテーマにする分には負荷的には現実的
• 関節はたかだか数十個
西川善司
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人体シミュレーションと物理(2)
– MAX PAYNE3がNaturalMotionのEndorphinをうまく活用してこれに挑戦して成功している
– ガンスリンガーストラトスではダメージを受けた瞬間にラグドールに移行してすぐ基準姿勢に戻る表現を実験(最終的に表現としてはカットされた)
• 人間の動きの最適化問題
– 全てのモーションの自動生成は難しくてもワンポイントに応用するための技術として開発するのはとても有効では?
MAX PAYNE3 (ROCKSTAR,2012)
• モーションキャプチャーしたモーションとモーションを(ブレンドではなく)プロシージャルに繋ぐ技術は近未来的に必要。 – あるいは当たり前になる
ガンスリンガー ストラトス(スクウェアエニックス,2012)
人体シミュレーションと物理(3)
• 次世代機で欲しい人体表現は?
–筋肉表現
• 現在の「胸揺れ」表現の先のものとして
– ソフトボディの使い道?
西川善司
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DEAD OR ALIVE 5(コーエーテクモゲームス)
「破壊」というテーマについて
• NVIDIAが事前分割無しのリアルタイム破壊デモを公開 – 壊れるプロセスはリアルだが何か不自然
– ユーザーのインタラクションと一致していない感じ
• ゲーム物理が抱えている問題といえるかも? – 世界観がデフォルメされているときはそれほど気にならなかったが
– グラフィックスの「不気味の谷」問題と共通する課題
FRACTUREデモ(NVIDIA,2012)
ファイナルファイト(カプコン,1989)
ゲーム物理の未来(1)
• ゲーム物理ってどこまでやるべきなの?
• 布の挙動とアクセサリの動きだけがリアルでゲーム物理の出来が良くないゲーム
–使いどころが定式化していけばいくほどこういうことは起こりうる
• ゲームにおける物理の「よさ」ってなんだろう?
–物理が存在しなそうな世界に物理が適用される事の驚きと感動
西川善司
トライゼット 松宮雅俊
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ゲーム物理の未来(2)
• 「ゆるい物理」の再評価 – ゲーム物理はシリアスにやる必要はないのでは?
– 局所的にシリアスな物理が効いてアンバランスな世界を構築するよりは、そのゲーム世界全体に物理が効いていたほうがユーザーの満足感は高いはず
• 2Dや2.5Dはよいテーマの1つ – 【好例】大局流体物理→PixelJunk Shooter
– 次世代物理テーマを2Dや2.5Dに持ち込むと意外に面白いものができるかもよ!
PixelJunk SHOOTER(キュー・ゲームス,2009,2011)
パペッティア(SCEJ,2013)
ゲーム物理の未来(3) • GPGPUと物理シミュレーション
– n2のアルゴリズムをnのアルゴリズムとして実行できる威力
• 新しいアルゴリズム誕生への期待 – Projected JacobiとProjected Gauss-Seidelのハイブリッド法
• GPGPUは人体シミュレーションにもおあつらえ向きのテーマである
• 皆さんに質問 – 物理のようなゲームの根幹部分をGPUで処理したくないという開発側の意見はあるのだろうか
西川善司
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ゲームエンジンと物理
• 物理の専門家がいる開発スタジオは少数 – ミドルウェアを使っていこうという動きは強い
• プランナーが物理シミュレーションを嫌う傾向はある?
• ゲームエンジン側で実装すべき物理テーマとミドルウェアを利用すべき物理テーマ – 布、アクセサリ、衝突判定はエンジン側で?
• 万能型の物理エンジンをゲームエンジンと一体化するよりは、ゲームエンジン側では物理シミュレーションの部品の整備や物理パイプラインの整備の方が望まれているのだろうか?
西川善司
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次世代機に寄せて
• CPUよりもGPUがオーバースペックくらいの方が丁度いい
–グラフィックス描画以外への用途、すなわち物理やAIに使えるようにするため
– 1080p,60fpsにしたらGPUパワー使い切りましたでは困る!
西川善司
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